JPH053659U - 自動変速機の潤滑装置 - Google Patents
自動変速機の潤滑装置Info
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- JPH053659U JPH053659U JP5858491U JP5858491U JPH053659U JP H053659 U JPH053659 U JP H053659U JP 5858491 U JP5858491 U JP 5858491U JP 5858491 U JP5858491 U JP 5858491U JP H053659 U JPH053659 U JP H053659U
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- lubricating oil
- hydraulic
- oil passage
- oil
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 作動油の供給時にクラッチドラム内のピスト
ンが摺動して動力伝達経路を接続する油圧クラッチが備
えられた自動変速機において、上記油圧クラッチの締結
時に駆動力が伝達される被駆動部材に対して、総潤滑油
量を増加させることなく適切な潤滑油を供給しうる潤滑
装置を提供することを目的する。 【構成】 3−4クラッチ43の締結時に駆動力が伝達
されるロングピニオンシャフト72に潤滑油を供給する
上流側油路87aと下流側油路87bとをクラッチドラ
ム61に設ける。そして、これらの上流側油路87a及
び下流側油路87bを油圧ピストン66の締結時に連通
させて、上流側油路87aに作用する作動油を下流側油
路87bを介して上記ロングピニオンシャフト72に供
給するように構成する。
ンが摺動して動力伝達経路を接続する油圧クラッチが備
えられた自動変速機において、上記油圧クラッチの締結
時に駆動力が伝達される被駆動部材に対して、総潤滑油
量を増加させることなく適切な潤滑油を供給しうる潤滑
装置を提供することを目的する。 【構成】 3−4クラッチ43の締結時に駆動力が伝達
されるロングピニオンシャフト72に潤滑油を供給する
上流側油路87aと下流側油路87bとをクラッチドラ
ム61に設ける。そして、これらの上流側油路87a及
び下流側油路87bを油圧ピストン66の締結時に連通
させて、上流側油路87aに作用する作動油を下流側油
路87bを介して上記ロングピニオンシャフト72に供
給するように構成する。
Description
【0001】
この考案は自動変速機の潤滑装置、特に自動変速機に備えられた油圧クラッチ
の締結時に駆動力が伝達される被駆動部材に対して潤滑油を供給するための潤滑
装置に関する。
【0002】
一般に車両に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを
組み合わせ、この変速歯車機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキなどの複数
の摩擦要素の選択的締結により切り換えて、所定の変速段に自動的に変速するよ
うに構成したもので、この種の自動変速機には上記摩擦要素として、例えば実開
平3−22160号公報に示されるような油圧クラッチが使用されることがある
。この種の油圧クラッチは、概ね、タービンシャフトなどの入力側部材に結合さ
れたクラッチドラムと、ピニオンシャフトなどの出力側部材に結合されたクラッ
チハブと、このクラッチハブの外周部分と上記クラッチドラムの内周部分とに交
互にスプライン係合された複数の摩擦板と、上記クラッチドラム内における摩擦
板の一側方に配置されて油圧の作用時に上記摩擦板を締結される油圧ピストンと
、上記クラッチドラムと一体回転するスプリングリテーナの一端側が受止されて
上記ピストンを反締結方法に付勢するリターンスプリングとを備えた構成とされ
る。そして、上記油圧ピストンの背部に形成される油圧室に作動油を供給するこ
とにより、その作動油圧よって油圧ピストンがリターンスプリングの付勢力に抗
して上記摩擦板を互いに摩擦係合させて締結状態となる。また、上記油圧室内の
作動油を排出することにより、上記ピストンがリターンスプリングで押し戻され
、これにより上記摩擦板の締結状態が解放されることになる。
【0003】
一方、この種の自動変速機においては、変速歯車機構の加熱を防止するために
潤滑油が供給されるようになっているが、この潤滑油を供給するための手段とし
ては、上記公報にも示されているように、オイルポンプを駆動するポンプシャフ
トと中空状のタービンシャフトとの間に形成された潤滑油供給通路内の油を、ポ
ンプシャフトとタービンシャフトとの回転によって生じる遠心力により、タービ
ンシャフトの半径方向に設けられた貫通孔から流出させて変速歯車機構の各部に
供給するのが通例である。
【0004】
ところで、この種の自動変速機においては、油圧クラッチが締結して被駆動部
材に駆動力が伝達されているときに、その被駆動部材に対して多くの潤滑油を供
給するのが望ましい場合がある。このような要求に対しては、予め潤滑油の総供
給量を多めに調整しておくことも考えられるが、そうすると通常時においては潤
滑油が無駄に消費されることになる。
【0005】
この考案は作動油の供給時にクラッチドラム内のピストンが摺動して動力伝達
経路を接続する油圧クラッチが備えられた自動変速機における上記の実情に対処
するもので、上記油圧クラッチの締結時に駆動力が伝達される被駆動部材に対し
て、総潤滑油量を増加させることなく適切な潤滑油を供給しうる潤滑装置を提供
することを目的としている。
【0006】
すなわち、本願の請求項1の考案(以下、第1考案という)に係る自動変速機
の潤滑装置は、作動油の供給時にクラッチドラム内のピストンが摺動して動力伝
達経路を接続する油圧クラッチを備えた自動変速機において、上記油圧クラッチ
の締結時に駆動力が伝達される被駆動部材への潤滑用油路を上記クラッチドラム
に形成する。そして、上記ピストンが締結位置に移動したときに上記潤滑用油路
を開いて上記被駆動部材に対して潤滑油が供給されるように構成する。
【0007】
また、本願の請求項2の考案(以下、第2考案という)に係る自動変速機の潤
滑装置は、作動油の供給時にクラッチドラム内のピストンが摺動して動力伝達経
路を接続する油圧クラッチを備えた自動変速機において、上記油圧クラッチにお
けるクラッチドラムに、潤滑油供給油路に連通されて該クラッチの締結時に駆動
力が伝達される被駆動部材へ潤滑油を供給する第1油路と、同じく上記潤滑油供
給油路に連通されて油圧クラッチを潤滑する第2油路とを形成する。そして、上
記ピストンが締結位置に移動したときに上記第2油路を閉ざして第1油路を介し
て上記被駆動部材へ供給される潤滑油が増量されるように構成する。
【0008】
なお、上記油圧クラッチにはクラッチドラムに対するピストンの相対移動量を
増大させる付勢部材を設けてもよい。
【0009】
まず、第1考案によれば油圧クラッチの締結時に、クラッチドラムに設けた潤
滑用油路が開いて被駆動部材に対して潤滑油が供給されることになる。これによ
り、特に潤滑が必要とされる動力伝達状態のときに潤滑油量が増量することにな
って確実な潤滑性能が得られると共に、不要な潤滑油の消費も節約されることに
なる。
【0010】
また、第2考案によれば潤滑が不要となる油圧クラッチの締結時に、油圧クラ
ッチを潤滑するための潤滑油が被駆動部材に対して振り替えられることになるの
で、潤滑油供給能力を上げることなく被駆動部材に対する潤滑油供給量が増大す
ることになる。
【0011】
そして、クラッチドラムに対するピストンのの相対移動量を増大させる付勢部
材を油圧クラッチに設けることにより、上記の効果がより確実に得られると共に
、非締結時におけるピストンクリヤランスの増加が抑えられることになって、締
結操作の際の応動性が不必要に損なわれることもない。
【0012】
以下、本考案の実施例について説明する。
【0013】
まず、図1により第1〜第3実施例に共通する自動変速機の機械的構成を説明
すると、この自動変速機10はエンジン1の出力軸2に連結されたトルクコンバ
ータ20と、その出力トルクが入力される変速歯車機構30と、該機構30の動
力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキなどの複数の摩擦締結要素41〜4
6及びワンウェイクラッチ51,52とを有し、これらにより走行レンジとして
のD,S,L,Rの各レンジと、Dレンジでの1〜4速、Sレンジでの1〜3速
、Lレンジでの1,2速とが得られるようになっている。
【0014】
上記トルクコンバータ20は、エンジン出力軸2に連結されたケース21内に
固設されたポンプ22と、該ポンプ22に対向配置されたタービン23と、変速
機ケース3にワンウェイクラッチ24を介して支持されてトルクを増大するステ
ータ25と、上記ケース21とタービン23との間に介設されたロックアップク
ラッチ26とを有する。そして、上記タービン23の回転がタービンシャフト2
7を介して変速歯車機構30側に出力されるようになっている。ここで、上記エ
ンジン出力軸2にはタービンシャフト27内を貫通するポンプシャフト4が連結
され、該シャフト4により変速機後端部に備えられたオイルポンプ5が駆動され
るようになっている。
【0015】
一方、上記変速歯車機構30は周知のラピニョ型プラネタリギヤ装置で構成さ
れ、上記タービンシャフト27上に遊嵌合された小径のスモールサンギヤ31と
、該サンギヤ32の後方において同じくタービンシャフト27上に遊嵌合された
大径のラージサンギヤ32と、上記スモールサンギヤ31に噛合された複数個の
ショートピニオンギヤ33と、このピニオンギヤ33に前半部が噛合されると共
に後半部が上記ラージサンギヤ32に噛合されたロングピニオンギヤ34と、該
ロングピニオンギヤ34及び上記ショートピニオンギヤ33を回転自在に支持す
るキャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34の前半部に噛合されたリングギヤ3
6とで構成されている。
【0016】
そして、上記タービンシャフト27とスモールサンギヤ31との間に、フォワ
ードクラッチ41と第1ワンウェイクラッチ51とが直列に接続され、またこれ
らのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ42が介設されていると共に
、タービンシャフト27とキャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ32との間にリバースクラ
ッチ44が介設されている。また、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ
44との間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキでなる2−4ブレ
ーキ45が設けられていると共に、上記キャリヤ35と変速機ケース3との間に
は、該キャリヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ52と、キャリ
ヤ35を固定するローリバースブレーキ46とが並列に設けられている。そして
、上記リングギヤ36に連結された出力ギヤ6を介して回転動力が出力されるよ
うになっている。
【0017】
以上の各摩擦締結要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52の作動と
変速段との関係をまとめると、次の表1のようになる。
【0018】
【表1】
そして、上記3−4クラッチ43が次のように構成されている。
【0019】
まず、図2を用いて第1〜第3実施例に共通する部分を説明すると、この3−
4クラッチ43は、胴部61aの内周面にスプラインが形成されたクラッチドラ
ム61と、変速歯車機構30におけるキャリヤ35と一体に設けられ、かつその
外周面にスプラインが形成されたクラッチハブ62と、該クラッチハブ62及び
クラッチドラム61のスプラインに交互に係合された複数の摩擦板63…63,
64…64と、上記クラッチドラム61内における摩擦板63…63,64…6
4の一方の側方に配置されて、クラッチドラム61との間に形成された油圧室6
5への油圧の作用時に上記摩擦板63…63,64…64を圧接して摩擦係合さ
せる油圧ピストン66と、クラッチドラム61の上記胴部61aの一端部に係合
されて上記摩擦板63…63,64…64の摩擦係合時にリテーニングプレート
67に作用する締結力を受け止めるスナップリング68と、同じくクラッチドラ
ム61のボス部61bに固設されたスプリングリテーナ69と、このスプリング
リテーナ69と上記油圧ピストン66との間に介設されて該ピストン66を反締
結方向に付勢するリターンスプリング70とを有する。そして、上記スナップリ
ング68とリテーニングプレート67との間には、その外周部がクラッチドラム
61の上記スプラインに係合されたディッシャプレート71が介設されている。
【0020】
また、上記クラッチドラム61における上記ボス部61bがタービンシャフト
27にスプライン係合されていると共に、上記クラッチハブ62と一体のキャリ
ヤ35が、被駆動部材としてのロングピニオンシャフト72に係合されている。
このロングピニオンシャフト72には、ニードルベアリング73…73を介して
ロングピニオンギヤ34が自転可能に支持されており、このロングピニオンギヤ
34の前半部には、上記タービンシャフト27に遊嵌合されたアウトプットシャ
フト74にスプライン係合されたアウトプットシェル75に固設されたリングギ
ヤ36が噛合されていると共に、その後半部にはラージサンギヤ32が噛合され
ている。
【0021】
上記ロングピニオンシャフト72の軸方向には、上記クラッチドラム61内に
形成されたクラッチ室76に臨んで開口する潤滑油導入路77が形成されている
と共に、この潤滑油導入路77の先端部分には該ピニオンシャフト72の半径外
方向に開口する複数の油路78,78が接続されている。つまり、上記潤滑油導
入路77に流入した潤滑油は各油路78,78を通ってロングピニオンギヤ34
の内側へ流出し、ロングピニオンシャフト72とロングピニオンギヤ34との間
を潤滑するようになっている。また、上記ロングピニオンシャフト72のクラッ
チ室76側の端部には、上記潤滑油導入路77へ潤滑用の油を案内するガイド部
材79が固設されている。
【0022】
このような構造とされた3−4クラッチ43において、上記油圧ピストン66
の背部の油圧室65に上記クラッチドラム61に設けた作動油通路80を介して
作動油を供給すると、その作動油圧によって上記ピストン66がリターンスプリ
ング70の付勢力に抗して図のX方向に移動し、摩擦板63…63,64…64
を押圧することになる。この場合、摩擦板63…63,64…64の他側に配置
されたリテーニングプレート67とスナップリング68との間にはディッシャプ
レート71が介設されていることから、図の鎖線で示すようにディッシャプレー
ト71が上記押圧力を受けて変形し、その反力と油圧ピストン66の押圧力がバ
ランスしたときに摩擦板63…63,64…64が完全締結することになる。こ
れにより、ピストンクリヤランスを損なうことなく、クラッチドラム61に対す
る油圧ピストン66の相対移動量が大きく確保されることになる。
【0023】
そして、第1実施例においては、上記変速歯車機構30を潤滑するために次の
ような構成とされている。
【0024】
すなわち、ポンプシャフト4に遊嵌合された中空状のタービンシャフト27に
は、変速歯車機構30に潤滑油を供給するための複数のシャフト貫通孔81…8
1が適宜の位置に形成されていると共に、これらのシャフト貫通孔81…81に
はポンプシャフト4とタービンシャフト27の間に形成した潤滑油供給通路82
を介して潤滑油が供給されるようになっている。そして、上記シャフト貫通孔8
1…81の一つがクラッチドラム61に設けた潤滑油室83に連通されていると
共に、この潤滑油室83が潤滑油路84を介して上記ガイド部材79によって画
成された空間85に連通されている。
【0025】
一方、上記クラッチドラム61上を摺動する油圧ピストン66のピストンハブ
66aには、クラッチドラム61を臨む空洞86が設けられいると共に、クラッ
チドラム61に上記油圧室65に通じる作動油通路80から分岐して設けた上流
側油路87aが上記空洞86に臨んで開口されている。また、クラッチドラム6
1には、上記ガイド部材79で囲まれた上記空間85に通じる下流側油路87b
が形成されていると共に、この下流側油路87bが小径のオリフィスを介して上
記ピストンハブ66aに臨んで開口されている。
【0026】
このような構成によれば、上記3−4クラッチ43の被締結時においては、上
記潤滑油室83に供給される潤滑油が潤滑油路84を介して上記空間85に流出
し、この潤滑油がガイド部材79で案内されて上記ロングピニオンシャフト72
における潤滑油導入路77に流入して、ロングピニオンシャフト72の回りを潤
滑するようになっている。
【0027】
一方、3−4クラッチ43の完全締結時には、油圧ピストン66が図の鎖線の
状態にまで移動することになる。したがって、クラッチドラム61における上流
側油路87aと下流側油路87bとがピストンハブ66aの空洞86を介して連
通されることになって、クラッチ締結用の作動油の一部が下流側通路87bを通
って上記空間85に流出し、上記潤滑油路54から流出する潤滑油と共にロング
ピニオンシャフト72回りを潤滑することになる。これにより、ロングピニオン
シャフト72の潤滑用の油の総量が増量することになる。
【0028】
また、上流側油路87aから空洞86に流出した作動油は、オリフィスを介し
て下流側油路87bに流出することになるので、3−4クラッチ43の締結用圧
力が大幅に低下することがない。
【0029】
なお、この実施例においては、別の潤滑系統を通ってクラッチ室76に潤滑油
が供給されるようになっている、
次に、図3に基づいて第2実施例について説明するのであるが、この第2実施
例においては潤滑構造の細部を除いては上記第1実施例と基本的な構造は異なら
ないので、第1実施例と重複する部分の説明は省略すると共に、共通する要素に
ついての符号も第1実施例を援用する。
【0030】
すなわち、この第2実施例においても、クラッチドラム61に外嵌されたピス
トンハブ66aには、クラッチドラム61を臨む空洞86が形成されている。
【0031】
そして、この実施例においては、タービンシャフト27におけるシャフト貫通
孔81…81を介して潤滑油が供給される潤滑油室83に臨んで開口する上流側
油路88aがクラッチドラム61に設けられていると共に、この上流側油路88
aの他端が上記空洞86に連通するように開口されている。また、クラッチドラ
ム61には、上記第1実施例と同様に、上記ガイド部材79で囲まれた空間85
に通じる下流側油路88bが形成されている。そして、この下流側油路88bの
他端が上記ピストンハブ66aに臨んで開口されている。
【0032】
このような構成によれば、上記3−4クラッチ43の非締結時においては、上
記タービンシャフト27におけるシャフト貫通孔81…81を通って変速歯車機
構30に向けて流出する潤滑油によってロングピニオンシャフト72の回りが潤
滑されるようになっている。
【0033】
一方、3−4クラッチ43の完全締結時には、油圧ピストン66が図の鎖線の
状態にまで移動することになる。したがって、クラッチドラム61における上流
側油路88aと下流側油路88bとがピストンハブ66aの空洞86を介して連
通されることになって、潤滑油供給通路82から潤滑油室83に供給される潤滑
油が下流側通路88bを通って上記空間85に流出し、この流出した潤滑油が上
記ガイド部材79に案内されてロングピニオンシャフト72の潤滑油導入路77
に供給されることになる。これにより、ロングピニオンシャフト72回りが集中
的に潤滑されることになる。
【0034】
このように3−4クラッチ43の締結時にのみロングピニオンシャフト72に
潤滑油がされることになるので、全体の潤滑油量が少ない場合に有効である。
【0035】
なお、この実施例においても、別の潤滑系統を通ってクラッチ室76に潤滑油
が供給されるようになっている。
【0036】
次に、図4に基づいて第3実施例について説明する。なお、この第3実施例に
おいても潤滑構造の細部を除いては上記第1実施例と基本的な構造は異ならない
ので、第1実施例と重複する部分の説明は省略すると共に、共通する要素につい
ての符号も第1実施例を援用する。
【0037】
すなわち、この第3実施例においては、クラッチドラム61には、タービンシ
ャフト27におけるシャフト貫通孔81…81を介して潤滑油が供給される潤滑
油室83に臨んで、クラッチ室76をロングピニオンシャフト72に固設したガ
イド部材79で画成した空間85に通じる第1潤滑油路89と、非締結時におけ
る油圧ピストン66のピストンハブ66aに干渉しない位置に開口された第2潤
滑油路90とがそれぞれ開口されている。
【0038】
このような構成によれば、上記3−4クラッチ43の非締結時においては、上
記潤滑油室83に供給される潤滑油が第1,第2潤滑油路89,90を介して流
出する。そして、第1潤滑油路89から流出した潤滑油がガイド部材79で案内
されて上記ロングピニオンシャフト72における潤滑油導入路77に流入して、
ロングピニオンシャフト72の回りを潤滑するようになっている。また、第2潤
滑油路から流出した潤滑油は、摩擦板63…63,64…64などを潤滑するよ
うになっている。
【0039】
一方、3−4クラッチ43の完全締結時には、油圧ピストン66が図の鎖線の
状態にまで移動することになる。したがって、上記第2潤滑油路90がピストン
ハブ66aで閉鎖されることになって、第1潤滑油路89を通って流出する潤滑
油の総量が増量することになる。
【0040】
以上のように、本願の第1考案によれば、油圧クラッチの締結時に、クラッチ
ドラムに設けた潤滑用油路が開いて被駆動部材に対して潤滑油が供給されること
になる。これにより、特に潤滑が必要とされる動力伝達状態のときに潤滑油量が
増量することになって確実な潤滑性能が得られると共に、不要な潤滑油の消費も
節約されることになる。
【0041】
また、第2考案によれば潤滑が不要となる油圧クラッチの締結時に、油圧クラ
ッチを潤滑するための潤滑油が被駆動部材に対して振り替えられることになるの
で、潤滑油供給能力を上げることなく被駆動部材に対する潤滑油供給量が増大す
ることになる。
【0042】
そして、クラッチドラムに対するピストンのの相対移動量を増大させる付勢部
材を油圧クラッチに設けることにより、上記の効果がより確実に得られると共に
、非締結時におけるピストンクリヤランスの増加が抑えられることになって、締
結操作の際の応動性が不必要に損なわれることもない。
【図1】 第1〜第3実施例に共通する自動変速機の骨
子図である。
子図である。
【図2】 第1実施例における3−4クラッチの周辺の
構成を示す一部拡大断面図である。
構成を示す一部拡大断面図である。
【図3】 第2実施例における3−4クラッチの周辺の
構成を示す一部拡大断面図である。
構成を示す一部拡大断面図である。
【図4】 第3実施例における3−4クラッチの周辺の
構成を示す一部拡大断面図である。
構成を示す一部拡大断面図である。
10 自動変速機
43 3−4クラッチ
61 クラッチドラム
66 油圧ピストン
71 ディッシャプレート
72 ロングピニオンシャフト
87a,88a 上流側油路
87b,88b 下流側油路
89 第1潤滑油路
90 第2潤滑油路
Claims (3)
- 【請求項1】 作動油の供給時にクラッチドラム内のピ
ストンが摺動して動力伝達経路を接続する油圧クラッチ
が備えられた自動変速機の潤滑装置であって、上記油圧
クラッチの締結時に駆動力が伝達される被駆動部材への
潤滑用油路が上記クラッチドラムに形成されていると共
に、上記ピストンが締結位置に移動したときに上記潤滑
用油路を開いて上記被駆動部材に対して潤滑油が供給さ
れるように構成されていることを特徴とする自動変速機
の潤滑装置。 - 【請求項2】 作動油の供給時にクラッチドラム内のピ
ストンが摺動して動力伝達経路を接続する油圧クラッチ
が備えられた自動変速機の潤滑装置であって、上記油圧
クラッチにおけるクラッチドラムに、潤滑油供給油路に
連通されて該クラッチの締結時に駆動力が伝達される被
駆動部材へ潤滑油を供給する第1油路と、同じく上記潤
滑油供給油路に連通されて油圧クラッチを潤滑する第2
油路とが形成されていると共に、上記ピストンが締結位
置に移動したときに上記第2油路を閉ざして第1油路を
介して上記被駆動部材へ供給される潤滑油が増量される
ように構成されていることを特徴とする自動変速機の潤
滑装置。 - 【請求項3】 クラッチドラムに対するピストンの相対
移動量を増大させる付勢部材を設けたことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の自動変速機の潤滑装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5858491U JPH053659U (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 自動変速機の潤滑装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5858491U JPH053659U (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 自動変速機の潤滑装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH053659U true JPH053659U (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=13088519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5858491U Pending JPH053659U (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 自動変速機の潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH053659U (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7845480B2 (en) | 2006-09-07 | 2010-12-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Frictional coupling device support structure and transmission |
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1991
- 1991-06-29 JP JP5858491U patent/JPH053659U/ja active Pending
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