JP2571256B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2571256B2
JP2571256B2 JP63055057A JP5505788A JP2571256B2 JP 2571256 B2 JP2571256 B2 JP 2571256B2 JP 63055057 A JP63055057 A JP 63055057A JP 5505788 A JP5505788 A JP 5505788A JP 2571256 B2 JP2571256 B2 JP 2571256B2
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/241Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material
    • G11B7/242Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers
    • G11B7/244Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only
    • G11B7/246Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material characterised by the selection of the material of recording layers comprising organic materials only containing dyes

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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、レーザー、特に半導体レーザーの集束ビ
ームを使用する追記が可能である光記録媒体に関するも
のであり、さらに詳細には、コンピューターの外部メモ
リー、画像、音声など各種情報の記録に使用され得る光
記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
追記が可能である光記録媒体として、テルル、テルル
合金、ビスマス合金などの低融点金属薄膜の無機系記録
層を有する記録媒体が提供されており、その一部は実用
されている。
しかし、これらの低融点金属薄膜を記録層とした媒体
は、記録層の熱伝導率が大きいために信号を記録する際
に、照射されたレーザービームにより発生する熱エネル
ギーが、金属薄膜を通じて散逸する。その結果として、
信号の記録のために照射エネルギーが有効に活用され
ず、記録感度は低下し、かつ記録ピットは大きくなって
しまい、ピットの大きさが不揃いとなるために記録密度
に低い限界があった。加えて、これらの記録層に使用さ
れるテルルなどの金属は、酸化され易く耐久性に不安が
あり、毒性物質であることによる不安もある。
一方、有機物質は、一般に熱伝導率が金属に比較して
小さいために、記録感度の向上と記録密度の増大を目的
として、有機色素膜を記録層とした光記録媒体が提案さ
れている。例えば、シチオール金属錯体、ポリメチル色
素、スクアリリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシ
アニン色素、ナフタロシアニン色素など、半導体レーザ
ー域に吸収能を有する有機色素を記録層とした媒体が開
発され、一部は実用化されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これまでに提案されている有機色素膜
を記録層とした光記録媒体中、例えば、シアニン色素、
あるいはスクアリリウム色素を記録層とする媒体は、耐
久性は乏しい傾向があり記録時のしきい値が明確でない
ために、読み出しパワーを大きくすることができない。
一方、フガロシアニン系色素、あるいはナフタロシア
ニン系色素は、一般に耐久性に優れる色素であり、例え
ば、米国特許4,298,975は、フタロシアニン色素が蒸着
されて記録膜形成が行われた媒体を開示している。しか
し、該色素の蒸着膜の光学特性は、半導体レーザーの発
振波長と調和しないため、通常、蒸着により得られる記
録膜は熱、または有機溶剤蒸気に暴露する処理、いわゆ
る、シフト化を受けなければならないのであり、このシ
フト化処理は、煩雑であるばかりでなく、1〜72時間に
も及び長時間の処理を要するために実用品として提供さ
れるに至っていない。
また、米国特許4,492,750は、樹脂バインダー中にア
ルキル置換ナフタロシアニン色素を記録層とした媒体
が、特開昭57-82095には鉛フタロシアニン色素を記録層
とした媒体が開示されている。さらに、ジチオール金属
錯体を記録層とした媒体も公知である。しかしながら、
これらの色素を記録層とした媒体も色素膜単独では、本
質的に反射率が低いために、別途、金属薄幕、あるいは
金属酸化物薄膜などの無機系化合物からなる反射層を基
板表面上または記録層表面上に必要としている。
このように、基板上または記録層上に手間をかけて蒸
着などの真空プロセスを使用して形成させざるを得ない
ということは、光記録媒体の製造工程を甚だ煩雑にする
のみでなく、有機系記録膜特有の熱伝導率が小さいこと
による記録膜の感度の向上と記録密度の増大を不可能と
している。すなわち、熱伝導率が大きい金属系、または
金属酸化物系の反射層が設けられることによって、記録
時に発生する熱エネルギーが金属反射層を通して散逸し
て有効に利用されないため、記録感度は低下させられる
のであり、記録密度を大きくすることも不可能となる。
このように、従来の有機色素を記録層とした光記録媒
体には種々の欠点があるのであり、これらの欠点を排除
し回避して、改良された光記録媒体の開発提供が切望さ
れている。
〔課題を解決するための手段〕
発明者らは有機色素を記録層として使用した光記録媒
体の特徴である高感度と高記録密度の利点を確保しつ
つ、前記の有機色素を記録層とする従来の光記録媒体の
欠点を改良すべく、鋭意、検討と研究を続行した結果、
記録層に特定の新規色素を使用することにより、従来の
有機色素を使用した光記録媒体では、実現され得ない耐
久性を有し、記録しきい値が尖鋭であるために、読み出
しパワーを大きくし得て、かつ該記録層自体が反射層の
機能をも有するために、従来のように無機系化合物から
なる反射層を、別途、設けなくても基本的に信号の記録
や検出が可能な光記録媒体の製作が、可能であることを
見出し、この発明を完成し得た。
この発明は、反射層を有しなくても基本的に信号の記
録と検出が可能である光記録媒体であり、透明な基板と
該基板上に設けられた記録層とから実質的に構成され、
該記録層が下記の一般式(1) (ここでXはO、S、SO、SO2、Se、Te、N−Rを表示
し、A環とC環は、無置換、または4個以下の置換基を
有し、B環は無置換、または2個以下の置換基を有し、
Rは水素か、または炭素数1〜12の置換基を表示する。
nは1〜5の整数を表示する。)により表示されるキノ
ノイド化合物を含有することを特徴とする光記録媒体で
ある。
この発明の光記録媒体において使用される基板として
は、信号の記録、あるいは読み出しを行うための光を透
過するものであることが好ましい。
光の透過率としては85%以上であって、光学的異方性
の小さいものが望ましい。例えば、アクリル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニ
ルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂などのプラスチック、あるいはガラスなどが好まし
い例として挙げられる。これらの中で、基板自体の機械
的強度、案内溝、あるいはアドレス信号などの付与の容
易性と経済性の観点から、ガラスよりもプラスチックが
好ましい。
これら基板の形状は、板状でもフィルタ状でもよく、
また円形、あるいはカード状でもよい。
勿論、基板の表面上には、記録位置を表示する案内
溝、またはアドレス信号などのためのピットを有してい
てもよい。案内溝、またはアドレス信号などは、射出成
形、あるいは注型により基板を製作する際に付与する
か、基板上に紫外線硬化型樹脂を塗布しスタンパーと重
ね合わせて紫外線露光を行うことによっても付与でき
る。
この発明においては、このような基板上に下記一般式
(1) (式中、XはO、S、SO、SO2、Se、Te、N−Rを表示
し、A環とC環は、無置換、または4個以下の置換基を
有し、B環は無置換、または2個以下の置換基を有し、
Rは水素か、または炭素数1〜12の置換基を表示する。
nは1〜5の整数を表示する。)によって示されるキノ
ノイド化合物からなる記録層を設けるものである。
この発明における記録層に使用される一般式(1)に
より示されるキノノイド化合物において、A環、B環、
およびC環は、置換基を有さなくてもよく、また、溶解
性、結晶性、安定性、光学的特性、製膜性などを制御す
るために各種の置換基で置換されていてもよいが、特に
記録膜の安定性などの面からA環とC環が、それぞれ2
〜4個の置換基で置換されているものが好ましい。
A環、B環、およびC環に置換している各種の置換基
の具体例としては、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン、メチル、エチル、n−ブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、シ
クロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エテニル、プロ
ペニル、アリル、ヘキセニル、ドデセニル、シクロヘキ
セニル、ジシクロペンタジエニル、フェニル、ブチルフ
ェニル、ベンジルなどの炭化水素基、メチルオキシ、エ
チルオキシ、ブチルオキシ、アミルオキシ、ドデシルオ
キシ、フェノキシ、ドデシルベンゼンオキシなどのエー
テル基、メチルチオキシ、エチルチオキシ、ブチルチオ
キシ、フェニルチオキシなどのチオエーテル基、アミ
ノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、ジ
ブチルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ベ
ンジルアミノなどのアミノ基、メチルカルボキシ、エチ
ルカルボキシ、ブチルカルボキシ、オクチルカルボキ
シ、ベンゼンカルボキシなどのカルボン酸エステル基、
ブチルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの
スルホン酸エステル基、エチルアミノカルボキシ、ブチ
ルアミノカルボキシ、フェニルアミノカルボキシなどの
アミド基、ブチルスルホンアミド、フェニルスルホンア
ミド、ベンジルスルホンアミドなどのスルホンアミド
基、アセチル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル、
オクチルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカ
ルボニルなどのカルボニル基、トリメチルシリル、トリ
ブチルシリル、トリフェニルシリル、トリメトキシシリ
ル、トリフェノキシシリルなどのシリル基、シロキシ
基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、スルホン酸基、シアノ基などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。例えば、ハロゲ
ン化アルキル基、あるいはアルコキシアルキル基などの
ように前記の置換基が、さらに別の置換基で置換されて
いるものも当然含まれる。A環、B環、およびC環の各
環が、2個以上の置換基を以て置換されている場合にお
いて、下記の(2)式により表示されるように、隣接置
換基が相互に環状に連結していてもよい。
A環、B環、およびC環が、各種置換基を以て置換さ
れている場合、置換基の種類は異なっていても、また同
一であってもよく、かつB環の数が2個以上の場合、そ
れぞれのB環の置換基の種類は、同一であっても、異な
っていてもよい。
一方、一般式(1)のキノノイド化合物のXはO、
S、SO、SO2、Se、Te、N−Rであるが、合成の容易
性、溶解性、安定性などからO、S、N−Rが好まし
い。XがN−Rの場合のRは、炭素数1〜12個を有する
置換基を表示するものであり、さらに具体的には、アル
キル基、アルケニル基、アリール基などが挙げられる。
また、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール
基は、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、珪素などの原子を
含有していてもよく、環状であってもよい。
一般式(1)のキノノイド化合物の吸収波長は置換基
の種類、数によっても異なるが、B環の数によっても、
吸収波長をコントロールすることが可能であり、記録膜
の吸収波長と半導体レーザーの発振波長との調和の点か
ら、B環の数nは、1〜3が好ましい。
例えば、一般式(1)で表示されるキノノイド化合物
において、XがSである場合を代表として説明するなら
ば、n=1の化合物(3)、n=2の化合物(4)、n
=3の化合物(5)は、それぞれ、次のように表示され
る。
n=1 n=2 n=3 (但し、l、m、p、r、sは置換基の数を表示す
る。) なお、この発明で使用するキノノイド化合物の合成
は、例えば、下記の合成経路に従って、行うことができ
る。
この発明の光記録媒体において記録膜を基板上に形成
させ定着させるには、例えば、キノノイド化合物を真空
蒸着、スパッタリング、イオン−プレーティングなどの
方法、あるいはキノノイド化合物を、溶媒に溶解してデ
ィッピング、スピンコーティングなどの塗布法によって
形成させることができる。
上記の定着法の中では、記録膜の管理の容易性、操作
の簡便性、生産性などの諸点からみて塗布法が好まし
い。記録層を塗布によって定着させるには、キノノイド
化合物と有機溶剤からなる色素溶液を基板に接触させて
キノノイド化合物を基板上に定着させる。より具体的に
云えば、例えば、基板上に色素溶液を流下させた後か、
基板表面を色素液の液面に接触させてから引き上げた後
に、基板を回転させつつ余剰の色素液を除去する方法、
あるいは基板を回転させつつ色素液を基板上に流下させ
る方法などがある。必要に応じ、この塗布の後に強制的
乾燥を行ってもよい。
塗布法において、キノノイド化合物の溶解用の有機溶
剤として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、アセチルアセトンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸アミル、セロソルブアセテートなどのエス
テル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、アリルアルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルア
ルコールなどのアルコール、ジエチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、シオキサン、ジグライムなどのエーテル、四塩化
炭素、クロロホルム、トリクレン、ジクロルエタン、ト
ルクロルエタン、テトラクロルエタンなどのハロゲン化
炭化水素、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素などが挙
げられる。
溶剤の選択に当っては、キノノイド化合物に対する溶
解性以外に、当然のことながら、基板上の案内溝、また
はプレピットなどに損害を与えない溶剤が好ましい。塗
布する場合の色素液濃度は、溶剤の種類と塗布方法によ
って異なるが、通常、0.1〜10重量%程度である。
この発明の光記録媒体において、記録膜の反射率を大
きくし、感度を一層高めるために、キノノイド化合物以
外に、他の色素を、発明の効果を阻害しない範囲ない、
例えば、使用色素合計量の略々50%未満の範囲内にて、
混合して使用することも可能である。混合使用が可能で
ある色素としては、既知の芳香族、または不飽和脂肪族
ジアミン系金属錯体、芳香族、または不飽和脂肪族ジオ
チール金属錯体、無置換、または置換フタロシアニンま
たはナフタロシアニン系色素、ポリメチル系色素、スク
アリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノ
ン系色素類などが挙げられる。
この発明においては、記録膜を形成する際に記録際の
平滑性をよくするため、あるいはピンホールなどの欠陥
の発生を少なくするために、発明のキノノイド化合物に
ニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、
ポリスチレン樹脂などの樹脂、レベリング剤、消泡剤な
どを添加して記録膜形成を行うこともできる。
しかし、これらの樹脂、あるいは添加剤を多量に添加
すれば、記録層の反射率が低下する、あるいは記録膜中
の色素が不均一分散状態になることなどがあって、発明
の効果を阻害する場合がある。これらの点を充分に検討
すれば、樹脂と添加剤の添加量は、記録膜中に20重量%
未満、好ましくは10重量%未満、更に好ましくは5重量
%未満である。
一般に、光記録錯体において、記録層の膜厚は、反射
率、記録感度などに影響を及ぼすが、発明の記録層の膜
厚は、50〜300nmが好ましく、更に好ましくは60〜250nm
である。
この発明の光記録媒体は、前記の通り、基板を通して
のレーザービーム、即ち、基板側から照射されたレーザ
ービームによって信号の記録と読み出しを行うのが好ま
しい。
一般に、光記録媒体において信号を書き込むには、記
録層に焦点を調節してレーザービームを照射すれば、被
照射部の記録層のレーザービームを吸収して熱を発生す
る。この発生熱によって記録層を変質させて、反射率を
変化させることにより書き込みが行われる。
次に、書き込まれた信号を読み出すには、この反射率
の変化を、レーザービームにより検出することにより行
うが、この反射率変化が小さい場合は、信号と雑音の比
(C/N)が小であり好ましくない。
この反射率の変化を大きくするには、記録前の反射率
を大きくしなければならない。
一方、記録膜をより高感度にするには、記録膜がレー
ザービームをよりよく吸収しなければならない。即ち、
記録膜はレーザービームに対して高反射、高吸収でなけ
ればならない。
この発明が最も特徴とするところは、発明のキノノイ
ド化合物を記録層として使用した場合、記録層は半導体
レーザーの発振波長域に大きい吸収能を有すると共に、
記録層自体が相当に高い反射率を有する。
従って、記録層自体が同時に反射層の機能をも兼ね備
えており、発明の光記録媒体は、感度が高く、別途に、
金属、金属酸化物、あるいは金属合金薄膜など無機化合
物からなる反射層を設けなくとも信号の記録や検出がで
きる。
第1図に、発明に使用されるキノノイド化合物の一つ
である前記合成経路で示した化合物(a)を用いた薄膜
の光学特性が示される。
この化合物は、600〜800nmに幅広く大きい吸収能を有
すると共に、大反射率をも有することが確認される。
本発明の最大の特徴は、式(1)で表示されるキノノ
イド化合物を記録層として使用することにあり、これに
より、第1図から明らかなように、色素層単独で30%程
度の反射率が得られており、これで充分本発明の目的を
達成できる。なお、更に大きな反射率を必要とする場合
は、基板上または色素層上に、周知技術に従い、金属薄
膜、または金属酸化物薄膜などの無機系物質からなる反
射層を別途設けることを排除するものではない。反射層
に用いられる物質としては、周知の金、銀、アルミニウ
ム、銅、白金、ニッケルなどの金属やこれら金属の合金
または酸化物が好ましい。
この発明の光記録媒体を実用するに当っては、記録層
を保護するため、記録層表面に紫外線硬化樹脂などを塗
布すること、記録層面に保護シートを貼り合わせるこ
と、あるいは記録層面相互を内側とし対向させ光記録媒
体2枚を貼り合わせるなどの手段が講じられてもよい。
この際に、記録層面上に薄い空隙を設けて貼り合わせ
ることが望ましい。
また、記録層上に反射層を設けた場合は、反射層面に
紫外線硬化樹脂などを塗布したり、保護シート貼り合わ
せてもよい。
なお、この発明の光記録媒体において、信号の記録と
読み出しに使用されるレーザー光としては、通常、600
〜800nmの範囲に発振波長を有する半導体レーザーが好
ましい。
また、例えば、線速11m/sを以て記録する場合、記録
膜上におけるレーザー出力は、5〜12mW程度とされ、読
み出しの場合、レーザー出力は記録時の1/10程度にされ
ればよい。
以下、実施例により発明を具体的に説明するが、この
発明は実施例によって何ら限定されない。
実施例1 1) 厚さ1.2mm、直径130mmのアクリル樹脂基板上に紫
外線硬化樹脂を使用して深さ70nm、幅0.6μmのスパイ
ラル状案内溝を形成させた樹脂基板の案内溝を有する側
の面の中心部に前記合成例にて示したキノノイド化合物
(a)の1.5%クロロホルム溶液を滴下させた後に、樹
脂基板を速度1000rpmにて、10秒間回転させた。次に、
樹脂基板を10分間40℃の雰囲気下に置いて乾燥させ、樹
脂基板上に実質的にキノノイド化合物(a)のみからな
る記録層を定着させた。この記録層の厚さは断面の顕微
鏡による測定にて90nmであった。また、樹脂基板を通し
た780nmの波長の光線に対する吸収率と反射率は、それ
ぞれ、55%と、30%であった。
こうして作製した同様の記録板2枚を記録層面相互を
内側にして対向させ500μmの空隙を設けて貼り合わせ
て光記録媒体を作製した。
2) この光記録媒体をターンテーブル上に置き、速度
1800rpmにて回転させつつ780nmの発振波長を有する半導
体レーザーを搭載した光学ヘッドを有するドライブ装置
を使用して、レーザービームを樹脂基板を通して案内溝
上の記録層に集束するように制御しつつ記録層面上で8m
Wのレーザー出力を以てパルス幅90ns・3.7MHzのパルス
信号の記録を媒体の最外周部に行った。次に同一装置を
使用して半導体レーザーの出力を記録層面において1mW
として記録信号の読み出しを行った。
この際、信号と雑音の比(C/N)は、55dBが得られ、
極めて良好な記録と検出を行い得た。
この記録膜の再生光安定性を調べるために、この記録
信号を1mWの読み出し光線を以て、同一トラックの繰り
返し連続読み出しを、100万回試みたが、記録信号の大
きさとC/N値には、全く変化が認められなかった。
次に、この光記録媒体の記録周波数依存性を調べるた
め、記録周波数を変更すること以外は、全く同様の方法
を以て記録と読み出しを行って、C/N値を求めた。
記録周波数を9MHzまで高くしても、得られるC/N値は
低下しなかった。
この試験結果からこの発明の光記録媒体は、記録周波
数を高くしても、C/N値の低下が小さく、記録密度は大
きくされ得ることが明らかである。
3) この光記録媒体の耐久性を試験するために、60
℃、90%RHの雰囲気下に4ヶ月間放置した後、未記録部
に前記2)と同一方法を以て信号の記録を行い、耐久性
試験開始前の記録信号の再度読み出しと、耐久性試験後
に記録した信号の読み出しを行ったところ、それぞれ、
54dBと、55dBのC/N値が得られ、この耐久性試験におけ
る記録膜の劣化は、殆ど認められなかった。
4) 信号記録部ピット形状を走査型電子顕微鏡を以て
観察したが、耐久性試験前に記録したピットも、耐久試
験後に記録したピットも、ほぼ同様の形状であり、Teな
どの無機薄膜を記録層とする光記録媒体では、頻繁に観
察され、雑音の原因となっているピット縁部の盛り上が
りが、試験した光記録媒体では、殆ど認められず、非常
に綺麗なピット形状であった。
実施例2 実施例1のキノノイド化合物(a)の代わりに、下記
の式で表示されるキノノイド化合物(b),(c),
(d),(e)を使用することと、表1に示した発振波
長を有する半導体レーザーを搭載したドライブ装置を使
用すること以外は、実施例1同様として光記録媒体を作
製し評価を行った。
光記録媒体に要求されるC/N値は、通常少なくとも、4
5dB以上とされている。
実施例1と2から明らかなように、この発明の光記録
媒体では、いずれも50dB以上の優れたC/N値が得られて
おり、再生光安定性と耐久性の試験においても、殆ど特
性は変化せず、非常に優れた結果となっている。
〔発明の効果〕
この発明の光記録媒体は、記録膜に新規なキノノイド
化合物を使用しているために、記録層が半導体レーザー
光に対して大きい吸収能を有するとともに、記録層自体
が充分な反射率を有する。
そのため、高感度であって、金属、または金属酸化物
の薄膜などの反射層を、別途に、設けなくても、信号の
記録と読み出しを可能にするとともに、初期の反射率が
大きいために大きいC/N値を与える。また、記録周波数
を高くしても、C/N値の低下は小さく、ピット縁部に盛
り上がりがみられないことなどから記録密度の増大の可
能性も与える。また、塗布法による大量生産が容易であ
り、再生光安定性と、耐久性にも優れており、長時間に
わたる使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、発明のキノノイド化合物(a)膜の分光特
性、吸収率と反射率を示すグラフである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射層を有しなくても基本的に信号の記録
    と検出が可能である光記録媒体であり、透明な基板と該
    基板上に設けられた記録層とから実質的に構成され、該
    記録層が下記の一般式(1)により表示されるキノノイ
    ド化合物を含有することを特徴とする光記録媒体。 (ここでXはO、S、SO、SO2、Se、Te、N−Rを表示
    し、A環とC環は、無置換、または4個以下の置換基を
    有し、B環は無置換、または2個以下の置換基を有し、
    Rは水素か、または炭素数1〜12の置換基を表示する。
    nは1〜5の整数を表示する。)
  2. 【請求項2】一般式(1)のキノノイド化合物におい
    て、XがO、S、またはN−Rである請求項1記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】一般式(1)のキノノイド化合物におい
    て、nが1〜3の整数である請求項1記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】一般式(1)のキノノイド化合物におい
    て、A環とC環が、それぞれ、2個以上の置換基を有す
    る請求項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】一般式(1)のキノノイド化合物におい
    て、Xが、S、またはN−Rであり、かつA環とC環が
    それぞれ2個以上の置換基を有する請求項1記載の光記
    録媒体。
  6. 【請求項6】記録層が20重量%未満の樹脂バインダーを
    含有する請求項1記載の光記録媒体。
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