JP2922475B2 - 一体型非対称遊星歯車装置 - Google Patents

一体型非対称遊星歯車装置

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JP2922475B2 JP8332909A JP33290996A JP2922475B2 JP 2922475 B2 JP2922475 B2 JP 2922475B2 JP 8332909 A JP8332909 A JP 8332909A JP 33290996 A JP33290996 A JP 33290996A JP 2922475 B2 JP2922475 B2 JP 2922475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、洗濯機等の減速
機として好適な遊星歯車装置に関する。洗濯機の減速機
として使用するものは安価、堅牢であることが必要であ
る。しかも、減速比が大きいということも強く要望され
る。従来の遊星歯車装置は精度を追うあまり安価ではな
く減速比も小さかった。であるから洗濯機のような家庭
電気製品には不適である。洗濯機のようなトルクが比較
的大きくしかも価格要求の厳しい製品に対応できる減速
機として使うには、遊星歯車装置には余程優れた工夫が
必要である。
【0002】
【従来の技術】遊星歯車装置は太陽歯車を中心とし、そ
の周囲には3つ或いは4つの遊星歯車が噛み合い、さら
にその外側に外殻内歯歯車があるという対称性に優れた
減速機或いは増速機である。入力軸と出力軸が同一直線
上にある。歯車の噛み合いだけでは半径方向に偏奇によ
って過度の噛み合いが発生したりするので、ピッチ円に
等しい円板を遊星歯車の側方に取り付けるというものは
古くからある。ピッチ円は歯車の実効円の大きさを表し
それと同じ大きさの摩擦車が接触しているとするとして
同じ回転速度比が得られるものである。ピッチ円は歯車
を表す基本円であって、その半径をDとすると、歯数を
Z、モジュールをmとすると、D=mZという単純な関
係がある。ピッチ円の大きさの円板を遊星歯車につけ、
外殻内歯歯車にもピッチ円に等しいリングを付けるとピ
ッチ円板とピッチリングの間の接触には滑りがない。円
滑に転動接触することができる。
【0003】こういうものは実に多くあって、例えばU
SP3,299,928、USP3、548、673、
USP3、789、700、実公昭30−16918、
特公昭54−17111、特公昭57−48702、実
公昭57−41486など枚挙に暇がない。しかしピッ
チ円の円板やリングは歯車の歯の丁度半分の高さにあっ
て、そのようなものは歯車自体と一体化できない。そこ
で本発明者等は、ピッチ円でなく、歯先円の円板を遊星
歯車の両側に取り付け、外殻内歯歯車には歯底円の内円
周面を形成したものを発明した。特願昭56−1931
13号(特開昭58−94656、特公平3−6106
1号)である。これは非ピッチ円の大きさの円板とリン
グを歯車の側方に取り付けても摩擦抵抗が増えないとい
うことを実証した初めての遊星歯車装置である。
【0004】外殻内歯歯車は内周歯を持つ歯車であるか
ら、歯底円がピッチ円より広い。歯底円の内周面をもつ
リングは歯車の歯よりも低い位置にあるから、プラスチ
ック歯車の場合は、左右のリングと中央の歯車を一体成
形することができる。すると外殻内歯歯車に関しては本
来3つの部材であったものを一つに纏めることができ
る。これによってコストを削減できた。この発明は非ピ
ッチ円でも使いものになるということを極めて力強く実
証したものであって、大量に製造販売している。これを
歯先円方式と仮に呼ぶことにする。これは遊星歯車の両
方に同じ大きさの円板を添えるもので遊星歯車自体は3
つの部材からなる。遊星歯車についてはコスト削減は不
十分である。
【0005】つぎの本発明者等は、非対称性のある遊星
歯車装置を開発した。特願昭59−106976(特開
昭60−252845)、特願昭59−150145
(特開昭61−27337)である。これらは遊星歯車
の両側に大きさの異なる円板を添え、外殻内歯歯車の両
側にも大きさの異なるリング部を設けたものである。一
方の円板は歯先円より大きく、他方の円板は歯底円より
も小さい。これに対応する外殻内歯歯車の方も歯底円よ
り大きいリングと、歯先円よりも小さいリングを両側に
設けるようにする。そのようなリングふたつと歯車は一
体成形することが可能である。歯先円の部分は歯よりも
高いが一方の歯底リングは歯よりも背が低いので金型か
ら外殻内歯歯車製品をぬき出すことができる。だから外
殻内歯歯車(インターナルギヤ)はプラスチック製品と
する場合は一体化できる。
【0006】しかしその非対称遊星歯車も遊星歯車は3
つの部材からなる。歯先円より大きい大円板、歯車リン
グ、歯底円よりも小さい小円板の3つである。このよう
に遊星歯車の部分が3つの部材からなるということは、
コストを押し上げるし、組立工数も増えるので必ずしも
好ましいことではない。しかし遊星歯車を大円板、歯車
リング、小円板の3つの部材に分割することはその当時
は技術的な必然であると考えられた。それはつぎのよう
な理由による。最大の理由は遊星歯車円板と、外殻内歯
歯車(インターナルギヤ)リング部との線速度(周速)
の違いである。遊星大円板は外殻大リングに接触し、遊
星小円板は外殻小リングに接触する。ピッチ円において
のみふたつの歯車の線速度が等しいのであるから、もし
も遊星歯車の3部材が同一の回転角速度で回転したとす
ると、遊星大円板は外殻大リングよりも線速度が大き
く、遊星小円板は外殻小リングよりも線速度が小さい。
このような線速度の相違はかなりの摩擦抵抗を招くはず
である。
【0007】そのような摩擦抵抗を避けるためのは、遊
星大円板が少し遅く、遊星小円板が少し速く回転するよ
うになればよい。つまりそれぞれの部材の回転角速度が
相違できるようにしなけらばならない。遊星歯車の3部
材を相互に結合してしまうと回転角速度が同一になるか
ら線速度の相違が摩擦抵抗を引き起こし伝達効率が低下
するはずである、だから3部材は自由独立に回転できる
方が良いと考えられたのである。つまり外殻内歯歯車の
3部材は一つに纏めることができるが、遊星歯車の3部
材はひとつにしない方がよいと考えられたのである。と
ころが本発明者はさらに大胆な構造の遊星歯車装置の製
作を試みた。遊星歯車の3部材を一つに纏めて一つの円
板部付きの歯車とし、3部材を一つに纏めた外殻内歯歯
車と組み合わせようとするのである。それが「一体型非
対称遊星歯車装置」(特願昭62−262274号、特
開平1−105039号、特公平5−7575号)であ
る。これは、従来の遊星歯車装置の常識に挑戦するもの
であった。3つの部材を一つにまとめているから材料コ
ストを下げ、組立コストもいっそう下げることができ
る。しかし線速度の違いがいっそう明白になる。しかし
線速度の相違は実際には大して問題にならず、このよう
な一体型非対称遊星歯車装置は滑らかに回転する事が分
かった。このようなことは経験で分かったことである。
思弁的なものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の特公平5−
7575は3つの異なる性質をもつ遊星歯車の3部材を
一つにまとめているからコストを削減することができ
る。しかし洗濯機用の減速機とする場合はいくつかの問
題がある。図6にその遊星歯車装置を洗濯機用に使った
場合の姿勢を示す。洗濯機の場合モータが最下点に、減
速機がその上に、バスケットがその上にある。そこで遊
星歯車装置は、バスケットが固着される出力軸が差し込
まれる主キャリヤ盤4Aが上になるように水平に設けら
れる。モータ軸が差し込まれる太陽歯車Sは下向きにな
る。太陽歯車が落ちてはいけないから遊星大円部8が太
陽歯車の下に位置し太陽歯車を支持している。つまり太
陽歯車Sの抜け止めのために遊星大円部8が副キャリヤ
盤4B側にある。当然に遊星小円部7は主キャリヤ盤4
Aの方にある。
【0009】ケースによって外殻内歯歯車3が水平に支
持される。主キャリヤ盤4Aの周辺部51を延ばし外殻
内歯歯車3の周辺部52にかかるようにする。遊星歯車
やキャリヤの自重は接触支持部Cにおいて主キャリヤ盤
4Aから外殻内歯歯車3に伝わる。キャリヤ遊星歯車は
かなりの重さがあるがこれが全部接触支持部Cにかか
る。そのような支持にはふたつの問題がある。一つは摩
擦速度が大きいということである。外殻内歯歯車3は静
止しており、キャリヤ4は回転する。静止しているもの
の上を回転するものが滑って行くので摩擦によるトルク
損失が大きい。発熱もあり、ノイズも発生する。伝達効
率も低下する。外殻内歯歯車の側面が摩滅する。接触部
では相対速度が0であることが望ましい。
【0010】もう一つの問題は主キャリヤ盤4Aが外殻
内歯歯車3よりも軸方向に突出しなければならないから
遊星歯車装置全体の厚みが大きくなってしまうというこ
とである。厚みが大きいと重量も大きくなるからコスト
を押し上げる。外殻内歯歯車の厚みとキャリヤの厚みが
ほぼ同じぐらいのより薄い遊星歯車装置が望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では主キャリヤ盤
4A(出力側)側に遊星大円部を、副キャリヤ盤4Bの
ほうに遊星小円部を配置し太陽歯車を除く。つまり前記
のものと遊星歯車の向きを反対にし太陽歯車がないもの
とする。副キャリヤ盤4Bの方から太陽歯車を刻んだシ
ャフトを挿入離脱できるようになる。太陽歯車をシャフ
ト先に刻むので太陽歯車を小さくし高減速比を実現でき
る。さらに主キャリヤ盤4Aの外周側面が、外殻内歯歯
車の側面に接触しないようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1によって本発明の第1の実施
例にかかる遊星歯車装置を説明する。これは3個の遊星
歯車を持つ例であるが、4つの遊星歯車を持つ遊星歯車
装置にも同様に適用できる。遊星歯車装置1はある円周
上に配置された3個の遊星歯車2と、その遊星歯車2の
外側にあってこれらと噛み合う外殻内歯歯車4(インタ
ーナルギヤ)と、遊星歯車2を遊星軸5によって回転可
能に支持するキャリヤ4とよりなる。太陽歯車を欠いて
いることに注意すべきである。キャリヤ4は主キャリヤ
盤4Aと副キャリヤ盤4Bの2枚の部材を組合わせたも
のである。副キャリヤ盤4Bは入力軸(太陽歯車を廻
す)が差し込まれる側であり、主キャリヤ盤4Aは出力
軸が固定される側である。副キャリヤ盤4Bは入力側キ
ャリヤ、主キャリヤ盤4Aは出力側キャリヤということ
もできよう。
【0013】遊星歯車2は3つの部材を本来含んでいる
が一体化されている。入力側(副キャリヤ盤4B)から
見て順に、遊星小円部7、遊星ギヤ部6、遊星大円部8
が形成される。つまり図1において、中央にギヤ部6、
左に小円部7、右に大円部8がある。小円部7は遊星歯
車の歯底円より0〜2モジュール小さい直径を持つ。大
円部8は歯先円より0〜2モジュール大きい直径を持
つ。入力側に小円部7が出力側に大円部8があると言う
事が重要である。遊星歯車2の中央にはハブ9が形成さ
れ中継部10によって前記のギヤ部6、小円部7、大円
部8等と結合されている。ハブ9には軸孔11が穿孔し
てある。軸孔11に通した遊星軸5の周りを遊星歯車2
が自由回転できる。遊星歯車2は3つの異なる部材を一
体に結合したものであるが前後の円部の直径が異なるか
ら前後で非対称になっている。これはプラスチック射出
成形によって作製することができる。一体型非対称の遊
星歯車を用いた遊星歯車装置である。
【0014】遊星歯車に対応して、外殻内歯歯車3(イ
ンターナルギヤ)も3つの異なる部材を一つに結合した
ものである。入力側(副キャリヤ盤4B)から、順に外
殻小円筒部13、外殻ギヤ部12、外殻大円筒部14が
設けられる。小円筒部13は外殻内歯歯車の歯先円より
も0〜2モジュール小さい直径を持つ。大円筒部14は
歯底円よりも0〜2ジュール大きい直径を持つ。外殻内
歯歯車3の外周部には周り止め突部15が形成される。
外殻内歯歯車と遊星歯車(外歯)では歯先円、歯底円の
大小関係が逆転する。外殻小円筒部13に、遊星小円部
7が接触転動する。外殻大円筒部14に遊星大円部8が
接触転動する。直径方向の力はこれらの円筒部と円部の
接触によって伝わる。だから歯先の異常な噛み込みを防
ぎトルク低下を防ぐことができる。
【0015】副キャリヤ盤4Bと主キャリヤ盤4Aの結
合について説明する。主キャリヤ盤4Bの裏面には隣接
遊星軸5、5の中間の位置に第1隆起部16があり、副
キャリヤ盤4Bの裏面には第2隆起部17が形成され
る。第1隆起部16の先にはプラグ部19が形成され、
第2隆起部17には止め孔18が穿孔される。止め孔1
8にプラグ部19を差し込んで先端をかしめることによ
ってキャリヤ4を組み立てることができる。かしめ部2
0によって副キャリヤ盤4Bがしっかりと主キャリヤ盤
4Aに固結される。図6と違って主キャリヤ盤4Aの外
周部内側面が外殻内歯歯車の側面に接触していない。た
めにここで摩擦抵抗が起こらない。また図1の実施例は
キャリヤ4の厚みと、外殻内歯歯車の厚みがほぼ等し
く、先述の要求を満たしている。
【0016】主キャリヤ盤4Aの中央にはキャリヤ軸孔
21が穿孔される。ここには周り止めのためにスプライ
ンが形成される。出力軸(図示しない)がキャリヤ軸孔
21に差し込まれ減速回転を取り出すようになってい
る。入力軸の方は副キャリヤ盤4Bの入力軸開口22か
ら、遊星歯車2が囲む中心の空間28に差し込まれる。
この空間のことをここでは太陽空間28と呼ぶことにす
る。遊星軸5に支持について説明する。主キャリヤ盤4
Aの内側には軸止め隆起23が形成され、副キャリヤ盤
4Bの内側には軸止め隆起24が形成される。軸止め隆
起23、24には一定深さの軸孔25、26が穿孔され
る。遊星歯車2のハブ9を貫く遊星軸5の両端は、軸孔
25、26によって両持ち支持される。遊星歯車2は遊
星軸5の周りを回転する。遊星歯車2のハブ9は隆起2
3、24の側面によって挟まれているから、軸方向の位
置が決まる。つまりキャリヤ4が遊星歯車2に対して軸
方向には動かないということである。
【0017】この遊星歯車装置1は太陽歯車がないので
それ自体では減速機とならないが、外部から太陽歯車を
差し込むと減速機になる。ここではモータ軸30を外部
から差し込む例を示す。シャフト31部の先端には太陽
歯車が刻まれている。太陽歯車部32の根元には鍔部3
3が形成される。モータ軸30の端部34は遊星歯車2
の大円部8に接触することによって止まる。遊星歯車2
の大円部8は軸30の位置決めの機能をも持っている。
このように入力側(開口22の側、副キャリヤ盤4Bの
側)に小円部7があって太陽歯車を通すことができるか
ら、遊星歯車装置を組立てた後から太陽歯車を先端に有
するシャフトを差し込みあるいは抜き取ることができ
る。これは洗濯機の減速機として極めて好都合である。
洗濯機の場合キャリヤの回転によってバスケットを回転
させるからキャリヤ4をバスケットに固着し、外殻内歯
歯車3をケースによって固定する。さらに最下点に、出
力軸に太陽歯車を刻んだモータを設け、軸を遊星歯車装
置の中心に差し込む。
【0018】太陽歯車をシャフトの先端に刻み遊星歯車
装置に差し込むような方式は、その他の点でも洗濯機減
速機として優れている。それは高減速比を実現できると
いうことである。太陽歯車の歯数をS、外殻内歯歯車の
歯数をIとして、減速比RはR=1/(1+I/S)に
よって与えられる。高減速比というのは減速が著しいと
いう意味で分母が大きいものをいう(R自体は小さ
い)。太陽歯車が小さいほど高減速比である。遊星歯車
の数が4つの場合より3つの場合のほうが空間に余裕が
あるから高減速比にできる。しかし遊星歯車の数が少な
いと当然に伝達トルクが小さくなる。遊星歯車が3つの
場合でも太陽歯車自体を小さくするには限界がある。太
陽歯車に孔を穿ってここに軸を挿入する方式では強度が
弱くなるから太陽歯車を余り小さくできない。このよう
にシャフトの先に太陽歯車に該当するものを刻設するも
のでは十分な強度がとれるから太陽歯車を小さくでき
る。太陽歯車を小さくして高減速比を実現できる。これ
は洗濯機用として好ましい性質である。
【0019】洗濯機に取り付ける場合入力側が下に、出
力側が上になるように固定される。外殻内歯歯車3はケ
ースによって支えられる。キャリヤ4と遊星歯車2の重
さWは、遊星歯車の歯側面と外殻小円筒部13側面との
第1接触支持部Aと、遊星歯車の大円部8の側面と外殻
内歯歯車3ギヤ部8の側面の第2接触支持部Bによって
支持される。荷重Wが6点の支持点に分散されて外殻内
歯歯車3に伝わる。外殻内歯歯車3から荷重はケースに
伝わる。このような支持の優れた点は、接触する部材間
に相対回転がなく、摩耗が少なく騒音が小さいという所
である。もしも大円部8と小円部7が反対にあればこの
ような支持は不可能であり、主キャリヤ盤4Aの外周と
外殻内歯歯車の大円筒部13の外周が接触し摩耗騒音が
著しくなる。
【0020】
【0021】 図3は第2の実施例を示す。この例では
遊星軸5が省略される。副キャリヤ盤4Bの軸止め隆起
24をさらに延長し延長軸部40によって遊星歯車2を
回転可能に支持する。延長軸部40のさらに先端の延長
軸端41を主キャリヤ盤4Aの支持孔42によって固定
する。副キャリヤ盤4B、主キャリヤ盤4Aはともにプ
ラスチックによって作る場合はこのようなことが可能で
ある。遊星軸5は鉄であるがこれを省くと材料費を節減
できるし組立工数もさらに減るのでコスト減になる。軸
止め隆起24、延長軸部40に通孔43が穿ってあるの
は材料費をもっと減らすためである。その必要がない場
合は中実体としても良い。
【0022】図4は第3の実施例を示す。これは外殻内
歯歯車の外殻ギヤ部12を少し切り欠いて円周に沿う溝
を切りここをグリス溜44としている。ここにグリスが
たまるから、外殻内歯歯車3と遊星歯車2の噛み合い面
にグリスが供給され潤滑性が改善される。
【0023】
【発明の効果】遊星歯車が大円部、歯車部、小円部をも
ち、外殻内歯歯車が大内円筒面、歯車部、小内円筒面を
持つ。電気洗濯機においては入力軸が下に出力軸が上に
来るように遊星歯車装置を横にして使う。その場合キャ
リヤ、遊星歯車などの荷重Wが遊星歯車側面と外殻大内
円筒面の側面の接触A(第1接触支持部)、及び遊星大
円部側面と外殻内歯歯車側面の接触B(第2接触支持
部)によって支持される。これらの接触A、Bにおいて
相対的な動きは殆どないから滑りが少なく摩耗がわずか
である。しかも摩擦抵抗が小さいので伝達効率が良い。
摩擦による発熱が少ないので部材が過熱されない。
【0024】さらに入力軸の方に遊星小円部があるの
で、先端に歯車を切ったシャフトを差し込むことができ
る。シャフト先に太陽歯車を切った場合は太陽歯車に孔
を穿つ必要がないので太陽歯車を小さくすることができ
る。太陽歯車が小さいと大きい減速比を取ることができ
る。高減速比は洗濯機の減速機として利用する場合極め
て好都合の性質である。本発明は入力軸側に小円部があ
るから高減速比の遊星歯車装置を与えることができるの
である。
【0025】そのような幾何学的構造は、減速比が大き
いというだけでなく、モータ軸に太陽歯車を穿ちこれを
減速機に後で差し込んで組み合わせるということを可能
にするので、洗濯機用の減速機としてはさらにふさわし
い。また外殻内歯歯車の厚みよりも、キャリヤの厚みを
小さくでき取扱い易い形状になる。洗濯機用減速機とし
て最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例にかかる一体型非対称遊
星歯車装置の断面図。
【図2】同じものの右側面図。
【図3】本発明の第2の実施例にかかる一体型非対称遊
星歯車装置の断面図。
【図4】本発明の第3の実施例にかかる一体型非対称遊
星歯車装置の断面図。
【図5】本発明者が先に発明した一体型非対称遊星歯車
装置を出力軸を上に入力軸を下にし水平に置いた場合の
概略断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 1/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周上に配置された適数個の遊星歯車2
    と、これらに噛合う外殻内歯歯車3と、適数個の遊星歯
    車2を遊星軸5によって回転自在に支持し主キャリヤ盤
    4Aと副キャリヤ盤4Bよりなるキャリヤ4とを含み、
    主キャリヤ盤4Aは出力軸が接続され、副キャリヤ盤4
    Bの開口から入力軸が挿入されるようにされた遊星歯車
    装置において、遊星歯車2は主キャリヤ盤4Aの側から
    歯先円より大きい遊星大円部8、遊星ギヤ部6、歯底円
    より小さい遊星小円部7が一体成形されてなり、外殻内
    歯歯車は主キャリヤ盤4Aの側から歯底円より大きい外
    殻大円筒部14、外殻ギヤ部12、外殻小円筒部13が
    一体成形されてなり、遊星小円部7が外殻小円筒部13
    に転動接触し、遊星大円部8が外殻大円筒部14に転動
    接触し、副キャリヤ盤4Bの開口の内径は太陽歯車の歯
    先円より大きく、外殻内歯歯車3の側面に副キャリヤ盤
    4Bの内側面が接触でき、外殻内歯歯車3の側面に主キ
    ャリヤ盤4Aの内側面が接触しないようにしてあり、副
    キャリヤ盤4Bの内面の一部を延長した延長軸部40に
    よって遊星歯車2を回転可能に支持し、延長軸端41を
    主キャリヤ盤4Aの支持孔42によって支持したことを
    特徴とする一体型非対称遊星歯車装置。
  2. 【請求項2】 円周上に配置された適数個の遊星歯車2
    と、これらに噛合う外殻内歯歯車3と、適数個の遊星歯
    車2を遊星軸5によって回転自在に支持し主キャリヤ盤
    4Aと副キャリヤ盤4Bよりなるキャリヤ4とを含み、
    主キャリヤ盤4Aは出力軸が接続され、副キャリヤ盤4
    Bの開口から入力軸が挿入されるようにされた遊星歯車
    装置において、遊星歯車2は主キャリヤ盤4Aの側から
    歯先円より大きい遊星大円部8、遊星ギヤ部6、歯底円
    より小さい遊星小円部7が一体成形されてなり、外殻内
    歯歯車は主キャリヤ盤4Aの側から歯底円より大きい外
    殻大円筒部14、外殻ギヤ部12、外殻小円筒部13が
    一体成形されてなり、遊星小円部7が外殻小円筒部13
    に転動接触し、遊星大円部8が外殻大円筒部14に転動
    接触し、副キャリヤ盤4Bの開口の内径は太陽歯車の歯
    先円より大きく、外殻内歯歯車3の側面に副キャリヤ盤
    4Bの内側面が接触でき、外殻内歯歯車3の側面に主キ
    ャリヤ盤4Aの内側面が接触しないようにしてあり、外
    殻内歯歯車3の外殻ギヤ部12の一部を円周方向に切り
    欠いてグリス溜44としたことを特徴とする一体型非対
    称遊星歯車装置。
JP8332909A 1996-11-27 1996-11-27 一体型非対称遊星歯車装置 Expired - Fee Related JP2922475B2 (ja)

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