JP3649536B2 - カッタヘッド及びトンネル掘削機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転しながら前方の地盤に押しつけられることでこの地盤を破砕するカッタヘッド、並びに、このカッタヘッドを用いてトンネルを形成するトンネルボーリングマシンやシールド掘削機などのトンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に一般的なトンネルボーリングマシンの断面概略、図5にこのトンネルボーリングマシンの正面視、図6に従来のカッタヘッドに装着されたディスクカッタの取付状態を表す正面視、図7にディスクカッタの取り外し工程を表す概略を示す。
【0003】
トンネルボーリングマシン(以下、TBMと称する。)において、図4及び図5に示すように、掘削機本体は円筒形状をなす前胴11と後胴12とから構成されており、この前胴11はリング形状をなし、前部に軸受13によってカッタヘッド14が回転自在に装着されている。このカッタヘッド14は前面部に交差するように複数のカッタスポーク15が固定されており、各カッタスポーク15には岩盤をせん断破壊するディスクカッタ16が多数枢着されると共に、掘削面を掻き取るスクレーパ17が取付けられ、また、スクレーパ17に隣接して破砕した岩片や土砂などのずりを取り込む開口18が形成されている。そして、このカッタヘッド14の後部には内歯を有するリングギヤ19が一体に固定される一方、前胴11には電動式あるいは油圧式のカッタ旋回モータ20が固定されており、このカッタ旋回モータ20の駆動ギヤ21がリングギヤ19に噛み合っている。
【0004】
また、前胴11には掘削して発生したずりが内部に浸入しないようにバルクヘッド22が固定されることで、チャンバ室23が形成されている。そして、このチャンバ室23内にはディスクカッタ16が破砕したずりを外部に搬出するスクリューコンベヤ24が配設されている。
【0005】
従って、カッタ旋回モータ20を駆動して駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛み合うリングギヤ19が回転し、リングギヤ19と一体のカッタヘッド14を旋回し、各ディスクカッタ16が岩盤をせん断破壊して掘削することができる。そして、スクレーパ17が掘削面を掻き取り、発生したずりを開口18から前胴11の内部に取り込むことができる。そして、カッタヘッド14の開口18からチャンバ室23に取り込まれたずりはスクリューコンベヤ24によって外部に排出することができる。
【0006】
また、前胴11の後部外周辺には円周方向に複数のシールドジャッキ25が並設されており、このシールドジャッキ25が掘進方向後方に伸長し、既設トンネル内周面に組付けられた既設のセグメントSに押し付けることで、その反力により前胴11を前進することができる。一方、前胴11にはセグメントエレクタ26が設けられており、このセグメントエレクタ26はシールドジャッキ25によって前進した前胴11と既設のセグメントSとの間の空所に新しいセグメントSを装着してトンネルを構築することができる。更に、前胴11の後方に位置する後胴12はリング形状をなし、前胴11とこの後胴12との間には複数の方向制御ジャッキ27が架設されている。この方向制御ジャッキ27を伸縮することで、カッタヘッド14を有する前胴11が後胴12に対して屈曲し、その掘進方向を変更することができる。
【0007】
このように構成されたTBMによってトンネルを掘削するには、まず、カッタ旋回モータ20を駆動してカッタヘッド14を回転駆動させながら、各シールドジャッキ25を伸長して前胴11と共にカッタヘッド14を前方へ移動させる。すると、旋回するカッタヘッド14のディスクカッタ16が岩盤をせん断破壊し、この岩盤を掘削する。そして、このディスクカッタ16の岩盤掘削によって生じたずりはチャンバ室23内に取り込まれ、スクリューコンベヤ26によって外部に排出される。
【0008】
このように各シールドジャッキ25を所定ストローク伸長すると、次に、このシールドジャッキ25のいずれか一つを収縮して、既設のセグメントSとの間の空所を形成し、セグメントエレクタ26がこの空所に新しいセグメントSを装着してトンネルを構築する。この作動の繰り返しによって連続してトンネルを掘削していく。ま
【0009】
ところで、近年、掘削形成するトンネルは長距離化の傾向にあり、TBMによる掘削作業中にカッタヘッド14に装着されたディスクカッタ16が摩耗し、土砂の掘削抵抗が増大して掘削効率が低下したり、掘削不能になってしまう。そのため、このディスクカッタ16が摩耗した場合には、掘削作業を停止して摩耗したディスクカッタ16を交換しなければならない。従来、ディスクカッタ16を切羽側へ取り外して交換していたが、この場合、掘削機を後退させてカッタヘッド14と切羽との間に作業空間を確保しなければならず、交換作業に長時間を要ししまう。また、作業者が機外へ出なければならず、危険が伴ってしまう。
【0010】
そこで、ディスクカッタ16を機内側へ取り外して交換可能としたものが提案されている。図6に従来のディスクカッタの取付構造を表す概略を示す。図6に示すように、ディスクカッタ16は一体に形成された回転軸16aがサドル31にキャップ32によって回転自在に支持されており、このサドル31がカッタスポーク15の所定の取付開口部15aに位置するように多数の固定ボルト33によって固定されている。
【0011】
ところが、このような従来のディスクカッタの取付構造にあっては、切羽からディスクカッタ16に作用する掘削反力はサドル31を固定した固定ボルト33の弛緩方向に作用しており、ディスクカッタ16による地盤の破砕中に固定ボルト33が緩んでしまい、このディスクカッタ16によって効率よく地盤を破砕することができない虞がある。
【0012】
そのため、この改良案としてディスクカッタ16を機内側へ取り外して交換可能とした別のものが提案されている。図7に従来の別のディスクカッタの取付構造を表す概略を示す。図7に示すように、ディスクカッタ16は一体に形成された回転軸16aがサドル36に回転自在に支持されており、このサドル36がカッタスポーク15の所定の取付開口部15aに位置し、このカッタスポーク15と一体のフランジ15bに多数の固定ボルト37によって固定されている。
【0013】
従って、切羽からディスクカッタ16に作用する掘削反力はサドル36を介してフランジ15bに作用することとなり、このサドル36を固定した固定ボルト37の弛緩方向に作用することはなく、このディスクカッタ16は効率よく地盤を破砕することができる。そして、磨耗したディスクカッタ16を交換するには、固定ボルト37を弛緩してサドル36の固定を解除してから、ディスクカッタ16をサドル36と共にほぼ90度回動することで、サドル36と取付開口部15aとが適合し、このサドル36を取付開口部15aから機内側に取り外すことができる。その後、新しいディスクカッタが装着されたサドルを前述とは逆の手順で組み付けることで、交換が終了する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなTBMにおけるディスクカッタの交換作業にあっては、多数の固定ボルト37を取り外し、ディスクカッタ16をサドル36と共にほぼ90度回動してからカッタスポーク15の取付開口部15aを通して磨耗したディスクカッタ16と共にサドル36を取り外し、新しいディスクカッタが取付けられたサドルを、再び取付開口部15aに嵌合して多数の固定ボルト37によって固定していた。この場合、前述したように、ディスクカッタ16には切羽から掘削反力が作用しているため、この掘削反力が作用したままでディスクカッタ16を回動するには大きな力が必要となり、専用の治具を用いなければならず、作業が面倒である。また、一般的にディスクカッタ19は95kg程度であって、サドル36は75kg程度あり、大重量物である両者の取り外し作業と取り付け作業は多くの手間と労力を要し、作業時間も長くかかってしまい作業性が良くない。そして、作業者はチャンバ室23内の狭い空間で重量物であるディスクカッタ16及びサドル36の交換作業を行わなければならず、不自由で危険な作業となって作業者にかかる負担が大きくなってしまうという問題があった。更に、ディスクカッタ16の摩耗とは関係のないサドル36まで交換することとなり、高コストとなってしまう。
【0015】
このような問題を解決するものとして、例えば、特開昭63−130896号公報に開示されたものがある。これは、ディスクカッタの支持軸をサドルに形成されたキー溝に挿入すると共に横方向に移動してテーパ面に押し付けた状態で、このキー溝にテーパキーを挿入し、多数の固定ボルトによってこのテーパキーをサドルに固定することで、ディスクカッタを支持するようにしたものである。この構造によれば、ディスクカッタの交換時に、ディスクカッタを若干横方向に移動するだけで、このディスクカッタのみを取り外すことができる。ところが、サドルと共にディスクカッタが固定されたスポークには、ディスクカッタの交換時にこのディスクカッタを横方向に移動するためのスペースを確保しなければならず、スポークが大型化して掘削土砂の流動性が悪化してしまうという問題がある。また、カッタへヘッドの回転方向によっては、ディスクカッタの横方向の移動が制限され、磨耗したディスクカッタを交換することができない場合がある。
【0016】
本発明はこのような問題を解決するものであって、ディスクカッタの交換作業を簡単且つ短時間で行うことで、交換作業能率の向上を図ると共に構造の簡素化を図ったカッタヘッド並びにトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明のカッタヘッドは、掘削機本体の前部に装着されて地盤を掘削する複数のディスクカッタが装着されたカッタヘッドにおいて、カッタヘッド本体に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするものである。
【0018】
従って、カッタヘッドに装着されたディスクカッタを交換するには、サドルに固定された押えフランジを取り外してから、サドルのテーパ部に係合した軸受固定金具を取り外すことで、ディスクカッタの回転軸を支持する軸受金具が脱落し、サドルに支持されたディスクカッタの回転軸を抜き取ってこのディスクカッタのみをカッタヘッドから取り外すことができ、別のディスクカッタの回転軸をサドルの第1半割り軸受部に挿入してこの回転軸に第2半割り軸受部が嵌合するように軸受金具をサドルの切欠部に嵌合し、軸受固定金具をテーパ部に係合することで軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定して軸受固定金具の移動を阻止することで、ディスクカッタの交換が完了する。
【0019】
また、本発明のトンネル掘削機は、筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進手段と、前記掘削機本体の前部に駆動回転自在に装着されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを駆動回転するカッタヘッド駆動手段と、前記カッタヘッドの前面部に固定された放射状をなすスポークと、回転軸が一体に形成された円盤状をなすディスクカッタと、前記スポークの所定の位置に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするものである。
【0020】
従って、このトンネル掘削機によって地盤を掘削する場合、カッタヘッド駆動手段によってカッタヘッドを駆動回転させながら、まず、推進手段によって掘削機本体を前進させることで、カッタヘッドが前方の地盤を掘削してトンネルを掘削する。そして、カッタヘッドに装着されたディスクカッタが磨耗してを交換が必要な場合には、サドルに固定された押えフランジを取り外してから、サドルのテーパ部に係合した軸受固定金具を取り外すことで、ディスクカッタの回転軸を支持する軸受金具が脱落し、サドルに支持されたディスクカッタの回転軸を抜き取ってこのディスクカッタのみをカッタヘッドから取り外すことができ、別の新しいディスクカッタの回転軸をサドルの第1半割り軸受部に挿入してこの回転軸に第2半割り軸受部が嵌合するように軸受金具をサドルの切欠部に嵌合し、軸受固定金具をテーパ部に係合することで軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定して軸受固定金具の移動を阻止することで、ディスクカッタの交換が完了する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1に本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたディスクカッタの取付構造を表す概略、図2に本実施形態のディスクカッタの取付状態を表す断面、図3に本実施形態のディスクカッタの取付方法を表す概略を示す。
【0023】
本実施形態のトンネルボーリングマシン(TBM)のカッタヘッドにおいて、図1及び図2に示すように、ディスクカッタ41は、円盤形状をなして回転軸42が一体に形成されている。一方、カッタヘッド40に固定された左右一対のカッタスポーク43の間にサドル44が図示しないボルト等によって固定されている。このサドル44は門型形状をなし、ディスクカッタ41の回転軸42を支持する第1半割り軸受部44aと、この第1半割り軸受部44aに連通する切欠部44bと、左右一対のテーパ部44cと、取付開口44dとが形成されている。軸受金具45は上面部にディスクカッタ41の回転軸42を支持する第2半割り軸受部45aが形成されて、サドル44の切欠部44bに嵌脱自在となっている。
【0024】
また、左右一対の軸受固定金具46はサドル44のテーパ部44cに係脱自在であって、この各軸受固定金具46がテーパ部44cに係合したときには、サドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45の脱落を阻止することができ、左右の軸受固定金具46の間に空間部が形成されるようになっている。そして、押えフランジ47は各軸受固定金具46がサドル44のテーパ部44cに係合したときに両者の間に形成される空間部に嵌脱自在な凸部47aが形成され、この凸部47aが各軸受固定金具46の間の空間部に嵌入した状態で固定ボルト48によってサドル44に固定することで、テーパ部44cに係合した各軸受固定金具46の移動を阻止している。
【0025】
ここで、カッタヘッド40にディスクカッタ41を取付ける手順について説明する。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、カッタヘッド40のスポーク43に固定されたサドル44に対してディスクカッタ41を装着するとき、回転軸42をサドル44の第1半割り軸受部44aに挿入し、この状態で、図3(b)に示すように、サドル44の切欠部44bに軸受金具45を嵌合することで、ディスクカッタ41の回転軸42に第2半割り軸受部45aを密着させる。このようにしてディスクカッタ41の回転軸42はサドル44の第1半割り軸受部44aと軸受金具45の第2半割り軸受部45aによって支持される。次に、図3(c)に示すように、サドル44のテーパ部44cに左右一対の軸受固定金具46を係合することでサドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45の脱落を阻止する。そして、図3(d)に示すように、各軸受固定金具46がサドル44のテーパ部44cに係合したときに両者の間に形成される空間部に押えフランジ47の凸部47aを嵌入し、この状態で、図3(e)に示すように、固定ボルト48によってこの押えフランジ47をサドル44に固定することで、図3(f)に示すように、押えフランジ47によってテーパ部44cに係合した各軸受固定金具46の移動が阻止される。
【0027】
このようにしてカッタヘッド40のサドル44に取付けられたディスクカッタ41において、図2に示すように、切羽からカッタヘッド40に作用するラジアル方向の荷重は、回転軸42を支持している軸受金具45を介して各軸受固定金具46とサドル44のテーパ部44cとの間で受け止めることとなり、また、切羽からカッタヘッド40に作用するスラスト方向の荷重は、回転軸42を支持している軸受金具45とサドル44の切欠部44bの側面との間で受け止めることとなる。従って、これらのラジアル荷重及びスラスト荷重は直接固定ボルト48に引張力として作用することはなく、この固定ボルト48が弛緩することはない。更に、ディスクカッタ41を支持しているサドル44はカッタヘッド40に固定された左右一対のカッタスポーク43の間に位置しており、サドル44に掘削反力が作用しても、このサドル44の変形が防止される。
【0028】
なお、カッタヘッド40のサドル44に取付けられたディスクカッタ41を取り外すには、前述と逆の手順によって行えばよいものである。即ち、図3(f)に示す状態から、図3(e)に示すように、固定ボルト48を弛緩し、図3(d)に示すように、各軸受固定金具46の間の空間部から押えフランジ47の凸部47aを抜き取ることで、サドル44のテーパ部44cに係合した軸受固定金具46の拘束を解除する。そして、図3(c)に示すように、サドル44のテーパ部44cすら各軸受固定金具46と取り出し、更に、図3(b)に示すように、サドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45を外すことで、第2半割り軸受部45aによるディスクカッタ41の回転軸42の支持を解除し、図3(a)に示すように、ディスクカッタ41(回転軸42)をカッタヘッド40のスポーク43に固定されたサドル44(第1半割り軸受部44a)から取り外すことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように本発明のカッタヘッドによれば、ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルをカッタヘッド本体に固定し、第2半割り軸受部が形成された軸受金具をこのサドルの切欠部に嵌合することで、各半割り軸受部によってディスクカッタの回転軸を支持し、軸受固定金具をサドルのテーパ部に係合することで切欠部に嵌合した軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定することでテーパ部に係合した軸受固定金具の移動を阻止したので、ディスクカッタのみを容易に着脱自在とすることでディスクカッタの交換作業を簡単、且つ、短時間で行って交換作業能率の向上を図ることができると共に、ディスクカッタの取付構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
また、本発明のトンネル掘削機によれば、推進手段によって前進可能な掘削機本体の前部にカッタヘッド駆動手段によって駆動回転自在なカッタヘッドを装着し、ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルをこのカッタヘッドの前面部に固定されたスポークに固定し、第2半割り軸受部が形成された軸受金具をこのサドルの切欠部に嵌合することで、各半割り軸受部によってディスクカッタの回転軸を支持し、軸受固定金具をサドルのテーパ部に係合することで切欠部に嵌合した軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定することでテーパ部に係合した軸受固定金具の移動を阻止したので、ディスクカッタのみを容易に着脱自在とすることでディスクカッタの交換作業を簡単、且つ、短時間で行って交換作業能率の向上を図ることができると共に、ディスクカッタの取付構造の簡素化を図ることができ、その結果、掘削作業効率の低下を防止して作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたディスクカッタの取付構造を表す概略図である。
【図2】本実施形態のディスクカッタの取付状態を表す断面図である。
【図3】本実施形態のディスクカッタの取付方法を表す概略図である。
【図4】一般的なトンネルボーリングマシンの断面概略図である。
【図5】トンネルボーリングマシンの正面図である。
【図6】従来のカッタヘッドに装着されたディスクカッタの取付状態を表す正面図である。
【図7】ディスクカッタの取り外し工程を表す概略図である。
【符号の説明】
40 カッタヘッド
41 ディスクカッタ
42 回転軸
43 スポーク
44 サドル
44a 第1半割り軸受部
44b 切欠部
44c テーパ部
45 軸受金具
45a 第2半割り軸受部
46 軸受固定金具
47 押えフランジ
48 固定ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転しながら前方の地盤に押しつけられることでこの地盤を破砕するカッタヘッド、並びに、このカッタヘッドを用いてトンネルを形成するトンネルボーリングマシンやシールド掘削機などのトンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に一般的なトンネルボーリングマシンの断面概略、図5にこのトンネルボーリングマシンの正面視、図6に従来のカッタヘッドに装着されたディスクカッタの取付状態を表す正面視、図7にディスクカッタの取り外し工程を表す概略を示す。
【0003】
トンネルボーリングマシン(以下、TBMと称する。)において、図4及び図5に示すように、掘削機本体は円筒形状をなす前胴11と後胴12とから構成されており、この前胴11はリング形状をなし、前部に軸受13によってカッタヘッド14が回転自在に装着されている。このカッタヘッド14は前面部に交差するように複数のカッタスポーク15が固定されており、各カッタスポーク15には岩盤をせん断破壊するディスクカッタ16が多数枢着されると共に、掘削面を掻き取るスクレーパ17が取付けられ、また、スクレーパ17に隣接して破砕した岩片や土砂などのずりを取り込む開口18が形成されている。そして、このカッタヘッド14の後部には内歯を有するリングギヤ19が一体に固定される一方、前胴11には電動式あるいは油圧式のカッタ旋回モータ20が固定されており、このカッタ旋回モータ20の駆動ギヤ21がリングギヤ19に噛み合っている。
【0004】
また、前胴11には掘削して発生したずりが内部に浸入しないようにバルクヘッド22が固定されることで、チャンバ室23が形成されている。そして、このチャンバ室23内にはディスクカッタ16が破砕したずりを外部に搬出するスクリューコンベヤ24が配設されている。
【0005】
従って、カッタ旋回モータ20を駆動して駆動ギヤ21を回転駆動すると、この駆動ギヤ21が噛み合うリングギヤ19が回転し、リングギヤ19と一体のカッタヘッド14を旋回し、各ディスクカッタ16が岩盤をせん断破壊して掘削することができる。そして、スクレーパ17が掘削面を掻き取り、発生したずりを開口18から前胴11の内部に取り込むことができる。そして、カッタヘッド14の開口18からチャンバ室23に取り込まれたずりはスクリューコンベヤ24によって外部に排出することができる。
【0006】
また、前胴11の後部外周辺には円周方向に複数のシールドジャッキ25が並設されており、このシールドジャッキ25が掘進方向後方に伸長し、既設トンネル内周面に組付けられた既設のセグメントSに押し付けることで、その反力により前胴11を前進することができる。一方、前胴11にはセグメントエレクタ26が設けられており、このセグメントエレクタ26はシールドジャッキ25によって前進した前胴11と既設のセグメントSとの間の空所に新しいセグメントSを装着してトンネルを構築することができる。更に、前胴11の後方に位置する後胴12はリング形状をなし、前胴11とこの後胴12との間には複数の方向制御ジャッキ27が架設されている。この方向制御ジャッキ27を伸縮することで、カッタヘッド14を有する前胴11が後胴12に対して屈曲し、その掘進方向を変更することができる。
【0007】
このように構成されたTBMによってトンネルを掘削するには、まず、カッタ旋回モータ20を駆動してカッタヘッド14を回転駆動させながら、各シールドジャッキ25を伸長して前胴11と共にカッタヘッド14を前方へ移動させる。すると、旋回するカッタヘッド14のディスクカッタ16が岩盤をせん断破壊し、この岩盤を掘削する。そして、このディスクカッタ16の岩盤掘削によって生じたずりはチャンバ室23内に取り込まれ、スクリューコンベヤ26によって外部に排出される。
【0008】
このように各シールドジャッキ25を所定ストローク伸長すると、次に、このシールドジャッキ25のいずれか一つを収縮して、既設のセグメントSとの間の空所を形成し、セグメントエレクタ26がこの空所に新しいセグメントSを装着してトンネルを構築する。この作動の繰り返しによって連続してトンネルを掘削していく。ま
【0009】
ところで、近年、掘削形成するトンネルは長距離化の傾向にあり、TBMによる掘削作業中にカッタヘッド14に装着されたディスクカッタ16が摩耗し、土砂の掘削抵抗が増大して掘削効率が低下したり、掘削不能になってしまう。そのため、このディスクカッタ16が摩耗した場合には、掘削作業を停止して摩耗したディスクカッタ16を交換しなければならない。従来、ディスクカッタ16を切羽側へ取り外して交換していたが、この場合、掘削機を後退させてカッタヘッド14と切羽との間に作業空間を確保しなければならず、交換作業に長時間を要ししまう。また、作業者が機外へ出なければならず、危険が伴ってしまう。
【0010】
そこで、ディスクカッタ16を機内側へ取り外して交換可能としたものが提案されている。図6に従来のディスクカッタの取付構造を表す概略を示す。図6に示すように、ディスクカッタ16は一体に形成された回転軸16aがサドル31にキャップ32によって回転自在に支持されており、このサドル31がカッタスポーク15の所定の取付開口部15aに位置するように多数の固定ボルト33によって固定されている。
【0011】
ところが、このような従来のディスクカッタの取付構造にあっては、切羽からディスクカッタ16に作用する掘削反力はサドル31を固定した固定ボルト33の弛緩方向に作用しており、ディスクカッタ16による地盤の破砕中に固定ボルト33が緩んでしまい、このディスクカッタ16によって効率よく地盤を破砕することができない虞がある。
【0012】
そのため、この改良案としてディスクカッタ16を機内側へ取り外して交換可能とした別のものが提案されている。図7に従来の別のディスクカッタの取付構造を表す概略を示す。図7に示すように、ディスクカッタ16は一体に形成された回転軸16aがサドル36に回転自在に支持されており、このサドル36がカッタスポーク15の所定の取付開口部15aに位置し、このカッタスポーク15と一体のフランジ15bに多数の固定ボルト37によって固定されている。
【0013】
従って、切羽からディスクカッタ16に作用する掘削反力はサドル36を介してフランジ15bに作用することとなり、このサドル36を固定した固定ボルト37の弛緩方向に作用することはなく、このディスクカッタ16は効率よく地盤を破砕することができる。そして、磨耗したディスクカッタ16を交換するには、固定ボルト37を弛緩してサドル36の固定を解除してから、ディスクカッタ16をサドル36と共にほぼ90度回動することで、サドル36と取付開口部15aとが適合し、このサドル36を取付開口部15aから機内側に取り外すことができる。その後、新しいディスクカッタが装着されたサドルを前述とは逆の手順で組み付けることで、交換が終了する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなTBMにおけるディスクカッタの交換作業にあっては、多数の固定ボルト37を取り外し、ディスクカッタ16をサドル36と共にほぼ90度回動してからカッタスポーク15の取付開口部15aを通して磨耗したディスクカッタ16と共にサドル36を取り外し、新しいディスクカッタが取付けられたサドルを、再び取付開口部15aに嵌合して多数の固定ボルト37によって固定していた。この場合、前述したように、ディスクカッタ16には切羽から掘削反力が作用しているため、この掘削反力が作用したままでディスクカッタ16を回動するには大きな力が必要となり、専用の治具を用いなければならず、作業が面倒である。また、一般的にディスクカッタ19は95kg程度であって、サドル36は75kg程度あり、大重量物である両者の取り外し作業と取り付け作業は多くの手間と労力を要し、作業時間も長くかかってしまい作業性が良くない。そして、作業者はチャンバ室23内の狭い空間で重量物であるディスクカッタ16及びサドル36の交換作業を行わなければならず、不自由で危険な作業となって作業者にかかる負担が大きくなってしまうという問題があった。更に、ディスクカッタ16の摩耗とは関係のないサドル36まで交換することとなり、高コストとなってしまう。
【0015】
このような問題を解決するものとして、例えば、特開昭63−130896号公報に開示されたものがある。これは、ディスクカッタの支持軸をサドルに形成されたキー溝に挿入すると共に横方向に移動してテーパ面に押し付けた状態で、このキー溝にテーパキーを挿入し、多数の固定ボルトによってこのテーパキーをサドルに固定することで、ディスクカッタを支持するようにしたものである。この構造によれば、ディスクカッタの交換時に、ディスクカッタを若干横方向に移動するだけで、このディスクカッタのみを取り外すことができる。ところが、サドルと共にディスクカッタが固定されたスポークには、ディスクカッタの交換時にこのディスクカッタを横方向に移動するためのスペースを確保しなければならず、スポークが大型化して掘削土砂の流動性が悪化してしまうという問題がある。また、カッタへヘッドの回転方向によっては、ディスクカッタの横方向の移動が制限され、磨耗したディスクカッタを交換することができない場合がある。
【0016】
本発明はこのような問題を解決するものであって、ディスクカッタの交換作業を簡単且つ短時間で行うことで、交換作業能率の向上を図ると共に構造の簡素化を図ったカッタヘッド並びにトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための本発明のカッタヘッドは、掘削機本体の前部に装着されて地盤を掘削する複数のディスクカッタが装着されたカッタヘッドにおいて、カッタヘッド本体に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするものである。
【0018】
従って、カッタヘッドに装着されたディスクカッタを交換するには、サドルに固定された押えフランジを取り外してから、サドルのテーパ部に係合した軸受固定金具を取り外すことで、ディスクカッタの回転軸を支持する軸受金具が脱落し、サドルに支持されたディスクカッタの回転軸を抜き取ってこのディスクカッタのみをカッタヘッドから取り外すことができ、別のディスクカッタの回転軸をサドルの第1半割り軸受部に挿入してこの回転軸に第2半割り軸受部が嵌合するように軸受金具をサドルの切欠部に嵌合し、軸受固定金具をテーパ部に係合することで軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定して軸受固定金具の移動を阻止することで、ディスクカッタの交換が完了する。
【0019】
また、本発明のトンネル掘削機は、筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進手段と、前記掘削機本体の前部に駆動回転自在に装着されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを駆動回転するカッタヘッド駆動手段と、前記カッタヘッドの前面部に固定された放射状をなすスポークと、回転軸が一体に形成された円盤状をなすディスクカッタと、前記スポークの所定の位置に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするものである。
【0020】
従って、このトンネル掘削機によって地盤を掘削する場合、カッタヘッド駆動手段によってカッタヘッドを駆動回転させながら、まず、推進手段によって掘削機本体を前進させることで、カッタヘッドが前方の地盤を掘削してトンネルを掘削する。そして、カッタヘッドに装着されたディスクカッタが磨耗してを交換が必要な場合には、サドルに固定された押えフランジを取り外してから、サドルのテーパ部に係合した軸受固定金具を取り外すことで、ディスクカッタの回転軸を支持する軸受金具が脱落し、サドルに支持されたディスクカッタの回転軸を抜き取ってこのディスクカッタのみをカッタヘッドから取り外すことができ、別の新しいディスクカッタの回転軸をサドルの第1半割り軸受部に挿入してこの回転軸に第2半割り軸受部が嵌合するように軸受金具をサドルの切欠部に嵌合し、軸受固定金具をテーパ部に係合することで軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定して軸受固定金具の移動を阻止することで、ディスクカッタの交換が完了する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1に本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたディスクカッタの取付構造を表す概略、図2に本実施形態のディスクカッタの取付状態を表す断面、図3に本実施形態のディスクカッタの取付方法を表す概略を示す。
【0023】
本実施形態のトンネルボーリングマシン(TBM)のカッタヘッドにおいて、図1及び図2に示すように、ディスクカッタ41は、円盤形状をなして回転軸42が一体に形成されている。一方、カッタヘッド40に固定された左右一対のカッタスポーク43の間にサドル44が図示しないボルト等によって固定されている。このサドル44は門型形状をなし、ディスクカッタ41の回転軸42を支持する第1半割り軸受部44aと、この第1半割り軸受部44aに連通する切欠部44bと、左右一対のテーパ部44cと、取付開口44dとが形成されている。軸受金具45は上面部にディスクカッタ41の回転軸42を支持する第2半割り軸受部45aが形成されて、サドル44の切欠部44bに嵌脱自在となっている。
【0024】
また、左右一対の軸受固定金具46はサドル44のテーパ部44cに係脱自在であって、この各軸受固定金具46がテーパ部44cに係合したときには、サドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45の脱落を阻止することができ、左右の軸受固定金具46の間に空間部が形成されるようになっている。そして、押えフランジ47は各軸受固定金具46がサドル44のテーパ部44cに係合したときに両者の間に形成される空間部に嵌脱自在な凸部47aが形成され、この凸部47aが各軸受固定金具46の間の空間部に嵌入した状態で固定ボルト48によってサドル44に固定することで、テーパ部44cに係合した各軸受固定金具46の移動を阻止している。
【0025】
ここで、カッタヘッド40にディスクカッタ41を取付ける手順について説明する。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、カッタヘッド40のスポーク43に固定されたサドル44に対してディスクカッタ41を装着するとき、回転軸42をサドル44の第1半割り軸受部44aに挿入し、この状態で、図3(b)に示すように、サドル44の切欠部44bに軸受金具45を嵌合することで、ディスクカッタ41の回転軸42に第2半割り軸受部45aを密着させる。このようにしてディスクカッタ41の回転軸42はサドル44の第1半割り軸受部44aと軸受金具45の第2半割り軸受部45aによって支持される。次に、図3(c)に示すように、サドル44のテーパ部44cに左右一対の軸受固定金具46を係合することでサドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45の脱落を阻止する。そして、図3(d)に示すように、各軸受固定金具46がサドル44のテーパ部44cに係合したときに両者の間に形成される空間部に押えフランジ47の凸部47aを嵌入し、この状態で、図3(e)に示すように、固定ボルト48によってこの押えフランジ47をサドル44に固定することで、図3(f)に示すように、押えフランジ47によってテーパ部44cに係合した各軸受固定金具46の移動が阻止される。
【0027】
このようにしてカッタヘッド40のサドル44に取付けられたディスクカッタ41において、図2に示すように、切羽からカッタヘッド40に作用するラジアル方向の荷重は、回転軸42を支持している軸受金具45を介して各軸受固定金具46とサドル44のテーパ部44cとの間で受け止めることとなり、また、切羽からカッタヘッド40に作用するスラスト方向の荷重は、回転軸42を支持している軸受金具45とサドル44の切欠部44bの側面との間で受け止めることとなる。従って、これらのラジアル荷重及びスラスト荷重は直接固定ボルト48に引張力として作用することはなく、この固定ボルト48が弛緩することはない。更に、ディスクカッタ41を支持しているサドル44はカッタヘッド40に固定された左右一対のカッタスポーク43の間に位置しており、サドル44に掘削反力が作用しても、このサドル44の変形が防止される。
【0028】
なお、カッタヘッド40のサドル44に取付けられたディスクカッタ41を取り外すには、前述と逆の手順によって行えばよいものである。即ち、図3(f)に示す状態から、図3(e)に示すように、固定ボルト48を弛緩し、図3(d)に示すように、各軸受固定金具46の間の空間部から押えフランジ47の凸部47aを抜き取ることで、サドル44のテーパ部44cに係合した軸受固定金具46の拘束を解除する。そして、図3(c)に示すように、サドル44のテーパ部44cすら各軸受固定金具46と取り出し、更に、図3(b)に示すように、サドル44の切欠部44bに嵌合した軸受金具45を外すことで、第2半割り軸受部45aによるディスクカッタ41の回転軸42の支持を解除し、図3(a)に示すように、ディスクカッタ41(回転軸42)をカッタヘッド40のスポーク43に固定されたサドル44(第1半割り軸受部44a)から取り外すことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように本発明のカッタヘッドによれば、ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルをカッタヘッド本体に固定し、第2半割り軸受部が形成された軸受金具をこのサドルの切欠部に嵌合することで、各半割り軸受部によってディスクカッタの回転軸を支持し、軸受固定金具をサドルのテーパ部に係合することで切欠部に嵌合した軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定することでテーパ部に係合した軸受固定金具の移動を阻止したので、ディスクカッタのみを容易に着脱自在とすることでディスクカッタの交換作業を簡単、且つ、短時間で行って交換作業能率の向上を図ることができると共に、ディスクカッタの取付構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
また、本発明のトンネル掘削機によれば、推進手段によって前進可能な掘削機本体の前部にカッタヘッド駆動手段によって駆動回転自在なカッタヘッドを装着し、ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルをこのカッタヘッドの前面部に固定されたスポークに固定し、第2半割り軸受部が形成された軸受金具をこのサドルの切欠部に嵌合することで、各半割り軸受部によってディスクカッタの回転軸を支持し、軸受固定金具をサドルのテーパ部に係合することで切欠部に嵌合した軸受金具の脱落を阻止し、押えフランジをサドルに固定することでテーパ部に係合した軸受固定金具の移動を阻止したので、ディスクカッタのみを容易に着脱自在とすることでディスクカッタの交換作業を簡単、且つ、短時間で行って交換作業能率の向上を図ることができると共に、ディスクカッタの取付構造の簡素化を図ることができ、その結果、掘削作業効率の低下を防止して作業能率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るトンネル掘削機としてのトンネルボーリングマシンに装着されたディスクカッタの取付構造を表す概略図である。
【図2】本実施形態のディスクカッタの取付状態を表す断面図である。
【図3】本実施形態のディスクカッタの取付方法を表す概略図である。
【図4】一般的なトンネルボーリングマシンの断面概略図である。
【図5】トンネルボーリングマシンの正面図である。
【図6】従来のカッタヘッドに装着されたディスクカッタの取付状態を表す正面図である。
【図7】ディスクカッタの取り外し工程を表す概略図である。
【符号の説明】
40 カッタヘッド
41 ディスクカッタ
42 回転軸
43 スポーク
44 サドル
44a 第1半割り軸受部
44b 切欠部
44c テーパ部
45 軸受金具
45a 第2半割り軸受部
46 軸受固定金具
47 押えフランジ
48 固定ボルト
Claims (2)
- 掘削機本体の前部に装着されて地盤を掘削する複数のディスクカッタが装着されたカッタヘッドにおいて、カッタヘッド本体に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするカッタヘッド。
- 筒状の掘削機本体と、該掘削機本体を前進させる推進手段と、前記掘削機本体の前部に駆動回転自在に装着されたカッタヘッドと、該カッタヘッドを駆動回転するカッタヘッド駆動手段と、前記カッタヘッドの前面部に固定された放射状をなすスポークと、回転軸が一体に形成された円盤状をなすディスクカッタと、前記スポークの所定の位置に固定されて前記ディスクカッタの回転軸を支持する第1半割り軸受部が形成されたサドルと、該サドルの第1半割り軸受部に連通する切欠部に嵌脱自在であって前記ディスクカッタの回転軸を支持する第2半割り軸受部が形成された軸受金具と、前記サドルの切欠部に連通するテーパ部に係脱自在であって該テーパ部に係合した位置で前記切欠部に嵌合した前記軸受金具の脱落を阻止する軸受固定金具と、前記サドルに固定されることで前記テーパ部に係合した前記軸受固定金具の移動を阻止する押えフランジとを具えたことを特徴とするトンネル掘削機。
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