JP2916166B2 - ポリオレフィンの繊維 - Google Patents

ポリオレフィンの繊維

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルケニルシランとオレフィンの共重合体を
含有するポリオレフィンの繊維に関する。
〔従来技術〕
オレフィンの重合体は安価で比較的物性のバランスが
良好なため種々の用途に利用されており、特に繊維は軽
量で安価であり比較的強度に優れていることから種々の
太さの繊維が利用されている。繊維物性を改良するため
用いるポリオレフィンとして分子量分布の異なるポリマ
ーを用いたり、他のオレフィンと共重合したポリマーを
用いたり、あるいはさらに添加剤、延伸条件など種々の
改良がなされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、延伸して強度を改良しても限界がある
上に、ポリオレフィンは本質的に耐熱性が劣り、延伸し
て物性を改良したものは加熱すると収縮するなど限界が
ある。また共重合してもそれぞれの単独重合体に比較し
て特に優れたものが得られるわけではないなど種々の問
題があった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは上記課題を解決して物性に優れたポリオ
レフィンの繊維について鋭意探索し本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式H2C=CH−(CH2−SiHpR
3-p(式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12
の炭化水素残基。)で表されるアルケニルシラン又は該
アルケニルシランの1〜3個のSi−H結合のHがクロル
で置換されたアルケニルシランとオレフィンの共重合体
を含有する組成物を繊維状に成形した後、延伸するか、
あるいは延伸することなく、放射線を照射してなるポリ
オレフィンの繊維である。
本発明の繊維の製造に用いる、アルケニルシランとオ
レフィンの共重合体は、通常オレフィンとアルケニルシ
ランを遷移勤続触媒と有機金属化合物からなるいわゆる
チーグラー・ナッタ触媒を用いて重合することができ、
例えば、米国特許第3,223,686号にその例が開示されて
いる。さらにポリオレフィンをパーオキサイドなどのラ
ジカル重合開始剤の存在下にアルケニルシランと加熱処
理することによってグラフト重合して得たグラフト共重
合体であっても良い。本発明において用いるアルケニル
シランは、 一般式 H2C=CH−(CH2−SiHpR3-p (式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12の炭
化水素残基。)で表される化合物であり、具体的にはビ
ニルシラン、アリルシラン、ブテニルシラン、ペンテニ
ルシラン、あるいはこれらのモノマーの1〜3個のSi−
H結合のHがクロルで置換された化合物である。またオ
レフィンとしては、 一般式 H2C=CH−R (式中Rは水素または炭素数1〜12の炭化水素残基。)
で示される化合物が例示でき、具体的にはエチレン、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、
2−メチルペンテン、ヘプテン−1、オクテン−1など
のα−オレフィンの他にスチレンまたはその誘導体も例
示される。
本発明においてオレフィンとアルケニルシランの共重
合体は上記米国特許に記載された、TiCl3とトリエチル
アルミニウムからなる触媒も使用できるが、より好まし
くはその後、開発された種々の高活性でポリオレフィン
を与える触媒が利用される。
重合法としても不活性溶媒を使用する溶媒法の他に塊
状重合法、気相重合法も採用できる。ここで遷移金属化
合物と有機金属化合物からなる触媒としては、遷移金属
化合物としてはハロゲン化チタンが、有機金属化合物と
しては有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。
例えば四塩化チタンを金属アルミニウム、水素或いは有
機アルミニウムで還元して得た三塩化チタンを電子供与
性化合物で変性処理したものと有機アルミニウム化合
物、さらに必要に応じ含酸素有機化合物などの電子供与
性化合物からなる触媒系、或いはハロゲン化マグネシウ
ム等の担体或いはそれらを電子供与性化合物で処理した
ものにハロゲン化チタンを担持して得た遷移金属化合物
触媒と有機アルミニウム化合物、必要に応じ含酸素有機
化合物などの電子供与性化合物からなる触媒系、あるい
は塩化マグネシウムとアルコールの反応物を炭化水素溶
媒中に溶解し、ついで四塩化チタンなどの沈澱剤で処理
することで炭化水素溶媒に不溶化し、必要に応じエステ
ル、エーテルなどの電子供与性の化合物で処理し、つい
でハロゲン化チタンで処理する方法などによって得られ
る遷移金属化合物触媒と有機アルミニウム化合物、必要
に応じ含酸素有機化合物などの電子供与性化合物からな
る触媒系等が例示される(例えば、以下の文献に種々の
例が記載されている。Ziegler−Natta Catalysts and P
olymerization by John Boor Jr(Academic Press),Jo
urnal of Macromorecular Sience Reviews in Macromol
ecular Chemistry and Physics,C24(3)355−385(19
84)、同C25(1)578−597(1985))。あるいは炭化
水素溶剤に可溶な遷移金属触媒とアルミノキサンからな
る触媒を用いて重合することもできる。
ここで電子供与性化合物としては通常エーテル、エス
テル、オルソエステル、アルコキシ硅素化合物などの含
酸素化合物が好ましく例示でき、さらにアルコール、ア
ルデヒド、水なども使用可能である。
有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアル
ミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジ
ハライドが使用でき、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが例示
され、ハライドとしては塩素、臭素、沃素が例示され
る。またアルミノキサンとしては上記有機アルミニウム
と水または結晶水とを反応することで得られるオリゴマ
ー〜ポリマーである。
ここでアルケニルシランとオレフィンの重合割合とし
ては特に制限は無いが、ポリオレフィンと混合して用い
るという意味からは、通常アルケニルシランが0.001〜3
0モル%程度、好ましくは0.1〜10モル%である。また混
合せずに共重合体単独で用いる場合には好ましくは0.00
1〜5モル%である。重合体の分子量としては、混合し
て用いるポリオレフィンの分子量と同程度あるいはそれ
以下とするのが好ましく、単独で用いる場合には繊維
化、延伸が行い易い分子量とすれば良い。
ポリオレフィンにアルケニルシランをグラフトする方
法としては特に制限はなく、通常のグラフト共重合に用
いる方法及び条件が利用でき、通常は用いるポリオレフ
ィンとアルケニルシランをラジガル開始剤の存在下にラ
ジカル開始剤の分解温度以上に加熱することで簡単にグ
ラフト共重合することができる。
本発明において用いるポリオレフィンとしては上記一
般式 H2C=CH−R(式中Rは水素または炭素数1〜12
の炭化水素残基。)で示されるオレフィン、具体的には
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、2−メチルペンテン、ヘプテン−1、オク
テン−1などのα−オレフィンの他にスチレンまたはそ
の誘導体の単独重合体のみならず相互のランダム共重合
体、あるいは、始めにあるオレフィン単独、あるいは少
量の他のオレフィンと共重合し、ついで2種以上のオレ
フィンを共重合することによって製造される所謂ブロッ
ク共重合体などのようなものであっても繊維状に押出成
形でき、さらに必要に応じ延伸が可能であれば良い。こ
れらのポリオレフィンの製造法については既に公知であ
り、種々の繊維用の銘柄が市場で入手可能である。また
アルケニルシランを用いない他は上記オレフィンとアル
ケニルシランの重合体の製造法と同様に行うことで製造
可能である。
本発明においては上記アルケニルシランとオレフィン
の共重合体と必要に応じ、アルケニルシランを含有しな
いポリオレフィンの混合物は、公知の種々の添加剤と共
に混合し通常押出成型によって連続的に繊維状に押出成
形することができる。この際の繊維の太さは、そのまま
用いる時はその目的に応じ、また延伸して用いる場合に
は延伸倍率によって一定しないが繊維の半径は通常0.01
〜数mm程度である。ここで、混合物中のアルケニルシラ
ンの量は共重合体中のアルケニルシラン含量にもよる
が、通常混合物中の共重合体の割合が0.1wt%以上であ
り、混合物にアルケニルシランが0.005wt%程度存在す
るようにするのが物性改良の点で好ましい。押出成型物
についで必要に応じ延伸される。延伸の際の温度につい
ては用いるポリオレフィンによってことなるが、通常ポ
リオレフィンの融点よりやや低温で実施される。こうし
て得られた繊維には、ついで放射線が照射されるが、本
発明において利用する放射線としてはα線、β線、γ
線、X線、中性子線などが例示でき、特にγ線、電子線
が好ましく利用できる。照射線量としては、数+rad〜
数+Mrad程度照射するのが一般的であり、物性改良の程
度が好適な条件となるような線量照射される。照射の際
の温度、環境については特に制限はなく、ポリオレフィ
ンの繊維の変形温度以下で行えば良く、通常常温であ
る。また空気中または窒素などの不活性ガス雰囲気で行
っても良い。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げ本発明をさらに説明する。
実施例1 直径12mmの鋼球9kgの入った内容積4の粉砕用ポッ
トを4個装備した振動ミルを用意する。各ポットに窒素
雰囲気下で塩化マグネシウム300g、テトラエトキシシラ
ン60mlおよびα,α,α−トリクロロトルエン45mlを入
れ、40時間粉砕した。こうして得た共粉砕物300gを5
のフラスコに入れ、四塩化チタン1.5およびトルエン
1.5を加え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液
を除いた。再び四塩化チタン1.5およびトルエン1.5
を加え、100℃で30分間撹拌処理し、次いで上澄液を除
いた。その後固形分をn−ヘキサンで繰り返し洗浄して
遷移金属触媒スラリーを得た。一部をサンプリングして
チタン分を分析したところチタン分は1.9wt%であっ
た。
内容積5のオートクレーブに窒素雰囲気下トルエン
100ml、上記遷移金属触媒200mg、ジエチルアルミニウム
クロライド0.256ml、p−トルイル酸メチル0.12mlおよ
びトリエチルアルミニウム0.40mlを入れ、ついでビニル
シラン40.0gを圧入した後、プロピレンを1.8kg、水素を
2.2Nl加え、75℃に昇温して2時間重合した。重合後未
反応のプロピレンをパージしてパウダーを取り出し、乾
燥して950gのパウダーを得た。135℃のテトラリン溶液
で測定した極限粘度(以下ηと略記する)、示差熱分析
装置を用い10℃/minで昇温或いは降温することで融点及
び結晶化温度を最大ピーク温度として測定した所、得ら
れたパウダーは、ηが1.42であり、融点156℃、結晶化
温度118℃である結晶性のポリプロピレンであった。尚
元素分析によればビニルシラン単位を1.2wt%含有して
いた。この共重合体にフェノール系の安定剤を加え、紡
糸用のダイを下向きに設けた押出機を用いて紡糸した。
紡糸した繊維はさらに80℃で50m/minで4倍に延伸し
た。延伸した繊維の太さは105D(14本)であった。次い
でこの繊維に電子線(750KV)を2Mrad照射した。この繊
維の物性を以下の方法で測定した。結果は第1表に示
す。なお、この繊維は150℃で収縮しなかった。
・引張強度:紡糸した繊維束(14本)を用い0.8/minで
引張り、最強強度として測定した。
・伸び:引張強度をもとめる際に最強強度の際の試験片
の伸び。
比較例1 ビニルシランを存在させずに重合して得たプロピレン
の単独重合体(η1.43、融点157℃、結晶化温度112℃、
沸点n−ヘプタン抽出残分の割合(ソックスレー抽出器
で沸騰n−ヘプタンで6時間抽出)は96.8%)を用いた
他は実施例1と同様にした。結果は第1表に示す。な
お、この繊維は150℃に加熱すると変形した。
比較例2 放射線を照射することなく繊維の物性を測定した他は
実施例1と同様にした。150℃に加熱すると収縮した。
結果は第1表に示す。
実施例2 電子線に変えγ線を2Mrad照射した結果は第1表に示
す。またこの繊維は150℃に加熱しても変形しなかっ
た。
実施例3 実施例1で得た共重合体と比較例1で得たポリプロピ
レンを1:1で混合して同様に繊維を得、電子線を2Mrad照
射した他は実施例1と同様にした。結果は第1表に示
す。またこの繊維は150℃で変形しなかった。
実施例4 ビニルシランに変えアリルシランを用いアリルシラン
含量1.3モルwt%のポリマーを得、実施例1と同様にし
た結果は第1表に示す。またこの繊維は150℃で変形し
なかった。
比較例3 電子線を照射しなかった他は実施例4と同様にした。
結果は第1表に示す。またこの繊維は150℃で収縮し
た。
〔発明の効果〕 本発明の繊維は物性に優れ工業的に極めて価値があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06M 10/00 - 10/02 D01F 6/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 H2C=CH−(CH2−SiHpR
    3-p(式中nは0〜12、pは1〜3、Rは炭素数1〜12
    の炭化水素残基。)で表されるアルケニルシラン又は該
    アルケニルシランの1〜3個のSi−H結合のHがクロル
    で置換されたアルケニルシランとオレフィンの共重合体
    を含有する組成物を繊維状に成形した後、延伸するか、
    あるいは延伸することなく、放射線を照射してなるポリ
    オレフィンの繊維。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
T.Matsuyama.Polymer Bulletin 26,p.205−208

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JPH0340864A (ja) 1991-02-21

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