JP2786814B2 - 鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの再使用方法 - Google Patents
鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの再使用方法Info
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Description
タンディッシュの再使用方法に関し、タンディッシュ再
使用方法による小ロット材の安定鋳造と、鋳片品質の低
下を防止するために利用できる。
加した小ロット材を鋳造する際に発生するコストアップ
を抑制するため、タンディッシュの再使用プロセスが提
案され、実用化されている。しかし再使用したタンディ
ッシュを使用して鋳造する際に、排出されずタンディッ
シュ内に残存した鋼・鋼滓に影響により品質に低下を招
いてしまう。
146号公報で開示されているように、タンディッシュ
内に残存する鋼・鋼滓をバーナーにて溶融除去する方法
がある(従来例の1)。また、特開平1−118348
号公報で開示されているように、タンディッシュのノズ
ル部に枠を設置して、再使用タンディッシュ鋳造初期の
湯溜めを実施し、残存した鋼・鋼滓の影響を少なくした
方法がある(従来例の2)。
を大量に使用するとタンディッシュ内に鋼・鋼滓の酸化
物が発生し、鋳造初期における鋳片の品質低下を発生さ
せてしまう問題があった。従来例の2は、図7(A)
(B)(C)で示しているように、タンディッシュ1内
に残存する鋼・鋼滓を排出した後に鉄管で示している枠
2をノズル部3に設置する技術であり、枠2に鉄管を用
いた場合は安価に枠を設置できるが、図7(A)で示す
如く鉄管の溶鋼4による溶融時間をコントロールできな
いため枠2の上から溶鋼4上の鋼滓4Aが流入したり、
又、図7(B)で示す如く枠2の早期溶融による介在物
浮上時間が確保できない等の問題が生じてしまい、品質
の改善に必要な安定した湯溜めが出来ない問題点があ
り、一方図7(C)に示した通り枠2を耐火物2Aと鉄
管2Bの組み合わせて製作した場合は、製作コストが高
くなる問題点を有している。
解決することにより、タンディッシュ再使用時に発生す
る再使用タンディッシュの鋳造においても安価で安定し
た品質を確保し、鋳造する製品の歩留り低下を防止出来
る、タンディッシュの再使用方法を提供することが目的
である。
後のタンディッシュ内に残存する鋼・鋼滓を排出し該タ
ンディッシュを再使用する方法において、前述の目的を
達成するために、次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明は、鋳造後に鋳造に使用したノズルを開孔し
てタンディッシュ内の鋼・鋼滓を排出する段階と、排出
後タンディッシュのノズル周囲に枠を設置する段階と、
次回鋳造までタンディッシュを保熱又は加熱しながら待
機する段階と、ノズルを閉とし不活性ガスを吹込みなが
ら溶鋼を一定時間保持した後に鋳造を開始する段階と、
タンディッシュ内の溶鋼上の鋼滓に脱酸剤もしくは改質
剤を投入することを特徴とするものである。
する。全体のフローチャートを示している図1におい
て、鋳造終了したカバー20Bを有するタンディッシュ
20は台車を介して鋳型上より待機位置、すなわち鋼・
鋼滓の排出位置に移動され、浸漬ノズル21Aとスライ
ディングノズル21Bを有するノズル21を開として、
タンディッシュ20に残存する鋼・鋼滓を排鋼ポット2
2に排出する。
出ができないときは、ノズル部より酸素にて開孔を行う
ことが望ましい。鋼・鋼滓を排鋼ポット22に排出後、
タンディッシュ20内のノズル周囲に残存する鋼・鋼滓
を酸素にて洗浄した後、枠23を放置して残留する鋼・
鋼滓がノズル内に流入するのを防止する。
時間経過に伴い硬化するキャスタブル24にて鉄管で示
す枠23とタンディッシュレンガ20Aとの隙間を塞い
で枠23を固定する。次回鋳造まで保熱又は加熱状態に
タンディッシュ20を保持しながら待機し、次回鋳造に
備える。
図3で示す如くノズル21の周囲に設けた細孔によりア
ルゴンガス等の不活性ガスGを溶鋼26に吹き込みなが
らノズル21の溶鋼を凝固させることなく溶鋼中の介在
物が浮上するのに必要な時間・溶鋼深さを確保する。す
なわち、図6(A)(B)で示す通り溶鋼重量40トン
のときは溶鋼深さH1は1000m/mであり、同じく
25トンのときはH2は800m/mであり、同じく1
0トンのときはH3は600m/mとして溶鋼深さを確
保した後、連鋳の鋳型25に鋳造を開始した。また、同
時に溶鋼上に脱酸剤もしくは改質剤を投入添加すること
で図5で示すように溶鋼上に浮上した介在物の酸素レベ
ルを下げ、鋳造を続行する際の浮上した介在物、鋼滓の
影響を無くすことで、良好な鋳片品質が得られる。
鋼・鋼滓の影響により発生した溶鋼中の介在物を低減す
ることが可能となり、図4に湯溜め方法の差による製品
の不良発生比較を示している。 実施例 鋼のスラブ連鋳機にて、鋳造終了後タンディッシュ20
を待機位置に移動し、本発明に示す通りノズル21を開
として、ノズル下部より酸素開孔にてタンディッシュ2
0内の鋼・鋼滓を排出した。排出後、タンディッシュ2
1上より細いパイプを用いて酸素をノズル周囲に吹きつ
けて、ノズル周囲約50ミリを洗浄し、鋼と鋼滓の除去
を実施した後、内径100ミリ高さ70ミリの鉄管23
を設置し、流動性があり時間経過に伴い硬化するキャス
タブル24にて鉄管23とタンディッシュ煉瓦20Aと
の隙間を塞ぐと同時に、鉄管を固定した。
カバー20B上の開口部を塞ぎ保熱を実施した後、タン
ディッシュ加熱バーナーにて1時間の加熱を実施し、鋳
造に備えた。鋳造開始時は、タンディッシュの加熱終了
後にノズル21を閉とし、タンディッシュを鋳造位置に
移動後取鍋からの溶鋼注入を開始して、図3に示す通り
ノズル21内に設けた細孔よりArガスを10〜100
リッター/分吹き込みながらノズル内の溶鋼の凝固を防
止しつつ溶鋼を7分間保持した後、鋳型27への鋳造を
開始した。またタンディッシュ内の溶鋼上には脱酸剤を
鋼滓の量に応じて添加した。
ンディッシュにて行う際に発生していた品質低下を防止
することが出来、良好な品質結果が得られた。
下記の効果が得られた。 1)タンディッシュの耐火物コストを、再使用を実施し
ないタンディッシュに比較し、30%低減できる。 2)鋳造開始時に確実な湯溜め実施による、再使用タン
ディッシュ鋳造初期に発生する鋳片の品質不良部の増加
を防止できる。 3)再使用タンディッシュにて鋳造する際に、残留して
いた鋼・鋼滓の影響により発生する、溶鋼の汚染を防止
できる。
を示している。
設置後の、キャスタブル設置状態を示す。
不活性ガス吹き込みによる、溶鋼の保持状態を示す。
と、本発明にて実施した場合の、タンディッシュ1チャ
ージ目の製品不良発生の比較を示す。
に溶鋼上へ脱酸剤を添加した場合の、製品品質改善効果
を示す。
め量を増加させた場合のタンディッシュ1チャージ目の
製品不良発生の改善効果を示し、(A)は溶鋼深さと製
品不良発生指数のグラフ、(B)は溶鋼深さの説明図で
ある。
の枠によって実施した場合の溶鋼の保持状態を示す。
(A)は鋼鉄製の枠が溶融せず、溶鋼上のスラグが最初
に鋳型内に流れ込む状態を示し、(B)は鋼鉄製の枠が
早期に溶融してしまい、所定の湯溜めが実施出来ない状
態を示す。(C)は鋳造開始時の湯溜めを、当初の湯溜
め量が確保出来るように、耐火物の枠と鋼鉄製の枠を複
合した枠にて実施した場合を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 連続鋳造終了後のタンディッシュ内に残
存する鋼・鋼滓を排出し該タンディッシュを再使用する
方法において、 鋳造後に鋳造に使用したノズルを開孔してタンディッシ
ュ内の鋼・鋼滓を排出する段階と、排出後タンディッシ
ュのノズル周囲に枠を設置する段階と、次回鋳造までタ
ンディッシュを保熱又は加熱しながら待機する段階と、
ノズルを閉とし不活性ガスを吹込みながら溶鋼を一定時
間保持した後に鋳造を開始する段階と、タンディッシュ
内の溶鋼上の鋼滓に脱酸剤もしくは改質剤を投入するこ
とを特徴とする鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの
再使用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13206794A JP2786814B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの再使用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13206794A JP2786814B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの再使用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH081288A JPH081288A (ja) | 1996-01-09 |
JP2786814B2 true JP2786814B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=15072747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13206794A Expired - Lifetime JP2786814B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 鋼の連続鋳造におけるタンディッシュの再使用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2786814B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020019278A (ko) * | 2000-09-05 | 2002-03-12 | 이구택 | 턴디쉬 열간 재사용방법 |
JP5972847B2 (ja) | 2013-10-21 | 2016-08-17 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | バーナチップ及び燃焼バーナ並びにボイラ |
-
1994
- 1994-06-14 JP JP13206794A patent/JP2786814B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH081288A (ja) | 1996-01-09 |
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