JP2910634B2 - シールド掘進機による切羽面の切削方法及びシールド掘進機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、シールド掘進機
による切羽面の切削方法及びシールド掘進機に関し、特
に、面状のカッターフェイスを備えたシールド掘進機に
よる切羽面の切削方法、及び面状のカッターフェイスを
備えたシールド掘進機に関する。

【０００２】

【従来の技術】特に都市土木の分野において、地下水の
存在する地盤や、比較的軟弱な地盤中にトンネルを掘削
形成する方法として、シールド掘進機を用いたトンネル
工法が知られている。このシールド掘進機を用いたトン
ネル工法は、シールド掘進機により切羽面を掘削しなが
ら、その後方にセグメントと呼ばれるトンネルの内壁面
を覆う覆工体を順次組み立て、かかる覆工体によりトン
ネル内壁面を防護するとともに、この覆工体から推進反
力を得つつトンネルを掘削形成して行くものである。

【０００３】そして、このシールド掘進機を用いたトン
ネル工法は、例えば、シールド掘進機の先端部分に設け
られたカッターディスクすなわちカッターフェイスを、
トンネルの切羽面に押しつけながら旋回駆動し、このカ
ッターフェイスに取り付けた多数のカッタービットによ
って切羽面の地山を切削し、切削土砂をカッターフェイ
スの後方に設けた隔室内に取り込むとともに、取り込ん
だ土砂を排泥管やスクリュウコンベア等を介して後方に
排除しつつトンネルの掘削作業を行ってゆくものであ
る。

【０００４】ここで、かかるシールド掘進機に設けられ
るカッターフェイスは、対象とする地山の土質条件や掘
削方法等によって、スポークタイプ、面板タイプ、ドー
ムタイプなどの種々の形状のものが採用されている。こ
のうち平面状のカッターフェイスを備える面板タイプ
や、球面状のカッターフェイスを備えるドームタイプの
シールド掘進機によれば、これらの面状のカッターフェ
イスの表面に植設された多数のカッタービットにより切
羽面を切削し、この切削土砂を、カッターフェイスの表
面に形成されたスリット開口を介してカッターフェイス
の後方の隔室内に取り込みながら掘削作業が行なわれる
ことになる。

【０００５】一方、このようなシールド掘進機を用いた
トンネル工法は、近年、大深度化、長距離化が指向され
ており、かかる長距離施工に対応すべく、カッターフェ
イスに取り付けられるカッタービットの切削機能を長時
間保持することが不可欠の事項となってきている。この
ため、従来は、長期間の使用により磨耗したり損傷して
切削機能が低減したカッタービットを適宜交換し、新し
いカッタービットを用いて掘削作業を再開することによ
り、カッターフェイスの切削機能を維持する方法が採用
されていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そして、上記従来のカ
ッタービットを交換する方法によれば、上記面板タイプ
やドームタイプ、あるいはスポークタイプのカッターフ
ェイスを有するいわゆる密閉式のシールド掘進機では、
各工区間における掘進作業の進行途中において、作業員
がカッターフェイスの前面に直接立入ることは困難であ
るため、かかるカッタービットの交換作業を行なうに
は、地盤改良等の特殊な補助工法を別途施工する必要が
ある。また、トンネルの延長上にカッタービットの交換
用の立坑を設け、この立坑内にシールド掘進機の前面を
到達させてカッタービットの交換作業を行なう方法も採
用されている。

【０００７】しかしながら、かかる従来のカッタービッ
トを交換する方法では、特にトンネルの深度が深い場合
には、上記特殊な補助工法や立坑の設置作業等に多くの
工期と工費を必要として経済的な施工を行なうことがで
きないという課題があった。また、特に、地盤改良等の
特殊な補助工法を施工しつつ地中において交換作業を行
なう場合には、好ましくない作業環境下での交換作業を
強いられることになるおそれがあるという課題あった。

【０００８】そこで、この発明は、このような従来の課
題に着目してなされたもので、カッターフェイスによる
切削機能を長期間保持して、シールド掘進機による長距
離のトンネル掘削作業を可能とし、これによってカッタ
ービットの交換作業を容易に省略あるいは軽減すること
のできるシールド掘進機による切羽面の切削方法を提供
することを目的とするものである。

【０００９】また、この発明は、カッターフェイスによ
る切削機能を長期間保持して、長距離のトンネル掘削作
業を容易に行なうことのできるシールド掘進機を提供す
ることを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、面状のカ
ッターフェイスを備えたシールド掘進機による切羽面の
切削方法であって、周面に切削チップを多数埋設固定し
た円筒状部材としてのシェルビットを、前記カッターフ
ェイスの旋回中心軸から径方向外方に向かう直線上に位
置する回転軸を中心として、回動固定可能に構成すると
ともに、当該シェルビットを、前記切削チップを含む周
縁部分の一部を前記カッターフェイスから前方に突出さ
せた状態で配設固定し、前記カッターフェイスの旋回駆
動により切羽面の切削作業を行なう際に、前記シェルビ
ットの固定を適宜解除してこれを所定の角度回動して再
び固定し、かかるシェルビットの回動固定を繰り返しな
がら、前記カッターフェイスから前方に突出する前記シ
ェルビットの周縁部分及び切削チップを入れ換えつつ切
羽面の切削作業を行なうことを特徴とするシールド掘進
機による切羽面の切削方法にある。

【００１１】また、この発明の切羽面の切削方法は、前
記シェルビットの回動を、前記カッターフェイスの旋回
に伴なって前記径方向とは垂直な方向に生じる前記シェ
ルビットと切羽面との間の接触抵抗を介して、前記シェ
ルビットを自転させることにより行なうことが好まし
い。

【００１２】さらに、この発明の他の要旨は、面状のカ
ッターフェイスを備えたシールド掘進機において、前記
カッターフェイスが、周面に切削チップを多数埋設固定
した円筒状部材としてのシェルビットを含み、該シェル
ビットを、前記カッターフェイスの旋回中心軸から径方
向外方に向かう直線上に位置する回転軸を中心として回
動可能に構成するとともに、当該シェルビットを、前記
切削チップを含む周縁部分の一部を前記カッターフェイ
スから前方に突出させた状態で配設し、かつ、前記シェ
ルビットの端面には、前記回転軸の周囲に所定の角度間
隔毎に複数の係止孔を設けるとともに、前記カッターフ
ェイスには、これに固定される、前記シェルビットの端
面に向かって突出進退することにより前記係止孔と着脱
自在に嵌合係止するストッパ部材を設けることを特徴と
するシールド掘進機にある。

【００１３】そして、この発明によれば、周面に沿って
切削チップを多数埋設固定したシェルビットは、固定状
態においてその周縁部分の一部をカッターフェイスの表
面から前方に突出させ、この突出部分に位置する切削チ
ップによって切羽面の切削作業が行われる。そして、ト
ンネルの掘進作業の進行に伴って、適宜シェルビットの
固定を解除し、これを所定角度回動させた後再び固定す
れば、この回動によって、前記カッターフェイスの表面
から前方に突出して切削作業に寄与する切削チップは、
カッターフェイスの後方に位置して磨耗や損傷の少ない
切削チップと順次入れ換わってゆくことになる。すなわ
ち、この発明によれば、円筒状のシェルビットの周面に
多数埋設固定された切削チップを、シェルビットを回転
して交換しつつ略均等に使用することにより、一個の切
削チップが負担することになる切削量を軽減し、これに
よってカッターフェイスによる切削機能を長期間保持す
ることができる。

【００１４】なお、上記シェルビットは、カッターフェ
イスの面状の表面に対して、配設するのに必要な面積を
確保し得る位置を選定しつつ、カッターフェイスの略全
域に亘って多数配設することができるが、特に、切削摺
動距離の長いカッターフェイスの外縁部分に集中的に配
設することにより、面状のカッターフェイスの表面に通
常配設されているカッタービットを効率良く補完し、こ
れらのカッタービットの切削負荷を軽減して、かかるカ
ッタービットの磨耗や損傷を容易に低減することができ
る。すなわち、上記シェルビットは、これをカッターフ
ェイスの全体に亘って設置してカッターフェイスの切削
機能を長期間保持することもでき、また、通常のカッタ
ービットと併用することによって切削機能を長期間維持
することもできる。

【００１５】また、上記シェルビットの回動は、カッタ
ーフェイスから前方に突出したシェルビットの周縁部分
の一部と、切羽面との間の接触抵抗を介して、カッター
フェイスを旋回駆動することにより容易に行なうことが
できる。

【００１６】さらに、この発明のシールド掘進機によれ
ば、シェルビットの端面において回転軸の周囲に所定の
角度間隔毎に設けられた複数の係止孔、及び前記カッタ
ーフェイスに固定配置される、前記シェルビットの端面
に向かって突出進退することにより前記係止孔と着脱自
在に嵌合係止するストッパ部材からなる係止手段と、前
記カッターフェイスの旋回駆動に伴なうシェルビットの
自転とによって、シェルビットを容易に回動固定して行
くことができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態である一実施例について、添付図面を参照しつつ詳細
に説明する。この実施例にかかるシールド掘進機２０
は、図１に正面図として示すように、面板タイプのカッ
ターフェイス１を備えるシールド掘進機として既に公知
の掘進機を基本構成とするもので、このシールド掘進機
２０は、例えば泥水式のシールド掘進機であって、かか
る泥水式のシールド掘進機２０によれば、平面状のカッ
ターフェイス１の表面に多数植設されたカッタービット
５により、円形のカッターフェイス１を旋回駆動しなが
ら切羽面の切削作業を行なうとともに、切削土砂を、カ
ッターフェイス１の表面に形成したスリット開口３を介
して、カッターフェイス１の後方に設けられている隔室
内に取り込み、取り込んだ土砂を、送泥管を経て掘進機
２０の後方から隔室に給送されてくる泥水に混合して、
この泥水とともに、排泥管を介してシールド掘進機２０
の後方に排出しながら掘進作業が行われる。

【００１８】なお、この泥水式のシールド掘進機２０に
よれば、シールド掘進機２０の後方には、掘削後のトン
ネル内壁面を覆うセグメントと呼ばれる覆工体を組み立
てて、周囲の地山を崩壊から防護するとともに、組み立
てたセグメントからシールド掘進機２０の推進反力を得
つつ、トンネルの掘削作業を行ってゆく。

【００１９】そして、この実施例のシールド掘進機２０
は、上記従来より公知の面板タイプのカッターフェイス
１を備えるシールド掘進機の構成に加えて、周面に沿っ
て超硬チップ８を多数埋設固定した円盤状の中実円筒状
部材としてのシェルビット６を、カッターフェイス１の
表面の外縁部分に、当該外縁部分に沿って１２体備え、
また各シェルビット６は、カッターフェイス１の旋回中
心軸４から径方向外方に向かう直線上に位置する回転軸
９を中心として回動可能に取り付けられている。

【００２０】すなわち、シェルビット６は、図２及び図
３に拡大して示すように、例えば鋼やニッケルクロムモ
リブデン等からなる、直径に比して厚さの比較的小さい
中実円筒状の母材７の周面に、例えばタングステンカー
バイド等からなる超硬チップ８を、１２分割された３０
°の角度間隔毎に、母材７の厚さ方向に延長させつつ、
周面から突出させた状態で１２箇所平行に埋設固定して
なるもので、またこのシェルビット６は、回転軸９によ
って支持されて、カッターフェイス１の表面のシェルビ
ット開口１３を介して、シェルビット６の周縁部分の一
部を、カッターフェイス１の表面から前方に突出させた
状態で取り付けられている。したがって、シェルビット
６は、回転軸９を中心として回動することにより、カッ
ターフェイス１の表面から突出するシェルビット６の周
縁部分の位置及びこれに固定される超硬チップ８を適宜
変更することができるようになっている。

【００２１】また、このシェルビット６には、これの両
端面を貫通するようにして、回転軸９の周囲に、９０°
の角度間隔毎に４箇所の係止孔７ａが穿孔形成されてお
り、この係止孔７ａは、後述するストッパ部材ととも
に、シェルビット６の回動を係止固定するための係止手
段を構成することになる。

【００２２】なお、シェルビット６を軸受する回転軸９
は、例えば鋼製の丸棒からなり、カッターフェイス１の
背面側において、シェルビット開口１３を挟んで突出固
定された一対の支持ブラケット１４間に架設支持され
て、シェルビット６を、これの周縁部分の一部をシェル
ビット開口１３からカッターフェイス１の表面に突出さ
せた状態で強固に支持する。

【００２３】さらに、カッターフェイス１の背面側に
は、係止孔７ａが設けられたシェルビット６の端面と対
向する位置に、支持架台１５により支持される油圧シリ
ンダー１２によって、シェルビット６の端面に向かって
突出進退するストッパピン１１が設けられている。な
お、この油圧シリンダー１２とストッパピン１１とによ
りストッパ部材が構成されている。

【００２４】したがって、ストッパピン１１が突出し
て、シェルビット６の４箇所の係止孔７ａのうち任意の
一つの係止孔７ａと嵌合係止することによって、シェル
ビット６を、超硬チップ８により切羽面を切削可能な状
態に固定することができるとともに、ストッパピン１１
を後退させて係止孔７ａとの係合を解除すれば、シェル
ビット６は回動可能な状態となり、所定の角度回動させ
た後再びストッパピン１１を突出し、隣接する係止孔７
ａと嵌合係止することによって、カッターフェイス１の
表面から突出するシェルビット６の周縁部分の位置及び
これに固定される超硬チップ８を容易に交換変更できる
ことになる。

【００２５】そして、上記構成を有するシールド掘進機
２０によれば、カッターフェイス１の表面の外縁部分に
配設されるシェルビット６を、上記係止孔７ａとストッ
パ部材１１とを嵌合係止してこれの周縁部分の一部をカ
ッターフェイス１から突出した状態で固定した後、カッ
ターフェイス１を旋回駆動して、当該周縁部分の超硬チ
ップ８により切羽面の切削作業を行なう。

【００２６】かかる切削作業を所定距離行ったら、切削
作業を一旦停止し、ストッパピン１１を後退して係止孔
７ａとストッパピン１１との係合を解除するとともに、
カッターフェイス１をゆっくりと旋回すれば、回転軸９
とは垂直な方向の切羽面との間の接触抵抗により、シェ
ルビット６には、回転軸９を中心とするモーメント力が
作用して自転することになるので、このようにしてシェ
ルビット６を例えば９０°回動した後、ストッパピン１
１を再び前進突出して係止孔７ａと係合すれば、カッタ
ーフェイス１の表面から突出する超硬チップ８が入れ換
った状態でシェルビット６が固定されて、交換された超
硬チップ８によって切羽面の切削作業が行われることに
なる。

【００２７】すなわち、この実施例の切羽面の切削方法
によれば、円筒状のシェルビット６の周面に多数埋設固
定された超硬チップ８を、シェルビット６を適宜回動固
定して交換しつつ略均等に使用することにより、一個の
超硬チップ８が負担することになる切削量を軽減し、こ
れによってカッターフェイス１による切削機能を長期間
容易に保持することができる。

【００２８】なお、この発明のシールド掘進機による切
羽面の切削方法は、上記構成を有するシールド掘進機２
０を用いた場合の切削方法に限定されるものではない。

【００２９】また、上記実施例では、面板タイプのカッ
ターフェイス１を備える泥水式のシールド掘進機２０に
ついてこの発明を適用する場合について記載したが、こ
の発明は、かかる実施の形態に限定されるものではな
く、その他の面板タイプのものやドームタイプのシール
ド掘進機など、面状のカッターフェイスを備えるシール
ド掘進機であれば、あらゆる掘進機に容易に適用するこ
とができ、また泥水式のシールド掘進機２０に限らず、
土圧式等種々の形式のシールド掘進機に採用することが
できる。

【００３０】さらに、上記実施例では、シェルビット６
を、切削摺動距離の長いカッターフェイス１の外縁部分
にのみ配設して、カッターフェイス１の表面に多数配設
された通常のカッタービット５を効率良く補完しつつ切
削作業を行う場合について記載したが、この発明はかか
る実施の形態に限定されるものではなく、カッターフェ
イス１の表面において、シェルビット６を配設するのに
必要な面積を確保し得る位置であれば、任意の位置にシ
ェルビット６を設けることができ、また、かかるシェル
ビット６は、カッターフェイス１の全域に亘り多数配設
して使用することもできる。

【００３１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
切羽面の切削方法によれば、周面に切削チップを多数埋
設固定したシェルビットを、カッターフェイスの旋回中
心軸から径方向外方に向かう直線上に位置する回転軸を
中心として、回動固定可能に構成し、シェルビットを適
宜回動して使用する切削チップを入れ換えつつ切羽面の
切削作業を行なうので、カッターフェイスによる切削機
能を長期間保持して、シールド掘進機による長距離のト
ンネル掘削作業を可能とし、これによってカッタービッ
トの交換作業を容易に省略あるいは軽減することができ
る。

【００３２】また、シェルビットの回動は、シェルビッ
トと切羽面との間の接触抵抗を介して、カッターフェイ
スを旋回することにより当該シェルビットを自転させつ
つ容易に行なうことができる。

【００３３】さらに、この発明のシールド掘進機によれ
ば、周面に切削チップを多数埋設固定したシェルビット
を、カッターフェイスの旋回中心軸から径方向外方に向
かう直線上に位置する回転軸を中心として、容易に回動
固定して行くことができるので、切削チップを適宜交換
使用することによりカッターフェイスによる切削機能を
長期間保持して、長距離のトンネル掘削作業を容易に行
なってゆくことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかる面板タイプのシー
ルド掘進機の概略の構成を示す正面図である。

【図２】シェルビットのカッターフェイスへの取り付け
状況を示す、図１のＡ−Ａに沿った断面図である。

【図３】シェルビットのカッターフェイスへの取り付け
状況を示す、図１のＢ−Ｂに沿った断面図である。

【符号の説明】

１ カッターフェイス ６ シェルビット ７ａ 係止孔 ８ 超硬チップ ９ 回転軸 １１ ストッパピン（ストッパ部材） １２ 油圧シリンダー（ストッパ部材） ２０ シールド掘進機

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 面状のカッターフェイスを備えたシール
   ド掘進機による切羽面の切削方法であって、周面に切削
   チップを多数埋設固定した円筒状部材としてのシェルビ
   ットを、前記カッターフェイスの旋回中心軸から径方向
   外方に向かう直線上に位置する回転軸を中心として、回
   動固定可能に構成するとともに、当該シェルビットを、
   前記切削チップを含む周縁部分の一部を前記カッターフ
   ェイスから前方に突出させた状態で配設固定し、前記カ
   ッターフェイスの旋回駆動により切羽面の切削作業を行
   なう際に、前記シェルビットの固定を適宜解除してこれ
   を所定の角度回動して再び固定し、かかるシェルビット
   の回動固定を繰り返しながら、前記カッターフェイスか
   ら前方に突出する前記シェルビットの周縁部分及び切削
   チップを入れ換えつつ切羽面の切削作業を行なうことを
   特徴とするシールド掘進機による切羽面の切削方法。
2. 【請求項２】 前記シェルビットの回動を、前記カッタ
   ーフェイスの旋回に伴なって前記径方向とは垂直な方向
   に生じる前記シェルビットと切羽面との間の接触抵抗を
   介して、前記シェルビットを自転させることにより行な
   うことを特徴とする請求項１に記載のシールド掘進機に
   よる切羽面の切削方法。
3. 【請求項３】 面状のカッターフェイスを備えたシール
   ド掘進機において、前記カッターフェイスが、周面に切
   削チップを多数埋設固定した円筒状部材としてのシェル
   ビットを含み、該シェルビットを、前記カッターフェイ
   スの旋回中心軸から径方向外方に向かう直線上に位置す
   る回転軸を中心として回動可能に構成するとともに、当
   該シェルビットを、前記切削チップを含む周縁部分の一
   部を前記カッターフェイスから前方に突出させた状態で
   配設し、かつ、前記シェルビットの端面には、前記回転
   軸の周囲に所定の角度間隔毎に複数の係止孔を設けると
   ともに、前記カッターフェイスには、これに固定され
   る、前記シェルビットの端面に向かって突出進退するこ
   とにより前記係止孔と着脱自在に嵌合係止するストッパ
   部材を設けることを特徴とするシールド掘進機。