JP2913915B2 - ハンドベル自動演奏装置 - Google Patents

ハンドベル自動演奏装置

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JP2913915B2
JP2913915B2 JP18562091A JP18562091A JP2913915B2 JP 2913915 B2 JP2913915 B2 JP 2913915B2 JP 18562091 A JP18562091 A JP 18562091A JP 18562091 A JP18562091 A JP 18562091A JP 2913915 B2 JP2913915 B2 JP 2913915B2
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明男 何木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハンドベルの演奏者に
よる通常演奏時と略同様な発音で、演奏情報に応じた楽
曲の自動演奏の実現に有効なハンドベル自動演奏装置に
関する。
【0002】
【従来技術】従来、ソレノイド等のアクチュエータを利
用し、自動的に鐘を打撃して発音させる技術として、例
えば、実開平1ー75298号公報「打鐘装置」等が提
案されている。すなわち、鐘本体に内蔵したソレノイド
機構の可動シャフトの前端に打鐘用ハンマ機構を、一
方、後端に消音体を、各々配設し、マイクロプロセッサ
ー等から成る制御機構の励磁時にはハンマ機構で鐘を打
撃し、消磁時には引張り用ばねで消音体を鐘に当接する
技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術は、鐘の内部のハンマー機構の搖動により発音する構
成のため、例えば、ハンドベルのように演奏者が手に持
って振ることにより内部のハンマーが搖動して発音する
小型の鐘に適用すると、発音状態が異なるので、金属的
な音色となってしまい、本来の音色を発音できず、演奏
情報にしたがって楽曲を自動演奏させても、メロディの
ながれが固くて不自然であるという問題があり、未だ充
分なものではなかった。また、発音状態が演奏者による
ものと異なるため、音量変更のために演奏情報に応じた
強さでハンマー機構を揺動させて鐘を打撃すると音色が
通常演奏時とは異なってしまい、演奏者による音楽的に
多彩な表現を含んだ演奏を忠実に再現することは、きわ
めて困難であるという問題もあった。さらに、発音状態
の相違により発音時期や発音後の音の余韻が演奏者によ
る演奏と異なるので、他の自動楽器、例えば、MIDI
仕様の電子楽器や自動ピアノ等とのアンサンブル演奏の
実現が困難であり、小型の鐘の自動演奏装置として、改
善の余地があった。
【0004】本発明は、上記従来技術の課題を一挙に解
決し、簡単な構成で、ハンドベルの演奏者による通常演
奏に近い自然な発音による楽曲の自動演奏を好適に実現
するハンドベル自動演奏装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1に記載の構成は、演奏情報にしたが
って、複数のハンドベルを略重力方向に揺動させ、内蔵
ハンマーの打撃により楽曲を演奏するハンドベル自動演
奏装置であって、前記各ハンドベルの長手方向に各々連
設され、所定支点を有する支持棹と、前記各ハンドベル
毎に配設され、上記各支持棹を各々独立に上記所定支点
近傍位置で、略重力方向回動自在に支持する軸支部を有
する支柱と、前記各支柱の上記軸支部近傍に各々配設さ
れ、上記ハンドベルが反重力方向に回転する向きの上記
支持棹の回動量を所定回動量に規制する規制部材と、上
記各ハンドベル毎に配設され、外部からの指令に応じ
て、上記ハンドベルが反重力方向へ回転する向きに上記
支持棹を上記所定回動量より小さい所定移動量だけ指示
速度で変位させる駆動手段と、演奏情報にしたがって、
前記複数のハンドベルのうち選択されたハンドベルに対
応する上記駆動手段に、該演奏情報に応じた指示速度で
変位させる指令を出力する制御手段と、を備えたことを
特徴とするハンドベル自動演奏装置を要旨とするもので
ある。
【0006】
【作用】上記請求項1に記載の構成は、演奏情報にした
がって、複数のハンドベルを略重力方向に揺動させて発
音するに際し、各ハンドベルに各々独立に連設された支
持棹を、各々の支柱はその所定支点近傍位置で略重力方
向に回動自在に支持しており、制御手段が演奏情報に基
づいて選択した駆動手段に、演奏情報に応じた指示速度
で変位させるよう指令すると、該駆動手段は対応するハ
ンドベルを反重力方向へ回転させる向きに支持棹を所定
回動量より小さい所定移動量だけ指示速度で変位させる
が、この回動する支持棹の回動量を支柱の軸支部近傍に
配設された規制部材は所定回動量に規制するよう働く。
すなわち、複数のハンドベルのうち、演奏情報にしたが
って制御手段が選択したハンドベルを指示速度で回転す
るよう指令すると、駆動手段は、反重力方向に回転する
向きに支持棹を所定移動量だけ指示速度で変位させ、選
択されたハンドベルは慣性力により反重力方向へ所定移
動量より多く指示速度で回動するが、所定回動量相当位
置で規制部材により回動規制されるため、ここでハンド
ベルは指示速度に応じて生じる慣性力で回転するハンマ
ーにより打撃されて発音するのである。従って、本発明
のハンドベル自動演奏装置は、演奏者による通常演奏と
略同一発音状態で演奏情報に応じて楽曲を自動演奏する
よう働く。以上のように、本発明の各構成要素が作用す
ることにより、本発明の技術的課題が解決される。
【0007】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。本発明の一実施例であるハンドベル
自動演奏装置を図1〜図8に基づいて説明する。図1に
示すように、ハンドベル自動演奏装置1は、帯板状の基
台2、該基台2の一側面略中央部に連設された略円筒状
の支持ケース3、該支持ケース3に一側面を支持される
ハンドベル4、そのハンドベル4に連設されたハンドベ
ルアーム5、上記支持ケース3に略重力方向に沿って立
設されて該ハンドベルアーム5を回動自在に支持する支
柱6、ハンドベルアーム5の該支柱6に対して上記ハン
ドベル4と反対側に位置する部分に嵌合された重り7、
上記支持ケース3に垂設されて上記ハンドベルアーム5
の支柱6と重り7との間の位置に係合するソレノイド8
および該ソレノイド8を駆動する駆動回路9を8組乃至
25組(1〜2オクターブ)備えると共に、それらを演
奏情報にしたがって制御する電子制御回路や電源を内蔵
した制御部10から構成されている。なお、ハンドベル
4は、各々音高に応じて口径が異なり、低音のものほど
口径が大きくなっている。
【0008】まず、ハンドベル4を駆動する機構部の構
造について説明する。図2に示すように、支持ケース3
は円筒壁11内部に固定された支持台12を有し、該円
筒壁11の上端部外周の一部には、ハンドベル4の一側
面と当接してハンドベル4の振動を抑止するゴム等から
成る消音パッド13が取り付けられている。また、上記
支持台12の上面には、上記支柱6およびソレノイド8
が固定されている。上記ハンドベル4の内部には、該ハ
ンドベル4を打撃するハンマー21が重力方向回動自在
に配設されており、該ハンマー21の下側打撃側面は支
持片22により支持されているので、ハンドベル4の静
止時には、ハンマー21は図1に示すように、ハンドベ
ル4の略中央部に位置する。なお、ハンマー21の打撃
側面には、合成樹脂製の突出部21Aが突設され、この
突出部21Aの先端にはフェルト21Bが貼着されてい
る。これにより、ハンマー21の打撃に対してハンドベ
ル4の内面を保護している。上記ハンドベル4の後端部
には、その長手方向に沿って略円柱形状のハンドベルア
ーム5が連設されている。そのハンドベルアーム5のハ
ンドベル4側から長手方向に沿って所定距離離れた位置
には、その長手方向と直交方向に支点孔5Aが穿設さ
れ、該支点孔5Aにはラジアルベアリング5Bが嵌合さ
れている。上記支柱6の上部近傍には、ハンドベル4側
から重り7側に向かう方向に、断面略四角形の貫通孔1
4が穿設されており、この貫通孔14の上側内面には合
成樹脂製のストッパー14Aが配設されている。また、
該貫通孔14の略中央部には、その貫通方向と略直行方
向、すなわち、重力方向と略直交方向(図2の紙面に略
直交方向)に、ハンドベルアーム5を回動自在に支持す
るシャフト15が挿通固定されている。
【0009】上記シャフト15は、上記ハンドベルアー
ム5に穿設された支点孔5Aにラジアルベアリング5B
を介して嵌合し、上記ハンドベルアーム5を上記支柱6
に対して重力方向に回動自在に支持している。上記重り
7は略円柱形状を成すと共に、その長手方向に沿って貫
通する嵌合孔を有し、上記ハンドベルアーム5の、上記
ハンドベル4側と上記支点孔5Aに対して反対側に位置
する後部と摺動自在に嵌合している。この重り7は、ハ
ンドベルアーム5に対して調節ネジ7A,7Bにより所
定位置に固定されている。この所定位置は、シャフト1
5に対する回動部全体の重量配分を略平衡状態にする位
置に設定される。すなわち、回動部を構成するハンドベ
ル4、ハンドベルアーム5および重り7が、支点である
シャフト15の回りに回動するに際し、時計方向(矢印
B,C方向)に回転するモーメントが、反時計方向(矢
印F,G方向)に回転するモーメントより僅かに小さく
なる程度の略平衡状態となり、かつ、ハンドベル4の一
側面がその自重により消音パッド13に当接するよう
に、重り7をハンドベルアーム5の長手方向に移動させ
て調整し、所定位置を決定して調節ネジ7A,7Bで固
定するのである。この結果、回動部に重力以外の外力が
作用しない場合には、ハンドベル4の自重によりその一
側面が消音パッド13に接触した消音位置(図2に実線
で示す位置)に保持されており、一方、ハンドベル4を
時計方向(矢印B,C方向)に回転させる場合には、僅
かなモーメントを作用させるだけで、回動部を時計方向
に発音位置(図2に鎖線で示す位置)まで回動できる。
これは、回動部が支点であるシャフト15に対して略平
衡状態に設定されているためである。
【0010】上記ソレノイド8の可動部であるプランジ
ャ16の先端部には、上記ハンドベルアーム5と係合す
る係合部16Aが形成されている。この係合部16A
は、上記ハンドベルアーム5の上記支点孔5Aと上記重
り7の固定されている後部との間の位置に係合してい
る。ソレノイド8が通電により励磁状態になると、プラ
ンジャ16は重力方向(図2の矢印A方向)に所定スト
ロークSだけ下降してハンドベルアーム5を時計方向
(矢印B,C方向)へ回転させる作用力を発揮し、一
方、通電遮断により非励磁状態になると、プランジャ1
6の作用力は解放され、ハンドベルアーム5の反時計方
向(矢印F,G方向)への回転に応じて反重力方向(図
2の矢印H方向)に所定ストロークSだけ上昇する。
【0011】次に、上記ソレノイド8を制御する制御部
10の構成を、図1に基づいて説明する。制御部10
は、CPU10A、ROM10B、RAM10C、バッ
クアップRAM10Dを中心に論理演算回路として構成
され、コモンバスを介して入出力部10Eに接続されて
外部との入出力を行なう。制御部10は、ハンドベル4
の発音、消音、駆動電流パターンの切り換えを指令する
制御信号をソレノイドに接続された駆動回路9に出力
し、駆動回路9は、それらの制御信号に応じてソレノイ
ド8への通電、通電遮断(ON,OFF)を行なう。ま
た、制御部10には入出力部10Eを介して操作表示部
31、MIDI機器32、電子楽器33、自動ピアノ3
4、あるいは、外部記憶装置35が接続され、これらと
の間で演奏情報の入出力が行なわれるように構成されて
いる。なお、MIDI信号が入力された場合には、その
MIDI信号をハンドベル4を駆動する駆動回路9の制
御信号に変換する。
【0012】次に、上記ハンドベル自動演奏装置1の動
作を図2から図7に基づいて説明する。まず、通常時
は、図2に実線で示すように、ハンドベル4等の自重に
よりハンドベル4、ハンドベルアーム5、重り7および
プランジャ16は消音位置に静止しており、ハンマー2
1は支持片22に支持されると共に、ハンドベル4の一
側面は消音パッド13に当接している。次に、図1、図
5に示すように、制御部10が時刻T1に、発音を指令
する制御信号を出力すると、駆動回路9は、制御部10
からの制御信号に応じた駆動電流データにしたがって、
該制御信号に応じて時刻T1からソレノイド8に駆動電
流を通電(ON)し始める。すなわち、時刻T1から時
刻T2までは第1初動レベルデータに相当するデューテ
ィー比の、時刻T2から時刻T3までは第2初動レベル
データに相当するデューティー比のパルスを通電するパ
ルス幅変調制御(以下、PWM制御と呼ぶ)を行なう。
この時刻T1から時刻T3までの両初動レベルデータに
基づく通電は、ソレノイド8のプランジャ16の移動開
始に際して静止摩擦脱出のために行なわれる。次に、時
刻T3から時刻T4までは、プランジャ16を所定速度
で所定ストロークSまで下降させるために、移動レベル
データI1に相当するデューティー比のパルスを通電す
るPWM制御が行なわれる。時刻T4から時刻T5まで
は、上記通電により所定ストロークSまで下降したプラ
ンジャ16の位置を保持するために、保持レベルデータ
に相当するデューティー比のパルスを通電するPWM制
御が行なわれる。なお、上述の保持通電が終了する時刻
T5は制御部10が駆動回路9にソレノイド8への通電
遮断(OFF)を指令する制御信号を出力し、該駆動回
路9によるパルス通電が終了する時刻である。ここで、
上記第1初動、第2初動、移動、保持の各レベルデータ
およびその通電時間は、複数の組合せが予め制御部10
に記憶されており、演奏データに応じて適宜選択でき
る。また、駆動回路9には、ソレノイド8への連続通電
時間を所定時間に制限する保護回路も内蔵されており、
ソレノイド8の焼損を防止している。
【0013】ところで、上記時刻T1から時刻T4の間
に、ソレノイド8のプランジャ16は、図2および図3
に示すように、矢印A方向(重力方向)に所定ストロー
クSだけ下降する。これに伴い、係合部16Aから作用
力を受けるハンドベルアーム5は、支点であるシャフト
15の回りに時計方向に回転する。すなわち、ハンドベ
ル4は時計方向(矢印B方向)に、重り7は矢印C方向
に回転し、図2に実線で示す消音位置から図3に実線で
示す保持位置まで回転する。次に、上述した時刻T4に
至ると、ソレノイド8のプランジャ16は、所定ストロ
ークSだけ矢印A方向に下降したので、もはや移動せ
ず、その位置に保持される。一方、既述したような重り
7の位置調整により、回動部を構成するハンドベル4、
ハンドベルアーム5および重り7は、支点であるシャフ
ト15に対して、時計方向(矢印B,C方向)に回転す
るモーメントが、反時計方向(矢印F,G方向)に回転
するモーメントより僅かに小さくなる程度の略平衡状態
に設定されている。このため、ハンドベル4、ハンドベ
ルアーム5および重り7からなる回動部は、上記ソレノ
イド8のプランジャ16の下降停止時、すなわち、保持
位置到達時の時刻T4以後もその回転運動に伴なって発
生した慣性力により時計方向(図3に示す矢印Bおよび
矢印C方向)への回転を継続する。この回動部の回転運
動は、図4に実線で示す発音位置に至ると、ハンドベル
アーム5が支柱6の貫通孔14の上側内面に配設された
ストッパー14Aに当接して急激に停止する。この回動
部の発音位置における急停止時、時計方向への回転に規
制を受けていないハンマー21が慣性力により時計方向
(矢印D方向)へ回転し、ハンドベル4の内壁を打撃し
て発音する。ここで、打撃に伴う音量は、慣性力の大き
さ、すなわち、ソレノイド8のプランジャ16の下降速
度に応じて変化する。したがって、図6に示すように、
時刻T3から時刻T4まで、プランジャ16を上述した
所定速度より速い速度で所定ストロークSまで下降させ
るために、移動レベルデータI11に相当するデューテ
ィー比のパルスを通電するPWM制御を行なうと、音量
は増加し、一方、図7に示すように、所定速度より遅い
速度で所定ストロークSまで下降させるために、移動レ
ベルデータI23に相当するデューティー比のパルスを
通電するPWM制御を行なうと、音量は減少する。な
お、打撃後、ハンマー21は反時計方向(図4に矢印E
で示す方向)に回転し、再び支持片22に支持される。
【0014】ここで、図4に示すように、ハンドベル4
の発音位置に至るまでに、上記回動部は、ハンドベルア
ーム5の消音位置(図4に鎖線で示す位置)における軸
心位置O1から発音位置(図4に実線で示す位置)にお
ける軸心位置O2まで重力方向に沿って直線距離Lだけ
変位している。一方、そのハンドベルアーム5を回転さ
せるソレノイド8のプランジャ16の下降量は、重力方
向に沿った所定ストロークSであり、上記直線距離Lよ
り少ない。このように、プランジャ16の下降量が少な
くて済むのは、重り7の位置調整による重量配分によ
り、プランジャ16の下降停止後も回動部の回転運動を
その回動に伴って発生した慣性力で継続させるためであ
る。
【0015】次に、一旦、上記発音位置に到達した回動
部は、発音後、ハンドベル4の自重で反時計方向(4に
矢印F,Gで示す方向)に回転し始める。ここで、未だ
消音を指令する制御信号が出力されていない場合は、図
3に示す保持位置まで回転する。すなわち、既述した保
持通電によりソレノイド8のプランジャ16が所定スト
ロークSだけ下降した位置に保持されている。このた
め、ハンドベルアーム5が係合部16Aにより反時計方
向(矢印F,Gで示す方向)への回転を停止され、ハン
ドベル4は、前記発音を放音する状態で保持位置に支持
される。なお、この停止時には、ハンマー21が支持片
22により支持されているので、打撃による再発音は防
止される。その後、消音を指令する制御信号が出力され
ると(図5の時刻T5に相当)、ソレノイド8への通電
が遮断されるため、上記保持位置に支持されていた回動
部は、ハンドベル4の自重で反時計方向(図3、図2に
矢印F,Gで示す方向)に回転し始め、図2に実線で示
す消音位置まで回転する。この時、ソレノイド8は励磁
されていないので、プランジャ16の係合部16Aはハ
ンドベルアーム5の回転に伴って反重力方向(図2の矢
印H方向)に上昇する。すると、ハンドベル4の一側面
が消音パッド13に当接し、ハンドベル4は消音され
る。なお、ハンマー21は、支持片22により支持され
ているので、この消音パッド当接時にはハンマー21を
打撃しない。
【0016】一方、回動部がハンドベル4の自重によ
り、前記発音位置から反時計方向(図4に矢印F,Gで
示す方向)に回転し始めた時、既に消音を指令する制御
信号が出力されている場合(図5の時刻T5に相当)
は、図2に実線で示す消音位置まで連続的に回転し、ハ
ンドベル4は消音パッド13に当接して消音する。した
がって、発音を指令する制御信号出力後、消音を指令す
る制御信号を出力するまでの時間間隔を演奏情報に応じ
た間隔にすることにより、ハンドベル4の発音時間を演
奏情報に応じた時間に変更できる。
【0017】次に、制御部10が実行する自動演奏処理
を、図8のフローチャートにしたがって説明する。本自
動演奏処理は、操作部31の電源投入にともなって実行
される。まず、ステップ100では、初期化処理が行な
われる。続くステップ110では、操作部31からの指
令を入力する処理が行なわれる。次に、ステップ120
に進み、制御パラメータ(音量、テンポ、演奏繰り返し
回数、演奏開始終了設定時刻、演奏順序)の変更指令が
あるか否かを判定し、変更がある場合には、ステップ1
30に進んで制御パラメータの変更処理を行なった後、
再び上記ステップ110に戻る。一方、上記ステップ1
20で制御パラメータの変更がないと判断された場合
は、ステップ140に進み、演奏情報をバックアップR
AM10Dから入力する処理が行なわれる。この演奏情
報は、各種の外部機器から予め入力され、バックアップ
RAM10Dに記憶されている。続くステップ150で
は、上記ステップ140で入力した演奏情報が、演奏終
了であるか否かを判定し、肯定判断された場合は、一
旦、本自動演奏処理を終了する。一方、演奏終了でない
と判断された場合は、ステップ160に進み、上記演奏
情報であるMIDI信号のノートナンバに基づいて、制
御対象となるハンドベルを複数の内から選択する処理が
行なわれる。次にステップ170に進み、上記演奏情報
であるMIDI信号が、予め記憶されているマップにし
たがって、ハンドベルの駆動回路9に対する制御信号に
変換する処理が行なわれる。次にステップ180に進
み、上記制御信号を、制御対象となる駆動回路9に出力
した後、再び、上記ステップ140に戻る。以後、上述
した処理(ステップ140〜180)が繰り返して実行
される。
【0018】以上説明したように、本実施例によれば、
ハンドベル4を略重力方向に搖動させてハンマー21の
慣性力により打撃して発音させる。このため、演奏者が
手で振ることにより内部のハンマーが搖動して発音する
といった通常の発音状態とほぼ同様な発音状態で複数
(8〜25個)のハンドベルの自動演奏を実現できるの
で、ハンドベル4の本来の柔らかな音色を発揮した自動
演奏が可能になる。また、ハンドベル4を略重力方向に
搖動させて発音するので、ハンドベル4の伝統的な演奏
技法に慣れている観者に違和感を与えることもなく、か
つ、ハンドベル4に特有の音場感を創造する自動演奏が
可能になる。さらに、ハンドベル4に連設したハンドベ
ルアーム5、重り7、これらを支持する支柱6および駆
動用のソレノイド8から成り、ハンドベル4内部に自動
演奏専用の部材を実装しない簡単な構成で実現できるの
で、実装上の問題を生じることなく自動演奏機能を付加
できる。しかも、ハンドベル4への自動演奏用の機構の
実装が、発音時その音色に弊害を生じることもない。こ
のことは、ハンドベル4の開口部の口径が小型になって
も適用できるため、口径の異なる複数(8〜25個)の
ハンドベルを備えて自動演奏装置を構成する場合に、特
に顕著な効果を奏する。また、ハンドベル4、ハンドベ
ルアーム5、重り7等の回動部の回動に伴う重力方向の
移動量である直線距離Lよりも、ソレノイド8のプラン
ジャ16の下降量である所定ストロークSが短かくて済
むため、ソレノイド8に要求されるストローク対推力等
の諸仕様面での制約が緩和され、ソレノイド8の選択の
範囲が拡大するので、装置設計の自由度が増加する。さ
らに、回動部の支点であるシャフト15回りの重量配分
を重り7により略平衡状態に設定し、ソレノイド8の所
定ストロークSを短く、しかも、推力も最小で駆動可能
に、かつ、慣性力を利用して打撃するよう構成したの
で、エネルギー効率も向上する。また、ハンドベル4の
口径等の構造の差により各ハンドベル4毎に重量が変化
しても、重り7の位置調整により回動部の重量配分を常
時適正に設定できるので高音域から低音域までの広範囲
の口径のハンドベル4に対して広い汎用性を発揮する。
また、駆動回路9への通電時、移動レベルデータI1を
変更することにより、音量の制御が正確になり、通常演
奏時の演奏者の演奏技法を忠実に再現する自動演奏が可
能になる。さらに、例えば、MIDI仕様の電子楽器や
自動ピアノ等から予め演奏情報を入力しておき、そのメ
ロディを通常演奏と同様な発音状態でハンドベルにより
自動演奏できるので、汎用性が高まる。また、演奏開始
時刻や終了時刻および演奏繰り返し回数等を予め設定し
ておけるので、楽器以外に、時刻を告げるチャイム等の
代わりにも適用できる。この場合、ハンドベルの自然音
による報時となるため、音の響きがやわらかであり、室
内以外に、屋外空間で使用する場合でも好適である。さ
らに、MIDI信号の入出力により、他のMIDI楽器
とのアンサンブル演奏も実現でき、広い汎用性を発揮す
る。
【0019】なお、本実施例では、駆動回路9への通電
に際し、移動レベルデータI1のみを音量に応じて変更
する場合について説明した。しかし、例えば、各レベル
データおよびその通電時間の組合せを変更することによ
り、ハンドベル4の振り速度や振り加速度等も制御する
よう構成することもできる。このように構成した場合に
は、演奏記録時における演奏者の高度な演奏技法を更に
忠実に再現でき、音楽的表現力がより一層高まる。
【0020】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、このような実施例に何等限定されるもの
ではなく、その技術思想を逸脱しない範囲内において、
例えば図9に示すように、回動部に回転力を作用するソ
レノイド48を支柱46よりハンドベル側に配置して下
から突き上げるようにすると共に、その回動部の回転量
を規制するストッパー44Bを貫通孔44の内部下面に
配設する等、種々の態様により実現し得ることは勿論で
ある。
【0021】
【発明の効果】以上詳記したように、本発明は、複数の
ハンドベルのうち、演奏情報にしたがって制御手段が選
択したハンドベルを指示速度で回転するよう指令する
と、駆動手段は、反重力方向に回転する向きに支持棹を
所定移動量だけ指示速度で変位させ、選択されたハンド
ベルは慣性力により反重力方向へ所定移動量より多く指
示速度で回動するが、所定回動量相当位置で規制部材に
より回動規制されるため、ここでハンドベルは指示速度
に応じて生じる慣性力で回転するハンマーにより打撃さ
れて発音するので、簡単な装置構成で、演奏者による通
常演奏と略同一演奏状態でハンドベルを発音させて演奏
情報に応じて自動演奏させることが可能になり、ハンド
ベル本来の柔らかい音色を自動演奏時にも発揮できると
いうきわめて優れた効果を奏する。また、ハンドベルの
ように鐘自体を振って発音する演奏方法の楽器の自動演
奏に適用しても、伝統的な音色に支障を来すことなく音
量を適宜変更できるので、演奏者の演奏技法を忠実に再
現する自動演奏を可能にし、かつ、複数のハンドベルに
よる特有の音場感を創造できるという効果も生じる。さ
らに、発音状態が通常演奏時と略同一であるため、発音
時期や発音後の音の余韻が演奏者による演奏と変わらな
いので、他の自動楽器、例えば、MIDI仕様の電子楽
器や自動ピアノ等とのアンサンブル演奏を実現でき、小
型の鐘の自動演奏装置として広い汎用性を発揮する。ま
た、ハンドベルの回動量よりも駆動手段の移動量が少な
くて済むので、駆動手段に要求される機能上の制約が少
なくなり、駆動手段の選択の範囲が拡大するので、設計
の自由度を増加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明一実施例の概略装置構成図である。
【図2】 本発明一実施例の部分側断面図である。
【図3】 本発明一実施例の動作を示す部分側断面図で
ある。
【図4】 本発明一実施例の動作を示す部分側断面図で
ある。
【図5】 本発明一実施例のタイミングチャートであ
る。
【図6】 本発明一実施例のタイミングチャートであ
る。
【図7】 本発明一実施例のタイミングチャートであ
る。
【図8】 本発明一実施例の制御を示すフローチャート
である。
【図9】 本発明のその他の実施例を示す部分側断面図
である。
【符号の説明】
1・・・ ハンドベル自動演奏装置、4・・・ ハンドベル、5
・・・ ハンドベルアーム、 6・・・ 支柱、7・・・ 重り、
8・・・ ソレノイド、9・・・ 駆動回路、 10・・・ 制御
部、14・・・ 貫通孔、14A・・・ ストッパー、15・・・
シャフト、 21・・・ ハンマー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏情報にしたがって、複数のハンドベ
    ルを略重力方向に揺動させ、内蔵ハンマーの打撃により
    楽曲を演奏するハンドベル自動演奏装置であって、 前記各ハンドベルの長手方向に各々連設され、所定支点
    を有する支持棹と、 前記各ハンドベル毎に配設され、上記各支持棹を各々独
    立に上記所定支点近傍位置で、略重力方向回動自在に支
    持する軸支部を有する支柱と、 前記各支柱の上記軸支部近傍に各々配設され、上記ハン
    ドベルが反重力方向に回転する向きの上記支持棹の回動
    量を所定回動量に規制する規制部材と、 上記各ハンドベル毎に配設され、外部からの指令に応じ
    て、上記ハンドベルが反重力方向へ回転する向きに上記
    支持棹を上記所定回動量より小さい所定移動量だけ指示
    速度で変位させる駆動手段と、 演奏情報にしたがって、前記複数のハンドベルのうち選
    択されたハンドベルに対応する上記駆動手段に、該演奏
    情報に応じた指示速度で変位させる指令を出力する制御
    手段と、 を備えたことを特徴とするハンドベル自動演奏装置。
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