JP2008091433A - 積層型電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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守 川内
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斉 工藤
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Abstract

【課題】 簡単な構造及び簡単な製造方法で所望のインダクタンス値を得ることができる積層型電子部品及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 積層型電子部品1は、絶縁体層と導体パターンとが積層され内部にコイル5が形成された略直方体の積層体2と、当該積層体2の両端面に形成された端子電極3,4と、を備える積層型電子部品であって、コイル5は、導体パターンの第1の部分5aと、導体パターンの第2の部分5bとを有し、第1の部分5aにおける導体パターンの外周縁部5cと当該外周縁部5cに対向する積層体2の一側面2eとの第1の距離Dと、第2の部分における導体パターンの外周縁部5dと当該外周縁部5dに対向する積層体2の他側面2fとの第2の距離Dとが不均一であることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、積層型電子部品及びその製造方法に関し、より詳細にはインダクタンス値の調整が容易な積層型電子部品及びその製造方法に関する。
この種の積層型電子部品として、多数のシート層を積層して焼成することにより得た直方体形状のチップ内に螺旋状のコイル導体を有する積層型インダクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
近年のこの種の積層型電子部品に求められる特性は、多種多様化しており、様々なインダクタンス値が求められている。従来においてはこの多種多様化したユーザーからの要求に対応するために、既存の積層型電子部品の設計などを利用してインダクタンス値を調整している。すなわち、インダクタンス値Lは、(S/L)N[ここで、Sはコイルの内径、Lは磁路長、Nはコイルの巻数を示す。]に比例関係を有することから、既存の積層型電子部品におけるコイルの巻数、コイルの内径及び磁路長の何れかを適宜調整して新たに積層型電子部品の設計を行っている。
特開2005−166745号公報
しかしながら、上記のようにユーザーからの要求の都度、新たに積層型電子部品を設計すると、それに伴って生産設備等も新たに用意する必要が生じるなど生産コスト上問題となる。したがって、コイルの巻数、コイルの内径及び磁路長を調整する必要がなく、安易に所望のインダクタンス値が得られる積層型電子部品が望まれている。
そこで本発明では、簡単な構造及び簡単な製造方法で所望のインダクタンス値を得ることができる積層型電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層型電子部品は、絶縁体層と導体パターンとが積層され内部にコイルが形成された略直方体の積層体と、当該積層体の両端面に形成された端子電極と、を備える積層型電子部品であって、コイルは、導体パターンの積層数の異なる第1の部分と第2の部分とを有し、第1の部分における導体パターンの積層数は、第2の部分における導体パターンの積層数よりも多くなるように構成され、第1の部分における導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する積層体の一側面との第1の距離と、第2の部分における導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する積層体の他側面との第2の距離とが不均一であることを特徴とする。
この積層型電子部品によれば、内部に形成されたコイルは、導体パターンの積層数の異なる第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分における導体パターンの積層数は、第2の部分における導体パターンの積層数よりも多くなるように構成されている。さらに、第1の部分における導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する積層体の一側面との第1の距離と、第2の部分における導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する積層体の他側面との第2の距離とが不均一である。本発明者らは、このような構造とすることで積層型電子部品のインダクタンス値を任意に調整できることを見出した。したがって、第1の距離と第2の距離とを調整した簡単な構造により、インダクタンス値を調整した積層型電子部品を得ることができる。
また、本発明に係る積層型電子部品は、第1の距離が第2の距離よりも短くても長くても良い。第1の距離が第2の距離よりも短い場合は、第1の距離と第2の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を小さくすることができる。また、第1の距離が第2の距離よりも長い場合は、第1の距離と第2の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を大きくすることができる。
また、本発明に係る積層型電子部品の製造方法は、絶縁体材料と樹脂とを含む未焼成絶縁体層と導体材料と樹脂とを含む未焼成導体パターンとを積層して複数の未焼成コイルを含むコイル集合体を形成する積層工程と、コイル集合体を切断して、1つの未焼成コイルを含む略直方体の未焼成積層体を形成する切断工程と、未焼成積層体を焼成して積層体を形成する焼成工程と、積層体の両端面に端子電極を形成する端子電極形成工程と、を備える積層型電子部品の製造方法であって、積層工程では、未焼成コイルが未焼成導体パターンの積層数の異なる第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分における未焼成導体パターンの積層数が、第2の部分における未焼成導体パターンの積層数よりも多くなるように未焼成絶縁体層と未焼成導体パターンとを積層し、切断工程では、第1の部分における未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する未焼成積層体の一側面との第3の距離と、第2の部分における未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する未焼成積層体の他側面との第4の距離とが不均一になるようにコイル集合体を切断することを特徴とする。
この積層型電子部品の製造方法によれば、切断工程において、第1の部分における未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する未焼成積層体の一側面との第3の距離と、第2の部分における未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する未焼成積層体の他側面との第4の距離とが不均一になるようにコイル集合体を切断する。したがって、切断位置を調整するだけで焼成後の積層体における第1の距離と第2の距離とを任意に設定できるので、積層型電子部品のインダクタンス値を容易に調整することができる。
また、本発明に係る積層型電子部品の製造方法は、第3の距離が第4の距離よりも短くても長くても良い。第3の距離が第4の距離よりも短い場合は、切断工程における切断位置を調整するだけで、焼成後の積層体における第1の距離を第2の距離よりも短くできるので、第1の距離と第2の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を小さくすることができる。また、第3の距離が第4の距離よりも長い場合は、切断工程における切断位置を調整するだけで、焼成後の積層体における第1の距離を第2の距離よりも長くできるので、第1の距離と第2の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を大きくすることができる。
本発明によれば、簡単な構造及び簡単な製造方法で所望のインダクタンス値を得ることができる積層型電子部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る積層型電子部品の一実施形態として積層型インダクタを示す外観斜視図である。図2は、図1に示す積層型インダクタの分解斜視図である。
積層型インダクタ1は、図1に示されるように、略直方体形状の積層体2と、積層体2の長手方向の両端面にそれぞれ形成された一対の端子電極3,4とを備える。なお、積層型インダクタ1の底面は、積層型インダクタ1が外部基板(図示せず)に実装されたときに、当該外部基板に対向する面である。
積層体2は、図2に示されるように、複数の絶縁体層A1〜A10と、導体パターンB1〜B6と、導体パターンB1〜B6をそれぞれ電気的に接続するスルーホール電極C1〜C5とにより構成されるコイル5とより構成される。なお焼成された実際の積層型インダクタ1は、絶縁体層A1〜A8の境界が視認できない程度に一体化されている。
絶縁体層を構成する絶縁体は、非磁性体または磁性体からなる。非磁性体には、例えば、ストロンチウム、カルシウム、アルミナ及び酸化珪素からなるガラスと、アルミナとからなるガラス系セラミックスを用いることができる。また、磁性体には、例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライト等のフェライトを用いることができる。
コイル5は、積層体2の内部に導体パターンB1〜B6とスルーホール電極C1〜C5とで矩形のスパイラル状に形成され、略3.5ターンに巻回されている。
具体的には、導体パターンB1は、コイル5の略5/8ターンに相当し、絶縁体層A3上で略C字状に形成されている。導体パターンB1の一端には、導出部B1aが一体的に形成され、絶縁体層A3の縁に引き出されている。そして、この導出部B1aは、端子電極3に電気的に接続される。導体パターンB1の他端は、絶縁体層A4を厚み方向に貫通して形成されたスルーホール電極C1と電気的に接続されている。このため、導体パターンB1は、積層された状態で、スルーホール電極C1を介して、対応する導体パターンB2の一端と電気的に接続される。
各導体パターンB2,B4は、それぞれコイル5の略1/2ターンに相当し、各絶縁体層A4,A6上で略L字状に形成されている。各導体パターンB2,B4の一端には、積層された状態で各スルーホール電極C1,C3と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB2,B4の他端は、各絶縁体層A5,A7を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C2,C4とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB2,B4は、積層された状態で、各スルーホール電極C2,C4を介して、対応する各導体パターンB3,B5とそれぞれ電気的に接続される。
各導体パターンB3,B5は、それぞれコイル5の略1/2ターンに相当し、各絶縁体層A5,A7上で略L字状に形成されている。各導体パターンB3,B5の一端には、積層された状態で各スルーホール電極C2,C4と電気的に接続される領域がそれぞれ含まれている。各導体パターンB3,B5の他端は、各絶縁体層A6,A8を厚み方向に貫通して形成された各スルーホール電極C3,C5とそれぞれ電気的に接続されている。このため、各導体パターンB3,B5は、積層された状態で、各スルーホール電極C3,C5を介して、対応する各導体パターンB4,B6とそれぞれ電気的に接続される。
導体パターンB6は、絶縁体層A8上でコイル5の略7/8ターンに相当し、絶縁体層A8上でスパイラル状に形成されている。導体パターンB6の一端には、積層された状態で、スルーホール電極C5と電気的に接続される領域が含まれている。導体パターンB6の他端には、導出部B6aが一体的に形成され、絶縁体層A8の縁に引き出されている。そして、導出部B6aは、端子電極4と電気的に接続される。
なお、コイル5を構成する導体材料は、銀、銅又はニッケル等の導電性の高い材料を用いることができる。また、端子電極3,4を構成する導体材料は、銀又はニッケル等の材料を用いることができ、その表面には電気めっきが施される。
続いて、図3及び図4を参照して、コイル5の形成位置について詳細に説明する。図3は、図1に示す積層型インダクタを積層方向から見た透視図である。図4は、図3に示す積層型インダクタのIV−IV線に沿った断面図である。
コイル5は、導体パターンB1,B3,B5,B6の4層が積層された第1の部分5aと、導体パターンB2,B4,B6の3層が積層された第2の部分5bとを有している。そして、第1の部分5aを構成する導体パターンB1,B3,B5,B6の外周縁部5cからこの外周縁部5cに対向する積層体2の側面2eまでの第1の距離Dと、第2の部分5bを構成する導体パターンB2,B4,B6の外周縁部5dからこの外周縁部5dに対向する積層体2の側面2fまでの第2の距離Dとは不均一となっている。すなわち、コイル5は積層数の多い第1の部分5a側または積層数の少ない第2の部分5b側にズレた位置に形成される。
本実施形態においては、第1の距離Dは第2の距離Dよりも短く設定されることにより不均一となっている。すなわち、コイル5は積層数の多い第1の部分5a側にズレた位置に形成されている。なお、この第1の距離Dと第2の距離Dとが不均一であれば特に限定されるものではなく、何れかの距離が0μm、すなわち、側面2eまたは2fにコイル5の外周縁部5cまたは5dが露出した状態でも良い。また、本実施形態においては、コイル5は矩形のスパイラル状に巻回されているが、円形のスパイラル状に巻回されていても良い。
また、長手方向におけるコイル5の位置は特に限定されない。すなわち、図3における端子電極3が形成される積層体2の一端面2aからこの一端面2aに対向するコイル5の外周縁部5eまでの距離Wと、端子電極4が形成される積層体2の他端面2bからこの他端面2bに対向するコイル5の外周縁部5fまでの距離Wとは、均一であっても不均一であってもよい。後述するとおり、この距離を調整してもインダクタンス値を調整することができないからである。
以上のように、本実施形態に係る積層型電子部品は、内部に形成されたコイル5が導体パターンの積層数の異なる第1の部分5aと第2の部分5bとを有し、第1の部分5aにおける導体パターンの積層数は、第2の部分5bにおける導体パターンの積層数よりも多くなるように構成されている。さらに、第1の部分5aにおける導体パターンの外周縁部5cと当該外周縁部5cに対向する積層体2の一側面2eとの第1の距離Dと、第2の部分5bにおける導体パターンの外周縁部5dと当該外周縁部5dに対向する積層体2の他側面2fとの第2の距離Dとが不均一である。したがって、第1の距離Dと第2の距離Dとを調整した簡単な構造により、インダクタンス値を調整した積層型電子部品を得ることができる。
また、本発明に係る積層型電子部品は、第1の距離Dが第2の距離Dよりも短くても長くても良い。第1の距離Dが第2の距離Dよりも短い場合は、第1の距離Dと第2の距離Dとが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を小さくすることができる。また、第1の距離Dが第2の距離Dよりも長い場合は、第1の距離Dと第2の距離Dとが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を大きくすることができる。
次に、図5〜図7を参照して、上述した構成の積層型電子部品の製造方法について説明する。図5は、図1に示す積層型インダクタを製造する際に用意する複数のグリーンシートを示す斜視図である。図6は、図5に示す各グリーンシートを積層したコイル集合体を示す斜視図である。図7は、図6に示すコイル集合体を積層方向から拡大して見た透視図である。
まず、ドクターブレード法などにより絶縁体材料と樹脂とを含むグリーンシートを成型し、図5に示されるように、絶縁体層A1〜A10の元となるグリーンシートA11〜A20を用意する。
続いて、各グリーンシートA14〜A18の所定の位置、すなわちスルーホール電極C1〜C5が形成される予定の位置に、レーザー加工等によってスルーホールをそれぞれ形成する。次に、各グリーンシートA13〜A18の上に、それぞれ複数の未焼成の各導体パターンB1〜B6をマトリクス状に形成する。未焼成の各導体パターンは、同一方向を向くように並んで形成される。なお、グリーンシートA11,A12,A19,A20には、何らのパターンも形成されていない。また、未焼成の各導体パターンB1〜B6及び未焼成の各スルーホール電極C1〜C5は、銀又はニッケルなどの導体材料と樹脂とを含んだ導電性ペーストを用いてスクリーン印刷法により形成される。
続いて、各グリーンシートA11〜A20を図5に示される順序にて積層し、積層方向に圧力を加えて各グリーンシートA11〜A20を圧着し、図6に示すようなコイル集合体6を形成する。
そして、コイル集合体6を、図6に示されるような2方向に延びる切断線Pに沿ってチップ単位に切断して略矩形状のグリーン積層体(未焼成積層体)を得る。ここで、図7に示されるようにコイル集合体6の内部には、未焼成導体パターンの積層数が4層となる第1の部分7aと、3層となる第2の部分7bとを含む複数の未焼成コイル7がマトリクス状に並んで形成されている。切断線Pは、短手方向(図示x方向)に隣り合う未焼成コイル7の間であって、未焼成コイル7の長手方向(図示y方向)に沿って延びるy方向切断線Pyが設定される。また、切断線Pは、長手方向に隣り合う未焼成コイル7の間であって、未焼成コイル7の短手方向に沿って延びるx方向切断性Pxが設定される。そして、y方向切断線Pyは、短手方向に互いに隣り合う複数の未焼成コイル7間の中心線CLよりも何れかの未焼成コイル7側にズレた位置に設定される。したがって、切断して得られるグリーン積層体は、第1の部分7aにおける未焼成導体パターンの外周縁部7cとこの外周縁部7cに対向するグリーン積層体の一側面(すなわち、y方向切断線Pyに沿って切断された一切断面)との第3の距離Dと、第2の部分7bにおける未焼成導体パターンの外周縁部7dとこの外周縁部7dに対向するグリーン積層体の他側面(すなわち、y方向切断線Pyに沿って切断された他切断面)との第4の距離Dとが不均一となる。
本実施形態においては、y方向切断線Pyは中心線CLから未焼成導体パターンの第1の部分7a側に所定量ズレた位置に設定されている。したがって、このy方向切断線Pyに沿って切断することにより、グリーン積層体の第3の距離Dは、第4の距離Dよりも短くなるように形成されることとなる。
なお、グリーン積層体の第3の距離Dは焼成後の積層体の第1の距離Dに対応し、グリーン積層体の第4の距離Dは焼成後の積層体の第2の距離Dに対応する。同一の絶縁体材料を使用している限り、積層体の焼成時の縮率は変わらないので、グリーン積層体の第3の距離Dとグリーン積層体の第4の距離Dとを不均一としている限り、積層体の第1の距離Dと積層体の第2の距離Dとは不均一となる。
続いて、グリーン積層体を、所定温度(例えば、840〜900℃程度)にて焼成を行い、積層体2を形成する。積層体2は、例えば、焼成後における長手方向の長さが1.6mm、幅が0.8mm、高さが0.8mmとなるようにする。また、各導体パターンB1〜B6は、例えば、焼成後における幅が140μm、厚みが5μmとなるようにする。さらに、例えば、コイル5の長手方向における内径が600μmとなるようにする。なお、焼成後における導体パターンの幅は、ユーザーの要求特性に応じて100μm〜160μmの範囲の中から適宜選択される。また、コイルの長手方向における内径は、ユーザーの要求特性に応じて500μm〜1000μmの中から適宜選択される。
続いて、この積層体2に端子電極3,4を形成する。これにより、積層型インダクタ1が形成されることとなる。端子電極3,4は、積層体2の長手方向の両端面にそれぞれ銀、ニッケル又は銅を主成分とする電極ペーストをスクリーン印刷するか、あるいは印刷とディップ方式を用いて塗布して、所定温度(例えば、680〜740℃程度)で焼付けを行い、さらに電気めっきを施すことにより形成される。この電気めっきとしては、Cu、Ni及びSn等を用いることができる。これにより、積層型インダクタが完成することとなる。
以上、シート工法を用いた積層型インダクタの製造方法を説明したが、印刷積層工法を用いても良い。
以上のように、本実施形態に係る積層型電子部品の製造方法によれば、切断工程において、積層数の多い第1の部分7aにおける未焼成導体パターンの外周縁部7cと当該外周縁部7cに対向するグリーン積層体の一側面との第3の距離Dと、積層数の多い第2の部分7bにおける未焼成導体パターンの外周縁部7dと当該外周縁部7dに対向するグリーン積層体の他側面との第4の距離Dとが不均一になるようにコイル集合体6を切断する。したがって、切断位置を調整するだけで焼成後の積層体2における第1の距離と第2の距離とを任意に設定できるので、積層型電子部品のインダクタンス値を容易に調整することができる。
また、本発明に係る積層型電子部品の製造方法は、第3の距離が第4の距離よりも短くても長くても良い。第3の距離が第4の距離よりも短い場合は、切断工程における切断位置を調整するだけで、焼成後の積層体における第1の距離を第2の距離よりも短くできるので、第1の距離と第2の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を小さくすることができる。また、第3の距離が第4の距離よりも長い場合は、切断工程における切断位置を調整するだけで、焼成後の積層体における第1の距離を第2の距離よりも長くできるので、第3の距離と第4の距離とが均一な積層型電子部品に比べてインダクタンス値を大きくすることができる。
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
積層型電子部品として図1〜図4に示されるような、略3.5ターンの略矩形のスパイラル状のコイルを内蔵し、絶縁体にNi−Cu−Zn系フェライトを用いた1608形状(長さ1.6mm×幅0.8mm×高さ0.8mm)の積層型インダクタを作製した。ここで、図3におけるDとDとの差(D−D)が−40μmとなるように、切断位置を調整してコイルの位置を設定した。なお、図3における長手方向におけるコイルの位置を示すWとWとの差(W−W)は0μmである。また、導体パターンの幅は140μm、コイルの長手方向における内径は600μm、コイルの短手方向における内径は260μmとした。
(実施例2)
−Dが80μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(実施例3)
−Dが160μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例1)
−Dが0μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
−Dが0μm、W−Wが−40μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例3)
−Dが0μm、W−Wが80μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(比較例4)
−Dが0μm、W−Wが160μmとなるようにコイルの位置を調整した以外は、実施例1と同様とした。
(評価及び結果)
上記の各実施例1〜3、各比較例4〜7の各サンプルについて、インダクタンス測定器によりインダクタンス値を測定した。そして、比較例1のサンプルのインダクタンス値に対する他のサンプルのインダクタンス値の変化率(%)を求めた。これら結果を図8に示す。図8は、コイル位置を変えた場合のインダクタンス値変化率を示す図である。ここで、曲線aは、コイルを短手方向にズラした場合の変化率を示し、曲線bは、コイルを長手方向にズラした場合のインダクタンス値の変化率を示す。なお、算出した結果は、実施例1が0%、実施例2が−8%、実施例3が−25.8%、比較例2が0%、比較例3が−0.3%、比較例4が−1.1%となった。
この図8の曲線aに示されるように、D−Dの値が大きくなるほど、すなわち積層数(巻数)の少ない側にコイル全体をズラすほど積層型インダクタのインダクタンス値を低下させることができることが判明した。また、曲線bに示されるように、W−Wの値、すなわちコイルの長手方向における位置によっては、インダクタンス値は影響を受けないことも判明した。
本発明に係る積層型電子部品の一実施形態として積層型インダクタを示す外観斜視図である。 図1に示す積層型インダクタの分解斜視図である。 図1に示す積層型インダクタを積層方向から見た透視図である。 図3に示す積層型インダクタのIV−IV線に沿った断面図である。 図1に示す積層型インダクタを製造する際に用意する複数のグリーンシートを示す斜視図である。 図5に示す各グリーンシートを積層したコイル集合体を示す斜視図である。 図6に示すコイル集合体を積層方向から拡大して見た透視図である。 コイル位置を変えた場合のインダクタンス値変化率を示す図である。
符号の説明
1…積層型電子部品、2…積層体、3,4…端子電極、5…コイル、6…コイル集合体、7…未焼成コイル。

Claims (6)

  1. 絶縁体層と導体パターンとが積層され内部にコイルが形成された略直方体の積層体と、
    当該積層体の両端面に形成された端子電極と、を備える積層型電子部品であって、
    前記コイルは、前記導体パターンの積層数の異なる第1の部分と第2の部分とを有し、
    前記第1の部分における前記導体パターンの積層数は、前記第2の部分における前記導体パターンの積層数よりも多くなるように構成され、
    前記第1の部分における前記導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する前記積層体の一側面との第1の距離と、前記第2の部分における前記導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する前記積層体の他側面との第2の距離とが不均一であることを特徴とする積層型電子部品。
  2. 前記第1の距離は、前記第2の距離よりも短いことを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
  3. 前記第1の距離は、前記第2の距離よりも長いことを特徴とする請求項1記載の積層型電子部品。
  4. 絶縁体材料と樹脂とを含む未焼成絶縁体層と導体材料と樹脂とを含む未焼成導体パターンとを積層して複数の未焼成コイルを含むコイル集合体を形成する積層工程と、
    前記コイル集合体を切断して、1つの未焼成コイルを含む略直方体の未焼成積層体を形成する切断工程と、
    前記未焼成積層体を焼成して積層体を形成する焼成工程と、
    前記積層体の両端面に端子電極を形成する端子電極形成工程と、を備える積層型電子部品の製造方法であって、
    前記積層工程では、前記未焼成コイルが前記未焼成導体パターンの積層数の異なる第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分における前記未焼成導体パターンの積層数が、前記第2の部分における前記未焼成導体パターンの積層数よりも多くなるように前記未焼成絶縁体層と前記未焼成導体パターンとを積層し、
    前記切断工程では、前記第1の部分における前記未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する前記未焼成積層体の一側面との第3の距離と、前記第2の部分における前記未焼成導体パターンの外周縁部と当該外周縁部に対向する前記未焼成積層体の他側面との第4の距離とが不均一になるように前記コイル集合体を切断することを特徴とする積層型電子部品の製造方法。
  5. 前記第3の距離は、前記第4の距離よりも短いことを特徴とする請求項4記載の積層型電子部品の製造方法。
  6. 前記第3の距離は、前記第4の距離よりも長いことを特徴とする請求項4記載の積層型電子部品の製造方法。
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