JPH05237614A - 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置 - Google Patents
環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置Info
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Abstract
しかも鋳造欠陥を生ぜしめるおそれ無く、特に、高い熱
効率で経済的に鋳造する方法、および装置を提供する。 【構成】 (方法)コンベア9で搬送されている鋳型10aの環状
溝形凹部10a1の中へ、その円周方向に沿って溶湯
(溶融低炭素鋼)を注湯する。 (装置)回転ベース30の中心軸Z1に比して、寸法E
だけ偏心させたタンデッシュ37を設け、このタンデッ
シュを半径Eの円弧を描きつつ回転させる。
Description
を工業的に生産するための鋳造方法、および鋳造装置に
係り、径寸法数百ミリメートル程度の、一様な厚さ(十
数ミリメートル程度)の座金状の製品を連続的に鋳造す
るに好適な鋳造方法、並びに鋳造装置に関するものであ
る。
て製造する対象である低炭素鋼製の環状部材の例を示し
た2面図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は
その断面図である。その寸法は例えば次のごとくであ
る。
に示した厚さを有する低炭素鋼板をプレスで打ち抜いた
り溶断したりしていた。しかし乍ら、平板からリング状
部材を打ち抜いた場合、歩留りが悪くて不経済である。
その上、この例のように厚さ寸法12mm〜19mmの鋼板
を打ち抜く作業は容易でない。また、溶断した場合は切
口が綺麗でないため仕上げ加工を必要とする。
の寸法,形状の製品を得る技術として鋳造がある。図4
は、単純な形状の鋳鋼製品の1例としてフランジ付き鋼
管を鋳造する装置を示す模式的な断面図である。模式化
して描いてあるので寸法割合などは必ずしも実例のとお
りではない。型枠1の中に上型2と下型3とが収められ
ており、その間に中子4が配置されている。
されて目的形状となるキャビティ5が形成されている。
6は湯口,7は湯溜りである。さらに溶湯が凝固する際
の収縮を補うように押湯8が設けられている。
為されてきており、上掲の図3に示した構成の他に、溶
湯をキャビティに導くための水平な湯道や、湯道からキ
ャビティに流入する溶湯の不純物を除去するための堰
(せき)などが設けられる場合が多い。その他、健全な
製品を得るために冷し金を設けたり、余肉を付したり、
ガス抜きを設けたりする場合も少なくない。
明した従来例の鋳造技術は、その構造も手順も非常に複
雑である。しかし乍ら、鋳造品の形状を所望のごとく仕
上げるため、および、鋳造欠陥の無い健全な鋳造品質を
得るため、従来技術においては斯うした構成を必要とし
た。前記の従来技術(図4)においては、1個の製品を
鋳造する度に上型2および下型3よりなる鋳型を毀して
製品を取り出さなければならない。このように鋳型を毀
すことは鋳型製造コスト分だけ製品コストを上げる上
に、型ばらしと俗称される鋳型破壊除去作業は多大の時
間と労力とを要し、しかもこの作業は著しい苦渋作業で
ある。前述のように1個の製品を鋳造する度に型ばらし
をしなければならないので、鋳造作業を連続的に行うこ
とができない。(鋼板のように極めて単純な形状の長尺
な製品については連続鋳造・圧延の普及が技術的趨勢に
あるが、図2に示したような個々の単品を連続的に多数
鋳造することは不可能とされていた)。
適用する場合の技術的な難易度は、その材質によって異
なる。鉄鋼材料の範囲内で見た場合、鋳鉄が最も容易で
あり鋼鉄は困難である。鋼鉄について更に詳しく見る
と、高炭素鋼に比して低炭素鋼は鋳込時の凝固温度が高
いため凝固し易いので、含有不純物の浮上分離が困難で
ある。このため鋳造欠陥を生じ易く、低炭素鋼の鋳込み
は困難とされている。
造法や、真空鋳造法や、各種の精密鋳造法(例えばロス
トワックス法,シェルモールド法など)が実用化されて
いる。しかし乍ら、低炭素鋼の鋳造に関する前述の不具
合は解消されていない。
に、鋳型を破壊して取り出した鋳造品は、押湯8や湯溜
り7の中で凝固した材料が連結された状態になってお
り、これらを切断,除去して切口を仕上げなければなら
ないので、いっそう手数を要し、鋳造コストを上昇させ
ている。のみならず、次に述べるような熱効率上の無駄
が有り、金銭的な熱経済の面でも好ましくない上に、社
会的な省エネルギーの要請に反している。すなわち、前
述のように鋳型を破壊して鋳造品を取り出し、該鋳造品
に手入れを施して仕上げようとすると、常温近くまで放
冷させなければならない。この放冷には時間を要するた
め生産能率を阻害する。しかも該鋳造品に若干の塑性加
工を加えるために再加熱することはエネルギーのロスで
ある。しかし、再加熱せずに冷間で塑性加工を施そうと
すると大きい力を要し、加工設備が大きくなり、加工コ
ストも上昇する。従来の鋳造技術によって低炭素鋼製品
を製造しようとすると上述のような技術的困難や経済的
不利が有った。
術において図2に示したような形状の低炭素鋼製の部材
を経済的に生産するにはプレス打抜もしくは溶断が用い
られている。
ジ付きの管状部材の鋳造である。一方、図2に示した環
状部材は、このフランジ付き管状部材に比して単純な形
状の部材である。このように単純な形状の部材を鋳造す
る場合、図3に示した複雑な鋳造方案および手順をその
まま適用することは不合理である。こうした観点から検
討し直してみると、従来技術においては例えば図2に示
したような単純な形状の低炭素鋼部材を鋳造するに適し
た鋳造技術の開発が盲点になっていたことに気付く。
ずしも押湯8や湯溜り7を設けなくても、鋳造欠陥を防
止するための、より簡単な技術が有って然るべきである
と考えられる。
のであって、環状の低炭素鋼製品を自動的に、かつ連続
的に、しかも鋳造欠陥を生ぜしめるおそれ無く鋳造する
方法および同装置を提供すること、特に、湯流れ(溶湯
の流動性)の悪い溶融低炭素鋼を鋳型の中に完全に行き
渡らせて鋳造品の表面欠陥を防止するとともに、簡単な
装置を用いて迅速かつ容易に溶湯中の不純物を除去して
健全な組織の製品を得ることができ、しかも熱経済的に
も有利な技術を提供することを目的とするものである。
め、本発明に係る環状鋼製品の連続鋳造方法は、環状溝
形の凹部を有する上方開放形の複数個の鋳型を無端環状
のコンベアに取付けて搬送しつつ、上記の鋳型を間欠的
に停止させ、鋳型が停止している間に、該鋳型の環状溝
形の凹部の円周方向に沿って溶融低炭素鋼を注湯し、上
記無端環状コンベアで搬送しつつ鋳型内の溶融低炭素鋼
を徐冷して凝固せしめ、上記の鋳型が無端環状コンベア
の搬送路終点に達したとき、該鋳型をコンベアとともに
移動させつつ上下を反転して、環状溝形凹部内で凝固し
た環状鋼製品を落下せしめ、落下した環状鋼製品を搬送
コンベアで受け止めてXY圧延ロールに供給するととも
に、該搬送コンベアからXY圧延ロールに受渡される時
点における環状鋼製品の温度が鍛造適温となるように制
御し、上記環状鋼製品をX方向およびY方向に熱間圧延
して、該環状鋼製品の組織調整を行うとともに、その形
状,寸法を仕上げることを特徴とする。
成として本発明の連続鋳造装置は、無端環状のコンベア
と、上記コンベアに取付けられた複数の上方開放形の鋳
型と、上記鋳型に設けられた環状溝形の凹部と、上記鋳
型の環状溝形の凹部に溶解した低炭素鋼を供給する溶解
炉と、上記溶解炉から溶湯を注入されて該溶湯を鋳型の
環状溝形凹部に注入するタンデッシュと、前記無端環状
コンベアの搬送路終点の下方に設けられた搬送コンベア
と、上記搬送コンベアの搬送路終点付近に設置されたX
Y圧延ロールと、を具備していることを特徴とする。
ので、この中へ容易に注湯することができる。注湯の開
始,進行,完了を容易に行い得るということは、この操
作の自動化,連続化に適することを意味している。 b.しかも、本発明においては、鋳型の環状溝形凹部の
円周方向に沿って注湯するので、該環状溝形凹部の隅々
まで溶湯が流動し、鋳造品の表面欠陥の発生が抑制され
る。 c.前記環状凹部に注湯された溶湯は、ほぼ目的どおり
の形状,寸法となり、上面が大気に開放されている上
に、高さ寸法が比較的小さいので、溶湯中の不純物の上
昇が容易である。なお、タンデッシュ内でも不純物の上
昇,除去作用が行われる。 d.環状溝内で凝固した環状の製品は、鋳型を破壊する
ことなく上下反転させて取り出されるので、迅速,容
易,かつ連続的に製品取出作業が行われ、しかも鋳型を
繰り返し使用し得る。 e.鋳造直後の高温の製品が、室温まで放冷されること
なく、鍛造適温まで降温したときに熱間圧延されるので
熱経済的に有利であり、かつ、熱間圧延されるので冷間
圧延に比して小さい力で足り、圧延設備が小形,軽量,
かつ、安価である。
状のコンベアと、上記コンベアに取付けられた複数の上
方開方形の鋳型と、上記鋳型に設けられた環状溝形の凹
部と、上記鋳型の環状溝形の凹部に溶解した低炭素鋼を
供給する溶解炉と、上記溶解炉から溶湯を注入されて該
溶湯を鋳型の環状溝形凹部に注入するタンデッシュと、
前記無端環状コンベアの搬送路終点の下方に設けられた
搬送コンベアと、上記搬送コンベアの搬送路終点付近に
設置されたXY圧延ロールと、を具備しているので、前
記の本発明方法を容易に実施することができるという優
れた実用的効果を奏する。
を示す模式図である。模式化して描いてあるので、各構
成部材の形状,寸法は必ずしも実施例の現物を縮尺した
ものではない。図示の9は無端環状のチェーンコンベア
で、二十数個のセラミック鋳型を取付けてある。本図に
おいては、その代表例として鋳型10a〜同10eを描
いてある。これらのセラミック鋳型には環状の溝形凹部
を設けてあり、図示の鋳型の内で鋳型10e,同10
a,同10bは該環状溝形の凹部を上方に向けた姿勢に
なっている。無端環状コンベア9を運転すると、これら
の鋳型10b,10a,10eは矢印aのごとく進行
し、矢印bのごとく反転する。このため、図示の鋳型1
0c,10dは溝形凹部を下に向けている。
は鉄工工場に設けられていて自工場で発生した低炭素鋼
スクラップを溶解する電磁誘導形の電気炉である。本発
明を実施する際、本例のように自工場発生スクラップを
原料にすると、溶湯の組成コントロールが容易で好都合
であるが、必ずしも自工場スクラップを原料としなけれ
ばならぬものではない。また、本発明を実施する際、溶
解炉は電気炉に限られるものではなく、平炉,転炉,坩
堝炉なども適用し得る。しかし、不純物,介在物の混入
が少なく、操炉のコントロールを半自動化し易いといっ
た観点から見ると電気炉であることが望ましい。11a
は上記溶解炉11の出湯口であって、前記の環状溝形の
凹部に沿って回転せしめ得る構造になっており、コンピ
ュータ制御されるシャッタ11bを備えている。
想線で示したAは回転注湯機構であって、本発明装置に
おける最も重要な構成部分である。その詳細については
図1を参照して後述する。
から注湯されて、溶湯12がその環状溝形凹部に盛り上
げられ、無端環状コンベア9の運転に伴って図示矢印a
のごとく10b位置に進行する。
する間、前記の溶湯を保温してその冷却速度を遅らせる
よう、還元性高温雰囲気を形成する雰囲気バーナー13
が設けられている。
ているが本例の装置は、前記の鋳型が矢印a区間を通過
する間これを覆う形のトンネル状の耐火壁を設けて保温
を容易ならしめてある。
鋳型内の溶湯が凝固を完了していないように(少なくと
も、環状溝形凹部の上方に盛り上がっている溶湯が流動
性を失っていないように)設定される。
沿って相対的に移動して余分の溶湯(盛り上がっている
部分)を掻き落とすワイパー14を設ける。
前述の溶解炉であるが、本図においては模式的に縮小し
て描いてある。11aは前述の出湯口,11bは同じく
シャッタである。11cは上記のシャッタを開閉駆動す
るシリンダである。環状溝形の凹部10a1を有する鋳
型10aがチエンコンベア9上に搭載されている。この
チエンコンベア9は図2における無端環状コンベア9と
同一の構成部材である。
て回転し得るように支持されるとともに、その周囲に受
歯車の歯30aが固定されている。上記の受歯車の歯3
0aは、中間歯車31,ベベルボックス32および減速
機33を介してモータ34によって回転せしめられる。
られていて、調整ネジ35によって図の左右方向の位置
を調節される。上記のスライダ35にタンデッシュ37
が搭載されている。その中心線Z2は前記の回転軸Z1に
対して寸法Eだけ偏心している。前記の回転ベース30
が回転軸Z1を中心として回転すると、タンデッシュ3
7は上記回転軸Z1を中心として半径Eの円弧を描いて
回転する。この半径寸法Eは回転ベース30に対するタ
ンデッシュ37の偏心量であり、前記の調整ネジ36を
操作して調節し得る。
っているシャッタで、39はその駆動用のシリンダであ
る。図示の40はタンデッシュ37の出湯を制御するた
めのシャッタで、シリンダ41によって開閉駆動され
る。このタンデッシュ37は、複数個の鋳型に注湯し得
る量の溶湯(溶融低炭素鋼)を収納し得るようになって
いて、上記のシャッタ41を開閉して複数個の鋳型に対
して順次に注湯できるようになっている。このようにタ
ンデッシュの容量を大き目に設定しておくと、タンデッ
シュ内でも不純物が上昇,分離され、不純物の無い湯が
下方から取り出される。
ている鋳型10aが回転軸Z1の真下に来たとき、チェ
ンコンベア9を一時的に停止させ、モータ34によって
回転ベース30を回転軸Z1を中心として回転させなが
らシャッタ40を開いて該鋳型10aに注湯する。前記
のタンデッシュの内腔の形状を適宜に設定しておくと該
タンデッシュ内の湯流れが整流となり、気泡を巻き込ん
だりするおそれが無い。前記のタンデッシュ37は水平
面内で回転しつつ、鋳型10aの環状溝形凹部10a1
の円周に沿って溶湯を注湯する。
方に向けて開放している上にその円周に沿って注湯され
るので、注湯は迅速かつ容易に行われ、該凹部の隅々ま
で直ちに溶湯が流動する。このため、湯境や湯不足など
の鋳造欠陥を生じるおそれが無い。また、セラミック鋳
型を用いているのですくわれ等の鋳型欠損に伴う鋳造欠
陥が発生するおそれも無く、環状製品の鋳込みが行われ
る。
2を盛り上げ気味に注湯しておく。そして、この10a
位置の鋳型が10b位置まで進行する矢印aの区間で急
速に冷却しないように、還元性雰囲気の火炎を発生する
保温用の雰囲気バーナー13で補熱する。
12は、矢印a区間の進行中にガスを放散し、非金属介
在物を浮上せしめて自浄作用が行われる。
が完了していない状態で、その上面をワイパー14で掻
き取る。これにより、盛り上がっていた余分の溶湯が除
去される。溶湯中のガスや不純物は前述の徐冷期間(矢
印aの区間を進行する間)に上昇しているので、このよ
うにして溶湯の盛り上がり部分を除去すると、環状溝形
凹部内に残った鋳造製品の組成は健全なものとなる。
取り除去されると、環状溝形凹部内の鋳造製品は所定の
形状,寸法となる。実際技術としては、この段階(掻取
り工程)において製品素材が「その後の熱収縮や若干の
圧延整形を考慮に入れた、目的の形状,寸法」となるよ
うコントロールされる。
し、鉄鋼資源のリサイクルを図る。本実施例において
は、装置全体としての材料歩留りが90%以上となっ
た。
取りを受けた鋳型は矢印bの如く進行して上下を反転さ
れ、鋳込まれていた製品素材15は、凝固に伴う収縮と
自重とによって放出され、落下する。上記の製品放出を
いっそう円滑に行わせるよう、本例の鋳型は環状溝形の
凹部に抜きテーパを付してある。
受け取る位置に、搬送コンベア16が設けられており、
受け取った製品素材15を矢印cのごとくXY圧延ロー
ル17まで搬送して供給する。製品素材15′はX圧延
ロール17aで図の左方に送られながら圧延され、次い
でY圧延ロール17で紙面と直角方向に送られながら圧
延される。圧延温度は任意に設定することができるが、
本例における圧延温度は700℃である。この圧延温度
は搬送コンベア16の速度によって制御される。すなわ
ち、搬送コンベア16の搬送経路の終点(XY圧延ロー
ル17による圧延の開始点)における製品素材の温度を
検出する手段を設けておき、検出温度が700℃を越え
れば搬送コンベア16の送り速度を下げ、700℃未満
になると送り速度を上げるようになっている。
材15′は、圧延によって製品寸法を精密に調整される
とともに、鋳造組織が微細化され、異方性のファイバー
組織が与えられる。このように、鋳造時の高温を常温ま
で冷却させることなく、鍛造適温まで冷却したときに圧
延するので熱経済の面でも有利であり、常温圧延に比し
て圧延設備が簡単で足りる。
2kg/mm2で、JIS規格G3101SS4100と同
等品質のものが得られた。
コンベア16に渡した鋳型は矢印eのごとく10d位置
まで進行する。この位置の下方に、圧縮空気を噴射する
清掃ノズル18が設けられていて、鋳型10dは圧縮空
気を吹き付けられて自動的に清掃される。
行し、TVカメラ19によって内部の目視検査を受け
る。損耗が認められた鋳型は型交換ステージ20で交換
され、異常の無かった鋳型は進行を続けて再度の使用に
供される。
によって離型剤を吹付け塗布され、図示10e位置に進
行する。上記の位置の鋳型10eの上方に、予熱バーナ
ー22が設置されている。本例の予熱バーナー22は高
周波加熱バーナーによって構成されており、鋳型10e
を500℃に加熱する。これにより、注湯時の熱衝撃が
緩和され、セラミック鋳型の破損が防止される。
本発明に係る環状鋼製品の鋳造方法は、 環状溝形の凹
部を有する上方開放形の複数個の鋳型を無端環状のコン
ベアに取付けて搬送しつつ、上記の鋳型を間欠的に停止
させ、鋳型が停止している間に、該鋳型の環状溝形の凹
部の円周方向に沿って溶融低炭素鋼を注湯し、上記無端
環状コンベアで搬送しつつ鋳型内の溶融低炭素鋼を徐冷
して凝固せしめ、上記の鋳型が無端環状コンベアの搬送
路終点に達したとき、該鋳型をコンベアとともに移動さ
せつつ上下を反転して、環状溝形凹部内で凝固した環状
鋼製品を落下せしめ、落下した環状鋼製品を搬送コンベ
アで受け止めてXY圧延ロールに供給するとともに、該
搬送コンベアからXY圧延ロールに受渡される時点にお
ける環状鋼製品の温度が鍛造適温となるように制御し、
上記環状鋼製品をX方向およびY方向に熱間圧延して、
該環状鋼製品の組織調整を行うとともに、その形状,寸
法を仕上げるので、 a.鋳型に設けられた環状の凹部が上方に露出している
ので、この中へ容易に注湯することができる。注湯の開
始,進行,完了を容易に行い得るということは、この操
作の自動化,連続化に適することを意味している。 b.しかも、本発明においては、鋳型の環状溝形凹部の
円周方向に沿って注湯するので、該環状溝形凹部の隅々
まで溶湯が流動し、鋳造品の表面欠陥の発生が抑制され
る。 c.前記環状凹部に注湯された溶湯は、ほぼ目的どおり
の形状,寸法となり、上面が大気に開放されている上
に、高さ寸法が比較的小さいので、溶湯中の不純物の上
昇が容易である。なお、タンデッシュ内でも不純物の上
昇,除去作用が行われる。 d.環状溝内で凝固した環状の製品は、鋳型を破壊する
ことなく上下反転させて取り出されるので、迅速,容
易,かつ連続的に製品取出作業が行われ、しかも鋳型を
繰り返し使用し得る。 e.鋳造直後の高温の製品が、室温まで放冷されること
なく、鍛造適温まで降温したときに熱間圧延されるので
熱経済的に有利であり、かつ、熱間圧延されるので冷間
圧延に比して小さい力で足り、圧延設備が小形,軽量,
かつ、安価である。
状のコンベアと、上記コンベアに取付けられた複数の上
方開放形の鋳型と、上記鋳型に設けられた環状溝形の凹
部と、上記鋳型の環状溝形の凹部に溶解した低炭素鋼を
供給する溶解炉と、上記溶解炉から溶湯を注入されて該
溶湯を鋳型の環状溝形凹部に注入するタンデッシュと、
前記無端環状コンベアの搬送路終点の下方に設けられた
搬送コンベアと、上記搬送コンベアの搬送路終点付近に
設置されたXY圧延ロールと、を具備しているので、前
記の本発明方法を容易に実施することができるという優
れた実用的効果を奏する。
要部を示す模式的な断面図
2面図
Claims (8)
- 【請求項1】環状溝形の凹部を有する上方開放形の複数
個の鋳型を無端環状のコンベアに取付けて搬送しつつ、
上記の鋳型を間欠的に停止させ、 鋳型が停止している間に、該鋳型の環状溝形の凹部の円
周方向に沿って溶融低炭素鋼を注湯し、 上記無端環状コンベアで搬送しつつ鋳型内の溶融低炭素
鋼を徐冷して凝固せしめ、 上記の鋳型が無端環状コンベアの搬送路終点に達したと
き、該鋳型をコンベアとともに移動させつつ上下を反転
して、環状溝形凹部内で凝固した環状鋼製品を落下せし
め、 落下した環状鋼製品を搬送コンベアで受け止めてXY圧
延ロールに供給するとともに、該搬送コンベアからXY
圧延ロールに受渡される時点における環状鋼製品の温度
が鍛造適温となるように制御し、 上記環状鋼製品をX方向およびY方向に熱間圧延して、
該環状鋼製品の組織調整を行うとともに、その形状,寸
法を仕上げることを特徴とする、環状鋼製品の連続鋳造
方法。 - 【請求項2】前記の溶融低炭素鋼の注湯は、溶解炉中の
溶融低炭素鋼をタンデッシュに注入し、該タンデッシュ
を水平面内で円形軌跡を描かせて回転させつつ、ダンデ
ッシュ内の溶融低炭素鋼を鋳型の環状溝形凹部に注湯す
ることを特徴とする、請求項1に記載した環状鋼製品の
連続鋳造方法。 - 【請求項3】複数個の鋳型の環状溝形凹部に注湯し得る
量の溶融低炭素鋼をタンデッシュに収納し、該タンデッ
シュ内の溶融低炭素鋼を複数の鋳型それぞれの環状溝型
凹部に注湯することを特徴とする、請求項2に記載した
環状鋼製品の連続鋳造方法。 - 【請求項4】無端環状のコンベアと、上記コンベアに取
付けられた複数の上方開放形の鋳型と、上記鋳型に設け
られた環状溝形の凹部と、上記鋳型の環状溝形の凹部に
溶解した低炭素鋼を供給する溶解炉と、上記溶解炉から
溶湯を注入されて該溶湯を鋳型の環状溝形凹部に注入す
るタンデッシュと、前記無端環状コンベアの搬送路終点
の下方に設けられた搬送コンベアと、上記搬送コンベア
の搬送路終点付近に設置されたXY圧延ロールと、を具
備していることを特徴とする、環状鋼製品の連続鋳造装
置。 - 【請求項5】前記のタンデッシュは、水平面内で円弧を
描いて回転する構造であることを特徴とする、請求項4
に記載した環状鋼製品の連続鋳造装置。 - 【請求項6】前記のタンデッシュは、垂直軸を中心とし
て回転する回転ベースに対して偏心せしめて支持されて
いることを特徴とする、請求項5に記載した環状鋼製品
の連続鋳造装置。 - 【請求項7】前記の回転ベースに対するタンデッシュの
偏心量が調節可能な構造であることを特徴とする、請求
項6に記載した環状鋼製品の連続鋳造装置。 - 【請求項8】前記のタンデッシュの容量は、少なくとも
2個の鋳型に注湯し得る溶湯の量に相当することを特徴
とする、請求項4に記載した環状鋼製品の連続鋳造装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3075057A JP2992364B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3075057A JP2992364B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05237614A true JPH05237614A (ja) | 1993-09-17 |
JP2992364B2 JP2992364B2 (ja) | 1999-12-20 |
Family
ID=13565195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3075057A Expired - Lifetime JP2992364B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 環状鋼製品の連続鋳造方法および連続鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2992364B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103170609A (zh) * | 2013-03-19 | 2013-06-26 | 辽宁恒大重工有限公司 | 一种铁合金炉前浇注成型设备和工艺 |
KR101470490B1 (ko) * | 2013-04-19 | 2014-12-08 | 세일정기 (주) | 연속주조장치 |
CN113857470A (zh) * | 2021-09-15 | 2021-12-31 | 昆明理工大学 | 一种冶金容器用水口保护装置 |
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1991
- 1991-04-08 JP JP3075057A patent/JP2992364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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