JP2911128B2 - 自動変速機の一方向クラツチの潤滑装置 - Google Patents

自動変速機の一方向クラツチの潤滑装置

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JP2911128B2 JP1095308A JP9530889A JP2911128B2 JP 2911128 B2 JP2911128 B2 JP 2911128B2 JP 1095308 A JP1095308 A JP 1095308A JP 9530889 A JP9530889 A JP 9530889A JP 2911128 B2 JP2911128 B2 JP 2911128B2
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    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、発進装置と遊星歯車装置を備えた自動変速
機の一方向クラツチの潤滑装置に関する。
[従来の技術] 自動変速機は、発進装置と複数列の遊星歯車装置を備
え、発進装置からの入力を遊星歯車列を構成する要素に
伝達する経路と、遊星歯車列の要素を固定して反力を受
ける経路と、遊星歯車列の要素から出力を取出す経路と
を摩擦係合要素によつて選択的に切換えることで異なる
変速比をもつ変速段を構成するとともに、変速段の切換
えを達成する。
多段の変速段をもつ自動変速機にあつて、変速段の構
成と切換えを円滑に達成するためには多くの摩擦係合要
素を装備することが望ましい。摩擦係合要素のうち、一
方向クラツチはスムーズな切換え操作のために使用さ
れ、アウタレースとインナレースの回転方向に応じて自
動的に係合又は解放状態となる。構造的にはアウタレー
スとインナレースとの間にスプラグを挾み、一方向の回
転力を受けたときにスプラグとレースが楔作用により係
合するが、反対方向の回転力を受けたときにはスプラグ
とレースとの間が摺動し、空転する。摺動部はスプラグ
とインナレースとの間に形成されるので、摺動部を充分
に潤滑する必要がある。
インナレースとスプラグの間を潤滑するためには、イ
ンナレースに油孔を設けて軸心方向から潤滑油を供給す
ることが望ましい。
しかしながら、多段の自動変速機においては、一方向
クラツチの半径方向内側に配設する軸部材等も多く、軸
心方向からの潤滑油の供給が困難な場合もある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、摩擦係合要素と遊星歯車列の各要素を連結
する軸部材を多重構造とし、最外側に配設する軸部材に
一方向クラツチのインナレースを取付けるとともにこの
軸を変速機の内部中央部に設ける中央支持部材により支
持することで、中央支持部材を介して一方向クラツチを
強制潤滑する装置を提供する。
[課題を解決するための手段] 以上の課題を解決するために、本発明は、自動変速機
のケース(300)内に、該自動変速機の入力部材である
入力軸(240)と、変速部材である遊星歯車装置(11
0)、(120)、(130)と、出力軸(800)とを同心的に
一列に配設し、前端を前記入力軸(240)と少なくとも
一方向クラツチ(31)を介して連結した中間軸(610、6
20、630、640の何れか1つ)の後端を前記遊星歯車装置
の1つ(110)の一要素であるリングギヤ(115)に連結
し、前記出力軸(800)の前端を前記遊星歯車装置の他
の1つ(130)の一要素であるキヤリヤ(133)に連結し
た自動変速機の1方向クラツチの潤滑装置において、自
動変速機のケース(300)内に該ケース(300)に配設し
た中央支持部材(310)と、該中央支持部材(310)の内
周部に圧入したスリーブ(315)と、該スリーブ(315)
の内周部が支持した前記同心的の中間軸(610、640)
と、前記一方向クラツチ(31)のインナレース(510)
とを同心的に備え、前記中間軸(640)は一方向クラツ
チ(31)のインナレース(510)に連結されるとともに
前記スリーブ(315)の内周に同心的かつ回転自在に支
持されるものであって、 さらに、前記自動変速機のケース(300)に設けた油
路(308)と、前記中央支持部材(310)に設けた油路
(319)と、前記スリーブ(315)に設ける油孔(315a)
と、前記中間軸(640)に設ける半径方向の油孔(645)
が互いに対向するように配設するとともに、前記一方向
クラツチ(31)のインナレース(510)にも半径方向の
油孔(512)を配設し、前記自動変速機のケース(300)
に設ける油路(308)を潤滑油の供給装置に連通して成
る、自動変速機の一方向クラツチの潤滑装置に係るもの
である。
本発明においてはさらに、前端を前記入力軸(240)
とクラツチを介して連結した第1の中間軸(610)の後
端を前記遊星歯車装置の第1のシンプルプラネタリギヤ
セツト(110)のリングギヤ(115)に連結し、前記出力
軸(800)の前端を前記遊星歯車装置の第3のシンプル
プラネタリギヤセツト(130)のキヤリヤ(133)に連結
し、前記第1の中間軸(610)に同心的に回転自在に外
設した第2の中間軸(620)の前端をクラツチを介して
前記入力軸(240)に連結するとともに、後端を前記遊
星歯車装置の第1のシンプルプラネタリギヤセツト(11
0)のサンギヤ(111)に連結し、前記第2の中間軸(62
0)に同心的に回動自在に外設した第3の中間軸(630)
の前端をクラツチを介して前記入力軸(240)に連結す
るとともに、後端を前記遊星歯車装置の第2のシンプル
プラネタリギヤセツト(120)のキヤリヤ(123)に連結
するとともに、第3のシンプルプラネタリギヤセツト
(130)のサンギヤ(131)に連結し、前記第3の中間軸
(630)に同心的に回動自在に外設した第4の中間軸(6
40)の前端をクラツチ及び一方向クラツチ(31)のイン
ナレース(510)を介して連結するとともに、前記遊星
歯車装置の第2のシンプルプラネタリギヤセツト(12
0)のサンギヤ(121)に連結し、かつ第2のシンプルプ
ラネタリギヤセツト(120)のリングギヤ(125)を第3
のシンプルプラネタリギヤセツト(130)のリングギヤ
(135)に連結した自動変速機の一方向クラツチの潤滑
装置において、自動変速機のケース(300)内に該ケー
ス(300)に配設した中央支持部材(310)と、該中央支
持部材(310)の内周部に圧入したスリーブ(315)と、
該スリーブ(315)の内周部が支持した前記同心的の中
間軸(610、640)と、前記一方向クラツチ(31)のイン
ナレース(510)とを同心的に備え、前記自動変速機の
ケース(300)に設けた油路(308)と、前記中央支持部
材(310)に設けた油路(319)と、前記スリーブ(31
5)に設ける油孔(315a)と、前記中間軸(640)に設け
る半径方向の油孔(645)が互いに対向するように配設
するとともに、前記一方向クラツチ(31)のインナレー
ス(510)にも半径方向の油孔(512)を配設し、前記自
動変速機のケース(300)に設けた油路(308)を潤滑油
の供給装置に連通して成る、自動変速機の一方向クラツ
チの潤滑装置に係るものである。
[作用] 自動変速機のケース内に、該自動変速機の入力部材で
ある入力軸と、変速部材である遊星歯車装置と、出力軸
とを同心的に1列に配設し、自動変速機を組付けようと
すると、遊星歯車装置のシンプルプラネタリギヤセツト
の構成から何重かの同心的軸構成になるため、ケース内
部の各歯車の配置や連結軸の軸構造が複雑になり、組付
も厄介で、潤滑油を集中的に効率よく供給することはむ
つかしい。
そこで本発明においては、入力軸に前端でクラツチを
介して連結される同心的の中間軸群であって、後端でシ
ンプルプラネタリギヤセツトの各要素を支持する中間軸
群を、自動変速機内に着脱自在に配設した中央支持部材
で支持せしめ、潤滑油を前記中央支持部材に設けた油路
を通して一方向クラツチに供給することにより、一方向
クラツチの潤滑を確保し、自動変速機のシンプルプラネ
タリギヤセツト及びクラツチ、一方向クラツチの設計、
設置を容易にした。
また、軸部材(第4の中間軸)が一方向クラツチのイ
ンナレースのために静止したときにも、中央支持部材の
油路を通じて一方向クラツチは強制的に潤滑される。
自動変速機は、入力軸と変速部材の遊星歯車装置との
間にクラツチ、1方向クラツチ等が同心的の軸部材と同
心的に位置するため、前端をクラツチを介して入力軸と
連結すべくし、後端を遊星歯車装置の何れかの歯車に連
結した複数の中間軸は、自動変速機のケースに着脱自在
に配設した中央支持部材に圧入したスリーブに同心的に
かつ回転自在に支承せしめることができるから、中央支
持部材と複数の中間軸との同心的嵌合、および複数の中
間軸と遊星歯車装置を構成する何れかの歯車との連結
を、自動変速機のケースの外で目視でおこなって自動変
速機に組み込むことができて、組付作業が簡単化され
る。
しかも、潤滑油の供給装置と連通する自動変速機のケ
ースに設けた油路と中央支持部材の内部に設けた油路と
の連通は、クラツチやブレーキに油圧を供給する場合と
異なって、供給する油圧が逃げないように供給油圧を正
確に保持までする必要はなく、潤滑に必要な程度の圧力
を保てばよいのであるから、中央支持部材の自動変速機
のケースへの接続は着脱自在とするだけでよく、前記ス
リーブに設ける油孔及び前記中間軸に設ける半径方向の
油孔を介して潤滑油の供給装置に連通する1方向クラツ
チのインナレースの潤滑には、油密を要しない。
なお、上述の( )の符号は図面と対照するものであ
るが、何ら構成を限定するものではない。
[実施例] 以下、図面に基いて本発明の実施例を説明する。
第1図は、本発明を実施する自動変速機の断面図、第
2図はスケルトンを示すもので、まず、第2図を参照し
て全体の概要を説明する。
自動変速機1は、発進装置2と遊星歯車装置を有する
変速機3を備えるが、発進装置2としては本実施例に示
すトルクコンバータの他にも、流体継手、電磁クラツ
チ、多板式クラツチ、遠心クラツチ等の適宜の手段を選
択することができる。
発進装置2は、エンジンの駆動を受けて回転するフロ
ントカバー202の後部に連結されるリヤカバー204,リヤ
カバー204の内周壁面に形成されたポンプインペラ206を
有し、ポンプインペラ206に対向して配設されたタービ
ンランナ208はタービンシエル210に保持され、タービン
シエル210はその内周部で発進装置2の出力部材である
とともに変速機3の入力部材である入力軸240に連結さ
れる。ポンプインペラ206とタービンランナ208との間に
はステータ214が配設され、ステータ214の内周部は一方
向クラツチ216のアウタレースに連結されるとともに、
一方向クラツチ216のインナレースは固定部材である支
持筒230の外周部にとりつけられる。フロントカバー202
とタービンシエル210との間にはフロントカバー202とタ
ービンシエル210とを直結するロツクアツプクラツチ220
を配設する。
変速機3の遊星歯車列は、基本遊星歯車列4aと補助遊
星歯車列4bとを備える。基本遊星歯車列4aは、第1及び
第2のシンプルプラネタリギヤセツト110,120を備え、
第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のキヤリヤ113
と第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のリングギ
ヤ125を連結するシンプソン形の遊星歯車列である。補
助遊星歯車列4bは、1列のシンプルプラネタリギヤセツ
ト130を備え、サンギヤ131を固定してリングギヤ135の
入力をキヤリヤ133に出力する減速装置とサンギヤとリ
ングギヤに入力を与え、キヤリヤに出力するいわゆるス
プリツトタイプの減速装置の機能を有する。
本自動変速機は、摩擦係合要素としての5個のクラツ
チ,3個のブレーキ,3個の一方向クラツチを装備するが、
摩擦係合要素と遊星歯車列の各要素との結合関係は次の
とおりである。
変速機3の入力軸240は、第1のクラツチ11のドラム
に接続し、第1のクラツチ11のハブは第1の中間軸610
を介して第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のリ
ングギヤ115に連結する。第1のクラツチ11のドラムは
第2のクラツチ12のハブを兼ね、第2のクラツチ12のド
ラムは第2の中間軸620を介して第1のシンプルプラネ
タリギヤセツト110のサンギヤ111に連結する。第2のク
ラツチ12のドラムは第4のクラツチ14のドラムとも連結
し、第4のクラツチ14のハブは第3の中間軸630を介し
て第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリヤ1
23に連結する。第4のクラツチ14のドラムは第3のクラ
ツチ13とともに第1の一方向クラツチ31のアウタレース
に連結する。第3のクラツチ13のドラムと第1の一方向
クラツチ31のインナレースは第4の中間軸640を介して
第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のサンギヤ121
に連結する。第3のクラツチ13のドラム外周部には第2
のブレーキ22を配設する。
第1のシンプルプラネタリギヤセツト110のキヤリヤ1
13は第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のリング
ギヤ125に連結するとともに、第1の連結部材150を介し
て補助遊星歯車列4bを構成する第3のシンプルプラネタ
リギヤセツト130のリングギヤ135と一体となる。第2の
シンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリヤ123は第2
の連結部材160を介して第2の一方向クラツチ32と第5
のクラツチ15のハブに連結する。第2の一方向クラツチ
32のアウタレースは、その外周に配設する第3の一方向
クラツチ33のインナレースを兼ね、このレースは第5の
クラツチ15のドラムと一体となつて第3のシンプルプラ
ネタリギヤセツト130のサンギヤ131に連結する。第5の
クラツチ15の外周部に第1のブレーキ21を配設し、第3
の一方向クラツチ33のアウタレースを変速機のケースの
内壁に固着する。
第3のシンプルプラネタリギヤセツト130のキヤリヤ1
33は出力軸800に接続する。
第1図は第2図で説明したスケルトンをもつ自動変速
機の具体的な構造を示す断面図である。
自動変速機1を構成する発進装置2は流体伝動装置で
あつて、エンジン側(以下、エンジン側を「前側」とす
る)に開口するハウジング200の内部に収容される。エ
ンジンの駆動を受けて回転するフロントカバー202の後
部にはリヤカバー204が一体にとりつけられる。リヤカ
バー204の内周壁面にはポンプインペラ206が形成され、
ポンプインペラ206に対向して配設されたタービンラン
ナ208はタービンシエル210に保持される。タービンシエ
ル210はその内周部で連結部材211を介して発進装置2の
出力部材であるとともに変速機3の入力部材である入力
軸240に連結される。ポンプインペラ206とタービンラン
ナ208との間にはステータ214が配設され、ステータ214
の内周部は、一方向クラツチ216のアウタレース215に連
結されるとともに、一方向クラツチ216のインナレース2
17は支持筒230の前端外周部にとりつけられる。フロン
トカバー202とタービンシエル210との間にはロツクアツ
プピストン222をもつロツクアツプクラツチ220を配設す
る。
ハウジング200の後部には変速機3の構成要素を収容
する円筒状のケース300が連結されるが、ハウジング200
と変速機のケース300の接合部にはオイルポンプカバー2
50と仕切板270を介してオイルポンプハウジング260をと
りつける。オイルポンプハウジング260内には外歯歯車2
62と内歯歯車264から成る内接歯車ポンプが収容され、
外歯歯車262の内周部はリヤカバー204と一体の軸266に
連結される。オイルポンプカバー250の中心部は、後方
へ向けて突出する円筒状の支持部252を形成し、この支
持部252の内周部に支持筒230の後部外周部を圧入固定す
る。
支持筒230はその内周部の2つの支点で入力軸を支持
し、入力軸の後端部は径方向に拡がるフランジ部を形成
する。フランジ部の外周部は第1のクラツチドラム410
に連結される。第1のクラツチドラム410の内部には第
1のクラツチ11が収容され、第1のクラツチ11を操作す
るピストン420を配設する。
第1のクラツチドラム410の後側は後向きに開口する
が、ドラム410の前側にクラツチハブ430を固着し、対向
して配設する第2のクラツチドラム440との間に第2の
クラツチ12とピストン450を収容する。第2のクラツチ
ドラム440の内周側はシリンダ部材460と一体であり、こ
のシリンダ部材460はオイルポンプカバー250の支持部25
2により回転自在に支持される。シリンダ部材460の前端
部には第4のクラツチ14とピストン480を収容する第4
のクラツチドラム470を連結する。
第4のクラツチドラム470は、連結部材490を介して第
1の一方向クラツチ31のアウタレース540に連結する。
第4のクラツチ14のハブ500は第3の中間軸630に連結す
る。アウタレース540とその外周側に配設する第3のク
ラツチドラム520との間に第3のクラツチ13を設け、ク
ラツチドラム520内にピストン530を収容する。第3のク
ラツチドラム520の外周部にはバンド式の第2のブレー
キ22を設け、クラツチドラム520のインナシリンダ側は
第1の一方向クラツチ31のインナレース510と一体とな
る。
入力軸240の後端内周部は、ベアリングを介して第1
の中間軸610の先端外周部を支持する。第1の中間軸610
の後端外周部は、ベアリングを介して出力軸800の先端
内周部により支持される。入力軸240及び出力軸800は変
速機のケース300に堅実に支持されるので、これらの軸
により支持する第1の中間軸610の支持剛性も高くな
る。
第1の中間軸610の外周部は円筒状の第2の中間軸620
を2点支持し、第2の中間軸620の外周部は円筒状の第
3の中間軸630を2点支持する。第3の中間軸630の外周
側に同心的に配設する第4の中間軸640は、変速機のケ
ース300の内部の中央部にとりつける中央支持部材310の
内周部により支持する。この中央支持部材310の中心部
は、ケースの前方及び後方へ突出する円筒部に形成さ
れ、前方へ突出する円筒部の外周部にリング部材320を
圧入し、リング部材320の外周部材で第3のクラツチド
ラム520のインナシリンダの内周部を回転自在に支持す
る。
第1の中間軸610の前端部は第1のクラツチ11のハブ4
05に連結し、第2の中間軸620の前端部は第2のクラツ
チ12のクラツチドラム440に連結する。第3の中間軸630
の前端部は第4のクラツチ14のハブ500に連結し、第4
の中間軸の前端部は第3のクラツチ13のドラム520と一
体の第1の一方向クラツチ31のインナレース510に連結
する。4重構造をもつ中間軸は中央支持部材310を貫通
して後側に延び、第1の中間軸610の後端外周部は出力
軸800の先端内周部で支持される。変速機のケース300の
後部には、後部壁330を形成し、この後部壁330の内周部
に後部支持部材350を挿入して固着する。この後部支持
部材350は、変速機のケース300の内部前方へ向けて突出
する円筒部を備え、円筒部の外径は前方へ向けて順次外
径が細くなる複数の段付部に形成される。支持部材350
の円筒部の前端内周部は出力軸800の前部外周部を支持
する。
変速機のケース300の後端部にインロウ係合部360を介
して同心的に嵌合する後部ケース370の後端の内周部
は、ベアリングを介して出力軸800の後部外周部を支持
する。したがつて、出力軸800は2つの支点で確実に支
持され、第1の中間軸610は、前述したように、その前
後端部を入力軸240と出力軸800で確実に支持される。
第2図のスケルトンでも説明したが、4重構造をもつ
中間軸610,620,630,640と出力軸800との連結部の外周部
には3列のシンプルプラネタリギヤセツトが,第2,第1,
第3の順序で配設される。
第1の中間軸610の後端部には連結部材615を介して第
1のシンプルプラネタリギヤセツト110のリングギヤ115
がとりつけられる。第2の中間軸620の後端部には第1
のシンプルプラネタリギヤセツト110のサンギヤ111がと
りつけられ、ピニオンのキヤリヤ軸113は第2のシンプ
ルプラネタリギヤセツト120のリングギヤ125と連結す
る。第2のシンプルプラネタリギヤセツト120のキヤリ
ヤ軸123の一端部は第3の中間軸630に連結し、他端部は
第2の連結部材160を介して第2の一方向クラツチ32の
インナレース700に連結する。
第4の中間軸640の後端部には第2のシンプルプラネ
タリギヤセツト120のサンギヤ121を形成する。第2のシ
ンプルプラネタリギヤセツトのリングギヤ125は、第1
の連結部材150を介して第3のシンプルプラネタリギヤ
セツト130のリングギヤ135と一体となる。
第1の連結部材150の外側に配設する第2の連結部材1
60の外周部には、多板式の第3のブレーキ23を配設し、
ピストン550を中央支持部材310の後側の壁面内に収容す
る。
第2の連結部材160に結合するインナレース700の外周
側にスプラグとアウタレース710を配設して第2の一方
向クラツチ32を構成する。このアウタレース710の外周
側にはさらに他のスプラグとアウタレース720を配設し
て第3の一方向クラツチ33を構成する。すなわちレース
710はアウタレースとインナレースを兼用する部材であ
つて、2個の一方向クラツチ32と33の中間に介在するの
で、本明細書中ではミドルレース710と称する。インナ
レース700はクラツチハブ730と一体となり、ミドルレー
ス710は第5のクラツチドラム740に連結する。第5のク
ラツチドラム740内に第5のクラツチ15とピストン750を
収容する。
第3の一方向クラツチ33のアウタレース720の外周部
はケース300の内周面にスプライン係合し、第5のクラ
ツチドラム740の外周部にはバンド式の第1のブレーキ2
1を配設する。第5のクラツチドラム740に一体のインナ
シリンダと一体の軸部材760は、その内周部を後部支持
部材350の外周部で支持するとともに、その先端部に第
3のシンプルプラネタリギヤセツト130のサンギヤ131を
とりつける。
第3のシンプルプラネタリギヤセツト130のピニオン
を支持するキヤリヤの軸133は、出力軸800の前端部に形
成した連結部に支持される。この出力軸800の後部ケー
ス370内の外周部には、パーキング用のギヤ810とスピー
ドメータ用ドライブギヤ830がとりつけられ、パーキン
グ用のギヤ810の外側にはギヤ810に結合する爪820を配
設する。出力軸の後端部には連結部材850をナツト855で
固着する。
変速機のケース300と後部ケース370の内部の要部には
回転部材の回転数を検出する回転センサ305,306を配設
して摩擦係合要素を制御するための情報を得る。
変速機のケース300の底部には図示しない油圧制御装
置をとりつけ、オイルパンを兼ねるカバー309で覆う。
本発明の自動変速機は以上のように、摩擦係合要素と
して5個のクラツチと、3個のブレーキと、3個の一方
向クラツチを備えて前進5速後進1速を達成するが、第
1表は各変速段における各摩擦係合要素の係合状態を示
す。
第1表中で○印は摩擦係合要素が係合することを示
し、(○)印はエンジンブレーキ時に係合することを示
す。なお、4A速段は4速と同じ変速比をもち、5速へ変
速される直前に出現する変速段である。
本発明は以上のような構造を有する自動変速機の一方
向クラツチの潤滑装置に関するものであつて、以下、そ
の具体的な構造を第3図に基いて説明する。
変速機のケース300の内部の中央部にとりつける中央
支持部材310は、その外周部で、リング部材308′により
ケース300に固着される。中央支持部材の内周部は、ケ
ースの前方及び後方へ突出する円筒部313,314に形成さ
れ、前方へ突出する円筒部313の外周部にリング部材320
を圧入する。リング部材320は鉄製のもので、油路322を
設けてある。リング部材320は円筒形状をしているので
製作も容易であり、高精度に加工できる。中央支持部材
310の内周部にはスリーブ315を圧入する。
スリーブ315は鉄製の円筒状のもので、その内周部で
2個のラジアルベアリング642,643によつて第4の中間
軸640を支持する。第4の中間軸640は固定部材であるス
リーブ315により2点支持するので、支持剛性は高い。
第4の中間軸640の後端外周部には第2のシンプルプラ
ネタリギヤセツトのサンギヤ121を形成する。
第4の中間軸640の前端外周部は、スプライン644を介
して部材510を係合する。この部材510はその外周部が第
1の一方向クラツチ31のインナレースを兼ねるととも
に、ドラム520のインナシリンダ524に連結する。ドラム
520は、第3のクラツチ13のサーボ用のピストン530を収
容するとともに、アウタシリンダ522の外周部にはバン
ド式の第2のブレーキ22を配設する。即ち、このドラム
520はブレーキドラムとクラツチドラムを兼ねる。
ドラム520のインナシリンダ524の内周部はリング部材
320により支持される。
第3のクラツチ13のハブを外周部に形成する部材540
は、第1の一方向クラツチ31のアウタレースを兼ねる。
第4の中間軸640の内周側には3本の中間軸610は、そ
の外周部で第2の中間軸620を支持し、第2の中間軸620
その外周部で第3の中間軸630を支持する。
第1の中間軸610は、軸心部に潤滑油供給用の油路614
を有し、半径方向適所にも油孔616,617を設けてある。
第2の中間軸620、第3の中間軸630にも、第1の中間軸
610の油孔617に連通する位置に油孔623,632を形成す
る。
第1図及び第2図で説明したように、第1の中間軸61
0は常時回転するので、いわゆる遠心油圧が発生し、半
径方向の油孔616,617を介して外側に配設する部材を潤
滑することができる。この潤滑油の一部は、インナレー
ス510に設ける油孔512を介して第1の一方向クラツチ31
の摺動面にも送られる。
第1表にも示したが、第1の一方向クラツチ31は、各
変速段で次のように作動する。
1速段 ロツク 2速段 フリー 3速段 一体回転 4速段 一体回転 5速段 フリー 後速段 一体回転 従つて、2速段、5速段のときに摺動回転することに
なり、潤滑油を最も必要とする。
2速段のときには、第4の中間軸640とともにインナ
レース510は回転するので、遠心油圧を利用して潤滑を
することが、5速段のときは、第4の中間軸640とイン
ナレース510は静止するので、遠心油圧を利用できな
い。しかも、5速段は使用頻度も高く、使用時間も長い
ので、他の潤滑装置を必要とする。
本発明においては、5速段で第4の中間軸640が静止
することを利用して、中央支持部材310を介して強制潤
滑経路を構成するものである。
中央支持部材310の変速機ケース300の底面と接する壁
に油路319を設け、ケース300の油路308を介して潤滑油
の供給装置に連通する。中央支持部材310のの油路319
は、内側でスリーブ315に設ける油孔315aと連通する。
第4の中間軸640にも半径方向の油孔645を形成する。
潤滑油の供給装置から圧送される潤滑油は、油路308,
319を通り、スリーブ315の油孔315aから第4の中間軸64
0とスリーブ315の間隙に送られ、ラジアルベアリング64
2,643を潤滑する。潤滑油の一部は、第4の中間軸640に
設ける油孔645を通つて第3の中間軸630との間の間隙に
圧送され、インナレース510の油孔512を介して第1の一
方向クラツチ31を強制的に潤滑する。この潤滑の際に、
特に5速段のときには第4の中間軸640が静止するの
で、油孔645を介して軸の外側から内側に容易に潤滑油
を送り込むことができる。
第4の中間軸640が回転する場合には、遠心油圧を利
用して軸心側から供給する潤滑油を第1の一方向クラツ
チ31へ送る。
〔発明の効果〕
本発明は以上のように、一方向クラツチへの潤滑油の
供給経路を2系統設けてあるので、充分な潤滑を達成で
きる。特に、固定部材である中央支持部材に設ける潤滑
装置は一方向クラツチのインナレースが静止して遠心油
圧が利用できないときにでも確実な潤滑を達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施する自動変速機の断面図、 第2図は本発明を実施する自動変速機の概要を示す説明
図、 第3図は要部の部分断面図である。 1……自動変速機、2……発進装置、31……第1の一方
向クラツチ、300……ケース、310……中央支持部材、31
5……スリーブ、315a,512,645……油孔、319……油路、
510……インナレース、640……第4の中間軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−190960(JP,U) 実開 昭63−28956(JP,U) 実開 昭58−132258(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 57/00 - 57/12 F16H 3/00 - 3/78

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動変速機のケース内に、該自動変速機の
    入力部材である入力軸と、変速部材である遊星歯車装置
    と、出力軸とを同心的に一列に配設し、前端を前記入力
    軸と少なくとも一方向クラツチを介して連結した中間軸
    の後端を前記遊星歯車装置の一要素に連結し、前記出力
    軸の前端を前記遊星歯車装置の他の一要素に連結した自
    動変速機の一方向クラツチの潤滑装置において、 前記自動変速機のケース内に該ケースとは着脱自在に配
    設された中央支持部材と、該中央支持部材の内周部に圧
    入されたスリーブとを同心的に備え、 前記中間軸は、前記一方向クラツチのインナレースに連
    結されるとともに前記スリーブの内周に同心的かつ回転
    自在に支持されるものであって、 さらに、前記自動変速機のケースに設けた油路と、該油
    路に連通し前記中央支持部材に設けた油路と、該油路に
    連通し前記スリーブに設けた油孔と、該油孔に対向する
    ように配置され前記中間軸に設けた油孔と、該油孔に連
    通し前記インナレースに設けた油路とを備えたことを特
    徴とする自動変速機の一方向クラツチの潤滑装置。
  2. 【請求項2】前端を前記入力軸とクラツチを介して連結
    した第1の中間軸の後端を前記遊星歯車装置の第1のシ
    ンプルプラネタリギヤセツトのリングギヤに連結し、前
    記出力軸の前端を前記遊星歯車装置の第3のシンプルプ
    ラネタリギヤセツトのキヤリヤに連結し、前記第1の中
    間軸に同心的に回転自在に外設した第2の中間軸の前端
    をクラツチを介して前記入力軸に連結するとともに、後
    端を前記遊星歯車装置の第1のシンプルプラネタリギヤ
    セツトのサンギヤに連結し、前記第2の中間軸に同心的
    に回動自在に外設した第3の中間軸の前端をクラツチを
    介して前記入力軸に連結するとともに、後端を前記遊星
    歯車装置の第2のシンプルプラネタリギヤセツトのキヤ
    リヤに連結するとともに、第3のシンプルプラネタリギ
    ヤセツトのサンギヤに連結し、前記第3の中間軸に同心
    的に回動自在に外設した第4の中間軸の前端をクラツチ
    及び一方向クラツチのインナレースを介して連結すると
    ともに、前記遊星歯車装置の第2のシンプルプラネタリ
    ギヤセツトのサンギヤに連結し、かつ第2のシンプルプ
    ラネタリギヤセツトのリングギヤを第3のシンプルプラ
    ネタリギヤセツトのリングギヤに連結したことを特徴と
    する、請求項1に記載の自動変速機の一方向クラツチの
    潤滑装置。
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