JP2888538B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2888538B2
JP2888538B2 JP1097601A JP9760189A JP2888538B2 JP 2888538 B2 JP2888538 B2 JP 2888538B2 JP 1097601 A JP1097601 A JP 1097601A JP 9760189 A JP9760189 A JP 9760189A JP 2888538 B2 JP2888538 B2 JP 2888538B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はレーザー、特に半導体レーザーの集束ビーム
を用いて追記可能な光記録媒体に関し、更に詳しくはコ
ンピューターの外部メモリー、画像、音声等の各種情報
の記録に用いられる光記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
有機色素を記録層にした追記可能な光記録媒体はスピ
ンコート法等の簡便かつ生産性に優れた塗布法により容
易に成膜できると共に、酸化性雰囲気での記録層の劣化
が殆ど無い等の特徴を有している。
例えばジチオール金属錯体、ポリメチン色素、スクア
リウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン色素、
ナフタロシアニン色素などの半導体レーザー域に吸収を
有する有機色素を記録層とした媒体が開発され、一部実
用化されている。
ところが、これまでに提案されている有機色素を記録
層として有する光記録媒体は、一般に無機系薄膜を記録
層とする媒体に比して反射率が小さく、耐光性に優れ
ず、かつしきい値特性が悪いため記録した信号を再生す
る際のレーザーパワーを大きくできないという欠点を有
している。例えば、シアニン系色素やスクアリウム色素
を記録層とする光記録媒体は耐光性に乏しかったり、記
録時のしきい値が明確でないため再生パワーを大きくす
ることができなかった。
一方、フタロシアニン系色素やナフタロシアニン系色
素は一般に耐光性に優れる色素であるが、反射率が小さ
く、かつ感度が悪い。フタロシアニン系やナフタロシア
ニン系色素を用いた記録媒体の反射率を向上させる提案
はいろいろなされている。例えば、特開昭61−177287号
には中心金属に大きな置換基を導入したナフタロシアニ
ン系色素を記録層とした媒体が開示されている。しかし
ながら、この媒体は高反射率ではあるが、記録時の感度
が悪く、かつ耐久性に劣るものである。更に、フタロシ
アニン系色素よりは高反射率が期待されるが、一般に吸
収波長が半導体レーザーの発信波長(780〜840nm)に合
致しないため記録感度が著しく低下する。フタロシアニ
ン系色素に硫黄や酸素元素を介して置換基を導入し、吸
収波長を半導体レーザーの発信波長に合致させる方法が
特開昭61−154888号、特開昭61−197280号に提案されて
いる。特にフタロシアニンのベンゼン環のいわゆるα位
に前記したような置換基を導入すると確かに吸収波長は
長波長側にシフトし、半導体レーザーの発信波長に近付
くが、このような色素を用いた媒体は長期に保存してお
いたり、同じトラックを連続して再生すると徐々に反射
率や吸収強度が低下するだけでなく、媒体のノイズが増
加するという欠点を有している。この原因は定かではな
いが、色素が結晶化しやすいために、結晶化によって記
録層の光学特性(吸収強度、反射率等)が変化したり、
結晶化により粒界が発生しノイズの増加を引き起こして
いたものと思われる。
〔発明が解決しようとする課題〕
またベンゼン環とナフタレン環からなるフタロ・ナフ
タロシアニン系色素を用いた媒体は、例えば特開昭62−
122788号、特開昭63−25092号等に開示されている。し
かし、これらの明細書に開示されているフタロ・ナフタ
ロシアニン系色素を用いた媒体でも反射率、感度ともに
十分に満足の行くものではなく、さらに高反射率、高感
度な記録媒体が求められている。
本発明の目的は、前記した従来の記録媒体の欠点を克
服した光記録媒体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記点に鑑み鋭意検討した結果、反射
層を有することなしに透明な基板および該基板上に設け
られた記録層から実質的に構成される信号の記録および
再生を行ないうる光記録媒体において、該記録層が下記
一般式(I) 〔式中、L1、L2、L3およびL4は少なくとも1個の置換ま
たは未置換のナフタレン環と3個以下の で示される置換ベンゼン環(RおよびR′は炭素数5〜
12の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、Yおよび
Y′は塩素、臭素またはヨウ素を表わす)を表わす。〕 で示されるフタロ・ナフタロシアニン系色素で構成され
ることを特徴とする光記録媒体が前記課題を解決する優
れた光記録媒体であることを見出した。
本発明の光記録媒体に使用可能な基板としては、信号
の記録再生を行なうための光を透過するものが好まし
く、光の透過率としては85%以上いあり、かつ光学的異
方性の小さいものが望ましい。具体的には、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリビニルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂等のプラスチックやガラス等が挙げられ
る。特に、機械的強度、案内溝やアドレス信号などの付
与のし易さ、経済性の点からプラスチック、とりわけ、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂等の射出成形樹脂が好ましい。
基板の形状は、板状でもフィルム状でもよく、またデ
ィスク状やカード状でもよい。もちろん基板の表面には
記録位置を表わす案内溝や、アドレス信号等のためのピ
ットを有してもよい。このような案内溝やアドレス信号
等は射出成形や注型成形によって基板を作成する際に付
与したり、基板上に紫外線硬化型樹脂を塗布しスタンパ
ーと重ね合わせて紫外線露光を行なうことによっても付
与できる。
本発明においては、このような基板上に記録層とし
て、前記一般式(I)で表わされる少なくとも1個の置
換または未置換のナフタレン環と3個以下の前記置換ベ
ンゼン環からなるフタロ・ナフタロシアニン系色素から
なる層を設けるものである。
このようなフタロ・ナフタロシアニン系色素の具体的
な構造としては、 が挙げられる。
本発明における色素は前記(a)〜(d)にしめした
ように、一分子中にベンゼン骨格とナフタレン骨格を有
するものであるが、前記一般式(I)においてL1〜L4
全てがベンゼン骨格からなる、いわゆるフタロシアニン
系色素では、前記したように感度が十分大きくなく、か
つ耐久性や再生光安定性の点で好ましくない。一方、L1
〜L4の全てがナフタレン骨格からなるいわゆるナフタロ
シアニン系色素では、記録層からの反射率が低下して好
ましくない。
本発明において前記(a)〜(d)の構造の化合物
は、合成の過程上(a)〜(d)の混合物として得られ
る。また、L1〜L4の全てがベンゼン骨格であるフタロシ
アニン系色素や、L1〜L4の全てがナフタレン骨格からな
るフタロシアニン系色素も同時に生成するが、これらの
混合物はカラム処理等によって精製できるが、混合物の
まま使用することもできる。しかしながら、記録層から
の反射率を考慮した場合、L1〜L4が3個の前記置換ベン
ゼン環および1個の前記ナフタレン環からなるフタロ・
ナフタロシアニン系色素を主成分とするのが好ましい。
前記(a)〜(d)に示したフタロ・ナフタロシアニ
ン系色素において、R1〜R6としては炭素数が5〜12の直
鎖または分岐したアルキル基が好ましく、直鎖アルキル
基の具体例としては、n−ペンチル、n−ヘキシル、n
−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、
n−ウンデシル、n−ドデシル等が挙げられ、分岐した
アルキル基としては、メチルブチル基、ジメチルプロピ
ル基、ネオペンチル基等の分岐ペンチル基、エチルブチ
ル基、ジメチルブチル基、メチルペンチル基、メチルエ
チルプロピル基等の分岐ヘキシル基、ジメチルペンチル
基、エチルペンチル基、プロピルブチル基、メチルエチ
ルフチル基、トリメチルブチル基、ジエチルプロピル
基、メチルヘキシル基等の分岐ヘプチル基、メチルヘプ
チル基、エチルヘキシル基、ジメチルヘキシル基、トリ
メチルペンチル基、プロピルペンチル基、メチルエチル
ペンチル基、トリメチルペンチル基、ジメチルヘキシル
基、メチルヘプチル基等の分岐オクチル基、メチルオク
チル基、エチルヘプチル基、ジメチルヘプチル基、トリ
メチルヘキシル基、メチルエチルヘキシル基、プロピル
ヘキシル基、テトラメチルペンチル基、ジエチルペンチ
ル基、メチルプロピルペンチル基等の分岐ノニル基、メ
チルノニル基、エチルオクチル基、ジメチルオクチニ
基、プロピルヘプチル基、メチルエチルヘプチル基、ト
リメチルヘプチル基、ブチルヘキシル基、メチルプロピ
ルヘキシル基、ジエチルヘキシル基、ジメチルエチルヘ
キシル基、テトラメチルヘキシル基等の分岐デシル基、
メチルデシル基、エチルノニル基、ジメチルノニル基、
プロピルオクチル基、メチルエチルオクチル基、トリメ
チルオクチル基、ジエチルヘプチル基、テトラメチルヘ
プチル基、ブチルヘプチル基等の分岐ウンデシル基、メ
チルウンデシル基、エチルデシル基、ジメチルデシル
基、メチルエチルノニル基、トリメチルノニル基、ブチ
ルオクチル基、ジエチルオクチル基、テトラメチルオク
チル基等の分岐ドデシル基等が挙げられる。本発明にお
いてR1〜R6の置換基は一分子中では同じであっても、ま
たは異なっていてもよい。一方、置換基Y1〜Y6は塩素、
臭素およびヨウ素がであり、一分子中の置換基の種類は
同じであってもまた異なっていてもよい。
前記した置換基の炭素数が4以下の場合は、色素の溶
剤に対する溶解性が不足するため、射出成形基板に直接
塗布することができないので好ましくない。一方、該置
換基の炭素数が13以上の場合は記録層からの反射率が低
下し好ましくない。この反射率の点から、前記した炭素
数12以下の直鎖または分岐のアルキル基が更に好まし
い。
本発明において色素のナフタレン環の置換基X1〜X18
は特に限定はなく、例えば、水素、炭素数1〜24の飽和
または不飽和の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
芳香族炭化水素基、アルキルエーテル基、アリールエー
テル基、アルキルチオ基、シリル基、ハロゲン等が挙げ
られる。
また、前記(a)〜(d)におけるMは2個の水素原
始、2価金属、3価または4価の置換金属を表す。
Mで表わされる2価金属の例としては、Cu、Zn、Fe、
Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Mn、Mg、Ti、Be、Ca、Ba、C
d、Hg、Pb、Snなど、3価の置換金属の例としては、A
l、Ga、In、Tl、Mn、Fe、Ruなどハロゲン化物(塩素、
臭素、よう素)、水酸化物、アルコキシ化物、アリール
オキシ化物、シリルオキシ化物、アルキル化物、アリー
ル化物やこれらの誘導体が挙げられる。2置換の4価金
属の例としては、Cr、Si、Zr、Ge、Sn、Ti、Mn、V等の
4価金属のジハロゲン化物、ジ水酸化物、ジアルコキシ
化物、ジアリールオキシ化物、ジシリルオキシ化物、ジ
アルキル化物、ジアリール化物や酸化物が挙げられる。
半導体レーザーの発振波長に大きな吸収を有する点から
は、中心金属としてCu,Ni,Co,Fe等の2価の金属や、AlC
l,GaCl,InCl,SiCl2,SnCl2,TiCl2,Si(OH)2、ジアルコ
キシSi,ジシリルオキシSi,ジアリールオキシSi,ジシリ
ルオキシSi、ジアリールオキシSi、VO等の3価または4
価の置換金属が好ましい。
式(I)で示されるフタロ・ナフタロシアニン化合物
の合成法としては、下式(II)又は(III) 〔式(II)におけるベンゼン環、及び(III)ナフタレ
ン環は、前述の(I)式にて述べたような置換基を有し
ていてよい。〕で示される化合物の1〜4種を混合し
て、特開昭63−91290号に開示されている方法で合成す
ることができる。例えば,1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン(DBU)存在下、金属誘導体とアル
コール中加熱反応する、あるいは金属誘導体と高沸点溶
媒中、例えばクロルナフタレン、ブロムナフタレン、ト
リクロルベンゼン中で反応する方法が挙げられる。
尚、本発明に用いられるフタロ・ナフタロシアニン化
合物の合成方法は上記した方法以外にも種々あり、上記
した方法に限定されるものではない。
本発明において光記録媒体を製造する方法には、透明
基板上に該フタロ・ナフタロシアニン化合物を塗布或は
蒸着する方法があり、塗布法としては、溶媒に溶解し、
ディッピング法、スピンコーティング法で塗布する方法
などがある。また蒸着方法としては、真空蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング等により色素を堆積さ
せる方法などがある。成膜の容易さ、生産性の点から塗
布法により形成するのが好ましい。
塗布法により形成する場合には、前記した色素と有機
溶媒からなる色素溶液を基板に接触させて色素を基板上
に定着することにより、より具体的には、例えば基板上
に前記色素溶液を流下せしめた後、または基板表面を色
素溶液の液面に接触せしめてから引き上げた後、基板を
回転させながら余剰の色素溶液を除去する方法や、基板
を回転させながら色素溶液を該基板上に流下せしめる方
法などがある。またもし必要ならば、強制乾燥を行なっ
ても差し支えない。
塗布法において色素を溶解するのに用いられる有機溶
媒としては、通常の有機溶媒が使用できるが、基板とし
て最も好ましい射出成形基板に直接塗布するには、射出
成形基板にダメージを与えないような溶媒、例えば、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族または環状脂肪族
炭化水素系、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、アリルアルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジ
ルアルコール等のアルコール系、ジエチルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル
系等が挙げられる。
塗布の場合の色素溶液中の色素の濃度は、溶媒の種類
および塗布方法によって異なるが、通常0.1〜10重量%
程度である。
本発明の光記録媒体において、記録層の反射率や感度
を更にを高めるために、前記フタロ・ナフタロシアニン
系色素に他の色素を、本発明の効果を阻害しない範囲に
おいて、例えば使用する色素の合計の概ね50%未満の範
囲で混合して使用することも出来る。混合可能な色素と
しては、公知色素が挙げられ、例えば、芳香族または不
飽和脂肪族ジアミン系金属錯体、未置換または置換フタ
ロシアニンまたはナフタロシアニン系色素、ポリメチン
系色素、スクアリウム系色素、ナフトキノン系色素およ
びアントラキノン系色素等が挙げられる。
また、記録層を形成する際に記録層の平滑性を高め、
ピンホール、クラック等の欠陥を少くするために、ニト
ロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂等の樹脂、レベリング剤、消泡剤などの添
加剤を添加しても良い。しかし、有機色素層を形成する
際にこれらを多量に添加すると、記録層の反射率が低下
したり、記録層中の色素の分散が不均一になる恐れがあ
るため、有機色素層へのこれらの添加量は20重量%未
満、好ましくは10重量%未満、さらに好ましくは5重量
%未満である。
一般的に光記録媒体においては、記録層の膜厚は反射
率、記録感度等に影響を及ぼすが、本発明においては、
記録層の膜厚を30〜250nm、より好ましくは40〜200nmに
するのが望ましい。
本発明の光記録媒体は前記したように基板を通しての
レーザービーム(基板側から照射されたビーム)により
信号の記録および再生を行うのが好ましい。
本発明においてはフタロ・ナフタロシアニン系色素を
用いて記録層を形成しているために、半導体レーザーの
発振波長域に大きな吸収を有し、かつ記録層自身で高い
反射率を有するために別に反射層を形成する必要がな
い。更に再生光や長期保存にたいして、媒体特性の低下
は殆ど見られない。
本発明の光記録媒体を実用に供するにあたっては、記
録層を保護するために記録層面に保護シートを貼り合せ
たり、記録層の面同士を内側にして二枚張り合せる等の
手段を講じても良い。この場合、記録層の上にエアーギ
ャップや緩衝層を設けて貼り合せるのが望ましい。
尚、本発明の光記録媒体において、信号の記録再生に
使用されるレーザー光としては、通常640〜850nmに発振
波長を有する半導体レーザーが好ましく、そして例え
ば、11m/secの線速度で記録する場合、記録層上におけ
るレーザーの出力を5〜12mW程度にし、再生時は記録時
の1/10〜1/5程度にすれば良い。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1 厚さ1.2mm、直径130mmのスパイラル状の案内溝(深さ
70nm、幅0.6μm、ピッチ1.6μm)を有する射出成形ポ
リカーボネート樹脂基板の案内溝面の中心部に下記構造
式で示されるフタロ・ナフタロシアニン系色素(化合物
1)の3%オクタン溶液を滴下した後、この樹脂基板を
1000rpmの速度で10秒間回転した。その後該基板を40℃
の雰囲気で10分間乾燥し、樹脂基板上に実質的にフタロ
・ナフタロシアニン系色素のみからなる記録層を形成し
た。形成された記録層の厚みは、顕微鏡による断面測定
によれば、約70nmであった。また樹脂基板を通しての78
0nmの波長の光に対する吸収は42%、基板を通しての収
束光の反射率は30%であった。
このようにして記録層を形成した樹脂基板を、記録層
面を内側にして500μmのエアーギャップを設け二枚張
合せて光記録媒体を作製した。
この記録媒体をターンテーブルに乗せ、1800rpmの速
度で回転させながら、780nmの発振波長を有する半導体
レーザーを搭載した光学ヘッドを有するドライブを用い
て、レーザービームを樹脂基板を通して案内溝上の記録
層に集束するように制御し、記録面上での出力が8mWの
レーザーで3.7MHzのパルス信号(パルス幅90ns)の記録
を媒体の最外周部に行なった。次に同じ装置を用いて半
導体レーザーの出力を記録面で1mWにして記録した信号
の再生を行なった。この際、信号と雑音の比(C/N)は5
5dB得られ、極めて良好な記録再生が行なえた。この記
録層の再生光安定性を調べるために、この記録信号を1.
0mWの再生光で100万回同じトラックを繰り返し連続して
再生を行なったが、記録信号の大きさおよびC/N値には
全く変化が見られなかった。
次にこの記録媒体の耐久性を調べるために、60℃、90
%RHの雰囲気に5か月間放置した後、記録層の吸収特性
および反射率を測定したが、初期とほとんど変りなく、
記録特性も耐久性試験の前後で記録した信号の再生を行
なったところそれぞれ54dB、44dBのC/N値が得られ、記
録特性の劣化は観察されなかった。
実施例2、比較例1 実施例1におけるフタロ・ナフタロシアニン系色素の
代わりに、下記構造式で示される色素(化合物2〜16)
を用いて光記録媒体を作製し、かつ、表1に示した波長
に対する吸収強度と反射率、およびこれらの耐久性を実
施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
次にこれらの光記録媒体の記録特性を測定するため
に、表2に示した発振波長を有する半導体レーザーを搭
載したドライブを使用する以外は実施例1と同様にして
記録特性およびその耐久性を調べた。結果を表2に示
す。
実施例からも明らかなように、本発明の光記録媒体は
反射率が大きく、いずれも50dB以上の優れたC/N値を与
え、かつ再生光安定性および耐久性試験においてもほと
んど特性は変化せず非常に優れていることが分る。
〔発明の効果〕
本発明の光記録媒体は、記録層として特定のフタロ・
ナフタロシアニン系色素用いることによって、記録層が
半導体レーザー光に対して大きな吸収を有するととも
に、記録層自身が十分大きな反射率を有する。それゆ
え、高感度で、金属や金属酸化物薄膜等の反射層を別途
設ける必要なく信号の記録再生が行なえる。又、初期の
反射率が大きいために大きなC/N値が得られる。更に、
本発明の光記録媒体は、塗布法により容易かつ大量に生
産が可能であり、再生光安定性、耐久性にも優れた長期
間にわたる使用が可能な媒体である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−93396(JP,A) 特開 昭63−51188(JP,A) 特開 昭63−139789(JP,A) 特開 平2−265788(JP,A) 特開 平2−276677(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射層を有することなしに透明な基板およ
    び該基板上に設けられた記録層から実質的に構成される
    信号の記録および再生を行ないうる光記録媒体におい
    て、該記録層が下記一般式(I)で示されるフタロ・ナ
    フタロシアニン系色素で構成されることを特徴とする光
    記録媒体。 〔式中、L1、L2、L3およびL4は少なくとも1個の置換ま
    たは未置換のナフタレン環と3個以下の で示される置換ベンゼン環(RおよびR′は炭素数5〜
    12の直鎖または分岐のアルキル基を表わし、Yおよび
    Y′は塩素、臭素またはヨウ素を表わす)を表わす。〕
  2. 【請求項2】フタロ・ナフタロシアニン系色素の主成分
    が、1個の置換または未置換のナフタレン環および3個
    の前記置換ベンゼン環からなるフタロ・ナフタロシアニ
    ン系色素であることを特徴とする請求項1記載の光記録
    媒体。
  3. 【請求項3】フタロ・ナフタロシアニン系色素の主成分
    が、RおよびR′が炭素数5〜10の直鎖または分岐のア
    ルキル基である前記ベンゼン環からなるフタロ・ナフタ
    ロシアニン系色素であることを特徴とする請求項2記載
    の光記録媒体。
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