JPH06251417A - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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JPH06251417A
JPH06251417A JP5038443A JP3844393A JPH06251417A JP H06251417 A JPH06251417 A JP H06251417A JP 5038443 A JP5038443 A JP 5038443A JP 3844393 A JP3844393 A JP 3844393A JP H06251417 A JPH06251417 A JP H06251417A
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JP
Japan
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recording
substituent
group
film
groups
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JP5038443A
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English (en)
Inventor
Mare Sakamoto
希 坂本
Shuji Miyazaki
修次 宮崎
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP5038443A priority Critical patent/JPH06251417A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速記録および微小ピット形成に十分対応する
高密度記録さらに時間分解能も十分な性能が得られる光
学記録媒体を提供する。 【構成】透明基板/有機色素系記録膜/反射膜の積層体
で構成され、透明基板より入射する記録レーザー光の光
エネルギーが記録膜で吸収されて発生する熱エネルギー
によって、分解、融解、蒸発あるいは昇華の状態変化に
よるピットの形成を伴わず、再生レーザー光波長域の光
透過率が変化する現象を利用した光記録媒体において、
有機色素系記録膜が、下記一般式[1]で示される化合
物であることを特徴とする光記録媒体。 一般式[1] 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レ−ザ−光線によっ
て、情報を書き込んだり、読み取ったりすることが可能
な光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レ−ザ−光線を用いて情報を記録
する媒体には種々のものがあるが、その一つにシアニン
色素、フタロシアニン色素等の有機系色素を記録膜と
し、レ−ザ−光を基板上の記録層に照射することによっ
て、照射部分を局部的に加熱し、融解、蒸発、昇華また
は分解等の物理的あるいは化学的変化を起こさせる、即
ちピットを形成して情報を記録するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにレ−ザ−光を基板上の記録層に照射することによ
って、照射部分を局部的に加熱し、融解、蒸発、昇華ま
たは分解等の物理的あるいは化学的変化を起こさせるに
は、大きな光エネルギー、即ち高出力のレーザー照射が
必要であり、そのため高速記録、たとえば回転数180
0rpm以上での記録では感度が著しく低下してしま
う。また、物理的あるいは化学的変化による形状の変化
により記録ピットが形成されるため、ピットの形状の不
均一性は避けられず、そのためピットの非対称性等に由
来する時間分解能が十分でなく、さらに微小ピットの形
成も満足なものではなく、高密度記録に十分対応できる
とは言い難い。また、ピットの形成を伴わない結晶質−
非晶質相変化を利用した光記録媒体の場合には、記録膜
が結晶質になる必要があり、そのため結晶粒界等が発生
しやすくなりノイズ、エラーの原因になり易い等の問題
点がある。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、鋭意検討を行な
った結果、高速記録および微小ピット形成に十分対応す
る高密度記録さらに時間分解能も十分な性能が得られる
光学記録媒体を開発し、本発明を完成するに至った。即
ち、第一の発明は、透明基板上/有機色素系記録膜/反
射膜の積層体で構成され、透明基板より入射する記録レ
ーザー光の光エネルギーが記録膜で吸収されて発生する
熱エネルギーによって、分解、融解、蒸発あるいは昇華
の状態変化によるピットの形成を伴わず、記録膜の光学
特性のみ、すなわち再生レーザー光波長域の光透過率が
変化する現象を利用した光記録媒体において、有機色素
系記録膜が、下記一般式[1]で示される化合物である
ことを特徴とする光記録媒体である。 一般式[1]
【化2】 [式中、X2 〜X4 は、それぞれ独立にハロゲン原子、
置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良
いシクロアルキル基、置換基を有しても良いアリール基
置換基を有しても良いアシル基、置換基を有しても良い
複素環残基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、カル
ボン酸基、−OR1 、−SR2 −NHCOR1 、−N=N−R1 、−N=CHR1 ここで、R1 およびR2 は、互いに同一であっても異な
っていても良く、水素原子、置換基を有していても良い
アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置
換基を有していても良いシクロアルキル基、置換基を有
していても良いアシル基、またはポリエーテル基を表
し、また、R1 とR2 で4〜7員環を形成していても良
く、その際、さらに窒素原子、酸素原子、イオウ原子等
のヘテロ原子を含む複素環であっても良い。 ここで、R3 は、置換基を有しても良いアルキル基を表
す。R4 は、水素原子、水酸基、置換基を有しても良い
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ
基を表す。R5 は、置換基を有しても良いアルキル基を
表す。R6 は、置換基を有しても良い飽和または不飽和
の炭化水素基を表す。Mは、シリコン、ゲルマニウムも
しくはスズを表す。l1 〜l4 は、それぞれX1 〜X4
の置換基数を表し、それぞれ独立に0〜2の整数であ
る。Zは、フタロシアニン骨格の繰り返し単位数を表
し、0以上の整数を表す]
【0005】第二の発明は、透明基板/有機色素系記録
膜/反射膜の積層体で構成され、記録レーザー光の光エ
ネルギーが記録膜で吸収されて発生した熱エネルギーに
よって、X線回折パターンに明確なピークが出現しない
非晶質状態にある記録膜内の有機色素が、非晶質状態を
維持したままで、その集合状態を変化させ、その変化に
伴って再生レーザー光波長域の光透過率が増大するため
に、反射膜からの戻り光量が多くなる現象を利用し、そ
の結果、記録部の反射レベルが未記録部より高い記録方
式となることを特徴とする第一の発明の光記録媒体記で
ある。
【0006】本発明の光記録媒体の例としては、透明基
板/記録膜/反射層/保護層の構成を有し、高速で回転
し非常に小さい微小記録が必要となるLDに対応する追
記型光ディスクが最も代表的なものであるが、これに限
定されるものではなく一般に記録再生をレーザー光によ
り行う光記録媒体には全て適用できる。
【0007】本発明の光記録媒体において、記録膜に用
いられる有機系色素としてはフタロシアニン系化合物、
特にフタロシアニン環に導入される置換基の数が2以下
であることが特徴である。この理由について以下に説明
する。フタロシアニン環に有機置換基を導入することに
より、平面分子であるフタロシアニン分子特有のの強い
スタッキング性が阻害され、その結果、結晶化が起こり
にくく、目的とする非晶質状態の記録膜が容易に形成し
やすくなるという利点がある。しかしながら、導入置換
基数が多くなるに従って、フタロシアニン分子間の距離
が大きくなり、それに伴って熱運動する自由体積が大き
くなるため、フタロシアニン分子特有のスタッキング性
が低下しすぎてしまう。そのため、非晶質状態でも生ず
るわずかな分子間の相互作用が消失し、溶液状態に類似
する非晶質状態に近くなり、記録レーザー光を照射して
も非晶質状態でのフタロシアニン分子の集合状態の明確
な変化が得られず、十分な記録特性を実現できない場合
がある。
【0008】従って、フタロシアニン分子間のスタッキ
ング性を適度に低下させ、わずかに分子間相互作用を保
ちながら、非晶質状態の記録膜が形成できるためには、
フタロシアニン環に導入する置換基数をコントロールす
る必要がある。つまり、本発明の記録膜となるフタロシ
アニン系化合物はフタロシアニン環に導入される置換基
の総数が1ないし2である。このようなフタロシアニン
系化合物を用いることにより上記のような不都合は生ず
ることなく、目的とする非晶質の記録膜が形成され、し
かも記録レーザー光により分子集合状態に伴う光学特性
が変化が起こり、十分な記録特性が実現する。
【0009】本発明の光記録媒体において、記録層を成
膜するには、ドライプロセス、例えばば、真空蒸着法、
スパッタリング法によっても可能であるが、ウエットプ
ロセス、例えば、スピンコ−ト法、ディップ法、スプレ
−法、ロ−ルコ−ト法あるいはLB(ラングミュア−ブ
ロジェット)法によっても可能である。本発明の光学記
録媒体の記録層に含有される記録材料が、汎用の有機溶
媒、例えば、アルコ−ル系、ケトン系、セロソルブ系、
ハロゲン化炭化水素系、フロン系溶媒等に溶解する場合
は、生産性および記録膜の均一性からスピンコ−ト法に
より成膜する方法が好ましい。
【0010】このように、いわゆる塗布法で成膜する場
合には、必要に応じて高分子バインダ−を加えてもよ
い。高分子バインダ−としてはアクリル樹脂、ポリカ−
ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトロセルロ−
ス、フェノ−ル樹脂などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。高分子バインダ−の混合比として
は特に制限はないが、有機系色素の集合状態の変化を阻
害しない程度に添加する必要があり有機系色素に対して
10重量%以下が好ましい。
【0011】本発明の記録膜には、記録膜の光安定性、
耐環境性、繰り返し再生の安定性をさらに向上させる目
的で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸素クエンチャ−
等の添加剤を加えてもよい。
【0012】記録膜の最適膜厚は、記録材料の種類およ
び組合せにより異なるため特に制限はなく、500〜3
000オングストロ−ムが好ましく、さらに1000〜
2500オングストロ−ムが最適膜厚範囲である。
【0013】本発明において用いられる透明基板として
は、信号の書き込みや読み出しを行なうために光の透過
率が好ましくは85%以上であり、かつ光学異方性の小
さいものが望ましい。例えば、ガラスまたはアクリル樹
脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ばポリ−4−メチルペンテン等)、ポリエ−テルスルホ
ン樹脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等
の熱硬化性樹脂を用いた基板が挙げられる。これらの中
で、成型のしやすさ、案内溝やアドレス信号等の付与の
しやすさなどから前記した熱可塑性樹脂が好ましい。
【0014】本発明においては、これらの透明基板の厚
さは特に制限がなく、板状でもフィルム状でもよい。ま
たその形状は円形やカ−ド状でもよく、その大きさには
特に制限はない。つまり一般の光ディスクという円盤状
のものに限定されるものではなく、光カ−ドやテ−プ状
あるいはシ−ト状の記録媒体でもよい。また本発明の透
明基板には、記録および読み出しの際の位置制御のため
の案内溝やアドレス信号や各種マ−ク等のプレフォ−マ
ット用の凹凸を通常有しているが、これらの凹凸は前記
したような熱可塑性樹脂を成形(射出成形、圧縮成形)
する際にスタンパ−などを用いて付与する方法が好まし
いが、フォトポリマ−樹脂を用いるいわゆる2P法によ
っても行なうことができる。
【0015】本発明の案内溝の形状については特に制限
はなく、短形、台形、U字形であってもよい。また案内
溝の寸法については、記録層に用いられる材料の種類お
よび組合せ等により最適値はそれぞれ異なるが、平均溝
幅(溝深さの1/2の位置の幅)が0.3〜0.6ミク
ロン、また溝深さが500〜2000オングストロ−ム
の範囲が好ましい。
【0016】本発明の光記録媒体が反射層を有する場合
には、反射層の材料としては、金、銀、銅、白金、アル
ミニウム、コバルト、スズ等の金属およびこれらを主成
分とした合金、MgO、ZnO、SnO等の金属酸化
物、SiN4 、AlN、TiN等の窒化物等が挙げられ
るが、絶対反射率が高く安定性に優れている点から金が
最適である。反射層の最適膜厚については、特に制限は
ないが400〜1300オングストロ−ムの範囲が好ま
しい。
【0017】本発明の光記録媒体は、媒体の化学的劣化
(例えば酸化、吸水等)および物理的劣化(傷、けずれ
等)を防ぐ目的で媒体を保護するための保護層を透明基
板のレーザー入射面側および記録膜上または記録膜上に
反射膜が積層されている場合にはその反射膜の上に設け
てもよい。保護層用の材料としては、紫外線硬化型樹脂
を用いて、スピンコ−トにより塗布し、紫外線照射によ
り硬化させる方法が好ましいがこれに限定されるもので
はない。保護層の最適膜厚については、薄い場合には、
保護の効果が低下し、厚い場合には樹脂の硬化時の収縮
により媒体のそり等の機械特性の悪化の原因になるた
め、2〜20ミクロンの範囲で成膜することが好まし
い。また、保護膜以外の機能、例えば反射防止、帯電防
止、防湿性付与等を目的として、低屈折率材料、フッ素
樹脂あるいは導電性樹脂等を保護膜と同様に透明基板の
レーザー入射面側および記録膜上または記録膜上に反射
膜が積層されている場合にはその反射膜の上に設けても
よい。
【0018】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお例中、部とは重量部を表わす。
【0019】実施例1 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(a)60mgに対してジアセト
ンアルコール1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンの
フィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピンコ−
タ−により膜厚1200オングストロ−ムに記録層を成
膜した。さらに、このようにして得た記録層の上にスパ
ッタリングにより金膜を厚さ1000オングストロ−ム
に成膜した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保
護層を5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成し
た。このようにして作成した光ディスクについて、パル
ステック製光ディスク評価機およびヒューレット・パッ
カード製ファンクションジェネレーターを用いて、波長
785nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速
度11m/secおよび18m/secにより、周波数
8.5MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行っ
た。その結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照
射部より高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは
反転した記録になるが、18m/secでも記録パワー
10mWでC/N比が48dB以上、さらにジッターも
5nsec以下であった。この記録再生特性は高速、高
密度記録に十分対応できる特性であり、映像、アナログ
音声、デジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマッ
トでFM変調する通常のLDの記録信号に十分対応でき
るレベルであった。また、このようにして記録した光デ
ィスクの保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡
観察を行った結果、レーザーが照射された記録部分に形
状変化に由来するピットの形成は全く観察されなかっ
た。
【0020】フタロシアニン化合物(a)
【化3】
【0021】実施例2 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(b)40mgに対してエトキシ
エタノール1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンのフ
ィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピンコ−タ
−により膜厚1500オングストロ−ムに記録層を成膜
した。さらに、このようにして得た記録層の上にスパッ
タリングにより金膜を厚さ1000オングストロ−ムに
成膜した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保護
層を5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成し
た。このようにして作成した光ディスクについて、パル
ステック製光ディスク評価機およびヒューレット・パッ
カード製ファンクションジェネレーターを用いて、波長
785nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速
度11m/secおよび18m/secにより、周波数
8.5MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行っ
た。その結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照
射部より高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは
反転した記録になるが、18m/secでも記録パワー
10mWでC/N比が45dB以上、さらにジッターも
5nsec以下であった。この記録再生特性は高速、高
密度記録に十分対応できる特性であり、映像、アナログ
音声、デジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマッ
トでFM変調する通常のLDの記録信号に十分対応でき
るレベルであった。また、このようにして記録した光デ
ィスクの保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡
観察を行った結果、レーザーが照射された記録部分に形
状変化に由来するピットの形成は全く観察されなかっ
た。
【0022】フタロシアニン化合物(b)
【化4】
【0023】実施例3 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(c)50mgに対してジアセト
ンアルコール1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンの
フィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピンコ−
タ−により膜厚1500オングストロ−ムに記録層を成
膜した。さらに、このようにして得た記録層の上にスパ
ッタリングにより金膜を厚さ1000オングストロ−ム
に成膜した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保
護層を5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成し
た。このようにして作成した光ディスクについて、パル
ステック製光ディスク評価機およびヒューレット・パッ
カード製ファンクションジェネレーターを用いて、波長
785nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速
度11m/secおよび18m/secにより、周波数
8.5MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行っ
た。その結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照
射部より高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは
反転した記録になるが、18m/secでも記録パワー
10mWでC/N比が40dB以上、さらにジッターも
5nsec以下であった。この記録再生特性は高速、高
密度記録に十分対応できる特性であり、映像、アナログ
音声、デジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマッ
トでFM変調する通常のLDの記録信号に十分対応でき
るレベルであった。また、このようにして記録した光デ
ィスクの保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡
観察を行った結果、レーザーが照射された記録部分に形
状変化に由来するピットの形成は全く観察されなかっ
た。
【0024】フタロシアニン化合物(c)
【化5】
【0025】実施例4 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(d)20mgに対してテトラフ
ルオロプロパノール1mlの濃度で溶解し、0.2ミク
ロンのフィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピ
ンコ−タ−により膜厚110オングストロ−ムに記録層
を成膜した。さらに、このようにして得た記録層の上に
スパッタリングにより金膜を厚さ800オングストロ−
ムに成膜した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により
保護層を5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成
した。このようにして作成した光ディスクについて、パ
ルステック製光ディスク評価機およびヒューレット・パ
ッカード製ファンクションジェネレーターを用いて、波
長785nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線
速度11m/secおよび18m/secにより、周波
数8.5MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行っ
た。その結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照
射部より高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは
反転した記録になるが、18m/secでも記録パワー
10mWでC/N比が46dB以上、さらにジッターも
5nsec以下であった。この記録再生特性は高速、高
密度記録に十分対応できる特性であり、映像、アナログ
音声、デジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマッ
トでFM変調する通常のLDの記録信号に十分対応でき
るレベルであった。また、このようにして記録した光デ
ィスクの保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡
観察を行った結果、レーザーが照射された記録部分に形
状変化に由来するピットの形成は全く観察されなかっ
た。
【0026】フタロシアニン化合物(d)
【化6】
【0027】実施例5 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(e)30mgに対してエトキシ
エタノール1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンのフ
ィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピンコ−タ
−により膜厚950オングストロ−ムに記録層を成膜し
た。さらに、このようにして得た記録層の上にスパッタ
リングにより金膜を厚さ800オングストロ−ムに成膜
した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保護層を
5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成した。こ
のようにして作成した光ディスクについて、パルステッ
ク製光ディスク評価機およびヒューレット・パッカード
製ファンクションジェネレーターを用いて、波長785
nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速度11
m/secおよび18m/secにより、周波数8.5
MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行った。その
結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照射部より
高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは反転した
記録になるが、18m/secでも記録パワー10mW
でC/N比が48dB以上、さらにジッターも5nse
c以下であった。この記録再生特性は高速、高密度記録
に十分対応できる特性であり、映像、アナログ音声、デ
ジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマットでFM
変調する通常のLDの記録信号に十分対応できるレベル
であった。また、このようにして記録した光ディスクの
保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡観察を行
った結果、レーザーが照射された記録部分に形状変化に
由来するピットの形成は全く観察されなかった。
【0028】フタロシアニン化合物(e)
【化7】
【0029】実施例6 1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に
フタロシアニン化合物(f)40mgに対してジアセト
ンアルコール1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンの
フィルタ−を通して調整した塗液を用いて、スピンコ−
タ−により膜厚1000オングストロ−ムに記録層を成
膜した。さらに、このようにして得た記録層の上にスパ
ッタリングにより金膜を厚さ1800オングストロ−ム
に成膜した。さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保
護層を5ミクロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成し
た。このようにして作成した光ディスクについて、パル
ステック製光ディスク評価機およびヒューレット・パッ
カード製ファンクションジェネレーターを用いて、波長
785nm、N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速
度11m/secおよび18m/secにより、周波数
8.5MHzの単一信号の記録再生特性の評価を行っ
た。その結果、レーザー照射記録部の反射レベルが未照
射部より高くなり、通常の光ディスクの場合の極性とは
反転した記録になるが、18m/secでも記録パワー
10mWでC/N比が450dB以上、さらにジッター
も5nsec以下であった。この記録再生特性は高速、
高密度記録に十分対応できる特性であり、映像、アナロ
グ音声、デジタル音声のそれぞれの信号をLDフォーマ
ットでFM変調する通常のLDの記録信号に十分対応で
きるレベルであった。また、このようにして記録した光
ディスクの保護膜および反射膜を除去し、記録膜の顕微
鏡観察を行った結果、レーザーが照射された記録部分に
形状変化に由来するピットの形成は全く観察されなかっ
た。
【0030】フタロシアニン化合物(f)
【化8】
【0031】
【発明の効果】本発明の構成で光学記録媒体は、記録膜
に用いるフタロシアニン系化合物が多量体にすることに
より、記録膜内のフタロシアニンポリマーがバルキーで
あるため、非晶質状態となり、レ−ザ−光線によりピッ
トの形成を伴わず、再生レーザー波長域の光透過性のみ
変化する記録が効果的に生じ、その結果、非常に鮮明な
時間分解能を有し、高感度で高密度の記録、再生できる
良好な記録が実現でき、微小記録および高速記録に対応
する光学記録媒体になり得る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板/有機色素系記録膜/反射膜の
    積層体で構成され、透明基板より入射する記録レーザー
    光の光エネルギーが記録膜で吸収されて発生する熱エネ
    ルギーによって、分解、融解、蒸発あるいは昇華の状態
    変化によるピットの形成を伴わず、再生レーザー光波長
    域の光透過率が変化する現象を利用した光記録媒体にお
    いて、有機色素系記録膜が、下記一般式[1]で示され
    る化合物であることを特徴とする光記録媒体。 一般式[1] 【化1】 [式中、X2 〜X4 は、それぞれ独立にハロゲン原子、
    置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良
    いシクロアルキル基、置換基を有しても良いアリール基
    置換基を有しても良いアシル基、置換基を有しても良い
    複素環残基、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、カル
    ボン酸基、−OR1 、−SR2 −NHCOR1 、−N=N−R1 、−N=CHR1 ここで、R1 およびR2 は、互いに同一であっても異な
    っていても良く、水素原子、置換基を有していても良い
    アルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置
    換基を有していても良いシクロアルキル基、置換基を有
    していても良いアシル基、またはポリエーテル基を表
    し、また、R1 とR2 で4〜7員環を形成していても良
    く、その際、さらに窒素原子、酸素原子、イオウ原子等
    のヘテロ原子を含む複素環であっても良い。 ここで、R3 は、置換基を有しても良いアルキル基を表
    す。R4 は、水素原子、水酸基、置換基を有しても良い
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ
    基を表す。R5 は、置換基を有しても良いアルキル基を
    表す。R6 は、置換基を有しても良い飽和または不飽和
    の炭化水素基を表す。Mは、シリコン、ゲルマニウムも
    しくはスズを表す。l1 〜l4 は、それぞれX1 〜X4
    の置換基数を表し、それぞれ独立に0〜2の整数であ
    る。Zは、フタロシアニン骨格の繰り返し単位数を表
    し、0以上の整数を表す]
  2. 【請求項2】透明基板/有機色素系記録膜/反射膜の積
    層体で構成され、記録レーザー光の光エネルギーが記録
    膜で吸収されて発生した熱エネルギーによって、X線回
    折パターンに明確なピークが出現しない非晶質状態にあ
    る記録膜内の有機色素が、非晶質状態を維持したまま
    で、その集合状態を変化させ、その変化に伴って再生レ
    ーザー光波長域の光透過率が増大する事による、反射膜
    からの戻り光量の増加現象を利用し、記録部の反射レベ
    ルが未記録部より高い記録方式となることを特徴とする
    請求項1記載の光記録媒体。
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