JP2895090B2 - ポリエステル複合糸の製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低分子配向で、捲縮糸を構成する単繊維の捲
縮が断面方向に不均一であり、かつ捲縮堅牢性の低いポ
リエステル捲縮糸を鞘部に、他の糸条を芯部としたシル
キーな風合をもつポリエステル複合糸の製造方法に関す
る。
(従来の技術) ポリエステル高配向未延伸糸を用い複合糸となし、色
相、風合を改良する提案としては、同ポリエステル未延
伸糸の分子配向を低く保ちつつ仮撚加工するものがあ
る。その代表的な例として、例えば特開昭63−203839号
がある。しかしながら、該提案な仮撚加工時の撚数が高
いため、シルキーな風合を付与することは到底不可能で
ある。また上記公報に掲げられた実施例でも明らかなよ
うに、この種の従来技術では一般に仮撚時のヒータ温度
が捲縮を強固に付与する条件とされているのが普通であ
り、上記高撚数に加えて、シルキーな風合を表現するに
は甚だ不都合な条件をなしている。例えば、150℃の仮
撚ヒータ表面温度下では、捲縮は均一に、しかも強固に
付与されるため、仮撚数の如何に拘らずガサ付いた風合
となる。
(発明が解決しようとする課題) いずれにしても、従来のポリエステル高配向未延伸糸
を用いて仮撚加工を施す複合糸の製造技術では、シルキ
ーな風合をもつ加工糸を得ることは不可能である。
本発明は、かかる状況を踏まえて開発されたものであ
り、鞘糸となるポリエステル未延伸糸の特性、同糸条に
対する加工条件、他の糸条との複合条件等を好適なもの
に設定し、もってシルキーな風合をもち実用に十分耐え
得るポリエステル複合糸を得ることを目的とするもので
ある。
(課題を解決するための手段及び作用) 即ち、本発明は低分子配向で、捲縮糸を構成する単繊
維の捲縮が断面方向に不均一であり、捲縮堅牢性の低い
ポリエステル捲縮糸を鞘部に配し、他の糸条を芯部とし
た複合糸を得ることを目的とする製造方法に関するもの
であって、 (1)捲縮糸の原糸となるポリエステル高配向未延伸糸
の複屈折率Δn=0.025〜0.080 (2)同未延伸糸の仮撚加工時における延伸倍率が自然
延伸倍率未満 (3)同仮撚加工時のヒータ表面温度が110〜140℃ (4)他の糸条と混繊、交絡する条件が (1+α1)(1−S1)/(1+α2)(1−S2)1.0 を同時に満足することを特徴としたポリエステル複合糸
の製造方法をその構成とするものである。
ここで、α1,α2;S1,S2は捲縮糸及び他の糸条の各
オーバーフィード率と各沸水収縮率を示す。
本発明を作用と共に更に詳しく説明すると、まず本発
明の主要な目的であるシルキー風合を得るために、第1
の構成として低分子配向で、捲縮糸を構成する単繊維の
捲縮が断面方向に不均一であり、捲縮堅牢性の低いポリ
エステル捲縮糸を得ることが必須となる。このような捲
縮糸を得るには、仮撚加工の速さ、加撚方法が特に限定
されるものではなく、使用装置としては一般に用いられ
る仮撚加工装置を用いることができ、容易に所期の目的
が達成できる。
低分子配向である捲縮糸を得るためには、低配向糸を
供給糸とし、仮撚加工時の延伸倍率を出来るだけ低く抑
えることが理論的に好ましい条件となる訳であるが、種
々検討を重ねた結果、供給糸の複屈折率Δn<0.025で
あっては、供給糸の経時的物性変化が大きく、現実的な
生産技術となり得ない。また、複屈折率Δn>0.080で
あると、仮撚加工時の条件にかかわらず延伸糸的風合が
強調され所期の目的が達成されない。
また、複屈折率Δn=0.025〜0.080であるポリエステ
ル高配向未延伸糸を仮撚加工する際、低分子配向を維持
するためには自然延伸倍率未満の延伸倍率で仮撚加工す
ることが必要である。ところで、一般にポリエステルを
対象とした仮撚加工時に採用される仮撚ヒータ表面温度
は、上述の如く150℃〜220℃の領域が採用され、このよ
うな温度条件では本発明の目的とする捲縮糸は得られな
い。つまり、既述した如く捲縮が断面方向に不均一であ
って、かつ捲縮堅牢性の低い捲縮糸を得ることが不可能
であることによる。
一方、本発明が採用する110〜140℃の如き低い仮撚ヒ
ータ表面温度では、仮撚加工時における加撚域で加撚状
態にある糸条の中心に存在する単繊維と表面に存在する
単繊維とは仮撚ヒータによる熱処理効果に差が生じ、そ
のために捲縮糸の断面方向に捲縮のバラツキを生じるこ
ととなり、多層構造糸に近似する。また、熱処理が不充
分であることから捲縮堅牢性が低く、ガサ付いた風合に
なり難い。これらの相乗効果がシルキー風合を生み出す
ものと推定される。
仮撚ヒータ表面温度が110℃より低い場合には捲縮が
付与されない。
なお、110〜140℃の仮撚ヒータ表面温度であって自然
延伸倍率未満で延伸仮撚加工をするには、適性な仮撚加
撚張力を生み出す必要があるが、これは加撚数を変更す
ることにより達成することが可能となる。
かくして所期の捲縮糸が得られることとなるが、本発
明による主要な第2の構成は、かくして得られた捲縮糸
の他の糸条と混繊、交絡することにある。前記捲縮糸は
それ自身は捲縮堅牢性が低い、低延伸倍率にて仮撚加工
されているため残留伸度が高い等により、そのままでは
実用には供し得ない。従って、これらを補完し実用に供
し得るようにするには補強糸を加えることが必要とな
る。補強糸は天然繊維、化学繊維の別なくシルキー風合
に合致した補強糸であればいずれでも良く、補強糸単独
で実用に耐え得るものであれば良い。混繊、交絡時の条
件は実用時には上記捲縮糸が複合糸の鞘部を構成し、補
強糸が芯部を構成することを満足する必要がある。この
条件を満たすためには、混繊、交絡時の捲縮糸のオーバ
ーフィード率(%)をα1、他の糸条のオーバーフィー
ド率をα2、捲縮糸の沸水収縮率(%)をS1、他の糸条
の沸水収縮率をS2としたとき、 (1+α1)(1−S1)/(1+α2)(1−S2)1.0
であれば、目的とする鞘、芯構造が形成されることとな
る。
なお、混繊、交絡は、一般に用いられているタスラン
処理ノズルもくしはインターレース処理ノズルを用いる
ことで達成される。
ここで、ポリエステル高配向未延伸糸とはポリエチレ
ンテレフタレートを主成分としたポリエステル糸繊維を
意味し、複屈折率Δnはベレックコンペンセータを装置
した偏光顕微鏡にて測定した値を示し、自然延伸倍率は
試長20cmで引張り速さ100%で20℃、65%RH室中での応
力−歪曲線から読み取った。
オーバーフィード率(%)はフィードローラ周速とデ
リベリローラ周速の差をデリベリローラ周速で割ったも
のを%表示したものであり、沸水収縮率(%)はJIS L
−1077,1073に準じて測定したものである。
(実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。第1
図及び第2図は本発明を実施するための異なる態様を示
す説明図であり、紡糸巻取り速度2500メートル/分で得
た、複屈折率0.028、自然延伸倍率1.45のポリエステル
未延伸、セミダル、丸断面、80デニル、36フィラメント
を供給糸1とし、仮撚加工機として三菱重工製LS−6型
を用い、加撚張力0.15g/dとなるようにスピンドル2の
回転数を変更しつつ、仮撚加工時の延伸倍率と仮撚ヒー
タ3の表面温度との関係を様々に変化させて異なる捲縮
糸4を得た。なお、デリベリローラ5の周速は100メー
トル/分とした。また、延伸倍率とはデリベリローラ5
の周速/フィードローラ6の周速である。得られた捲縮
糸4を筒編地として沸水処理し、感能検査を行ったとこ
ろ表1に示す仮撚ヒータ表面温度が110〜140℃で、かつ
延伸倍率が1.43以下のものがシルキーな特徴を顕著に備
えていた。この編地を顕微鏡下で観察したところ断面方
向に捲縮が不均一な多層構造捲縮糸となっていた。この
とき得られた各捲縮糸の沸水収縮率を表1中に示した。
なお、表1中の100℃条件糸はほとんど捲縮が認めら
れず、従って多層構造糸とはならなかった。
また、150℃条件糸は均一な、しかも捲縮堅牢性を有
した捲縮となり、従ってシルキーな特徴は少ないものと
なった。
110〜140℃の仮撚ヒータ表面温度で得られたシルキー
風合をもつ捲縮糸は、そのいずれの捲縮糸も弱い応力を
加えただけで捲縮形態が消失、もしくは変形し、それ自
身では実用に耐え得ないものであった。
そこで、該捲縮糸を補強し実用に耐え得るようにすべ
く、破断伸度30%、沸水収縮率10%のポリエステル延伸
糸であるセミダル、50デニル、36フィラメント、丸断面
糸7を第2図に示す如くフィードローラ8を介して捲縮
糸4と混繊、交絡用エヤーノズル9を通して混繊、交絡
処理を行い複合糸を得た。このときの条件は捲縮糸のオ
ーバーフィード率α1(%)を8%、延伸糸のオーバー
フィード率α2(%)を5%、混繊、交絡用エヤーノズ
ル9としてヘバーライン社製タスランノズルT311を用
い、エヤー圧力を5kg/cm2とし、デリベリローラ5の周
速を100メートル/分とした。
得られた複合糸10を筒編地となし、沸水中でリラック
ス処理をした編地は、表1中の仮撚ヒータ温度110度、
仮燃延伸倍率1.00でややシルキー効果が低くなったもの
の、他はドレープ性に富んだシルキー風合となった。ま
た、複合糸の張力は充分実用に耐え得るものであった。
(発明の効果) 以上、詳細に説明した如く本発明によれば、鞘部には
低分子配向であって、捲縮糸を構成する単繊維のもつ捲
縮が断面方向に不均一であり、かつ捲縮堅牢性が低いポ
リエステル捲縮糸が配され、実用性を付加するための他
の糸条が芯部に配されたシルキー風合に富んだポリエス
テル複合糸が格別の装置を使用することなく極めて合理
的に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により得られる複合糸の一部を構成する
捲縮糸の製造態様を示す説明図、第2図は本発明に係る
代表的な複合糸製造態様を示す説明図である。 図の主要部分の説明 1…ポリエステル高配向未延伸糸 2…仮撚スピンドル 3…仮燃ヒータ 4…捲縮糸 5…デリベリローラ 6…フィードローラ 7…補強用糸 8…補強糸用フィードローラ 9…混繊、交絡用ノズル 10…複合糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D02G 1/02 D02G 3/00 - 3/38 D02J 1/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル高配向未延伸糸を延伸仮撚加
    工した後、他の糸条と混繊、交絡せしむるにあたり、 (1)ポリエステル高配向未延伸糸の複屈折率Δn=0.
    025〜0.080 (2)仮撚加工時の延伸倍率が自然延伸倍率未満 (3)仮撚加工時のヒータ表面温度が110〜140℃ (4)他の糸条と混繊、交絡する条件が (1+α1)(1−S1)/(1+α2)(1−S2)1.0 を同時に満足することを特徴とするポリエステル複合糸
    の製造方法。
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