JP2915206B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2915206B2
JP2915206B2 JP4152873A JP15287392A JP2915206B2 JP 2915206 B2 JP2915206 B2 JP 2915206B2 JP 4152873 A JP4152873 A JP 4152873A JP 15287392 A JP15287392 A JP 15287392A JP 2915206 B2 JP2915206 B2 JP 2915206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に関し、
特に常温における物質隔離性能に優れると共に、加熱下
における物質透過性能にも優れたマイクロカプセルを用
いた熱感度及び保存性に優れた感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来技術】マイクロカプセルは数μm〜数mmの直径
を有するカプセルであり、その内部に微少な粒子や液滴
を包含させることによって、感圧紙や感熱記録材料、そ
の他の種々の用途に使用されている。
【0003】感圧記録材料には、略無色の発色剤を適当
な溶媒に溶解した後、該溶媒の油滴をマイクロカプセル
に内包せしめて含有するマイクロカプセル層を支持体上
に設けた上葉紙、前記発色剤と反応して発色する顕色剤
(以下単に顕色剤という)を含む顕色剤層を他の支持体
上に設けた下葉紙とを組み合わせたもの、及び、場合に
よっては、支持体の一方の面に前記のマイクロカプセル
層を、他方の面に顕色剤層を設けた中葉紙を前記上葉紙
及び下葉紙と組み合わせたもの、支持体の同一面上に前
記のマイクロカプセルと顕色剤とを設けたもの、又は支
持体中に前記マイクロカプセル又は顕色剤の何れか一方
を含有させ、他方を該支持体上に塗布したもの等があ
る。
【0004】これらの感圧記録材料については、例えば
米国特許第2,505,470号、同2,505,48
9号、同2,550,471号、同2,730,457
号、同3,418,250号等に詳細に報告されてい
る。一方、感熱記録材料は、現像が不要である、支
持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、取扱が容易で
ある、発色濃度が高い、記録装置が簡単であり安価
である、又、記録時の騒音が無い等の利点があるた
め、ファクシミリやプリンターの分野で近年急速に普及
し、感熱記録材料の用途も拡大している。
【0005】感熱記録材料の中には、発色剤を内包する
マイクロカプセル及び顕色剤を含有する記録層を支持体
の同一面に設けた感熱記録材料もある。この感熱記録材
料を加熱するとマイクロカプセル壁が物質透過性とな
り、マイクロカプセル内部の発色剤とマイクロカプセル
の外の顕色剤が接触して発色するので印字記録すること
ができる。更に、消色剤を使用する感熱記録材料にマイ
クロカプセルを使用することも知られている。
【0006】従来、これらのマイクロカプセルの壁材料
としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、
ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重
合体、スチレン−アクリレート共重合体、ゼラチン、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が良く知
られており、上記の高分子物質のうちポリウレタン、ポ
リウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト等が好ましく、特にポリウレタン及びポリウレアが好
ましいものとされている。
【0007】これらの材料を使用したマイクロカプセル
は、従来からコアセルベーション法、界面重合法、in-s
itu 重合法等により製造されている。コアセルベーショ
ン法については米国特許第2,800,457号、同
2,800,458号、同3,687,865号等に、
界面重合法については米国特許第3,429,827
号、同3,577,515号、同3,886,085号
等に、in-situ 重合法については米国特許第3,72
6,804号,同3,796,669号等に詳細に報告
されている。
【0008】特に、多価イソシアネートと水、多価アミ
ン類若しくは多価アルコール類とを反応させたポリウレ
タン又はポリウレア膜を使用する界面重合法又はin-sit
u 重合法は、濃度の高いマイクロカプセル液が得られる
こと、得られるマイクロカプセルの耐水性が良いこと、
マイクロカプセル化が短時間でできること等の優れた特
徴があるため記録材料に使用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、感熱記
録材料の生保存性が十分なマイクロカプセルを使用した
場合には熱感度が低下し、熱感度を向上させたマイクロ
カプセルを使用すると、生保存性が悪化する上印刷裁断
時等の記録材料加工時にかかる弱い圧力によって該マイ
クロカプセルが破壊され易いという欠点があった。
【0010】本発明者等は、従来の斯かる欠点を解決す
べく鋭意検討した結果、マイクロカプセルの原料である
多価イソシアネートを予めモノアルコールと一部反応せ
しめた後用いた場合には、感熱記録材料の生保存性を良
好なものとしたまま、熱感度等を改善することができる
ことを見出し本発明に到達した。
【0011】従って本発明の目的は、生保存性が良好で
あるのみならず、熱感度にも優れた感熱記録材料を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと加熱下に
反応して発色する実質的に無色の発色成分Bとを含有す
る感熱記録層を支持体上に有する感熱記録材料であっ
て、前記発色成分の少なくとも一方がマイクロカプセル
に内包されていると共に、該マイクロカプセルが、予め
モノアルコールと一部反応せしめた多価イソシアネート
を、水、多価アミン及び多価アルコールからなる群の中
から選択される少なくとも1種と反応せしめてなるマイ
クロカプセルであることを特徴とする感熱記録材料によ
って達成された。
【0013】モノアルコールと多価イソシアネートを一
部反応させることは、モノアルコールを多価シアネート
に適宜量添加し、常温或いは加熱下で混合することによ
り容易に行うことができる。用いられるモノアルコール
は特に限定されるものではないが、記録材料の熱感度及
び生保存性を高める観点から、n─ブチルアルコール、
n─オクチルアルコール、ベンジルアルコール等の炭素
原子数2〜9のものを用いることが好ましい。また、ア
ルキル基の一部がフッ素などのハロゲン原子で置換され
ていても良い。反応させるモノアルコールの量は、多価
イソシアネートのイソシアネート基(−NCO)に対
し、−OH当量比で1〜30%の範囲であることが好ま
しい。
【0014】上記モノアルコールと一部反応した多価イ
ソシアネートを用いてマイクロカプセルを製造する方法
は、該多価イソシアネートを溶解した疎水性液体を、乳
化剤を含有する水溶液中に微小液滴状に乳化させた後、
公知の方法に従って水、多価アミン又は多価アルコール
或いはこれらを併用したものと反応させ、油水界面にポ
リウレタン及び/又はポリウレアの合成被膜を形成させ
れば良い。
【0015】本発明で使用する、多価イソシアネートと
してはジイソシアナート、トリイソシアナート、テトラ
イソシアナート等の他、これらの誘導体等或いはポリイ
ソシアナートプレポリマー等のポリイソシアナート等が
挙げられ、多価アミンとしてはジアミン、トリアミン、
テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上含む
プレポリマー、ピペラジン若しくはその誘導体等が挙げ
られる。また、多価アルコールとしてはポリオール等が
挙げられる。
【0016】これらのマイクロカプセルの製造方法の詳
細については、特開昭58─66948号公報に記載さ
れている。本発明で使用する疎水性液体は、公知の天然
油若しくは合成油又はこれらを併用したものの中から適
宜選択して用いる。
【0017】上記疎水性液体の具体例としては、灯油、
パラフィン、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アル
キル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナ
フタレン、ジアリールアルカーン、フタル酸エステル及
びリン酸エステル等を挙げることができる。マイクロカ
プセルの体積平均粒径は、記録材料の品質向上の観点か
ら、0.01〜10μmになるように微小液滴状に乳化
させることが好ましく、特に0.2〜2μmになるよう
にすることが好ましい。
【0018】次に、本発明のマイクロカプセルを使用し
た記録材料について詳述する。前述のように感圧又は感
熱により印字等の記録を行うためには、本発明のマイク
ロカプセルに発色剤を内包させると共に、マイクロカプ
セルの外(外とはマイクロカプセルを含有している層、
又は別の層若しくは別葉紙をも含む概念である)に顕色
剤を含有させる必要がある。消色剤を使用する系の場合
には、該消色剤をマイクロカプセル中に内包せしめるこ
とが好ましい。
【0019】本発明で使用できる発色成分A及び発色成
分Bとは、物質の接触に基づく発色反応を起こす成分で
あり、具体的には電子供与性染料前駆体(発色剤)と酸
性物質(顕色剤)の組み合わせ又はジアゾ化合物(発色
剤)とカップリング化合物(顕色剤)の組み合わせが好
ましい。
【0020】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与し
て、或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有
するものであって、通常略無色で、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開
環若しくは開裂する化合物が用いられる。
【0021】具体的には、クリスタルバイオレットラク
トン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、マラカイトグ
リーンラクトン、ローダミンBラクタム、1,3,3−
トリメチル−6’−エチル−8’−ブトキシインドリノ
ベンゾスピロピラン等がある。これらの発色剤に対する
顕色剤としては、フェノール化合物、有機酸若しくはそ
の金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物質が用い
られる。これらの顕色剤の具体例は、例えば特開昭61
−291183号に記載されている。
【0022】本発明で使用するジアゾ化合物とは、後述
するカップリング成分と呼ばれる顕色剤と反応して所望
の色相に発色するものであって、反応前に特定の波長の
光を受けると分解し、もはやカップリング成分が作用し
ても発色能力を持たなくなる光分解性ジアゾ化合物であ
る。本発明における光分解性のジアゾ化合物とは主に芳
香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳香族ジア
ゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾアミノ
化合物等の化合物を指す。
【0023】以下、代表として主にジアゾニウム塩を例
に挙げて説明する。ジアゾニウム塩は、一般式ArN2
+ - で示される化合物である(式中、Arは置換され
た、或いは無置換の芳香族部分を表し、N2 + はジアゾ
ニウム基を表し、X- は酸アニオンを表わす。)。
【0024】普通、ジアゾニウム塩の光分解波長はその
吸収極大波長であるといわれている。また、ジアゾニウ
ム塩の吸収極大波長は、その化学構造に応じて200n
m位から700nm位迄変化することが知られている
(「感光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」角田隆
弘、山岡亜夫著 日本写真学会誌29(4) 197〜
205頁(1965))即ち、ジアゾニウム塩を光分解
性化合物として用いると、その化学構造に応じた特定の
波長の光で分解し、又、ジアゾニウム塩の化学構造を変
えれば、同じカップリング成分とカップリング反応した
時の色素の色相も変化する。
【0025】このようなジアゾ化合物の具体例として
は、例えば400nm付近に光分解波長を有する化合物
として4−ジアゾ−1−ジメチルアミノベンゼン、4−
ジアゾ−1−ジエチルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1
−ジプロピルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−メチル
ベンジルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−ジベンジル
アミノベンゼン、4−ジアゾ−1−エチルヒドロキシエ
チルアミノベンゼン、4−ジアゾ−1−ジエチルアミノ
−3−メトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−ジメチルア
ミノ−2−メチルベンゼン、4−ジアゾ−1−ベンゾイ
ルアミノ−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−
1−モルホリノベンゼン、4−ジアゾ−1−モルホリノ
−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1−モル
ホリノ−2,5−ジブトキシベンゼン、4−ジアゾ−1
−アニリノベンゼン、4−ジアゾ−1−トルイルメルカ
プト−2,5−ジエトキシベンゼン、4−ジアゾ−1,
4−メトキシベンゾイルアミノ−2,5−ジエトキシベ
ンゼン等を挙げることができる。
【0026】光分解用の光源としては、希望する波長の
光を発する種々の光源を用いることができ、例えば種々
の螢光灯、キセノンランプ、キセノンフラッシュラン
プ、各種圧力の水銀灯、写真用フラッシュ、ストロボ等
種々の光源を用いることができる。
【0027】本発明に用いられるジアゾ化合物(ジアゾ
ニウム塩)とカップリングして色素を形成するカップリ
ング成分は、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
アニリドの他、レゾルシンを初めとし特開昭62−14
6678号に記載されているものを挙げることができ
る。
【0028】本発明においては、前記顕色剤を常法によ
って固体分散させても良いが、水に難溶性又は不溶性の
有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤を含有し
た水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混合
し、乳化分散した分散物の形で使用することができる。
後者の場合には、得られた記録層が透明となるので、多
色記録材料やOHP用記録材料とする場合に好適であ
る。
【0029】本発明の記録材料で用いる支持体は透明で
あっても不透明であっても良い。透明な支持体としては
例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロ
ースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフ
ィルム、ポリアクリルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等が挙げられ、これらを単独或いは貼り合わせて用
いることができる。
【0030】又、フィルム状支持体から記録層全体が剥
がれることを防ぐ目的で、マイクロカプセルなどを含有
する記録層を支持体上に塗布する前に、支持体上に下塗
り層を設けることが望ましい。下塗り層としては、アク
リル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、SB
R、水性ポリエステル、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、アルギン酸塩及びデンプン等を用いることができ、
膜厚は、0.1〜0.5μmとすることが望ましい。
【0031】これらの組成物からなる下塗層は、エアナ
イフ塗布法等の公知の塗布方法により塗布される。塗布
量は1〜20g/m2 が好ましく、特に3〜10g/m
2 とすることが好ましい。更に、下塗層を塗布する前に
は、支持体の表面を公知の方法により活性化処理する事
が望ましい。
【0032】活性化処理の方法としては、酸によるエッ
チング処理、ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロ
ナ処理、グロー放電処理等が用いられるが、コストの面
或いは簡便さの点から、米国特許第2,715,075
号、同第2,846,727号、同第3,549,40
6号、同第3,590,107号等に記載されたコロナ
放電処理が最も好んで用いられる。
【0033】一方、不透明な支持体としては紙、合成
紙、アルミ蒸着ベース、前記透明な支持体に顔料等をコ
ートしたもの等が挙げられる。また、記録層には、必要
に応じて、顔料、ワックス、硬膜剤等を添加しても良
い。
【0034】本発明の感熱記録材料は、電子供与性染料
前駆体又はジアゾ化合物を内包した前記マイクロカプセ
ル及び少なくとも顕色剤を乳化又は固体分散した分散
物、バインダー等その他の添加物を含有した塗布液を作
り、合成樹脂フイルム等の支持体の上にバー塗布、ブレ
ード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコー
ティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等の塗布法
により塗布乾燥して、固形分が2.5〜25g/m2
記録層を設けることによって製造することができる。
【0035】必要に応じて、米国特許第2,761,7
91号、同第3,508,947号、同第2,941,
898号、及び同第3,526,528号明細書、原崎
勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉
書店発行)等に記載された方法等により2層以上に分け
て、同時に塗布することも可能であり、塗布量、塗布速
度等に応じて適切な方法を選ぶことができる。
【0036】本発明に用いる塗液に、顔料分散剤、増粘
剤、流動変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤及び着色剤等
を必要に応じて適宜配合することは、特性を損なわない
限り何ら差し支えない。更に、感熱記録材料の場合と同
様な製造方法によって、電子供与性染料前駆体又はジア
ゾ化合物を内包した前記マイクロカプセルを含有するマ
イクロカプセル層を一方の支持体の上に塗設した上葉
紙、及び顕色剤を含有する顕色剤層を他方の支持体に塗
設した下葉紙として組み合わせたもの、等の種々の態様
の感圧記録材料を製造することもできる。
【0037】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセルは、予めモノ
アルコールと一部反応させた多価イソシアネートを用い
ために、常温時の物質隔離性及び耐圧力性が十分である
にもかかわらず、加熱下における物質透過性能は極めて
良好である。従って、本発明のマイクロカプセルを使用
した感熱記録材料は、生保存性が良好であるにもかかわ
らず、熱感度が従来の感熱記録材料のものに比べて極め
て良好である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0039】実施例1. 〔電子供与性染料前駆体を含有するマイクロカプセル液
の調製〕カプセル壁剤として、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの1:3付加物15部を
酢酸エチルに溶解し、n─ブチルアルコール0.5部を
添加し、混合して室温条件で1時間攪拌した。得られた
溶液に電子供与性染料前駆体としてスリスタルバイオレ
ットラクトン3.0部、次いで高沸点溶媒であるアルキ
ルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合し
た。
【0040】別途、ポリビニルアルコール(重合度17
00、鹸化度88%)の6重量%水溶液を用意した後、
先の電子供与性染料前駆体溶液を添加し、ホモジナイザ
ーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え
て均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間
カプセル化反応を行わせて目的のカプセル液を得た。カ
プセルの平均粒子径は1.0μmであった。
【0041】〔電子受容性化合物液の調製〕電子受容性
化合物としてビスフェノールA30部をポリビニルアル
コール4重量%水溶液150部中に加え、ボールミルに
て24時間分散し、分散液を作製した。分散液中の電子
受容性化合物の平均粒径は1.2μmであった。
【0042】〔塗布液の調製〕次に、上記の電子供与性
染料前駆体を含有するカプセル液及び電子受容性化合物
の分散液を、電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物
の重量比が1/2となるように混合し、塗布液とした。
【0043】〔感熱記録材料の作製〕上記塗布液を、コ
ーティングバーを用いて、上質紙(80g/m2 )に乾
燥重量で5g/m2 となるように塗布し、50℃で3分
間乾燥して感熱記録材料を得た。得られた感熱記録材料
に、サーマルヘッドKST型(京セラ株式会社製の商品
名)を用い、単位面積あたりの記録エネルギーが30m
J/mm2 となるようにサーマルヘッドに対する印加電
力及びパルス幅を決めて印字した後、マクベスRD−9
18濃度計を用いて発色部と地肌部の濃度を測定した。
【0044】発色部の濃度は1.41、地肌部の濃度は
0.15であった。上記感熱記録材料を40℃−90%
RH(相対湿度)の環境下に24時間放置し、再度同じ
条件で熱印字したところ、発色部の濃度は1.38であ
り地肌部の濃度は0.15であった。
【0045】実施例2. 〔ジアゾ化合物を含有するマイクロカプセル液の調製〕
マイクロカプセル壁剤として、キシリレンジイソシアネ
ートとトリメチロールプロパンの1:3付加物15部を
酢酸エチル20部に溶解し、n−ブチルアルコール0.
5部を添加して混合し、室温で1時間攪拌した。得られ
た溶液に、ジアゾ化合物として4−(N−(2−(2,
4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリル)ピペ
ラジノベンゼンジアゾニウムヘキサンフルオロフォスフ
ェート2.0部を溶解した後、高沸点溶媒であるアルキ
ルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混合し
た。
【0046】別途、ポリビニルアルコール(重合度17
00、鹸化度88%)の6重量%水溶液54部を用意し
た後先のジアゾ化合物の溶液を添加し、ホモジナイザー
にて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加えて
均一化した後、攪拌しながら40℃に昇温し、3時間カ
プセル化反応を行わせて目的のマイクロカプセル液を得
た。マイクロカプセルの平均粒径は1.1μmであっ
た。
【0047】〔カプラー分散液の調製〕カプラーとし
て、1−(2’−オクチルフェニル)−3−メチル−5
−ピラゾロン10部及びパラヒドロキシ安息香酸ドデシ
ル20部を、ポリビニルアルコール4重量%水溶液15
0部中に加え、ボールミルにて24時間分散して分散液
を作製した。分散液中のカプラーの平均粒径は1.2μ
mであった。
【0048】〔塗布液の調製〕次に、上記のジアゾ化合
物のカプセル液及びカプラー分散液を、ジアゾ化合物/
カプラーの重量比が2/3となるように混合し、目的の
塗布液を調製した。
【0049】〔感熱記録材料の作製〕上記塗布液を、コ
ーティングバーを用いて、上質紙(80g/m2 )に乾
燥重量で5g/m2 となるように塗布し、50℃で3分
間乾燥して感熱記録材料を得た。得られた感熱記録材料
について実施例1と同様に評価テストを行った。
【0050】40℃−90%RHで24時間放置前後の
発色部及び地肌部の濃度は、夫々、1.22と1.18
及び0.15と0.17であった。尚、地肌部の濃度
は、実施例1と同様に印字した後、発色波長420nm
の蛍光灯を用い、塗布したジアゾ化合物が全て分解する
まで光照射して画像を定着した後に測定した。
【0051】実施例3. 〔ジアゾ化合物を含有するマイクロカプセル液の調製〕
実施例2で作製したマイクロカプセル液をそのまま用い
た。
【0052】〔カプラー分散液の調製〕実施例2で使用
したカプラーを2部、1,2,3−トリフェニルグアニ
ジン2部、パラヒドロキシ安息香酸ドデシル4部、トリ
クレジルホスフェート0.3部及びマレイン酸ジエチル
0.一部を酢酸エチル10部中に溶解した後、6重量%
ポリビニルアルコール溶液50g及び2重量%ドデシル
スルホン酸ナトリウム溶液2gを混合した水溶液中に投
入し、ホモジナイザーで10分間乳化して目的の乳化液
を得た。
【0053】〔塗布液の調製〕次に、上記のジアゾ化合
物のマイクロカプセル液及びカプラー乳化液を、ジアゾ
化合物/カプラーの重量比が2/3となるように混合
し、目的の塗布液を調製した。
【0054】〔記録材料の作製〕上記塗布液を、コーテ
ィングバーを用いて、上質紙(80g/m2 )に乾燥重
量で5g/m2 となるように塗布し、50℃で3分間乾
燥して透明な感熱層を有する感熱記録材料を得た。得ら
れた感熱記録材料について実施例1と同様に評価テスト
を行った。
【0055】40℃−90%RHで24時間放置前後の
発色部及び地肌部の濃度は、夫々、1.11と1.06
及び0.15と0.16であった。尚、地肌部の濃度
は、実施例2の場合と同様に印字した後、発色波長42
0nmの蛍光灯を用いて塗布したジアゾ化合物が全て分
解するまで光照射し、画像を定着した後に測定した。
【0056】実施例4.実施例2で用いたn─ブチルア
ルコールの代わりに、n─オクチルアルコールを用いた
他は実施例2と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
に評価テストを行った。40℃−90%RHで24時間
放置前後の発色部及び地肌部の濃度は、夫々、1.25
と1.20及び0.15と0.19であった。
【0057】実施例5.実施例2で用いたn─ブチルア
ルコールの代わりに、ベンジルアルコールを用いた他は
実施例2と同様にして感熱記録材料を作製し、同様に評
価テストを行った。40℃−90%RHで24時間放置
前後の発色部及び地肌部の濃度は、夫々、1.23と
1.18及び0.15と0.17であった。
【0058】比較例1.実施例1で用いたn─ブチルア
ルコールを用いない他は、実施例1と同様にして感熱記
録材料を作製し、同様に評価テストを行った。40℃−
90%RHで24時間放置前後の発色部及び地肌部の濃
度は、夫々、1.10と1.09及び0.15と0.1
6であった。
【0059】比較例2.実施例2で用いたn─ブチルア
ルコールを用いない他は、実施例2と同様にして感熱記
録材料を作製し、同様に評価テストを行った。40℃−
90%RHで24時間放置前後の発色部及び地肌部の濃
度は、夫々、1.00と0.95及び0.15と0.1
7であった。
【0060】比較例3.実施例2で用いたマイクロカプ
セル液に代えて、n─ブチルアルコールを用いない他は
実施例2と同様にして作製したカプセル液を用いた他
は、実施例2と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
に評価テストを行った。40℃−90%RHで24時間
放置前後の発色部及び地肌部の濃度は、夫々、0.98
と0.96及び0.15と0.16であった。
【0061】比較例4.実施例2で用いたn─ブチルア
ルコールに代えて、1,5ペンタンジオールを用いた他
は、実施例2と同様にして感熱記録材料を作製し、同様
に評価テストを行った。40℃−90%RHで24時間
放置前後の発色部及び地肌部の濃度は、夫々、1.03
と0.96及び0.15と0.18であった。実施例1
〜5及び比較例1〜4の結果をまとめると表1の如くで
ある。
【0062】
【表1】 表1の結果は、本発明のマイクロカプセルが、常温付近
での物質隔離性能(保存性)に優れているにもかかわら
ず、加熱印字時の物質透過性能(熱感度)にも優れるこ
とを実証するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 13/16 G41M 5/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に無色の発色成分Aと、該発色成
    分Aと加熱下に反応して発色する実質的に無色の発色成
    分Bとを含有する感熱記録層を支持体上に有する感熱記
    録材料であって、前記発色成分の少なくとも一方がマイ
    クロカプセルに内包されていると共に、該マイクロカプ
    セルが、予めモノアルコールと一部反応せしめた多価イ
    ソシアネートを、水、多価アミン及び多価アルコールか
    らなる群の中から選択される少なくとも1種と反応せし
    めてなるマイクロカプセルであることを特徴とする感熱
    記録材料
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