JP2916580B2 - エピタキシャル被覆半導体ウエハー及びその製造方法 - Google Patents

エピタキシャル被覆半導体ウエハー及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前面と後面を有す
る単結晶シリコンの基板ウエハーと、前記基板ウエハー
の前面にエピタキシャル堆積させた半導体材料の少なく
とも一層とからなるエピタキシャル被覆半導体ウエハー
の製造方法に関する。また、本発明は、上記製造方法に
より得ることができる半導体ウエハーに関する。
【0002】
【従来の技術】エピタキシャル被覆半導体ウエハー及び
それらの製造方法は、例えば、DE−41 19 53
1 A1に記載されている。この製造方法は、石英るつ
ぽに入れた溶融物からいわゆるチョクラルスキー(Cz
ochralski)法により引き上げた単結晶インゴ
ットから切断した基板ウエハーにエピタキシャル層を堆
積させることを含んでなる。これらの単結晶及びそれか
ら得られる基板ウエハー(以下「CZ単結晶」及び「C
Z基板ウエハー」と称する)を、それぞれるつぼ材料か
らの酸素で汚染させる。酸素による汚染は、基板ウエハ
ーの熱処理による酸素析出物の発生を利用する。この酸
素析出物はいわゆる「内部ゲッター」としての役割を果
たし、特に、金属不純物同士を結合する。このように、
基板ウエハー上にエピタキシャル堆積させた層は、実質
的に金属不純物のない状態に保持できる。使用寿命が異
物金属原子により影響を受ける電子構造体及び部品が半
導体ウエハーのこの領域に設けられるので、このことは
特に重要である。
【0003】しかしながら,低抵抗率の高ドープCZ単
結晶の製造は、極めて高価であり、特にリンでのドーピ
ングの場合に技術的問題も生じる。特に、プロセス上の
理由から、リンで均一に高ドープされたCZ単結晶を製
造することはできない。具体的には、単結晶中のドーパ
ント濃度は軸方向に減少し、抵抗率が軸方向に増加する
ことは、一般に回避できない。このため、単結晶から製
造されるCZ基板ウエハーの一部分は、高ドープ基板ウ
エハーとして使用できない。この生産ロスは、当然、高
ドープCZ基板ウエハーに基づくエピタキシャル被覆半
導体ウエハーの価格にも悪影響を及ぼす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で製造され、またこの包括的な種類の公知の半導体ウエ
ハーに対して技術的な利点も有する高ドープ基板ウエハ
ーを有するエピタキシャル被覆半導体を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、上記した包
括的な種類の半導体ウエハーの製造方法であって、 a)るつぼなしゾーン引上げにより、1.5×1018
子/cm3 を越える量のリンがドープされたシリコン単
結晶を製造する工程と; b)前記単結晶から研磨前面を有する基板ウエハーを製
造する工程と; c)前記基板ウエハーの前面に半導体材料からなる少な
くとも1層のエピタキシャル層を堆積させる工程とを含
んでなる製造方法により達成される。
【0006】本発明によれば、基板ウエハーは、るつぼ
なし、ゾ─ン引上げ(フローティングゾーン法)により
製造された単結晶から得られる。このようなことから、
上記基板ウエハー及び単結晶を、それぞれ以下「FZ基
板ウエハー」及び「FZ単結晶」と称する。高ドープF
Z単結晶中のドーパント濃度は、インゴット全長にわた
って実質的に一定のままであるので、それから得られる
FZ基板ウエハーは、それらの抵抗率の面では実質的に
異ならない。さらに、FZ法により、特にリンで高度に
ドーピングし、通常の製造条件下でのCZ単結晶の場合
に達成できないドーパント濃度を有する単結晶の製造も
可能となる。
【0007】半導体ウエハー上の単位面積当り集積でき
る電子部品の数は基板ウエハーの抵抗に臨界的に依存す
るので、この方法により製造されるエピタキシャル被覆
FZ基板ウエハーは、いわゆるパワーMOS用途、例え
ば、パワースイッチ、高逆電圧ダイオード及びScho
ttkyダイオードの製造のための集積電子部品製造用
基材として特に適当である。基板ウエハー中のドーパン
ト濃度が高いほど、例えば、半導体ウエハー上のパワー
スイッチに必要とする面積が小さい。さらに、半導体ウ
エハーは、いわゆるCMOS用途のための集積電子部品
の製造及びまたディスクリート電子部品の製造用基材と
しても適当である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明による半導体ウエハーの製
造では、まず、自体公知であり、例えばW.Dietz
e(W.Dietze等、Crystals,Grow
th,Properties and Applica
tions,Vol.5,Springer−Verl
ag 1981年、第1頁〜第42頁)のレビュー論文
に詳細に記載されているFZ法による高ドープシリコン
単結晶の引上げを行う。単結晶の引上げ中に、単結晶を
リンでドープする。熱シリコン溶融ゾーンと接触して分
解する、リンのガス状化合物を使用することが特に好ま
しい。ドーピング条件は、単結晶中のドーパント濃度が
1.5×1018原子/cm3 を越えるように調整され
る。本発明の目的に関して、ドーパント濃度がこの限界
値を越える場合、単結晶及びそれから切断した基板ウエ
ハーは高ドープとして記述される。
【0009】本発明のさらなる目的は、単結晶の引上げ
中にさらなる不純物として酸素を結晶格子に導入するこ
とである。この目的に適当な方法が、US−5,08
9,082に記載されている。単結晶中の酸素濃度は、
1×1016〜8×1017原子/cm3 、好ましくは4×
1017〜5×1017原子/cm3 である。内部ゲッター
としての役割を果たす酸素析出物は、酸素を基板ウエハ
ーにさらに組み込むことにより生じさせることができ
る。さらに、結晶格子に酸素を組み込むことにより、F
Z基板ウエハーにおいてS.M.Huにより観察された
転移を生じる傾向が減少する(S.M.Hu、App
l.Phys.Lett.31(1977)、53)。
【0010】完成したFZ単結晶は、公知の方法、例え
ば環状ソーを用いて複数の基板ウエハーに分割する。エ
ピタキシャル層を基板ウエハーの一方の面に堆積する前
に、化学的及び/又は機械的表面処理に附する。これら
の表面処理は、これらの工業分野で通常行われているラ
ッピング、研磨及びエッチング処理などであり、詳細に
は説明する必要がない。少なくとも一層の半導体材料を
エピタキシャル堆積させようとする基板ウエハーの前面
に、高光沢研磨を施す。さらに、基板ウエハーの後面に
は、任意に多結晶シリコン及び/又は二酸化珪素からな
る層を塗布してもよい。多結晶シリコンは、いわゆる外
部ゲッターとして特に金属不純物を単結晶からピックア
ップすることができる。半導体ウエハーの後面に外部ゲ
ッターとしての役割を果たす層を適用することも公知で
あり、したがってより詳細に説明しない。
【0011】半導体材料、好ましくはシリコンの少なく
とも一層を、基板ウエハーの研磨した前面にエピタキシ
ャル堆積させる。基板ウエハーへの半導体層の堆積は公
知であり、例えばDE−41 19 531 A1に記
載されている。基板ウエハーは、エピタキシャル反応器
中で被覆される。この反応器には、種々のプロセスガス
が、規定されたシーケンスのプロセス工程で導入され
る。使用される反応器の型(単一ウエハー又はバッチ反
応器)、使用される堆積、ドーピング、キャリア及びフ
ラッシングガスの種類並びに堆積プロトコール、即ち、
処理時間、プロセス工程シーケンス並びに処理中の温度
及び圧力条件並びに堆積速度は、本発明に関しては必須
ではない。原則として、いずれかの所望の組成を有する
半導体材料の一層以上の層を、基板ウエハー上にエピタ
キシャル堆積できる。得られた半導体ウエハーの好まし
い使用の観点から、以下の層特性及び堆積パラメータが
有利である:
【0012】エピタキシャル堆積層の総層厚さ5〜20
0μm;堆積層におけるドーパント濃度1.0×1013
〜1.0×1017原子/cm3 ;堆積用半導体源として
のトリクロロシラン、ジクロロシラン又はシラン;気相
中の半導体源の濃度0.5〜5.0容積%、好ましくは
4容積%;ドーパントガスとしての水素化リン、水素化
ヒ素又はジボラン;堆積前に基板ウエハーをコンディシ
ョニングするためのキャリアとしての水素及びエッチン
グガスとしての塩化水素。堆積温度は好ましくは850
〜1170℃であり、堆積圧力は好ましくは80〜76
0mmHg、特に好ましくは大気圧である。堆積速度
は、0.5〜5μm/分、好ましくは1.0〜1.5μ
m/分が有利であることが判明した。特に好ましい半導
体ウエハーは、リンでドープしたFZ基板ウエハーを用
い、その前面にドープシリコンからなる層を少なくとも
一層エピタキシャル堆積し、後面に多結晶シリコン及び
/又は二酸化珪素からなる層を設けたものである。
【0013】以下に、本発明の好ましい実施形態を列挙
する。 (1)前面と後面を有する単結晶シリコンの基板ウエハ
ーと、前記基板ウエハーの前面にエピタキシャル堆積さ
せた半導体材料の少なくとも一層とからなるエピタキシ
ャル被覆半導体ウエハーの製造方法であって、 a)るつぼなしゾーン引上げにより、1.5×1018
子/cm3 を越える量のリンがドープされたシリコン単
結晶を製造する工程と; b)前記単結晶から研磨前面を有する基板ウエハーを製
造する工程と; c)前記基板ウエハーの前面に半導体材料からなる少な
くとも1層のエピタキシャル層を堆積させる工程とを含
んでなることを特徴とするエピタキシャル被覆半導体ウ
エハーの製造方法。 (2)前記単結晶をその製造中に酸素で汚染させ、基板
ウエハーの酸素濃度を1×1016〜8×1017原子/c
3 とする前記(1)に記載の製造方法。 (3)前記基板ウエハーの後面が外部ゲッターとしての
役割を果たす層で被覆されている前記(1)または
(2)に記載の製造方法。 (4)少なくとも1層のシリコン層を前記基板ウエハー
上にエピタキシャル堆積し、前記シリコン層を周期律表
の第IIIA族又は第VA族から選択される元素でドー
プする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方
法。 (5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法
により得られることを特徴とする半導体ウエハー。 (6)前記(5)に記載の半導体ウエハーを基板とする
ことを特徴とする電子パワースイッチ、高逆電圧ダイオ
ード及びショットキーダイオード。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、安価で製造され、また公知の半導体ウエハー
に対して技術的な利点も有する高ドープ基板ウエハーを
有するエピタキシャル被覆半導体が提供されるので、工
業的に寄与するところが大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/322 H01L 21/322 P Q Y // H01L 21/329 29/48 M 29/872 29/91 B (72)発明者 アーヴィン−ペーター・マイヤー ドイツ連邦共和国 ブルクハォゼン、ブ ルクナーシュトラーセ 41d (56)参考文献 特開 平3−193698(JP,A) 特開 平2−90531(JP,A) 特開 昭54−94273(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01L 21/20 H01L 21/205 H01L 21/208

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面と後面を有する単結晶シリコンの基
    板ウエハーと、前記基板ウエハーの前面にエピタキシャ
    ル堆積させた半導体材料の少なくとも一層とからなるエ
    ピタキシャル被覆半導体ウエハーの製造方法であって、 a)るつぼなしゾーン引上げにより、1.5×10 18
    子/cm 3 を越える量のリンがドープされたシリコン単
    結晶を製造する工程と; b)前記単結晶から研磨前面を有する基板ウエハーを製
    造する工程と; c)前記基板ウエハーの前面に半導体材料からなる少な
    くとも1層のエピタキシャル層を堆積させる工程とを含
    んでなることを特徴とするエピタキシャル被覆半導体ウ
    エハーの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法により得られ
    ることを特徴とする半導体ウエハー。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体ウエハーを基板
    とすることを特徴とする電子パワースイッチ、高逆電圧
    ダイオード及びショットキーダイオード。
JP8133575A 1995-06-01 1996-05-28 エピタキシャル被覆半導体ウエハー及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2916580B2 (ja)

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