JP2907229B2 - 紫外線硬化性接着剤組成物 - Google Patents

紫外線硬化性接着剤組成物

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JP2907229B2 JP30580390A JP30580390A JP2907229B2 JP 2907229 B2 JP2907229 B2 JP 2907229B2 JP 30580390 A JP30580390 A JP 30580390A JP 30580390 A JP30580390 A JP 30580390A JP 2907229 B2 JP2907229 B2 JP 2907229B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は紫外線硬化性接着剤組成物に関し、更に詳し
くは接着、硬化時の収縮率が低く、耐水性、及びプラス
チックと金属の双方への接着性に優れた特性を示す接着
剤組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
アクリル系紫外線硬化性接着剤は迅速な硬化性を有す
るため電気、電子部品やガラス製日常品等の接着に広く
用いられているが、更にその用途を拡大するためには、
次にあげるいくつかの問題点の解決が望まれている。
まず一つは接着、硬化時の収縮率が大きいために生じ
る歪みのために接着強度が本来期待されるレベルより、
はるかに低い性能しか実際には実現されないことであ
る。次にアクリル硬化体に共通した課題として耐水性に
劣ることが挙げられ、特に電気、電子部品等に要求され
る高温高湿下での耐久試験において接着力の低下が不可
避である。もう一つの問題点はプラスチックと金属等に
代表される異種材料間の接着に対応しうるような幅広い
種類の材料への接着性を示す接着剤が無いことである。
例えばポリカーボネートへの接着性を重視して接着剤を
選択した場合、アルミニウムやステンレスに対する良好
な接着性は期待できない。
本発明はアクリル系紫外線硬化性接着剤におけるこれ
らの問題点を解決する目的でなされたものであり、紫外
線硬化性の特性を保持しつつ、接着、硬化時の収縮率を
低減し、耐水性を高めるとともに異種材料間の接着を可
能にし、幅広い種類の材料への接着性を賦与することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意検討を重
ねた結果、紫外線硬化性アクリル組成物即ち特定のアク
リル官能性基を側鎖の一部に有するポリオルガノシルセ
スキオキサン、ポリメタアクリレート、単官能性の(メ
タ)アクリル酸エステル、末端(メタ)アクリル変性の
特定のオリゴマー、及び光重合開始剤を複合すること
で、上記目的が達成されることを見い出した。すなわち
本発明は、 (A)下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル官
能性ポリオルガノシルセスキオキサン (式中R1,R2は炭素数が1〜3のアルキル基及び下記一
般式(II)で示されるアクリル又はメタクリル官能性基
からなる群から選ばれるが、アクリル又はメタアクリル
官能性基(II)は常に含まれ、又m個の各構造単位は互
いに同一又は異なる。又R3,R4,R5,R6は水素原子、メチ
ル基及びエチル基からなる群から選ばれる2種以上から
なり、水素原子は常に含まれる。mは重合度と示す。
一般式(II)は、 (式中、R7は水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数
1〜12の非置換又は置換二価炭化水素を示し、R7,R8
それぞれm個の構造単位間において異なっていてもよ
い。) (B)下記一般式(III)で示されるポリ(メタ)アク
リレート (式中、R9は水素原子又はメチル基であり、l個のR9
すべて同じでなくてもよい。R10は異なる炭素原子に
(メタ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水素残基、
主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又は多価アルコー
ルと多塩基酸とで構成されるエステルの残基を示し、l
は2以上の整数である。) (C)単官能性の(メタ)アクリル酸エステル (D)粘度平均分子量が1,000〜30,000の末端(メタ)
アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー、末端(メタ)
アクリル変性アクリロニトリル・ブタジエンオリゴマー
及び末端(メタ)アクリル変性クロロプレンオリゴマー
からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び (E)光重合開始剤 からなる成分を含有してなる紫外線硬化性接着剤組成物
に関する。
本発明において(A)成分として使用される(メタ)
アクリル官能性ポリオルガノシルセスキオキサンは、下
記一般式(I)で示され、シルセスキオキサン単位のm
個の繰り返し構造からなるものである。
繰り返し構造単位におけるR1,R2は炭素数が1〜3のア
ルキル基及び一般式(II) で示される、アクリル又はメタクリル官能性基からなる
群から選ばれる。ここで言うアクリル又はメタクリル官
能性基とはアクリル基又はメタクリル基をその官能基の
一部に含んでいるものを指す。又、炭素数1〜3のアル
キル基は、メチル、エチル、プロピル基、イソプロピル
基のいずれかであり、炭素数4以上のアルキル基やフェ
ニル基では紫外線硬化後の硬化被膜の硬度、耐摩耗性が
不十分となり好ましくない。又、上記一般式(II)で示
されるアクリル又はメタクリル官能性基中R7は水素原子
又はメチル基であり、R8は炭素数1〜12の非置換又は置
換二価炭化水素基である。R8の非置換二価炭化水素基の
例としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テト
ラメチレンなどのアルキレン基が挙げられ、又R8の置換
二価炭化水素基の例としてはアルキル基、アルケニル
基、アリール基、シクロアルキル基又はこれらの基の炭
素原子に結合した水素原子の一部をハロゲン原子、シア
ノ基などで置換した基等が挙げられる。
なお、一般式(I)の繰り返し単位を形成する各シル
セスキオキサン構造単位はR1,R2の選択により決まる
が、同一であっても異なっていても良い。前記一般式
(I)のm個の繰り返し単位のR1,R2は炭素数1〜3の
アルキル基及び前記一般式(II)で示されるアクリル又
はメタクリル官能性基からなる群から選ばれ且つアクリ
ル又はメタクリル官能性基(II)は常に含まれるが該官
能性の置換基と該アルキル基とのモル比は5〜50:95〜5
0が好ましい。アクリル又はメタクリル官能性の置換基
が5モル%未満の場合紫外線硬化速度が遅く、又50モル
%を超えると紫外線硬化性は良好になるが、耐水性、耐
溶剤性等に欠けるようになる。
次に、一般式(I)において、R3,R4,R5,R6は水素原
子、メチル基、エチル基から選ばれる2種以上から成る
が水素原子には常に含まれる。すなわち、ポリマーの末
端基OR3,OR4,OR5,OR6のうち少なくとも1つは水素基で
あり、他はメトキシ基及び/又はエトキシ基である。
R3,R4,R5,R6の内容は原料に用いる複数のトリアルコ
キシ類の種類と比率さらには加水分解及び縮合反応に対
する反応性、反応温度、時間などの反応条件によって影
響される。例えば原料にトリメトキシシランとトリエト
キシシランとをある比率で併用した場合、加水分解及び
縮合反応に対する反応性はトリメトキシシランの方が高
いため、縮合反応が一定段階まで進んだ状態で反応停止
し、本発明のA成分として用いられる一般式(I)の末
端基のうち、水酸基を除くと、エトキシ基の残留率がメ
トキシ基の残留率より高いため、原料段階での比率よ
り、エトキシ基の比率が高くなっている。なお、ここで
記述したようにアルコキシ基は加水分解して水酸基とな
り、次いで起こる縮合反応は水酸基どおしの脱水反応又
は水酸基とアルコキシ基との脱アルコール反応の形式を
採りながら進行するため、水酸基は常に(I)のオリゴ
マーに含まれていることが必須であることは明白であ
る。
本発明における(A)成分の数平均分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと省略す
る)等の測定方法により容易に測定されるが、1,000〜1
00,000の範囲が好ましい。分子量が1,000未満では耐水
性が不充分となる他、硬化収縮が大きくなる欠点があ
り、逆に分子量が100,000を超えると紫外線硬化性接着
剤組成物の粘度が高くなりすぎて実用上の問題が生ず
る。(A)成分をこのような分子量域のポリマーとする
ことにより、紫外線硬化に伴う収縮は低減され、接着時
に発生する歪みなどの弊害を回避することが可能となっ
た。
本発明における(A)成分の一合成方法としては以下
のような方法もある。
アクリル又はメタクリル官能性基を有するトリアルコ
キシシランと炭素数1〜3のアルキル基を有するアルキ
ルトリアルコキシシランとを水と酸又は塩基の共存下、
必要ならば加温して縮合させた後、共存する水及び副生
するアルコールを除去することにより製造される。
本発明において(B)成分は下記一般式で示されるポ
リアクリレート又はポリメタクリレートであり、 (III)式中R9は水素原子又はメチル基であり、l個のR
9はすべて同じでなくてもよい。R10は異なる炭素原子に
(メタ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水素残基、
主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又は、多価アルコ
ールと多塩基酸とで構成されるエステルの残基を示し、
lは2以上の整数である。
この場合、R10の異なる炭素原子に(メタ)アクリル
酸残基が結合した多価炭化水素残基又は、主鎖に酸素を
有する多価炭化水素残基であるポリアクリレート又はポ
リメタクリレートは、有機多価アルコールとアクリル酸
又はメタクリル酸とのエステル化反応を公知の条件下に
反応させることにより製造することができる。
この、有機多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3
−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、プロピ
レングリコール、平均分子量約150〜約600を有するポリ
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2,2−ジ
メチル−3−ヒドロキシプロパナート、平均分子量約15
0〜約600を有するポリエチレングリコール、2,2−ビス
〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フ
ェニル〕プロパン、トリエタノールアミン、2,3−ブタ
ンジオール、テトラエチレングリコール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、約1.5当
量のカプロラクトンを含むトリメチロールプロパンのポ
リカプロラクトンエステル、約3.6当量のカプロラクト
ンを含むトリメチロールプロパンのポリカプロラクトン
エステル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,5−
ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、2,2−
ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,2,
6−ヘキサントリオール、1,3−プロパンジオール、1,6
−ヘキサンジオール等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上が使用し得る。
このようなポリアクリレート又はポリメタクリレート
としては、特に限定されるものではないが、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ぺンタエリスリ
トールトリアクリレート、ぺンタエリスリトールテトラ
アクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリ
レートなどが挙げられる。
又、R10として多価アルコールと多塩基酸とで構成さ
れるエステルの残基を有するポリアクリレート又はポリ
メタクリレートを得る場合、多価アルコールとしては、
例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1、6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、1,2、6−ヘキサントリオール、ソル
ビトール、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール
などが挙げられる。
一方、多塩基酸としては、例えばフタル酸、テトラヒ
ドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、ハイミック酸、コハク酸、アジピン酸、
ドデカン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、フ
マール酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などの多塩
基酸又はその無水物などがある。なお、エステル残基R
10は1種の多価アルコールと1種の多塩基酸であること
を必要とせず、それぞれ2種以上の多塩基酸から構成さ
れていても良い。
このようなポリエステルアクリレートの具体例として
は、 などが挙げられる。
本発明において(C)成分とし使用される単官能性の
(メタ)アクリル酸エステルとは、1分子中に1つの
(メタ)アクリル酸残基を含む(メタ)アクリル酸エス
テルを指す。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソアミ
ル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、テトラヒドロ
フルフリルなどが挙げられるが、特に好ましい例として
は(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル
酸−2−フェノキシエチルが挙げられる。なお(C)成
分は1種であることを必要とせず、2種以上の(メタ)
アクリル酸エステルであってもよい。
本発明において(D)成分として用いられるのは、粘
度平均分子量が1,000〜30,000の末端(メタ)アクリル
変性ポリブタジエンオリゴマー、末端(メタ)アクリル
変性アクリロニトリル、ブタジエンオリゴマー及び末端
(メタ)アクリル変性クロロプレンオリゴマーからなる
群から選ばれる少なくとも1種以上である。これらのオ
リゴマーの粘度平均分子量が1,000未満であると、接着
強度のうちの剥離強度や耐衝撃性が不充分となり、逆に
30,000を超えると紫外線硬化性接着剤組成物としたとき
に組成物の粘度が高くなりすぎて実用上の問題が生ず
る。
本発明において使用される(E)成分である重合開始
剤としては、従来公知とされている種々のものを使用す
ることができ、具体的にはアセトフェノン、プロピオフ
ェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレノ
ン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アンスラキノン、
3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノ
ン、4,4′ジメトキシベンゾフェノンなどが例示され
る。
これらの光重合開始剤は1種類を単独でもしくは2種
類以上を混合して使用することができる。
又、本発明においては上記の光重合開始剤と共に3級
アミン等のいわゆる増感助剤を用いて紫外線硬化性を一
層高めることも可能である。3級アミンとしては脂肪
族、芳香族の各種3級アミンが使用可能であり、N−ジ
メタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル
ジエタノールアミン、トリエチルアミン、P−ジメチル
アミノ安息香酸エチルなどが例示される。
本発明においてこれらの光重合開始剤及び増感助剤は
(A),(B),(C),(D)成分の合計量100重量
部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは
1〜4重量部の範囲である。
本発明における紫外線硬化性接着剤組成物における
(A),(B),(C),(D)各成分の配合量は、
(A)〜(D)各成分の合計が100重量%とした場合、
各々3〜70重量%が好ましく、さらには好ましくは各々
5〜50重量%の範囲である。各成分とも3重量%以下で
はそれぞれの成分特有の機能の発現が困難であり、逆に
70重量%以上となると他の成分の寄与する機能が充分に
発揮されなくなる。
なお本発明の紫外線硬化性接着剤の組成物において、
(A)〜(D)成分及び光重合開始剤の外に硬化物の物
性の改良を目的として、あるいは硬化物の用途等に応じ
て、種々の物質や化合物を配合して硬化させることが可
能である。例えば稀釈による粘度調整、基材に対する密
着性、帯電防止性などの目的でグリシジルメタクリレー
ト、2−メタクリロイルオキシエチル−アシッドホスフ
ェート、メタクリル酸、N−ビニル−2−ピロリドンな
どの反応性添加剤を用いることができる。又熱重合防止
剤としてハイドロキノン、P−メトキシフェノールな
ど、着色顔料としてフタロシアニンブルー、フタロシア
ニングリーン、チタンホワイトなど、増粘剤としてシリ
カ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、コロイダルシ
リカなど、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤など、更に
本発明の組成物の特徴を損なわない範囲で、使用目的に
応じ通常のジオルガノポリシロキサン等を添加しても良
い。
本発明の紫外線硬化性接着剤組成物を用いて接着する
被着体の材質としては、金属、プラスチック、セラミッ
クス、ガラス、木材等各種のものが挙げられるが、紫外
線硬化を行うため、被着体の少なくとも一方は紫外線を
透過せしめるガラス、プラスチック等の材質である必要
がある。
接着に際しては一方、又は両方の被着体の表面に刷
毛、ヘラ、ディスペンサーなどを用いて、本発明の組成
物を塗布し、所定の位置に重ね合せた後紫外線照射を行
う。
本発明に係わる組成物を硬化させるに際して使用され
る紫外線源としては、紫外線蛍光灯、高圧水銀灯、炭素
アーク灯、メタルハライド灯等があり、その照射量は適
宜選定しうる。硬化時間は線源の強さにもよるが通常2
〜30秒程度である。
〔作用〕
本発明においては(メタ)アクリル官能性ラダー型ポ
リオルガノシルセスキオキサンを成分の1つに採り入れ
ており、このものは比較的高分子量のものであっても、
各種のアクリレートとよく相溶し、かつ低粘性を示すこ
とが特徴である。高分子量の成分を一定比率以上加える
ことで硬化収縮の低減を図ることができるようになり、
又このラダー型ポリオルガノシルセスキオキサンの撥性
を接着剤に導入することで、耐水性も大きく改良しうる
ようになった。ラダー型ポリオルガノシルセスキオキサ
ンの接着性が被着体によって大きく変化するのをカバー
しているのが他の成分であり、その他多官能アクリレー
トは硬化速度を又エラストマーは衝撃強度を向上させる
役割を担っている 〔実施例〕 以下、実施例と比較例を示し本発明を具体的に説明す
る。実施例及び比較例中の「部」は特に断りのない限り
「重量部」を示す。
〈(A)‐1成分の合成〉 温度計、撹拌装置、環流冷却器を取りつけた1のフ
ラスコに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン149g(0.6モル)、メチルトリエトキシシラン428g
(2.4モル)、塩酸0.0015モル、水、108g(6モル)、
P−メトキシフェノール0.01gを仕込み、フラスコ内の
温度を60℃まで昇温し、撹拌しながら30分間保持した。
続いて70℃に昇温し、1時間反応させた後、n−ブチル
アミン0.6g(0.0082モル)を滴下し、更に45分間反応を
せしめた後、蟻酸0.4g(0.0087モル)を滴下し、70℃で
30分間保持した。水洗した後、無水硫酸ナトリウムで脱
水後、ロータリーエバポレータを用いて脱溶媒したとこ
ろ、25℃の粘度が500cpsの粘稠な(A)‐1成分310gが
得られた。この(A)‐1成分の粘度平均分子量は14,2
00であった。本発明の(A)‐1成分においては側鎖の
メチル基とメタクリル基とのモル比は80:20であった。
〈実施例1〉 前記(A)‐1成分20部、イソボルニルメタクリレー
ト35部、2−フェノキシエチルメタクリレート15部、粘
度平均分子量3,200の未満メタクリル変性ポリブタジエ
ンオリゴマー15部、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート8部、ベンゾフェノン3.5部、Pジメチルアミ
ノ安息香酸エチル3.5部を混合し、紫外線硬化性接着剤
組成物を調製した。
得られた接着剤組成物の粘度は250cps(20℃)であ
り、冷暗所での保存安全性は良好であり2ヶ月後も性状
の変化は見られなかった。この接着剤を用いて、JIS K6
804に従ってポリカーボネート板とステンレススチールS
US304の板を接着した。接着の硬化は高圧水銀灯を用い
て3J/cm2の紫外線照射により行った。得られた接着体の
引張りせん断強度を測定したところ、常態接着強さ28kg
f/cm2、1時間水中で煮沸後の接着強さ24kgf/cm2という
結果が得られた。
〈比較例1〉 市販の紫外線硬化性アクリル接着剤のうち、ステンレ
ス用とポリカーボネート用のものを用い、実施例1と同
じ条件で接着を行ったところ、測定できるような接着強
度は得られなかった。従って水中での煮沸試験は実施で
きなかった。
〈硬化収縮率の算出〉 実施例で得られた組成物をメチルセロソルブに溶解し
て40%溶液とし、スピンナーを用いて厚さ1mmのポリカ
ーボネートディスクにコーティングし、高圧水銀灯を用
いて2J/cm2の紫外線照射を行った。硬化被膜の厚さは約
3μmで硬化に伴なうディスクの反りはほとんど認めら
れずわずかな反りから硬化収縮率を算出すると0.63%で
あった。一方同様にして市販の紫外線硬化型アクリル接
着剤の硬化収縮率を求めると2.75%であり、本発明の紫
外線硬化性接着剤組成物の硬化収縮率の低さが確認され
た。
〈(A)‐2成分の合成〉 温度計、撹拌装置、還流冷却器を取りつけた1のフ
ラスコに、β−アクリロキシエチルトリメトキシシラン
66.0g(0.3モル)、メチルトリエトキシシラン320g(1.
8モル)、塩酸0.0008モル、水144g(8モル)、P−メ
トキシフェノール0.02gを仕込んだ後、フラスコ内の温
度を50℃まで昇温し、撹拌しながら30分間保持した。続
いて64℃に昇温し、1時間反応させた後、n−ブチルア
ミン0.095g(0.0013モル)を滴下し、更に1時間反応せ
しめた後、蟻酸0.027g(0.0006モル)を滴下し、64℃で
30分間保持した。水洗した後、無水硫酸マグネシウムで
脱水し、ついでエバポレータを用いて脱溶したところ、
25℃の粘度が850cpsの粘稠な反応物270gが得られた。こ
の反応物の粘度平均分子量は28,000であった。
本発明の(A)‐2成分においては、側鎖のメチル基
とメタクリル基とのモル比は60:10であった。
〈実施例2〉 前記(A)‐2成分 20部 2−フェノキシエチルメタクリレート 30部 シジクロペンテニルオキシエチルメタクリレート8部 エチレングリコールマレエートメタクリレート 7部 末端メタクリル変性液状アクリロニトリルブタジエンゴ
ム(粘度平均分子量2,500) 20部 トリメチロールプロパントリアクリレート 7部 ベンゾフェノン 4部 P−ジメチルアミノ安息香酸エチル 4部 を混合し、紫外線硬化性組成物を調製した。得られた
接着剤組成物の粘度は520cps(20℃)であり、冷暗所で
の保存安定性は良好であって2ヶ月後も特別の変化は認
められなかった。
この接着剤を用い、JIS K6804に従ってポリカーボネ
ート板とアルミ板を接着した。接着時の紫外線照射は実
施例1と全く同様に行った。引張りせん断強度測定結果
は常態で58kgf/cm2と良好であった。
〔発明の効果〕
本発明の紫外線硬化性接着剤組成物は、紫外線硬化に
よる数秒以内の迅速な速硬化の特性と共に、低硬化収縮
性のため接着時の歪みや強度低下の弊害も無く、又耐水
性に優れるとともに、プラスチックから金属までの幅広
い材料を異種接着しうる等の特徴を有するため電気,電
子部品、日常雑貨品等の接着に応用性が大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83/06 C08L 83/06 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C09J 1/00 - 201/10 C08L 1/00 - 101/14 C08G 77/00 - 77/62

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A),(B),(C),(D)及び
    (E)からなる成分を含有してなることを特徴とする紫
    外線硬化性接着剤組成物。 (A)下記一般式(I)で示される(メタ)アクリル官
    能性ポリオルガノシルセスキオキサン (式中R1,R2は炭素数が1〜3のアルキル基及び下記一
    般式(II)で示されるアクリル又はメタクリル官能性基
    からなる群から選ばれるが、アクリル又はメタクリル官
    能性基(II)は常に含まれ、又m個の各構造単位は互い
    に同一又は異なる。又R3,R4,R5,R6は水素原子、メチル
    基及びエチル基からなる群から選ばれる2種以上からな
    り、水素原子は常に含まれる。mは重合度を示す。 一般式(II)は、 式中R7は水素原子又はメチル基を示し、R8は炭素数1〜
    12の非置換又は置換二価炭化水素を示し、R7,R8はそれ
    ぞれm個の構造単位間において異なっていてもよい。) (B)下記一般式(III)で示される(メタ)アクリレ
    ート (式中、R9は水素原子又はメチル基であり、l個のR9
    すべて同じでなくてもよい。R10は異なる炭素原子に
    (メタ)アクリル酸残基が結合した多価炭化水素残基、
    主鎖に酸素を有する多価炭化水素残基又は多価アルコー
    ルと多塩基酸とで構成されるエステルの残基を示し、l
    は2以上の整数である。) (C)単官能性の(メタ)アクリル酸エステル (D)粘度平均分子量が1,000〜30,000の末端(メタ)
    アクリル変性ポリブタジエンオリゴマー、末端(メタ)
    アクリル変性アクリロニトリル・ブタジエンオリゴマー
    及び末端(メタ)アクリル変性クロロプレンオリゴマー
    からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び (E)光重合開始剤
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