JP3395706B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、親鍋(取鍋)から
の溶鋼をタンディッシュ内に注入し、このタンディッシ
ュ内の溶鋼を鋳型に鋳込んでビレットやスラブを連続的
に製造する鋼の連続鋳造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】連続鋳造においては、取鍋内の溶鋼をタ
ンディッシュ注入管を介してタンディッシュ内に注入し
て一旦貯留し、このタンディッシュ内の溶鋼をスライデ
ィングノズル装置および浸漬ノズルを介して鋳型内に鋳
込んでおり、タンディッシュは、連続鋳造が終了する
と、クレーン等によりタンディッシュ整備ヤードに運
び、ここで鋳造要因とは別の要因により整備を行なって
いる(以下、冷間整備という)。 【0003】このタンディッシュ整備ヤードにおいて
は、先ず、残鋼処理を行なう。この残鋼処理の一つの方
法としては、連続鋳造後のタンディッシュを傾転させる
などしてタンディッシュ内の残鋼および残滓を廃棄する
ための所謂ノロ返しを行い、その後、タンディッシュの
温度が下がりきる前に酸素吹き付け等による内面洗浄を
行い、更に、前回鋳造時にタンディッシュ内面に付着し
た地金およびスラグをブレーカー等により除去する方法
がある。また、残鋼処理の別の方法としては、連続鋳造
後のタンディッシュを水冷等により冷却し、その後、地
金押し抜き機等により、前回鋳造時にタンディッシュ内
面に付着した地金およびスラグを押し抜いて除去する方
法がある。 【0004】このような残鋼処理工程を経た後、タンデ
ィッシュ下部に設けられたスライディングノズル装置
(開閉ゲートバルブ)や浸漬ノズル(サブマージドノズ
ル)の交換等の整備を行い、更に、タンディッシュ内面
の局部的な損耗部分に不定形の耐火物を吹き付けて内面
の補修整備を行なった後、タンディッシュ内部をバーナ
ー等により再加熱(以下、この再加熱操作を予熱とい
う)して、溶鋼注入の順番がくるまで待機させている。 【0005】このような冷間整備においては、前記一連
のタンディッシュの整備工程に8時間程度かかるため、
従来は、タンディッシュを一つの連続鋳造設備につき予
備を含め多数用意して順番に使用していた。 【0006】また、この多数のタンディッシュが必要と
なる冷間整備を省略する手段として、特公平5−265
89において残鋼および残滓を傾転排出しタンディッシ
ュを熱間で連続使用する技術が提案された。しかし、熱
間では残鋼および残滓が完全に排出されず、次回鋳込み
までの時間が経過すると再酸化し、次回鋳込みの鋳片品
質を極端に悪化させる問題が発生した。この再酸化によ
る品質悪化抑制方法として、特開平9−29125にお
いて無酸化保熱方法が提案されたが、完全に無酸化状態
にできず、次回鋳造までの時間が長い場合、品質が悪化
することが確認された。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】近年、鋼に対するユー
ザーニーズが高級化・多様化してきたため、小ロットに
よる生産を行なわなくてはならなくなってきている。 【0008】しかし、小ロット材の生産を従来の連続鋳
造方法で製造する場合、異種の鋼成分の混入を防止する
ため、タンディッシュを頻繁に交換して整備せざるを得
なかった。このため、従来の冷間整備では、タンディッ
シュの耐火物コストの増大や、タンディッシュの冷却・
予熱という一連の繰り返しで浪費される熱ロスの増大等
の問題があった。 【0009】また、従来の冷間整備においては、タンデ
ィッシュ内面に張り付ける耐火物にかかるコストが高
く、これを減少させることが極めて重要な課題であっ
た。特に、小ロット材を製造する際には、上述のように
タンディッシュを頻繁に整備せざるを得ないので、耐火
物コストを減少させることが極めて重要な解決すべき問
題となっていた。 【0010】更に、製造する鋼の品質の面からも、鋳造
開始時において、親鍋(取鍋)からタンディッシュに注
入される溶鋼の酸化、およびタンディッシュ内面の耐火
物の表面剥離が避けられず、巨大介在物の多い溶鋼とな
り、しかもタンディッシュは予熱されているとはいえ、
親鍋からタンディッシュに最初に注入される溶鋼はタン
ディッシュ側に熱を奪われ、溶鋼温度が低下するので、
上記巨大介在物は分離されずに鋳型内に流し込まれると
いう問題があった。 【0011】また、前述した残鋼および残滓を傾転排出
しタンディッシュを熱間で連続使用する特公平5−26
589では残鋼および残滓が完全に排出されず、次回鋳
込みまでの時間が経過すると再酸化し、次回鋳込みの鋳
片品質を極端に悪化させる問題があった。さらに、この
再酸化による品質悪化を抑制する特開平9−29125
では、完全に無酸化状態にできず、次回鋳造までの時間
が長い場合、品質が悪化することが確認された。 【0012】本発明は、前述のような問題点を解消すべ
くなされたもので、先ず、タンディッシュの耐火物コス
トを飛躍的に減少させることができると共に、熱ロスお
よび操業要員を低減することができる連続鋳造方法を提
供することを第1の目的とし、更に、再酸化や巨大介在
物がなく品質の高い鋳片を得ることができる連続鋳造方
法を提供することを第2の目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明は、前トライのタンディッシュ内の残鋼お
よび残滓を処理することなく、かつ無予熱状態で、当該
タンディッシュを短時間で次トライに使用し、異鋼種の
場合、前トライの残鋼および残滓を次トライのトップク
ロップとして処理することで、タンディッシュを熱間で
連続使用できるようにしたものである。即ち、タンディ
ッシュの冷間整備を省略することで、タンディッシュ耐
火物コストおよびタンディッシュ整備数を大幅に低減で
き、タンディッシュの冷却・予熱で浪費される熱ロスを
大幅に低減できるようにしたものである。また、鋳片品
質の面においても、前回鋳込みから次回鋳込みまでの時
間を短縮することで、再酸化を防止し、鋳片品質の悪化
を防止できるようにしたものである。さらに、従来の予
熱に比較し、前回トライで使用したタンディッシュを熱
も十分に付いている状態で使用することで、鋳込みスタ
ート時の溶鋼温度ドロップも抑制し、巨大介在物の浮上
にも有利に働くようにしたものである。 【0014】即ち、本発明の連続鋳造方法は、親鍋(取
鍋)からの溶鋼をタンディッシュに注入し、このタンデ
ィッシュ内の溶鋼を鋳型内に鋳込む連続鋳造方法におい
て、タンディッシュ内に溶鋼と鋼滓を残して前トライの
鋳込みを終了し、このタンディッシュを残鋼・残滓の処
理および予熱を行なうことなく次トライの鋳込みに使用
し、次トライの鋳込み準備が終了すると(浸漬ノズルや
タンディッシュ注入管の交換など)、前記タンディッシ
ュ内に次トライの溶鋼を注入することにより、前トライ
の残鋼および残滓を希釈し、さらに前トライの残鋼と次
トライの溶鋼とをArガスで攪拌・混合し、次トライの
鋳込みを開始することを特徴とする。 【0015】前トライの鋳込みが終了すると、前トライ
の鋳片を引き抜いて連続鋳造を一旦終了し、次トライの
ためのダミーバーを挿入して次トライの連続鋳造を開始
し、前トライと後トライの間でマシン内に鋳片が存在し
ないようにする。また、前トライの鋳込み終了後、タン
ディッシュ内の残鋼をArガスで攪拌し、残鋼の凝固防
止・介在物浮上を図るのが好ましい。さらに、大容量の
タンディッシュを用い、前トライのタンディッシュ内残
鋼を少なくし、Arガス攪拌によりタンディッシュ内残
鋼と次トライ溶鋼を完全混合させることにより、次トラ
イのトップクロップ切り捨て量を減少させるのが好まし
い。 【0016】以上のような構成において、連続鋳造が終
了すると、この鋳込みに使用したタンディッシュについ
て溶鋼および鋼滓をそのまま残し、短時間で浸漬ノズル
およびタンディッシュ注入管(鋳造チャージ数によって
は省略可能)のみを交換し、このタンディッシュをその
まま次回鋳込みに使用し、タンディッシュの熱間繰り返
し使用が実施される。 【0017】従来のようなタンディッシュ内残鋼・残滓
の傾転排出がなく、タンディッシュの予熱作業もなく、
タンディッシュを短時間で次トライの鋳込みに使用する
ことができるため、タンディッシュ内面の温度が、タン
ディッシュ内面に残鋼および残滓が付着する温度まで低
下しないため、タンディッシュ内の残鋼および残滓が固
化してタンディッシュ内面に付着することが殆どない。
従って、従来のようにこの付着物を剥ぎ取る必要がない
ので、この剥ぎ取り作業による耐火物の損耗を防止で
き、耐火物寿命を向上させることができる。 【0018】更に、この付着物を剥ぎ取る作業を簡略化
できることに加えて、従来のようにタンディッシュをク
レーン等によってタンディッシュ整備ヤードへ搬送する
必要がないので、前回の鋳造終了から今回の鋳造開始に
要する時間を大幅に短縮することができ、タンディッシ
ュの内面耐火物の温度変化を少なくすることができる。
従って、温度変化による耐火物の疲労が少なくなり、こ
のことも耐火物寿命を向上させることとなる。 【0019】また、従来におけるタンディッシュ内の残
鋼・残滓の傾転排出作業やタンディッシュ予熱作業等が
不要となり、操業要員を削減することができる。また、
タンディッシュを熱間の状態で繰り返し使用するので、
従来のタンディッシュ基数よりも基数自体も減らすこと
ができる。 【0020】また、従来のタンディッシュ熱間再使用方
法に比較し、残鋼処理を全く行なわないため、準備時間
を極端に短縮することができ、タンディッシュ内の残鋼
・残滓の再酸化をミニマムに抑えることができ、次回鋳
込みの鋳片品質の向上が可能となる。 【0021】さらに、タンディッシュ内に残鋼・残滓を
残したまま再使用するため、従来の冷間整備におけるタ
ンディッシュの冷却・予熱がなく、従来の熱間再使用に
おける残鋼・残滓の排出がなく、熱ロスをミニマムとす
ることができる。また、タンディッシュ内温度の低下が
防止されることにより、次トライ鋳込み初期の溶鋼温度
ドロップも少なくなり、巨大介在物の浮上が促進され、
巨大介在物による鋳片品質悪化も抑制することができ
る。 【0022】また、前回鋳込みと次回鋳込みの間で、前
回鋳込みの鋳片を引き抜きダミーバーの挿入を行い、連
々鋳込みを一旦切ることで、従来における前回鋳込み終
了後に鋳片を停止させて次回鋳込みを開始するタンディ
ッシュ熱間再使用方法におけるマシン負荷過大を解消す
ることができる。 【0023】また、前回鋳込みのタンディッシュ内の残
鋼・残滓は次回鋳込みのトップクロップとして処理する
ことができると共に、大容量のタンディッシュを用い、
タンディッシュ内残鋼を減少させ、Arガスによる攪拌
で次回鋳込みの溶鋼と完全混合させることにより、残鋼
の影響を最小限にし、トップクロップ切り捨て量を減少
させることが可能となる。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する一実施形
態に基づいて詳細に説明する。この実施形態は、スラブ
の連続鋳造に本発明を適用した例である。図1は本発明
の連続鋳造方法を示す工程順に示す工程図およびフロー
チャートである。図2〜図6は、本発明を実施した結果
を示したものである。図7は従来のタンディッシュ熱間
再使用方法を示したものである。 【0025】図1において、取鍋1内の溶鋼がタンディ
ッシュ注入管2を介してタンディッシュ3内に注入さ
れ、タンディッシュ3内の溶鋼がスライディングノズル
装置4および浸漬ノズル5を介して鋳型6内に鋳込ま
れ、鋳型6による1次冷却により凝固シェルが形成さ
れ、続くガイドロール群での冷却水により凝固が促進さ
れ、完全凝固した鋳片が引き抜かれる。このような連続
鋳造において、本発明では、タンディッシュ3に比較的
大容量、例えば85ton のタンディッシュを使用し、次に
示すような手順で異鋼種の連続的な鋳込みを行なう。 【0026】(1) 鋼種Aの連続鋳造の末期において、ス
ライディングノズル装置4のゲートを閉じて鋳型6への
注入を停止し、タンディッシュ3内に溶鋼Aを残した状
態で前トライの鋳込みを終了する。このタンディッシュ
内残鋼量は後述するように少ない方が良く、例えば 8to
n 以下とする。 8ton の残鋼量で、残滓はタンディッシ
ュ内の溶鋼面を 5mm程度覆う程度である。 【0027】(2) 前トライの鋳片SA を引き抜き、鋳造
を一旦終了する。ここで、図7(a)に示す従来のタンデ
ィッシュ熱間再使用方法における浸漬ノズル熱間交換方
式では、タンディッシュ内に溶鋼を残した状態で鋳込み
を終了すると、前トライの鋳片SA を一時停止させてお
き、浸漬ノズル5を交換した後、次トライの溶鋼Bを鋳
込むことで鋳造を再開しているが、鋳片がマシン内で停
止するため、マシン負荷が過大となる問題点があるが、
本発明では前トライの鋳片をSA を引き抜いて一旦連々
鋳造を切るため、通常操業と変わらず、マシン負荷が過
大となることがない。 【0028】(3) タンディッシュカー上のタンディッシ
ュ3を上昇させ、鋳込床上を移動させ、浸漬ノズル5等
の交換を行なう。ここで、タンディッシュ3の残鋼内に
はArガス等を吹き込み、攪拌することで、残鋼の凝固
防止・介在物の浮上を図り、次トライの鋳込み初期にお
ける鋳片品質の向上を図る。 【0029】(4) このタンディッシュの準備作業と並行
して、鋳込み初期において鋳型6の底を塞ぐダミーバー
を挿入し、ダミーバーヘッドと鋳型との間のシール作業
を行なう。 【0030】(5) タンディッシュ3を鋳型6上に戻し、
鋼種Aとは成分の異なる鋼種の溶鋼Bをタンディッシュ
3内に注入し、タンディッシュ3内の残鋼Aを溶鋼Bで
希釈し、この溶鋼を鋳型6内に鋳込んで次トライの鋳造
を行なう。この際、Arガス等を吹き込み、攪拌するこ
とで、残鋼Aと溶鋼Bが完全に混合されるようにするの
が好ましい。また、次トライの鋳込み開始時に、スライ
ディングノズル装置4を自然開孔できない場合には、酸
素洗いを実施する。 【0031】図7(b) に示す従来のタンディッシュ熱間
再使用方法における傾転排滓方式では、残鋼・残滓を傾
転排出するため、時間がかかると共に、残鋼・残滓が使
用回数とともに増大し、完全に排出されない残鋼・残滓
が再酸化して次トライの鋳片品質が悪化する問題点があ
るが、本発明では、前トライの残鋼・残滓をそのままと
し、浸漬ノズル等の交換のみを行なうため、前回鋳込み
終了から次回鋳込みのタンディッシュ使用までの時間
は、通常の鋳込み準備作業と同等の17〜20分程度であ
り、短時間に行なうことができ、また準備時間の大幅な
短縮により残鋼・残滓の再酸化を抑制することができ、
次トライの鋳片品質の向上を図ることができる。 【0032】また、この間のタンディッシュ内溶鋼温度
は、凝固していない残鋼が存在することから、液相線温
度を保持する(鋼種によるが、例えば1525°C)。ま
た、Ar攪拌により凝固直前の状態で温度を保持する。
残滓は残鋼の温度により固着しない状態となっている。 【0033】なお、タンディッシュには誘導加熱装置や
プラズマトーチ等の溶鋼温度補償があれば更に良い。ま
た、タンディッシュ開孔対策として前回鋳込み終了から
次回鋳込みスタートまでの時間は20分以内が好ましく、
20分以上では開孔時に酸素洗いが必要となるが、実施は
可能である。鋳片品質確保のためには、30分以内が適正
である。 【0034】以上のような連続鋳造において、次のよう
な条件で連続鋳造を行なった。 (a) 鋼種A, 鋼種B (b) タンディッシュ容量…85ton (c) 鋳込幅…1625mm, 鋳込厚…270mm (d) 鋳造速度…速度0.3m/minで 2分保持後、0.2m/min2
で1.5m/minまで増速 (e) ストランド…両ストランド (f) 実施タイミング…前トライ鋳込み終了後 鋳片の成分調査を実施した結果を図2に示す。図2にお
いて、前チャージは鋼種A・残鋼量8ton であり、後チ
ャージは鋼種B・酸素洗い無しであり、成分は数ton 程
度で次トライ成分に切り替わっていることが分かる。こ
れは、比較的大型のタンディッシュを用い、鋳込みスタ
ート時には希釈されたためである。従って、極端な成分
差がない限り、本発明法で連続的に同一タンディッシュ
で異鋼種間の鋳込みが可能となることが分かる。 【0035】鋳片品質トレース結果を図3に示す。は
タンディッシュ希釈・トップクロップ3550mm(スライデ
ィングノズル装置の通常酸素洗い有り) 、はタンディ
ッシュ希釈・トップクロップ3550mm(浸漬ノズル酸素洗
い有り)、はタンディッシュ希釈・トップクロップ
残鋼×2倍(浸漬ノズル酸素洗い有り)、通常材…熱
延構造用途材クロップ550mm,冷延絞り用途材クロップ10
50mm(酸素洗い未実施)であり、本発明法ではタンディ
ッシュ希釈により鋳片品質が向上していることが分か
る。 【0036】図4にタンディッシュ当たりの連々指数を
示す。この図から同一タンディッシュでの鋳造量が増加
しており、耐火物コストが低減されていることが分か
る。さらに、本発明では、大型タンディッシュを用
い、前トライのタンディッシュ内残鋼を減少させ、
Arガス攪拌により前トライの残鋼を次トライの溶鋼と
完全混合させることにより、残鋼の影響を最小限にする
ことができる。 【0037】即ち、先ず、次表に示す溶鋼成分の溶鋼を
用い、前述した条件で連続鋳造を行なったところ、図5
に示すように、実際の成分変化が完全混合モデルを用い
た計算値と一致していることが分かる。また、次トライ
の鋳込み初期の段階において次トライの鋼種Bの成分規
格をクリアしていることが分かる。 【0038】 【表1】【0039】完全混合モデルは、次式に示す通りであ
り、この完全混合モデルを用いてタンディッシュ内残鋼
を減少させた場合の切り捨て量を図6(b) に示す。この
図から、タンディッシュ内残鋼を減少させることによ
り、次トライ鋳片の切り捨て量(トップクロップ)を減
少できることが分かる。 【0040】 【式1】 【0041】なお、以上はスラブの連続鋳造について説
明したが、ビレットやその他の連続鋳造にも本発明を適
用できることはいうまでもない。 【0042】 【発明の効果】本発明の連続鋳造方法は、以上のような
構成からなるので、次のような効果を奏することができ
る。 【0043】(1) タンディッシュを短時間で再使用する
ことができるため、タンディッシュ内面温度が低下せ
ず、タンディッシュ内残鋼および残滓の付着が殆どな
く、付着物の剥ぎ取り作業による耐火物の損耗を防止で
き、またタンディッシュの温度変化による耐火物の疲労
も少なくなり、タンディッシュ耐火物寿命を大幅に向上
させることができ、さらに損耗部分への不定形耐火物の
吹き付けをなくすことができ、耐火物コストを飛躍的に
減少させることができる。 【0044】(2) 従来におけるタンディッシュ内の残鋼
・残滓の傾転排出作業やタンディッシュ予熱作業等が不
要となり、操業要員を削減することができる。 (3) タンディッシュを熱間の状態で繰り返し使用するの
で、従来のタンディッシュ基数よりも基数自体も減らす
ことができ、コストの低減を図れる。 【0045】(4) 従来のタンディッシュ熱間再使用方法
に比較し、残鋼処理を全く行なわないため、準備時間を
極端に短縮することができ、タンディッシュ内の残鋼・
残滓の再酸化をミニマムに抑えることができ、次回鋳込
みの鋳片品質の向上が可能となる。 【0046】(5) タンディッシュ内に残鋼・残滓を残し
たまま再使用するため、従来の冷間整備におけるタンデ
ィッシュの冷却・予熱がなく、従来の熱間再使用におけ
る残鋼・残滓の排出がなく、熱ロスをミニマムとするこ
とができる。 【0047】(6) タンディッシュ内温度の低下が防止さ
れることにより、次トライ鋳込み初期の溶鋼温度ドロッ
プも少なくなり、巨大介在物の浮上が促進され、巨大介
在物による鋳片品質悪化も抑制することができる。 【0048】(7) 前回鋳込みと次回鋳込みの間で、前回
鋳込みの鋳片を引き抜きダミーバーの挿入を行い、連々
鋳込みを一旦切ることで、従来における前回鋳込み終了
後に鋳片を停止させて次回鋳込みを開始するタンディッ
シュ熱間再使用方法におけるマシン負荷過大を解消する
ことができる。 【0049】(8) 前回鋳込みのタンディッシュ内の残鋼
・残滓は次回鋳込みのトップクロップとして処理するこ
とができると共に、大容量のタンディッシュを用い、タ
ンディッシュ内残鋼を減少させ、Arガスによる攪拌で
次回鋳込みの溶鋼と完全混合させることにより、残鋼の
影響を最小限にし、トップクロップ切り捨て量を減少さ
せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の連続鋳造方法を工程順に示したもので
あり、(a) は連続鋳造設備の概略正面図、(b) はフロー
チャートである。 【図2】本発明の連続鋳造方法による鋳片の成分調査結
果を示すグラフである。 【図3】本発明の連続鋳造方法による鋳片品質トレース
を示すグラフである。 【図4】本発明の連続鋳造方法のタンディッシュ連々指
数を示すグラフである。 【図5】本発明の連続鋳造方法における残鋼の次トライ
への影響調査を示すグラフである。 【図6】(a) は本発明の連続鋳造方法における完全混合
モデルを説明するための概略図、(b) は本発明の連続鋳
造方法における残鋼量減少時の切り捨て量変化を示すグ
ラフである。 【図7】(a) は従来のタンディッシュ熱間再使用方法に
おける浸漬ノズル熱間交換方式を工程順に示す概略正面
図、(b) はタンディッシュ熱間再使用方法における傾転
排滓方式を工程順に示す概略正面図である。 【符号の説明】 S…鋳片(スラブ) 1…親鍋(取鍋) 2…タンディッシュ注入管 3…タンディッシュ 4…スライディングノズル装置 5…浸漬ノズル 6…鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/11 B22D 11/10 B22D 43/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 親鍋からの溶鋼をタンディッシュに注入
    し、このタンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に鋳込む連続
    鋳造方法において、 タンディッシュ内に溶鋼と鋼滓を残して前トライの鋳込
    みを終了し、このタンディッシュを残鋼・残滓の処理お
    よび予熱を行なうことなく次トライの鋳込みに使用し、
    次トライの鋳込み準備が終了すると、前記タンディッシ
    ュ内に次トライの溶鋼を注入することにより、前トライ
    の残鋼および残滓を希釈し、さらに前トライの残鋼と次
    トライの溶鋼とをArガスで攪拌・混合し、次トライの
    鋳込みを開始することを特徴とする連続鋳造方法。
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CN102962411A (zh) * 2012-11-20 2013-03-13 攀钢集团攀枝花钢钒有限公司 一种中低碳钢的生产方法
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