JP2907354B2 - 積層セラミックインダクタの製造法 - Google Patents
積層セラミックインダクタの製造法Info
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Description
クタの製造法に関する。
般に次のような方法で製造されてきた。まず、Ni・Z
n系のフェライト磁性原料粉末と有機バインダとを混合
して得たスラリーを、ドクターブレード法等によって均
一な厚みの長尺なシートに成形する。次いで、このシー
トを例えば 110mm角の正方形に裁断し、 100mm角の窓を
15mm幅の枠で囲んだ額縁状のステンレス製フレームに張
り付ける。なお、該フレームの角部には、フレーム上の
シートにスルーホールやコイル導体パターンを形成する
際に用いられる印刷機等に装備された位置決め用ピンが
挿入される位置決め用の小孔が設けられている。次い
で、所定の位置に複数のピンが立植された2〜4種類程
度の異なるスルーホールパターンを持つスルーホール用
金型を用意し、これらの金型に設けられた位置決め用ピ
ンを上記フレームの位置決め用小孔に挿入して固定し、
フレームに張り付けられたシートに2〜4種類程度の異
なるスルーホールパターンを打ち抜く。
きに、らせん状のコイルとなるコイル各部形成用導体パ
ターンを、4〜6種類程度の異なるパターンのスクリー
ン印刷用ステンシルを用いて上記スルーホールを打ち抜
いたシート上に、スルーホールが適切な位置にくるよう
に位置合わせしてスクリーン印刷する。印刷に際して
は、シートに打ち抜かれた上記2〜4種類程度のスルー
ホールパターンに該当するパターンのステンシルを選択
し、印刷機に設けられた位置決め用ピンをフレームの位
置決め用小孔に挿入して位置合わせが行われる。コイル
各部形成用導体パターンの印刷後、該フレームの位置決
め用の小孔に打ち抜き機の位置決め用ピンを挿入して所
定の位置に固定し、フレームに張り付けられたシートを
所定の寸法に打ち抜く。打ち抜いたシートは所定の順序
で積層して圧着し、チップサイズに裁断する。このよう
にして得られたチップ素体を 800〜1100℃程度で焼成
し、内設されたコイルの末端が導出された1対の対向す
る端面に外部電極用導電ペーストをそれぞれ塗布し、こ
れを 700〜900 ℃程度で焼き付けることによって外部電
極を形成することにより、積層セラミックインダクタが
製造される。
来の製造法によると、スルーホール用金型およびスクリ
ーン印刷用ステンシルをそれぞれ複数種類用いているた
め、製造される積層セラミックインダクタの精度のバラ
ツキが大きいという問題点があった。すなわち、スルー
ホール用金型を用いたスルーホール打ち抜き工程、およ
びスクリーン印刷用ステンシルを用いたコイル導体パタ
ーン印刷工程においては、フレームと金型、フレームと
印刷機との位置合わせが行われるため、位置合わせ誤差
の発生が避けられなかった。したがって、用いられるス
ルーホール用金型やスクリーン印刷用ステンシルの数が
多いほど位置合わせ誤差は累積され、製造される積層セ
ラミックインダクタの精度のバラツキが大きくなってし
まうのである。
を解決し、スルーホール打ち抜き工程およびコイル導体
パターン印刷工程において使用するスルーホール用金型
およびスクリーン印刷用ステンシルの数を減少させ、精
度のバラツキの少ない積層セラミックインダクタの製造
法を提供することを目的とする。
を達成するために鋭意研究の結果、1種類のスルーホー
ル金型のみでスルーホールの打ち抜きを行い、所定のコ
イル導体パターンをスルーホールに合わせて印刷した
後、該パターンが打ち抜き後のシートの中央部所定位置
に配置されるようにシートを所定寸法で打ち抜くことに
より、上記課題が解決されることを見い出し、本発明に
到達した。
リーンシートに1種類のスルーホール用金型によって同
様のスルーホールを打ち抜いた後、これらのシートに、
積層してスルーホールで接続することによってらせん状
のコイルが構成されるコイル導体パターンをスルーホー
ルに合わせて印刷し、それぞれのシートに印刷されたコ
イル導体パターンが、所定寸法に打ち抜かれた後のシー
トの中央部所定位置に配置されるように該シートを前後
左右に移動させて打ち抜き、得られたシートを所定の順
序で積層した後圧着し、内設されたコイルの末端が導出
された1対の端面に外部電極を形成することを特徴とす
る積層セラミックインダクタの製造法を提供するもので
ある。
ーンを印刷する際に用いられるステンシルの数を減らす
こともできる。すなわち、シート上に印刷するコイル導
体パターンを、2つ一組で線対称に配置された対のパタ
ーンとし(図5(a))、このようなコイル導体パター
ンが印刷されたシートを、1つは上記と同様に打ち抜き
(図7(a))、もう1つは対称パターンの配列方向に
1パターンずらしてから上記と同様に打ち抜くことによ
り(図7(a′))、パターンの異なる2種類のシート
を得ることができるのである。したがって、図7に示す
ような6種類のシートを得るためには、図7(a)、
(b)、(c)および(d)のパターンを印刷する4種
類のステンシルがあれば良いのである。
に印刷したコイル導体パターンが打ち抜き後のシートの
中央部所定位置にくるように、該シートを前後左右に移
動させて打ち抜きが行われるため、使用されるスルーホ
ール用金型が1種類で済むようになる。そのため、スル
ーホール打ち抜きの際における位置合わせ工程数が減少
し、製造される積層セラミックインダクタの精度のバラ
ツキが減少するようになる。
体パターンを対称に配置して対のパターンとすることに
より、コイル導電パターンを印刷する際に使用されるス
テンシルの数を減らすことができる。このようにコイル
導体パターン印刷用ステンシルの数を減少させ、印刷工
程数を減らすことにより生産コストの低減化が可能にな
る。
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
CuOを秤量し、水と共にボールミルに投入して混合・
分散を行い、ボールミルから取り出して乾燥した後、大
気中において 800℃で2時間加熱し仮焼した。仮焼後、
仮焼物を再び水と共にボールミルに投入して15時間解砕
し、ボールミルから取り出して乾燥することによってフ
ェライト粉末を得た。さらにこのフェライト粉末に、ポ
リブチラールを主成分とする有機バインダーと有機溶剤
を加えて混練し、粘度4200cpのフェライトスラリーを得
た。次いで、得られたスラリーをドクターブレード法に
よって、水平に搬送されるポリエチレンテレフタレート
のベースフィルム上に塗布し、乾燥した後ベースフィル
ムから剥して 110mm角の正方形に切断し、厚さ40μmの
フェライトグリーンシート1を得た。
縁状のステンレス製フレーム4を用意し、このフレーム
に上記フェライトグリーンシート1を張り付けた。一
方、金属製の平板に直径0.25mm、長さ20mmのステンレス
製ピン6が2.11mm間隔、および3.85mm間隔で立植された
スルーホール用金型5を用意し(図3)、上記シートを
張り付けたフレームの端面を用意したスルーホール用金
型5の位置決め用ピンに突きあてて所定位置に固定し、
スルーホール2を打ち抜いた。次いで、該フレーム4の
端面をスクリーン印刷機の位置決め用ピンに突きあてて
所定位置に固定した。続いてこのシートに、6種類のス
クリーン印刷用ステンシルと、Ag粉末、エチルセルロ
ース、α−ターピネオールおよびブチルカルビトールア
セテートを混練して得たAgペーストとを用い、スルー
ホール打ち抜き時と同様の位置関係で各種のコイル導体
パターン3をそれぞれ異なるシートに印刷し、図1に示
す6種類のシートを得た。
ち抜き機7を用意し(図4)、コイル導体パターン3を
印刷したシート1をフレーム4から85mm角の寸法に打ち
抜いた。この打ち抜き機7は、図4中8、9および10
でそれぞれ表わす付き当て群A、付き当て群B、および
付き当て群Cなる位置に、フレーム4を配置する場所を
決定する固定ピン立植孔11が設けられており、上記の
それぞれの付き当て群A、B、C内における左上、左
下、右上または右下の4か所のうち互いに対応するいず
れか1か所ずつに固定ピンを立植し、立植したピンに該
フレーム4を付き当てて固定し、フレーム4に張り付け
たシート1をそれぞれ異なる位置で所定の寸法に打ち抜
くというものである。
Cそれぞれの付き当て群における左上の孔に固定ピンを
立植し、立植したピンに図1(a)に示すパターンを得
るためのシートを付き当てて打ち抜き、シート中央部の
所定位置に、印刷したコイル導体パターンが位置した図
2(a)に示すシートを得た。同様に、それぞれの付き
当て群内における左下の孔に固定ピンを立植し、図1
(b)に示すパターンを得るためのシートを付き当てて
打ち抜いて図2(b)に示すシートを得、各群内の右下
の孔に固定ピンを立植し、図1(c)、(d)および
(e)に示すパターンを得るためのシートをそれぞれ付
き当てて打ち抜いて、図2(c)、(d)および(e)
に示すシートを得、各群内の右上の孔に固定ピンを立植
し、図1(f)に示すパターンを得るためのシートを付
き当てて打ち抜いて図2(f)に示すシートを得た。
し、さらにコイル導体パターンおよびスルーホールが形
成されていないシートを、最上層に3層および最下層に
2層積層して圧着した後、 3.4mm×1.7mm のチップサイ
ズに裁断し、 870℃で焼成した。焼成後、コイル末端が
導出している1対の端面に外部電極を形成し、3ターン
周回したコイルが内設された積層セラミックインダクタ
を得た。
クインダクタのインンダクタンス値の平均値は 0.152μ
Hであり(測定周波数10MHzk)、50個製造した際の
インダクタンス値のバラツキは 9.0%と小さいものであ
った。
ているスルーホール用金型5を用いたこと以外は実施例
1と同様にしてフレーム4に張り付けられたシート1に
スルーホール2を打ち抜いた。次いで、4種類のスクリ
ーン印刷用ステンシルを用いてコイル導体パターン3を
印刷した(図5)。印刷されたパターン3のうち図5
(a)および(b)に示すパターンは、2つ一組で線対
称に配置された対のパターンに形成されている。印刷
後、実施例1と同様にしてシート1の打ち抜きを行い、
図5(a)に示すシートから図7(a)に示すシートを
得、図5(b)に示すシートから図7(b)に示すシー
トを得、図5(c)に示すシートから図7(c)に示す
シートを得、図5(d)に示すシートから図7(d)に
示すシートを得た。また、図5(a)に示すシートを1
パターンずらして上記同様に打ち抜いて図7(a′)に
示すシートを得、同様にして図5(b)に示すシートか
ら図7(b′)に示すシートを得た。
順序で積層し、さらにコイル導電パターンおよびスルー
ホールが形成されていないシートを、最上層に3層およ
び最下層に2層積層して積層体12を得(図8
(a))、この積層体12を圧着した後 3.4mm×1.7mm
のチップサイズに裁断してチップ素体13を得(図8
(b))、この素体13を 870℃で焼成した。焼成後、
コイル末端14が導出している1対の端面に外部電極を
形成し、3ターン周回したコイルが内設された積層セラ
ミックインダクタ16を得た(図8(c))。
クインダクタのインンダクタンス値の平均値は 0.153μ
Hであり(測定周波数10MHzk)、50個製造した際のイン
ダクタンス値のバラツキは 8.6%と小さいものであっ
た。
用いたこと以外は実施例1と同様にしてフレーム4に張
り付けられたシート1にスルーホール2を打ち抜いた。
次いで、6種類のスクリーン印刷用ステンシルを用いて
コイル導体パターン3を印刷し、所定の位置に固定して
該シート1の打ち抜きを行い、図10に示すような6種
類のシートを得た。
順序で積層し、さらにコイル導体パターンおよびスルー
ホールが形成されていないシートを、最上層に3層およ
び最下層に2層積層し、圧着した後、 3.4mm×1.7mm の
チップサイズに裁断し、 870℃で焼成した。焼成後、コ
イル末端が導出された1対の端面に外部電極を形成し、
3ターン周回したコイルが内設された積層セラミックイ
ンダクタを得た。
クインダクタのインンダクタンス値の平均値は 0.150μ
Hであり(測定周波数10MHzk)、50個製造した際のイン
ダクタンス値のバラツキは12.2%と大きかった。
ールを形成する際に用いられるスルーホール用金型が1
種類になったため、スルーホール打ち抜き工程が簡略化
され、位置合わせ精度および生産性が向上した。また、
本発明によるとコイル導体パターンの印刷時に用いられ
るステンシルの数を減らすことができるため、生産コス
トを低減させることが可能である。
コイル電極パターンが形成されたシートの一例を示した
上面図である。
を示した上面図である。
いられるスルーホール用金型を示した上面図である。
られる打ち抜き機を示した上面図である。
コイル電極パターンが形成されたシートの別の一例を示
した上面図である。
いられるスルーホール用金型を示した上面図である。
を示した上面図である。
形成するまでの工程を段階的に示した斜視図であって、
(a)は積層体、(b)はチップ素体、(c)は積層セ
ラミックインダクタを示した図である。
る従来のスルーホール用金型の一例を示した上面図であ
る。
ールを形成し、コイル電極パターンが印刷された後打ち
抜いて得た従来のシートを示す上面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数のフェライトグリーンシートの各々
に1種類のスルーホール用金型によって同一パターンの
スルーホールを打ち抜き、これらのシートに、積層して
スルーホールで接続することによってらせん状のコイル
を構成させるために必要なコイル各部の導体パターンを
スルーホールが各印刷パターンの所定位置にくるように
パターンごとに印刷位置を変えて印刷し、さらに、印刷
されたコイル導体パターンが打ち抜き後にシート中央部
の所定位置に配置されるようにパターンごとに該シート
の打ち抜き位置を変えて打ち抜き、これらのシートを所
定に態様に積層した後圧着し、内設されたコイルの末端
が導出された1対の端面に外部電極を形成することから
なる積層セラミックインダクタの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16400591A JP2907354B2 (ja) | 1991-06-08 | 1991-06-08 | 積層セラミックインダクタの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16400591A JP2907354B2 (ja) | 1991-06-08 | 1991-06-08 | 積層セラミックインダクタの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04364013A JPH04364013A (ja) | 1992-12-16 |
JP2907354B2 true JP2907354B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=15784955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16400591A Expired - Lifetime JP2907354B2 (ja) | 1991-06-08 | 1991-06-08 | 積層セラミックインダクタの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2907354B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6607620B2 (en) * | 2001-01-08 | 2003-08-19 | International Business Machines Corporation | Greensheet carriers and processing thereof |
KR100440438B1 (ko) * | 2001-12-22 | 2004-07-14 | 주식회사 쎄라텍 | 표면 실장형 칩 인덕터 및 그 제조 방법 |
-
1991
- 1991-06-08 JP JP16400591A patent/JP2907354B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04364013A (ja) | 1992-12-16 |
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