JP2017125815A - 分離材及びカラム - Google Patents

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智子 東内
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道男 佛願
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Abstract

【課題】本発明は、生体高分子の非特異吸着が低減され、耐アルカリ性及び耐久性に優れ、かつカラムとして用いたときの通液性に優れる分離材及び該分離材を備えるカラムを提供することを目的とする。【解決手段】多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する高分子を含む被覆層とを備え、上記水酸基を有する高分子が疎水性基を更に有し、上記水酸基を有する高分子中の構成単位1個当たりの疎水性基の含有割合が0.02〜0.5個である分離材。【選択図】なし

Description

本発明は、分離材及びカラムに関する。
従来、タンパク質に代表される生体高分子を分離精製する場合、一般的には多孔質型の合成高分子を母体とするイオン交換体、親水性天然高分子の架橋ゲルを母体とするイオン交換体等が用いられている。多孔質型の合成高分子を母体とするイオン交換体の場合、塩濃度による体積変化が小さいため、カラムに充填してクロマトグラフィーで用いる場合、通液時の耐圧性に優れる傾向がある。しかし、このイオン交換体を、タンパク質等の分離に用いると、疎水的相互作用に基づく不可逆吸着等の非特異吸着が起きるため、ピークの非対称化が発生する、又は該疎水的相互作用でイオン交換体に吸着されたタンパク質が吸着されたまま回収できないという問題点がある。
一方、上記のデキストラン、アガロース等の多糖に代表される親水性天然高分子の架橋ゲルを母体とするイオン交換体の場合、タンパク質の非特異吸着がほとんどないという利点がある。ところが、このイオン交換体は、水溶液中で著しく膨潤し、溶液のイオン強度による体積変化、及び遊離酸形と負荷形との体積変化が大きく、機械的強度も充分ではないという欠点を有する。特に、架橋ゲルをクロマトグラフィーで使用する場合、通液時の圧力損失が大きく、通液によりゲルが圧密化するといった欠点がある。
親水性天然高分子の架橋ゲルの欠点を克服するため、多孔性高分子の細孔内に天然高分子ゲル等のゲルを保持した複合体が、ペプチド合成の分野で知られている(例えば、特許文献1参照)。このような複合体を用いることにより、反応性物質の負荷係数を高め、高収率の合成が可能となる。また、硬質な合成高分子物質でゲルを包囲するため、カラムベッドの形態で使用しても、容積変化がなく、カラムを通過するフロースルーの圧力が変化しないという利点がある。
セライト等の無機多孔質体に、デキストラン、セルロースといった多糖等のキセロゲルを保持させた分離材が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。このゲルには吸着性能を付加するために、ジエチルアミノエチル(DEAE)基等が付与されており、ヘモグロビンの除去に用いられる。このような分離材は、カラムでの通液性が良好である。
マクロネットワーク構造のコポリマの細孔を、モノマから合成した架橋共重合体ゲルで埋めた、ハイブリッドコポリマのイオン交換体が知られている(例えば、特許文献4参照)。架橋共重合体ゲルは、架橋度が低い場合、圧力損失、体積変化等の問題があるが、ハイブリッドコポリマにすることで通液特性が改善され、圧力損失が少なく、イオン交換容量が向上し、リーク挙動が改善される。
有機合成ポリマ基体の細孔内に巨大網目構造を有する親水性天然高分子の架橋ゲルを充填した複合化充填材が提案されている(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。
メタクリル酸グリシジルとアクリル架橋モノマとの共重合により形成される多孔質粒子の合成が知られている(例えば、特許文献7参照)。
米国特許第4965289号明細書 米国特許第4335017号明細書 米国特許第4336161号明細書 米国特許第3966489号明細書 特開平1−254247号公報 米国特許第5114577号明細書 特開2009−244067号公報
しかしながら、従来の分離材は、生体高分子の非特異吸着が多く、耐久性又は耐アルカリ性が十分でなく、カラムとして用いたときの通液性に劣るという問題がある。
そこで、本発明は、生体高分子の非特異吸着が低減され、耐アルカリ性及び耐久性に優れ、かつカラムとして用いたときの通液性に優れる分離材、及び該分離材を備えるカラムを提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[13]に記載の分離材を提供する。
[1]多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する高分子を含む被覆層とを備え、上記水酸基を有する高分子が疎水性基を更に有し、上記水酸基を有する高分子中の構成単位1個当たりの疎水性基の含有割合が0.02〜0.5個である分離材。
[2]上記多孔質ポリマ粒子が、スチレン系モノマに由来するモノマ単位を含有するポリマを含む、[1]に記載の分離材。
[3]上記水酸基を有する高分子が、多糖類の変性体である、[1]又は[2]に記載の分離材。
[4]上記水酸基を有する高分子が、アガロースの変性体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の分離材。
[5]上記水酸基を有する高分子が架橋されている、[1]〜[4]のいずれかに記載の分離材。
[6]上記疎水性基がフェニル基を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の分離材。
[7]上記多孔質ポリマ粒子の平均粒径が10〜300μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の分離材。
[8]上記分離材の細孔径分布におけるモード径が0.01〜0.5μmである、[1]〜[7]のいずれかに記載の分離材。
[9]空隙率が30〜70体積%の粒子である、[1]〜[8]のいずれかに記載の分離材。
[10]比表面積が30m/g以上の粒子である、[1]〜[9]のいずれかに記載の分離材。
[11]上記多孔質ポリマ粒子の粒径の変動係数が3〜15%である、[1]〜[10]のいずれかに記載の分離材。
[12]上記多孔質ポリマ粒子1g当たり30〜500mgの上記被覆層を備える、[1]〜[11]のいずれかに記載の分離材。
[13]前記分離材が充填されたカラムに、該カラム内の圧力が0.3Mpaとなるように水を通液させたときに、水の通液速度が800cm/h以上である、[1]〜[12]のいずれかに記載の分離材。
[14][1]〜[13]のいずれかに記載の分離材を備えるカラム。
本発明によれば、タンパク質の非特異吸着が低減され、耐アルカリ性及び耐久性に優れ、かつカラムとして用いたときの通液性等のカラム特性に優れる分離材を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態の分離材は、多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する高分子を含む被覆層とを備える。該水酸基を有する高分子は、疎水性基を更に有し、水酸基を有する高分子中の構成単位1個当たりの疎水性基の含有割合は0.02〜0.5個である。なお、本明細書中、「多孔質ポリマ粒子の表面」とは、多孔質ポリマ粒子の外側の表面のみでなく、多孔質ポリマ粒子の内部における細孔の表面を含むものとする。また、本明細書中(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレート等の類似の表現においても同様である。
(多孔質ポリマ粒子)
本実施形態の多孔質ポリマ粒子は、1種以上のモノマに由来するモノマ単位を含有するポリマを含む多孔質粒子である。多孔質ポリマ粒子は、例えば、多孔質化剤を含むモノマを重合させて得られる粒子である。例えば、従来の懸濁重合、乳化重合等によって多孔質ポリマ粒子を合成することができる。モノマとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン系モノマを使用することができる。すなわち、多孔質ポリマ粒子としては、スチレン系モノマに由来するモノマ単位を含有してもよい。具体的なモノマとしては、以下のような多官能性モノマ、単官能性モノマ等が挙げられる。
スチレン系の多官能性モノマとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフェナントレン等のジビニル化合物が挙げられる。これらの多官能性モノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のなかでも耐久性、耐酸性、耐アルカリ性の観点より、ジビニルベンゼンを使用することが好ましい。
モノマがジビニルベンゼンを含む場合、その量は、モノマ全質量に対して50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることがより更に好ましい。ジビニルベンゼンを50質量%以上含むことにより、耐アルカリ性がより良好となるため好ましい。モノマ全質量に対するジビニルベンゼンの含有量の上限は100質量%であってもよい。
スチレン系の単官能性モノマとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等の、スチレン及びその誘導体が挙げられる。これらの単官能性モノマは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも耐酸性、耐アルカリ性に優れるという観点からスチレンを使用することが好ましい。また、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、アルデヒド基等の官能基を有するスチレン誘導体も使用することができる。
多孔質化剤としては、重合時に相分離を促し、粒子の多孔質化を促進する有機溶媒である脂肪族又は芳香族の炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類等が挙げられる。具体的には、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン、オクタン、酢酸ブチル、フタル酸ジブチル、メチルエチルケトン、ジブチルエーテル、1−ヘキサノール、2−オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール等が挙げられる。これらの多孔質化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記多孔質化剤は、モノマ全質量に対して0〜200質量%使用できる。多孔質化剤の量によって、多孔質ポリマ粒子の空隙率をコントロールできる。さらに、多孔質化剤の種類によって、多孔質ポリマ粒子の細孔の大きさ及び形状をコントロールすることができる。
重合反応の溶媒として使用する水を多孔質化剤とすることもできる。水を多孔質化剤とする場合は、モノマに油溶性界面活性剤を溶解させ、モノマの液滴が水を吸収することによって、粒子を多孔質化することが可能となる。
多孔質化に使用される油溶性界面活性剤としては、例えば、分岐C16〜C24脂肪酸、鎖状不飽和C16〜C22脂肪酸又は鎖状飽和C12〜C14脂肪酸のソルビタンモノエステル(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノミリステート又はヤシ脂肪酸から誘導されるソルビタンモノエステル);分岐C16〜C24脂肪酸、鎖状不飽和C16〜C22脂肪酸又は鎖状飽和C12〜C14脂肪酸のジグリセロールモノエステル(例えば、C18:1(炭素数18個、二重結合数1個)脂肪酸のジグリセロールモノエステル等のジグリセロールモノオレエート)、ジグリセロールモノミリステート、ジグリセロールモノイソステアレート又はヤシ脂肪酸のジグリセロールモノエステル;分岐C16〜C24アルコール(例えば、ゲルベアルコール)、鎖状不飽和C16〜C22アルコール又は鎖状飽和C12〜C14アルコール(例えば、ヤシ脂肪アルコール)のジグリセロールモノ脂肪族エーテル;及びこれらの混合物が挙げられる。
これらの油溶性界面活性剤のうち、ソルビタンモノラウレート(例えば、SPAN(スパン、登録商標)20、好ましくは純度約40%を超える、より好ましくは純度約50%を超える、最も好ましくは純度約70%を超えるソルビタンモノラウレート);ソルビタンモノオレエート(例えば、SPAN(スパン、登録商標)80、好ましくは純度約40%、より好ましくは純度約50%、最も好ましくは純度約70%を超えるソルビタンモノオレエート);ジグリセロールモノオレエート(例えば、純度約40%を超える、より好ましくは純度約50%を超える、最も好ましくは純度約70%を超えるジグリセロールモノオレエート);ジグリセロールモノイソステアレート(例えば、好ましくは純度約40%を超える、より好ましくは純度約50%を超える、最も好ましくは純度約70%を超えるジグリセロールモノイソステアレート);ジグリセロールモノミリステート(好ましくは純度約40%を超える、より好ましくは純度約50%を超える、最も好ましくは純度約70%を超えるソルビタンモノミリステート);ジグリセロールのココイル(例えば、ラウリル基、ミリストイル基等)エーテル;又はこれらの混合物が好ましい。
これらの油溶性界面活性剤は、モノマ全質量に対して、5〜80質量%の範囲で用いることが好ましい。油溶性界面活性剤の含有量が5質量%以上であると、水滴の安定性が充分となることから、大きな単一孔を形成しにくくなる。また、油溶性界面活性剤の含有量が80質量%以下であると、重合後に多孔質ポリマ粒子が形状をより保持しやすくなる。界面活性剤の使用量によって、得られる多孔質ポリマ粒子及び分離材の空隙率、比表面積、細孔径の大きさをコントロールすることができる。
重合反応に用いられる水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体等が挙げられる。水性媒体には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性イオン系の界面活性剤のうち、いずれも用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、アルケルニルコハク酸塩(ジカリウム塩)、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類等の炭化水素系ノニオン界面活性剤、シリコンのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリプロピレンオキサイド付加物類等のポリエーテル変性シリコン系ノニオン界面活性剤、パーフルオロアルキルグリコール類等のフッ素系ノニオン界面活性剤が挙げられる。
両性イオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の炭化水素界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記界面活性剤の中でも、モノマ重合時の分散安定性の観点から、アニオン系界面活性剤が好ましい。
必要に応じて添加される重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。重合開始剤は、モノマ100質量部に対して、0.1〜7.0質量部の範囲で使用することができる。
重合温度は、モノマ及び重合開始剤の種類に応じて、適宜選択することができる。重合温度は、25〜110℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
多孔質ポリマ粒子の合成において、粒子の分散安定性を向上させるために、高分子分散安定剤を用いてもよい。
高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、セルロース類(ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等)、ポリビニルピロリドンが挙げられ、トリポリリン酸ナトリウム等の無機系水溶性高分子化合物も併用することができる。これらのうち、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンが好ましい。高分子分散安定剤の添加量は、モノマ100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。
モノマが単独で重合することを抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を用いてもよい。
多孔質ポリマ粒子の平均粒径は、分離性向上の観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。また、多孔質ポリマ粒子の平均粒径は、通液性の向上の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。多孔質ポリマ粒子の平均粒径が10μm以上であると、分離材をカラムに充填した後のカラム圧を抑制できる傾向がある。
多孔質ポリマ粒子の粒径の変動係数(C.V.)は、通液性の向上の観点から、3〜15%であることが好ましく、5〜15%であることがより好ましく、5〜10%であることが更に好ましい。粒径のC.V.を低減する方法としては、マイクロプロセスサーバー(株式会社日立製作所製)等の乳化装置により単分散化することが挙げられる。
多孔質ポリマ粒子又は分離材の平均粒径及び粒径のC.V.は、以下の測定法により求めることができる。
1)粒子を、超音波分散装置を使用して水(界面活性剤等の分散剤を含む)に分散させ、1質量%の多孔質ポリマ粒子を含む分散液を調製する。
2)粒度分布計(シスメックスフロー、株式会社シスメックス製)を用いて、上記分散液中の粒子約1万個の画像により平均粒径及び粒径のC.V.(変動係数)を測定する。
本実施形態の分離材の細孔径分布におけるモード径(細孔径分布の最頻値、最大頻度細孔径)は、0.01〜0.5μmであることが好ましく、0.05〜0.5μmであることがより好ましい。細孔径分布におけるモード径がこの範囲にあると、粒子中に液が流れやすくなり、動的吸着量を多くしやすい。
多孔質ポリマ粒子及び分離材の細孔容積(空隙率)は、それぞれ多孔質ポリマ粒子及び分離材の全体積(細孔容積を含む)基準で30〜70体積%であることが好ましく、40〜70体積%であることがより好ましい。細孔容積がこの範囲内にあると、タンパク質等の吸着量を向上させることができる。多孔質ポリマ粒子及び分離材は、細孔径が0.1μm以上0.5μm未満である細孔、すなわちマクロポアー(マクロ孔)を有することが好ましい。また、多孔質ポリマ粒子及び分離材は、平均細孔径が、0.1〜0.5μmであることが好ましく、0.2〜0.5μmであることがより好ましい。平均細孔径が0.1μm以上であると、細孔内に物質が入りやすくなる傾向にあり、平均細孔径が0.5μm以下であると、比表面積が充分なものになる。これらは上述の多孔質化剤により調整可能である。
多孔質ポリマ粒子及び分離材の比表面積は、30m/g以上であることが好ましい。より高い実用性の観点から、比表面積は35m/g以上であることがより好ましく、40m/g以上であることが更に好ましい。比表面積が30m/g以上であると、分離する物質の吸着量が大きくなる傾向にある。
(被覆層)
本実施形態の被覆層は、水酸基を有する高分子を含む。被覆層は、多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。水酸基を有する高分子で多孔質ポリマ粒子を被覆することによりカラム圧の上昇を抑制することができるとともに、タンパク質等の生体高分子の非特異吸着を抑制することが可能となる上、分離材の優れたタンパク質吸着性が得られる傾向にある。さらに、水酸基を有する高分子が架橋されていると、カラム圧の上昇をより抑制することが可能となる。被覆層は、例えば、多孔質ポリマ粒子の表面に、水酸基を有する高分子を吸着させた後、高分子を架橋することによって、多孔質ポリマ粒子の表面に形成することができる。
(水酸基を有する高分子)
水酸基を有する高分子は、1分子中に2個以上の水酸基を有することが好ましく、親水性高分子であることがより好ましい。水酸基を有する高分子は、疎水性基を更に有する。これにより、分離材の界面吸着能を向上させることができる。水酸基を有する高分子としては、例えば、多糖類、ポリビニルアルコール等の高分子の変性体を用いることができる。ここでいう変性体とは、疎水性基が導入されたものを指す。多糖類としては、例えば、アガロース、デキストラン、セルロース、キトサン等が挙げられる。本実施形態の水酸基を有する高分子としては、アガロースの変性体を用いることが好ましい。水酸基を有する高分子は、例えば平均分子量1万〜30万程度のものが使用できる。
疎水性基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの中でもフェニル基が好ましい。疎水性基は、例えば、水酸基と反応する官能基(例えば、エポキシ基)及び疎水性基を有する化合物(例えば、グリシジルフェニルエーテル)を、水酸基を有する高分子と従来公知の方法で反応させることにより、導入することができる。
水酸基を有する高分子中の疎水性基の含有割合は、水酸基を構成する高分子中の構成単位1個当たり0.02〜0.5個であることが好ましく、0.05〜0.3個であることがより好ましく、0.1〜0.2個であることが更に好ましく、0.12〜0.17個であることがより更に好ましい。水酸基を有する高分子中の疎水性基の含有割合が上記範囲内であることにより、水酸基を有する高分子を多孔質ポリマ粒子表面に吸着させるための疎水的相互作用力を保持しつつ、かつタンパク質の非特異吸着を抑制することができる。
本明細書でいう水酸基を有する高分子の構成単位とは、実質的にその繰り返しによって水酸基を有する高分子をなす単位のうち、最小のものである。例えば水酸基を有する高分子が多糖である場合には、その構成単位は、当該高分子を構成する最小単位である単糖、二糖等であり、水酸基を有する高分子が合成高分子である場合には、当該高分子を構成する最小単位であるモノマに由来する構造である。例えば、水酸基を有する高分子がデキストリン又はセルロースに由来する場合には、構成単位はグルコースであり、アガロースに由来する場合には、構成単位はグルコース及び3,6−アンヒドロガラクトースを構成糖とする二糖(アガロビオース)である。
水酸基を有する高分子における、疎水性基の含有割合は、例えば、疎水性基導入剤(水酸基と反応する官能基及び疎水基を有する化合物)の使用量、疎水性基導入時に使用する触媒量、疎水性基導入時の温度等によって調節することができる。
(被覆層の形成方法)
水酸基を有する高分子を含む被覆層は、例えば、以下に示す方法により形成することができる。
まず、水酸基を有する高分子の溶液を多孔質ポリマ粒子表面に吸着させる。水酸基を有する高分子の溶液の溶媒としては、水酸基を有する高分子を溶解することのできるものであれば、特に限定されないが、水が最も一般的である。溶媒に溶解させる高分子の濃度は、5〜20(mg/mL)が好ましい。この溶液を、多孔質ポリマ粒子の細孔内に含浸させる。含浸方法は、水酸基を有する高分子の溶液に多孔質ポリマ粒子を加えて一定時間放置する。含浸時間は多孔質ポリマ粒子の表面状態によっても変わるが、通常一昼夜含浸すれば高分子濃度が多孔質ポリマ粒子の内部で外部濃度と平衡状態となる。その後、水、アルコール等の溶媒で洗浄し、未吸着分の水酸基を有する高分子を除去する。
多孔質ポリマ粒子の表面に吸着した水酸基を有する高分子は、固定化されていることが好ましい。固定化は、例えば水酸基を有する高分子を架橋することにより行うことができる。架橋は、例えば、多孔質ポリマ粒子表面に吸着された水酸基を有する高分子に架橋剤を加えて架橋反応させることによって行うことができる。すなわち、本実施形態の分離材において、水酸基を有する高分子は架橋されていてもよい。このとき、架橋して得られた水酸基を有する高分子の架橋体は、水酸基を有する3次元架橋網目構造を有する。
架橋剤としては、例えばエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物、メチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物などのような水酸基に活性な官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。また、水酸基を有する高分子としてキトサンのようなアミノ基を有する化合物を使用する場合には、ジクロロオクタンのようなジハライドも架橋剤として使用できる。
この架橋反応には通常、触媒が用いられる。該触媒は架橋剤の種類に合わせて適宜従来公知のものを用いることができるが、例えば、架橋剤がエピクロルヒドリン等の場合には水酸化ナトリウム等のアルカリが有効であり、ジアルデヒド化合物の場合には塩酸等の鉱酸が有効である。
架橋剤による架橋反応は、通常、水酸基を有する高分子の溶液等を細孔内に含浸させた多孔質ポリマ粒子を適当な媒体中に分散、懸濁させた系に架橋剤を添加することによって行われる。架橋剤の添加量は、水酸基を有する高分子として多糖類を使用した場合、1当量の単糖類に対して0.1〜100当量の範囲内で、分離材の性能に応じて選定することができる。架橋剤の添加量が上記下限値以上であると、被覆層が多孔質ポリマ粒子上に良好に保持される傾向にある。架橋剤の添加量が上記上限値以下であれば、架橋剤と水酸基を有する高分子との反応率が高い場合でも、水酸基を有する高分子の特性が損なわれにくい。
触媒の使用量は、架橋剤の種類により異なる。通常、水酸基を有する高分子として多糖類を使用する場合に、多糖類を形成する単糖類の1単位を1モルとすると、これに対して0.01〜10モル倍の範囲、更に好ましくは0.1〜5モル倍で触媒が使用される。
架橋剤と水酸基を有する高分子との架橋反応が触媒等の添加により制御可能な場合は、予め架橋剤を混合した水酸基を有する高分子の溶液を多孔質ポリマ粒子に含浸させ、当該多孔質ポリマ粒子を適当な媒体中で分散、懸濁させ、触媒等を添加して架橋反応を行わせることができる。また、触媒等を用いない場合、温度等の架橋反応条件を変化させることにより、架橋反応を生起させてもよい。水酸基を有する高分子、架橋剤及び触媒を溶解した溶液を含浸させた多孔質体を、適当な媒体に分散、懸濁させてから、架橋反応条件(例えば温度)を反応が進行する条件に調整し、架橋反応を行わせることができる。例えば、該架橋反応条件を温度条件とした場合、反応系の温度を上げ、その温度が反応温度に達すれば架橋反応が生起する。
水酸基を有する高分子の溶液等を含浸させた多孔質ポリマ粒子を分散、懸濁させる媒体としては、含浸させた高分子溶液から高分子、架橋剤等を抽出してしまうことなく、かつ、架橋反応に不活性なものである必要がある。その具体例としては水、アルコール等が挙げられる。
架橋反応は、通常、5〜90℃の範囲の温度で、1〜10時間かけて行う。好ましくは、30〜90℃の範囲の温度である。
架橋反応終了後、生成した多孔質ポリマ粒子と架橋ゲルの複合体をろ別し、次いで、水、メタノール、エタノール等の親水性有機溶媒で洗浄し、未反応の高分子、懸濁用媒体等を除去すれば、多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部が、水酸基を有する高分子を含む被覆層により被覆された分離材が得られる。
本実施形態の分離材における被覆層の量は、多孔質ポリマ粒子1g当たり30〜500mgであることが好ましく、50〜500mgであることがより好ましく、50〜480mgであることが更に好ましい。被覆層の割合が多孔質ポリマ粒子1gに対して500mg以下であると、被覆層を薄膜とすることができ、カラムとして用いたときの通液性がより向上する傾向にある。また、被覆層の割合が多孔質ポリマ粒子1gに対して30mg以上であると、タンパク質吸着量がより高まる傾向にある。被覆層の量は熱分解の重量減少等で測定することができる。
(イオン交換基の導入)
被覆層を備える分離材は、イオン交換基、リガンド(プロテインA)等を表面上の水酸基等を介して導入することにより、イオン交換精製、アフィニティ精製等に使用することができる。イオン交換基の導入方法として、例えば、ハロゲン化アルキル化合物を用いる方法が挙げられる。
ハロゲン化アルキル化合物としては、モノハロゲノカルボン酸及びそのナトリウム塩、ハロゲン化アルキル基を少なくとも1つ有する1級、2級又は3級アミン及びその塩酸塩、ハロゲン化アルキル基を有する4級アンモニウムの塩酸塩などが挙げられる。モノハロゲノカルボン酸としては、例えば、モノハロゲノ酢酸、モノハロゲノプロピオン酸等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基を少なくとも1つ有する3級アミンとしては、例えば、ジエチルアミノエチルクロライド等が挙げられる。これらのハロゲン化アルキル化合物は、臭化物又は塩化物であることが好ましい。ハロゲン化アルキル化合物の使用量としては、イオン交換基を付与する分離材の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。
イオン交換基の導入には、反応を促進させるために、有機溶媒を用いることが有効である。有機溶媒としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、イソペンタノール等のアルコール類が挙げられる。
通常、イオン交換基の導入は、分離材表面の水酸基に行われるので、湿潤状態の粒子を、ろ過等により水切りした後、所定濃度のアルカリ性水溶液に浸漬し、一定時間放置した後、水−有機溶媒混合系で、上記ハロゲン化アルキル化合物を添加して反応させる。この反応は温度40〜90℃で、0.5〜12時間行うことが好ましい。上記の反応で使用されるハロゲン化アルキル化合物の種類により、付与されるイオン交換基が決定される。
イオン交換基として、弱塩基性基であるアミノ基を導入する方法としては、上記ハロゲン化アルキル化合物のうち、アルキル基のうちの少なくとも1つがハロゲン化アルキル基で置換されている、モノ−、ジ−又はトリ−アルキルアミン、モノ−アルキル−モノ−アルカノールアミン、ジ−アルキル−モノ−アルカノールアミン、モノ−アルキル−ジ−アルカノールアミン等を反応させる方法、又はアルカノール基のうちの少なくとも1つがハロゲン化アルカノール基で置換されている、モノ−、ジ−又はトリ−アルカノールアミン、モノ−アルキル−モノ−アルカノールアミン、ジ−アルキル−モノ−アルカノールアミン、モノ−アルキル−ジ−アルカノールアミン等を反応させる方法が挙げられる。これらのハロゲン化アルキル化合物の使用量としては、分離材の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。反応条件は、40〜90℃で、0.5〜12時間であることが好ましい。
イオン交換基として、強塩基性基の4級アンモニウム基を導入する方法としては、まず、3級アミノ基を導入し、該3級アミノ基にエピクロルヒドリン等のハロゲン化アルキル化合物を反応させ、4級アンモニウム基に変換させる方法が挙げられる。また、4級アンモニウムの塩酸塩等を分離材に反応させてもよい。
イオン交換基として、弱酸性基であるカルボキシ基を導入する方法としては、上記ハロゲン化アルキル化合物として、モノハロゲノ酢酸、モノハロゲノプロピオン酸等のモノハロゲノカルボン酸又はそのナトリウム塩を反応させる方法が挙げられる。これらハロゲン化アルキル化合物の使用量は、イオン交換基を導入する分離材の全質量に対して0.2質量%以上であることが好ましい。
イオン交換基として、強酸性基であるスルホン酸基の導入方法としては、分離材に対してエピクロロヒドリン等のグリシジル化合物を反応させ、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩の飽和水溶液に分離材を添加する方法が挙げられる。反応条件は、30〜90℃で1〜10時間であることが好ましい。
一方、イオン交換基の導入方法として、アルカリ性雰囲気下で、分離材に1,3−プロパンスルトンを反応させる方法も挙げられる。1,3−プロパンスルトンは、分離材の全質量に対して0.4質量%以上使用することが好ましい。反応条件は、0〜90℃で0.5〜12時間であることが好ましい。
本実施形態の分離材又は多孔質ポリマ粒子の、平均細孔径、細孔径分布におけるモード径、比表面積及び空隙率は、水銀圧入測定装置(オートポア:株式会社島津製作所製)にて測定した値であり、以下のようにして測定する。試料約0.05gを、標準5mL粉体用セル(ステム容積0.4mL)に加え、初期圧21kPa(約3psia、細孔直径約60μm相当)の条件で測定する。水銀パラメータは、装置デフォルトの水銀接触角130 degrees、水銀表面張力485dynes/cmに設定する。また、細孔径0.1〜3μmの範囲に限定してそれぞれの値を算出する。
本実施形態の分離材は、タンパク質の静電的相互作用による分離、アフィニティ精製に用いるのに好適である。例えば、タンパク質を含む混合溶液の中に本実施形態の分離材を添加し、静電的相互作用によりタンパク質だけを分離材に吸着させた後、該分離材を溶液からろ別し、塩濃度の高い水溶液中に添加すれば、分離材に吸着しているタンパク質を容易に脱離、回収できる。また、本実施形態の分離材は、カラムクロマトグラフィーにおいて、使用することも可能である。すなわち、本実施形態のカラムは、本実施形態の分離材を備えるものである。
本実施形態の分離材を用いて分離できる生体高分子としては、水溶性物質が好ましい。具体的には、血清アルブミン、免疫グロブリン等の血液タンパク質などのタンパク質、生体中に存在する酵素、バイオテクノロジーにより生産されるタンパク質生理活性物質、DNA、生理活性をするペプチド等の生体高分子などであり、好ましくは分子量が200万以下、より好ましくは50万以下である。また、公知の方法に従い、タンパク質の等電点、イオン化状態等によって、分離材の性質、条件等を選ぶ必要がある。公知の方法としては、例えば、特開昭60−169427号公報等に記載の方法が挙げられる。
本実施形態の分離材は、タンパク質等の生体高分子の分離において、多孔質ポリマ粒子上の被覆層を架橋処理後、天然高分子からなる粒子及び合成ポリマからなる粒子のそれぞれの利点を有し、分離材表面にイオン交換基及びリガンド等を導入することにより、より顕著な効果を得ることができる。特に本実施形態の分離材における多孔質ポリマ粒子は、上述の方法で得られるものであるため、耐久性及び耐アルカリ性を有する。また、本実施形態の分離材は、タンパク質の非特異吸着を低減し、タンパク質の吸脱着が起こりやすい傾向にある。さらに、本実施形態の分離材は、同一流速下でのタンパク質等の吸着量(動的吸着量)が大きい傾向にある。
本明細書における通液速度とは、φ7.8×300mmのステンレスカラムに分離材を充填し、液を通した際の通液速度を表す。本実施形態の分離材は、カラムに充填した場合、カラム内の圧力が0.3MPaとなるように水を通液させたときに通液速度が800cm/h以上であることが好ましい。カラムクロマトグラフィーでタンパク質の分離する場合、タンパク質溶液等の通液速度は、一般に400cm/h以下の範囲である。一方、本実施形態の分離材を使用した場合は、従来のタンパク質分離用の分離材よりも速い通液速度800cm/h以上で使用しても、高吸着量を維持することができる。
分離材の、平均細孔径、細孔径分布におけるモード径、比表面積等は、多孔質ポリマ粒子の原料、多孔質化剤、水酸基を有する高分子等を適宜選択することによって、調整することができる。
なお、本実施形態では、イオン交換基を導入する形態の分離材について説明したが、イオン交換基を導入しなくても分離材として用いることができる。このような分離材は、例えば、ゲルろ過クロマトグラフィーに利用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(多孔質ポリマ粒子1の合成)
500mLの三口フラスコに、モノマとして純度96%のジビニルベンゼン(株式会社新日鉄住金製、商品名:DVB960)16g、多孔質体としてヘキサノール16g、ジエチルベンゼン16g、開始剤として過酸化ベンゾイル0.64gをポリビニルアルコール(0.5重量%)分散剤水溶液に加えて混合液を調製した。この混合液を、マイクロプロセスサーバーを使用して乳化後、得られた乳化液をフラスコに移し、80℃のウォーターバスで加熱しながら、攪拌機を用いて約8時間撹拌した。得られた粒子をろ過後、アセトンで洗浄を行い、多孔質ポリマ粒子1を得た。得られた多孔質ポリマ粒子1の粒径をフロー型粒径測定装置(FPIA−3000、株式会社シスメックス製)で測定し、平均粒径(体積基準)及び粒径のC.V.値(変動係数)を算出した。多孔質ポリマ粒子1の空隙率及び比表面積を水銀圧入法にて測定した。結果を表1に示す。
(水酸基を有するポリマへの疎水性基の導入)
アガロース水溶液(2重量%)490mLに水酸化ナトリウム0.98g、グリシジルフェニルエーテル4.90gを投入して60℃で6時間反応させ、アガロースにフェニル基を導入した。得られた変性アガロースをイソプロピルアルコールで沈殿させ、沈殿物を洗浄して、変性アガロースを得た。変性アガロースの疎水性基含有割合を下記方法により算出したところ、0.142個であった。
(水酸基を有する高分子の変性体の疎水性基導入割合評価)
乾燥状態の粉末アガロース(変性されていないアガロース)と揮発分0.1重量%未満まで乾燥させた疎水性基導入アガロースとをそれぞれ70℃の純水に溶解させ、0.05重量%の水溶液サンプルを調製した。分光光度計により各水溶液の269nmの吸光度を測定して濃度を求めることで、下記式より、水酸基を有する高分子の構成単位(二糖単位)1個当たりの疎水性基の含有割合を算出した。
・疎水性基含有割合(個)=CAG/(CHAG+CAG
・CAG:変性されているアガロース構成単位の濃度(mmol/l)
AG=A/εGPE×1000
・A:疎水性基導入アガロースの真の吸光度
A=疎水性基を導入したアガロースの吸光度−変性されていないアガロースの吸収
・変性されていないアガロースの吸収=変性されていないアガロースの吸光度×(疎水性基を導入したアガロースのサンプル濃度(mmol/l)/変性されていないアガロースのサンプル濃度(mmol/l))
・εGPE:グリシジルフェニルエーテルの吸光係数
εGPE=1372(l/(mol・cm))
・CHAG:変性されていないアガロース構成単位の濃度(mmol/l)
HAG=(変性されていないアガロース構成単位の濃度(g/l)/アガロース構成単位(306g/mol))×1000
・変性されていないアガロース構成単位の濃度(g/l)=疎水性基を導入したアガロースのサンプル濃度(重量%)×10−変性されているアガロース構成単位の濃度(g/l)
・変性されているアガロース構成単位の濃度(g/l)=(CAG×変性されているアガロース構成単位(456g/mol))/1000
また、多孔質ポリマ粒子に吸着した変性アガロースの疎水性基の含有割合は、粒子0.2gを1M硫酸10mL中にて、70℃、5時間処理し、処理液を分光光度計にて269nmの吸光度を測定して処理液濃度を求めることで、同様に算出できる。
(被覆層の形成)
20mg/mLの変性アガロース水溶液70mLに、多孔質ポリマ粒子1を1gの割合で投入し、55℃で24時間攪拌して、多孔質ポリマ粒子1に変性アガロースを吸着させた。吸着後の多孔質ポリマ粒子1をろ過し、熱水で洗浄した。多孔質ポリマ粒子への変性アガロースの吸着量(被覆高分子吸着量)は、ろ液中の変性アガロースの濃度から算出した。多孔質ポリマ粒子1gあたりの変性アガロースの吸着量が、50mg以上を「○」、50mg未満30mg以上を「△」、30mg未満を「×」とした。
多孔質ポリマ粒子の表面に吸着したアガロースは次のようにして架橋した。変性アガロースが吸着した粒子10gを0.4M水酸化ナトリウム水溶液に分散させ、エチレングリコールジグリシジルエーテルを0.64Mとなるように添加し、10時間室温にて攪拌した。その後、粒子を2重量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液の熱水で洗浄後、純水で洗浄し、乾燥させることで分離材を得た。
(タンパク質の非特異吸着能評価)
分離材0.2gをBSA(Bovine Serum Albumin)濃度24mg/mLのTris−塩酸緩衝液(pH8.0)20mLに投入し、24時間室温で攪拌を行った。その後、遠心分離で上澄みをとった。分光光度計で上澄み液の280nmの吸光度を測定することによって求めた上澄み液中のBSA濃度より、分離材に吸着したBSA量を算出した。分離材1mLあたりのBSA吸着量が1mg未満を「○」、1mg以上10mg未満を「△」、10mg以上を「×」とした。結果を表3に示す。
(イオン交換基の導入)
分離材(乾燥重量20g)を5Mの水酸化ナトリウム水溶液100mLに投入し、室温で1時間放置した。ジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩の所定量(60g)を溶解した水溶液100mLを添加し、水溶液の温度を70℃まで上げ、撹拌しながら2時間反応させた。反応終了後、ろ過し、水/エタノール(体積比5/1)で3回洗浄し、ジエチルアミノエチル(DEAE)基をイオン交換基として有する分離材(DEAE変性分離材)を得た。以降の、比表面積、イオン交換容量、カラム特性の評価には、DEAE変性分離材を用いた。得られたDEAE変性分離材を乾燥後、熱重量分析により、被覆された水酸基を有する高分子量を定量した。DEAE変性分離材の平均細孔径、細孔径分布におけるモード径、空隙率及び比表面積は、水銀圧入法にて測定した。結果を表2に示す。
(イオン交換容量評価)
12時間以上水で膨潤させたDEAE変性分離材を0.2〜0.3g定量し、ビーカに移し、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液20mLを加え、25℃、1時間撹拌した。その後、フィルタを用いて吸引ろ過を行い、フィルタ上の粒子を洗浄液が中性になるまで洗浄した。その後、分離材をビーカに移し、0.1N塩酸水溶液10mLを添加し、室温で1時間撹拌した。その後、フィルタを用いて吸引ろ過を行い、フィルタ上の分離材を洗浄液が中性になるまで洗浄した。この洗浄液について自動電位差滴定装置を使用して0.1N水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行うことによって、DEAE変性分離材のイオン交換容量(mmol/mL)を求めた。
<カラム特性評価>
得られたDEAE変性分離材をメタノールと混合して、濃度30重量%のスラリーを調製した。このスラリーをφ7.8×300mmのステンレスカラムに15分かけて充填して以下の評価に用いた。
(通液性評価)
DEAE変性分離材を充填したカラムに流速を変えながら水を流し,流速とカラム内の圧力(カラム圧)との関係を調べ、カラム圧が0.3MPaの時の線流速(通液速度)を測定した。結果を表2に示す。
(動的吸着量評価)
DEAE変性分離材を充填したカラムに、20mmol/L Tris−塩酸緩衝液(pH8.0)を10カラム容量流した。その後、BSA濃度2mg/mLの20mmol/LのTris−塩酸緩衝液を流し、UV吸光度測定によりカラム出口での溶出液中のBSA濃度を測定した。カラム入口と出口のBSA濃度が一致するまで緩衝液を流し、その後、5カラム容量分の1M NaCl Tris−塩酸緩衝液で希釈した。10%breakthroughにおける動的吸着量を以下の式を用いて算出した。結果を表3に示す。
10=cF(t10−t)/V
10:10%breakthroughにおける動的吸着量(mg/mL wet resin)
cf:注入しているBSA濃度(mg/mL)
F:流速(mL/min)
:ベッド体積(mL)
10:10%breakthroughにおける時間(min)
:BSA注入開始時間(min)
(耐アルカリ性評価)
DEAE変性分離材を0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液中で24時間攪拌し、リン酸緩衝液で洗浄後、カラム特性評価と同様の条件にて充填した。BSAの10%breakthrough動的吸着量を測定し、アルカリ処理前の動的吸着量と比較した。動的吸着量の減少が3%未満であるものを「○」、3%以上20%未満であるものを「△」、20%以上であるものを「×」とした。結果を表3に示す。
(耐久性評価)
800cm/hの流速で水をカラムに流し、カラム圧を測定後、3000cm/hに流速を上昇させ、1時間通液させた。再度800cm/hにカラム圧を下げた際に、カラム圧が初期値(3000cm/hに流速を上げる前)より10%以上上昇した場合を「×」、10%以内である場合を「○」とした。結果を表3に示す。
(実施例2)
(多孔質ポリマ粒子2)
変性アガロースを疎水性基の含有割合が0.050個のものに変更した以外は、実施例1と同様に多孔質ポリマ粒子の合成及び処理を行って分離材を得た。多孔質ポリマ粒子及び分離材について、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例3)
(多孔質ポリマ粒子3)
変性アガロースを疎水性基の含有割合が0.127個のものに変更した以外は、実施例1と同様に多孔質ポリマ粒子の合成及び処理を行って分離材を得た。多孔質ポリマ粒子及び分離材について、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例4)
(多孔質ポリマ粒子4)
変性アガロースを疎水性基の含有割合が0.280個のものに変更した以外は、実施例1と同様に多孔質ポリマ粒子の合成及び処理を行って分離材を得た。多孔質ポリマ粒子及び分離材について、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1)
(多孔質ポリマ粒子5)
変性アガロースを疎水性基の含有割合が0.670個のものに変更した以外は、実施例1と同様に多孔質ポリマ粒子の合成及び処理を行って分離材を得た。多孔質ポリマ粒子及び分離材について、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例2)
(多孔質ポリマ粒子6)
ジビニルベンゼンの使用量を4gに変更し、更にジヒドロキシプロピルメタクリレート8gを使用した以外は実施例1と同様に多孔質ポリマ粒子を合成した。得られた多孔質ポリマ粒子について、実施例1と同様の方法でDEAE変性処理のみを行い、被覆層の形成は行わずに、分離材を得た。得られた多孔質ポリマ粒子及び分離材について、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2017125815
Figure 2017125815
Figure 2017125815
表2、3の結果からも分かるとおり、スチレン系モノマを使用していても、被覆層に含まれる高分子として疎水性基の含有割合が特定の範囲内である変性アガロースを使用することによって、当該高分子の多孔質ポリマ粒子への吸着量が向上し、非特異吸着がほとんどない分離材を得ることができた。また、実施例で得られた分離材では、耐アルカリ性が改善され、動的吸着量がアルカリ処理前後で変化しないことが分かった。さらに、多孔質ポリマ粒子の粒径C.V.が低い分離材では、0.3MPa時の通液速度が非常に速かった。

Claims (14)

  1. 多孔質ポリマ粒子と、該多孔質ポリマ粒子の表面の少なくとも一部を被覆する、水酸基を有する高分子を含む被覆層とを備え、
    前記水酸基を有する高分子が疎水性基を更に有し、前記水酸基を有する高分子中の構成単位1個当たりの疎水性基の含有割合が0.02〜0.5個である分離材。
  2. 前記多孔質ポリマ粒子が、スチレン系モノマに由来するモノマ単位を含有するポリマを含む、請求項1に記載の分離材。
  3. 前記水酸基を有する高分子が、多糖類の変性体である、請求項1又は2に記載の分離材。
  4. 前記水酸基を有する高分子が、アガロースの変性体である、請求項1又は2に記載の分離材。
  5. 前記水酸基を有する高分子が架橋されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離材。
  6. 前記疎水性基がフェニル基を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分離材。
  7. 前記多孔質ポリマ粒子の平均粒径が10〜300μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分離材。
  8. 前記分離材の細孔径分布におけるモード径が0.01〜0.5μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分離材。
  9. 空隙率が30〜70体積%の粒子である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分離材。
  10. 比表面積が30m/g以上の粒子である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の分離材。
  11. 前記多孔質ポリマ粒子の粒径の変動係数が3〜15%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分離材。
  12. 前記多孔質ポリマ粒子1g当たり30〜500mgの前記被覆層を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分離材。
  13. 前記分離材が充填されたカラムに、該カラム内の圧力が0.3Mpaとなるように水を通液させたときに、水の通液速度が800cm/h以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の分離材。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の分離材を備えるカラム。
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