JP2919778B2 - ロータリ除雪車の除雪装置コントロールシステム - Google Patents

ロータリ除雪車の除雪装置コントロールシステム

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JP2919778B2
JP2919778B2 JP857196A JP857196A JP2919778B2 JP 2919778 B2 JP2919778 B2 JP 2919778B2 JP 857196 A JP857196 A JP 857196A JP 857196 A JP857196 A JP 857196A JP 2919778 B2 JP2919778 B2 JP 2919778B2
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邦彦 中田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ除雪車に
装着された除雪装置の挙動を制御するためのコントロー
ルシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両前方にオーガ,ブロワ及びシュート
より成る除雪装置を備えたロータリ除雪車は周知であ
る。除雪作業時には、オーガを回転させながら除雪車が
進行し、降り積もった雪をオーガにより除雪装置内に掻
き込むとともにオーガの後方に配したブロワによりシュ
ートを介して道路脇等へ投雪するようになっている。
【0003】一般的なロータリ除雪車においては、作業
内容に応じて除雪装置を多様に操作できるようになって
いる。通常、除雪装置は油圧シリンダや油圧モータ等の
油圧アクチュエータによりその挙動が制御されるように
なっているが、従来の除雪装置コントロールシステムで
は、多数本のレバーを操作することにより、複数の油圧
アクチュエータをコントロールして除雪装置の多様な操
作を行っていた。操作レバーの本数は、少ないもので3
本、多いものでは助手が操作するものも含めて10本以
上に達することもある。
【0004】ここで、従来の除雪装置コントロールシス
テムの一例と、そのシステムによる操作の内容とを図面
により説明する。図6は、従来の除雪装置コントロール
システムの一例に備えられた操作レバーを示すものであ
り、ロータリ除雪車の運転席に設けられている。この図
に示す除雪装置操作用レバーは、運転者が操作する符号
1〜7の7本のレバーと、助手が乗り組んだ場合に操作
する符号4a〜6aの3本のレバーの計10本のレバー
からなっている。各レバーは除雪装置を操作するための
図示しない油圧アクチュエータをコントロールするレバ
ーであり、1本のレバーが1つの油圧アクチュエータを
制御するように構成されている。なお、助手用の4a〜
6aのレバーと運転者用の4〜6のレバーとは対応する
数字のレバーが同じ操作を行うものである。
【0005】レバー1は除雪装置昇降用レバーであり、
図7に示すように、ロータリ除雪車10の前方に装着さ
れた除雪装置20を上下方向に昇降させるレバーであ
る。この除雪装置昇降用レバー1は、4ポジションのコ
ントロールバルブを切り換えるものである。
【0006】レバー2はチルトレバーであり、図8に示
すように、除雪装置20を左右にチルトさせるレバーで
ある。このレバーを操作することにより、路面の不整に
影響されずに除雪作業を行うことができる。
【0007】レバー3はブロワケース回転用レバーであ
り、図9に示すように、オーガ21の後方に配置された
ブロワ22を覆うブロワケース(図に破線で示されてい
る)を回動させて左右に倒すレバーである。レバー3を
任意の位置で手を離すと、ブロワケースはその状態で停
止する。なお、シュート23はブロワケースに連設され
ており、ブロワケースとともに回動する。
【0008】レバー4及び4aはシュート旋回レバーで
あり、図10に示すように、シュート23を旋回させる
レバーである。投雪方向はこのレバーにより任意の位置
に変えることができる。
【0009】レバー5及び5aはシュート伸縮レバーで
あり、図11に示すように、シュート23を伸縮させる
レバーである。遠方へ投雪する場合はシュート23を伸
長させ、除雪車を回送する場合はシュート23を収縮さ
せる。
【0010】レバー6及び6aはシュートキャップレバ
ーであり、図12に示される、シュート23の先端に設
けられたキャップ23aを開閉(角度変更)させるレバ
ーである。このレバーは、手を離すとニュートラルの位
置で止まりキャップはその位置に固定される。近距離投
雪及びダンプ等への積込時にはキャップ開度を小さくし
て雪の落下位置を調整する。
【0011】レバー7はシュート起倒レバーであり、図
13に示すように、シュート23を起立させたり倒伏さ
せるためのレバーである。除雪作業時はシュート23を
起立させ、回送時には倒伏させる。
【0012】この様に、ロータリ除雪車においては、レ
バーを操作することにより除雪装置の多様なコントロー
ルができるようになっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
除雪装置コントロールシステムにおいては、1本の操作
レバーが1つの油圧アクチュエータを制御するように構
成されているため、除雪装置を多様に制御するためには
たくさんの操作レバーが必要であり、上記例のように計
10本もの操作レバーが設けられている場合もある。し
かも、上記例の場合、助手が乗り組まないときには運転
者が除雪車を運転しながら7本ものレバーを操作しなけ
ればならない。従って、操作性が悪く、熟練を要すると
ともに誤操作の危険も大きいという問題が有った。ま
た、レバー本数が多いことからコストダウンの障害とも
なっていた。
【0014】さらに、例えば除雪装置のチルトでは、除
雪装置を左右にチルトさせるのにレバーを前後方向に操
作しなければならず、或いは、シュート旋回においても
レバーの前後操作によりシュートの旋回をコントロール
するなど、レバー操作の方向と除雪装置の動作の向きと
が一致せず、その面での操作性も良くないという問題も
有った。
【0015】本発明は、従来の除雪装置コントロールシ
ステムにおける上述の問題を解決し、操作性を向上させ
ると共にコストダウンを図ることのできる除雪装置コン
トロールシステムを提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、ロータリ除雪車に装着された除雪装置の挙動を制
御する除雪装置コントロールシステムであって、複数の
油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータに供給さ
れる油圧方向を制御する方向制御弁と、該方向制御弁の
弁位置を切り換える操作レバーとを有し、前記操作レバ
ーにより前記方向制御弁を介して前記油圧アクチュエー
タの作動方向を制御して除雪装置の挙動を制御するコン
トロールシステムにおいて、前記操作レバーとして複数
の前記方向制御弁が接続される少なくとも前後左右に操
作可能な多方向レバーを設け、該多方向レバーである一
本の操作レバーにより複数の前記油圧アクチュエータを
制御可能にするとともに、該多方向レバーの操作方向に
より複数の方向制御弁のうち1つの方向制御弁が選択さ
れて弁位置切換を行い、該多方向レバーの操作方向によ
り制御される油圧アクチュエータが選択されることによ
り解決される。
【0017】また、前記方向制御弁に、複数の前記油圧
アクチュエータが接続された第2の方向制御弁を接続す
るとともに、該第2の方向制御弁の弁位置切換を指示す
る指示手段を設け、該指示手段により前記第2の方向制
御弁の弁位置を切り換えることにより、前記方向制御弁
を介して制御される油圧アクチュエータが切り換えられ
ると有利である。
【0018】さらに、前記多方向レバーの操作方向と、
該操作方向により選択されて制御される前記油圧アクチ
ュエータによる除雪装置の挙動方向とが一致されている
と有利である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明除雪装置コントロールシステムの
一実施例を示すシステム構成図である。本実施例のコン
トロールシステムにおいて、除雪装置(図示せず)は3
本の操作レバーL1〜3及び操作スイッチSW1により
コントロールされる。各レバー及びスイッチのうち、レ
バーL1,2及びスイッチSW1は除雪車運転者が操作
するものであり、レバーL3は助手が乗り組んだ場合に
操作するものである。この図に示すシステムの動作につ
いては後述する。
【0020】図2は、上記操作レバーL1〜3及び操作
スイッチSW1がロータリ除雪車の運転室に配設された
様子を示すものであり、(a)は平面図、(b)は側面
図である。この図に示されるように、操作レバーL1,
L2及び操作スイッチSW1は、運転室の床板から立ち
上がる台座24にブラケットを介して装着されている。
また、助手用の操作レバーL3は、運転室のコンソール
・パネル25にブラケットを介して装着される。各操作
レバーにはプッシュスイッチS1〜3が設けられてい
る。そして、操作レバーL1〜3はプッシュプル・ケー
ブルにより後述するコントロール・バルブ(方向制御
弁)に接続され、操作スイッチSW1及びプッシュスイ
ッチS1〜3は電気ケーブルにより後述するセレクタ・
バルブ(第2の方向制御弁)に接続されている。操作ス
イッチSW1及びプッシュスイッチS1〜3は、セレク
タ・バルブ(第2の方向制御弁)の弁位置切換を指示す
る指示手段である。
【0021】図1に示す本実施例のコントロールシステ
ムにおいて、除雪装置は油圧アクチュエータ31〜37
によりコントロールされる。アクチュエータ31は、除
雪装置を昇降(図7参照)させるための油圧シリンダで
あり、コントロール・バルブ41を介して操作レバーL
1により制御される。アクチュエータ32は除雪装置の
ブロワケースを回転(図9参照)させるための油圧シリ
ンダであり、アクチュエータ33は除雪装置をチルト
(図8参照)させるための油圧シリンダである。アクチ
ュエータ32及び33は、コントロール・バルブ42及
びセレクタ・バルブ51を介して操作レバーL1により
制御される。アクチュエータ34はシュートを起倒(図
13参照)させるための油圧シリンダであり、アクチュ
エータ35はシュートを旋回(図10参照)させるため
の油圧モータである。アクチュエータ34及び35は、
コントロール・バルブ43及びセレクタ・バルブ52を
介して、操作レバーL2及び操作スイッチSW1により
制御される。なお、油圧モータ35はコントロール・バ
ルブ45にも接続され、助手用の操作レバーL3によっ
ても制御可能となっている。アクチュエータ36はシュ
ートを伸縮(図11参照)させるための油圧シリンダで
あり、アクチュエータ37はシュートキャップを開閉す
るように角度を変更(図12参照)させるための油圧シ
リンダである。アクチュエータ36及び37は、コント
ロール・バルブ44又は46、及びセレクタ・バルブ5
3を介して操作レバーL2又はL3により制御される。
【0022】操作レバーL1〜3は、前後・左右に傾動
可能であり、レバーL1のみ前後4ポジション(ニュー
トラルを含む)であり、他は3ポジション(ニュートラ
ルを含む)となっている。また、コントロール・バルブ
41〜46はパイロット式切換弁であり、バルブ41の
み4ポート4位置切換弁で、他は4ポート3位置切換弁
である。各コントロール・バルブは、バルブ41に示す
ようにオイルポンプ及びオイルタンクに接続されている
が、図ではバルブ41を除いてオイルポンプ及びオイル
タンクが省略されている。そして、セレクタ・バルブ5
1〜53は、何れもソレノイド式の6ポート2位置切換
弁である。さらに、操作スイッチSW1はON/OFF
切換スイッチであり、除雪車より供給される24V(ボ
ルト)電圧の、セレクタ・バルブ52への供給・遮断を
切り換える。また、前述したように、操作レバーL1〜
3にはプッシュスイッチS1〜3が設けられている。こ
のプッシュスイッチS1〜3もON/OFF切換スイッ
チであり、除雪車より供給される24V(ボルト)電圧
の、セレクタ・バルブ51又は53への供給・遮断を切
り換える。
【0023】図3は、上記したコントロール・バルブ4
1〜46及びセレクタ・バルブ51〜53が実際に配設
された様子を示すもので、(a)は正面図、(b)は側
面図である。この図に示すように、各コントロール・バ
ルブ及びセレクタ・バルブは台板26に取り付けられて
いる。その台板26は、ブラケット27を介して除雪車
のフレーム等に支持される。
【0024】図4は、図3に示したコントロール・バル
ブ41〜46を詳しく示すもので、(a)は正面図、
(b)は側面図である。本実施例のコントロール・バル
ブは6連のものを使用している。コントロール・バルブ
41のみは4位置切換弁で、他は3位置切換弁なので、
コントロール・バルブ41のスリーブが他のバルブより
も大きくなっている。また、図4(b)には、コントロ
ール・バルブ41のポート1A,1Bにアダプタ28を
介して油圧ホース29が装着された様子が示されてい
る。
【0025】さて、上記のように構成された本実施例の
除雪装置コントロールシステムの動作について、主とし
て図1を参照しながら説明する。図1に示す本実施例の
コントロールシステムにおいて、除雪装置を昇降させる
ためには操作レバーL1を前後に操作する。操作レバー
L1は前後4ポジションになっており、ニュートラル位
置から後に1段階,前に2段階に切り換えられる。レバ
ーL1をニュートラル位置から後に傾動させると、コン
トロール・バルブ41が「後」位置に切り換えられ、油
圧ポンプPからの油圧がアクチュエータ(油圧シリン
ダ)31の収縮側油室に送られ、シリンダ31を収縮さ
せて除雪装置全体を上昇させる。レバーL1をニュート
ラル位置から前に1段階傾動させると、コントロール・
バルブ41が「前1」位置に切り換えられ、油圧ポンプ
からの油圧がシリンダ31の膨張側油室に送られ、シリ
ンダ31を伸長させて除雪装置全体を下降させる。さら
に、レバーL1をもう一段階前に傾動させると、コント
ロール・バルブ41が「前2(浮)」位置に切り換えら
れ、シリンダ31は油圧タンクと接続されて除雪装置が
浮遊状態となり、除雪装置の重量で装置が路面の不陸に
追従して、新雪,舗装路面等での除雪仕上げがきれいに
できる。なお、除雪装置を上昇又は下降させたときにレ
バーL1をニュートラル位置に切り換えると、除雪装置
はその位置(高さ)で保持される。
【0026】除雪装置をチルトさせるためには、操作レ
バーL1を左右に操作する。プッシュスイッチS1を押
さない状態ではセレクタ・バルブ51に電圧が供給され
ず、セレクタ・バルブ51は図1の左位置が保持され、
コントロール・バルブ42を介した油圧はアクチュエー
タ(油圧シリンダ)33に供給される。操作レバーL1
は左右3ポジションになっており、ニュートラル位置か
ら左右夫々1段階の操作ができる。レバーL1をニュー
トラル位置から右に傾動させると、コントロール・バル
ブ42が「右」位置に切り換えられ、油圧ポンプ(図示
せず)からの油圧がシリンダ33の収縮側油室に送ら
れ、シリンダ33を収縮させて除雪装置全体を右にチル
トさせる。レバーL1をニュートラル位置から左に傾動
させると、コントロール・バルブ42が「左」位置に切
り換えられ、油圧ポンプからの油圧がシリンダ33の膨
張側油室に送られ、シリンダ33を膨張させて除雪装置
全体を左にチルトさせる。除雪装置を左右にチルトさせ
たときにレバーL1をニュートラル位置に切り換える
と、除雪装置はその位置(傾き具合)で保持される。
【0027】除雪装置のブロワケースを回転させるため
には、プッシュスイッチS1を押してから操作レバーL
1を左右に操作する。プッシュスイッチS1を一度押し
てやるとスイッチがON状態となり、セレクタ・バルブ
51に電圧が供給されてバルブ51は図1の右位置に切
り換えられる。これによりコントロール・バルブ42を
介した油圧はアクチュエータ(油圧シリンダ)32に供
給される。この状態でレバーL1をニュートラル位置か
ら右又は左に傾動させると、コントロール・バルブ42
が「右」又は「左」位置に切り換えられ、油圧ポンプか
らの油圧がシリンダ32の収縮側又は膨張側油室に送ら
れ、シリンダ33を収縮又は膨張させてブロワケースを
左右に回転させる。ブロワケースを回転させたときにレ
バーL1をニュートラル位置に切り換えると、ブロワケ
ースはその位置で保持される。なお、レバーL1による
操作を、ブロワケース回転から除雪装置チルトへ戻すに
は、もう一度プッシュスイッチS1を押して、スイッチ
S1をOFF状態にしてやれば良い。プッシュスイッチ
S1のON/OFF状態を、除雪車運転室のコンソール
・パネル等に表示してやれば、レバーL1の操作により
ブロワケース回転か除雪装置チルトのどちらの操作が行
われるか確認でき、誤操作の防止に有効である。もちろ
ん、スイッチS1のON/OFF状態ではなく、ブロワ
ケース回転又は除雪装置チルトのどちらの操作が行われ
るかを直接に表示してやれば、誤操作防止がより確実に
行われる。
【0028】除雪装置のシュートを旋回させるために
は、操作スイッチSW1がOFFされている状態で操作
レバーL2を左右に操作する。操作スイッチSW1がO
FFのとき、セレクタ・バルブ52は図1の左位置が保
持され、コントロール・バルブ43を介した油圧はアク
チュエータ(油圧モータ)35に供給される。操作レバ
ーL2は左右3ポジションになっており、ニュートラル
位置から左右夫々1段階の操作ができる。レバーL2を
ニュートラル位置から右又は左に傾動させると、コント
ロール・バルブ43が「右」又は「左」位置に切り換え
られ、油圧モータ35を右又は左回転させてシュートを
右又は左に旋回させる。シュートを右又は左に旋回させ
たときにレバーL2をニュートラル位置に切り換える
と、シュートはその位置で保持される。
【0029】なお、除雪装置のシュート旋回は操作レバ
ーL3によっても行うことができる。シュートを旋回さ
せる油圧モータ35には、セレクタ・バルブ52の他に
コントロール・バルブ45も接続されている。このコン
トロール・バルブ45は操作レバーL3によって切り換
えられ、レバーL3の左右の操作によりレバーL2と同
様に油圧モータ35が制御され、シュート旋回が行われ
る。この操作レバーL3によるシュート旋回操作は操作
スイッチSW1とは無関係に行われる。
【0030】除雪装置のシュートを起倒させるために
は、操作スイッチSW1をONして操作レバーL2を左
右に操作する。操作スイッチSW1がONのとき、セレ
クタ・バルブ52は図1の右位置に切り換えられ、コン
トロール・バルブ43を介した油圧はアクチュエータ
(油圧シリンダ)34に供給される。レバーL2をニュ
ートラル位置から右又は左に傾動させると、コントロー
ル・バルブ43が「右」又は「左」位置に切り換えら
れ、油圧シリンダ34を伸縮させてシュートを起倒させ
る。シュートを起倒させたときにレバーL2をニュート
ラル位置に切り換えると、シュートはその位置で保持さ
れる。シュート起倒操作からシュート旋回操作に変更す
る場合は、操作スイッチSW1をOFFしてやれば良
い。その逆の場合はOFFしている操作スイッチSW1
をONしてやれば良い。また、誤操作防止のための表示
を行うと有利であることは、前記操作レバーL1のプッ
シュスイッチS1と同様である。
【0031】除雪装置のシュートキャップの角度を変え
るためには、プッシュスイッチS2,3を押さずに(ス
イッチOFFの状態で)操作レバーL2又はL3を前後
に操作する。操作レバーL2及びL3のプッシュスイッ
チS2,3を押さないとき、セレクタ・バルブ53は図
の左位置が保持される。このとき、コントロール・バル
ブ44及び46を介した油圧はアクチュエータ(油圧シ
リンダ)37に供給される。この状態で、レバーL2又
はL3をニュートラル位置から前又は後に傾動させる
と、コントロール・バルブ44又は46が「前」又は
「後」位置に切り換えられ、油圧シリンダ37を伸縮さ
せてシュートキャップの角度が変更される。このシュー
トキャップ角度の変更は、レバーL2でもレバーL3で
も、どちらによっても同じ制御が行われる。シュートキ
ャップ角度を変更したときにレバーL2又はL3をニュ
ートラル位置に切り換えると、シュートキャップはその
位置にて保持される。なお、本実施例においては、操作
レバーL2及びL3を前に操作した(運転者の体から遠
ざかるように倒した)ときにシュートキャップが下がる
ように角度が変更され、操作レバーL2及びL3を後に
操作した(手前に引き起こした)ときにシュートキャッ
プが上がるように角度が変更される。
【0032】除雪装置のシュートを伸縮させるために
は、プッシュスイッチS2,3を押して(スイッチON
の状態で)操作レバーL2又はL3を前後に操作する。
スイッチS2,3がONされると、セレクタ・バルブ5
3は図の位置から右位置に切り換えられ、コントロール
・バルブ44及び46を介した油圧はアクチュエータ
(油圧シリンダ)36に供給される。この状態で、レバ
ーL2又はL3をニュートラル位置から前又は後に傾動
させると、コントロール・バルブ44又は46が「前」
又は「後」位置に切り換えられ、油圧シリンダ36を伸
縮させてシュートが伸縮される。このシュート伸縮操作
は、レバーL2でもレバーL3でも、どちらによっても
同じ制御が行われる。シュートを伸縮させたときにレバ
ーL2又はL3をニュートラル位置に切り換えると、シ
ュートはその位置にて保持される。なお、本実施例にお
いては、操作レバーL2及びL3を前に操作した(遠ざ
かる方向に倒した)ときにシュートが縮み、操作レバー
L2及びL3を後に操作した(手前に引き起こした)と
きにシュートが伸びるように制御される。また、プッシ
ュスイッチS2,3のON/OFFによる誤操作防止の
ための表示を行うと有利であることは、前記操作レバー
L1のプッシュスイッチS1と同様である。
【0033】操作レバーL2及びL3による、シュート
旋回,シュート伸縮及びシュートキャップ角度変更(開
閉)の操作は、どちらのレバーによっても同じであるの
で、除雪車に助手が乗り組んだ場合には、操作レバーL
3を助手が操作するようにして運転者の負担を軽減させ
ることができる。
【0034】本実施例においては、操作レバーL1の前
又は後への操作により除雪装置が下降又は上昇するの
で、レバー操作の方向と除雪装置の昇降方向とが一致す
る。また、操作レバーL1の右又は左への操作により除
雪装置が右又は左にチルトするので、レバー操作の方向
と除雪装置のチルト方向とが一致する。さらに、プッシ
ュスイッチS1を押した(ONさせた)場合、操作レバ
ーL1の右又は左への操作によりブロワケースが(運転
者からみて)右又は左に回転するので、レバー操作の方
向とブロワケース回転方向とが一致する。
【0035】更に又、操作レバーL2及びL3の右又は
左への操作によりシュートが右又は左に旋回するので、
レバー操作の方向とシュート旋回方向とが一致する。更
に又、操作スイッチSW1をONさせた場合、操作レバ
ーL2の右又は左への操作によりシュートが右又は左に
回動して起倒するので、レバー操作の方向とシュート起
倒方向とが一致する。
【0036】更に又、操作レバーL2及びL3の前又は
後への操作によりシュートキャップが下がる又は上がる
ようにキャップ角度が変わる(閉開する)ので、レバー
操作の方向とシュート開閉方向とが一致する。更に又、
プッシュスイッチS2及びS3を押した(ONさせた)
場合、操作レバーL2及びL3の前又は後への操作によ
りシュートが縮む又は伸びるので、レバー操作の方向と
シュート伸縮方向とが一致する。
【0037】このように、本実施例においては、3本の
操作レバー(及び一つの操作スイッチ)により、除雪装
置の昇降及びチルトやブロワケース回転,シュート起
倒,シュート旋回,シュート伸縮,シュートキャップ開
閉をコントロールすることができるので、従来のコント
ロールシステムに較べて操作レバーの本数を大幅に減ら
すことができ、レバー選択を容易にして誤操作を防止す
ることができる。また、レバー本数の減少により、コス
トダウンにも寄与することができる。さらに、前後及び
左右に操作できる多方向レバーを用いて、レバー操作方
向とそれによる除雪装置の挙動の方向とが一致するの
で、操作者のイメージ通りに除雪装置各部をコントロー
ルすることができ、操作性を向上させることができる。
【0038】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。この実施例の除雪装置コントロールシステムは、助
手用の操作レバーを備えておらず、除雪車の運転者が一
人で操作するものである。
【0039】図5に示す本実施例のコントロールシステ
ムにおいて、除雪装置(図示せず)は3本の操作レバー
L1,L2及びKLによりコントロールされる。操作レ
バーKLは除雪装置のシュート起倒専用のレバーであ
り、他の操作レバーと同様、プッシュプル・ケーブルに
よりコントロール・バルブ47に接続されている。除雪
装置のシュートは、除雪作業時に起立させ、除雪車回送
時に視界を遮らぬよう倒伏させるものであり、除雪作業
中にシュートを起倒させることは稀である。従って、シ
ュート起倒を行なわせるためのレバー操作も除雪作業の
開始及び終了時に限られることが多く、これを専用レバ
ーとすることで、シュート起倒以外の操作を残りのレバ
ーに集約することができ、除雪作業時に操作するレバー
本数を減らして操作性を向上させることができる。
【0040】さて、この図に示すコントロールシステム
において、操作レバーL1に関連する構成と動作は、図
1により説明した前記実施例と同様であるので、説明を
省略する。
【0041】操作レバーL2は、コントロール・バルブ
43を介してシュート旋回用油圧モータ35を、また、
コントロール・バルブ44及びセレクタ・バルブ53を
介してシュート伸縮用油圧シリンダ36及びシュートキ
ャップ開閉(角度調節)用油圧シリンダ37を制御す
る。操作レバーL2による油圧シリンダ36,37の制
御動作は、図1により説明した前記実施例と同様である
ので、説明を省略する。
【0042】本実施例では、シュート起倒専用レバーK
Lを設けたので、シュート旋回用油圧モータ35はセレ
クタ・バルブを介さずコントロール・バルブ43に直接
接続されている。操作レバーL2による油圧モータ35
の制御動作すなわち除雪装置のシュート旋回コントロー
ルは、図1により説明した前記実施例と同様である。
【0043】シュート起倒専用レバーKLは、他のレバ
ーL1,L2が前後・左右に傾動可能であるのに対し
て、左右方向に傾動可能なレバーである。このレバーK
Lは、コントロール・バルブ47を介してシュート起倒
用アクチュエータであるシリンダ34を制御する。シュ
ート起倒専用レバーKLは左右3ポジションになってお
り、ニュートラル位置から左右夫々1段階の操作ができ
る。レバーKLをニュートラル位置から右又は左に傾動
させると、コントロール・バルブ47が「右」又は
「左」位置に切り換えられ、油圧シリンダ34を伸縮さ
せてシュートを起倒させる。シュートを起倒させたとき
にレバーKLをニュートラル位置に切り換えると、シュ
ートをその位置で保持することができる。
【0044】本実施例のコントロールシステムでは助手
用操作レバーが設けられていないので、3本の操作レバ
ーのみで除雪装置をコントロールすることができる。ま
た、使用頻度の低いシュート起倒用レバーとして専用レ
バーKLを設けたので、シュート起倒以外の除雪装置昇
降及びチルト,ブロワケース回転,シュートの旋回,伸
縮及びシュートキャップ開閉の6種類の動作を僅か2本
の操作レバーでコントロールすることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の除雪装置
コントロールシステムによれば、一つの操作レバー(多
方向レバー)に複数の油圧アクチュエータの制御を集約
して多機能化できるので、従来に較べて操作レバーの本
数を大幅に減らすことができ、誤操作を防止するととも
に、コストダウンにも寄与することができる。
【0046】請求項2の構成により、一つの操作レバー
により制御できる油圧アクチュエータの数をより増やす
ことができるので、操作レバーの本数をさらに少なくす
ることができる。
【0047】請求項3の構成により、レバーの操作方向
とそれによる除雪装置の挙動方向とが一致するので、操
作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明除雪装置コントロールシステムの一実施
例を示すシステム構成図である。
【図2】そのシステムにおける操作レバー及び操作スイ
ッチがロータリ除雪車の運転室に配設された様子を示す
ものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】そのシステムにおけるコントロール・バルブ及
びセレクタ・バルブが実際に配設された様子を示すもの
で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】図3に示したコントロール・バルブを詳しく示
すもので、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示すシステム構成図であ
る。
【図6】従来の除雪装置コントロールシステムの一例に
備えられた操作レバーを示す斜視図である。
【図7】ロータリ除雪車の除雪装置の昇降を説明する模
式図である。
【図8】ロータリ除雪車の除雪装置のチルトを説明する
模式図である。
【図9】除雪装置のブロワケース回転を説明する模式図
である。
【図10】除雪装置のシュート旋回を説明する模式図で
ある。
【図11】除雪装置のシュート伸縮を説明する模式図で
ある。
【図12】除雪装置のシュートキャップ開閉を説明する
模式図である。
【図13】除雪装置のシュート起倒を説明する模式図で
ある。
【符号の説明】
10 ロータリ除雪車 20 除雪装置 22 ブロワ 23 シュート 23a シュートキャップ 31〜37 油圧アクチュエータ 41〜47 コントロール・バルブ 51〜53 セレクタ・バルブ L1〜L3 操作レバー KL シュート起倒専用レバー S1〜S3 プッシュスイッチ SW1 操作スイッチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリ除雪車に装着された除雪装置の
    挙動を制御する除雪装置コントロールシステムであっ
    て、複数の油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエー
    タに供給される油圧方向を制御する方向制御弁と、該方
    向制御弁の弁位置を切り換える操作レバーとを有し、前
    記操作レバーにより前記方向制御弁を介して前記油圧ア
    クチュエータの作動方向を制御して除雪装置の挙動を制
    御するコントロールシステムにおいて、 前記操作レバーとして複数の前記方向制御弁が接続され
    少なくとも前後左右に操作可能な多方向レバーを設
    け、該多方向レバーである一本の操作レバーにより複数
    の前記油圧アクチュエータを制御可能にするとともに、
    該多方向レバーの操作方向により複数の方向制御弁のう
    1つの方向制御弁が選択されて弁位置切換を行い、該
    多方向レバーの操作方向により制御される油圧アクチュ
    エータが選択されることを特徴とする、除雪装置コント
    ロールシステム。
  2. 【請求項2】 前記方向制御弁に、複数の前記油圧アク
    チュエータが接続された第2の方向制御弁を接続すると
    ともに、該第2の方向制御弁の弁位置切換を指示する指
    示手段を設け、該指示手段により前記第2の方向制御弁
    の弁位置を切り換えることにより、前記方向制御弁を介
    して制御される油圧アクチュエータが切り換えられるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の除雪装置コントロー
    ルシステム。
  3. 【請求項3】 前記多方向レバーの操作方向と、該操作
    方向により選択されて制御される前記油圧アクチュエー
    タによる除雪装置の挙動方向とが一致されていることを
    特徴とする、請求項1に記載の除雪装置コントロールシ
    ステム。
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