[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して図2に示される遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
図1に示されるように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
図2に示されるように、遊技領域R1は全体が略円形状となっていて、ガイドレール12により囲まれている。遊技領域R1の中央には、表示開口11Kが貫通形成され、この表示開口11Kを通して、表示装置13の表示画面13Gが視認可能となっている。
表示開口11Kの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Kに嵌め込まれ、遊技盤11の前面から突出して遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、第1の始動入賞口14A及びアウト口16が、上から順に並べて設けられている。第1の始動入賞口14Aは、装飾部材15の一部として形成されている。具体的には、装飾部材15は縦長のブロック状に形成され、第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入球可能な開口部を上面に有するポケット構造をなして、装飾部材15の上端寄り部分を構成している。第1の始動入賞口14Aに遊技球が入球すると特別図柄当否判定が行われ、その特別図柄当否判定の結果が表示画面13Gに表示される。
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられると共に、表示装飾枠23の右辺部のうち始動ゲート18より下方位置には、第2の始動入賞口14Bが形成されている。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、遊技球が始動ゲート18を通過すると普通図柄当否判定が行われる。また、第2の始動入賞口14Bは、右側に開口し、可動片14Hによって開閉される。具体的には、可動片14Hは、通常は、鉛直に起立した閉位置に配置され、上述の普通図柄当否判定の結果が当りとなったことを条件にして、下端部を中心に回動し、横倒しとなった開位置(図2に示される位置)に配置される。開位置に配置された可動片14Hは、上側から流下してきた遊技球を受け止めて第2の始動入賞口14Bへと案内する。第1の始動入賞口14Aと同様に、第2の始動入賞口14Bに遊技球が入球したときも、特別図柄当否判定が行われ、その結果が表示画面13Gに表示される。
遊技領域R1のうち第2の始動入賞口14Bより下側の部分には、第3の始動入賞口14Cが設けられている。第3の始動入賞口14Cは、第1の始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなしている。即ち、第1の始動入賞口14A及び第3の始動入賞口14Cは、常に開放され、第2の始動入賞口14Bは、可動片14Hによって開閉される。第3の始動入賞口14Cの上面の開口部に遊技球が入球したときも、特別図柄当否判定が行われ、その特別図柄当否判定の結果が表示画面13Gに表示される。
第3の始動入賞口14Cの下側には、左下がりに傾斜し且つ複数の球落下口25Aを有する傾斜誘導部25が形成されている。傾斜誘導部25は、表示装飾枠23の右側に形成された右側流下路24Rを流下してきた遊技球を受け止めて左側へと誘導し、球落下口25Aから落下させる。なお、本実施形態では、傾斜誘導部25は、第3の始動入賞口14Cの下方に配置される樹脂ブロック19の上面19Jと、樹脂ブロック19の左側に複数の釘を列状に並べて構成される道釘と、で構成されている。
傾斜誘導部25には、球落下口25Aが2つ設けられている。左側の球落下口25Aの下方には、第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kが上下に並べて設けられている。また、右側の球落下口25Aの下方には、遊技球を受け入れて第2大入賞口51Kより下方に流下させる迂回路25Uが設けられている。なお、第2大入賞口51Kは、第1の始動入賞口14Aの略真横に位置する。
図3に示されるように、第1大入賞口41Kは、横長矩形状をなして前方に開放し、第1開閉扉41によって開閉される。第1開閉扉41は、第1大入賞口41Kと同様の横長矩形状に形成されてその下端縁を中心として回動可能になっていて、通常は、略鉛直に起立した状態に保持されて第1大入賞口41Kを閉塞している。第1開閉扉41が回動して前倒しにされると、遊技球が第1開閉扉41を案内にして第1大入賞口41Kに入球可能となる。第2大入賞口51Kは、第1大入賞口41Kより横長な矩形状をなして前方に開放し、第2開閉扉51によって開閉される。第2開閉扉51は、第2大入賞口51Kと同様の横長矩形状に形成されてその下端縁を中心として回動可能になっていて、通常は、略鉛直に起立した状態に保持されて第2大入賞口51Kを閉塞している。第2開閉扉51が回動して前倒しにされると、遊技球が第2大入賞口51Kを案内にして第2大入賞口51Kに入球可能となる。なお、第2大入賞口51Kは、第1大入賞口41Kに隣接するように配置され、第1大入賞口41Kの右端縁と第2大入賞口51Kの右端縁は一直線上に配置されている。
第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kは、上述した特別図柄当否判定の結果が当りとなったことを条件にして行われる大当り遊技の実行中に開放される。具体的には、大当り遊技が実行されると、第1開閉扉41と第2開閉扉51の何れか一方が前方に倒される。これにより、第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kの何れか一方に遊技球が入球可能となる。ここで、何れか一方の大入賞口41K,51Kを入賞可能状態(所定期間内に繰り返し行われる開閉動作も含む)としてから入賞不可状態とするまでの(開放状態から閉塞状態までの)動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数(例えば、15ラウンド)のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口41K,51Kの開放時間が予め設定された上限時間に達するか、又は、規定上限数(例えば、10個)の遊技球が入賞すると終了する。なお、本実施形態では、第1大入賞口41Kは、所定のラウンド(例えば、3ラウンド目)で開放される。
図2に示されるように、遊技領域R1には、遊技球が入球可能な一般入賞口21が複数設けられている。一般入賞口21は、第1の始動入賞口14Aと同様のポケット構造をなし、遊技球を受け入れ可能となっている。詳細には、一般入賞口21は、遊技領域R1における左下部分と第2の始動入賞口14Bの右側に配置されている。なお、第1の始動入賞口14A、第2の始動入賞口14B、第3の始動入賞口14C、第1大入賞口41K、第2大入賞口51K及び一般入賞口21の何れかに遊技球が入球すると、各入賞口に対応して設定された所定数の賞球が上皿26に払い出される。また、上記の何れの入賞口にも入球しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に取り込まれる。
図4に示されるように、第1の始動入賞口14A、第3の始動入賞口14C、第1大入賞口41K及び第2大入賞口51Kは、入賞ユニット30に備えられている。これらの入賞口14A,14C,41K,51Kは、遊技盤本体11Hに形成された開口部30Aに入賞ユニット30が前側から挿入組み付けされることによって、遊技領域R1に配設される。なお、遊技盤本体11Hに組み付けられた入賞ユニット30は、ガイドレール12の右下部分に隣接する(図2参照)。
図5及び図6に示されるように、入賞ユニット30は、遊技盤本体11Hの前面と略面一に配置されて遊技領域R1の一部を構成するベース盤31と、ベース盤31の前側に配置されて遊技領域R1を流下する遊技球の流路を形成する前側流路構成体32と、ベース盤31の後側に配置されて各入賞口14A,14C,41K,51Kに入球した遊技球の流路を構成する後側流路構成体33と、を備えている。そして、ベース盤31の外縁部の少なくとも一部が、遊技盤本体11Hの前面に重ねて固定される重なり片31Hを形成する。第1の始動入賞口14Aを一部に有する装飾部材15と第3の始動入賞口14Cは、前側流路構成体32に形成され、第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kは、ベース盤31に貫通形成されている。なお、上述した樹脂ブロック19と迂回路25Uは、前側流路構成体32に形成されている。
ベース盤31は、前側から見て略逆L字状に形成され、縦辺部31Aと、縦辺部31Aの下端から右側に延びる横辺部31Bと、を備えている。第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kは、横辺部31Bに形成されている。詳細には、第1大入賞口41Kは、横辺部31Bの上端寄り部分に形成され、ベース盤31のうち第1大入賞口41Kより上側に配置される部分は、上述した重なり片31Hを構成する。
前側流路構成体32は、ベース盤31の横辺部31Bを上下に縦断するように配置された仕切り壁34を備えている。そして、仕切り壁34の左側に、第1の始動入賞口14Aが配置され、仕切り壁34の右側に、第1大入賞口41K、第2大入賞口51K、迂回路25U、樹脂ブロック19及び第3の始動入賞口14Cが配置される。仕切り壁34は、ガイドレール12の下端部との間に遊技球が1個ずつ通過可能な下端隙間34Kを形成する(図3参照)。これにより、仕切り壁34の右側を流下してきた遊技球は、下端隙間34Kを通ってアウト口16へと流下可能となっている。
図5及び図6に示されるように、前側流路構成体32は、ベース盤31の横辺部31Bの下端部から突出する下端突部35を備えている。下端突部35の上面は、第1大入賞口41Kと第2大入賞口51Kの何れにも入球しなかった遊技球を受け止めて左側へ転動させる転動路36を構成する。転動路36は、迂回路25Uに連絡して、迂回路25Uを通過してきた遊技球についても左側へ転動させる。また、下端突部35は、仕切り壁34の右側に配置され、仕切り壁34との間に、転動路36を転動してきた遊技球を下端隙間34K(図3参照)へ誘導する誘導排出路37を形成する。
詳細には、図3に示されるように、下端突部35の左側面35Lは、左下がりに傾斜している。また、仕切り壁34は、第1大入賞口41K及び第2大入賞口51Kの左側で略鉛直に延びる上側仕切り壁34Aと、上側仕切り壁34Aの下側で下端突部35の左側面35Lと略平行に延びる下側仕切り壁34Bと、からなる。そして、下側仕切り壁34Bと下端突部35の左側面35Lとの間に、左下がりに傾斜した誘導排出路37が形成されている。
図5及び図6に示されるように、仕切り壁34(具体的には、上側仕切り壁34A)には、遊技球が通過可能な大きさの連通孔38が形成されている。また、仕切り壁34の左側には、連通孔38の上縁部と下縁部から左下方に延びる1対の傾斜壁39H,39Hが設けられている。そして、1対の傾斜壁39H,39Hの間に、連通孔38を通過した遊技球を左下方へと誘導する誘導路39が形成されている。なお、1対の傾斜壁39H,39Hは、仕切り壁34に連絡していてもよいし、連絡していなくてもよい。また、1対の傾斜壁39H,39Hが仕切り壁34に連絡していた場合、仕切り壁34の一部として1対の傾斜壁39H,39Hが備えられていてもよい。
図7に示されるように、後側流路構成体33は、第1大入賞口41Kに入球した遊技球を受け入れる第1収容部屋42と、第2大入賞口51Kに入球した遊技球を受け入れる第2収容部屋52と、を備えている。第1収容部屋42に受け入れられた遊技球は、第1収容部屋42の側壁42Hに形成された第1排出口43から図示しない第1排出路に排出される。第2収容部屋52に受け入れられた遊技球は、第2収容部屋52の底壁52Bに形成された第2排出口53から図示しない第2排出路に排出される。
また、後側流路構成体33は、第1の始動入賞口14Aに入球した遊技球を排出するための排出路33HAと、第3の始動入賞口14Cに入球した遊技球を排出するための排出路33HC(図6参照)と、を備えている。なお、図示はしないが、後側流路構成体33は、第1開閉扉41を駆動する第1駆動源を第1収容部屋42の後側に備え、第2開閉扉51を駆動する第2駆動源を第2収容部屋52の後側に備えている。
[遊技機10の遊技性について]
図2を参照して、遊技機10の遊技機10の遊技性について説明する。遊技機10には、遊技状態として、通常遊技状態と、特別図柄当否判定での当りを条件として大当り遊技終了後に突入する特別遊技状態と、が設けられている。特別遊技状態では、遊技球が始動ゲート18を通過したときに行われる普通図柄当否判定で当りとなる確率が通常遊技状態よりも高くなっている。従って、遊技機10では、通常遊技状態のときは、第1の始動入賞口14A又は第3の始動入賞口14Cに遊技球を入球させ、特別遊技状態のときは、第2の始動入賞口14Bに遊技球を入球させる。第1の始動入賞口14Aに遊技球を入球させるためには、遊技領域R1のうち表示装飾枠23の左側領域R2に遊技球を流下させる。他方、第2の始動入賞口14B又は第3の始動入賞口14Cに遊技球を入球させるためには、遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側領域R3に遊技球を流下させる。左側領域R2と右側領域R3への遊技球の打ち分けは、操作ハンドル28の回動量を調整することで行われる。なお、以下では、左側領域R2に遊技球を流下させる打ち方を「左打ち」と、右側領域R3に遊技球を流下させる打ち方を「右打ち」と、適宜、呼ぶことにする。
遊技機10では、大当り遊技が実行されると、第1大入賞口41K又は第2大入賞口51Kが開放され、その開放された大入賞口に遊技球を入球させることで、遊技者に上記した特典とは異なる特典(具体的には、大当り遊技による出玉や大当り遊技終了後に突入する特別遊技状態)が付与される。第1大入賞口41K及び第2大入賞口51Kは遊技領域R1の右下部分に配置されていることから、これらの大入賞口41K,51Kに遊技球を入球させるためには、右打ちをして右側領域R3に遊技球を流下させる。ここで、遊技領域R1における表示装飾枠23の下側領域R4のうちその左端から左右方向の中央部までの領域を下側左領域R4Aと称し、下側領域R4の右側部分を下側右領域R4Bと称すると、第1の始動入賞口14Aは下側左領域R4Aに属し、第1大入賞口41K及び第2大入賞口51Kは下側右領域R4Bに属する。従って、左打ち時には、遊技球は、主として、左側領域R2と下側左領域R4Aとからなる第1領域RFを流下することになり、右打ち時には、遊技球は、主として、右側領域R3と下側右領域R4Bとからなる第2領域RSを流下することになる。
上述したように、遊技機10では、第1の始動入賞口14A又は第3の始動入賞口14Cに遊技球が入球すると、特別図柄当否判定が行われ、その結果が当りになると、大当り遊技が実行される。即ち、遊技機10では、第1の始動入賞口14Aへの入球を条件にして遊技者に付与される特典(具体的には、特別図柄当否判定)と、第3の始動入賞口14Bへの入球を条件にして遊技者に付与される特典(具体的には、特別図柄当否判定)とが同じになっている。従って、遊技機10では、通常遊技状態のときに左打ちと右打ちの何れを選択しても特典を得ることが可能となり、通常遊技状態の遊技の多様化が図られている。
ところで、通常遊技状態で左打ちをしているときに第2の始動入賞口14B又は第3の始動入賞口14Cに遊技球が入球したり、通常遊技状態で右打ちをしているときに第1の始動入賞口14Aに遊技球が入球したりすると、遊技球を打ち分けていることの意義が喪失する可能性がある。また、大当り遊技の実行中に第1の始動入賞口14Aに遊技球が入球すると、大当り遊技の終了後に右打ちで第2の始動入賞口14B又は第3の始動入賞口14Cに遊技球を入球させる予定であった遊技者の楽しみを奪う可能性がある。そこで、遊技機10では、仕切り壁34によって、左打ち時に遊技球が流下する第1領域RFと右打ち時に遊技球が流下する第2領域RSとの間での遊技球の行き来を抑制するように構成されている。
図3に示されるように、遊技領域R1において、仕切り壁34は、表示装飾枠23とガイドレール12との間に架け渡されるように配置される。表示装飾枠23の下辺部の右側部分には、前側に迫り出したブロック部23Bが備えられていて(図2参照)、仕切り壁34の上端がブロック部23Bに近接配置されている。これにより、仕切り壁34の上を遊技球が飛び越えることが困難となっている。
仕切り壁34の下端部は、第1の始動入賞口14A、第3の始動入賞口14C、第1大入賞口41K及び第2大入賞口51Kの何れの入賞口よりも下側に配置されている。従って、仕切り壁34とガイドレール12との間の下端隙間34Kを通過する遊技球が、何れかの入賞口14A,14C,41K,51Kに入球することは困難となっている。
ここで、上述したように、仕切り壁34には、遊技球が通過可能な大きさの連通孔38が形成されているが、第2領域RS(詳細には、下側右領域R4B)から連通孔38を通過する遊技球は、誘導路39によって左下方へと誘導される。そして、第1の始動入賞口14Aは、誘導路39の延長線上よりも上側に配置されているので、誘導路39によって誘導された遊技球が第1の始動入賞口14Aに入球することが困難となっている。また、誘導路39は、連通孔38の縁部から左下方に延びる1対の傾斜壁39H,39Hによって構成されるので、第1領域RF(詳細には、下側左領域R4A)を流下する遊技球は、それら1対の傾斜壁39H,39Hによって連通孔38への入球を規制される。さらに、本実施形態では、連通孔38の大きさは、遊技球が1つずつ通過可能な大きさとなっているので、そもそも、遊技球が連通孔38に入り難くなっている。
なお、誘導路39の延長線上に、第1の始動入賞口14Aを一部に有する装飾部材15の下端寄り部分が配置される。ここで、図5及び図6に示されるように、装飾部材15は、その前面を構成する装飾プレート15Pが右側壁15Rに対して張り出した構造になっている。言い換えれば、装飾部材15の右側壁15Rは、装飾プレート15Pの右側の端縁に対して、左側へ奥まって配置されている。これにより、誘導路39の末端と装飾部材15との間で遊技球が流下可能なスペースを大きくすることが可能となり、誘導路39を通過してきた遊技球をスムーズに流下させることが可能となる。なお、仮に、装飾プレート15Pの右側の端縁を装飾部材15の右側壁15Rに合わせると、装飾プレート15Pの面積が小さくなってしまい、装飾プレート15Pの装飾機能低下を招く可能性がある。また、本実施形態では、装飾プレート15Pが左右対称に形成されているが、装飾プレート15Pの右側の端縁を装飾部材15の右側壁15Rに合わせると、装飾プレート15Pが左右非対称となり、装飾プレート15Pの美観を損ねる可能性がある。
図3及び図8に示されるように、第2大入賞口51Kは、仕切り壁34に隣接する。具体的には、第2大入賞口51Kの上端寄り部分が連通孔38の真横に配置される。ここで、仮に、図9に示されるように、仕切り壁34が連通孔38を備えない構成になっていると、第2開閉扉51が回動して第2大入賞口51Kが開放されたときに、第2開閉扉51に受け止められた遊技球が第2開閉扉51の左側へ流下することが困難となり、第2大入賞口51Kへの入球が著しく容易になる。しかしながら、本実施形態では、仕切り壁34が連通孔38を備えることにより、第2開閉扉51に受け止められた遊技球が第2開閉扉51の左側へ流下可能となり、第2大入賞口51Kへの過度な入球が抑制される。
また、連通孔38の有無は、第2大入賞口51Kの入口の大きさを変化させる。ここで、入賞口の入口は、「入賞口又は当該入賞口に連なる遊技釘等(遊技部材)で構成される遊技球の流下経路のうち、入賞口から最も離れた位置にあるもの」で定義され、「入賞口に連なる遊技釘等」とは、遊技釘間を遊技球が通過できないように遊技釘等を連続配置したもののことをいう。また、入賞口の入口を定義する際には、「入賞口内に、当該入賞口に連なる遊技釘等(遊技部材)に連なっていない遊技釘があってはならない」という条件を満たす必要がある。本実施形態では、第2開閉扉51及び仕切り壁34が、「入賞口に連なる遊技釘等」に相当する。
本実施形態のように、仕切り壁34が連通孔38を備える場合、第2大入賞口51Kの入り口は以下のように定義される。即ち、図8に示されるように、前倒しにされた第2開閉扉51の右端位置を右端位置P0とし、その右端位置P0から水平に延ばした線分H1(図8に示す二点鎖線)と仕切り壁34との交点を交差点P1とする。そして、交差点P1が仕切り壁34に沿って上側に移動するように、線分H1を第2開閉扉51の右端位置P0を中心に時計方向に回動させると、線分H1が連通孔38の下端縁と交わる。このときの線分H1が第2大入賞口51Kの入賞境界線分N1となり、第2大入賞口51Kの実質的な入口となる。
他方、仕切り壁34が連通孔38を備えない場合、第2大入賞口51Kの入り口は以下のように定義される。即ち、先の説明と同様にして、図9に示されるように、前倒しにされた第2開閉扉51の右端位置を右端位置P0とし、その右端位置P0から水平に伸ばした線分H1(図9に示す二点鎖線)と仕切り壁34との交点を交差点P1とする。そして、交差点P1が仕切り壁34、表示装飾枠23のブロック部23B及びブロック部23Bに連なる遊技釘71群に沿って上側に移動するように、線分H1を第2開閉扉1の右端位置P0を中心にして時計方向に回動させると、線分H1が、遊技釘71群との間に左側の球落下口25Aを形成する遊技釘72Aに接する。このとき、線分H1は、表示装飾枠23のブロック部23Bに連なる遊技釘71群のうち遊技釘71Aと交わる。そして、このときの線分H1が第2大入賞口51Kの入賞境界線分N2となり、第2大入賞口51Kの実質的な入り口となる。
図8と図9の比較から明らかなように、仕切り壁34が連通孔38を備えない場合の第2大入賞口51Kの入口(図9の入賞境界線分N2を参照)は、仕切り壁34が連通孔38を備える場合の第2大入賞口51Kの入口(図8の入賞境界線分N1を参照)よりも小さくなる。ここで、大入賞口の入口の大きさは、55mmを越え135mm以下に規定されているため、仕切り壁34が連通孔38を備えない場合には、第2大入賞口51Kの入口が上記の範囲外となって、第2大入賞口51Kが大入賞口に該当しなくなる可能性がある。本実施形態では、仕切り壁34が連通孔38を備えることで、第2大入賞口51Kの入口の大きさが上記の範囲内となり、第2大入賞口51Kが大入賞口に該当するようになっている。
本実施形態の遊技機10の構成では、第1領域RF(詳細には、下側左領域R4A)と第2領域RS(詳細には、下側右領域R4B)の間で遊技球の行き来が仕切り壁34によって抑制されるので、第1領域RF(詳細には、左側領域R2)に打ち込まれた遊技球が第2の始動入賞口14B又は第3の始動入賞口14Cに入球したり、第2領域RS(詳細には、右側領域R3)に打ち込まれた遊技球が第1の始動入賞口14Aに入球したりすることが抑制される。これにより、打ち分けによる遊技の趣向性の低減が抑制される。特に、遊技機10では、第1の始動入賞口14Aと第3の始動入賞口14Cは、常時開放した構造になっているので、第1の始動入賞口14Aと第3の始動入賞口14Cの打ち分けが遊技者の趣向に依ることになり、その遊技者の趣向を損ねることが抑制される。
また、本実施形態では、仕切り壁34に連通孔38を備えることによって、第2領域RS(詳細には、下側右領域R4B)から第1領域RF(詳細には、下側左領域R4A)へ遊技球が流下することを許容しつつ、連通孔38を通過する遊技球を誘導路39によって第1の始動入賞口14Aより下側へ誘導することで、その遊技球の第1の始動入賞口14Aへの入球を防止可能となっている。しかも、本実施形態では、連通孔38と同じ高さ位置に配置される第2大入賞口51Kが仕切り壁34に隣接するので、第2大入賞口51Kを幅広に形成しつつ、第2大入賞口51Kへの過度な入球が抑制されている。なお、連通孔38を通過する遊技球が第1の始動入賞口14Aに入賞可能な構成であってもよく、例えば、誘導路39の延長線上又は誘導路39の延長線上よりも下側に第1の始動入賞口14Aが設けられていてもよい。この場合であっても、第2領域RSを流下してきた遊技球は仕切り壁34に設けられた連通孔38を通過しなければ第1の始動入賞口14Aに入賞困難となるので、仕切り壁34によって第1の始動入賞口14Aへの入賞が抑制されることとなる。
また、仕切り壁34は、遊技領域R1を囲むガイドレール12との間に下端隙間34Kを有するので、第2領域RS(詳細には、下側右領域R4B)を流下してきた遊技球を、第1領域RF(下側左領域R4A)に備えたアウト口16から排出することが可能となる。即ち、第1領域RFを流下してきた遊技球を排出するための排出口と第2領域RSを流下してきた遊技球の排出口の共通化が図られている。
[第1大入賞口41Kでの球噛みについて]
遊技機10では、第1大入賞口41Kが閉じるときに、起立姿勢に戻る第1開閉扉41と第1大入賞口41Kの開口縁(特に、第1大入賞口41Kの上側に配される部分)との間に遊技球が挟まれて、球噛みが発生する虞がある。そこで、遊技機10では、図10(A)及び図10(B)に示されるように、第1大入賞口41Kの開口縁に、遊技球を受け入れ可能な球受容凹部60が形成されている。
図7、図10(A)及び図10(B)に示されるように、球受容凹部60は、第1大入賞口41Kに連設された第1の切欠部61を備えている。具体的には、第1の切欠部61は、遊技球1個分の幅を有し、第1大入賞口41Kから上側に延びている。この第1の切欠部61は、重なり片31Hのうち第1大入賞口41Kの上縁部から上側に張り出した部分の一部を切除してなる。重なり片31Hのうち第1の切欠部61の開口縁を形成する部分(具体的には、第1の切欠部61を横方向に挟む部分)の前側を向く面は、第1の切欠部61へ近づくにつれて後側へ向かうように傾斜したガイド面31G(図11(B)参照)となっている。なお、本実施形態では、第1の切欠部61は、重なり片31Hの張り出し方向の全体に亘って形成されているが、第1大入賞口41Kに連設されればよく、例えば、第1大入賞口41Kから張り出し方向の途中位置まで形成されてもよい。
ここで、第1開閉扉41が第1大入賞口41Kを閉塞した状態で第1収容部屋42と対向する面を第1開閉扉41の裏面と呼ぶことにすると、第1開閉扉41の裏面は、第1開閉扉41が前倒しになったときに、遊技球を受け止め可能となる。そして、図11(A)に示されるように、第1開閉扉41の裏面には、受け止めた遊技球を第1大入賞口41Kの幅方向中央側に誘導する誘導突部41Tが設けられている。即ち、第1開閉扉41に受け止められた遊技球は、誘導突部41Tによって第1大入賞口41Kの中央部へと誘導されることになる。そうすると、第1の切欠部61は、第1大入賞口41Kの中央部の近傍にのみ配置すれば足りる。そして、本実施形態では、第1の切欠部61が第1大入賞口41Kの幅方向の中央部に連設されることで、球受容凹部60の無駄な設置が抑えられている。
具体的には、第1開閉扉41の裏面の両側部には、第1開閉扉41の裏面に受け止められた遊技球が横に落ちることを抑制する1対のサイド突部41S,41Sが設けられている。誘導突部41Tは、1対のサイド突部41S,41Sに対応して1対備えられ、第1開閉扉41のうち回動軸部41Jに近い側に寄せて配置されている。各誘導突部41Tは、回動軸部41Jへ近づくにつれて幅広となる形状(例えば、三角形状や台形状や扇形状)に形成されている。なお、図10(B)に示されるように、前倒しにされた第1開閉扉41を上側から見たときに、左側の誘導突部41Tは、重なり片31Hの左側のガイド面31Gの延長線上に配置される。
また、図7及び図11(B)に示されるように、重なり片31Hのうち第1の切欠部61の近傍には、傾斜突部65が設けられている。傾斜突部65の前面は、第1の切欠部61へ近づくにつれて後側へ向かうように傾斜する誘導傾斜面65Mを形成する。具体的には、傾斜突部65は、第1の切欠部61の右側に配置され、傾斜突部65の左端部が第1の切欠部61に近接している。
図7、図10(A)及び図10(B)に示されるように、球受容凹部60は、第1収容部屋42の天井壁42Tに形成されて第1大入賞口41Kに連絡する第2の切欠部62を備えている。第2の切欠部62は、第1の切欠部61とほぼ等幅に形成され、天井壁42Tの前端から後側へ延びている。
図11(B)に示されるように、第2の切欠部62の内面には、後側へ向かうにつれて第2の切欠部62を幅狭にする傾斜部62Kが形成されている。具体的には、第2の切欠部62は、後側で幅狭となる略台形状に形成され、その台形の斜辺を形成する部分の内面が傾斜部62Kとなっている。
また、図10(A)及び図10(B)に示されるように、球受容凹部60は、遊技盤本体11Hにおける開口部30A(図4参照)の内面と入賞ユニット30(詳細には、後側流路構成体33の第1収容部屋42)との間に形成される隙間63を備えている。この隙間63は、第1の切欠部61の後側かつ第2の切欠部62の上側に配置されて、第1の切欠部61と第2の切欠部62に連通する。
本実施形態の遊技機10では、第1開閉扉41が閉まるときに(図10(A)から図10(B)への変化を参照)、第1開閉扉41と第1大入賞口41Kの開口縁との間の隙間に遊技球が挟まれても、その遊技球を球受容凹部60に受け入れて該隙間から逃がすことができるので、球噛みの発生を抑制可能となる。
また、本実施形態では、球受容凹部60が、第1大入賞口41Kに連設された第1の切欠部61だけでなく、第1収容部屋42を画成する天井壁42Tに形成された第2の切欠部62を備えることで、球受容凹部60が第1大入賞口41Kから第1収容部屋42の奥側へ広がり、球受容凹部60に遊技球を受け入れ易くなっている。これにより、球噛みの更なる抑制が可能となる。しかも、第2の切欠部62の内面に、第1大入賞口41Kから遠ざかるにつれて第2の切欠部62を幅狭にする傾斜部62Kが形成されていることで、遊技球が第2の切欠部62の奥側へ誘導され易くなる。
さらに、本実施形態では、球受容凹部60が、遊技盤本体11Hの開口部30Aの内面と入賞ユニット30との間に形成される隙間63を備えることで、球受容凹部60の遊技球の受け入れが一層容易となり、球噛みの一層の抑制が図られている。
また、本実施形態では、第1大入賞口41Kの開口縁のうち第1の切欠部61と近接する部分に設けられた傾斜突部65の前面が、第1の切欠部61に近づくにつれて後側へ向かうように傾斜した誘導傾斜面65Mとなっているので、第1開閉扉41と第1大入賞口41Kの開口縁との間に挟まれた遊技球を球受容凹部60に誘導することが可能となる。
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「遊技球が流下可能な遊技領域を有する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2006-136364号(段落[0033]~[0034]、図1,3))の遊技機では、遊技領域内に配設された入球口が、回動扉によって開閉される。」という背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、回動扉と入球口の開口縁との間に遊技球が挟まれて球噛みが発生するという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
[特徴A1]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面側に有する遊技盤(遊技盤11)と、
遊技球が入球可能な入球口(第1大入賞口41K、入球口81K)と、
前記入球口を開閉する開閉部材(第1開閉扉41)と、を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記入球口の開口縁に、前記開閉部材が前記入球口を閉塞する閉位置へ移動するときにその開閉部材と前記入球口の開口縁との間に挟まれる遊技球を受け入れ可能な球受容凹部(球受容凹部60)が形成された、遊技機。
本特徴に示す構成では、開閉部材と入球口の開口縁との間の隙間に遊技球が挟まれても、その遊技球を球受容凹部に受け入れて該隙間から逃がすことができるので、球噛みの発生を抑制可能となる。
なお、入球口は、遊技盤の前面から起立した壁部や突部に形成されて上方又は側方に開口してもよいし、遊技盤の前面に形成されて前方に開口してもよい。
また、入球口は、始動入賞口や大入賞口などの入賞口であってもよいし、遊技球を遊技領域の外へと排出する排出口であってもよいし、演出部材に設けられた遊技球の受入口などであってもよい。
[特徴A2]
前記球受容凹部は、前記入球口に連設された第1の切欠部(第1の切欠部61)を備えている、特徴A1に記載の遊技機。
球受容凹部は、入球口の近傍に形成された穴や溝を備えてもよいし、本特徴に示す構成のように、入球口に連設された切欠部を備えてもよい。
[特徴A3]
前記入球口に連通して前記入球口に入球した遊技球を収容可能な球収容部(第1収容部屋42)を有し、
前記球受容凹部は、前記球収容部を画成する壁(天井壁42T)において前記入球口側の端縁から前記球収容部の奥側へ延びる第2の切欠部(第2の切欠部62)を備えている、特徴A2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、球受容凹部が球収容部の入球口側の端縁から奥側へ延びる第2の切欠部を備えるので、開閉部材と入球口の開口縁との間の挟まれる遊技球を球受容凹部に受け入れ易くなり、球噛みの更なる抑制が図られる。
[特徴A4]
前記第2の切欠部の内面には、前記入球口から遠ざかるにつれて前記第2の切欠部を幅狭にする傾斜部(傾斜部62K)が形成されている、特徴A3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、第2の切欠部の内面に形成された傾斜部によって遊技球が第2の切欠部の奥側に誘導され易くなり、球受容凹部に遊技球を受け入れ易くなる。
[特徴A5]
前記遊技盤は、遊技盤本体(遊技盤本体11H)と、前記入球口を前面に備えて前記遊技盤本体に形成された開口部(開口部30A)に挿入組み付けされる入球装置(入賞ユニット30)と、を備え、
前記入球装置は、前記入球口の開口縁から外方に張り出して前記遊技盤本体に重ねられる張出片(重なり片31H)を有し、
前記第1の切欠部は、前記入球口から外方へ延びるように前記張出片の一部を切除してなる、特徴A3又はA4に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、入球装置の張出片を切り欠くことで、球受容凹部を形成することが可能となる。なお、第1の切欠部は、入球口から張出片の先端まで形成されてもよいし、入球口から張出片の張り出し方向の中間部まで形成されてもよい。
[特徴A6]
前記球受容凹部は、前記遊技盤本体における前記開口部の開口縁と前記入球装置との間に形成されて前記第1の切欠部と前記第2の切欠部とに連通する隙間(隙間63)を備えている、特徴A5に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、球受容凹部が、遊技盤本体の開口部の開口縁と入球装置との間に形成される隙間を備えることで、球受容凹部に遊技球を受け入れ易くすることができ、球噛みの一層の抑制が図られる。
[特徴A7]
前記入球口の開口縁には、前記球受容凹部に向けて遊技球を誘導可能に傾斜する誘導傾斜面(誘導傾斜面65M、ガイド面31G)が設けられている、特徴A1乃至A6のうち何れか1に記載の遊技機。
[特徴A8]
前記誘導傾斜面は、前記入球口の開口縁のうち前記球受容凹部と近接する部分に突設されて前記球受容凹部側で突出高さが低くなる傾斜突部(傾斜突部65)の突出先端面により形成されている、特徴A7に記載の遊技機。
特徴A7に示す構成では、開閉部材と入球口の開口縁との間に遊技球が挟まれた場合に、その遊技球を誘導傾斜面によって球受容凹部に誘導することが可能となる。なお、誘導傾斜面は、入球口の開口縁の少なくとも一部を傾斜させて形成されてもよいし、入球口の開口縁に突設された傾斜突部の突出先端面により形成されてもよい(特徴A8)。
[特徴A9]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面側に有する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口(第1大入賞口41K)と、
前記入球口を開閉する開閉部材(第1開閉扉41)と、を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記開閉部材には、遊技球を前記入球口の所定の部位(第1大入賞口41Kの幅方向の中央部)へと誘導する誘導部(誘導突部41T)が備えられ、
前記入球口の開口縁のうち前記所定の部位の近傍には、前記開閉部材が前記入球口を閉塞する閉位置へ移動するときにその開閉部材と前記入球口の開口縁との間に挟まれる遊技球を受け入れ可能な球受容凹部(球受容凹部60)が形成された、遊技機。
本特徴に示す構成では、開閉部材と入球口の開口縁との間の隙間に遊技球が挟まれても、その遊技球を球受容凹部に受け入れて該隙間から逃がすことができるので、球噛みを抑制可能となる。また、本特徴の構成では、開閉部材の誘導部によって遊技球が入球口の所定の部位へと誘導されるので、球受容凹部を入球口の所定の部位の近傍にのみ配置すれば足り、球受容凹部の設置箇所を少なくすることができる。
[特徴A10]
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域R1)を前面側に有する遊技盤(遊技盤11)と、
前記遊技盤より前側で前記遊技盤に沿った軸回りに回動可能な回動部材(第1開閉扉41)と、を有する遊技機(遊技機10)であって、
前記回動部材は、前記遊技盤の前面と交差する第1回動位置(図10(A)に示される第1開閉扉41の位置)から前記遊技盤の前面との間の間隔を狭めながら前記遊技盤の前面と略平行に配置される第2回動位置(図10(B)に示される第1開閉扉41の位置)へと移動するように形成され、
前記遊技盤のうち前記第2回動位置に配置された前記回動部材と重なる領域の外縁部近傍(第1大入賞口41Kの開口縁)には、前記回動部材が前記第2回動位置に移動するときに該領域との間に挟まれる遊技球を受け入れ可能な球受容凹部(球受容凹部60)が設けられている、遊技機。
本特徴に示す構成では、回動部材と遊技盤との間の隙間に遊技球が挟まれても、その遊技球を球受容凹部に受け入れて該隙間から逃がすことができるので、球噛みを抑制可能となる。
なお、特徴A9又はA10に示す構成に、特徴A2~A8に示す構成が組み合わされてもよい。
[特徴A群に含まれる他の実施形態]
特徴A群には、上記第1実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
(1)特徴A1,A9における入球口は、第1大入賞口41Kのように複数の遊技球が一度に入球可能な構造のもの以外に、遊技球が1個ずつ入球可能な構造のものであってもよい。その場合、入球口は、前側に開放してもよいし、上側又は側方に開放してもよい。入球口が上側又は側方に開放する場合には、その入球口は、例えば、第2の始動入賞口14Bのように、遊技領域R1に立設された壁部や突部に形成されればよい。
(2)特徴A1,A9における開閉部材は、入球口を含む面に沿って移動する移動部材であってもよい。図12(A),(B)に示される例では、入球口81Kが遊技球を転動させる転動面85に形成され、開閉部材81が転動面85に沿って移動可能に構成される。球受容凹部60は、入球口81Kの開口縁に形成される。なお、図12(A),(B)では、開閉部材81は、転動面85に沿って直動する例が示されているが、図13(A),(B)に示すように、転動面85に沿って回転してもよい。また、図14に示される例では、入球口91Kが前方又は側方(図12では、入球口91Kが前方に開放している。)に開放し、開閉部材としてのシャッター部材91が上下に移動可能に構成されている。なお、入球口81K,91Kは、始動入賞口や大入賞口などの入賞口であってもよいし、遊技球を遊技領域R1の外へと排出する排出口であってもよいし、演出部材に設けられた球受入口であってもよい。入球口81Kを入賞口としない場合、遊技球の転動方向における開閉部材81よりも先に入賞口を設けてもよい。
(3)特徴A10における回動部材は、例えば、遊技領域R1内に備えられた演出部材であってもよいし、遊技領域R1を流下する遊技球の進路を変更する進路変更部材であってもよいし、特定の部位へ誘導するためのガイド部材であってもよい。前者の例としては、遊技盤11の前面に沿って回動するスプロケットやシーソー部材が挙げられる。また、図15(A)~(C)には、後者の例として、転動路95を転動してきた遊技球をその転動方向に誘導する第1状態(図15(C)参照)と、落下させる第2状態(図15(A),(B)参照)と、に切り替わるガイド部材94が示されている。
(4)特徴A3において、第2の切欠部62は、第1の切欠部61に連通すればよく、第2の切欠部62の幅が第1の切欠部61の幅と異なってもよい。なお、第1の切欠部61の方が第2の切欠部62より幅広であることが好ましい。
(5)特徴A1,A9における球受容凹部は、入球口の開口縁に陥没形成された穴(窪み)や溝を備えてもよい。なお、図16(A)には、球受容凹部60が、入球口86Kの開口縁に形成された穴86Aを備える例が示され、図16(B),(C)には、球受容凹部60が、入球口86Kの開口縁に形成された溝86Mを備える例が示されている。なお、図16(B)には断面半円状の溝86Mが示され、図16(C)には断面略台形状の溝86Mが示されている。
(6)特徴A10における球受容凹部60は、遊技盤11の前面に形成された穴(窪み)や溝であってもよい。穴(窪み)及び溝は、例えば、図16(A)及び図16(B),(C)で示したものと同様に形成されればよい。
(7)上記実施形態において、第1開閉扉41の裏面の誘導突部41Tを複数の突起で代替してもよい。また、誘導突部41Tを設ける代わりに、第1開閉扉41の裏面に、第1大入賞口41Kの幅方向の中央側へ向かって延びる溝や突条を設けてもよい。なお、これらの場合、複数の突起や溝や突条が特徴A9における誘導部を構成する。