JP2921515B2 - 圧縮型引留クランプ - Google Patents

圧縮型引留クランプ

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JP2921515B2
JP2921515B2 JP14919397A JP14919397A JP2921515B2 JP 2921515 B2 JP2921515 B2 JP 2921515B2 JP 14919397 A JP14919397 A JP 14919397A JP 14919397 A JP14919397 A JP 14919397A JP 2921515 B2 JP2921515 B2 JP 2921515B2
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悠二 中川
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Daido Denki Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架空線を鉄塔或い
は鉄塔に取付けられている碍子連などに取付けるために
使用するクランププロテクタを用いたプレハブ架線用延
線金車通過となる圧縮型引留クランプに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来知られている延線金車通過用の圧縮
型引留クランプとしては、図19,図20に示すように
電線4を後部に圧縮把持する圧縮用アルミスリーブ2と
基端部に鋼クランプ本体1を配設した構成であり、且つ
鋼クランプ本体1のジャンパーソケット接続部3′には
ソケット用接続孔3を複数個設け、鋼クランプ本体1の
先端に突設した鋼クランプアイ部1′に碍子金具用連結
孔1aを設け、これら全体で圧縮型引留クランプ1″と
している。この圧縮型引留クランプ1″は、図26に示
すように延線金車18上を通過する際に発生する曲げ荷
重Tsin θによる曲げ変形を防止し金車通過を可能にし
ている。
【0003】この場合、圧縮型引留クランプには、延線
時に図21〜図24に示すように長手方向に二分割スリ
ット7をもつ円筒形のクランププロテクタ本体5を、鋼
クランプアイ部1′に接続した緊線併用碍子金具8に固
定軸6をもって係合しばらけないよう覆う固定とする。
即ち、この鋼クランプ本体1の鋼クランプアイ部1′に
緊線併用碍子金具8を、後端のクレビス部8aを嵌合し
その連結孔8bに連結ボルト13を挿通して連結し、且
つ緊線併用碍子金具8の中間に設けた係止部位となる段
状係合溝10にクランププロテクタ本体5の先端円筒内
に突設の連結段部5aを嵌挿すると共に、該連結段部5
aの軸孔5bと段状係合溝10の軸孔10aに固定軸6
を貫通して連結し、延線時にクランププロテクタ本体自
体がばらけないようにする。また、緊線併用碍子金具8
の支持金具用取付胴部9の先端に設けたリンク部9aの
連結孔9bにワヤイヤコネクタ11又は汎用碍子金具
(図示せず)を連結ボルト12をもって連結する(図2
5参照)。
【0004】また、緊線併用碍子金具8は図27、図2
8に示すようにクランププロテクタ本体5を外すことな
く、該クランププロテクタ本体5の先端5cより露出し
ている取付胴部9の取付孔9cに、図29に示す平行ク
レビスリンク型の緊線用支持金具14を、この係止孔1
4aに挿通する連結ボルト15とナット15aをもって
着脱自在とし、且つ緊線用支持金具14に図28に示す
ように緊線に使用する緊線用金車17を取付け電線を緊
線するものである(実公昭58−47778号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如きク
ランププロテクタ本体5を装着する延線金車通過用の圧
縮型引留クランプ1″の鋼クランプアイ部1′に連結さ
れる緊線併用碍子金具8は、図26に示すように延線金
車通過時にTsin θの曲げ荷重が加わる。また、図27
に示す緊線用支持金具14を使用して電線を緊線すると
緊線張力Pにより曲げ荷重PLが生じる。クランププロ
テクタ本体5を係止する緊線併用碍子金具8は、延線時
や緊線時にのみ作用する過度的な曲げ荷重に対して変形
に対処するため引張強さが830N/mm2 の高張力鋼材
が使用されており、図28に示す通常の延線履歴を受け
ない汎用的碍子金具16の2倍程度の材料強度が必要で
ある。また、延線金車18の線溝の通過性を良くするた
めに緊線併用碍子金具8は図30,図31に示すように
複雑な形状としコスト的にも高価なものとなる。
【0006】即ち、従来の緊線併用碍子金具8とクラン
ププロテクタ本体5を係止する段状係合溝10は、図3
0,図31に示すように緊線用支持金具14を取付ける
取付胴部9がそのまま延長され円柱形状となっているも
のと、取付部位が段状係合溝10となっているものがあ
る。従って、クランププロテクタ本体5内部の緊線併用
碍子金具8を係止する部分は、図21,図22に示すよ
うに円柱状に中空になっているものと、図23,図24
に示すようにクランププロテクタ本体5の内部に緊線併
用碍子金具8の段状係合溝10に合致するように部材
5′が溶接されているが、あくまでも、鋼クランプ本体
と別途構成であり、全体として長尺部材となり取扱いが
面倒となっている。
【0007】本発明は上記実情に鑑み、引留クランプに
おける鋼クランプ本体に、碍子金具用鋼クランプアイ部
の他に緊線用支持金具を連結する部位とクランププロテ
クタ本体を固定する部位を連設するコンパクト構成とす
るようにしたことで、上記課題を解決する圧縮型引留ク
ランプを提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミスリー
ブと鋼クランプ本体よりなる延線金車通過用の圧縮型引
留クランプにおいて、鋼クランプ本体の鋼クランプアイ
部に碍子金具に連結する連結孔を1個設け、このアイ部
連結孔から電線方向に対して電線を緊締する際の緊線用
支持金具取付孔を1個とクランププロテクタ本体をボル
ト又はピンで固定する係止孔を1個、及びジャンパソケ
ット接続孔を複数個を順次配設したものである。
【0009】 この場合、鋼クランプ本体のクランププ
ロテクタ本体をボルト又はピンで固定する係止孔が設け
られた係止部位の幅は、クランププロテクタ本体の係止
孔の中心からクランププロテクタ本体先端間と同係止孔
の中心からジャンパソケット接続部先端間を加算した長
さとし、且つ前記係止部位の縦寸法及び横寸法の上限は
クランププロテクタ本体の内径に収容可能な限界を上限
寸法とし、縦及び横の下限寸法は延線金車径、延線金車
の線路方向配列方式、延線金車の抱え角度、延線張力な
ど個別に設定される延線条件によって発生する曲げ荷
重、又は使用する電線の緊線時張力によって生じる曲げ
荷重のうち、いずれか支配的となる荷重に対して当該部
位が変形しない限界の断面積が設定できる。
【0010】また、鋼クランプ本体の緊線用支持金具取
付孔を設ける取付部位の幅は、クランププロテクタ本体
が固定された状態のクランププロテクタ本体先端から鋼
クランプアイ部端末までの長さとし、緊線用支持金具を
取付ける取付部位の縦寸法及び横寸法の上限は従来の圧
縮型引留クランプの電線種類別に適用されるクランププ
ロテクタ本体の外径と同等な寸法を上限寸法とし、縦及
び横の下限寸法は延線金車径、延線金車の線路方向配列
方式、延線金車の抱え角度、延線張力など個別に設定さ
れる延線条件によって発生する曲げ荷重、又は使用する
電線の緊線時張力によって生じる曲げ荷重のうち、いず
れか支配的となる荷重に対して当該部位が変形しない限
界の断面積が設定できる縦寸法及び横寸法とし、且つ当
該部位の端面及び角部には丸みを付け、延線金車の線溝
を通過し易いようにしたものである。
【0011】この様に、圧縮型引留クランプは鋼クラン
プ本体後部となる鋼クランプアイ部に1個の連結孔と、
該連結孔とジャンパーソケット接合部先端間で、且つク
ランププロテクタ本体端から露出する箇所を平行クレビ
スリンク型緊線用支持金具を連結する取付孔を配する部
位としたため、従来の如き別途の緊線併用碍子金具を連
結し緊線用支持金具を配設することなく、クランププロ
テクタ本体が取付いた状態で緊線作業が可能となる。
【0012】この緊線用支持金具を取付ける取付部位の
幅は、鋼クランプアイ部の末端からクランププロテクタ
本体が固定された状態の該クランププロテクタ本体の先
端までとし、緊線用支持金具が鋼クランプアイ部やクラ
ンププロテクタ本体に接触せず緊線用支持金具が着脱自
在となる幅としたため、クランププロテクタ本体を装着
した状態で延線金車を通過できる。
【0013】また、クランププロテクタ体体の外径D1
及び内径D2 は使用する電線区分毎に設計され、鋼クラ
ンプ本体のクランププロテクタ本体を固定する係止部位
の幅を、クランププロテクタ本体の係止孔の中心からク
ランププロテクタ本体先端間と同係止孔の中心からジャ
ンパソケット接続部先端間を加算した長さとし、前記係
止部位の縦寸法及び横寸法の上限はクランププロテクタ
本体の内径に収容可能な限界を上限寸法とし、縦及び横
の下限寸法は延線金車径、延線金車の線路方向配列方
式、延線金車の抱え角度、延線張力など個別に設定され
る延線条件によって発生する曲げ荷重、又は使用する電
線の緊線時張力によって生じる曲げ荷重のうち、いずれ
か支配的となる荷重に対して当該部位が変形しない限界
の断面積とし堅牢となる。
【0014】更に延線の条件は、使用する電線の種類,
延線張力,延線金車の吊り位置の高さによって影響され
る延線区間の立地条件での電線の垂下によって障害物へ
の離隔の確保や図5に示す延線金車通過時の曲げ荷重T
sin θ要因となる延線張力Tや、延線金車の直径、延線
金車の抱き角度θなどにより決定される。
【0015】また、電線の延線金車通過回数によって履
歴される電線ニッキングなどの電線性能への悪影響の要
因となる延線金車通過時に発生する曲げ荷重Tsin θを
低減する手段として状況に応じて延線張力Tを低くした
り、延線金車の直径を大きくしたり、抱き角度θを緩や
かにしたりし、延線金車を延線方向に直列に2連吊りに
し実質的に抱き角度θを低減させたり、緊線時の緊線張
力Pも鉄塔の強度や径間長,高低差,使用する電線の強
度などを考慮して個別に設定する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の延線金車通過用と
なる圧縮型引留クランプを実施例の図に基づいて説明す
れば、次の通りである。
【0017】図1〜図14は鋼クランプ本体に緊線用支
持金具を装着する圧縮型引留クランプを示す実施例であ
る。1は後部に電線圧縮用のアルミスリーブ2を配設す
る鋼クランプ本体で、該鋼クランプ本体1の構成は、先
端に突設した鋼クランプアイ部1′に碍子金具を連結す
る連結孔1aを設けると共に、鋼クランプアイ部1′の
電線方向側となる基部に緊線用支持金具14を取付ける
取付孔19を設けた一定幅の取付部位19′と、該取付
部位19′の基部にクランププロテクタ本体5の係止孔
20を設けた係止部位20′と、更に係止部位20′の
基部に複数個のソケット用接続孔3を設けたジャンパソ
ケット接続部3′を連続形成したものであり、これら全
体で1本軸構成となる延線金車通過用の圧縮型引留クラ
ンプ1″となる。
【0018】この場合、圧縮型引留クランプ1″の先端
の連結孔1aを配す鋼クランプアイ部1′には、図5に
示す様に延線金車18を通過する際に鋼クランプアイ部
1′に対して、こじる方向に曲げ荷重Tsin θが作用す
るとき変形に対処するリブ補強を形成してもよい。ま
た、鋼クランプアイ部1′の端末から電線4側へ向かっ
た後方には図6に示す様に緊線用支持金具14を取付け
る取付部位19′と同金具を係止する取付孔19を設
け、その後方、即ち図2及び図4に示すようにクランプ
プロテクタ本体5が鋼クランプ本体1に固定軸6で固定
された状態でクランププロテクタ本体5の先端5cから
ジャンパソケット接続部3′の先端までの間に、クラン
ププロテクタ本体5を取付ける係止部位20′を形成す
ると共に、クランププロテクタ本体5を固定軸6で係止
する係止孔20を設ける。更に、その後方、即ちクラン
ププロテクタ本体5を取付ける係止部位20′とアルミ
スリーブ2の間に複数個のソケット用接続孔3を設けた
ジャンパソケット接続部3′を配設するものである。ま
た、図9〜図14に示すようにクランププロテクタ本体
5を取付ける鋼クランプ本体1の係止部位20′が段状
係合溝10になっている場合の断面形状は、図9に示す
鋼クランプ本体1の側面に対して図11に示すような断
面形状でも、図10に示す鋼クランプ本体1の側面に対
して図12に示すような断面形状のいずれであってもク
ランププロテクタ本体5の取付けが可能であり、延線金
車通過時の曲げ荷重Tsin θや緊線時の曲げ荷重PLの
いずれか支配的な曲げ荷重に対して有利な断面形状が形
成される。
【0019】ここにおいて、圧縮型引留クランプ1″の
図15,図16に示す態様の延線金車18の線溝18′
の通過に当たっては、クランププロテクタ本体5の外径
D1及び内径D2 は使用する電線区分毎に設計され、こ
れら全て適用する延線金車18の線溝18′の通過が可
能な設計である。従って、圧縮型引留クランプ1″の緊
線用支持金具14を取付ける取付部位19′の縦及び横
の最大寸法を使用する電線区分毎に適用するクランププ
ロテクタ本体5の外径D1 同等とすれば、図2に示す圧
縮型引留クランプ1″の緊線用支持金具14を取付ける
取付部位19′はクランププロテクタ本体5に適用する
延線金車18の線溝18′を通過できる。
【0020】更に、送電線建設工事における延線の条件
は、使用する電線の種類,延線張力,延線金車の吊り位
置の高さによって影響される延線区間の立地条件(道
路,鉄道,河川,人家密集地の横断など)での電線の垂
下による障害物への離隔の確保や図5に示す延線金車通
過時の曲げ荷重Tsin θ要因となる延線張力Tや、図1
5に示す延線金車18の直径、図17に示す延線金車1
8の抱き角度θなどにより決定される。
【0021】また、電線の延線金車通過回数によって履
歴される電線ニッキングなどの電線性能への悪影響の要
因となる延線金車通過時に発生する曲げ荷重Tsin θを
低減する手段として状況に応じて延線張力Tを低くした
り、又は延線金車の直径を大きくしたり、延線金車の抱
き角度θを緩やかにしたり、図18に示す他の実施例の
ように延線金車18を延線方向に直列に2連吊りにして
実質的に抱き角度θを低減するなど延線条件は、状況に
応じて個別に設定される。また、緊線時の緊線張力Pも
鉄塔の強度や径間長,高低差,使用する電線の強度など
を考慮して個別に設定される。
【0022】この様に、延線や緊線条件の状況に鑑み、
本発明の図17に示す圧縮型引留クランプ1″にあっ
て、緊線用支持金具の取付部位19′の縦及び横の下限
寸法を固定せず延線条件に応じて図5に示す延線金車通
過時に生じる曲げ荷重Tsin θと、図6に示す緊線張力
Pによって生じる曲げ荷重PLに対して圧縮型引留クラ
ンプ1″の具備すべき機械的強度性能として個別に設定
された延線及び緊線条件下で、図2に示す圧縮型引留ク
ランプ1″の緊線用支持金具の取付部位19′が図5に
示す延線金車通過時の曲げ荷重Tsin θと、図6に示す
緊線時の曲げ荷重PLのいずれか支配的な曲げ荷重に対
して変形しない断面積となる縦寸法及び横寸法を下限寸
法とし、且つ図1に示すように当該部位の端面及び角部
には丸みを付けたため、延線金車18の線溝18′をス
ムーズに通過できるものである。
【0023】次に、図1〜図3に示す本発明の圧縮型引
留クランプ1″と適合するクランププロテクタ本体5を
係止する図17に示す係止部位20′の幅は、この係止
部位20′の係止孔20にクランププロテクタ本体5が
固定された状態のクランププロテクタ本体5の先端5c
とジャンパソケット接続部3′の先端間までとした。こ
れは、従来使用されている緊線併用碍子金具8の形状が
使用する電線種類によって差異がある。
【0024】また、この圧縮型引留クランプ1″も使用
する電線の種類によってはクランププロテクタ本体5の
内部に溶接された部材5′を有するクランププロテクタ
を適用することを考慮する必要があり、圧縮型引留クラ
ンプと適合するクランププロテクタとを係合する圧縮型
引留クランプ1″の部位20′の幅寸法は無理なくクラ
ンププロテクタ本体5の溶接部材5′に嵌合係止できる
範囲である。
【0025】また、図1〜図3に示す圧縮型引留クラン
プ1″と適合する従来のクランププロテクタ本体5(図
21〜図24参照)とを係止する図2の部位20′の縦
及び横の上限寸法は、圧縮型引留クランプ1″に適用す
るクランププロテクタ本体5を係止する関係上、図21
〜図24に示すクランププロテクタ本体5の内径D2に
収納可能な限界とした。
【0026】また、図2に示す圧縮型引留クランプ1″
と適合するクランププロテクタ本体5とを係止する部位
20′の縦及び横の下限寸法は、前記した延線条件によ
る図5に示す延線金車通過時の曲げ荷重Tsin θと、図
6に示す緊線張力Pによって生じるPLの曲げ荷重のい
ずれか支配的な曲げ荷重に対してクランププロテクタ本
体5を係止した部位20′が変形しない断面積となる縦
寸法及び横寸法を下限寸法とするものである。
【0027】
【発明の効果】上述の様に、本発明の圧縮型引留クラン
プはこの鋼クランプ本体に碍子金具の連結孔と緊線用支
持金具の取付孔とクランププロテクタ本体の係止孔及び
ジャンパソケット接続孔を連設した1本軸構成の簡略タ
イプとしてなるため、緊線に際し従来用いられていた緊
線併用碍子金具が削減できるので、現在建設されている
多導体送電線(4導体,6導体,8導体)や、将来的に
更に導体数が増加する場合におても導体数が多くなるほ
ど経済的効果が大きくなる。しかも、この圧縮型引留ク
ランプは従来使用されている延線金車通過用の圧縮型引
留クランプに比較して緊線用支持金具の取付部位とクラ
ンププロテクタ本体の係止部位の材料が若干増加し、係
止孔(貫通孔)が2個増加するが鋼クランプ本体の材料
はS15Cが一般的に使用され、材料費が従来の緊線併
用碍子金具に使用している高張力鋼材に比べ安価であ
る。
【0028】また、成形は鍛造により一体形成でできる
ため、鍛造工数は従来使用されている延線金車通過用の
圧縮型耐張クランプと同程度であり、従来の圧縮型引留
クランプの延線時及び緊線時に使用されてきた緊線併用
碍子金具を使用するより本発明の圧縮型引留クランプを
使用し緊線併用碍子金具を削減するほうが経済的なメリ
ットが大きい。
【0029】更に、従来電線側碍子金具の緊線用支持金
具がセットされていたが、図8に示すように圧縮型引留
クランプを使用すると緊線用支持金具の取付孔19が従
来の緊線併用碍子金具8の取付孔9より電線側に移動す
るため、緊線用金車の位置が電線4側に下がり延線ワイ
ヤーの取り代に余裕が生じるため、同図示のB寸法分が
更に短縮でき図7に示す汎用碍子金具群16の一部削減
又は短縮ができ、この点からもコスト低減に一層の効果
が得られる等の利点がある
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮型引留クランプの一実施例を示す
斜視図である。
【図2】同圧縮型引留クランプの側面及びクランププロ
テクタ本体の装着状態を示す説明図である。
【図3】同圧縮型引留クランプの平面図である。
【図4】段状係合溝部を有する圧縮型引留クランプの一
実施例にワイヤコネクタを連結し、且つクランププロテ
クタ本体に溶接部材を配設し固定軸で係止した装着説明
図である。
【図5】図4の装着説明図において延線金車上で曲げ荷
重を受ける状態の説明図である。
【図6】圧縮型引留クランプにクランププロテクタ本体
が装着された状態で緊線用支持金具を介して緊線され緊
線張力により曲げ荷重を受ける説明図である。
【図7】図6の緊線状態において一実施例として4導体
の上線を緊線している説明図である。
【図8】本発明の圧縮型引留クランプと従来の緊線併用
碍子金具を使用して緊線した場合の碍子金具の短縮状態
を示す説明図である。
【図9】段状係合溝部を有する圧縮型引留クランプの要
部を示す説明図である。
【図10】同側面図である。
【図11】図9のX−X線の断面図である。
【図12】図10のY−Y線の断面図である。
【図13】図9の下面図である。
【図14】図10の下面図である。
【図15】延線金車の側面図である。
【図16】図15の正面図である。
【図17】一輪延線金車をクランププロテクタ本体が通
過する際の金車抱き角の説明図である。
【図18】他の実施例となる2連吊り延線金車をクラン
ププロテクタ本体が通過する際の金車抱き角の説明図で
ある。
【図19】従来の延線金車通過用の圧縮型引留クランプ
を示す側面図である。
【図20】同圧縮型引留クランプの下面図である。
【図21】同プロテクタ本体内部に溶接部材を有しない
クランププロテクタ本体の正面図である。
【図22】同圧縮型引留クランプの側面図である。
【図23】同プロテクタ本体内部に溶接部材を有するク
ランププロテクタ本体の正面図である。
【図24】同圧縮型引留クランプの側面図である。
【図25】緊線併用碍子金具とワイヤコネクタ及び圧縮
型引留クランプの鋼クランプアイ部の連結状態とクラン
ププロテクタ本体の装着状態の説明図である。
【図26】図25の装着説明図において延線金車上で曲
げ荷重を受ける状態を示す説明図である。
【図27】緊線併用碍子金具にクランププロテクタ本体
が装着され緊線用支持金具を介して緊線され緊線張力に
よる曲げ荷重を受ける状態を示す説明図である。
【図28】図27の緊線状態において4導体の上線を緊
線している実施例の説明図である。
【図29】緊線用支持金具の斜視図である。
【図30】緊線併用碍子金具の斜視図である。
【図31】図30の下面図である。
【符号の説明】
1 鋼クランプ本体 1′ 鋼クランプアイ部 1a 連結孔 2 アルミスリーブ 3 ソケット用接続孔 3′ ジャンパソケット接続部 4 電線 5 クランププロテクタ本体 5c 先端 19 緊線用支持金具の取付孔 19′ 取付部位 20 クランププロテクタ本体の係止孔 20′ 係止部位

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミスリーブと鋼クランプ本体よりな
    る延線金車通過用の圧縮型引留クランプにおいて、鋼ク
    ランプ本体の鋼クランプアイ部に碍子金具に連結する連
    結孔を1個設け、このアイ部連結孔から電線方向に対し
    て電線を緊締する際の緊線用支持金具取付孔を1個とク
    ランププロテクタ本体をボルト又はピンで固定する係止
    孔を1個、及びジャンパソケット接続孔を複数個を順次
    配設したことを特徴とする圧縮型引留クランプ。
  2. 【請求項2】 前記鋼クランプ本体のクランププロテク
    タ本体をボルト又はピンで固定する係止孔が設けられた
    係止部位の幅は、当該クランププロテクタ本体の係止孔
    の中心からクランププロテクタ本体先端間と同係止孔の
    中心からジャンパソケット接続部先端間を加算した長さ
    とし、且つ前記係止部位の縦寸法及び横寸法の上限はク
    ランププロテクタ本体の内径に収容可能な限界を上限寸
    法とし、縦及び横の下限寸法は延線金車径、延線金車の
    線路方向配列方式、延線金車の抱え角度、延線張力など
    個別に設定される延線条件によって発生する曲げ荷重、
    又は使用する電線の緊線時張力によって生じる曲げ荷重
    のうち、いずれか支配的となる荷重に対して当該部位が
    変形しない限界の断面積が設定できる縦寸法及び横寸法
    である請求項1記載の圧縮型引留クランプ。
  3. 【請求項3】 鋼クランプ本体の緊線用支持金具取付孔
    を設ける取付部位の幅は、クランププロテクタ本体が固
    定された状態のクランププロテクタ本体先端から鋼クラ
    ンプアイ部端末までの長さとし、緊線用支持金具を取付
    ける取付部位の縦寸法及び横寸法の上限は従来の圧縮型
    引留クランプの電線種類別に適用されるクランププロテ
    クタ本体の外径と同等な寸法を上限寸法とし、縦及び横
    の下限寸法は延線金車径、延線金車の線路方向配列方
    式、延線金車の抱え角度、延線張力など個別に設定され
    る延線条件によって発生する曲げ荷重、又は使用する電
    線の緊線時張力によって生じる曲げ荷重のうち、いずれ
    か支配的となる荷重に対して当該部位が変形しない限界
    の断面積が設定できる縦寸法及び横寸法とし、且つ当該
    部位の端面及び角部には丸みを付け、延線金車の線溝を
    通過し易いようにした請求項1又は2記載の圧縮型引留
    クランプ。
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