JP2801772B2 - 微細絹繊維材料及びその製造方法 - Google Patents

微細絹繊維材料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微細絹繊維材料、微細絹繊維集合物及びその
製造方法に関する。
〔従来の技術及びその課題〕
絹はその独特の光沢やドレープ性、風合い等により最
も貴重な繊維として古来より珍重されてきた。絹を紡糸
する際、多量の屑綿、生糸屑等が発生するが、生糸価格
の高騰によりこれら絹残糸の有効利用が急務となってい
る。
従来、工業的に広く用いられている繊維はその繊維径
が3〜20μm程度のものであるが、近年、繊維径が0.1
μm程度の微細繊維が注目されつつある。0.1μm程度
の繊維径を有する繊維の集合物は繊維径の細かさゆえに
有用な点が多い。
例えば通常では捕捉できないような粒子が捕捉される
ため濾過材としての用途、空気を多量に含むため保温材
としての用途、印刷適性が良好であるために紙及び紙力
増強材としての用途等多方面の利用分野が期待できる。
しかしながら、通常、絹の繊維径は10μm程度であ
り、1μm以下に加工することは不可能であった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、乾燥状態で測定した時の直径が0.
01μmから1.0μmの範囲にあり、平均として0.1μm程
度であり、直径の100倍以上の長さを持つほぼ均一な太
さの絹繊維が結束しないで全体として乱雑な方向で存在
している微細絹繊維材料、水、もしくは絹繊維を溶解し
ない有機溶媒中で微小繊維が再凝集を起こさない上記の
絹繊維材料よりなる微細絹繊維分散集合物及び0.1μm
程度の繊維径を得るために、絹繊維を水、もしくは絹繊
維を溶解しない有機溶媒中に分散させ、少なくとも200k
g/cm2Gの圧力差で小径オリフィスを通過させ、高速で器
壁に衝突させて急速に減速させることにより絹繊維に強
い剪断力を与える操作を繰り返し行なうことを特徴とす
る上記の微細絹繊維材料の製造方法を提供するものであ
る。
尚、ここで「再凝集を防止した」とは再凝集を起こさ
ないという意味である。更に詳しく説明すれば絹繊維の
懸濁液が再凝集しないよう処理しなくても十分に安定で
あり、放置しても再凝集しない懸濁液となることであ
る。
本発明において、絹繊維は水分散液の状態で微細化さ
れるか、或いは絹繊維を溶解しない有機溶媒中で又は該
溶媒と水との混合物中で分散された状態でも微細化され
る。絹繊維を溶解しない有機溶媒としては、例えばイソ
プロピルアルコール、グリセリン等が挙げられる。
また、本発明において繊維の微細化には高圧ホモジナ
イザー、ディスクリファイナー、ジョルダン、ビーター
等が使用されるが、高圧ホモジナイザーは特に有効な手
段である。高圧ホモジナイザーとしては例えばManton−
Gaulin(商標)ホモジナイザーとして市販されているも
のが挙げられる。この装置は本来均質な液体エマルジョ
ンの製造に用いられている装置であり、高圧ポンプ、高
圧ポンプから被処理液を高圧で吐出する弁装置、吐出液
が衝突する弁座装置及び処理液の高圧ポンプ吸入側への
循環流路を備えている。この種の装置とその作動につい
ては公知の文献、例えばケミカル・エンジニアリング
(Chemical Engineering),13(5),86−92,1974に記
載されている。
高圧ホモジナイザー処理は本質的に連続であるが、処
理液の仕込み回分式、即ち半連続的操作として実施する
ことができる。処理圧力、処理回数は得られた処理液の
性状を所望のものと比較することにより容易に決めるこ
とができる。処理圧力が高いほど処理回数が少なくても
同程度のレベルの微細化効果が期待できる。
この高圧ホモジナイザーによって絹繊維を処理する場
合は濃度0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の絹
繊維スラリー(媒体は水もしくは絹繊維を溶解しない有
機溶媒)を調製し、このスラリーを小径オリフィスを通
過させるに際し、少なくとも200kg/cm2Gの圧力差で高速
度を与え次にこれをオリフィス出口近傍の壁体に衝突さ
せて急速に減速させることにより絹繊維を剪断及び切断
する作用を行なわせる。この工程を絹繊維がミクロフィ
ブリン化され、実質的に安定な懸濁液となるまで繰り返
すことにより本発明の目的とする微細な繊維径を有する
絹繊維材料が得られる。
懸濁液の安定性は、安定量、水保持力値、粘度及びシ
ョッパーろ水度の物性値により評価される。本発明にお
いて絹繊維懸濁液の安定量、水保持力値、粘度及びショ
ッパーろ水度は以下に示す方法により測定される。
1)安定量 絹繊維のゲル状懸濁液を水で希釈し0.5重量%の分散
液を調製する。これを100mlのメスシリンダーに移し、
室温で1時間放置した後に生ずる透明な上澄液量をAml
とした時、100−Aで定義される値を安定量とした。安
定量は分散懸濁液の分離のしにくさを表す指標であり、
全く分離しない分散液の安定量は100である。
2)水保持力値 絹繊維の水懸濁液試料を200メッシュの濾布に入れ、
これを遠心効果1300の遠心力で20分間処理し脱液する。
その後試料を取り出してその重さ(W1g)を測定する。
次にこの試料を105℃で恒量となるまで乾燥し、その重
さ(W2g)を測定する。水保持力値(W.R.V)は次式で算
出される。
水保持力値は保水力を表す指標であり、数値が大きい
程保水力は大となる。
3)粘 度 2重量%の固形分濃度の懸濁液試料を25℃に調温し、
B型粘度計(東京計器製)型式BL型を用い、ローターN
o.4、60回転で粘度を測定する。
4)ショッパーろ水度(゜SR) JIS P8121−1976「パルプのろ水度試験方法」に準じ
て行なう。
本発明の実施に際しては絹繊維を約95℃に加熱した炭
酸ナトリウム水溶液(0.5%)に浸しセリシンを除去し
た後、水洗、乾燥させ繊維長0.5mm以下に粉砕したもの
を原料とし、これを水又は絹繊維を溶解しない適当な有
機溶媒に分散させて懸濁液とする。懸濁液の濃度は重量
%で1〜5%の範囲が好ましい。
この懸濁液を前述の高圧ホモジナイザー等に導入し、
少なくとも200kg/cm2G、好ましくは300〜500kg/cm2Gの
圧力を加え、高圧ホモジナイザーを通過させる。この間
に剪断力が絹繊維に加えられるが、その効果は主として
繊維軸と平行な方向に引き裂き、ほぐすような力として
得られ、次第に繊維はミクロフィブリル化されると共に
上記の物性値で定義される懸濁液としての安定性が増大
する。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、通常の細い繊維を得る紡
糸技術では達成できない従来の常識の範囲にない全く新
たな微細絹繊維材料及び微細絹繊維集合物が提供され
る。
本発明によって得られる微細絹繊維集合物は単独で抄
紙性を有するため濾過材としての用途、空気を大量に頁
空気に含むため保温材としての用途、印刷適性が良好で
あるために紙及び紙力増強材としての用途等多方面にお
ける利用が期待できる。
〔実 施 例〕
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
実施例1 予めセリシンを除去した絹繊維を遠心粉砕機(日本精
機製作所製、タイプ2M1)で予備粉砕する。金網は0.25m
mの孔径のものを使用する。粉砕した絹繊維40gを水1960
gに分散させ固形分濃度2重量%の絹繊維分散液を調製
する。
これを高圧ホモジナイザー(Gaulin15M−8TA)に常温
(約25℃)で仕込み、圧力500kg/cm2G、回数100回の処
理を行い、絹繊維安定化懸濁液を得た。得られた懸濁液
の物性値は、安定量100、水保持力値570%、粘度1040cp
s、ショッパーろ水度94゜SRであった。
上記で得られた水懸濁液を流延法によりフィルム化し
た。得られたフィルムの物性値を表−1に示す。また、
同フィルムの電子顕微鏡写真を図−1に示す。図−1に
おいて、フィルムを構成する繊維の平均繊維径は約0.1
μmである。
測定条件:レオメータ(不動工業製) フィルム幅;10mm フィルム長さ;50mm 引張強度;60mm/min
【図面の簡単な説明】
図−1は実施例1で得られたフィルムを構成する繊維の
形状を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥状態で測定した時の直径が0.01μmか
    ら1.0μmの範囲にあり、平均として0.1μm程度であ
    り、直径の100倍以上の長さを持つほぼ均一な太さの絹
    繊維が結束しないで全体として乱雑な方向で存在してい
    る微細絹繊維材料。
  2. 【請求項2】水、もしくは絹繊維を溶解しない有機溶媒
    中で微小繊維が再凝集を起こさない請求項1記載の絹繊
    維材料よりなる微細絹繊維分散集合物。
  3. 【請求項3】絹繊維を水、もしくは絹繊維を溶解しない
    有機溶媒中に分散させ、少なくとも200kg/cm2Gの圧力差
    で小径オリフィスを通過させ、高速で器壁に衝突させて
    急速に減速させることにより絹繊維に強い剪断力を与え
    る操作を繰り返し行なうことを特徴とする請求項1記載
    の微細絹繊維材料の製造方法。
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