JPH0648047A - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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JPH0648047A
JPH0648047A JP4223462A JP22346292A JPH0648047A JP H0648047 A JPH0648047 A JP H0648047A JP 4223462 A JP4223462 A JP 4223462A JP 22346292 A JP22346292 A JP 22346292A JP H0648047 A JPH0648047 A JP H0648047A
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JP
Japan
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recording
film
recording film
recording medium
transparent substrate
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JP4223462A
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Shigeo Shiyouami
重雄 正阿弥
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高速記録および微小ピット形成に対応する高密
度記録さらに時間分解能も十分な性能が得られる光学記
録媒体を提供することである。 【構成】透明基板上/非晶質有機色素記録膜/反射膜の
積層体で構成され、非晶質有機色素記録膜が透明基板よ
り入射する記録レーザー光を吸収することにより発生す
る熱エネルギーによって、分解、融解、蒸発あるいは昇
華の状態変化によるピットの形成、または相転移を伴わ
ない再生レーザー光波長域の光透過率が変化する現象を
利用した光記録媒体において、該非晶質有機色素記録膜
に用いる化合物が、ジヒドロキシシリコンフタロシアニ
ンをクロルスルホン酸中で加熱後、塩化チオニルを加え
冷却し、反応中間体を得、該反応中間体とアミノ化合物
と反応させ、炭酸ナトリウムにて析出させることにより
得られた反応物を用いることを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レ−ザ−光線によっ
て、情報を書き込んだり、読み取ったりすることが可能
な光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レ−ザ−光線を用いて情報を記録
する媒体には種々のものがあるが、その一つにシアニン
色素、フタロシアニン色素等の有機系色素を記録膜と
し、レ−ザ−光を基板上の記録層に照射することによっ
て、照射部分を局部的に加熱し、融解、蒸発、昇華また
は分解等の物理的あるいは化学的変化を起こさせる、即
ちピットを形成して情報を記録するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ようにレ−ザ−光を基板上の記録層に照射することによ
って、照射部分を局部的に加熱し、融解、蒸発、昇華ま
たは分解等の物理的あるいは化学的変化を起こさせるに
は、大きな光エネルギー、即ち高出力のレーザー照射が
必要であり、そのため高速記録、たとえば線速度10m
/sec以上での記録では感度が著しく低下してしま
う。また、物理的あるいは化学的変化による形状の変化
により記録ピットが形成されるため、ピットの形状の不
均一性は避けられず、そのためピットの非対称性等に由
来する時間分解能が十分でなく、さらに微小ピットの形
成も満足なものではなく、高密度記録に十分対応できる
とは言い難い。また、ピットの形成を伴わない結晶質−
非晶質相変化を利用した光記録媒体の場合には、記録膜
が結晶質になる必要があり、そのため結晶粒界等が発生
しやすくなりノイズ、エラーの原因になり易い等の問題
点がある。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明者らは、鋭意検討を行な
った結果、高速記録および微小ピット形成に対応する高
密度記録さらに時間分解能も十分な性能が得られる光学
記録媒体を開発し、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、透明基板上/非晶質有機色素記録膜/反射膜
の積層体で構成され、非晶質有機色素記録膜が透明基板
より入射する記録レーザー光を吸収することにより発生
する熱エネルギーによって、分解、融解、蒸発あるいは
昇華の状態変化によるピットの形成、または相転移を伴
わない再生レーザー光波長域の光透過率が変化する現象
を利用した光学記録媒体において、該非晶質有機色素記
録膜に用いる化合物が、ジヒドロキシシリコンフタロシ
アニンをクロルスルホン酸中で加熱撹拌した後、さらに
塩化チオニルを加え、再度加熱撹拌し、反応液を冷却し
氷水中に注入し、析出した沈澱をろ過、水洗し反応中間
体を得、次いで、この反応中間体とアミノ化合物とを無
溶媒もしくは溶媒中で加熱撹拌した後、反応液を炭酸ナ
トリウム水溶液中に注入し、析出した沈澱をろ過、水
洗、乾燥して得た反応生成物である。
【0005】本発明の光記録媒体の例としては、透明基
板/記録膜/反射層/保護層の構成を有し、高速で回転
し非常に小さい微小記録が必要となるLDに対応する追
記型光ディスクが最も代表的なものであるが、これに限
定されるものではなく一般に記録再生をレーザー光によ
り行う光記録媒体には全て適用できる。
【0006】本発明の光記録媒体に用いられる反応生成
物には、特公平3−78074に記載されているフタロ
シアニン環にスルホンアミド基が1ないし4個導入され
たジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物の内、特
に1ないし2個導入された化合物が主成分として存在し
ているが、このような化合物に加え、フタロシアニン環
に導入されるスルホンアミド基の置換基数および置換位
置が異なる化合物、さらにフタロシアニン環の中心に位
置するジヒドロキシシリコンが、脱水反応により分子間
でシロキシ結合したH−[O−Si(Pc)−]n−O
H(ここでPcはスルホンアミド基置換のフタロシアニ
ン環を表し、nは2以上の整数を表す)のような一次元
の多量体化合物等が存在し多成分の混合物となってい
る。これらの各成分は、それぞれ単独でも本発明の記録
膜材料して十分使用できる場合もある。しかしながら、
このような化合物を反応系より単離して単品で得るため
には、非常に精密な分離精製を行う必要があり、実用的
に使用するには困難な記録膜材料となる。また、以下に
示す理由により、混合物で存在した方が、本発明の記録
膜としては、より効果的に機能すると考えられる。フタ
ロシアニン環に有機置換基を導入することにより、平面
分子であるフタロシアニン分子特有の強いスタッキング
性が阻害され、その結果、結晶化が起こりにくく、目的
とする非晶質状態の記録膜が容易に形成しやすくなると
いう利点がある。しかしながら、導入置換基数が多くな
るに従って、フタロシアニン分子間の距離が大きくな
り、それに伴って熱運動する自由体積が大きくなるた
め、フタロシアニン分子特有のスタッキング性が著しく
低下してしまう。そのため、非晶質状態でも生ずる僅か
な分子間の相互作用が消失し、溶液状態に類似する非晶
質状態に近くなり、記録レーザー光を照射しても非晶質
状態でのフタロシアニン分子の集合状態の明確な変化が
得られず、十分な記録特性を実現出来ない場合がある。
従って、フタロシアニン分子間のスタッキング性を適
度に低下させ、わずかに分子間相互作用を保ちながら、
非晶質状態の記録膜が形成できるためには、フタロシア
ニン環に導入する置換基数を出来るだけ少なくする必要
がある。ところが、置換基数が少なくても、対称性のあ
る単一化合物では置換基同士の配向性等により新たな結
晶性の要因が生まれてくるため、導入置換基数をコント
ロールするだけでは、かならずしも効果的な記録膜材料
とはなり得ないことがある。そのために、記録膜材料自
体がある置換基数の少ない化合物を主成分とし、その主
成分に近い構造の化合物との混合による多成分より構成
されろことで、前述の置換基数が少ない化合物系に発生
する不都合な点を解消できる場合がある。
【0007】本発明の光記録媒体の記録膜となる反応生
成物を得る反応に使用できるアミン類としては、エチル
アミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ラ
ウリルアミノプロピルアミン、ジエチルアミン、ピペリ
ジン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N
−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミ
ノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルア
ミン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノエチ
ルピペリジン、N−アミノエチルピロリジン、N,N−
ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−ジメチル
アミノペンチルアミン、N−アミノプロピル−2−ピペ
コリン、N,N−ジエチル−N−オレイルエチレンジア
ミン等である。本発明の光記録媒体において、記録層を
成膜するには、ドライプロセス、例えばば、真空蒸着
法、スパッタリング法によっても可能であるが、ウエッ
トプロセス、例えば、スピンコ−ト法、ディップ法、ス
プレ−法、ロ−ルコ−ト法あるいはLB(ラングミュア
−ブロジェット)法によっても可能である。本発明の光
学記録媒体の記録層に含有される記録材料が、汎用の有
機溶媒、例えば、アルコ−ル系、ケトン系、セロソルブ
系、ハロゲン化炭化水素系、フロン系溶媒等に溶解する
場合は、生産性および記録膜の均一性からスピンコ−ト
法により成膜する方法が好ましい。
【0008】このように、いわゆる塗布法で成膜する場
合には、必要に応じて高分子バインダ−を加えてもよ
い。高分子バインダ−としてはアクリル樹脂、ポリカ−
ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩
化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ニトロセルロ−
ス、フェノ−ル樹脂などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。高分子バインダ−の混合比として
は特に制限はないが、有機系色素の集合状態の変化を阻
害しない程度に添加する必要があり非晶質有機色素に対
して10重量%以下が好ましい。
【0009】本発明の記録膜には、記録膜の光安定性、
耐環境性、繰り返し再生の安定性をさらに向上させる目
的で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸素クエンチャ−
等の添加剤を加えてもよい。
【0010】記録膜の最適膜厚は、記録材料の種類およ
び組合せにより異なるため特に制限はなく、500〜3
000オングストロ−ムが好ましく、さらに1000〜
2500オングストロ−ムが最適膜厚範囲である。
【0011】本発明において用いられる透明基板として
は、信号の書き込みや読み出しを行なうために光の透過
率が好ましくは85%以上であり、かつ光学異方性の小
さいものが望ましい。例えば、ガラスまたはアクリル樹
脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルエステル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例え
ばポリ−4−メチルペンテン等)、ポリエ−テルスルホ
ン樹脂等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、アリル樹脂等
の熱硬化性樹脂を用いた基板が挙げられる。これらの中
で、成型のしやすさ、案内溝やアドレス信号等の付与の
しやすさなどから前記した熱可塑性樹脂が好ましい。
【0012】本発明においては、これらの透明基板の厚
さは特に制限がなく、板状でもフィルム状でもよい。ま
たその形状は円形やカ−ド状でもよく、その大きさには
特に制限はない。つまり一般の光ディスクという円盤状
のものに限定されるものではなく、光カ−ドやテ−プ状
あるいはシ−ト状の記録媒体でもよい。また本発明の透
明基板には、記録および読み出しの際の位置制御のため
の案内溝やアドレス信号や各種マ−ク等のプレフォ−マ
ット用の凹凸を通常有しているが、これらの凹凸は前記
したような熱可塑性樹脂を成形(射出成形、圧縮成形)
する際にスタンパ−などを用いて付与する方法が好まし
いが、フォトポリマ−樹脂を用いるいわゆる2P法によ
っても行なうことができる。
【0013】本発明の案内溝の形状については特に制限
はなく、短形、台形、U字形であってもよい。また案内
溝の寸法については、記録層に用いられる材料の種類お
よび組合せ等により最適値はそれぞれ異なるが、平均溝
幅(溝深さの1/2の位置の幅)が0.3〜0.6ミク
ロン、また溝深さが500〜2000オングストロ−ム
の範囲が好ましい。
【0014】本発明の光記録媒体が反射層を有する場合
には、反射層の材料としては、金、銀、銅、白金、アル
ミニウム、コバルト、スズ等の金属およびこれらを主成
分とした合金、MgO、ZnO、SnO等の金属酸化
物、SiN4 、AlN、TiN等の窒化物等が挙げられ
るが、絶対反射率が高く安定性に優れている点から金が
最適である。反射層の最適膜厚については、特に制限は
ないが400〜1300オングストロ−ムの範囲が好ま
しい。
【0015】本発明の光記録媒体は、媒体の化学的劣化
(例えば酸化、吸水等)および物理的劣化(傷、けずれ
等)を防ぐ目的で媒体を保護するための保護層を透明基
板のレーザー入射面側および記録膜上または記録膜上に
反射膜が積層されている場合にはその反射膜の上に設け
てもよい。保護層用の材料としては、紫外線硬化型樹脂
を用いて、スピンコ−トにより塗布し、紫外線照射によ
り硬化させる方法が好ましいがこれに限定されるもので
はない。保護層の最適膜厚については、薄い場合には、
保護の効果が低下し、厚い場合には樹脂の硬化時の収縮
により媒体のそり等の機械特性の悪化の原因になるた
め、2〜20ミクロンの範囲で成膜することが好まし
い。また、保護膜以外の機能、例えば反射防止、帯電防
止、防湿性付与等を目的として、低屈折率材料、フッ素
樹脂あるいは導電性樹脂等を保護膜と同様に透明基板の
レーザー入射面側および記録膜上または記録膜上に反射
膜が積層されている場合にはその反射膜の上に設けても
よい。
【0016】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお例中、部とは重量部を表わす。
【0017】実施例1 クロルスルホン酸36gにジヒドロキシシリコンフタロ
シアニン4gを徐々に添加し、完全な溶液とした後、昇
温し、100〜105℃で4時間加熱撹拌した。90℃
まで冷却した後、塩化チオニル10gを90〜95℃に
保ちながら滴下し、さらに90〜95℃で2時間加熱撹
拌した。反応液を冷却後、ドライアイスで冷やし、適当
に粉砕した氷500gに注入し、析出した沈澱をすばや
くろ過し、氷水で良く洗浄し、反応中間体のウェットケ
ーキを得た。次いで、この反応中間体ウェットケーキ全
量を5℃以下に冷却したメタノール200mlに加え、
5℃以下で均一分散するまで撹拌した後、5℃以下で
N,N−ジエチルアミノプロピルアミン20gを徐々に
滴下した。その後、室温で1時間撹拌後、昇温し、2時
間加熱還流した。反応液を冷却後、10重量%炭酸ナト
リウム水溶液2000mlに注入し、室温で1時間撹拌
し、析出した沈澱をろ過、水洗した後、乾燥して記録膜
用の反応生成物(1)を得た。この反応生成物(1)を
マス−スペクトル分析により解析したところ、スルホン
アミド置換基が1個および2個の化合物とこれらがシロ
キシ結合により2量化した化合物の分子量ピークが検出
され、明らかに多成分であることが確認された。1.2
mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の上に、上記
の反応により得た反応生成物(1)40mgに対して
2.2.3.3−テトラフルオロ−1−プロパノール1
mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンのフィルタ−を通
して調整した塗液を用いて、スピンコ−タ−により膜厚
1500オングストロ−ムに記録層を成膜した。さら
に、このようにして得た記録層の上にスパッタリングに
より金膜を厚さ1200オングストロ−ムに成膜した。
さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保護層を5ミク
ロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成した。このよう
にして作成した光ディスクについて、パルステック製光
ディスク評価機およびヒューレット・パッカード製ファ
ンクションジェネレーターを用いて、波長785nm、
N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速度11m/s
ecおよび18m/secにより、周波数8.5MHz
の単一信号の記録再生特性の評価を行った。その結果、
レーザー照射記録部の反射レベルが未照射部より高くな
り、通常の光ディスクの場合の極性とは反転した記録に
なるが、18m/secでも記録パワー10mWでC/
N比が45dB以上、さらにジッターも5nsec以下
であった。この記録再生特性は高速、高密度記録に十分
対応できる特性であり、映像、アナログ音声、デジタル
音声のそれぞれの信号をLDフォーマットでFM変調す
る通常のLDの記録信号に十分対応できるレベルであっ
た。また、このようにして記録した光ディスクの保護膜
および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡観察を行った結
果、レーザーが照射された記録部分に形状変化に由来す
るピットの形成は全く観察されなかった。
【0018】実施例2 クロルスルホン酸36gにジヒドロキシシリコンフタロ
シアニン4gを徐々に添加し、完全な溶液とした後、昇
温し、100〜105℃で4時間加熱撹拌した。90℃
まで冷却した後、塩化チオニル10gを90〜95℃に
保ちながら滴下し、さらに90〜95℃で2時間加熱撹
拌した。反応液を冷却後、ドライアイスで冷やし、適当
に粉砕した氷500gに注入し、析出した沈澱をすばや
くろ過し、氷水で良く洗浄し、反応中間体のウェットケ
ーキを得た。次いで、この反応中間体ウェットケーキ全
量を5℃以下に冷却したメタノール200mlに加え、
5℃以下で均一分散するまで撹拌した後、5℃以下で
N,N−ジブチルアミノプロピルアミン25gを徐々に
滴下した。その後、室温で1時間撹拌後、昇温し、2時
間加熱還流した。反応液を冷却後、10重量%炭酸ナト
リウム水溶液2000mlに注入し、室温で1時間撹拌
し、析出した沈澱をろ過、水洗した後、乾燥して記録膜
用の反応生成物(2)を得た。1.2mm厚さのポリカ
ーボネート基板に透明層の上に、上記の反応により得た
反応生成物(2)50mgに対してエトキシエタノール
1mlの濃度で溶解し、0.2ミクロンのフィルタ−を
通して調整した塗液を用いて、スピンコ−タ−により膜
厚1200オングストロ−ムに記録層を成膜した。さら
に、このようにして得た記録層の上にスパッタリングに
より金膜を厚さ1200オングストロ−ムに成膜した。
さらに、この上に紫外線硬化樹脂により保護層を5ミク
ロンの膜厚で設けて、光ディスクを作成した。このよう
にして作成した光ディスクについて、パルステック製光
ディスク評価機およびヒューレット・パッカード製ファ
ンクションジェネレーターを用いて、波長785nm、
N.A.=0.5の半導体レ−ザ−で線速度11m/s
ecおよび18m/secにより、周波数8.5MHz
の単一信号の記録再生特性の評価を行った。その結果、
レーザー照射記録部の反射レベルが未照射部より高くな
り、通常の光ディスクの場合の極性とは反転した記録に
なるが、18m/secでも記録パワー10mWでC/
N比が40dB以上、さらにジッターも5nsec以下
であった。この記録再生特性は高速、高密度記録に十分
対応できる特性であり、映像、アナログ音声、デジタル
音声のそれぞれの信号をLDフォーマットでFM変調す
る通常のLDの記録信号に十分対応できるレベルであっ
た。また、このようにして記録した光ディスクの保護膜
および反射膜を除去し、記録膜の顕微鏡観察を行った結
果、レーザーが照射された記録部分に形状変化に由来す
るピットの形成は全く観察されなかった。
【0019】実施例3 クロルスルホン酸36gにジヒドロキシシリコンフタロ
シアニン4gを徐々に添加し、完全な溶液とした後、昇
温し、100〜105℃で4時間加熱撹拌した。90℃
まで冷却した後、塩化チオニル10gを90〜95℃に
保ちながら滴下し、さらに90〜95℃で2時間加熱撹
拌した。反応液を冷却後、ドライアイスで冷やし、適当
に粉砕した氷500gに注入し、析出した沈澱をすばや
くろ過し、氷水で良く洗浄し、反応中間体のウェットケ
ーキを得た。次いで、この反応中間体ウェットケーキ全
量を5℃以下に冷却したメタノール200mlに加え、
5℃以下で均一分散するまで撹拌した後、5℃以下でジ
エチルアミン15gを徐々に滴下した。その後、室温で
1時間撹拌後、昇温し、2時間加熱還流した。反応液を
冷却後、10重量%炭酸ナトリウム水溶液2000ml
に注入し、室温で1時間撹拌し、析出した沈澱をろ過、
水洗した後、乾燥して記録膜用の反応生成物(3)を得
た。1.2mm厚さのポリカーボネート基板に透明層の
上に、上記の反応により得た反応生成物(3)50mg
に対してエトキシエタノール1mlの濃度で溶解し、
0.2ミクロンのフィルタ−を通して調整した塗液を用
いて、スピンコ−タ−により膜厚1200オングストロ
−ムに記録層を成膜した。さらに、このようにして得た
記録層の上にスパッタリングにより金膜を厚さ1200
オングストロ−ムに成膜した。さらに、この上に紫外線
硬化樹脂により保護層を5ミクロンの膜厚で設けて、光
ディスクを作成した。このようにして作成した光ディス
クについて、パルステック製光ディスク評価機およびヒ
ューレット・パッカード製ファンクションジェネレータ
ーを用いて、波長785nm、N.A.=0.5の半導
体レ−ザ−で線速度11m/secおよび18m/se
cにより、周波数8.5MHzの単一信号の記録再生特
性の評価を行った。その結果、レーザー照射記録部の反
射レベルが未照射部より高くなり、通常の光ディスクの
場合の極性とは反転した記録になるが、18m/sec
でも記録パワー10mWでC/N比が45dB以上、さ
らにジッターも5nsec以下であった。この記録再生
特性は高速、高密度記録に十分対応できる特性であり、
映像、アナログ音声、デジタル音声のそれぞれの信号を
LDフォーマットでFM変調する通常のLDの記録信号
に十分対応できるレベルであった。また、このようにし
て記録した光ディスクの保護膜および反射膜を除去し、
記録膜の顕微鏡観察を行った結果、レーザーが照射され
た記録部分に形状変化に由来するピットの形成は全く観
察されなかった。
【0020】
【発明の効果】本発明の構成で光学記録媒体は、記録膜
に多成分より構成されるシリコンフタロシアニン系化合
物の反応生成物のまま使用ことにより、記録膜内のフタ
ロシアニン分子同士がわずかに相互作用を保ちながら非
晶質状態が得られやすくなり、レ−ザ−光線によりピッ
トの形成を伴わず、再生レーザー波長域の光透過性のみ
変化する記録が効果的に生じ、その結果、非常に鮮明な
時間分解能を有し、高感度で高密度の記録、再生できる
良好な記録が実現でき、微小記録および高速記録に対応
する光学記録媒体になり得る。
【要旨】透明基板/有機色素系/反射膜の積層体で構成
され、記録膜に多成分より構成されるシリコンフタロシ
アニン系化合物の反応生成物のまま使用ことにより、記
録膜内のフタロシアニン分子同士がわずかに相互作用を
保ちながら非晶質状態となるため、レ−ザ−光線により
ピットの形成を伴わず、再生レーザー波長域の光透過性
のみ変化する記録が効果的に生じ、その結果、非常に鮮
明な時間分解能を有し、高感度で高密度の記録、再生で
きる良好な記録が実現でき、微小記録および高速記録に
対応する光学記録媒体になり得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上/非晶質有機色素記録膜/反射
    膜の積層体で構成され、非晶質有機色素記録膜が透明基
    板より入射する記録レーザー光を吸収することにより発
    生する熱エネルギーによって、分解、融解、蒸発あるい
    は昇華の状態変化によるピットの形成、または相転移を
    伴わない再生レーザー光波長域の光透過率が変化する現
    象を利用した光記録媒体において、該非晶質有機色素記
    録膜に用いる化合物が、ジヒドロキシシリコンフタロシ
    アニンをクロルスルホン酸中で加熱後、塩化チオニルを
    加え冷却し、反応中間体を得、該反応中間体とアミノ化
    合物と反応させ、炭酸ナトリウムにて析出させることに
    より得られた反応物を用いることを特徴とする光学記録
    媒体。
JP4223462A 1992-07-30 1992-07-30 光学記録媒体 Pending JPH0648047A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2290489A (en) * 1994-06-22 1996-01-03 Ici Plc Phthalocyanine dyes for optical recording

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2290489A (en) * 1994-06-22 1996-01-03 Ici Plc Phthalocyanine dyes for optical recording

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