JP2889156B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- butyl rubber
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Description
関する。さらに詳しくは、高内圧および走行中の発熱に
よってもクラックを発生せず、空気および水分を充分に
遮断しうるインナーライナーを有する重荷重用空気入り
タイヤに関する。
カスコードにはスチールコードがその高強度から主とし
て使用されている。このスチールコードからなるカーカ
スコードは、空気や水分によって腐食が発生し、コード
の破断やコードとゴムとの接着の破壊をひきおこしやす
い。このため、重荷重用空気入りタイヤのインナーライ
ナーには、空気や水分が浸透しにくいブチルゴムが主成
分として用いられている。
めトレッド部、カーカスなどのゴム組成物には、天然ゴ
ム系のゴム組成物が好ましく用いられる。タイヤ製造工
程における天然ゴム系のゴム組成物を含むカーカスとブ
チルゴムからなるインナーライナーとの間の共加硫性を
考慮して、インナーライナーにはハロゲン化ブチルゴム
が広く用いられている。
からなるインナーライナーは、空気中の酸素および走行
中のタイヤの発熱によって、熱硬化しやすく、また走行
中にタイヤの屈曲による圧力が加わることでインナーラ
イナーに亀裂が生じやすい。このインナーライナークラ
ックは、カーカス中央部におよぶと、前述のごとく、カ
ーカスコードに腐食が発生し、カーカスコードの破断や
カーカスコードとゴムとの接着破壊によるセパレーショ
ンを招来することがあった。
前記従来技術に鑑みて走行中にタイヤが高温に加熱され
たばあいであっても熱硬化による亀裂の発生がなく、し
かも空気および水分の透過性が小さく、カーカスコード
に腐食を発生しない重荷重用空気入りタイヤを開発する
べく鋭意研究を重ねたところ、意外なことにハロゲン化
ブチルゴムと通常のブチルゴムとを特定の配合割合で混
合したブチルゴムからなるインナーライナーを用いたば
あいには、前記諸物性をすべて具備したタイヤがえられ
ることを初めて見出し、本発明を完成するにいたった。
右一対のビードコアの回りに、その内方から外方に両端
を折り返して係止された少なくとも1層のカーカスと、
該カーカスの半径方向内側にゴム組成物からなるインナ
ーライナーを有する空気入りタイヤであって、該インナ
ーライナーを構成するゴム成分がブチルゴムおよびハロ
ゲン化ブチルゴムのみからなり、ハロゲン化ブチルゴム
を65〜90重量%の範囲で含有したことを特徴とする空気
入りタイヤに関する。
のごとく、左右一対のビードコアの回りに、その内方か
ら外方に両端を折り返して係止される少なくとも1層の
カーカスと、該カーカスの半径方向内側にゴム組成物か
らなるインナーライナーを有する空気入りタイヤであっ
て、該インナーライナーを構成するゴム成分はブチルゴ
ムおよびハロゲン化ブチルゴムのみからなり、ハロゲン
化ブチルゴムを65〜90%(重量%、以下同様)の範囲で
含有したものである。
成元素として含むため、高温に加熱されると熱硬化しや
すくなる傾向にある。この特徴はハロゲンの含有率が高
いものほど顕著である。高温に加熱されたときに熱硬化
されにくくするためには、1分子中におけるハロゲン含
有率は、5.0 %以下、好ましくは3.0 %以下、さらに好
ましくは2.5 %以下とするのが望ましく、また前記カー
カスゴム組成物との共加硫性の点から0.5 %以上とする
のが好ましく、さらに好ましくは1.0 %以上とするのが
望ましい。
えば塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムなどがあげら
れるが、これらのなかでもとくに、臭素化ブチルゴムは
共加硫性に優れたものであるので好適に用いられる。
ロゲン化されるブチルゴムとしては、通常自動車用タイ
ヤに使用されているブチルゴム(以下、レギュラーブチ
ルゴムという)が用いられる。かかるレギュラーブチル
ゴムとは、イソブチレン- イソプレン共重合体であり、
通常イソプレンを不飽和度として0.6 〜4.2 モル%程度
含有するものである。
れるブチルゴムとしては、前記したレギュラーブチルゴ
ムが用いられる。
成物は、そのゴム成分中にハロゲン化ブチルゴムを65〜
90%、レギュラーブチルゴムを10〜35%含有するように
調整される。
前記ゴム成分中65%未満のばあいには、前述のカーカス
ゴム組成物との共加硫特性が低下する傾向があり、ま
た、90%をこえるばあいには、インナーライナークラッ
クが発生しやすくなる傾向がある。
組成物は、ゴム成分としての所定量のハロゲン化ブチル
ゴムおよびレギュラーブチルゴムを一定の組成となるよ
うに常法により加熱混練し、成形することによりえられ
るが、かかるゴム組成物は通常のインナーライナーに用
いられている成分、たとえばカーボンブラックなどのゴ
ムの補強性向上のための成分;たとえばプロセスオイル
などの加工性向上および加硫助剤としての成分;たとえ
ば酸化マグネシウム、メルカプトベンゾチアジルジスル
フィド(以下、MBTSという)などのブチルゴムに加硫遅
延剤として作用し、ゴム焼けを防止するリターダー;た
とえば亜鉛華などの加硫促進剤;イオウなどの加硫剤な
どが適宜配合されていてもよい。
基づいて説明する。
用空気入りタイヤの幅方向断面図を示す。
タイヤの側面方向にのびるサイドウォール部6と、該サ
イドウォール部6の半径方向内側端部に位置するビード
部5を有している。また、カーカス2の両端はいずれも
左右一対のビードコア1の回りを軸方向内側から外側に
折り返され、ビード部5内で係止される。本例ではカー
カス2はタイヤ周方向に対しほぼ90度の角度で平行にひ
きそろえられたスチールコード層1層からなるが、必要
に応じてカーカス2は2層以上からなっていてもよい。
カーカスコード巻き上げ部の軸方向外側には補強層8が
設けられ、ビードコア1の半径方向外側にはビードエイ
ペックス9が載置される。トレッド3の半径方向内側、
カーカス2の半径方向外側にはスチールコードからなる
ベルト層4が載置される。ベルト層4は比較的小さい角
度で交差した2層以上のコード層からなる。カーカス2
の半径方向内側にはインナーライナー7が設けられ、該
インナーライナー7は、前述のごとくハロゲン化ブチル
ゴム65〜90%、レギュラーブチルゴム10〜35%のみから
なるゴム成分および必要に応じて配合される他の成分か
らなる。
基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。
チル2255:エクソン化学(株)製、商品名)、ブチルゴ
ム(ブチル265:エクソン化学(株)製、商品名)、カー
ボンブラック(ニテロン55S 、新日鉄化学(株)製、商
品名)、プロセスオイル、ステアリン酸、酸化マグネシ
ウムおよびMBTSを混練りし、ついでこれに亜鉛華および
イオウを添加して混練りし、テストピース(たて:55m
m、よこ:55mm、厚さ:4mm)を作製した。
メータテストにより(イ)スコーチタイムTL+2 、
(ロ)90%加硫時間および(ハ)最高トルクを測定し、
加硫物性(硬度およびデマッチャカットグロス)ならび
にカーカスとの接着性を調べた。これらの物性の測定方
法を以下に示す。また、その結果を表1に併記する。
L+2 、90%加硫時間および最高トルクの値は、モンサン
ト社R-100 を用いて測定温度 150℃にて測定した。加硫
物性中のデマッチャカットグロスはテストピースの表面
に表面歪60%、幅2mmのクラックを入れ、デマッチャ疲
労試験機を用いて屈曲させ、このクラックの幅が1mm成
長するのに要する屈曲回数を通常の状態および 110℃で
150時間加熱することによって老化させた状態で調べ
た。また、カーカスとの接着性は、スチールコード接着
用ゴム組成物とテストピースをはりあわせ、30kg/cm2
の圧力で温度 150℃にて6分間圧着加硫し、JIS K 6301
に基づく方法で試験した。
テストピースよりもブチルゴム中にレギュラーブチルゴ
ムの含有率が大きい比較例1でえられたテストピースの
ばあい、老化は小さいものの、カーカスとの接着性は実
施例1〜4でえられたものと比べはるかに劣っており、
一方、ブチルゴム中にレギュラーブチルゴムをまったく
含有しない比較例2でえられたテストピースのばあい
は、カーカスとの接着性こそ良好であるものの、本発明
のテストピースに比べて老化がはげしいことがわかる。
例6では比較例2で用いられたゴム組成物をそれぞれイ
ンナーライナーに適用して、図1の構造を有するサイズ
11R 24.5のタイヤを作製した。このタイヤを、内圧 8.0
kg/cm2 、荷重6200kg、速度20km/hrで 600時間走行さ
せ、走行前後におけるインナーライナー硬度の変化をし
らべた。
に、深さ1mm、長さ1mmの亀裂を走行前にあらかじめ入
れておき、前記条件で走行させたのちの亀裂の成長量(m
m)を測定した。その結果を表2に併せて示す。
たタイヤは仮にバットレス部に亀裂が生じていてもかか
る亀裂の成長がないので、実用に適したものであること
がわかる。
温に加熱されたばあいであっても熱硬化による亀裂の発
生がなく、しかも空気および水分の透過性が小さく、カ
ーカスコードに腐食が発生するおそれがないので、たと
えば重量物積載用トラックなどのタイヤとして好適に使
用しうるものである。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 左右一対のビードコアの回りにその内方
から外方に両端を折り返して係止された少なくとも1層
のカーカスと、該カーカスの半径方向内側にゴム組成物
からなるインナーライナーを有する空気入りタイヤであ
って、該インナーライナーを構成するゴム成分がブチル
ゴムおよびハロゲン化ブチルゴムのみからなり、ハロゲ
ン化ブチルゴムを65〜90重量%の範囲で含有したことを
特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 ハロゲン化ブチルゴムのハロゲン含有率
が5重量%以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】 ハロゲン化ブチルゴムの原料ゴムである
ハロゲン化されるブチルゴムが不飽和度としてイソプレ
ンを0.6〜4.2モル%含有する請求項1または2記
載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7223991A JP2889156B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP7223991A JP2889156B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 空気入りタイヤ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1051764A Division JP2849110B2 (ja) | 1989-03-02 | 1989-03-02 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08113006A JPH08113006A (ja) | 1996-05-07 |
JP2889156B2 true JP2889156B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=16806879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7223991A Expired - Lifetime JP2889156B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2889156B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2282900C (en) * | 1999-09-20 | 2011-02-01 | Bayer Inc. | Halogenated terpolymers of isobutylene, diolefin monomer and styrenic monomer |
FR2910478B1 (fr) * | 2006-12-22 | 2009-03-06 | Michelin Soc Tech | Composition auto-obturante pour objet pneumatique |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP7223991A patent/JP2889156B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08113006A (ja) | 1996-05-07 |
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