JP3359599B2 - パチンコ機の遊技盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機の遊技
盤に関し、特に遊技領域を区画する遊技領域区画部材の
先端に戻り球防止部材を設けたものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のパチンコ機の遊技盤は、金属帯板
を割ピン状の釘により遊技盤の下部から上部にかけて円
弧状に止着して外バンドとし、この外バンドの内側に金
属帯板を同様の釘により横Ｃ字状に止着して内バンドと
し、外バンドと内バンドの間の円弧状部分を打球上昇流
路とし、内バンドと外バンドの上部に囲まれた円形部分
を遊技領域とし、この遊技領域内に障害釘を植設すると
ともに入賞具を配設している。また、内バンドの先端部
には戻り球防止部材を設け、打球上昇流路から遊技領域
に放たれた打球の打球上昇流路への戻りを防止する。そ
して、サイドランプの装飾レンズは内バンドの内側に、
内バンドの止着とは別個に独立した状態で止着する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パチンコ機の遊技盤は、金属帯板を遊技盤表面に対して
直交する状態で止着しなければならないので特殊な釘で
なければ止着できないし、止着作業の作業性も悪い。ま
た、金属帯板製のバンドを特殊な釘で止着し、戻り球防
止部材や装飾レンズなど他の部材とは全く別個に止着す
るので、遊技盤の組立作業の工程数の減少を図ることも
困難であった。さらに、遊技者が注視する遊技領域を金
属帯板からなる外バンド及び内バンドで区画し、この内
バンドに係わらせてサイドランプや戻り球防止部材を設
けているので、装飾性が劣ってしまう。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記に
鑑み提案されたもので、請求項１に記載のものは、打球
発射装置から発射された打球を上方に案内する打球案内
部材を表面の下部から上部に円弧状に設けるとともに、
該打球案内部材の内側に円弧状の遊技領域区画部材を設
け、該遊技領域区画部材の一側部分と打球案内部材との
間の円弧状部分を打球上昇流路としたパチンコ機の遊技
盤であって、遊技領域区画部材は、遊技盤表面に当接す
る止着面部と該止着面部からほぼ直角に起立した球受面
部とを一体成形すると共に、止着面部に装飾レンズを一
体成形し、上端部に打球の 打球上昇路側への戻りを防止
する戻り球防止部材を設けて構成し、戻り球防止部材
は、板状の弾性片の一端をコイル状に巻いた基端コイル
部と、この基端コイル部から延在した舌片部とからな
り、遊技領域区画部材の上端部に、スリットが側面に開
設された中空の取付部を該遊技領域区画部材の裏側に形
成して該取付部に基端コイル部を嵌合し、基端コイル部
から延在した舌片部を取付部のスリットから延出して打
球上昇流路の出口に対して斜めに臨ませ、かつ、舌片部
の先端と打球案内部材の内面との間隔を球の直径よりも
小さく設定し、遊技領域区画部材の止着面部を遊技盤表
面に固定したことを特徴とするパチンコ機の遊技盤であ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
もとづいて説明する。遊技盤１は、図１および図２に示
すように、合板やプラスチックなどからなる矩形板２の
表面に金属帯板からなる打球案内部材３を下端左寄りか
ら上部にかけて円弧状に止着するとともに、該打球案内
部材３の内側（図中右側）に円弧状の遊技領域区画部材
４を上端が開いた横Ｃ字状に止着し、遊技領域区画部材
４と打球案内部材３の上部とによって囲まれた略円形部
分を遊技領域５とし、この遊技領域５内に多数の障害釘
（図示せず）を植設するとともに、入賞具６…を適宜に
配設してなる。そして、打球案内部材３と遊技領域区画
部材４の一側部分（図中左側部分）との間の円弧状部分
を打球上昇流路７とし、図１に示すように、遊技盤１を
パチンコ機に装着した状態で打球上昇流路７の下端入口
部分が発射レール８の延長線上に位置し、且つ発射レー
ル８の傾斜上端に隣接して形成したファール球回収樋９
の上端入口に打球上昇流路７の入口部分が臨むように設
定する。

【０００６】図面に示す遊技領域区画部材４は、遊技領
域５の最下部を区画する第１遊技領域区画部材１１と、
該第１遊技領域区画部材１１の一端（図中右端）に隣接
して止着する第２遊技領域区画部材１２と、第１遊技領
域区画部材１１の他端（図中左端）に隣接して止着する
第３遊技領域区画部材１３とに３分割して、プラスチッ
クにより成形され、第３遊技領域区画部材１３が本発明
の遊技領域区画部材となっている。

【０００７】第１遊技領域区画部材１１は、図４に示す
ように、遊技盤１表面に当接する止着面部１４を略円弧
状に細長く形成するとともに、該止着面部１４の外側縁
（下端縁）に止着面部１４に対してほぼ直角に起立する
球受面部１５を止着面部１４と一体成形し、止着面部１
４のほぼ中央にはアウト口１６を開設し、このアウト口
１６の前方に位置する球受面部１５のほぼ中央に段部１
７を形成し、これにより打球が球受面部１５上を左右に
往復転動することなく段部１７の案内で円滑にアウト口
１６に流入するように構成する。

【０００８】そして、本実施形態では、ファール球回収
樋９の入口上方に位置する球受面部１５の下部に戻り球
案内壁１８を斜め下方に向けて一体成形し、打球上昇流
路７を流下してきたファール球が発射レール８側に流下
することなくファール球回収樋９に円滑に戻るように構
成する。なお、球案内壁１８を形成する部分は、止着面
部１４の上下長さを他の部分よりも大きくして、この部
分に球案内壁１８の側縁を、球受面部１５の下面に球案
内壁１８の上端縁を連絡し、これにより球案内壁１８の
強度を確保する。

【０００９】また、図５に示すように、球受面部１５の
上面（即ち遊技領域側）に金属板製の補強材１９を添設
し、これにより最も打球が当る頻度の高い第１遊技領域
区画部材１１の球受面部１５の破損や摩耗を防止すると
ともに、打球の転がり抵抗を低減する。

【００１０】第２遊技領域区画部材１２は、第１遊技領
域区画部材１１と同様に、遊技盤１表面に当接する止着
面部２０を略円弧状に形成すると共に、該止着面部２０
の外側縁に止着面部２０に対してほぼ直角に起立する球
受面部２１を止着面部２０と一体成形する。そして、本
実施形態では透光性を有するプラスチックにより一体成
形し、止着面部２０にはサイドランプの装飾レンズ２２
…を一体成形する。したがって、止着面部２０の形状
は、第１遊技領域区画部材１１の止着面部１４とは異な
り、装飾レンズ２２…の形状に応じて適宜な形状とす
る。また、装飾レンズ２２…を形成した部分は一般的に
は前方に膨出しているので、各装飾レンズ２２の外側の
部分が止着面部２０として遊技盤１の表面に当接するこ
ととなる。

【００１１】第３遊技領域区画部材１３は、第２遊技領
域区画部材１２と左右対象であり、遊技盤１の表面に当
接する止着面部２３を略円弧状に形成すると共に、該止
着面部２３の外側縁に止着面部２３に対してほぼ直角に
起立する球受面部２４を止着面部２３と一体成形する。
そして、第２遊技領域区画部材１２と同様に、透光性を
有するプラスチックにより一体成形し、止着面部２３の
表面にはサイドランプの装飾レンズ２５…を装飾部とし
て一体成形する。この様に構成された第３遊技領域区画
部材１３は、遊技盤１の表面に取り付けられた状態で、
その一側部分（図２中左側部分）と打球案内部材７との
間に、円弧状の打球上昇流路７を形成する。

【００１２】また、この第３遊技領域区画部材１３の上
端には戻り球防止部材２６を設けて打球上昇流路７の出
口に臨ませる。図６に示す戻り球防止部材２６は、バネ
板などの弾性片の一端をコイル状に巻いたものである。
この戻り球防止部材２６を取り付けるには、第３遊技領
域区画部材１３の上端に裏面から中空な取付部２７を形
成し、この取付部２７内に戻り球防止部材２６の基端コ
イル部２８を嵌合し、このコイル部２８から延びた舌片
部２９を取付部２７側面のスリット３０から延出して打
球上昇流路７の出口に臨ませる。すなわち、戻り球防止
部材２６は、図６に示すように、基端コイル部２８を第
３遊技領域区画部材１３の取付部２７の裏側から嵌合す
るとともに、基端コイル部２８から延びた舌片部２９を
スリット３０に通すことで、第３遊技領域区画部材１３
に取り付けられる。そして、この戻り球防止部材２６を
取付部２７に嵌合した状態で第３遊技領域区画部材１３
の止着面２３に開設した止着孔内に釘やビス等を挿通
し、さらにこの釘やビス等を矩形板２の表面に打込む
と、第３ 遊技領域区画部材１３が矩形板２（すなわち遊
技盤１）に取り付けられるとともに、取付部２７が基端
コイル部２８を嵌合したままで背面側（遊技盤１側）を
遊技盤１により閉塞されるため、戻り球防止部材２６
は、第３遊技領域区画部材１３の取付部２７から脱落し
ない状態で遊技盤１上に固定される。なお、この舌片部
２９は、図２に示すように、遊技領域側に斜めに延出さ
せ、尚且つ先端と打球案内部材３の内面との間隔は球の
直径よりも小さく設定する。

【００１３】上記した構成からなる第１，第２，第３遊
技領域区画部材１１，１２，１３を遊技盤１の表面に取
り付けるには、各遊技領域区画部材１１，１２，１３の
止着面部１４，２０，２３に開設した止着孔内に釘やビ
ス等を挿通し、これら釘等を遊技盤１表面に打ち込むこ
とにより固定する。なお、中央の第１遊技領域区画部材
１１の球受面部１５と左右の第２，第３遊技領域区画部
材１２，１３の球受面部２１，２４との接合部分に段差
や隙間が生じないようにして固定する。

【００１４】各遊技領域区画部材１１，１２，１３を止
着した遊技盤１を装着したパチンコ機３１において、打
球発射操作部３２を操作することにより打球発射装置３
３を作動すると、発射杆３４が発射レール８の発射位置
に供給された球を弾発し、弾発された打球は、発射レー
ル８からファール球回収樋９の入口を飛び越えて打球案
内部材３の内側面に当り、この面の彎曲によって円弧状
に案内されつつ打球上昇流路７内を上昇する。

【００１５】そして、打球上昇流路７の出口まで勢い良
く上昇した打球は、戻り球防止部材２６を先方に押し曲
げて遊技領域５内に飛入し、遊技領域５内に飛入した打
球は障害釘に当りながら流下方向を変換しつつ流下す
る。なお、一旦遊技領域５内に飛入した打球が障害釘に
当って打球上昇流路７の出口に向かって跳ね返った場
合、この打球は出口で戻り球防止部材２６に当って打球
上昇流路７内に再び戻ることを阻止される。したがっ
て、一旦遊技領域５内に飛入した打球は、打球上昇流路
７内を逆行してファール球となることはない。

【００１６】遊技領域５内を流下する途中でいずれかの
入賞具６…に入賞した打球は遊技盤１の裏側に取り込ま
れてセーフ球として処理される。また、いずれの入賞具
６…にも入賞しなかった打球は第１遊技領域区画部材１
１の球受面部１５上に流下し、該球受面部１５の傾斜に
よりアウト口１６側に案内され、アウト口１６に入って
アウト球として処理される。

【００１７】図面に示す実施形態においては、第２，第
３遊技領域区画部材１２，１３の止着面部２０，２３に
装飾レンズ２２…，２５…を一体的に形成し、装飾レン
ズの近くには障害釘を壁状に植設してあるので打球が装
飾レンズ２２…，２５…に当ることはなく、したがって
第２，第３遊技領域区画部材１２，１３の球受面部２
１，２４に球が当るのは装飾レンズ２２…，２５…を形
成した部分よりも下方の部分であり、この部分にも稀で
ある。

【００１８】これに対して第１遊技領域区画部材１１の
球受面部１５には球が頻繁に流下して当る。しかしなが
ら、本実施形態では補強材１９を添設してあるので、打
球が頻繁に当ってもその衝撃により損傷したり摩耗した
りすることはない。なお、第１遊技領域区画部材１１の
材質が耐摩耗性に優れた強固なものである場合には必ず
しも補強材１９を添設する必要はないが、この場合には
図４中一点鎖線で示すように、球受面部１５の段部１７
の底面を後方に延設しておくことが望ましい。この様に
延設片３５を突設しておくと、遊技盤１に開設したアウ
ト口用開口部の底面を延設片３５で覆うことにより開口
部の内周面が粗雑であっても打球をアウト球として円滑
に遊技盤１の裏側に取り込むことができるし、第１遊技
領域区画部材１１を遊技盤１の表面に固定する際にも延
設片３５が位置決め部材として機能するので、取付位置
の決定が容易になる。

【００１９】一方、打球上昇流路７内を上昇しても出口
まで到達できなかった打球は、途中で打球上昇流路７を
逆行してファール球となる。このファール球は打球上昇
流路７の内面に案内されながら下降し、遂には打球上昇
流路７の傾斜下端からファール球回収樋９の入口からフ
ァール球回収樋９内に流下し、ファール球として下皿に
戻る。なお、打球上昇流路７内を勢い良く飛び跳ねなが
ら流下するファール球は、ファール球回収樋９の入口上
方において戻り球案内壁１８に当って発射レール８側へ
の流下を阻止され、跳ね返ってファール球回収樋９の入
口側に案内される。したがって、発射レール８側に戻る
ファール球は極めて稀である。

【００２０】上記した実施形態における第１遊技領域区
画部材１１の止着面部１４は、円弧状に細長い板であっ
て表面に装飾模様を施した程度であるが、この止着面部
１４の幅を大きくして入賞具を一体成形してもよい。例
えば、図７に示す第１遊技領域区画部材１１′は、略三
日月形の止着面部１４′の円弧縁に球受面部１５′を一
体成形するとともに、止着面部１４′の上縁近傍にポケ
ット枠状の入賞口６′…を一体形成してもよい。この様
に、第１遊技領域区画部材１１′の止着面部１４′に入
賞口６′…を一体成形すると、遊技盤１の組立作業にお
いて入賞口６′を１個ずつ別個に取り付ける必要がない
ので、作業効率を高めることができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、遊
技領域区画部材は、遊技盤表面に当接する止着面部と該
止着面部からほぼ直角に起立した球受面部とを一体成形
するので、内バンド及びそれを止着する特殊な釘を使用
する必要もない。また、止着面部に装飾レンズを一体成
形し、上端部に打球の打球上昇路側への戻りを防止する
戻り球防止部材を設け、この戻り球防止部材は、板状の
弾性片の一端をコイル状に巻いた基端コイル部と、この
基端コイル部から延在した舌片部とで構成し、遊技領域
区画部材の上端部に、裏面に形成した中空の取付部に基
端コイル部を嵌合して、取付部の側面に開設したスリッ
トから上記舌片部を延出して打球上昇流路の出口に臨ま
せる構成としたので、遊技領域区画部材の止着面部を遊
技盤表面に固定するだけで、装飾レンズ及び戻り球防止
部材を別個に止着する必要がない。したがって、遊技盤
の組立作業の工程数の減少を図り、これにより、組立作
業を効率良く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】遊技盤を装着したパチンコ機の斜視図である。

【図２】遊技盤の正面図である。

【図３】第１乃至第３遊技領域区画部材の取付位置関係
を示す遊技盤の斜視図である。

【図４】第１遊技領域区画部材の斜視図である。

【図５】補強材を添設する状態を示す遊技盤の斜視図で
ある。

【図６】戻り球防止部材の取付状態を示す斜視図であ
る。

【図７】入賞口を一体成形した第１遊技領域区画部材の
他の実施形態の斜視図である。

【符号の説明】

１ 遊技盤 ３ 打球案内部材 ４ 遊技領域区画部材 ５ 遊技領域 ６ 入賞具 ７ 打球上昇流路 ８ 発射レール ９ ファール球回収樋 １１ 第１遊技領域区画部材 １２ 第２遊技領域区画部材 １３ 第３遊技領域区画部材 １４ 第１遊技領域区画部材の止着面部 １５ 第１遊技領域区画部材の球受面部 １６ アウト口 １８ 戻り球案内壁 １９ 補強材 ２０ 第２遊技領域区画部材の止着面部 ２１ 第２遊技領域区画部材の球受面部 ２２ 第２遊技領域区画部材の装飾レンズ ２３ 第３遊技領域区画部材の止着面部 ２４ 第３遊技領域区画部材の球受面部 ２５ 第３遊技領域区画部材の装飾レンズ ２６ 戻り球防止部材 ３１ パチンコ機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A63F 7/02 311 A63F 7/02 304 A63F 7/02 312

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 打球発射装置から発射された打球を上方
   に案内する打球案内部材を表面の下部から上部に円弧状
   に設けるとともに、該打球案内部材の内側に円弧状の遊
   技領域区画部材を設け、該遊技領域区画部材の一側部分
   と打球案内部材との間の円弧状部分を打球上昇流路とし
   たパチンコ機の遊技盤であって、遊技領域区画部材は、 遊技盤表面に当接する止着面部と該止着面部からほぼ直
   角に起立した球受面部とを一体成形すると共に、止着面
   部に装飾レンズを一体成形し、上端部に打球の打球上昇
   路側への戻りを防止する戻り球防止部材を設けて構成
   し、 戻り球防止部材は、 板状の弾性片の一端をコイル状に巻いた基端コイル部
   と、この基端コイル部から延在した舌片部とからなり、 遊技領域区画部材の上端部に、スリットが側面に開設さ
   れた中空の取付部を該遊技領域区画部材の裏面に形成し
   て該取付部に基端コイル部を嵌合し、基端コイル部から
   延在した舌片部を取付部のスリットから延出して打球上
   昇流路の出口に対して斜めに臨ませ、かつ、舌片部の先
   端と打球案内部材の内面との間隔を球の直径よりも小さ
   く設定し、 遊技領域区画部材の止着面部を遊技盤表面に固定したこ
   と を特徴とするパチンコ機の遊技盤。