JP3536518B2 - 多結晶半導体tft、その製造方法、及びtft基板 - Google Patents

多結晶半導体tft、その製造方法、及びtft基板

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JP3536518B2
JP3536518B2 JP7904796A JP7904796A JP3536518B2 JP 3536518 B2 JP3536518 B2 JP 3536518B2 JP 7904796 A JP7904796 A JP 7904796A JP 7904796 A JP7904796 A JP 7904796A JP 3536518 B2 JP3536518 B2 JP 3536518B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子の駆動
等に用いられる薄膜トランジスタ(以下、TFTと呼
ぶ)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年液晶表示素子への応用を目的とした
多結晶シリコンTFTの開発が活発に行われている。多
結晶シリコンTFTは非晶質シリコンTFTと比べて電
流供給能力が大きい。そのため、液晶表示素子の表示領
域中の個々の画素の駆動のみならず、マトリックスを構
成する走査線と信号線のそれぞれの駆動回路を同一基板
上に形成できることが利点となる。
【0003】多結晶シリコンTFTを画素の駆動用に用
いる場合、表示特性との関係からオフ電流を抑制する必
要があり、ゲートオフセット構造(以下、単にオフセッ
ト構造と呼ぶ)がしばしば用いられる。しかし、オフセ
ット構造は逆にオン電流を減少させるため、高電流駆動
が必要な周辺駆動回路用のTFTにはふさわしくない。
そこで、画素用と周辺駆動回路用それぞれに適応するよ
うに、素子構造を別にしたTFTを作り分けていた。例
えば、異なるオフセット構造のTFTを形成する技術は
特開平5−47791に、異なるオフセット長のTFT
を同一基板内に形成する技術は特開平7−45837に
開示されている。
【0004】また。オフセット領域の上部に絶縁膜を介
して第2のゲート電極を設け、この電極に適当な電圧を
印加するか、又は、ドレイン電極と電気的に接続し、ド
レイン電極の電位にすることにより、オフ電流を抑制す
る技術が、Extended Abstracts o
f the 22nd Conference on
Solid State Devices and M
aterials、1990、pp1011〜1014
に記載されている。
【0005】この方法によれば、オフ電流は抑制できる
が、第2のゲート電極に独立した電圧を印加するために
は別個の独立した配線が必要となり、アクティブマトリ
ックス用のTFTに適用する場合、表示装置としての開
口率が小さくなり、充分な光学性能を得にくくなる。
【0006】また、ドレイン電極と接続する方法は、ア
クティブマトリックスLCDのようなソース電極・ドレ
イン電極を対称に使用する用途、つまりどちらかの電極
をドレイン電極に固定しない用途には全く適用できな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】同一の基板上でTFT
を面内の位置によって作り分けることは生産効率を悪化
させる。例えば画素用及び周辺駆動回路用とに作り分け
る場合、2種類の構造を設けるために通常工程数が増加
し、製造コストの増大、歩留の低下等の原因となる。
【0008】また、画素用にオフ電流を抑制する目的で
単にゲート電極とソース電極又はドレイン電極との間の
オフセット長を長く設けたTFTは、オン電流の低下の
割にオフ電流の抑制効果が小さく、所望の特性が得られ
ていなかった。例えば低電圧駆動化が進んでいるものの
TN液晶素子に比較すると最低駆動電圧が大きい高分子
分散型液晶表示素子の駆動には依然として不充分であっ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決すべくなされたものであり、態様1はソース電極、ド
レイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル領
域、チャネル領域とソース領域との間に配置されたソー
ス側オフセット領域、及びチャネル領域とドレイン領域
との間に配置されたドレイン側オフセット領域が設けら
れた多結晶半導体TFTにおいて、ソース側オフセット
領域の上部の位置にゲート絶縁膜と第2の絶縁膜を間に
挟んでソース電極の一部が配置され、かつドレイン側オ
フセット領域の上部の位置にゲート絶縁膜と第2の絶縁
膜を間に挟んでドレイン電極の一部が配置され、多結晶
半導体TFTのゲート・ドレイン間容量の幾何学的配置
によるばらつきを補償するように第2のゲート・ドレイ
ン間容量が各画素に形成されてなることを特徴とする多
結晶半導体TFTを提供する。
【0010】態様2はゲート電極の端面がゲート絶縁膜
より0.3〜1.0μm内側に形成されてなることを特
徴とする態様1の多結晶半導体TFTを提供する。
【0011】態様3は表示が行われる画素電極と、周辺
駆動回路とが同一基板上に備えられ、ソース電極、ドレ
イン電極、ゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル領域、
チャネル領域とソース領域との間に配置されたソース側
オフセット領域、及びチャネル領域とドレイン領域との
間に配置されたドレイン側オフセット領域が設けられ、
ソース側オフセット領域の上部の位置にゲート絶縁膜と
第2の絶縁膜を間に挟んでソース電極の一部が配置さ
れ、かつドレイン側オフセット領域の上部の位置にゲー
ト絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでドレイン電極の一
部が配置されてなる、多結晶半導体TFTが画素電極の
駆動に用いられ、ソース電極及びドレイン電極がオフセ
ット領域と対向配置されない多結晶半導体TFTが周辺
駆動回路として用いられてなることを特徴とするTFT
基板を提供する。
【0012】態様4はゲート電極の端面がゲート絶縁膜
より0.3〜1.0μm内側に形成されてなる態様3の
TFT基板を提供する。
【0013】態様5は多結晶半導体TFTのゲート・ド
レイン間容量の幾何学的配置によるばらつきを補償する
ように第2のゲート・ドレイン間容量が各画素に形成さ
れてなる態様3または4のTFT基板を提供する。
【0014】
【0015】
【0016】態様は基板上の多結晶半導体層を島状に
パターン化し、ゲート絶縁層を堆積し、ゲト電極材料を
成膜し、フォトリソグラフィによりゲート電極パターン
を形成し、フォトレジストを剥離することなくゲート絶
縁層をエッチングしてゲート絶縁膜のパターンを形成
し、この後、ゲート電極パターンの側面をエッチング
し、チャネル領域とソース領域との間にソース側オフセ
ット領域、チャネル領域とドレイン領域との間にドレイ
ン側オフセット領域を形成し、ゲート絶縁膜の上に第2
の絶縁膜を形成し、さらに第2の絶縁膜の上に透明導電
膜を成膜し、ネガレジストを塗布し、基板裏面より露光
・現像し、透明導電膜をエッチングし、透明導電膜パタ
ーンをゲート電極パターンに対して自己整合的に形成
し、ゲート絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでソース側
オフセット領域の上部に位置するソース側透明導電膜パ
ターンをソース電極に導電接続し、かつゲート絶縁膜と
第2の絶縁膜を間に挟んでドレイン側オフセット領域の
上部に位置するドレイン側透明導電膜パターンをドレイ
ン電極に導電接続することを特徴とする多結晶半導体T
FTの製造方法を提供する。
【0017】本発明の多結晶半導体TFTは、高いオフ
耐圧と、高駆動能力を備えているので電気光学機能層と
して高分子分散型液晶層と組み合わせて用いた場合、高
い表示性能を得ることができ好ましい。
【0018】また、上記の各発明において、連続発振レ
ーザ光で多結晶半導体層を形成する場合、高生産効率を
得ることができ好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に本発明のトップゲートコプ
レーナ構造TFTへの適用例(第1構造例と呼ぶ)を示
す。本図でゲート電極5Gとソース・ドレイン領域7と
の間隙部分(オフセット領域15)上にはゲート絶縁膜
4及び層間絶縁膜8を介してソース電極及びドレイン電
極9が設けられる。本例の場合、ゲート絶縁膜4と上述
した第2の絶縁膜として機能する層間絶縁膜8との積層
体が一つの絶縁層として機能する。
【0020】そのため、このオフセット領域15の部分
には弱い電界が誘起される。これはゲート電極5Gによ
ってTFTの本来のチャネル領域に生じる電界よりは相
対的に弱いが、TFTの総合的な電気特性に影響を与え
る。
【0021】そして、ゲート絶縁膜4及び層間絶縁膜8
をゲート絶縁膜(インシュレータ)、層間絶縁膜8の上
部に位置するソース電極又はドレイン電極9の部分をゲ
ート電極(メタル)、オフセット領域を仮想的にチャネ
ル領域(セミコンダクタ)とみなした場合、いわゆるM
IS構造が形成され、ソース電極及びドレイン電極の電
位によってオン・オフ動作が実効的に可能となる。
【0022】ゲート電極がオフ状態のとき、ドレイン電
極の電位によりオフセット領域15は弱いオン状態とな
り、ドレイン端の電界を緩和する。このため、TFTの
オフ電流の耐圧は高くなる。
【0023】この効果はTFTのオフセット長が比較的
小さくても充分な効果があり、オフセット長0.5μm
以上でオフ耐圧20V以上となり、必要とされる駆動電
圧の高い素子(上述した高分子分散型液晶表示素子)の
駆動に対応できる。
【0024】一方、ゲート電極がオン状態のとき、ソー
ス電極下のオフセット領域はソース電極の電位によりオ
フ状態となり、ソース・ドレイン間が高抵抗となる。そ
のため、TFTのオン時におけるソース・ドレイン間の
オン電流の低下をもたらすが、オフセット長を小さくす
ることによりこの効果を抑制できる。
【0025】図2、図3に従来例の多結晶半導体TFT
と、本発明(第1構造例)の多結晶半導体TFTのオン
電流・オフ電流の特性を対比して示す。従来例(図2の
グラフのうち符号+の曲線:オフセット長1.5μm)
では、オフ耐圧14Vであるのに対して、本発明の多結
晶半導体TFT(符号□の曲線:オフセット長0.6μ
m)では、オフ耐圧20V以上となっている。
【0026】本発明ではオフセット長が短いためオン電
流は従来例のTFTに比べて約2倍となっている。な
お、これは従来例の多結晶半導体TFTと本発明の多結
晶半導体TFTについて、オン電流対オフ電流のバラン
スを最適化するオフセット長の構成としたうえで両者の
比較を行った。
【0027】なお、測定したTFTのチャネル長は10
μm、チャネル幅はともに3μmとし、チャネル領域の
半導体膜の下層には絶縁膜を介して浮遊電位の金属遮光
層を設けた。
【0028】このように、従来例ではオフ耐圧の必要な
画素用TFTに対してはオフセット長を大きくすること
によってオフ耐圧を確保していた。そのために、駆動に
最も必要なオン電流が犠牲になっていた。特にチャネル
下層に金属遮光層を有するTFT構造の場合にその傾向
が顕著であった。本発明によれば比較的小さいオフセッ
ト長で大きなオフ耐圧が得られるので、TFTのオン電
流が大きくなる。
【0029】図4に別のトップゲートコプレーナ構造T
FTへの本発明の適用例(第2構造例)を示す。ゲート
電極とドレイン電極の重なりにより生じるゲート・ドレ
イン容量の位置合せ誤差によるばらつきを相殺するよう
に、TFT構造のパターンレイアウトを行った。
【0030】ソースバスライン9SB、ゲートバスライ
ン5GB、ゲート絶縁層4I、ゲート電極5G、ソース
・ドレイン領域7、ソース・ドレイン電極9D、9S、
画素電極10、オフセット領域15、第2のゲート・ド
レイン間容量20が設けられている。
【0031】ゲート配線の一部(凸状のパターン)と延
長されたドレイン電極とが重なって生じる第2のゲート
・ドレイン間容量20(図中右側のハッチング部)が各
画素に形成されている。これにより、ゲートバスライン
5の方向にマスクずれが起きても一個ごとのTFTにお
けるゲート・ドレイン容量の総合値を基板内でほぼ均一
に設けることができる。
【0032】図5にさらに別のトップゲートコプレーナ
構造TFTへの本発明の適用例(第3構造例)を示す。
チャネル下層に金属遮光層がない場合で、透明導電膜に
よりゲート電極に対して自己整合的にソース・ドレイン
電極のオフセット領域の上部構造を形成することによ
り、ゲート・ドレイン容量を最小かつ基板内で均一にで
きる。
【0033】図1、図4に示すようなトップゲートコプ
レーナ構造のTFTに本例を適用する場合、従来例と比
べて全く工程数は変わらない。したがって、本例の技術
によって全く工程数を増やすことなく、特性の異なるT
FTを形成できる。つまり、それぞれ画素用、回路用に
ふさわしい特性のTFTを同一基板上に容易に作り分け
ることができる。図6に周辺駆動回路100と画素用駆
動回路200の両者を同一の基板1上に形成したTFT
基板の例を模式的に示す。
【0034】また、図5に示した透明導電膜12により
ゲート電極に対して自己整合的にソース・ドレイン電極
のオフセット領域の上部構造を形成する場合でも透明導
電膜12の形成を画素電極の形成と同時に行うことによ
り工程数の増加を最小限に抑制できる。
【0035】次に、トップゲートコプレーナ構造の多結
晶シリコンTFTを例にとり、図1、4、5を参照しな
がら本発明の実施例を説明する。本発明はこの他に、順
スタガ構造、逆スタガ構造にも適用できる。これらの場
合には、オフセット領域とゲート絶縁膜と層間絶縁膜を
介して、対向する一対の電極を形成し、それぞれをソー
ス電極、ドレイン電極と電気的に接続することにより、
本発明を適用できる。なお、本発明は下記の実施例に限
定されない。なお、本発明において、ソース電極とドレ
イン電極とは互換性のある構造物として扱いうるので、
ソース・ドレイン電極と呼ぶ、同様にソース・ドレイン
領域と呼ぶ。
【0036】
【実施例】(例1) 旭硝子製AN635を用いたガラス基板1上にCr80
nmをスパッタリング法により300℃で成膜、パター
ニング、遮光層11を形成した後、プラズマCVD法に
より800nm厚の酸化シリコン膜を下地膜2を形成し
た。次に100nm厚の非晶質シリコン層を基板温度3
00℃で積層し、さらに350℃で反射防止膜として5
0nm厚の窒化シリコン膜を成膜した。
【0037】その後、出力9Wの連続発振アルゴンイオ
ンレーザ光を約100μm径に集光し、約12m/sの
線速度で走査照射し、非晶質シリコンの多結晶化を行っ
た。さらに、350℃・1時間の熱処理の後、反射防止
膜を除去し、多結晶シリコン層3を島状にパターン化
し、その上にプラズマCVD法により120nmのSi
2 からなるゲート絶縁層を350℃にて堆積し、さら
にゲート電極材料としてCr150nmをスパッタリン
グ法により300℃で成膜した。
【0038】フォトリソグラフィによりゲート電極5G
となるパターンを形成した。つまり、チャネル上部にT
FT3端子構造のうちのゲート電極となる導体部分を形
成した。ここでフォトレジストを剥離することなくゲー
ト絶縁膜4をエッチングした。つまり、ゲート電極を形
成する際に用いたフォトレジストのパターンを再度使用
して同じゲート絶縁膜4のパターニングを形成した。こ
の後、再びCrのエッチング液に基板を浸漬しゲート電
極の側面よりエッチングを進行させ、ゲート電極5Gの
端面を約0.6μmだけ、ゲート絶縁膜4より内側に形
成した。
【0039】Cr上のフォトレジストを除去した後、水
素希釈5%PH3 ガスを原料ガスとしたイオンシャワー
法(イオン源から質量分離せず大面積面ビームを基板に
照射するイオン注入法)によりゲート電極5GのCrを
マスクに多結晶Siの島のソース・ドレイン領域7にな
る部分に、加速電圧5kV、ドーズ量1×1015個/c
2 の条件でドーピングした。
【0040】注入された原子のうち約50%がPであっ
た。なお、ゲート絶縁膜4のエッチング後、ドーピング
を行い、その後ゲート電極側面のエッチング、フォトレ
ジストの除去を行ってもよい。後者の方法によればオフ
セット部のゲート絶縁膜4にイオンが注入されることを
防止できる。
【0041】ゲート電極5Gをマスクとしているが、ゲ
ート電極5Gの端面より0.6μmゲート絶縁膜がはみ
だしており、この下の部分の多結晶半導体層には、Pイ
オンがドープされないために、ソース・ドレイン領域7
とゲート電極5Gとの間には0.6μmのオフセット領
域15を設けることができた。
【0042】不純物イオン活性化のための熱処理を行っ
た後、層間絶縁膜8としてプラズマCVDによりSiN
X 膜300nmを300℃で、スパッタリング法により
インジウム・スズ・オキシド(ITO)を300℃で5
0nmの厚みに堆積し、ITOを画素電極10としてパ
ターニングした後、ソース・ドレイン領域7の上にコン
タクトホールを形成した。
【0043】その上にスパッタリング法により成膜した
Cr/アルミニウムの2層膜を用いてソース・ドレイン
電極9を形成した。このとき画素用のTFTについては
図1のようにソース・ドレイン電極9がオフセット領域
の上層に重なるような形状とした。パッシベーション膜
としてプラズマCVDにより200℃で400nmのS
iNX 膜を成膜し、測定用の窓あけのパターニングを行
い、300℃の熱処理をした後TFT特性を評価した。
【0044】このようにしてオフ耐圧の高い画素用とオ
ン電流の大きい回路用のTFTを同じオフセット長で工
程数を増加させることなく同時に形成できた。また、I
TOの画素電極を図4に示すような、ゲート電極とドレ
イン電極の重なりにより生じるゲート・ドレイン容量の
幾何学的配置のばらつき、主にプロセス上におけるマス
クの位置合せ誤差によって発生するばらつきを相殺する
ように、第2のゲート・ドレイン間容量20を形成し
た。
【0045】つまり、ゲート配線の一部とドレイン電極
が重なって生じる第2のゲート・ドレイン間容量20が
各画素に補助的に形成され、主たるトランジスタ部に形
成されるゲート・ドレイン容量(図示を省略)と相対的
に大きさが補償されるようなパターンレイアウトにする
ことにより、ゲート・ドレイン容量を基板内で均一に設
けることができた。本実施例はnチャネルTFTにおけ
る例であるが、pチャネルTFTにおいても同様の効果
がある。
【0046】(例2) 旭硝子製AN635を用いたガラス基板1上にプラズマ
CVD法により200nm厚のSiO2 膜を下地膜2と
して形成した。次に100nm厚の非晶質シリコン層を
基板温度300℃で積層し、さらに350℃で反射防止
膜として50nm厚の窒化シリコン膜を成膜した。
【0047】その後、出力9Wの連続発振アルゴンイオ
ンレーザのビームスポットを約100μm径に集光し、
約12m/sの線速度で走査照射し、非晶質シリコンの
多結晶化を行った。さらに、350℃・1時間の熱処理
の後、反射防止膜を除去し、多結晶シリコン層3を島状
にパターン化し、その上に減圧CVD法により120n
mのSiO2 からなるゲート絶縁層を350℃にて堆積
し、さらにゲート材料として150nm厚みのアルミニ
ウムをスパッタリング法により300℃で成膜した。
【0048】フォトリソグラフィによりゲート電極5G
(及びゲートバスライン5)となるパターンを形成し
た。つまり、チャネル上部にTFTのゲート電極5Gと
なる導体部分を形成した。ここでフォトレジストを剥離
することなくゲート絶縁膜4をエッチングした。
【0049】この後、再びアルミニウムのエッチング液
に基板を浸漬しゲート電極5Gの側面よりエッチングを
進行させ、ゲート電極5Gの端面を約0.6μmゲート
絶縁膜4より内側に形成した。アルミニウム上のフォト
レジストを除去した後、水素希釈5%PH3 ガスを原料
ガスとしたイオンシャワー法(イオン源から質量分離せ
ず大面積面ビームを基板に照射するイオン注入法)によ
りゲート電極のアルミニウムをマスクとして多結晶Si
の島のソース・ドレイン領域7になる部分に、加速電圧
5kV、ドーズ量1×1015個/cm2 の条件でドーピ
ングした。注入された原子の内約50%がPであった。
【0050】なお、ゲート絶縁膜のエッチング後ドーピ
ングを行い、その後ゲート電極側面のエッチング、フォ
トレジストの除去を行ってもよい。後者の方法によれば
オフセット領域のゲート絶縁膜にイオンが注入されるこ
とを防止できる。
【0051】ゲート電極をマスクとしているが、ゲート
電極の端面より0.6μmだけゲート絶縁膜がはみだし
ており、この下の部分の多結晶半導体層には、Pイオン
がドープされないために、ソース・ドレイン領域7とゲ
ート電極5Gとの間には0.6μmのオフセット領域を
設けることができた。不純物イオン活性化のための熱処
理を行った後、層間絶縁膜8としてプラズマCVDによ
り300nmのSiNX 膜を300℃で、スパッタリン
グ法によりITOを300℃で50nm堆積した。
【0052】ここで基板表面にネガレジストを塗布、裏
面より露光、ゲート電極に対して自己整合的にオフセッ
ト部上にITO膜を残すパターンを形成した。さらに通
常のフォトリソグラフィ法によりITOを画素電極10
としてパターニングした。このとき画素TFTについて
はオフセット上のITOを残し、回路用TFTについて
はオフセット部上のITOをエッチング除去した。
【0053】ソース・ドレイン領域7の上にコンタクト
ホールを形成し、その上にスパッタリング法により成膜
したCr/アルミニウムの2層膜を用いてソース・ドレ
イン電極9を形成した。このとき画素用TFTについて
は図5のようにソース・ドレイン電極がオフセット領域
15上のITOパターン12に接続する形状とした。パ
ッシベーション膜としてプラズマCVDにより200℃
でSiNX 膜400nmを成膜し、測定用の窓あけのパ
ターニングを行い、300℃の熱処理をした後TFT特
性を評価した。
【0054】(例3) 例1と同様にしてTFT基板を形成した。さらに、共通
対向電極基板を準備し、空TFTセルを形成した。セル
内に液晶高分子複合体を光重合法によって形成し、液晶
高分子複合体TFT液晶表示素子(LC/PC−TFT
−LCD)を形成した。動作実験を行ったところ、駆動
電圧7Vで、640×480のビデオ画像表示を良好に
行うことができた。
【0055】(例4) 例2と同様にしてTFT基板を形成した。さらに、共通
対向電極基板を準備し、空TFTセルを形成した。セル
内に液晶高分子複合体を光重合方によって形成し、LC
/PC−TFT−LCDを形成した。動作実験を行った
ところ、駆動電圧10Vで、780×1024のビデオ
画像表示を良好に行うことができた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術に対し全く工
程数を増加させずに、画素用TFT、回路用TFTを作
り分けることができる。画素用にオフ耐圧を増大させる
目的で単にゲートオフセット長を長くしたTFTを形成
した場合と比べ、TFTのオン電流及びオフ耐圧の相方
を高くできるという効果がある。
【0057】実用上、オフ耐圧が15V以上、16V〜
22Vの範囲の駆動用TFTを提供できるようになっ
た。同一基板上に形成した一体集積型のTFT−LCD
の生産効率を向上させ、ばらつきを低減させ、そして製
品の歩留を向上させ、さらに電気的特性を安定化させ
た。
【0058】かつ、駆動電流としては20μA以上を供
給でき、高速かつ高密度の情報表示用装置のTFT基板
を形成できる。動作電圧を15V以上とした場合、駆動
電流を30μA以上とすることができるので、高耐圧・
高電流駆動能力を有する多結晶半導体TFTを提供でき
る。
【0059】態様1の発明においては、高耐圧かつ高駆
動電流の特性を備えた多結晶半導体TFTが得られ、T
FT基板面内の多結晶半導体のばらつきを小さくするこ
とができた。
【0060】態様2の発明においては、特性の異なるT
FTを容易に作り分けることができた。
【0061】
【0062】
【0063】態様3、態様4および態様5の発明におい
ては、TFT基板における所望の回路性能に合わせて、
多結晶半導体TFTを使い分けることができ、表示素子
の寸法や実装密度及び表示性能の総合特性を向上でき
た。
【0064】
【0065】
【0066】態様の発明では、さらに製造歩留がよ
く、特性が均一な多結晶半導体TFTを製造できるよう
になった。また、さらに、レーザアニールによる多結晶
化工程を用いた場合、製造工程全体のスループットを格
段に向上せしめることができた。
【0067】また、本発明はその効果を損しない範囲で
種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTFT(第1構造例)の一部断面図。
【図2】本発明及び従来例の画素用TFTのオン電流を
示す特性図。
【図3】本発明及び従来例の画素用TFTのオフ電流を
示す特性図。
【図4】本発明のTFT(第2構造例)の一部平面図。
【図5】本発明のTFT(第3構造例)の一部断面図。
【図6】本発明のTFT基板の側面を示す模式図。
【符号の説明】
1:ガラス基板 2:下地膜 3:多結晶シリコン 4:ゲート絶縁膜 5:ゲート電極 7:ソース・ドレイン領域 8:層間絶縁膜 9:ソース・ドレイン電極 10:画素電極 11:遮光膜 15:オフセット領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、
    ゲート絶縁膜、チャネル領域、チャネル領域とソース領
    域との間に配置されたソース側オフセット領域、及びチ
    ャネル領域とドレイン領域との間に配置されたドレイン
    側オフセット領域が設けられた多結晶半導体TFTにお
    いて、ソース側オフセット領域の上部の位置にゲート絶
    縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでソース電極の一部が配
    置され、かつドレイン側オフセット領域の上部の位置に
    ゲート絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでドレイン電極
    の一部が配置され、 多結晶半導体TFTのゲート・ドレイン間容量の幾何学
    的配置によるばらつきを補償するように第2のゲート・
    ドレイン間容量が各画素に形成 されてなることを特徴と
    する多結晶半導体TFT。
  2. 【請求項2】ゲート電極の端面がゲート絶縁膜より0.
    3〜1.0μm内側に形成されてなることを特徴とする
    請求項1に記載の多結晶半導体TFT。
  3. 【請求項3】表示が行われる画素電極と、周辺駆動回路
    とが同一基板上に備えられ、 ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、ゲート絶縁
    膜、チャネル領域、チャネル領域とソース領域との間に
    配置されたソース側オフセット領域、及びチャネル領域
    とドレイン領域との間に配置されたドレイン側オフセッ
    ト領域が設けられ、ソース側オフセット領域の上部の位
    置にゲート絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでソース電
    極の一部が配置され、かつドレイン側オフセット領域の
    上部の位置にゲート絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んで
    ドレイン電極の一部が配置されてなる、多結晶半導体T
    FTが画素電極の駆動に用いられ、 ソース電極及びドレイン電極がオフセット領域と対向配
    置されない多結晶半導体TFTが周辺駆動回路として用
    いら れてなることを特徴とするTFT基板
  4. 【請求項4】ゲート電極の端面がゲート絶縁膜より0.
    3〜1.0μm内側に形成されてなる請求項3に記載の
    TFT基板。
  5. 【請求項5】多結晶半導体TFTのゲート・ドレイン間
    容量の幾何学的配置によるばらつきを補償するように第
    2のゲート・ドレイン間容量が各画素に形成されてなる
    請求項3または4に記載のTFT基板。
  6. 【請求項6】基板上の多結晶半導体層を島状にパターン
    化し、ゲート絶縁層を堆積し、ゲート電極材料を成膜
    し、フォトリソグラフィによりゲート電極パターンを形
    成し、フォトレジストを剥離することなくゲート絶縁層
    をエッチングしてゲート絶縁膜のパターンを形成し、こ
    の後、ゲート電極パターンの側面をエッチングし、チャ
    ネル領域とソース領域との間にソース側オフセット領
    域、チャネル領域とドレイン領域との間にドレイン側オ
    フセット領域を形成し、ゲート絶縁膜の上に第2の絶縁
    膜を形成し、さらに第2の絶縁膜の上に透明導電膜を成
    膜し、ネガレジストを塗布し、基板裏面より露光・現像
    し、透明導電膜をエッチングし、透明導電膜パターンを
    ゲート電極パターンに対して自己整合的に形成し、ゲー
    ト絶縁膜と第2の絶縁膜を間に挟んでソース側オフセッ
    ト領域の上部に位置するソース側透明導電膜パターンを
    ソース電極に導電接続し、かつゲート絶縁膜と第2の絶
    縁膜を間に挟んでドレイン側オフセット領域の上部に位
    置するドレイン側透明導電膜パターンをドレイン電極に
    導電接続することを特徴とする多結晶半導体TFTの製
    造方法。
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