JP2923477B2 - 連続鋳造法 - Google Patents

連続鋳造法

Info

Publication number
JP2923477B2
JP2923477B2 JP9012971A JP1297197A JP2923477B2 JP 2923477 B2 JP2923477 B2 JP 2923477B2 JP 9012971 A JP9012971 A JP 9012971A JP 1297197 A JP1297197 A JP 1297197A JP 2923477 B2 JP2923477 B2 JP 2923477B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tundish
casting
molten steel
maintenance
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP9012971A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09225600A (ja
Inventor
利行 副島
勝良 松尾
信友 益田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP9012971A priority Critical patent/JP2923477B2/ja
Publication of JPH09225600A publication Critical patent/JPH09225600A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2923477B2 publication Critical patent/JP2923477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、親鍋から溶鋼を
平型タンディシュに注入し、このタンディシュから鋳型
に流し込んで、直接的にビレツトやスラブを作る鋼の連
続鋳造法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の連続鋳造法にあつては、連続鋳造
後、タンディシュを鋳型上からクレーン、台車等により
鋳造床を越えて通常100m程度の如くかけ離れたタン
ディシュ整備ヤードに運び、ここで鋳造要員とは別の整
備専門要員により整備(以下、冷間整備という)されて
いた。 【0003】なおタンディシュとしては、実操業上、構
造が簡単で経済的な平型のタンディシュが殆ど使用され
ており、タンディシュ整備の問題はこの平型タンディシ
ュに伴う問題であるため、以下、平型タンディシュを用
いる連続鋳造法について説明する。なお、以下におい
て、平型タンディシュを単にタンディシュという。この
タンディシュ整備ヤードにおいては、まず残鋼処理を行
う。 【0004】残鋼処理方法としては、例えば連続鋳造後
の熱間状態にあるタンディシュを傾転させる等して該タ
ンディシュ内の残鋼や残滓を廃棄する所謂ノロ返しを行
い、その後タンディシュの温度がまだ下がりきる前に酸
素吹付けによる内面洗浄を行い、更にブレーカ等によ
り、タンディシュ内面に付着した地金及びスラグを除去
する方法が知られている。 【0005】残鋼処理の別の方法としては、連続鋳造後
のタンディシュを水冷等により冷却して該タンディシュ
内の残鋼や残滓を固化せしめ、その後タンディシュを反
転させ、地金押し抜き機等により、上記固化によりタン
ディシュ内面に付着した地金及びスラグを押し抜いて除
去する方法が知られている。 【0006】この様な残鋼処理工程を経た後のタンディ
シュに対しては、その下部に設けられたスライディング
バルブの交換やサブマージドノズルの交換等の整備を行
い、更にタンディシュ内面の局部的な損耗部分に不定形
の耐火物を吹付けて内面の補修整備を行つた後、タンデ
ィシュをバーナ等により再加熱(以下、この再加熱操作
を予熱という)して、溶綱注入の順番がくるまで待機さ
せていた。 【0007】この様な冷間整備においては、一連のタン
ディシュ整備全工程に8時間程度かかるため、従来は1
つの連続設備につき予備を含めて12個程度のタンディ
シュを用意して順番に使用していた。 【0008】ところで、初めに述べた酸素吹付けによる
内面洗浄を行う方法では、酸素吹付けによってもタンデ
ィシュ内面を完全に洗浄することができず、しかも酸素
吹付けによって新しい酸化物がタンディシュ内面の耐火
物表面に付着することが避けられない。したがつて、こ
のタンディシュを用いて鋳造を行うと、溶鋼中にスラグ
及び酸化物が多量に混入し溶鋼内に巨大介在物が生成さ
れるという問題があつた。このため既述の如く使用後の
タンディシュは、内面に付着したスラグ及び酸化物を除
去し、その後タンディシュを完全に冷却して新しい耐火
物を吹付けて内面を整備するか、若しくは別法として述
べた様に、酸素吹付けによる内面洗浄を行わず、タンデ
ィシュを使用後に冷却し、地金を押し抜き除去した後、
新しい耐火物を吹付けて内面を整備し、この内面整備が
完了したタンディシュをバ−ナ等で予熱してから鋳造を
行つていたのである。つまりいずれにしてもタンディシ
ュは完全に冷却され、冷却状態での整備及び次回使用に
備えた予熱を必須の工程としていたのである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】近年、鋼に対するユー
ザニーズが高級化・多様化してきたため、小ロットによ
る生産を行わねばならなくなつてきている。しかし、小
ロット材の生産を従来の連続鋳造法で行う場合、先の連
続鋳造で用いたタンディシュをそのまま次の別ロット材
の連続鋳造に用いると、異種の鋼成分が混入するという
問題が生じる。そこでこれを避けるため、タンディシュ
を頻繁に交換せざるを得ず、且つその度にタンディシュ
を整備しなければならなかった。このため、従来の連続
鋳造法では、耐火物コストの増大や、タンディシュの冷
却・予熱という一連の繰り返しで浪費される熱ロスの増
大といった問題があつた。 【0010】特にタンディシュ内面に張りつける耐火物
にかかるコストは、従来の全操業コストの内約40%近
くを占めると言われており、したがって小ロット材を製
造する際の上述の様なタンディシュの頻繁な整備におけ
る耐火物コストを減少させることは極めて重要な解決課
題となつていた。 【0011】更に従来の連続鋳造法においては、タンデ
ィシュの整備に専用の要員を多数配置する必要があると
いう問題があり、この整備要員が鋳造要員とほぼ同数必
要とされており、この整備要員を減少させることも重要
な解決課題となっていた。 【0012】一方、製造された鋼の品質の面からは次の
様な問題があった。即ち従来の連続鋳造法においては、
鋳造開始に当たって親鍋(取鍋)からタンディシュに注
入される溶鋼は、蓋付きタンディシュ内の空間がAr等
の非酸化性ガス雰囲気に維持されているとはいえ注入の
プロセスで酸化を受けることが避けられず、またタンデ
ィシュに注入される溶鋼によるタンディシュ内面耐火物
の剥離も避けられず、これらによって巨大介在物の多い
溶鋼となる傾向にあった。しかもタンディシュは予熱さ
れているとはいえ、該予熱は内面耐火物の比較的表層部
の加熱に止まっており、耐火物全体の温度として見れば
溶鋼温度よりも低いため、親鍋からタンディシュに注入
される溶鋼はタンディシュ側に熱を奪われ、溶鋼温度が
低下するので上記巨大介在物は分離されずに鋳型に流し
込まれるという問題があつた。 【0013】他方、中心偏析をなくすためには、低温鋳
造(鋳型内の溶鋼温度が必要以上に高くなって鋳型通過
後の冷却凝固が遅くなることを防止するため、鋳型内の
溶鋼温度をできる限り低めに抑制する様に制御した鋳造
方法)が要求されるが、この様な低温鋳造を行えば、前
記した鋳造初期の温度低下によつて溶鋼が凝固してサブ
マージドノズルが詰まる恐れが強まるため、現在では理
論限界まで追及した低温鋳造法は不可能とされていた。 【0014】この発明は、上記従来技術の問題に鑑みて
なされたものであつて、上記従来技術の問題、即ちタン
ディシュ耐火物コストを大幅に減少させることができる
共に、熱ロス及びタンディシュ整備要員を減少すること
ができ、更に鋳造製品中の巨大介在物を可及的に減少さ
せ且つ中心偏析のない高品質の鋳造製品を製造し得る連
続鋳造法を提供することを目的とするものである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を
全く新規な着想の下で、実操業上の経済面及び鋳造製品
の品質面の両課題を極めて有利に解決することを意図し
て鋭意検討した結果、タンディシュ整備作業について、
該整備作業完了後にバーナ等で予熱すれば足りるとの旧
態依然とした固定観念では、タンディシュの内面を加熱
しても外側からの冷却進行を阻止することは困難であ
り、予熱はタンディシュの温度低下の低減に対して本質
的な解決策にはなり得ないこと、しかも予熱前(即ち、
タンディシュ整備作業完了前)に既にタンディシュ全体
が大きな温度低下を生じてしまっていることに注目し、
鋳造終了後から次の鋳造開始までの間のアイドルタイム
を如何にすれば短時間化できるか、その対策を検討し、
遂に独創的な本発明技術を開発したのである。 【0016】すなわち、本発明は、親鍋からの溶鋼を平
型タンディシュに注入し、該溶鋼をタンディシュから鋳
型に流し込むごとくした連続鋳造法であって、鋳造終了
後、この鋳造に用いた平型タンディシュを鋳型上から鋳
造床を越えてタンディシュ整備ヤードに運んで残鋼及び
残滓を排出し、ストッパー、スライディングバルブ、サ
ブマージドノズル等の必要な部品交換整備作業を行い、
更に必要な場合にタンディシュ内面の局部的補修整備作
業を行って整備を完了した後、鋳型上に復帰させて次回
の鋳造を行う連続鋳造法において、鋳造終了後直ちに、
この鋳造に用いた平型タンディシュを、鋳型上から鋳造
床内であって鋳型近距離位置に移し、鋳造終了直後の熱
間状態で、その位置にてノロ返しを行って残溶鋼及び溶
融スラグをそのまま排出することによって、固着スラグ
の掻出し作業を不要にし、速やかに必要な前記整備作業
を行って実質的に冷却しない熱間整備を完了し、この熱
間整備を完了した平型タンディシュを鋳型上に復帰させ
て受鋼し、タンディシュ内の溶鋼を加熱するプロセスを
含んで鋳造を行うことを要旨とする特徴とする平型タン
ディシュの繰り返し使用による連続鋳造法である。 【0017】 【発明の実施の形態】この発明によれば、鋳造終了後直
ちに、この鋳造に用いたタンディシュを例えばクレーン
を用いずに鋳型上から鋳造床内であって鋳型近傍の位置
に移し、その位置にて傾転させることによって十分なノ
ロ返しを行い、残溶鋼及び溶融スラグをそのまま排出す
ることによって固着スラグの掻出し作業を不要とする。
その後速やかに必要な前記整備作業を行って実質的に冷
却しない熱間整備を完了する。そして、この熱間整備を
完了したタンディシュを繰り返し使用するに際しては、
例えばクレーンを用いずに該タンディシュを鋳型上に復
帰させて鋳造を行い得る状態に待機させる。このように
実施すれば、前回鋳造終了後の高熱状態が可及的に維持
された高熱タンディシュを用いる連続鋳造(以下タンデ
ィシュの熱間繰り返し使用と言うことがある)を行うこ
とができるのである。 【0018】上記の如き実施形態の下では、安全性確保
のための長時間作業である玉掛け等の準備作業を必要と
するクレーンは使用せず、しかも、タンディシュを鋳造
床内であって鋳型上からあまり離れない近傍という短距
離を移動させるだけであるので、タンディシュの温度が
可及的に維持され、タンディシュ内面の温度低下による
残溶鋼及び溶融スラグの固化及びタンディシュ内面への
残鋼及び残滓の付着といったことが殆ど生じない。した
がつて、従来のようにこの付着物を剥ぎ取る必要がない
ので、この剥ぎ取り作業による耐火物の機械的損耗を防
止でき、耐火物の寿命を向上することができるのであ
る。 【0019】更に、上記の様にタンディシュの移動所要
時間が短縮されると共に、タンディシュの諸整備が熱間
で遂行されるので、前回の鋳造終了から次回の鋳造開始
までに要する時間を飛濯的に短縮することができるだけ
でなく、タンディシュ内面の耐火物の温度変化を少なく
することができる。特に温度変化による耐火物の疲労が
少なくなることも耐火物の寿命向上にとって有効に作用
する。 【0020】またこの発明によれば、タンディシュを熱
間状態で繰り返し使用するので、従来12個程度必要と
していたタンディシュの準備個数を、理論的には2個ま
で、実際には3個程度に減少させることができる。この
ことによっても、タンディシュ耐火物のコストを減少で
きる。 【0021】更にタンディシュは熱間状態で諸整備が完
遂されるので、次回の鋳造開始に際してタンディシュを
予熱することが実質上不必要となり、この予熱のために
消費されていた熱ロスを減少させることができる。 【0022】更にこの発明によれば、タンディッシュ内
面に固化残鋼及び固化残滓などの付着物を生じることが
ないので、これらを剥ぎ取る作業を省略でき、しかも、
安全性のため時間のかかる玉掛け等の作業を必要とする
クレーンは使用しなくとも良いこととなり、且つ従来の
冷間整備に用いられていた整備ヤードが不要となるの
で、タンディシュ整備のための用具、用地を減少するこ
ともできる。 【0023】更にこの発明によれば、溶鋼を親鍋から高
温のタンディシュヘ注入する時の溶鋼流によつてタンデ
ィシュ内溶鋼の攪拌が行われ、且つ溶鋼温度の低下が少
ないので、タンディシュ内面のスラグ及び酸化物を一旦
溶鋼内に取込み、更にこの溶鋼攪拌効果によつて溶鋼内
からスラグ及び酸化物の分離浮上を促進させることがで
きるので、溶鋼内での巨大介在物の生成を防止すること
ができると共に、鋳造終了までの温度低下がないので中
心偏析の防止に寄与できる。 【0024】また更にこの発明によれば、上記熱間整備
を完了した平型タンディシュを鋳型上に復帰させて受鋼
した後、タンディシュ内の溶鋼を加熱するプロセスを含
んで鋳造を行うが、この加熱は、タンディシュ内の溶鋼
温度の低下を防止し鋳込みに必要な限度の温度に維持・
回復することによって低温鋳造(親鍋内での溶鋼温度を
不必要に過熱状態としなくてもよい鋳造方法)を可能な
らしめるものであるから、鋳込みに先立って溶鋼を加熱
しても良いが、鋳造中の任意の時期、例えばタンディシ
ュ内溶鋼温度が低下し始めた任意の時期に行えば十分で
あり、要は鋳込み終了までにタンディシュ内での顕著な
温度低下がなければ良いのである。このことによってタ
ンディシュ内での溶鋼温度が鋳造に必要な限度に保持さ
れる結果、タンディシュ内への注入以前の溶鋼、即ち親
鍋内での溶鋼を必要以上に高い温度に加熱しておく必要
がなく、理論的に必要な可及的低い温度以上に保持して
おきさえすれば良い訳で、ここに低温鋳造の実施が可能
となったのである。 【0025】 【実施例】以下、本発明方法を例示図に基づいて詳細に
説明する。図1は鋳造床内で行われる本発明方法を模式
的に説明する図面である。図1において、1は溶鋼を収
容した親鍋、2は親鍋1の直下に配設したタンディシ
ュ、3はタンディシュ2の直下に配設した鋳型であっ
て、先ず親鍋1内の溶鋼Aをタンディシュ2に注入す
る。このとき溶鋼Aの注入に基づく溶鋼流lよつて、タ
ンディシュ2内面のスラグ及び酸化物が溶鋼A内に取り
込まれる。 【0026】次いで上記の如く受鋼したタンディシュ2
を鋳型3上から移動させ、必要であれば、図1中左側下
層線に示す如くアーク、プラズマ、インダクター等の電
気的方法(図1中に2点鎖線で示されたタンディシュ2
上部の構成物がプラズマ加熱用のトーチである)により
加熱し、溶鋼Aを無酸化昇熱(受鋼時温度より+30℃
/30分程度)させると共に、更に必要であればこの加
熱時間中溶鋼Aをスターラ等により攪拌する。これによ
つて溶鋼Aの温度分布が均一となり、また溶鋼A内のス
ラグ及び酸化物が分離浮上し、溶鋼Aでの巨大介在物の
生成が防止される。尚、上記した溶鋼Aの加熱攪拌に平
行してダミーバセットを行うことにより、鋳造の準備時
間をより一層節約できる。 【0027】その後、前記タンディシュ2を鋳型3上に
戻して、溶鋼Aの鋳型3への流し込みを行うのであっ
て、この鋳型3により成形された鋼片は、冷却水吹付部
4、ピンチロール5、ガス切断部6を通り所望のビレツ
ト或いはスラブとして仕上げられる。 【0028】こうして鋳造が終了すると、直ちにタンデ
ィシュ2を図1中右側仮想線に示すように鋳型上から鋳
造床内であって鋳型近傍の位置に移動させ、鋳造終了直
後の熱間状態で、タンディシュ2の傾転を行うノロ返し
によって該タンディシュ2内の残溶鋼及び溶融スラグを
十分排出することによってその後の固着スラグの掻出し
作業を不要にし、速やかに必要な前記整備作業を行って
タンディシュ2の熱間整備を完了する。 【0029】このタンディシュの整備作業には、熱間状
態で、すなわち、実質的に冷却することなく行うもので
ある限り、一般的に行われているタンディシュの整備作
業が含まれる。但し、前述の如く、付着物を剥ぎ取る作
業は不要である。 【0030】その一例を挙げれば、タンディシュ2を傾
転させることにより残溶鋼及び溶融スラグを十分排出し
た後、熱間でストツパーの交換、更にはタンディシュ2
の下部に設けられたスライディングバルブやサブマージ
ドノズル等の交換を行い、更に必要によつてはタンディ
シュ2の内面に耐火物を局部的に吹付けて内面補修等の
熱間整備完了し、次回の鋳造を行うまでの間に、再度鋳
型3上にセットし、この熱間整備したタンディシュ2
に、次の鋳造を行うべき溶鋼注入を行うという一連の動
作が行われる。 【0031】以上述べたタンディシュ2の熱間整備は、
鋳造終了直後の熱間状態を維持してで行うので、熱間整
備完了後と次回の鋳造開始までの間において実質的に予
熱をする必要がない。なお、上記熱間整備は実質的に冷
却しない整備であるので、従来技術における様なクレー
ンの使用や、余分な整備作業(酸素吹付けによる内面洗
浄、付着した地金及びスラグの除去など)に伴う遅延に
起因する温度低下分を補うために不可避的に必要とされ
ていた様な予熱は、本発明では不要であることは言うま
でもない。ただし上記熱間整備が完了した後における事
情、例えば連続鋳造スケジュールでの非定常的な事態、
例えば新たな待ち時間の発生等に対処するための予熱を
行うことは、何ら支障ないことである。具体的な例を挙
げて述べれば、例えば親鍋等の上流側の都合で次回の鋳
造にとりかかるまで待機を余儀なくされる場合がある
が、その場合には30分間以下の予熱をすることもあ
り、或いは逆に、マッチングロス(物流のアンマッチな
ど)若しくは連続鋳造機本体の整備調整の遅れによって
待機を余儀なくされる場合には、上記場合よりも更に長
い時間の予熱をすることもある。この様な物流遅れ等が
ない定常的状態での連続鋳造スケジュールが進行してい
る限りにおいては、熱間整備完了後の予熱が不要である
ことは言うまでもない。 【0032】ここで、容量50トンのタンディシュを用
い、従来の冷間整備をした場合と、本発明の鋳造方法に
より熟間整備した場合との介在物生成による地疵数推移
を比較して図2に示す。図2は、縦紬に地疵個数を取
り、横紬に鋳造量を取つたグラフである。 【0033】図2に示すように、従来のタンディシュを
一度冷却して使用する冷間整備の場合(図2中の一番上
の点線)に比べると、本発明と同日出願に係る原出願発
明に従って熱間整備タンディシュを繰り返し使用する場
合(図2中の真中の点線)は鋳造量(T)の少ない鋳造
初期段階から介在物生成による地疵が少なくなっている
が、更に本発明に従って、熱間整備に溶鋼加熱攪拌を加
えて鋳造した場合(図2中の一番下の実線)は、更に介
在物生成による地疵が少なくなり、一層の高品質鋳造が
行われていることがわかる。 【0034】以上、要するにこの発明は、熱間状態でタ
ンディシュを繰り返し使用すると共に、タンディシュ内
の溶鋼を加熱するプロセスを含んで鋳造が行われ、それ
によって所謂低温鋳造が実施されることとなったことに
その本質がある。したがつてこの発明の本質を逸脱しな
い範囲において、適宜変更できることは言うまでもな
い。 【0035】 【発明の効果】本発明に係る連続鋳造法によれば、鋳造
終了後直ちに、この鋳造に用いたタンディシュを鋳型上
から鋳造床上の可及的近傍位置に移し、鋳造終了後の熱
間状態で、その位置にてタンディシュの傾転によるノロ
返しを行って残溶鋼及び溶融スラグの排出を行い必要な
熱間整備を完了するので、移動の所要時間が短くなると
共に、従来技術の様な余分な整備作業(酸素吹付けによ
る内面洗浄、及びこれに伴って付着した地金及びスラグ
の除去など)に伴う遅延に起因する温度低下分を補うた
めに不可避的に必要とされていた予熱は不要であり、こ
の熱間整備を完了した高熱のタンディシュを用いて次回
鋳造を行うので、更に以下のような優れた効果が得られ
る。 【0036】まずタンディシュ内面の耐火物の寿命を向
上できると共に、タンディシュ自体の準備個数も減少す
ることができるので、タンディシュ内面の耐火物コスト
を従来の1/10以下に抑えることができる。更に、タ
ンディシュ整備のための専門要員を減少することができ
ることに加えて、鋳造の準備時間を短縮することができ
る。更に、この発明では熱ロスを少なくすることができ
るので、タンディシュ加熱のための燃料ガス使用量を滅
少させることができる。 【0037】また、この発明の連続鋳造法によれば、鋳
造初期において、タンディシュ内の溶鋼中からスラグ及
び酸化物を分離浮上させて、溶鋼内での巨大介在物の生
成を押え得るので、鋼片への巨大介在物の混入がなく、
鋳造初期から定常部と変わりのない高品質の鋳造を行わ
せることができる。また、タンディシュ内の溶鋼を加熱
するプロセスを含んで鋳造されるので、低温鋳造が可能
で鋳造された鋼片における中心偏析の向上を達成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明方法を模式的に説明する図である。 【図2】鋳造時の介在物生成推移を示すグラフである。 【符号の説明】 A 溶鋼 1 親鍋 2 タンディシュ 3 鋳型

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.親鍋からの溶鋼を平型タンディシュに注入し、該溶
    鋼をタンディシュから鋳型に流し込むごとくした連続鋳
    造法であって、 鋳造終了後、この鋳造に用いた平型タンディシュを鋳型
    上から鋳造床を越えてタンディシュ整備ヤードに運んで
    残鋼及び残滓を排出し、ストッパー、スライディングバ
    ルブ、サブマージドノズル等の必要な部品交換整備作業
    を行い、更に必要な場合にタンディシュ内面の局部的補
    修整備作業を行って整備を完了した後、鋳型上に復帰さ
    せて次回の鋳造を行う連続鋳造法において、 鋳造終了後直ちに、この鋳造に用いた平型タンディシュ
    を、鋳型上から鋳造床内であって鋳型近距離位置に移
    し、鋳造終了直後の熱間状態で、その位置にてノロ返し
    を行って残溶鋼及び溶融スラグをそのまま排出すること
    によって、固着スラグの掻出し作業を不要にし、速やか
    に必要な前記整備作業を行って実質的に冷却しない熱間
    整備を完了し、 この熱間整備を完了した平型タンディシュを鋳型上に復
    帰させて受鋼し、タンディシュ内の溶鋼を加熱するプロ
    セスを含んで鋳造を行うことを特徴とする平型タンディ
    シュの繰り返し使用による連続鋳造法。
JP9012971A 1997-01-27 1997-01-27 連続鋳造法 Expired - Lifetime JP2923477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9012971A JP2923477B2 (ja) 1997-01-27 1997-01-27 連続鋳造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9012971A JP2923477B2 (ja) 1997-01-27 1997-01-27 連続鋳造法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26057785A Division JPS62118954A (ja) 1985-11-19 1985-11-19 連続鋳造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09225600A JPH09225600A (ja) 1997-09-02
JP2923477B2 true JP2923477B2 (ja) 1999-07-26

Family

ID=11820123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9012971A Expired - Lifetime JP2923477B2 (ja) 1997-01-27 1997-01-27 連続鋳造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2923477B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4712513B2 (ja) * 2005-10-19 2011-06-29 新日本製鐵株式会社 タンディッシュの整備装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5332830A (en) * 1976-09-08 1978-03-28 Irie Kosan Kk Method and equipment for maintenance of tundish in continuous casting method
JPH0526589A (ja) * 1991-04-08 1993-02-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> スパイラル型ヒートパイプを具備する冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09225600A (ja) 1997-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2923477B2 (ja) 連続鋳造法
JP3395706B2 (ja) 連続鋳造方法
CN113927008B (zh) 一种抑制板坯生产双相钢结晶器液面周期性波动的生产方法
JPH0526589B2 (ja)
JPH0829402B2 (ja) 連続鋳造方法
JPH03210948A (ja) タンディッシュ
JPH0455770B2 (ja)
JP4600095B2 (ja) タンディッシュの熱間再使用方法
JP2695882B2 (ja) 連鋳設備における排滓移送設備
JP2000084645A (ja) タンディッシュの連続使用方法
JPH10225765A (ja) 連続鋳造用タンディッシュの再使用方法
US20040011500A1 (en) Method for the casting of metallurgical products on a continuous-casting plant comprising a tundish
JP3093617B2 (ja) タンディッシュの熱間連続使用方法
JP4189313B2 (ja) 熱間回転タンディッシュを用いた溶鋼の連続鋳造方法
Mills Mould fluxes for continuous casting and their effect on product quality
Kadota et al. Continuous casting technology of hot cycle operations of tundish for clean steel slabs at No. 4 CC
JPH05237614A (ja) 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置
JP2001038452A (ja) 連続鋳造方法
JP2001162352A (ja) 小ロット鋼片の製造方法及び装置
JPH04305337A (ja) 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置
JPH01237061A (ja) 連続鋳造用タンディッシュの再使用方法
CN2820386Y (zh) 一种复合轧辊的电磁连续铸造设备
JP2002035901A (ja) 連続鋳造用タンディッシュの熱間回転操業方法
JP3075911B2 (ja) タンディッシュ内スラグ軟質化及び排出方法
JP4385638B2 (ja) 連続鋳造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990406

EXPY Cancellation because of completion of term