JP2892475B2 - ポリアクリル繊維フィルム - Google Patents

ポリアクリル繊維フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリアクリル繊維フィルムに関する。
〔従来の技術及びその課題〕
従来、工業的に広く用いられている合成繊維はその繊
維径が3〜20μm程度のものであるが、近年、繊維径が
0.1μm程度の微細繊維が注目されつつある。
0.1μm程度の繊維径を有する合成繊維の集合物は繊
維径が極めて細かいために有用な点が多い。例えば通常
では捕捉できないような粒子が捕捉されるため濾過材と
しての用途、空気を多量に含むため保温材としての用
途、印刷適性が良好であるために紙及び紙力増強材とし
ての用途等多方面の利用分野が期待できる。
しかしながら、繊維径が0.1μm程度の微細繊維を工
業的に得ようとすれば特殊な紡糸技術、紡糸設備が必要
となるなどの問題があった。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリアクリル繊維を水もしくはポ
リアクリル繊維を溶解しない有機溶媒中に分散させ、少
なくとも200kg/cm2の圧力差で小径オリフィスを通過さ
せ、高速で器壁に衝突させて急速に減速させることによ
りポリアクリル繊維に強い剪断力を与える操作を繰り返
し行って得られる、水もしくはポリアクリル繊維を溶解
しない有機溶媒中で再凝集を起こさず、乾燥状態で測定
した時の直径が0.01μmから1.0μmの範囲にあり、平
均として0.1μm程度であり、直径の100倍以上の長さを
持つほぼ均一な太さのポリアクリル繊維からなり、前記
ポリアクリル繊維が結束しないで全体として乱雑な方向
で存在しているポリアクリル繊維フィルムを提供するも
のである。
なお、水もしくはポリアクリル繊維を溶解しない有機
溶媒中で再凝集を起こさずとは、ポリアクリル繊維の水
もしくはポリアクリル繊維を溶解しない有機溶媒の懸濁
液が、再凝集しないように処理しなくても十分に安定
で、放置しても再凝集しないことを意味する。
また、ポリアクリル繊維とはポリアクリロニトリル系
合成繊維のことであり、ポリアクリロニトリル又はアク
リロニトリルを主成分とする共重合体を紡糸して得られ
る合成繊維で、共重合体成分、溶剤及び紡糸法等によっ
て種々の製品がある。
本発明において、ポリアクリル繊維は水分散液の状態
で微細化されるか、或いはポリアクリル繊維を溶解しな
い有機溶媒中で又は該溶媒と水との混合物中で分散され
た状態でも微細化される。ポリアクリル繊維を溶解しな
い有機溶媒としては、例えばイソプロピルアルコール等
の1価アルコール、エチレングリコール、グリセリン等
の多価アルコール類、ジエチルエーテル等のエーテル
類、酢酸エチル等のエステル類がが挙げられる。
また、本発明において繊細の微細化には高圧ホモジナ
イザー、ディスクリファイナー、ジョルダン、ビーター
等が使用されるが、高圧ホモジナイザーは特に有効な手
段である。高圧ホモジナザーとしては例えばManton−Ga
ulin(商標)ホモジナイザーとして市販されているもの
が挙げられる。この装置は本来乳製品製造業等において
均質な液体エマルジョン、分散体の製造に用いられてい
る装置であり、高圧ポンプ、高圧ポンプから被処理液を
高圧で吐出する弁装置、吐出液が衝突する弁座装置及び
処理液の高圧ポンプ吸入側への循環流路を備えている。
この種の装置とその作動については公知の文献、例えば
ケミカル・エンジニアリング(Chemical Engineerin
g),13(5),86−92,1976に記載されている。
高圧ホモジナイザー処理は本質的に連続であるが、処
理液の仕込みは回分式、即ち半連続的操作として実施す
ることができる。処理圧力、処理回数は得られた処理液
の性状を所望のものと比較することにより容易に決める
ことができる。処理圧力が高いほど処理回数が少なくて
も同程度のレベルの微細化効果が期待できる。
この高圧ホモジナイザーによってアクリル繊維を処理
する場合は濃度0.5〜10重量%のアクリル繊維スラリー
(媒体は水もしくはアクリル繊維を溶解しない有機溶
媒)を調製し、このスラリーを小径オリフィスを通過さ
せるに際し、少なくとも200kg/cm2の圧力差で高速度を
与え次にこれをオリフィス出口近傍の壁体に衝突させて
急速に減速させることによりポリアクリル繊維を剪断及
び切断する作用を行なわせる。この工程をアクリル繊維
がミクロフィブリル化され、実質的に安定な懸濁液とな
るまで繰り返すことにより本発明の目的とする微細な繊
維径のアクリル繊維集合物が得られる。
懸濁液の安定性は、安定量、液体保持力値、粘度、シ
ョッパーろ水度及びZ−電位の物性値により評価され
る。本発明においてポリアクリル繊維懸濁液の安定量、
液体保持力値、粘度、ショッパーろ水度及びZ−電位は
以下に示す方法により測定される。
1)安定量 ポリアクリル繊維のゲル状懸濁液を希釈し0.5重量%
の分散液を調製する。これを100mlのメスシリンダーに
入れ、室温で1時間放置した後に生ずる透明な上澄液量
をA mlとした時に、100−Aで定義される値を安定量と
した。安定量は分散懸濁液の分離のしにくさを表す指標
であり、全く分離しない分散液の安定量は100である。
2)液体保持力値 ポリアクリル繊維の水又はポリアクリル繊維を溶解し
ない有機溶媒の懸濁液試料を200メッシュの濾布に入
れ、これを遠心効果1300の遠心力で20分間処理し脱液す
る。その後試料を取り出してその重さ(W1g)を測定す
る。次にこの試料を105℃で恒量となるまで乾燥し、そ
の重さ(W2g)を測定する。液体保持力値は次式で算出
される。
液体保持力値は保水力を表す指標であり、数値が大き
い程保水力は大となる。
3)粘 度 2重量%固形分濃度の懸濁液試料を25℃に調温し、B
型粘度計(東京計器製、型式BL型)を用い、ローターN
o.4、60回転で粘度を測定する。
4)ショッパーろ水度(゜SR) JIS P8121−1976「パルプのろ水度試験方法」に準じ
て行なう。
5)Z−電位 流動電位測定装置ZP−10B型(島津製作所)を用いて
行なう。
本発明の実施に際してはポリアクリル繊維を最長0.5m
m以下に粉砕したものを原料とし、これを水又はポリア
クリル繊維を溶解しない適当な有機溶媒に分散させて懸
濁液とする。懸濁液の濃度は重量%で1〜10%の範囲が
好ましい。
この懸濁液を前述の高圧ホモジナイザー等に導入し、
少なくとも200kg/cm2、好ましくは300〜500kg/cm2の圧
力を加え、高圧ホモジナイザーを通過させる。この間に
剪断力がポリアクリル繊維に加えられるが、その効果は
主として繊維軸と平行な方向に引き裂き、ほぐすような
力として得られ、次第に繊維はミクロフィブリル化され
ると共に上記の物性値で定義される懸濁液としての安定
性が増大する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、通常の細い繊維を得る紡糸技術では
達成できない従来の常識の範囲にない全く新たな微細ポ
リアクリル繊維集合物及びその製造法が提供される。
本発明によって得られる微細ポリアクリル繊維集合物
は合成繊維からなる集合物でありながら、単独で抄紙性
を有すると共に無機、有機固体の分散性能に優れている
ため、高性能濾過材、不織布のみならず、振動板、無機
紙、セメント加工品、セラミック加工品等の添加剤とし
ての用途も期待される。
〔実 施 例〕
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
実施例1 ポリアクリル繊維(1.5デニール)を遠心粉砕機(日
本精機製作所製、タイプ2M1)で予備粉砕する。金網は
0.25mmの孔径のものを使用する。粉砕したポリアクリル
繊維40gを水1960gに分散してポリアクリル繊維分2%の
分散液を調製する。
これを高圧ホモジナイザー(Gaulin 15M−8TA)に常
温(約25℃)で仕込み、圧力500kg/cm2G、回数20回の処
理を行い、懸濁液を得た。得られた懸濁液の物性値は、
安定量100、液体保持力値1090、粘度5000cps、ショッパ
ーろ水度88゜SR、Z−電位は−0.4mV(0.2%懸濁液)で
あった。
上記で得られた水懸濁液を流延法によりフィルム化し
た。得られたフィルムの物性値を表−1に示す。また、
同フィルムの電子顕微鏡写真を図−1に示す。図−1に
おいて、フィルムを構成する繊維の平均繊維径は約0.1
μmである。
比較例1 実施例1と同様に予備粉砕したポリアクリル繊維をポ
リアクリル繊維分2%となるように水に分散させ、分散
液の物性値を測定したところ、安定量0、液体保持力値
0、粘度100cps、ショッパーろ水度11゜SR、Z−電位は
−7.3mVであった。また、この分散液をフィルム化する
ことは不可能であった。
実施例2 実施例1と同様に予備粉砕したポリアクリル繊維40g
をイソプロピルアルコール(以下IPAと略記する)1960g
に分散してポリアクリル繊維分2%の分散液を調製す
る。
これを高圧ホモジナイザー(Gaulin 15M−8TA)に常
温(約25℃)で仕込み、圧力500kg/cm2G、回数20回の処
理を行い、懸濁液を得た。得られたIPA懸濁液の物性値
は、安定量100、IPA保持力値950、粘度3400cps、ショッ
パーろ水度93゜SR、Z−電位は−29.4mV(0.2%懸濁
液)であった。
上記で得られたIPA懸濁液を流延法によりフィルム化
した。得られたフィルムの物性値を表−2に示す。ま
た、同フィルムの電子顕微鏡写真を図−2示す。図−2
において、フィルムを構成する繊維の平均繊維径は約0.
1μmである。
比較例2 実施例2と同様に予備粉砕したポリアクリル繊維をポ
リアクリル繊維分2%となるようにIPAに分散させ、分
散液の物性値を測定したところ、安定量0、液体保持力
値0、粘度80cps、シャッパーろ水度13゜SR、Z−電位
は−38.6mVであった。また、この分散液をフィルム化す
ることは不可能であった。
【図面の簡単な説明】
図−1は実施例1で得られたフィルムを構成する繊維の
形状を示す電子顕微鏡写真、図−2は実施例2で得られ
たフィルムを構成する繊維の形状を示す電子顕微鏡写真
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアクリル繊維を水もしくはポリアクリ
    ル繊維を溶解しない有機溶媒中に分散させ、少なくとも
    200kg/cm2の圧力差で小径オリフィスを通過させ、高速
    で器壁に衝突させて急速に減速させることによりポリア
    クリル繊維に強い剪断力を与える操作を繰り返し行って
    得られる、水もしくはポリアクリル繊維を溶解しない有
    機溶媒中で再凝集を起こさず、乾燥状態で測定した時の
    直径が0.01μmから1.0μmの範囲にあり、平均として
    0.1μm程度であり、直径の100倍以上の長さを持つほぼ
    均一な太さのポリアクリル繊維からなり、前記ポリアク
    リル繊維が結束しないで全体として乱雑な方向で存在し
    ているポリアクリル繊維フィルム。
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