JP2903759B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JP2903759B2 JP10299791A JP10299791A JP2903759B2 JP 2903759 B2 JP2903759 B2 JP 2903759B2 JP 10299791 A JP10299791 A JP 10299791A JP 10299791 A JP10299791 A JP 10299791A JP 2903759 B2 JP2903759 B2 JP 2903759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜トランジスタ(TF
T)及びその製造方法に関する。近年,液晶ディスプレ
イ(LCD)の駆動素子として,TFTマトリックスが
使用されるようになった。このようなTFTマトリック
ス駆動LCDは,小型テレビに実用化されており, さら
に大型テレビやラップトップ型パソコンのディスプレイ
に需要が見込まれている。その製造技術は年々進歩して
いるが,いまだ充分とはいえず,例えば,表示品質を阻
害しているクロストーク(ある画素が他の画素のデータ
の影響を受けること)や,DCレベルシフト(ゲート電
圧の立ち下がり時のデータ電圧のDC変化)を無くす必
要がある。
【0002】
【従来の技術】図7はトップゲートスタガー型TFTを
用いたTFTマトリックスの構造の説明図で,(a) はT
FTマトリックスの斜視図, (b)はTFT素子の断面図
であり,1はガラス基板,2はドレイン電極,3はソー
ス電極兼画素電極,4は動作半導体層,4aはソース側一
導電型半導体層,4bはドレイン側一導電型半導体層,5
はゲート絶縁層,6はデータバスライン,7はゲート絶
縁層兼層間絶縁層,8はゲート電極を表す。
【0003】ドレイン電極2にはデータバスライン6,
ゲート電極8にはゲートバスライン,ソース電極3には
画素電極が接続されており,このようなTFTがマトリ
ックス状に配列されて1枚のLCDパネルのTFT側基
板を形成している。
【0004】この基板と対向する側にコモン電極を持つ
基板(図示せず)を液晶を挟んで配置し,LCDパネル
を構成する。LCDパネルのTFT基板側のn行m列目
のTFTには,ゲート電極8及びドレイン電極2に電圧
を印加する。図8に印加電圧波形と応答電圧波形を示
す。
【0005】VG はゲート電極8に印加されたゲート電
圧,VDATAはドレイン電極2に印加されたデータ電圧を
表し,TFTはあるタイミングでオン状態となり,その
瞬間のデータ電圧VDATAに対応して,ソース電極3に接
続された画素電極に電圧VD が書き込まれて表示を行
う。VCOM は対向電極の電位である。
【0006】従来のTFTではアドレス用のゲート電圧
G が立ち下がる時(TFTをオン状態からオフ状態に
する時)に画素電極に書き込まれた電圧VD がn型TF
Tでは負側に,p型TFTでは正側にΔVD だけシフト
するという問題がある。
【0007】この現象は大きく分けて次の二つの原因に
よっている。図9はLCDパネルの電気的等価回路を示
し,第1の原因を説明するためのものである。
【0008】n行m列目のTFTアドレス時には,ゲー
ト電極(ゲートバスライン)8にn型TFTの場合には
正の電圧,p型TFTの場合には負の電圧が印加され,
ゲートバスライン8と画素電極(ソース電極)3との間
に形成された容量結合CGSにはデータ以外の負の電荷
(n型TFTの場合)または正の電荷(p型TFTの場
合)が蓄積される。その後,ゲート電圧の立ち下がり時
には,この電荷が液晶の容量結合CLCに再配分されるた
め,画素電極3に書き込まれた電圧VD がn型TFTで
は負側に,p型TFTでは正側にシフトする。
【0009】これについては,ゲートバスラインをシー
ルドする方法や,n+1番目のゲートバスラインにn番
目のゲートバスラインと対称な電圧を印加することによ
り打ち消す方法が提案されており,解決できることが示
されている。
【0010】図10はオン状態のTFTの電荷を示す図
で, 第2の原因を説明するためのものである。ゲート電
極8にゲート電圧が印加されている時には,ゲート電極
8と半導体チャネル部の半導体層4間にゲート絶縁層7
を挟んで形成された容量CTFT に電荷が蓄積されてい
る。この電荷がゲート電圧が立ち下がる時にソース電極
3側とドレイン電極2側に分配される。そのため,画素
電極(ソース電極)3に書き込まれた電圧VD がn型T
FTでは負側に,p型TFTでは正側にシフトする。
【0011】本発明は,電圧シフトの第2の原因をなく
そうとするものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】第2の原因による電圧
シフトについてもう少し詳しく考察する。図11はn型T
FTのソース電極3からドレイン電極2に至る電流経路
のバンド図で, (a) はオン状態,(b) はオフ状態を示
す。
【0013】ゲート電極8に正電圧を印加したオン状態
では,半導体層はチャネル部において伝導帯下端がフェ
ルミレベルの下までひき下げられ,チャネル部はフェル
ミレベルから伝導帯下端の間に電子が満たされた状態と
なっている(図11(a))。
【0014】ゲート電極8に若干負の電圧を印加するこ
とにより,フェルミレベルは伝導帯下端と価電子帯上端
のほぼ中心に来てオフ状態となる(図11(b))。オン状態
からオフ状態に戻る際,チャネル部のフェルミレベルか
ら伝導帯下端の間に満たされたいた電子がソース電極3
及びドレイン電極2に分配され,画素電極(ソース電
極)3に書き込まれた電圧VD のシフトΔVD が生じ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1(a) 〜(d) は第1の
実施例を示す工程順断面図,図2(a) 〜(e) は第2の実
施例を示す工程順断面図,図3(a) 〜(d) は第3の実施
例を示す工程順断面図(その1),図4(e) 〜(g) は第
3の実施例を示す工程順断面図(その2)である。
【0016】上記課題は,透明絶縁性基板1と, 該透明
絶縁性基板1上に配置されたゲート電極8,ソース電極
3,ドレイン電極2と, 該ソース電極3と該ドレイン電
極2間に配置されかつ該ゲート電極8とゲート絶縁層
5,7を介して配置された動作半導体層4と, 該動作半
導体層4と該ソース電極3間に配置され,両者を電気的
に接続するソース側一導電型半導体層4aと, 該動作半導
体層4と該ドレイン電極2間に配置され,両者を電気的
に接続するドレイン側一導電型半導体層4bを有し,該ド
レイン側一導電型半導体層4bの不純物濃度が該ソース側
一導電型半導体層4aの不純物濃度より大きい薄膜トラン
ジスタによって解決される。
【0017】また,透明絶縁性基板1上に導電膜を被着
した後パターニングして,ソース電極3及びドレイン電
極2を形成する工程と, 該ドレイン電極2を接地し該ソ
ース電極3を電気的に孤立した状態で全面に一導電型の
不純物をイオン注入し,該ドレイン電極2中に該ソース
電極3中よりも多く一導電型不純物を導入する工程と,
全面に半導体層,絶縁層を順次積層した後パターニング
して該ソース電極3から該ドレイン電極2にまたがる動
作半導体層4とゲート絶縁層5を形成する工程と, 加熱
により該ソース電極3及び該ドレイン電極2から一導電
型不純物を該動作半導体層4に拡散させ,ソース側一導
電型半導体層4a及びドレイン側一導電型半導体層4bを形
成する工程と,該ゲート絶縁層5上にゲート電極8を形
成する工程とを有する薄膜トランジスタの製造方法によ
って解決される。
【0018】
【作用】図5(a) 〜(d) は本発明の原理説明図(その
1)で,SCLC(空間電荷制限電流)に制限される半
導体層のない場合のn型TFTのソース電極3からドレ
イン電極2に至る電流経路のバンド図で,(a) はオン状
態, (d) はオフ状態, (b),(c)は途中の状態を示してい
る。
【0019】半導体層が薄く(<1μm)半導体チャネ
ル部とコンタクト層の間にSCLCによって制限される
領域のない場合は,半導体チャネル部とドレイン電極2
を接続するコンタクト層(ドレイン側一導電型半導体層
4b)の不純物濃度を,半導体チャネル部とソース電極3
を接続するコンタクト層(ソース側一導電型半導体層4
a)の不純物濃度より大きくしておくと,ドレイン側一
導電型半導体層4bの伝導帯下端とフェルミレベルとのエ
ネルギー差がソース側一導電型半導体層4aの伝導帯下端
とフェルミレベルとのエネルギー差より小さくなる。オ
ン状態(a) から(b), (c)を経て完全なオフ状態(d) にす
ると,TFTオン状態の時CTFT に蓄積された電荷はほ
とんどがドレイン電極2に流れ込み,ソース電極3に流
れ込むのは極くわずかになる。その結果,ソース電極
(画素電極)3に書き込まれた電圧のシフトΔVD は極
めて小さく抑えられる。
【0020】図6(a) 〜(c) は本発明の原理説明図(そ
の2)で,SCLCに制限される半導体層のある場合の
n型TFTのソース電極3からドレイン電極2に至る電
流経路のバンド図であり,(a) はオン状態,(c) はオフ
状態, (b) は途中の状態を示している。
【0021】半導体層が厚く(≧1μm)半導体チャネ
ル部とコンタクト層の間にSCLCによって制限される
領域の存在する場合は,そのSCLCによって制限され
るドレイン側領域の不純物濃度をSCLCによって制限
されるソース側領域の不純物濃度より大きくしておく
と,SCLCによって制限されるドレイン側領域の伝導
帯下端とフェルミレベルとのエネルギー差がSCLCに
よって制限されるソース側領域の伝導帯下端とフェルミ
レベルとのエネルギー差より小さくなる。オン状態(a)
から(b) を経て完全なオフ状態(c)にすると,TFTオ
ン状態の時CTFT に蓄積された電荷はほとんどがドレイ
ン電極2に流れ込み,ソース電極3に流れ込むのは極く
わずかになる。その結果,ソース電極(画素電極)3に
書き込まれた電圧のシフトΔVDは極めて小さく抑えら
れる。
【0022】
【実施例】図1(a) 〜(d) は第1の実施例を示す工程順
断面図で,以下,これらの図を参照しながら,本発明の
第1の実施例について説明する。
【0023】図1(a) 参照 透明絶縁性基板1としてガラス基板を用いスパッタ法に
よりITO層を500Åの厚さに堆積し,それを通常のフ
ォトリソグラフィー工程を用いて,ドレイン電極2,ソ
ース電極(画素電極)3を形成する。
【0024】図1(b) 参照 ドレイン電極2を端末部において電気的に接地し,ソー
ス電極(画素電極)3はガラス基板1上で電気的に絶縁
させる。この状態で燐(P+ )をソース・ドレイン電極
の表面近傍にとどませるような低いエネルギーでイオン
注入する。加速エネルギーは例えば20keV である。
【0025】この際,接地されていないソース電極(画
素電極)3はイオン化されたP+ を打ち込むと徐々に帯
電し,打ち込み効率は時間とともに悪化して行く。しか
し,接地されたドレイン電極2はイオン化されたP+
打ち込んでも帯電しないため,時間を経ても打ち込み効
率は変化しない。したがって,ドレイン電極2とソース
電極3では打ち込まれたP+ の量に違いが出て,ドレイ
ン電極2の方が多量となる。
【0026】図1(c) 参照 プラズマCVD法により,20%SiH4 /H2 流量20
0 sccm, 基板温度250 ℃, 電力30W,圧力0.3 Torrの
条件でi型a−Si層を厚さ300 Å成膜し,連続してN
3 流量200 sccm, 20%SiH4 /H2 流量200 scc
m, 基板温度250 ℃, 電力50W,圧力1.0 Torrの条件
でSiNX 層を300 Å成膜する。その際, ソース・ドレ
イン電極に接するi型a−Si層は,ソース・ドレイン
電極の表面近傍に打ち込まれたPを取り込み,n+ 型a
−Si層を同時に形成する。
【0027】その後,レジスト工程によりSiNX 層,
i型a−Si層,n+ 型a−Si層をエッチングして半
導体層を島状に分離し,ソース側コンタクト層4a, ドレ
イン側コンタクト層4b, 動作半導体層4,ゲート絶縁層
5を形成する。ドレイン側コンタクト層4bの不純物濃度
はソース側コンタクト層4aの不純物濃度より大きい。
【0028】図1(d) 参照 スパッタ法により,全面にゲートバスライン用金属とし
て例えばAlを2000Åの厚さに堆積した後所定の形状に
エッチングして,ドレイン電極2に接続するデータバス
ライン6を形成する。
【0029】プラズマCVD法により,全面に厚さ2700
ÅのSiNX 層7を堆積する。動作半導体層4上のSi
X 層7はゲート絶縁層となり,データバスライン6上
のSiNX 層7は層間絶縁層となる。
【0030】スパッタ法により,全面に例えばAlを20
00Åの厚さに堆積した後所定の形状にエッチングして,
ゲート電極8及びそれに接続するゲートバスラインを形
成する。
【0031】このようにして形成したTFTマトリック
スにおいては,ドレイン側コンタクト層4bの伝導帯下端
とフェルミーレベルのエネルギー差は,ソース側コンタ
クト層4aの伝導帯下端とフェルミーレベルのエネルギー
差より小さく,TFTマトリックス駆動時のDCレベル
シフトΔVD が極めて小さい。
【0032】図2(a) 〜(e) は第2の実施例を示す工程
順断面図で,以下,これらの図を参照しながら,本発明
の第2の実施例について説明する。 図2(a) 参照 透明絶縁性基板1としてガラス基板を用いスパッタ法に
よりITO層を500Åの厚さに堆積し,それを通常のフ
ォトリソグラフィー工程を用いて,ドレイン電極2,ソ
ース電極(画素電極)3を形成する。
【0033】プラズマCVD法により,1%PH3 /A
r流量200 sccm, 基板温度 280 ℃, 電力30W,圧力
0.3 Torrの条件でプラズマ処理を行い,ソース電極(画
素電極)3,ドレイン電極2の表面近傍に燐(P+ )を
含有させる。
【0034】図2(b) 参照 プラズマCVD法により20%SiH4 /H2 流量200
sccm, 基板温度250 ℃, 電力30W,圧力0.3 Torrの条
件でi型a−Si層4を厚さ20000 Å成膜し,連続して
NH3 流量200 sccm, 20%SiH4 /H2 流量200 sc
cm, 基板温度250 ℃, 電力50W,圧力1.0 Torrの条件
でSiNX 層5を300 Å成膜する。
【0035】ソース電極(画素電極)3の表面には,n
+ 型a−Si層のソース側コンタクト層4a, ドレイン電
極3の表面には,n+ 型a−Si層のドレイン側コンタ
クト層4bが形成される。
【0036】図2(c) 参照 全面にレジストを塗布しそれをパターニングして,ドレ
インバスライン及びドレインバスラインに接続されるド
レイン電極2から半導体チャネル部に至る部分を露出し
他を覆うレジストマスク9を形成する。
【0037】レジストマスク9をマスクにして,全面に
燐(P+ )をi型a−Si層に到達するエネルギーでイ
オン注入する。加速エネルギーは例えば100 keV であ
る。このようにして,半導体チャネル部からドレイン電
極2に至る半導体層は半導体チャネル部からソース電極
3に至る半導体層より不純物濃度が大きくなる。その
後,レジストマスク9を剥離する。
【0038】図2(d) 参照 レジスト工程によりSiNX 層5,a−Si層4,n+
型a−Si層4a, 4bを所定の形状にエッチングして半導
体層を島状に分離し,ソース側コンタクト層4a, ドレイ
ン側コンタクト層4b,動作半導体層4,ゲート絶縁層5
を形成する。ドレイン側コンタクト層4bと半導体チャネ
ル部の間には,n- 型a−Si層4cが形成される。
【0039】図2(e) スパッタ法により,全面にゲートバスライン用金属とし
て例えばAlを2000Åの厚さに堆積した後所定の形状に
エッチングして,ドレイン電極2に接続するデータバス
ライン6を形成する。
【0040】プラズマCVD法により,全面に厚さ2700
ÅのSiNX 層7を堆積する。動作半導体層4上のSi
X 層7はゲート絶縁層となり,データバスライン6上
のSiNX 層7は層間絶縁層となる。
【0041】スパッタ法により,全面に例えばAlを20
00Åの厚さに堆積した後所定の形状にエッチングして,
ゲート電極8及びそれに接続するデータバスラインを形
成する。
【0042】このようにして形成したTFTマトリック
スにおいては,動作半導体層の膜厚が20000 Åと厚いの
で,半導体チャネル部とコンタクト層の間に空間電荷制
限電流(SCLC)に制限される領域が生じる。しか
し,半導体チャネル部とドレイン電極2間のその領域に
はn- 型a−Si層4cがあって,半導体チャネル部とソ
ース電極3間のその領域のi型a−Si層4より不純物
濃度が高く,n- 型a−Si層4cの伝導帯下端とフェル
ミーレベルのエネルギー差は,i型a−Si層4の伝導
帯下端とフェルミーレベルのエネルギー差より小さくな
るから,TFTマトリックス駆動時のDCレベルシフト
ΔVD を小さく抑えることができる。
【0043】以上の第1の実施例及び第2の実施例では
トップゲートスタガー型TFTについて説明したが,次
に第3の実施例として,ボトムゲートスタガー型TFT
の実施例について述べる。
【0044】図3(a) 〜(d) は第3の実施例を示す工程
順断面図(その1),図4(e) 〜(g) は第3の実施例を
示す工程順断面図(その2)であり,以下,これらの図
を参照しながら第3の実施例について説明する。
【0045】図3(a) 絶縁性透明基板1としてガラス基板を用い,スパッタ法
によりゲート電極用金属として,例えばTiを1000Åの
厚さに堆積した後,レジスト工程によりTiを所定の形
状にエッチングし,ゲート電極10及びそれに接続するゲ
ートバスライン(図示せず)を形成する。
【0046】プラズマCVD法によりNH3 流量200 sc
cm, 20%SiH4 /H2 流量200 sccm, 基板温度250
℃, 電力50W,圧力1.0 Torrの条件でSiNX 層11を
3000Å堆積し, 続いて,20%SiH4 /H2 流量200
sccm, 基板温度250 ℃,電力30W,圧力0.3 Torrの条
件でi型a−Si層4を500 Å堆積し, 続いて,N2
流量200 sccm, 20%SiH4 /H2 流量200 sccm, 基
板温度 250 ℃,電力50W,圧力1.0 Torrの条件でS
iO2 層12を3000Å成膜する。
【0047】図3(b) 全面にレジストを塗布しそれをパターニングして,将来
形成されるドレインバスライン及びドレインバスライン
に接続されるドレイン電極から半導体チャネル部に至る
部分を露出し他を覆うレジストマスク13を形成する。
【0048】レジストマスク13をマスクにして,全面に
燐(P+ )をi型a−Si層4に到達するエネルギーで
イオン注入する。加速エネルギーは例えば100 keV であ
る。このようにして,半導体チャネル部からドレイン電
極に至る半導体層はn- 型a−Si層4cとなり,半導体
チャネル部からソース電極に至る半導体層のi型a−S
i層4より不純物濃度が大きくなる。
【0049】図3(c) その後,レジストマスク13を剥離し,あらためて全面に
レジストを塗布し,ガラス基板1側からTiのゲート電
極10をマスクにして背面露光を行う。その後エッチング
するとゲート電極10に遮られた部分のレジストが残りゲ
ート電極10の形状を反映したレジストマスク14が形成さ
れる。レジストマスク14をマスクにしてSiO2 層12を
フッ酸系のエッチング液によりエッチングしてチャネル
保護層12を作る。
【0050】図3(d) レジストマスク14をそのまま剥離せずに,全面にプラズ
マCVD法により,1%PH3 / H2 流量100 sccm, 2
0%SiH4 /H2 流量200 sccm, 基板温度120 ℃, 電
力50W,圧力1.0 Torrの条件でn+ 型a−Si層15を
500 Å堆積し,続いて,スパッタ法を用いてソース・ド
レイン電極用金属として例えばTi層16を1000Å堆積す
る。
【0051】図4(e) レジストマスク14上にn+ 型a−Si層15とTi層16を
載せたまま,レジストマスク14を剥離する。
【0052】レジスト工程によりCCl4 系ガスを用い
てTi層16とn+ 型a−Si層15とn- 型a−Si層4c
とi型a−Si層4を島状に分離エッチングし,ソース
電極16a,ドレイン電極16b を形成する。
【0053】図4(f) スパッタ法により全面に例えばAlを6000Åの厚さに堆
積し, その後レジスト工程を用いてドレイン電極16b に
接続するデータバスライン17を形成する。
【0054】図4(g) 全面にレジストを塗布し(図示せず),画素電極を形成
する部分のみパターニング除去し,その後ITOをスパ
ッタしてソース電極16a に接続する透明な画素電極18を
形成する。レジストを除去することにより,レジスト上
部のITOも同時に除去する。
【0055】以上のようにしてボトムゲートスタガー型
TFTが完成する。このTFTは半導体チャネル部とド
レイン電極16b 間のn- 型a−Si層4cが半導体チャネ
ル部とソース電極16a 間のi型a−Si層4より不純物
濃度が高い。n- 型a−Si層4cの伝導帯下端とフェル
ミーレベルのエネルギー差は,i型a−Si層4の伝導
帯下端とフェルミーレベルのエネルギー差より小さくな
るから,TFTマトリックス駆動時のDCレベルシフト
ΔVD を小さく抑えることができる。
【0056】以上,第1乃至第3の実施例ではコンタク
ト層に燐Pを混入させてn型TFTを形成したが,P以
外のV族元素を用いてもよい。動作半導体層としてa−
Si層について説明したが,半導体であれば多結晶であ
っても単結晶であってもよい。
【0057】また,半導体層にV族元素を導入してn型
とする代わりに,III 族元素を導入してp型とし,第1
乃至第3の実施例と同様にしてp型TFTを形成するこ
ともできる。この場合は,半導体チャネル部とドレイン
電極間のp型半導体層が半導体チャネル部とソース電極
間のp型半導体層より不純物濃度が高く,ドレイン電極
側p型半導体層の価電子帯上端とフェルミーレベルのエ
ネルギー差が,ソース側p型半導体層の価電子帯上端と
フェルミーレベルのエネルギー差より小さくなるから,
TFTマトリックス駆動時のDCレベルシフトΔVD
小さく抑えることができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように,本発明による構造
のTFTにおいては,TFTがオン状態の時に蓄積され
ていた電荷が画素電極に流入することがなくなる。した
がって,画素電極に書き込んだ電圧はゲート電圧の変化
にも関与せず,書き込まれたデータ電圧のシフトΔVD
を大幅に減少することができる。
【0059】本発明はLCDパネルの表示品質の向上に
著しい効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 〜(d) は第1の実施例を示す工程順断面図
である。
【図2】(a) 〜 (e)は第2の実施例を示す工程順断面図
である。
【図3】(a) 〜(d) は第3の実施例を示す工程順断面図
(その1)である。
【図4】(e) 〜(g) は第3の実施例を示す工程順断面図
(その2)である。
【図5】(a) 〜(d) は本発明の原理説明図(その1)で
ある。
【図6】(a) 〜(c) は本発明の原理説明図(その2)で
ある。
【図7】(a), (b)はTFTマトリックスの構造の説明図
である。
【図8】印加電圧波形と応答電圧波形である。
【図9】LCDパネルの電気的等価回路である。
【図10】オン状態のTFTの電荷を示す図である。
【図11】(a), (b)はソース電極からドレイン電極に至る
電流経路のバンド図である。
【符号の説明】
1は透明絶縁性基板であってガラス基板 2はドレイン電極 3はソース電極であって画素電極 4は動作半導体層でありa−Si層であってi型a−S
i層 4aはソース側コンタクト層であってソース側一導電型半
導体層 4bはドレイン側コンタクト層であってドレイン側一導電
型半導体層 4cはn- 型a−Si層であってドレイン側一導電型半導
体層 5はゲート絶縁層であってSiNX 層 6はデータバスライン 7はゲート絶縁層であり層間絶縁層であってSiNX 層 8はゲート電極 9はレジストマスク 10はゲート電極 11はゲート絶縁層であってSiNx 層 12はチャネル保護層であってSiO2 層 13,14はレジストマスク 15はコンタクト層であってn+ 型a−Si層 16はTi層 16a はTi層であってソース電極 16b はTi層であってドレイン電極 17はデータバスライン 18は画素電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 稔一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−81064(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/136 500

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明絶縁性基板(1) と,該透明絶縁性基
    板(1) 上に配置されたゲート電極(8), ソース電極(3),
    ドレイン電極(2) と,該ソース電極(3) と該ドレイン
    電極(2) 間に配置されかつ該ゲート電極(8) とゲート絶
    縁層(5, 7)を介して配置された動作半導体層(4) と,該
    動作半導体層(4) と該ソース電極(3) 間に配置され,両
    者を電気的に接続するソース側一導電型半導体層(4a)
    と,該動作半導体層(4) と該ドレイン電極(2) 間に配置
    され,両者を電気的に接続するドレイン側一導電型半導
    体層(4b)を有し,該ドレイン側一導電型半導体層(4b)の
    不純物濃度が該ソース側一導電型半導体層(4a)の不純物
    濃度より大きいことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 透明絶縁性基板(1) 上に導電膜を被着し
    た後パターニングして,ソース電極(3) 及びドレイン電
    極(2) を形成する工程と,該ドレイン電極(2) を接地し
    該ソース電極(3) を電気的に孤立した状態で全面に一導
    電型の不純物をイオン注入し,該ドレイン電極(2) 中に
    該ソース電極(3)中よりも多く一導電型不純物を導入す
    る工程と,全面に半導体層,絶縁層を順次積層した後パ
    ターニングして該ソース電極(3)から該ドレイン電極(2)
    にまたがる動作半導体層(4) とゲート絶縁層(5) を形
    成する工程と,加熱により該ソース電極(3) 及び該ドレ
    イン電極(2) から一導電型不純物を該動作半導体層(4)
    に拡散させ,ソース側一導電型半導体層(4a)及びドレイ
    ン側一導電型半導体層(4b)を形成する工程と,該ゲート
    絶縁層(5) 上にゲート電極(8) を形成する工程とを有す
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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