JP2892915B2 - 弾球遊技機の玉戻り防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ機などの弾球
遊技機の遊技盤面上に設けられる玉戻り防止装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、パチンコ機において遊技盤面上に
向けて発射されたパチンコ玉が発射側に戻るのを防止す
るための玉戻り防止装置として、実公平３−３０１３８
号公報に示されるように、遊技盤面上の内側案内レール
の上端部に、弾性体からなる舌片を、その上端が上方を
向くように、かつ、その上端と外側案内レールとの距離
がパチンコ玉の直径よりは小さくパチンコ玉の半径より
大きくなるように取り付けて成るものが知られている。
この玉戻り防止装置によると、発射装置から打ち出され
案内レールに沿って移動してきたパチンコ玉は、案内レ
ール上端に位置する舌片の先端を押し開いて進行し、遊
技盤面の上部に到達する。そして、遊技盤面上の障害釘
に当たって案内レールに戻ろうとする玉は舌片に阻止さ
れ、戻ることができない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、弾球遊技機
においては、案内レールは遊技盤面と正面側のガラス面
との間にあり、発射装置から打ち出された玉は２つの案
内レールで仕切られた通路内を移動するので、上記の玉
戻り防止装置では、案内レールの上端部に取り付けられ
た弾性体片の先端を押し開いて飛び出す際、パチンコ玉
は遊技盤面上でなく、正面側のガラス面上を滑走するこ
とがある。このため、パチンコ玉の滑走軌跡が安定せ
ず、遊技者の望む通りにパチンコ玉を遊技盤面上に打ち
込むことが難しいという問題点があった。

【０００４】従って、本発明の目的は、遊技盤面上に向
けて打ち出された遊技球が案内レールの上端から飛び出
した後、障害釘に当たって案内レールに戻るのを阻止す
る玉戻り防止装置を備えた弾球遊技機において、遊技球
が遊技盤面上を安定して移動できるようにすることであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、弾球遊技機の
案内レールの上端部に弾性体片をその先端が上方を向く
ように設けることによって構成される玉戻り防止装置に
おいて、前記弾性体片の遊技盤面側を先端に向かって幅
が狭くなるように切り欠いたことを特徴とする。

【０００６】なお、弾性体片は、案内レールの上端部に
直接又は適当な固定手段を用いて取り付けられるが、こ
れに代えて、案内レールの上端に当接あるいは近接させ
て遊技盤面に取り付けるようにしてもよい。

【０００７】本発明のもう１つの態様では、弾性体片
は、その先端と外側の案内レールとの距離が遊技球の半
径より小さくなるように設置される。

【０００８】

【作用】発射装置から打ち出され案内レールに沿って移
動してきた遊技球は、案内レール上端に位置する弾性体
片を押し開いて進行する。ここで、弾性体片は、その先
端に向かって幅が狭くなるように遊技盤面側が切り欠か
れているので、弾性体片に当たった遊技球は、弾性体片
を押し開きながら、その遊技盤面側の切り欠かれた縁に
沿って遊技盤面上を転動する。このため、遊技球は、正
面側のガラス面へ向かうことなく転動して遊技盤面の上
部に到達する。また、弾性体片の遊技盤面側が切り欠か
れたことによって弾性体片の弾性係数が小さくなり、遊
技球が弾性体片を押し開くときの抵抗も少なくなる。か
くして、遊技球の滑走軌跡は安定したものとなるので、
遊技者は、発射操作により遊技球を望む通りに遊技盤面
上に打ち込むことができる。

【０００９】なお、案内レールの上端から飛び出した遊
技球は、遊技盤面上の障害釘に当たって案内レール内に
戻ろうとしても、弾性片に阻止されるので、戻ることが
できない。

【００１０】本発明のもう１つの態様では、弾性体片の
先端と外側の案内レールとの距離が遊技球の半径より小
さくなるように設定することにより、戻り球が弾性片の
先端部に当たったときはその先端が外側の案内レールに
近接または当接するので、戻り球の進入をより確実に阻
止できる。この場合、弾性体片の先端と外側の案内レー
ルとの間隔が短くても、上記のように遊技球が弾性体片
を押し開くときの抵抗が少ないので、支障はない。

【００１１】

【実施例】図１に示すように、本発明の玉戻り防止装置
１０を設置する弾球遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊
技盤面１上には、内外２本の案内レール２，３、多数の
釘４、その他遊技用備品が配設されている。玉戻り防止
装置１０は、弾性体片１１と固定部材１２とから成り、
内側の案内レール２の先端に当接して遊技盤面１上に配
置される。

【００１２】図２に示すように、弾性体片１１は、先端
に向かって幅が狭くなるように切り欠かれた上部１１ａ
と、略Ｕ字形に曲げられた下部１１ｂとを有する弾性金
属板から成る。この実施例の場合、上部１１ａは、先端
に向かって斜め曲線状に切り欠かれている。

【００１３】固定部材１２は、弾性体片１１を案内レー
ル２の上端に当接させて遊技盤面１上に固定するための
手段である。そのため、弾性体片１１の略Ｕ字形に曲げ
られた下部１１ｂを幅方向に嵌入する溝部１３と、遊技
盤面１に設けられた環状溝５に嵌入される一対の環状突
起１４，１４を有する。そして、これらの突起１４の位
置に設けられた孔１５を貫通するネジ７を、遊技盤面１
の環状溝５に設けられた穴６にねじ込むことにより、遊
技盤面１上に固定される。

【００１４】玉戻り防止装置１０は、弾性体片１１を装
着した固定部材１２を内側の案内レール２の先端に当接
した位置に固定することにより、遊技盤面１上に取り付
けられる。図３に示すように、弾性体片１１は、その先
端部１１ａの遊技盤面側が斜めに切り欠かれているの
で、弾性体片の先端部１１ａに当たった遊技球（この場
合、パチンコ玉）Ｐは、その先端部１１ａを押し開きな
がら、弾性体片１１の遊技盤面側の切り欠かれた縁１１
ｃに沿って遊技盤面１上を転動する。このため、遊技球
Ｐは、正面側のガラス面８へ向かうことなく転動し、安
定した滑走軌跡を描いて遊技盤面１の上部に到達する。

【００１５】なお、図１の実施例においては、外側の案
内レール３と弾性体片１１の先端との間隔ｄは、パチン
コ玉Ｐの半径より小さくなるように設定されている。こ
れにより、遊技盤面１上の障害釘４に当たって案内レー
ル２，３の方に戻ろうとする遊技球Ｐが弾性体片１１の
先端部１１ａに当たった時は、その先端が外側の案内レ
ール３に近接または当接するので、戻り球の進入が確実
に阻止される。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、弾性体
片の遊技盤面側を先端に向かって幅が狭くなるように切
り欠いたことにより、遊技球は正面側のガラス面を滑走
することがなく、滑走の軌跡が安定する。また、遊技球
が弾性体片を押し開くときの抵抗が従来のものよりも少
ないので、これも遊技球の滑走の軌跡を安定させるのに
寄与する。

【００１７】更に、本発明の玉戻り防止装置を弾球遊技
機の遊技盤面に組み付ける際、弾性体片の形状により、
位置決めが容易かつ確実になるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ遊技機において本発明の実施例の玉戻
り防止装置を設置した遊技盤面の一部を示す平面図。

【図２】実施例の玉戻り防止装置の構成及び取り付け方
法を示す斜視図。

【図３】遊技盤面上に設置した玉戻り防止装置の弾性体
片に沿って遊技球が移動している状態を示す遊技部の断
面図。

【符号の説明】

１…遊技盤面、２，３…案内レール、４…障害釘、５…
環状溝、６…穴、７…ネジ、８…ガラス面、１０…玉戻
り防止装置、１１…弾性体片、１２…固定部材、１３…
溝部、１４…環状突起、１５…孔。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾球遊技機の遊技盤面上に遊技球を案内す
   る案内レールの上端部に、弾性体片をその先端が上方を
   向くように設けることにより構成される玉戻り防止装置
   において、前記弾性体片の遊技盤面側を先端に向かって
   幅が狭くなるように切り欠いたことを特徴とする弾球遊
   技機の玉戻り防止装置。
2. 【請求項２】前記弾性体片は、その先端と外側の案内レ
   ールとの距離が遊技球の半径より小さくなるように設置
   されている請求項１記載の玉戻り防止装置。