JP2896571B2 - 複合化分離剤及びその製造法 - Google Patents

複合化分離剤及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (a)発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、機械的強度が大で、カラムに充填したとき
の通液性が良好である蛋白質等のクロマトグラフィー分
離などに使用するに適する複合化分離剤及びその製造法
に関する。
(従来の技術) 蛋白質の分離は、通常の低分子量物質の分離とは異っ
て、分離対象物が蛋白質であることによる種々の制約を
受ける。すなわち、蛋白質が熱、有機溶媒、酸やアルカ
リ等に弱く、これらの液と接触すると変質や分解を起す
ので、その分離条件には温和な条件を用いる必要があ
る。
そのために、従来、蛋白質の分離においては、蛋白質
の不可逆吸着を起しにくく、かつ比較的に温和な条件下
で被吸着蛋白質の溶離を行なうことができるデキストラ
ン、アガロース等の多糖類系、ポリアクリルアミド等の
親水性合成高分子系などの親水性ポリマーを基本とした
分離剤が多用されている。
ところが、親水性ポリマーを基体とする架橋高分子
で、蛋白質等の巨大分子の分離作用を有するものは、通
常、非常に柔らかくて(すなわち機械的強度が小さく
て)、カラムに充填したときの層高を高くすると、圧密
化のために通液性が悪くなる欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、親水性ポリマーを基本とする分離剤の有す
る蛋白質等に対する優れた分離能を保持しながら、同分
離剤の有する機械的強度に劣る欠点が大巾に改良された
新規な複合化分離剤及びその製造法を提供しようとする
ものである。
(b)発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記の問題点を解決するために種々研
究を重ねた結果、機械的強度の優れた細孔構造を有する
特定の共重合体からなる有機ポリマー基体の該細孔を利
用して、その細孔内に機械的強度が劣るが、蛋白質等の
分離に優れた性能を示す親水性ポリマー系分離剤を充填
せしめることによって、その目的を達成することができ
たのである。
すなわち、本発明の複合化分離剤は、水中における膨
潤度が10ml/g−dry−Polymer以下で、架橋度が4〜100
モル%であり、かつ細孔半径が200〜3000Åの細孔構造
を有する、ビニル基若しくはイソプロペニル基を分子中
に1個有するモノ不飽和単量体と、ビニル基若しくはイ
ソプロペニル基を分子中に2個以上有するポリ不飽和単
量体との共重合体からなる有機ポリマー基体の該細孔内
に、水中における膨潤度が10〜100ml/g−dry−Polymer
で、かつ巨大網目構造を有する親水性ポリマー系分離剤
を充填せしめてなる分離剤である。
かかる本発明の複合化分離剤は、水中における膨潤度
が10ml/g−dry−Polymer以下で、架橋度が4〜100モル
%であり、かつ細孔半径が200〜3000Åの細孔構造を有
する、ビニル基若しくはイソプロペニル基を分子中に1
個有するモノ不飽和単量体と、ビニル基若しくはイソプ
ロペニル基を分子中に2個以上有するポリ不飽和単量体
との共重合体からなる有機ポリマー基体の該細孔内に、
親水性ポリマー系分離剤用の架橋前の親水性ポリマー溶
液を含浸せしめ、次いで架橋剤を加えて該細孔内におい
て親水性ポリマーに架橋反応させて、水中における膨潤
度が10〜100ml/g−dry−Polymerで、かつ巨大網目構造
を有する親水性ポリマー系分離剤を生成せしめる方法に
より容易に製造することができる。
本発明における、かかる特定の水中膨潤度及び特定の
架橋度を有し、かつ特定の細孔構造を有する有機ポリマ
ー基体(以下、単に「多孔質ポリマー基体」ということ
がある)は、このように水中における膨潤度が10ml/g−
dry−Polymer以下で、架橋度が4〜100モル%である必
要がある。その理由は、同膨潤度が10ml/g−dry−Polym
erを超えて大となったり、又は架橋度が4モル%未満に
なると、機械的強度が低下してくる、からである。細孔
構造を有する物質としては、前記の特定の有機ポリマー
以外にも、たとえば多孔質けい酸などの無機質多孔質物
があり、その使用も可能であるが、一般に、無機質多孔
質物は、酸若しくはアルカリに弱い欠点があり、これを
用いた複合化分離剤は、分離の際の清浄工程において種
々の制約を受けるので、好ましくない。
本発明における多孔質ポリマー基体の細孔は、その中
に充分な量の親水性ポリマー系分離剤を形成・充填せし
めることのできる容積と、蛋白質等の分離をすべき物質
が該細孔内に拡散してゆくことのできる大きさ(細孔半
径)を有する必要がある。しかし、その反面において細
孔容積が大きすぎたり、細孔半径が大きすぎると機械的
強度が低下してくるので、好ましい細孔容積は、0.5〜3
ml/gであり、細孔半径は200〜3000Åである。
本発明における多孔質ポリマー基体製造用の有機ポリ
マーとしては、ビニル基若しくはイソプロペニル基を分
子中に1個有するモノ不飽和単量体と、ビニル基若しく
はイソプロペニル基を分子中に2個以上有するポリ不飽
和単量体との共重合体が選定、使用される。
そのモノ不飽和単量体としては、たとえばスチレン、
エチルビニルベンゼン、p−メチルスチレン等の芳香族
モノビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート
(注:これはグリシジルアクリレートとグリシジルメタ
クリレートとの総称である。以下、これに準じる。)、
アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート等の重合性のビニル基又はイソプロペニル基
を有し、かつ官能基を有するエステル又はエーテル化合
物;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸や(メタ)ア
クリル酸エステル;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、ギ酸アリ
ル、酢酸アリル等のカルボン酸のビニル基含有エステル
があげられる。
また、そのポリ不飽和単量体としては、たとえばジビ
ニルベンゼン、トリビニルベンゼン又はこれらの置換誘
導体等の芳香族ポリビニル化合物;エチレングリコール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のアル
キレンジ(メタ)アクリレート化合物;グリセリントリ
アクリレート、グリセリンジメタクリレート等のグリセ
リンポリ(メタ)アクリレート化合物;及びトリアリル
イソシアヌレートのようなヘテロ環を有するポリアクリ
ル化合物などがあげられる。
かかるモノ不飽和単量体とポリ不飽和単量体とから本
発明で用いる多孔質ポリマー基体を製造する方法は公知
であり、たとえば特開昭60−96605号公報に記載されて
いるから、かかる公知方法を用いて本発明における多孔
質ポリマー基体は容易に製造できる。すなわち、前記の
モノ不飽和単量体と、前記のジ若しくはそれ以上のポリ
不飽和単量体とを、多孔質化剤の共存下でラジカル重合
開始剤を加えた水中で懸濁重合させ、次いで多孔質化剤
を除去すれば、本発明で用いる多孔質ポリマー基体は容
易に得られる。
本発明の多孔質ポリマー基体において必要とするのと
同一の条件を満す多孔質ポリマー基体は、イオン交換樹
脂や吸着剤等として既に市販されているものの中にも存
在するから、本発明はかかる市販の多孔質ポリマー基体
を用いて実施することも可能である。
次に、かかる多孔質ポリマー基体の細孔内に、水中に
おける膨潤度が10〜100ml/g−dryで、かつ巨大網目構造
を有する親水性ポリマー系分離剤を充填せしめて本発明
の複合化剤を製造する方法としては、種々の方法が可能
であるが、その最も簡便で、好ましい方法は、前記した
ように、本発明における多孔質ポリマー基体の必要な条
件を備えた多孔質ポリマー基体の細孔内に、親水性ポリ
マー系分離剤の架橋前の原料親水性ポリマー溶液を含浸
させ、次いで架橋剤を加えて該細孔内において親水性ポ
リマーに架橋反応させて、本発明における条件を備えた
親水性ポリマー系分離剤を生成せしめる方法である。
この本発明の複合化分離剤の製造法について詳述する
と、親水性ポリマー系分離剤の架橋前の親水性ポリマー
(すなわち原料親水性ポリマー)としては、たとえばデ
キストラン、アガロース、キトサン等の多糖類系のも
の、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の親
水性合成高分子系のものなどがあげられる。
また、これらの親水性ポリマーの溶媒としては、原料
の親水性ポリマーを溶解することのできるものであれば
何でも使用できるが、通常、水が最も一般的である。溶
媒に溶解させる親水性ポリマーの濃度は、目的とする分
離剤の性能等に応じて選択されるが、その濃度は、通
常、5〜70重量%の範囲内である。一般に、低濃度の原
料ポリマー溶液からは高い水膨潤度を有する親水性ポリ
マー系分離剤が形成されやすいし、高濃度の原料ポリマ
ー溶液からは低い水膨潤度を有する分離剤が形成されや
すい。
原料の親水性ポリマーを溶解させた溶媒溶液は、次い
で、多孔質ポリマー基体の細孔内に含浸させるが、その
含浸方法には種々の方法を用いることができる。しか
し、一般的にいって、最も簡単な含浸方法は、前記の親
水性ポリマー溶液に多孔質ポリマー基体を加えて含浸さ
せ、次いで過剰の溶剤を過等で除く方法である。
多孔質ポリマー基体の細孔内に含浸せしめた親水性ポ
リマーは、次いで架橋剤を加えて該細孔内で架橋反応を
させて、親水性ポリマー系分離剤を形成させる。その架
橋剤としては、たとえばエピクロルヒドリン等のエピハ
ロヒドリン、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合
物、メチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物等のようなOH基に活性な官能基を2個以上有する化
合物があげられる。また、原料の親水性ポリマーとして
キトサンのようなアミノ基を有する化合物を使用する場
合には、1,8−ジクロルオクタンのようなジハライドも
架橋剤として使用できる。
かかる架橋剤による架橋反応は、通常、原料の親水性
ポリマー溶液を細孔内に含浸させた多孔質ポリマー基体
を、適当な媒体中に分散・懸濁させた系に架橋剤を添加
して行なわせる。その際の架橋剤の添加量は、目的とす
る分離剤の性能などに応じて選定される。一般に、架橋
剤の添加量を多くすると生成親水性ポリマー系分離剤の
水膨潤度が小さくなるし、架橋剤の添加量を少なくする
と同分離剤の水膨潤度が大となる。そして、架橋剤の添
加量があまり多すぎると、原料親水性ポリマーの特性が
損なわれることになるので、その添加量は、通常、親水
性ポリマーの構成単位1モル当り0.1〜2モルの範囲内
である。
架橋剤と原料の親水性ポリマーとの架橋反応が触媒等
の添加により制御できる場合には、架橋反応は、予め架
橋剤を混合しておいた原料ポリマー溶液を含浸せしめた
多孔質ポリマー基体を、適当な媒体中に分散・懸濁させ
た系に、その触媒等を添加して行なわせることができ
る。また、濃度等の架橋反応条件を変化させることによ
って架橋反応を生起させることができる場合には、原料
ポリマー、架橋剤及び触媒等を溶解した溶液を含浸させ
た多孔質ポリマー基体を、適当な媒体に分散・懸濁させ
てから、架橋反応条件(たとえば濃度)を、架橋反応が
有効に進行しうる条件に変化させて、架橋反応を行なわ
せることができる。
架橋反応触媒は、架橋剤の種類により異なる。たとえ
ば、エピクロルヒドリン等の場合はアルカリが有効であ
るし、またジアルデヒド化合物の場合には鉱酸が有効で
ある。
原料ポリマー溶液等を含浸させた多孔質ポリマー基体
を分散・懸濁させる媒体としては、含浸させたポリマー
溶液から原料ポリマーや架橋剤等を抽出せしめることが
なく、かつ架橋反応に不活なものであれば、何でも使用
できる。その懸濁媒体の具体例としては、トルエン、ジ
クロロベンゼン、ニトロメタン等があげられる。
架橋反応は、通常、5〜90℃の範囲の温度で1〜10時
間かけて行なわせる。
かかる架橋反応においては、生成する親水性ポリマー
系分離剤の水中における膨潤度が10〜100ml/g−dry、好
ましくは10〜50ml/g−dryになるようにするが、その水
膨潤度の調整は、前述のように、原料の親水性ポリマー
の溶液濃度や架橋剤の添加量の調節等によって容易に行
なわせることができる。また、かかる親水性ポリマー溶
液の架橋反応によって形成される親水性分離剤は、通
常、巨大網目構造を有するものであることは既に知られ
ている。
架橋反応の終了後、生成分離剤を別し、次いでメタ
ノールやエタノールなどの親水性有機溶媒で洗浄して、
未反応の原料ポリマーや懸濁用媒体等を除去すれば、多
孔質ポリマー基体の細孔内に所望の親水性ポリマー系分
離剤が充填された本発明の複合化分離剤が得られる。
本発明の複合化分離剤における多孔質ポリマー基体と
親水性ポリマー系分離剤との含有比率は、親水性ポリマ
ー系分離剤の割合が多いほど分離の目的からは望ましい
が、その反面において分離剤の機械的強度が低下してく
ることになるので、多孔質ポリマー基体と親水性ポリマ
ー系分離剤との容積比で1:0.5〜1:3の範囲が好ましい。
(実施例) 以下に、実施例をあげてさらに詳述するが、本発明は
実施例によって限定されるものではない。
実施例1 2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート(70重量
%)とエチレングリコールジメタクリレート(30重量
%)とからなる球状多孔質重合体(粒子径120μ、細孔
半径3000Å、細孔容積1.75ml/g、比表面積15.4m2/g、水
中における膨潤度4.5ml/g−dry、架橋度30モル%)40g
を乾燥したものに、デキストラン(分子量15.3万)10
g、水酸化ナトリウム6g、水素化ホウ素ナトリウム1.5g
を蒸留水に溶解させた溶液60gを加えて、球状多孔質重
合体の細孔内に同溶液を含浸させた。
次いで、その重合体の外部に付着した溶液を過して
除き、得られたエキストラン溶液含浸重合体を、エチル
セルロース(ハーキュリーズ社商品名T100)の1重量%
トルエン溶液1中に加えて撹拌し、分散・懸濁せしめ
た。得られた懸濁液中に、エピクロルヒドリン50mlを加
えて50℃に昇温し、この温度で6時間撹拌して、重合体
の細孔内に含浸されているデキストランを架橋反応させ
た。
反応終了後、懸濁液を過して生成ゲル状物を液と分
離し、トルエン、エタノール、蒸留水でこの順に順次に
洗浄して、複合化分離剤を得た。
この複合化分離剤における多孔質ポリマー基体の細孔
内において形成された親水性ポリマー分離剤の膨潤度は
15ml/g−dry−Polymerであり、かつこの分離剤は巨大網
目構造を有するものであった。
実施例1で得られた複合化分離剤について、下記の方
法で圧力損失測定試験をした。
すなわち、内径10mmφのガラスカラム(ジャット付
き)に粒径を74〜208μに整粒した実施例1で得られた
複合化分離剤40mlを充填した。その充填された複合化分
離剤の層高は50cmであった。カラムを循環水で25℃に保
ち、カラム上部から0.05M、pH7.0のリン酸緩衝溶液を1
〜7m/Hrの一定流速で流した。充填層が安定し、カラム
上部にとり付けた圧力計の指針が一定したところで、圧
力計の目盛を読みとり、その値から複合化分離剤を充填
しない、いわゆる空カラムの状態で前述の操作と全く同
様の操作を行なった場合の圧力計の読みとり値を引いて
圧力損失(ΔP:単位はkg/cm2/50cm−bed)を求めた。
流速(LV、線流速:単位はm/Hr)を種々に変えて圧力
損失(ΔP)を測定したところ、第1図に示す結果が得
られ、測定した流速範囲内(LVとして7m/Hr以下)で
は、実施例1で得られた複合化分離剤を用いた場合のΔ
PとLV間には直線関係が成立し、LV=7m/Hrという高流
速で通液しても、分離剤粒子の変形や破砕が全く認めら
れなかった。
比較のために、実施例1で得られた複合化分離の代り
に、架橋アガロースゲル(フアルマシア社商品名セフア
ローズCL−6B)を用いて同様の試験を行ない、ΔPとLV
との関係を求めたところ、第1図に示す結果が得られ
た。架橋アガロースゲルの場合には、流速LVが1m/Hrを
越えたあたりからΔPが急激に立ち上って、LVが2.5m/H
r以上では通液が困難となった。
また、実施例1で得られた複合化分離剤、及び実施例
1の複合化分離剤の製造において用いた球状多孔質重合
体について、デキストラン、ポリエチレングリコールの
溶出位置から、下記式により求めた保持容器KaV値を分
子量に対してプロットし、その較正曲線として第2図に
示す結果が得られた。
式中のVt:分離剤全体積(ml) Ve:溶出体積(ml) Vo:排除体積(ml) なお、Voは分子量約200万のデキストラン(ハーキュ
リーズ社商品名T2000)を用いて求めた値である。
第2図の結果から明らかなように、実施例1の複合化
分離剤の製造において用いた球状多孔質重合体は、分子
量約50万のデキストランが拡散してゆくことのできる細
孔を有している。これに対して、実施例1で得られた複
合化分離剤は、分子量約1万のポリエチレングリコール
が拡散できない。このことから、実施例1で得られた複
合化分離剤は、多孔質ポリマー基体の細孔中に親水性ポ
リマー系分離剤が形成されていることがわかる。また、
この実施例1で得られた複合化分離剤の較正曲線は、良
好な直線性を示し、ゲル過クロマトグラフィー用担体
として好適である。
(e)発明の効果 本発明の分離剤は、特定の多孔質ポリマー基体の細孔
中に特定の親水性ポリマー系分離剤が充填されてなる複
合化分離剤であるから、その多孔質ポリマー基体にもと
づき機械的強度が大きいので、カラムに充填したときの
通液性に優れており、かつその親水性ポリマー系分離剤
にもとづき蛋白質等のクロマトグラフィー分離剤として
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の複合化分離剤及び比較のための架
橋アガロースゲルについて、それらをカラムに充填した
ときの流速L、Vと圧力損失ΔPとの関係の測定結果を
図示したグラフである。 また、第2図は、実施例1の複合化分離剤と、実施例1
の複合化分離剤の製造において用いた原料の球状多孔質
重合体についてのデキストラン、ポリエチレングリコー
ル較正曲線を示した図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 2/44 C08F 2/44 (72)発明者 高柳 弘昭 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 宮田 栄二 福岡県北九州市八幡西区大字藤田2447番 地の1 三菱化成工業株式会社黒崎工場 内 (56)参考文献 特開 昭64−63858(JP,A) 特開 平1−159051(JP,A) 特開 平1−63858(JP,A) 特開 昭62−63856(JP,A) 特開 昭61−181960(JP,A) 特開 昭63−79066(JP,A) 特開 昭58−24354(JP,A) 特開 昭61−38462(JP,A) 特開 昭63−17905(JP,A) 特公 昭48−17988(JP,B1) 米国特許3966489(US,A) 米国特許4336161(US,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中における膨潤度が10ml/g−dry−Polym
    er以下で、架橋度が4〜100モル%であり、かつ細孔半
    径が200〜3000Åの細孔構造を有する、ビニル基若しく
    はイソプロペニル基を分子中に1個有するモノ不飽和単
    量体と、ビニル基若しくはイソプロペニル基を分子中に
    2個以上有するポリ不飽和単量体との共重合体からなる
    有機ポリマー基体の該細孔内に、水中における膨潤度が
    10〜100ml/g−dry−Polymerで、かつ巨大網目構造を有
    する親水性ポリマー系分離剤を充填せしめてなる複合化
    分離剤。
  2. 【請求項2】第1請求項記載の有機ポリマー基体の細孔
    内に、第1請求項記載の親水性ポリマー系分離剤用の架
    橋前の原料親水性ポリマー溶液を含浸せしめ、次いで架
    橋剤を加えて該細孔内において親水性ポリマーに架橋反
    応させて第1請求項記載の親水性ポリマー系分離剤を生
    成せしめる第1請求項記載の複合化分離剤の製造法。
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