JPH10241997A - 積層複合電子部品 - Google Patents

積層複合電子部品

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JPH10241997A
JPH10241997A JP6248297A JP6248297A JPH10241997A JP H10241997 A JPH10241997 A JP H10241997A JP 6248297 A JP6248297 A JP 6248297A JP 6248297 A JP6248297 A JP 6248297A JP H10241997 A JPH10241997 A JP H10241997A
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JP
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magnetic
magnetic ceramic
ceramic layer
ceramic layers
layer
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JP6248297A
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Inventor
Yutaka Irisawa
裕 入沢
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層複合電子部品の外形や寸法等を変えるこ
となく、簡便な手段で積層複合電子部品の焼成時の絶縁
抵抗の低下を防止する。 【解決手段】 フェライト系セラミックからなる磁性体
セラミック層1、1’と、誘電体セラミック層7、7’
との間に、前記磁性体セラミック層1から多種のセラミ
ック層に近くなる従って、比抵抗が次第に大きくなるよ
うな中間磁性体セラミック層a、b…を挿入する。より
具体的には、フェライト系セラミックからなる磁性体セ
ラミック層1、1’と、他種のセラミック層との間に、
前記磁性体セラミック層1から多種のセラミック層に近
くなる従って、Znの酸化物成分の含有率が次第に大き
くなるような中間磁性体セラミック層a、b…、或はN
iの酸化物成分の含有率が次第に小さくなるような中間
磁性体セラミック層a、b…を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体セラミック
と誘電体セラミックのように、異種のセラミック層を積
層してなる積層複合電子部品に関し、例えば、磁性体セ
ラミック層に周回状の内部電極を形成したインダクタ部
と、誘電体セラミック層に対向する内部電極を形成した
コンデンサ部とを組み合わせた積層複合電子部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】積層複合電子部品の製造において、積層
体を得るプロセスに、スラリビルト法とシート法との2
つの手法がある。前者のスラリビルト法は、磁性体ペー
ストと導電ペーストとをスクリーン印刷等によって順次
塗り重ねて磁性体層と周回状の内部電極パターンとを形
成し、さらに誘電体ペーストと導電ペーストとを順次塗
り重ねて誘電体層と対向する内部電極パターンとを形成
していく方法である。また、後者のシート法は、スクリ
ーン印刷等によって予め導電ペーストにより周回状の内
部電極パターンが印刷された磁性体セラミックグリーン
シートを積層し、さらに、予め導電ペーストにより対向
する内部電極パターンが印刷された誘電体シートを積層
するものである。各磁性体セラミックグリーンシートに
形成した周回状の内部電極パターンは、予め磁性体セラ
ミックグリーンシートに設けたスルーホール導体で順次
接続する。
【0003】前記の何れの方法で得られた積層体でも、
最終的にはそれが焼成され、さらに導体の露出している
両端面に導電ペーストを焼き付け、外部電極が形成され
る。これによって積層複合電子部品が得られる。こうし
て得られた積層体の内部には、磁性体層と誘電体層とが
一体となっている。そして、磁性体層には、その積層方
向に重畳して周回するコイル状の内部電極が形成され、
この内部電極の一部は、前記積層体の端部で外部電極に
接続される。また、誘電体層には、同層を介して交互に
対向する一対以上の内部電極が形成され、この内部電極
が前記積層体の対向する端面に交互に導出され、それぞ
れ外部電極に接続される。これにより、外部電極を介し
てインダクタとコンデンサとが所定の状態に接続され
る。
【0004】このような積層複合電子部品では、その製
造工程において、異種のセラミックの積層体を接合した
状態の積層体を高温で焼成する。ところが、磁性体セラ
ミック層や誘電体セラミック層のように、異種のセラミ
ック層を積層した積層体を高温で焼成すると、磁性体セ
ラミックに含まれる磁性体成分の一部と誘電体セラミッ
クに含まれる誘電体成分の一部とが相互に拡散してしま
う。そのため、これら磁性体成分と誘電体成分の一部が
反応し、低抵抗の化合物が生成する。これによって、積
層複合電子部品の電気的特性が低下してしまうという課
題があった。
【0005】従来では、このような焼成時における磁性
体セラミック層の電気的特性の低下を防止するため、磁
性体セラミック層と誘電体セラミック層との間に、それ
らの中間の組成を有するセラミック層を挿入すること
で、内部電極を有する磁性体セラミック層と誘電体セラ
ミック層との間を離す等の対策がとられていた。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】とことが、この種
の積層複合電子部品は、他の電子部品と同様に小型化の
要請が著しく、年々小型化が図られている。これに対
し、前記従来の対策法では、積層体が厚く或は長く且つ
幅広になり、小型化に逆行することなる。それにも拘ら
ず、積層複合電子部品の電気的特性の低下防止には必ず
しも十分な成果が得られていないのが実状である。
【0007】本発明は、このような従来の積層複合電子
部品の焼成時の電気的特性の低下という課題に鑑み、積
層複合電子部品の外形や寸法等を変えることなく、簡便
な手段で積層複合電子部品の焼成時の電気的特性の低下
を防止することが出来る積層複合電子部品を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明では、フェライト系セラミックからなる磁性
体セラミック層1、1’と、他種のセラミック層との間
に、前記磁性体セラミック層1から他種のセラミック層
に近くなる従って、比抵抗が次第に大きくなるような中
間磁性体セラミック層a、b…を挿入したものである。
より具体的には、フェライト系セラミックからなる磁性
体セラミック層1、1’と、他種のセラミック層との間
に、前記磁性体セラミック層1から他種のセラミック層
に近くなる従って、Znの酸化物成分の含有率が次第に
大きくなるような中間磁性体セラミック層a、b…、或
はNiの酸化物成分の含有率が次第に小さくなるような
中間磁性体セラミック層a、b…を挿入したものであ
る。これにより、積層体の焼成時に、磁性体セラミック
層1、1’と他種セラミック層との間の部分で、低抵抗
の化合物が発生することを防止し、積層複合電子部品の
電気的特性の低下を防止するようにしたものである。
【0009】すなわち、本発明による積層複合電子部品
は、フェライト系磁性体からなる磁性体セラミック層
1、1’と、この磁性体セラミック層1、1’に積層さ
れた他の種類のセラミック層とを有し、前記磁性体セラ
ミック層1、1…と他種のセラミック層との間に、前記
前記磁性体セラミック層1、1…から他種のセラミック
層にいくに従って、比抵抗が次第に大きくなるような中
間磁性体セラミック層a、b、…が介在されていること
を特徴とする。
【0010】より具体的にいうと、前記磁性体セラミッ
ク層1、1…と他種のセラミック層との間に、前記前記
磁性体セラミック層1、1…から他種のセラミック層に
いくに従って、Znの酸化物の含有率が次第に大きくな
るような中間磁性体セラミック層a、b、…が介在され
ている。例えば、中間磁性体セラミック層a、b…は、
磁性体セラミック層1から他種セラミック層に近くなる
に従ってZnの酸化物含有率が段階的または連続的に大
きくなっている。
【0011】また、前記磁性体セラミック層1、1…と
他種のセラミック層との間に、前記前記磁性体セラミッ
ク層1、1…から他種のセラミック層にいくに従って、
Niの酸化物の含有率が次第に低くなるような中間磁性
体セラミック層a、b、…が介在されている。中間磁性
体セラミック層a、b…は、磁性体セラミック層1から
他種セラミック層に近くなるに従って、酸化物の含有率
が段階的または連続的に低くなっている。
【0012】フェライト系磁性体セラミックは、Fe2
3、NiO、ZnO、CuOを主成分とするものであ
る。このフェライト系磁性体セラミックでは、インダク
タ素子としての電気的特性を考慮してその組成比が決定
される。特に、周回状に連なるコイル状の内部電極が形
成された磁性体セラミック層の部分は、コイル磁芯とな
る部分であり、磁性体としての特性が極めて重要であ
り、その組成は綿密に設計される。
【0013】前記フェライト系磁性体セラミックにおい
ては、ZnOの含有率が大きい程絶縁抵抗は高くなる。
また、NiOの含有率が小さい程絶縁抵抗は高くなる。
そこで本発明では、この磁性体セラミック層1、1…と
他種のセラミック層との間に、前記磁性体セラミック層
1、1…から他種セラミック層に近くなるに従って、Z
nOの含有率が次第に大きくなるか、或はNiOの含有
率が次第に小さくなるような中間磁性体セラミック層
a、b…を挿入したものである。なお当然ながら、ここ
では前記ZnOの含有率が次第に大きくなり、且つNi
Oの含有率が次第に小さくなるような中間磁性体セラミ
ック層a、b…を挿入することを含む。
【0014】ZnOの含有率がより大きいか、或はNi
Oの含有率がより小さい中間磁性体セラミック層a、b
…は、インダクタを構成する磁性体セラミック層1、1
…より絶縁抵抗値が元々大きいため、焼成時に磁性体成
分と誘電体成分等の他種セラミック成分とが相互拡散
し、反応しても、その部分の絶縁抵抗値が所要の値以下
に低下しない。また、インダクタを構成するセラミック
層1、1…に絶縁抵抗値の低下が及ぶのを防止すること
が出来る。
【0015】しかも、このような積層電子部品は、磁性
体セラミック層1、1…と同じ比抵抗のブランクの磁性
体セラミック層1’、1’…の一部または全部に代え
て、ZnOやNiOの含有率の異なる中間磁性体セラミ
ック層a、b…を挿入すればよいので、積層体11の積
層数や形状、寸法を変えることなく、インダクタンス値
の低下を防止することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1は、積層LC部品である積層複合電子部品の積層体
の構造を示す概念図である。このような積層体は、通常
次のようにして多数のものが同時に製造される。
【0017】まず、フェライト粉末等の磁性体粉末をバ
インダー中に分散した磁性体スラリーを用い、ドクター
ブレード法、押出成形法等の手段で薄い磁性体セラミッ
クグリーンシートを作る。これらのセラミックグリーン
シートの所定の位置に予めスルーホールを打ち抜く。そ
の後、銀ペースト等の導電ペーストを使用し、このセラ
ミックグリーンシートの上に周回状の内部電極電極パタ
ーンを縦横に列べて多数組分印刷すると共に、上記スル
ーホールに導電ペーストを吸引し、スルーホール導体を
印刷する。
【0018】また、酸化チタン等の誘電体粉末を含む誘
電体セラミックグリーンシートを用意し、銀ペースト等
の導電ペーストを使用し、このセラミックグリーンシー
トの一部に内部電極パターンを縦横に列べて多数組分印
刷する。さらに、これら磁性体セラミックグリーンシー
トと誘電体セラミックグリーンシートの他に、前記磁性
体セラミックよりZnOやNiOの含有率が異なる磁性
体セラミックを形成するためのセラミックグリーンシー
トを用意する。
【0019】磁性体セラミック層の比抵抗は、その中に
含まれる磁性体セラミック材料の成分の組成により異な
る。例えば後述するように、Fe23、NiO、Zn
O、CuOからなるフェライト系磁性体セラミックにお
いて、ZnOの含有率が大きい程、またNiOの含有率
が小さい比抵抗は大きくなる。ここでは、磁性体セラミ
ック中の前記ZnOやNiOの含有率の違う磁性体セラ
ミック層が得られる複数種類の磁性体セラミックグリー
ンシートを用意しておく。より具体的には、前記磁性体
セラミックグリーンシートよりZnOを多く含む複数種
類の磁性体セラミックグリーンシート及び前記磁性体セ
ラミックグリーンシートよりNiOを少なく含む磁性体
セラミックグリーンシートを何種類か作っておく。この
磁性体セラミックグリーンシートには、内部電極は印刷
しない。
【0020】次に、これらのセラミックグリーンシート
を積層する。まず、内部電極パターンを印刷していない
磁性体セラミックグリーンシートを数枚積層し、その上
に必要とするコイルの巻数により、異なる形状の内部電
極パターンを有するセラミックグリーンシートを順次積
層する。そして、これらセラミックグリーンシートの上
に内部電極パターンが印刷されていないセラミックグリ
ーンシートを積層する。この際、内部電極5a、5b…
を有する磁性体セラミック層1、1…を形成するのと同
じ種類のブランクのセラミックグリーンシートの一部ま
たは全部に代えて、磁性体セラミックの組成比が異な
り、よりZnOの含有率の大きいもの、或はNiOが含
有率の小さい磁性体セラミック層a、b…が得られる前
記セラミックグリーンシートを積層する。
【0021】次に、このようにして積層された磁性体セ
ラミックグリーンシートの上に、内部電極が印刷されて
いない誘電体セラミックグリーンシートを何枚か積層
し、この上に内部電極パターンを有するセラミックグリ
ーンシートを交互に積層する。この内部電極を有する誘
電体セラミックグリーンシートを必要とする静電容量に
より、適当な枚数積層する。さらにこの誘電体セラミッ
クグリーンシートの上に、内部電極パターンが印刷され
ていない誘電体セラミックグリーンシートを積層する。
【0022】誘電体セラミックグリーンシートと磁性体
セラミックグリーンシートとの積層順序は、前後しても
よいことはもちろんである。すなわち、誘電体セラミッ
クグリーンシートを予め積層し、その上に磁性体セラミ
ックグリーンシートを積層するが出来るのは、言うまで
もない。この積層体を圧着した後、個々のチップ毎に裁
断し、この未焼成の積層チップを焼成しすることによ
り、焼成済みの積層体11を得る。
【0023】こうして得られた積層体11は、複数のセ
ラミック層1、1…、1’、1’…が積層され、一体と
なったものであり、その層構造を図1に示す。まず、図
1において下側に、内部電極が形成されていない磁性体
セラミック層1’、1’…、いわゆるブランクの磁性体
セラミック層1’、1’…が積層されている。このブラ
ンクの磁性体セラミック層1’、1’…は、その上の内
部電極5a、5b…が形成された磁性体セラミック層
1、1…と同じ組成であり、同じ比抵抗を有する。その
上の磁性体セラミック層1、1…には、周回状の内部電
極5a、5b…が形成されている。これら内部電極5
a、5b…は、スルーホール6、6…に設けられたスル
ーホール導体を介して順次接続され、積層体11の内部
でコイル状に連なっている。磁性体セラミック層1、1
…は、このコイルの磁芯となる。
【0024】内部電極5a、5b…を有する磁性体セラ
ミック層1、1…のうち、図1において上下の端の磁性
体セラミック層1、1に形成された内部電極5e、5f
は、積層体11の対向する一対の端面にそれぞれ導出し
ている。さらに、内部電極5a、5b…を有する磁性体
セラミック層1、1…の上に、それと組成及び比抵抗の
同じブランクの磁性体セラミック層1’、1’が積層さ
れ、さらにその上に、組成比の異なる中間磁性体セラミ
ック層f、e、b、aが4層積層されている。この中間
磁性体セラミック層f、e、b、aは、そのZnOやN
iOの含有率を変えることにより、図1において下から
上にいくに従って比抵抗が段階的に高くなっている。
【0025】この中間磁性体セラミック層f、e、b、
aの上に、内部電極8a、8bを有していない、いわゆ
るブランクの誘電体セラミック層7’、7’…が積層さ
れ、この上に内部電極8a、8bを有する誘電体セラミ
ック層7、7…が積層され、さらにこの上に内部電極8
a、8bを有していない誘電体セラミック層7’、7’
…が積層されている。誘電体セラミック層7、7…に設
けられた内部電極8a、8bは、同セラミック層7、7
…を介して対向している共に、前記内部電極5e、5f
が導出された積層体11の対向する一対の端面とそれと
直行する一対の側面の中央部とにそれぞれ交互に導出さ
れている。
【0026】図3に示すように、このような一体となっ
た積層体11の両端部及び側面中央部に銀ペースト等の
導電ペーストを塗布し、これを焼き付け、さらに必要に
応じてその上にニッケルメッキや半田メッキ等を施して
外部電極14、14、16、16が形成される。積層体
11の端部の外部電極14、14には、積層体11の端
面に導出された前記内部電極5e、5f、8b(図1参
照)が接続され、積層体11の側面中央部の外部電極1
6、16には、前記内部電極8aが接続される。図3に
おいて、符号12は、磁性体セラミック層1、1’が積
層されたインダクタ部、符号15は、誘電体セラミック
層7、7’が積層されたコンデンサ部、符号13は、前
記インダクタ部12とコンデンサ部15との間に挿入さ
れ、中間磁性体セラミックa、b、e、fが積層された
中間部である。
【0027】このような積層複合電子部品では、インダ
クタ部12とコンデンサ部15との間に、インダクタ部
12構成する磁性体セラミック層1、1’より絶縁抵抗
値の高い中間磁性体セラミック層a、b、e、fが積層
された中間部15が挿入されているため、積層体の焼成
時に、中間磁性体セラミック層a、b、e、f(図1参
照)の抵抗値が下がっても、その部分の抵抗値は概ね磁
性体セラミック層1、1…と同等になる。その結果、所
要の電気的特性が得られる。そして、焼成時に抵抗値の
低下が大きいコンデンサ部15に近い側の中間磁性体セ
ラミック層e、fがより高い抵抗値を有するため、焼成
後はそれらの抵抗値が概ね均衡することになる。また、
これら抵抗値の高い中間磁性体セラミック層a、b、
e、fにより、焼成時の抵抗値の低下がインダクタ部1
2を構成する磁性体セラミック層1、1’側に及ばな
い。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例について、具体的数値
をあげて詳細に説明する。 (実施例)フェライト系磁性体粉末を作るため、表1に
示すような割合で原料粉末を混合し、表1のNo.A〜
Gまで、7種類の磁性体材料粉末を調整した。また、後
述の方法と同様にして、これらNo.A〜Gの磁性体材
料粉末をバインダに分散してスラリとし、このスラリを
セラミックグリーンシートに成形し、これを後述する積
層複合電子部品と同様にして焼成して磁性セラミック層
を作った。そして、この磁性セラミック層に電極を設
け、その抵抗値を測定し、比抵抗を求めた。その結果も
表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】前記のようにして調整した磁性体材料粉末
をそれぞれ700℃で仮焼きした後、これらを有機バイ
ンダー中に分散し、磁性体スラリを作った。この磁性体
スラリをドクターブレード法により成形し、厚さ55μ
mの磁性体セラミックグリーンシートを作った。これら
セラミックグリーンシートのうち、前記表1の磁性体材
料No.Gを使用して作られたセラミックグリーンシー
トの所定の位置に予めスルーホールを打ち抜いた後、銀
ペーストを使用し、このセラミックグリーンシートの上
に周回状の内部電極電極パターンを縦横に列べて多数組
分印刷すると共に、上記スルーホールに銀ペーストを吸
引し、スルーホール導体を印刷した。
【0031】この磁性体セラミックグリーンシートの他
に、TiO2 粉末が90mol%、NiO粉末が6.5
mol%、CuOが3mol%、Mn34が0.5mo
l%からなる誘電体セラミック粉末を用意した。この誘
電体セラミック粉末を使用し、前記と同様にして厚さ5
5μmの誘電体セラミックグリーンシートを作った。一
部の誘電体セラミックグリーンシートの上に銀ペースト
を使用して内部電極パターンを縦横に多数組分印刷し
た。まず、前記内部電極パターンが印刷されていないブ
ランクのセラミックグリーンシートを5枚積層した。こ
こでは、前記表1の磁性体材料No.Gを使用して作ら
れたブランクのセラミックグリーンシートを使用した。
【0032】次に、内部電極パターンを有する前記表1
のNo.Gの磁性体セラミックグリーンシートを、スル
ーホールを介してそれらがコイル状に連なるように順次
積層した。さらに、これらセラミックグリーンシートの
上に内部電極パターンが印刷されていないブランクの磁
性体セラミックグリーンシートを5枚積層した。ここで
は、前記表1の磁性体材料No.Gを使用して作られた
ブランクの磁性体セラミックグリーンシートを積層し
た。
【0033】この磁性体セラミックグリーンシートの上
に、内部電極が印刷されていない前記表1の磁性体材料
No.F、E、B及びAを使用して作られたセラミック
グリーンシートをこの順に積層した。次に、この磁性体
セラミックグリーンシートの上に、内部電極を有しない
誘電体セラミックグリーンシートを何枚か積層した。こ
の上に内部電極パターンを有する誘電体セラミックグリ
ーンシートを交互に複数層積層した。さらにこの上に、
内部電極パターンが印刷されていない誘電体セラミック
グリーンシートを積層した。
【0034】この積層体を400Kgf/cm2 の圧力
で圧着した後、個々のチップ毎に裁断した。この未焼成
の積層チップを、500℃の温度で脱バインダー処理し
た後、900℃の温度で焼成することにより、図1に示
すような焼成済みの積層体11を得た。図1において、
磁性体セラミック層1、1…と磁性体セラミック層1’
は、前記表1のNo.Gの磁性体材料を使用したセラミ
ックグリーンシートが焼成されて形成されたもので、中
間磁性体セラミック層f、e、b、aは、それぞれ前記
表1の磁性体材料No.F、E、B、Aを使用したブラ
ンクのセラミックグリーンシートが焼成されて形成され
たものである。
【0035】この積層体11を作った時のセラミックグ
リーンシートの組合わせを表2の試料No.11の欄に
示す。「○」印は各欄の層を1層ずつ積層したことを示
し、「−」印はその層を積層していないことを示す。磁
性体のG層は、周回状のコイルを構成する内部電極5
a、5b…を有し、その磁芯として機能するのに最適な
磁性体材料である。
【0036】さらにこの積層体11の両端及び両側面中
央部に銀ペースト等の導電ペーストを塗布し、これを焼
き付け、さらにその上にニッケルメッキや半田メッキ等
を施し、図3に示すような外部電極14、14、16、
16を形成した。これによって、図3に示すような積層
複合電子部品が完成した。この積層複合電子部品の端子
間で絶縁抵抗値を測定したところ、表2の試料No.1
1に示すような結果が得られた。この積層複合電子部品
の積層体11の一部を破断し、その中間部13(図3参
照)の部分の組成を分析したところ、インダクタ部12
からコンデンサ部15側に向って、Znの検出量がほぼ
段階的に増加し、逆にNiの検出量がほぼ段階的に減少
する結果を得た。
【0037】さらに、表2の試料No.3〜10、N
o.12に示すように、中間磁性体セラミック層を形成
するための前記表1の磁性体材料No.A〜Fを使用し
て作られた磁性体セラミックグリーンシートの枚数及び
組合わせを替えて、前記と同様にして積層複合電子部品
を測定した。この積層複合電子部品の測定された絶縁抵
抗値を表2のそれぞれの欄に示した。これらの試料で
は、前記表1の磁性体材料No.Gを使用して作られた
磁性体セラミックグリーンシートと誘電体セラミックグ
リーンシートとの間に、2種〜3種の磁性体材料A〜F
を使用して作られたセラミックグリーンシートを積層し
ている。これらの場合、中間磁性体セラミッック層は、
インダクタ部12からコンデンサ部15側に向って、Z
nの検出量がほぼ段階的に増加し、逆にNiの検出量が
ほぼ段階的に減少する結果を得た。
【0038】(実施例2)前記実施例1において、中間
磁性体セラミック層a、b、e、fを形成するための前
記表1の磁性体材料No.A、B、E、Fを使用して作
られたセラミックグリーンシートの厚みを、55μmか
ら18μmと薄くしたこと、及び積層体の焼成温度を9
00℃から920℃と高くしたこと以外は、前記実施例
と同様にして積層複合電子部品を作った。
【0039】この積層複合電子部品の端子間で絶縁抵抗
値を測定したところ、表2の試料No.13の欄に示す
ような結果が得られた。この積層複合電子部品の積層体
11の一部を破断し、その中間部13(図3参照)の部
分の組成を分析したところ、インダクタ部12からコン
デンサ部15側に向って、Znの検出量がほぼ連続的に
増加し、逆にNiの検出量がほぼ連続的に減少する結果
を得た。
【0040】これは、中間磁性体セラミック層a、b、
e、fを形成するためのセラミックグリーンシートの厚
みを薄くしたこと、積層体の焼成温度を若干高めにした
ことにより、焼成時の中間磁性体セラミック層a、b、
e、fの成分の拡散、浸透が起りやすくなったためと推
定される。例えば、スラリビルト法で積層体を作った場
合は、必然的に磁性体セラミック層の厚さが薄くなるた
め、このような傾向がより強く表れる。
【0041】(比較例1)前記実施例1において、中間
磁性体セラミック層を形成するための前記表1の磁性体
材料No.A〜Fを使用して作られたセラミックグリー
ンシートを積層することなく、磁性体セラミックグリー
ンシートの上に誘電体セラミックグリーンシートを直接
積層したこと以外は、前記実施例と同様にして積層複合
電子部品を作った。この積層複合電子部品の端子間で絶
縁抵抗値を測定したところ、表2の試料No.1の欄に
示すような結果が得られた。
【0042】(比較例2)前記実施例1において、磁性
体セラミックグリーンシートと誘電体セラミックグリー
ンシートとの間に、中間磁性体セラミック層を形成する
ためのセラミックグリーンシートとして、前記表1の磁
性体材料No.Aのみを使用して作られたセラミックグ
リーンシートを1枚積層したこと以外は、前記実施例と
同様にして積層複合電子部品を作った。この積層複合電
子部品の積層体11の層構造を図2に示す。この積層複
合電子部品の端子間で絶縁抵抗値を測定したところ、表
2の試料No.2の欄に示すような結果が得られた。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による積層複
合電子部品では、積層複合電子部品の積層数や形状、寸
法を変えることなく、ブランクの磁性体セラミック層の
一部または組成比の異なる他の磁性体セラミック層に置
き換えるだけで、積層体の焼成時における絶縁抵抗値の
低下を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層複合電子部品の例を示すその
積層体の分解斜視図である。
【図2】積層複合電子部品の比較例を示すその積層体の
分解斜視図である。
【図3】本発明による積層複合電子部品の例を示すその
外観斜視図である。
【符号の説明】
1 内部電極を有する磁性体セラミック層 1’ ブランクの磁性体セラミック層 5a 周回状の内部電極 5b 周回状の内部電極 5c 周回状の内部電極 5d 周回状の内部電極 5e 周回状の内部電極 5f 周回状の内部電極 7 内部電極を有する誘電体セラミック層 7’ 内部電極を有しない誘電体セラミック層 8a 対向する内部電極 8b 対向する内部電極 11 積層体 14 外部電極 16 外部電極 a 中間磁性体セラミック層 b 中間磁性体セラミック層 e 中間磁性体セラミック層 f 中間磁性体セラミック層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト系磁性体からなる磁性体セラ
    ミック層(1)、(1’)と、この磁性体セラミック層
    (1)、(1’)に積層された他の種類のセラミック層
    とを有する積層複合電子部品において、前記磁性体セラ
    ミック層(1)、(1)…と他種のセラミック層との間
    に、前記前記磁性体セラミック層(1)、(1)…から
    他種のセラミック層側にいくに従って、比抵抗が次第に
    大きくなるような中間磁性体セラミック層(a)、
    (b)、…が介在されていることを特徴とする積層複合
    電子部品。
  2. 【請求項2】 フェライト系磁性体からなる磁性体セラ
    ミック層(1)、(1’)と、この磁性体セラミック層
    (1)、(1’)に積層された他の種類のセラミック層
    とを有する積層複合電子部品において、前記磁性体セラ
    ミック層(1)、(1)…と他種のセラミック層との間
    に、前記前記磁性体セラミック層(1)、(1)…から
    他種のセラミック層側にいくに従って、Znの酸化物の
    含有率が次第に大きくなるような中間磁性体セラミック
    層(a)、(b)、…が介在されていることを特徴とす
    る積層複合電子部品。
  3. 【請求項3】 磁性体セラミック層(1)から他種セラ
    ミック層に近くなるに従って、中間磁性体体セラミック
    層(a)、(b)…のZnの酸化物の含有率が段階的に
    大きくなることを特徴とする請求項2に記載の積層複合
    電子部品。
  4. 【請求項4】 磁性体セラミック層(1)から他種セラ
    ミック層に近くなるに従って、中間磁性体体セラミック
    層(a)、(b)…のZnの酸化物の含有率が連続的に
    大きくなることを特徴とする請求項2に記載の積層複合
    電子部品。
  5. 【請求項5】 フェライト系磁性体からなる磁性体セラ
    ミック層(1)、(1’)と、この磁性体セラミック層
    (1)、(1’)に積層された他の種類のセラミック層
    とを有する積層複合電子部品において、前記磁性体セラ
    ミック層(1)、(1)…と他種のセラミック層との間
    に、前記前記磁性体セラミック層(1)、(1)…から
    他種のセラミック層側にいくに従って、Niの酸化物の
    含有率が次第に低くなるような間磁性体セラミック層
    (a)、(b)、…が介在されていることを特徴とする
    積層複合電子部品。
  6. 【請求項6】 磁性体セラミック層(1)から他種セラ
    ミック層に近くなるに従って、中間磁性体体セラミック
    層(a)、(b)…のNiの酸化物の含有率が段階的に
    低くなることを特徴とする請求項5に記載の積層複合電
    子部品。
  7. 【請求項7】 磁性体セラミック層(1)から他種セラ
    ミック層に近くなる従って、中間磁性体体セラミック層
    (a)、(b)…のNiの酸化物の含有率が連続的に低
    くなることを特徴とする請求項5に記載の積層複合電子
    部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006216635A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Tdk Corp 複合積層型電子部品
JP2007201143A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Tdk Corp 接合中間層および複合積層型電子部品
KR100920026B1 (ko) 2007-10-16 2009-10-05 주식회사 쎄라텍 자성체 및 유전체 복합 전자 부품
CN101894661A (zh) * 2010-06-25 2010-11-24 广东风华高新科技股份有限公司 一种大电流多层片式电感器及其制造方法

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