JP2894566B2 - 切断加工用油剤 - Google Patents
切断加工用油剤Info
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Description
きに用いる加工用油剤(以下、「切断加工用油剤」とい
う。)及びそれに用いられる媒体に関する。本発明は、
切断加工用油剤を製造する産業分野及び水晶、石英、シ
リコン等を切断する産業分野等において広く利用され
る。
定砥粒による切断方法と遊離砥粒を利用した切断方法が
ある。ここで、遊離砥粒を利用した切断方法としては、
ワイヤーソーやブレードソーによる方法等が知られてい
る。この場合に用いられる油剤としては、一般に基油に
炭化珪素、アルミナ、ダイヤモンド等の砥粒を分散させ
たものが知られている。尚、この遊離砥粒を利用する方
法として切断加工の外に材料表面を研磨するラッピング
加工やポリッシング加工等も知られている。
て、ポリエチレングリコール、水及びダイヤモンド砥粒
を含有するものが知られている(特開昭61−207479号公
報)。
いられる基油は鉱物油を主成分とするものであるので、
加工物の洗浄に際してはトリクロロエタン、フロン等の
ハロゲン系有機溶剤の使用を余技なくされ、環境衛生上
問題となっていた。
前記と比べると取扱いが容易となったが、分散安定性が
十分でないため、長時間にわたり作業を停止すれば砥粒
が沈降堆積し、ハードケーキを形成し、再分散すること
が極めて困難な状態となり、加工作業能率を著しく低下
させる原因となる。また、この油剤を用いたとしても、
切断加工終了後の被工作物の洗浄においては、ハロゲン
系有機溶剤が使用されるため、環境衛生上の問題は解決
されていない。
工能率、加工精度及び作業性に優れかつ環境衛生も問題
のない切断加工用油剤及びその媒体を提供することを目
的とする。
チレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリ
(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体から選ば
れた少なくとも1種類以上からなる基油、(b)ポリア
ルキレングリコール誘導体及び高分子多糖類から選ばれ
た少なくとも1種類以上からなる増粘剤、並びに、
(c)水、を含有する。
(a)と(b)と(c)の合計を100重量部とする場
合、(a)の含有量が5〜90重量部、(b)の含有量が
0.01〜5重量部、(c)の含有量が5〜90重量部、であ
り、媒体(I)を100重量部とする場合(II)の含有量
が10〜80重量部であり、所定の分散安定性試験により測
定した砥粒分散層の堆積量が、試験開始時の56%以上で
あることを特徴とする。
たのは、ワイヤ等に砥粒を付着させる作用、切屑の排出
作用等の切断加工用油剤の種々の作用が、鉱物油を基油
にした場合と同等又はそれ以上であるにもかかわらず、
このポリグリコール等が水溶性であるため、切断加工後
の洗浄を水又は水−アルコール系の洗浄剤にて容易に行
うことができるからである。この基油の添加量を5〜90
重量部としたのは、5重量部に満たないと砥粒の付着状
態が悪化し、90重量部を越えると火気による引火の恐れ
が生じるので、好ましくないからである。
体等を用いるのは、砥粒の加工部位への流入付着量を増
加させ、加工性の向上を図るためである。該増粘剤の添
加量を0.01乃至5重量部としたのは、0.01に満たないと
砥粒の付着性が不十分となり、5重量部を越えると組成
物の粘度が高くなり過ぎ却って加工能率の低下や作業性
の悪化をもたらすので、好ましくないからである。
5重量部に満たないと増粘剤の溶解が困難となり、90重
量部を越えるのと砥粒の付着状態か悪化するので、好ま
しくないからである。
素、アルミナ又はダイヤモンド等を用いることができ、
この粒径は特に問わず目的により種々異なるが、通常
は、1〜10μm程度である。これは、粒径が10μmを越
えると被加工物の面精度が得られず、1μmに満たない
と切断速度が低下するからである。更に、この砥粒の含
有量を、媒体(I)を100重量部とする場合、10〜80重
量部としたのは、添加量が10重量部未満では加工速度が
低下し及び加工精度が得られず、80重量部を越えると液
の流動性が低下し及びコストが高くなり不経済となるか
らである。
には実施例で用いた方法を採用する。
添加剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができる。ま
た、本発明の油剤の使用方法は特に限定されないが、一
般的には循環して使用される。更に、本油剤は切断加工
に限らず、遊離砥粒による種々の加工に対しても使用す
ることができる。
る。
この表中の組成に関する数値は、重量部を示し、また表
中の各成分の具体的内容は以下の通りである。ここで、
比較例1、2は従来一般に使用する切断加工用媒体であ
り、比較例3は水を含む水系媒体である。
脂(株)製)、グルコールA2:ポリエチレングリコール
600(日本油脂(株)製)、グリコールB1:ポリプロピ
レングリコール・ジオール400(昭和電工(株)製)、
グリコールB2:ポリプロピレングリコール・ジオール75
0(昭和電工(株)製)、誘導体C:ポリ(オキシエチレ
ン−オキシプロピレン)誘導体:ユニルーブ50MB5(日
本油脂(株)製)、増粘剤A:ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール、商品名ユニルーブDE3800
(日本油脂(株)製)、増粘剤B:ザンサンガム又はキサ
ンタンガム、商品名KELZAN(三晶(株)製)、鉱物油A:
アシン油(JISK2231に規定のISOVG15相当品)、鉱物油
B:マシン油(JISK2231に規定のISOVG7相当品)。
及び再分散性を明らかにするために、以下のようにし
て、サンプルとしての油剤(分散液)を調製した。即
ち、3lのビーカーに第1表に示す組成の媒体を1500ml採
取し、これに攪拌機で攪拌(1500rpm)しながら、炭化
ケイ素粉末(GC#600)又はアルミナ粉末(WA#600大き
さ:25μm)を50重量%添加し、その後30分間攪拌を続
けて、分散液を調製した。
℃)、分散性、分散安定性及び再分散性の評価を行い、
その結果を第2表及び第3表に示す。尚、第2表は砥粒
として炭化ケイ素(GC#600)を使用した場合、第3表
は砥粒としてアルミナ(WA#600)を使用した場合を示
す。また、表中の−は、砥粒が分散されなかったことを
表す。更に、各試験方法は以下の通りである。
した。尚、表中の評価において、○:10μm以上の二次
粒子を含まない、△:10μm以上の二次粒子を砥粒前量
の20%未満含有する、×:10μm以上の二次粒子を砥粒
全量の20%以上含有することをそれぞれ示す。
記分散液を500ml採取し、25℃の恒温槽内に放置し経時
による砥粒の沈降状態を観察した。その評価は砥粒分散
層の堆積量(ml)により行った。
価を行った。
100ml採取し、25℃の恒温槽内に3日間放置した。その
後、このメスシリンダーを逆にして30分間静置し、これ
による容器底部への堆積量により評価を行った。尚、表
中の評価は、○:堆積量が1ml以下、△:堆積量が1〜5
ml、×:堆積量が5ml以上であることをそれぞれ示す。
の恒温槽内に2ケ月間放置した。その後、佐竹式攪拌機
を用いて100rpmで10分間攪拌し、ビーカー内の分散液を
デカンテーションで除去し、その後の底部への堆積量に
より評価を行った。尚、表中の評価は、○:堆積量が砥
粒全量の3重量%以下、△:堆積量が砥粒全量の3〜10
重量%、×:堆積量が砥粒全量の10重量%以上であるこ
とをそれぞれ示す。
を同量加えて均一に分散し、切断加工用油剤を調製し
た。この油剤をワイヤソーによる磁器ヘッドコアの切断
加工に適用し、3×5mmのフェライト製角材より0.2mmの
板状を切り出した。また、比較例1の従来の通常油剤に
ついても同様に実施した。
〜11μmであったのに対して、実施例4の油剤では8〜
10μmとなり、加工精度の向上がみられた。
剤を用いて加工したものは、ハロゲン系有機溶剤を使用
する必要があった。一方、本実施例の油剤を用いて加工
したものは、水:エチルアルコール=1:1の水溶液又は
界面活性剤(ノニルフェノールにエチレンオキシド10モ
ルが付加されたもの)の0.1%水溶液で容易に洗浄でき
ることが確認された。
を同量加えて、均一に分散し切断加工用油剤を調製し
た。この油剤をワイヤソーによるシリコンの切断加工に
適用し、φ5″の単結晶シリコン材より1mm厚さのウエ
ハを切り出した。また、比較例2、3の油剤についても
同様に実施した。
15μmであったのに対して、本実施例の油剤を用いると
12〜15μmであり、ほぼ同等の精度が得られた。
の油剤を用いて加工したものは、ハロゲン系有機溶剤を
使用する必要があったが、本実施例の油剤を用いて加工
したものは、水:エチルアルコール=7:3の水溶液又は
界面活性剤の0.1%水溶液で容易に洗浄できることが確
認された。
と比べて適度な高粘度をもち、砥粒の分散性、分散安定
性及び再分散性の全てにおいて優れている。一方、比較
例1の油剤では分散性が悪く、比較例2、3では分散安
定性及び再分散性がよくない。従って、本実施例の各油
剤は、比較例の各油剤と比べて、加工能率、加工精度及
び作業性を向上させることできる。また、本実施例4、
5の油剤の場合では、比較例のように、加工後の被加工
物を有害なハロゲン系有機溶剤で洗浄する必要もない。
に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々
変更した実施例とすることができる。
高分子量化合物からなる基油及び増粘剤、更には水を含
むものである。従って、これに砥粒を混合させた場合そ
の分散性に優れるとともに、分散安定性及び再分散性に
も優れる。故に、本第1発明の媒体、更にこれを用いて
調製した本第2発明の油剤を用いれば、能率面、精度面
及び作業性の面における向上を図ることができる。即
ち、作業中は砥粒の沈降を防止でき、加工能率の低下を
きたすことがなく、一方長時間にわたって作業を停止す
るような場合には、たとえ砥粒が沈降したとしても、こ
の砥粒がハードケーキを形成することがなく、作業再開
後には容易に再分散させることができる。
め、加工後の被工作物の洗浄に際しては、ハロゲン系有
機溶剤等、環境破壊の危険性を有する溶剤で洗浄する必
要がなく、水洗浄剤、アルコールを含む水系洗浄剤又は
水に界面活性剤を含む洗浄剤等により十分に洗浄ができ
る。従って、本発明は環境衛生上優れたものといえ、特
に、フロンによるオゾン層の破壊が問題となっている今
日においては、この意義は大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】(a)ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール及びポリ(オキシエチレン−オキシプ
ロピレン)誘導体から選ばれた少なくとも1種類以上か
らなる基油、(b)ポリアルキレングリコール誘導体及
び高分子多糖類から選ばれた少なくとも1種類以上から
なる増粘剤、並びに、(c)水、を含有する媒体
(I)、並びに 該媒体中に分散される砥粒(II)を含有し、 かつ前記(a)と(b)と(c)の合計を100重量部と
する場合、(a)の含有量が5〜90重量部、(b)の含
有量が0.01〜5重量部、(c)の含有量が5〜90重量部
であり、媒体(I)を100重量部とする場合、(II)の
含有量が10〜80重量部であり、 上記媒体(I)100重量部に対して、砥粒(II)が50重
量部からなる分散液500mlを、500mlのメスシリンダーに
注入し、25℃にて放置し経時による砥粒の沈降状態を観
察したときの砥粒分散層の堆積量を測定した場合、アル
ミナ砥粒で、10日後の砥粒分散層の堆積量が試験開始時
の56%以上であることを特徴とする切断加工用油剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32013689A JP2894566B2 (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 切断加工用油剤 |
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP32013689A Expired - Lifetime JP2894566B2 (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 切断加工用油剤 |
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-
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