JP2846381B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JP2846381B2
JP2846381B2 JP1329438A JP32943889A JP2846381B2 JP 2846381 B2 JP2846381 B2 JP 2846381B2 JP 1329438 A JP1329438 A JP 1329438A JP 32943889 A JP32943889 A JP 32943889A JP 2846381 B2 JP2846381 B2 JP 2846381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
recording medium
optical recording
layer
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1329438A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03215089A (ja
Inventor
純夫 広瀬
茂 高原
正士 小池
仲 相原
恵司 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMAMOTO KASEI KK
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
YAMAMOTO KASEI KK
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAMAMOTO KASEI KK, Mitsui Chemicals Inc filed Critical YAMAMOTO KASEI KK
Priority to JP1329438A priority Critical patent/JP2846381B2/ja
Publication of JPH03215089A publication Critical patent/JPH03215089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2846381B2 publication Critical patent/JP2846381B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザー、特に半導体レーザーの集束ビー
ムを用いて追記可能な光記録媒体に関し、更に詳しくは
コンピューターの外部メモリー、画像、音声等の各種情
報の記録に用いられる光記録媒体に関する。また本発明
は、光記録媒体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、追記可能な光記録媒体としては、テルル、テル
ル合金、ビスマス合金などの低融点金属薄膜の無機系記
録層を有する記録媒体が提案され、一部実用に供されて
いる。
しかしながら、これらの低融点金属薄膜を記録層とし
た媒体は、記録層を成膜するのに蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の真空プロセスによって行
なっている。これら成膜方法は記録層の膜厚コントロー
ル、記録層の組成のコントロール等が容易でなく、生産
性や歩留りの点で問題があった。更に、これらの低融点
金属薄膜を記録層とした媒体は、記録層の熱伝導率が大
きいため、信号を記録する際に照射されたレーザービー
ムにより発生する熱エネルギーが金属薄膜を通して散逸
してしまう。その結果、信号の記録に照射エネルギーが
有効に利用されないため記録感度が低下し、かつ記録ピ
ットが大きくなってしまったり、ピットの大きさが不揃
いであるために記録密度の点で限界があった。また記録
層に使用されるテルル等の金属は酸化され易く、耐久性
に不安があり、また毒性を有し危険なものであった。
一方、記録層として有機色素を用いた光記録媒体が提
案されている。有機色素はスピンコート法等の塗布法に
より容易に成膜できるだけでなく、一般に熱伝導率が金
属に比べて小さく、生産性、記録感度、記録密度の向上
が可能である。
例えばジチオール金属錯体、ポリメチン色素、スクア
リリウム色素、ナフトキノン色素、フタロシアニン色
素、ナフタロシアニン色素などの半導体レーザー域に吸
収を有する有機色素を記録層とした媒体が開発され、一
部実用化されている。
ところが、これまでに提案されている有機色素を記録
層として有する光記録媒体は、記録に際してピットの縁
に盛り上りを生じたり(リムの形成)、分解物が生ずる
ことにより記録した信号の質(CN値)が低下し、例えば
アナログ信号等の高CN値が要求される用途には適してお
らず、また記録時のしきい値がシャープでないために再
生パワーを大きくすることができないという欠点を有し
ていた。
ところで、特開昭63-164037号には有機色素層の上に
フェニルトリエトキシシランとメチルトリエトキシシラ
ンを縮合してなる有機ポリシロキサンからなるオーバー
コート層を設けてバブルの形成によって記録を行なうこ
とにより、リムの形成や分解物の発生を抑えることが可
能な記録媒体が開示されているが、後記比較例1に示す
ように、この記録媒体においては過剰のレーザー出力
(オーバーパワー)で記録した場合、信号とノイズの比
(CN値)が低下する現象を示し、記録レーザーパワーの
マージン幅が大きくとれない。したがって、このような
媒体は角速度一定のモードで媒体を回転させながら記録
する場合、この媒体では媒体の中心からの放射方向の距
離に応じて線速度が異なるために記録する位置によって
記録レーザー出力を常に最適値になるように厳密に制御
しなければならず、記録時のレーザー出力の変動により
CN値が低下してしまう。さらに高密度記録方式であるマ
ーク長記録を行なった場合は、ピットの長さが短い時に
は良好なCN値が得られるものの、ピットの長さが長くな
ると良好なCN値は得られなくなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記した有機色素を記録層として有する光
記録媒体の特徴である生産性の高さを保持しつつ、従来
の光記録媒体に見られた欠点を改良し、記録時のレーザ
ーパワーのマージンを大きく取り、長いピットを形成し
ても高いCN値を維持し、しきい値特性がシャープでしか
も高感度であるにもかかわらず再生パワーが大きくとれ
る光記録媒体を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記点に鑑み鋭意検討した結果、反射
層を有することなしに基本的に信号の記録・再生が行い
うる光記録媒体であって、透明な基板および該基板上に
設けられた記録層から実質的に構成され、該透明な基板
側からレーザー光を照射してバブル形成による信号の記
録、および記録した信号の再生を行なう光記録媒体であ
り、該記録層が、基板上に順次積層された有機色素を含
有する層と、 R1Si(OR2)3-n(X)nで表わされる3官能シランとSi(O
R3)4-m(X)mで表わされる4官能シラン(R1,R2,R3はアル
キル基またはアリール基を、Xは水酸基またはハロゲン
を、nは0、1、2または3を、mは0、1、2、3ま
たは4を表わす)を縮合してなる有機ポリシロキサン樹
脂層と、からなることを特徴とする光記録媒体が、従来
の有機色素を記録層として有する光記録媒体では実現し
得なかった大きなCN値を有し、記録しきい値がシャープ
なために再生パワーを大きくすることを可能とし、かつ
高感度であることを見出した。
本発明の光記録媒体に使用可能な基板としては、信号
の記録再生を行なうための光を透過するものが好まし
く、光の透過率としては85%以上であり、かつ光学的異
方性の小さいものが望ましい。具体的には、アクリル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
ポリビニルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂等のプラスチックやガラス等が挙げられ
る。特に、機械的強度、案内溝やアドレス信号などの付
与のし易さ、経済性の点からプラスチックが好ましい。
基板の形状は、板状でもフィルム状でもよく、またデ
ィスク状やカード状でもよい。もちろん基板の表面には
記録位置を表わす案内溝や、アドレス信号等のためのピ
ットを有してもよい。かかる案内溝やアドレス信号等は
射出成形や注型成形によって基板を作成する際に付与し
たり、基板上に紫外線硬化型樹脂を塗布しスタンパーと
重ね合わせて紫外線露光を行なうことによっても付与で
きる。
本発明においては、光記録媒体は、かかる基板上に設
けられた記録層から実質的に構成され、該記録層が基板
上に順次積層された有機色素を含有する層および縮合し
た有機ポリシロキサン樹脂層からなる。
本発明の光記録媒体に使用可能な有機色素としては、
半導体レーザーの発振波長域に吸収と反射を有するもの
であり、具体的には、芳香族または不飽和脂肪族ジチオ
ール金属錯体系色素、芳香族または不飽和脂肪族ジアミ
ン金属錯体系色素、ポリメチン系色素、スクアリリウム
系色素、アズレン系色素、ナフトキノン系色素、アント
ラキノン系色素、大環状アザアヌレン系色素、キノノイ
ド系色素等が挙げられる。特に色素の塗布溶媒に対する
溶解性、光記録媒体としたときの耐久性、更に再生パワ
ーを大きくできる等の点から大環状アザアヌレン系色素
が好ましい。大環状アザアヌレン系色素とはポリフィリ
ン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系
色素等が代表的であり、より具体的には、テトラフェニ
ルポルフィリン、テトラブチルポリフィリン、テトラオ
クチルポリフィリン等の置換ポリフィリン、または下記
一般式(1)で表わされる置換フタロシアニン、置換フ
タロ・ナフタロシアニン、あるいは置換ナフタロシアニ
ンが挙げられる。
[式(1)中、Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6,Z7,Z8はブチル
基、オクチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル
基、ブチルフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ブ
トキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデ
シルオシキ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、ブチル
フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ
基、ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、
ドデシルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、
ブチルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチ
オ基、トリメチルシリル基、トリブチルシリル基、トリ
フェニルシリル基等のシリル基、アルキルアミド基、塩
素、臭素等のハロゲン等を表わし、 Mは2個の水素、Cu,Ni,Pd,Pt,Zn,Cd,Mg,Ba等の2価
の金属、Al-Cl,Ga-Cl,In-Cl等の3価金属化合物、VO,Si
O,TiO,SnO,NbO,SiCl2,TiCl2,SnCl2等の4価金属の酸
化物やハロゲン化物、トリアルキルシロキシ置換シリコ
ーン、トリアルキルシロキシ置換チタニウム等の4価金
属化合物が挙げられる。また、n1,n2,n3,n4,m1,m2,m3,m
4は0〜4の整数を表わす。] より具体的には、銅−オクタヘキシルフタロシアニ
ン、バナジル−テトラドデシルフタロシアニン、バナジ
ル−テトラオクチルナフタロシアニン、バナジル−テト
ラオクチルフタロ・ナフタロシアニン等のアルキル置換
フタロシアニン、ナフタロシアニン、フタロ・ナフタロ
シアニン、 バナジル−テトラブトキシフタロシアニン、ニッケル
−オクタドデシルオキシフタロシアニン、バナジル−ト
テラオクチルオキシナフタロシアニン等のアルコキシ置
換フタロシアニン、ナフタロシアニン、フタロ・ナフタ
ロシアニン、 銅−オクタヘキシルチオフタロシアニン、クロルアル
ミニウム−テトラオクチルチオナフタロシアニン等のア
ルキルシオ置換フタロシアニン、ナフタロシアニン、 パラジウム−オクタフェニルチオフタロシアニン、バ
ナジル−ドデシルブチルフェニルチオ−テトラクロルフ
タロシアニン、銅−テトラブチルフェニルチオナフタロ
シアニン等のアリールチオ置換フタロシアニン、ナフタ
ロシアニン、 バナジル−テトラトリフェニルシリルフタロシアニ
ン、ジクロルチタニル−テトラトリメチルシリルナフタ
ロシアニン等のシリル置換フタロシアニン、ナフタロシ
アニン、 ビス−トリヘキシルシロキサシ−シリコーンナフタロ
シアニン等が挙げられる。
一方、本発明の縮合した有機ポリシロキサン樹脂層に
使用される樹脂は、 R1Si(OR2)3-n(X)nで表わされる3官能シランとSi(O
R3)4-m(X)mで表わされる4官能シラン(R1,R2,R3はアル
キル基またはアリール基を、Xは水酸基またはハロゲン
を、nは0、1、2または3を、mは0、1、2、3ま
たは4を表わす)を縮合してなる有機ポリシロキサン樹
脂であり、R1,R2およびR3の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル
基、メチルフェニル基、ナフチル基、ベンジル基等のア
リール基が挙げられる。またハロゲンの具体例として
は、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。1分子中のこれ
らの置換基の種類は同一でも異なっていても良い。
有機ポリシロキサン樹脂に使用される前記3官能シラ
ンおよび4官能シラン化合物のより具体的な例としては
メチル−トリメトキシシラン、メチル−トリエトキシシ
ラン、メチル−トリブトキシシラン、エチル−トリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、ブチル−トリ
エトキシシラン、ブチル−トリブトキシシラン、、フェ
ニル−トリメトキシシラン、フェニル−トリエトキシシ
ラン、フェニル−トリフェノキシシラン、ナフチル−ト
リメトキシシラン、メチル−ヒドロキシ−ジメトキシシ
ラン、エチル−ヒドロキシ−ジメトキシシラン、フェニ
ル−ヒドロキシ−ジフェノキシシラン、メチル−ジヒド
ロキシ−メトキシシラン等の3官能シラン化合物や、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブ
トキシシラン、テトラフェノキシシラン、ヒドロキシ−
トリメトキシシラン、ヒドロキシ−トリエトキシシラ
ン、ジヒドロキシ−ジメトキシシラン等の4官能シラン
化合物が挙げられる。
これらの3官能および4官能シランはそれぞれ1種ま
たは2種以上を混合して使用しても良い。
本発明においては、前記有機ポリシロキサン樹脂層を
形成する際に熱可塑性樹脂を加えて縮合することも可能
である。用いられる熱可塑性樹脂とは、前記した3官能
シランおよび4官能シランと溶け合い、縮合した後に均
一な有機ポリシロキサン樹脂被膜を形成する樹脂で、具
体的には酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、デカンカルボン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の
ビニルエステル類のホモポリマーまたはコポリマーや、
これらのポリマーの部分鹸化ポリマー、ポリビニルアル
コールやポリビニルアルコールのホルマール化物、アセ
タール化物やブチラール化物等や酢酸ビニルとアクリル
酸エステル等のビニルモノマーとの共重合樹脂、ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートの単独または共重合
樹脂、アクリルアミド系樹脂、エチレンオキシドやプロ
ピレンオキシドの単独または共重合樹脂、ポリカプロラ
クトン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は前記し
た3官能シランや4官能シランまたはそれらの予備縮合
樹脂と縮合した3官能シランや4官能シランと反応して
もまたは反応しなくてもよい。
記録層を塗布により形成するには、まず、前記した有
機色素と有機溶剤からなる色素溶液を基板に接触させて
有機色素層を基板上に定着する。例えば色素溶液を基板
上に流下し、または基板表面を色素溶液の液面に接触さ
せ引き上げ、該基板を回転させながら余剰の色素溶液を
除去する方法や、基板を回転させながら色素溶液を流下
させる方法などがある。もし必要であれば、塗布した
後、強制的な乾燥を行なっても良い。次に定着した有機
色素層の上に前記した3官能シランと4官能シラン、ま
たは3官能シランと4官能シランおよび熱可塑性樹脂か
らなる樹脂の溶液を同様に塗布することによって、縮合
有機ポリシロキサン樹脂層を形成することができる。勿
論この場合も必要であれば強制的乾燥を行なっても良
い。3官能シランと4官能シランをそのまま使用しても
良いが、平均の分子量が300以上になるように、例えば
室温から100℃の温度で、30分から10時間程度予備縮合
して使用したほうが、成膜のしやすさや縮合時間の短縮
の点から好ましい。予備縮合する際には前記した熱可塑
性樹脂を加えて縮合しても、またはシラン化合物だけを
予備縮合し、後に熱可塑性樹脂を添加しても良い。前記
したシランまたは予備縮合した樹脂は、室温または100
℃以下の温度で30分から50時間放置することによって3
次元架橋した有機ポリシロキサン樹脂層となるが、この
際、縮合反応を容易にするためにアミン系、金属酸化物
系、金属アルコキシド系の触媒や酸性触媒を添加しても
よい。
本発明の縮合した有機ポリシロキサン樹脂層において
は、記録する際のレーザーパワーマージンを大きく取
り、長いピットを形成しても高いCN値を維持し、あるい
はしきい値特性をシャープにしかも高感度であるにもか
かわらず再生パワーを大きくするようにするためには、
縮合有機ポリシロキサン樹脂層の膜厚を200nm以下、好
ましくは200〜30nmとする。該膜厚が200nmを越える場合
は感度が低下し好ましくない。一方、30nm未満の場合は
記録する際のレーザーパワーマージンが大きくならず、
かつ再生光安定性が劣る。また、有機ポリシロキサン樹
脂層の組成に関しては、3官能シランを40〜80重量%、
4官能シランを10〜50重量%、熱可塑性樹脂を0〜20重
量%の割合で用いるのが好ましく、更に好ましくは、3
官能シランを50〜70重量%、4官能シランを20〜40重量
%、熱可塑性樹脂を0〜15重量%の割合で使用するのが
望ましい。3官能シランが80重量%を越える場合や4官
能シランが10重量%未満の場合、更に熱可塑性樹脂が20
重量%を越える場合にはオーバーパワーで記録した際に
CN値が低下する現象を起こし、記録レーザーパワーのマ
ージン幅が小さくなったり、記録ピットの大きさが不揃
い(ジッターの増加)になり、更に再生光に対する安定
性が向上せず好ましくない。一方、3官能シランが40重
量%未満の場合や、4官能シランが50重量%を越える場
合には感度が低下したり、記録ピットに歪を生じたり、
ジッターが増加するために好ましくない。
尚、熱可塑性樹脂を使用する場合は0.001〜20重量
%、これを実質的に使用しない場合は熱可塑性樹脂の量
は0〜0.001重量%である。
一方、有機色素を含有する層の膜厚は、基板を通して
レーザーを照射した際の反射光量を大きくするためや感
度の点から50〜200nmが好ましい。
本発明において記録層を形成する際に有機色素や、シ
ランまたはそれらを予備縮合した樹脂を溶解するのに使
用される溶剤としては、例えばベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、デカン等の直鎖状脂肪族炭化
水素系、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環
状脂肪族炭化水素系、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチル
アセトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
アミル、セロソルブアセテート等のエステル系、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、アリルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルアルコール等のア
ルコール系、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル等の直鎖状エーテル系、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ジグライム等の環状エーテル
系、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエチレン、
ジクロルエタン、トリクロルエタン、テトラクロルエタ
ン等の塩素系、フッ素系溶剤、ジメチルホルムアミド、
二硫化炭素等の溶剤が挙げられる。
溶剤の選択に当たっては有機色素や、シランまたはそ
れらの予備縮合した樹脂に対する溶解性以外に、当然の
ことながら、基板上の案内溝、プレピット等、あるいは
有機色素にダメージを与えない溶剤を選択しなければな
らない。このような点から特に、有機色素層を形成する
際に用いられる好ましい溶剤としては、直鎖状脂肪族炭
化水素系や直鎖状エーテル系溶剤が挙げられ、縮合した
有機ポリシロキサン樹脂層を形成する際に用いられる溶
剤としては、アルコール系溶剤が好ましい。塗布の場合
の色素溶液中の色素の濃度は、溶剤の種類および塗布方
法によって異なるが、通常0.1〜10重量%程度である。
また、記録層を形成する際に記録層の平滑性を高め、
ピンホール、クラック等の欠陥を少くするために、ニト
ロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂等の樹脂、レベリング剤、消泡剤などの添
加剤を添加しても良い。しかし、有機色素層を形成する
際にこれらを多量に添加すると、記録層の反射率が低下
したり、記録層中の色素の分散が不均一になる恐れがあ
るため、有機色素層へのこれらの合計添加量は20重量%
未満、好ましくは10重量%未満、さらに好ましくは5重
量%未満である。
また有機ポリシロキサン樹脂層を形成する際にもレベ
リング剤や消泡剤等の添加剤を添加しても良い。更に、
記録層の反射率や感度を上げるために有機ポリシロキサ
ン樹脂に溶解する色素を添加しても良い。
本発明の光記録媒体は前記したように基板を通しての
レーザービーム(基板側から照射されたビーム)により
信号の記録および再生を行うのが好ましい。
本発明の最も特徴とするところは、特定の有機色素層
の上に特定の縮合した有機ポリシロキサン樹脂層を積層
することによって、高反射率を達成すると共に、しきい
値特性がシャープになり、高パワーにしてもCN値が低下
せず、種々の長さのピットを正確にかつ高CN値を維持し
ながら記録が可能な点にある。
本発明の光記録媒体を実用に供するに当たっては、記
録層を保護するために記録層面に保護シートを貼り合せ
たり、記録層の面同士を内側にして二枚張り合せる等の
手段を講じても良い。この場合、記録層の上にエアーギ
ャップや緩衝層を設けて貼り合せるのが望ましい。
本発明に従えば、半導体レーザー光に対して記録層自
身が充分な反射率を有するため、周知技術のように反射
層を別に設けなくても基本的に情報の書き込み・読み出
しを行うことができることは下記実施例にも示した通り
である。
但し、より反射率を大きくするためには、周知技術に
従い有機ポリシロキサン樹脂層の上にアルミニウム、
金、銀、白金等の金属又はこれらの合金からなる反射層
を設けることは自由である。また、同様に周知技術に従
い酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミ
ニウム等の無機誘電体からなる干渉層を設けても良い。
尚、本発明の光記録媒体において、信号の記録再生に
使用されるレーザー光としては、通常640〜850nmに発振
波長を有する半導体レーザーが好ましく、そして例え
ば、11m/sの線速度で記録する場合、記録層上における
レーザーの出力を5〜12mW程度にし、再生時は記録時の
1/10〜1/5程度にすれば良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1 厚さ1.2mm、直径130mmのスパイラル状の案内溝(深さ
70nm、幅0.6μm、ピッチ1.6μm)を有する射出成形ポ
リカーボネート樹脂基板の案内溝面の中心部にバナジル
−テトラオクチルナフタロシアニン色素の3重量%ジブ
チルエーテル溶液を滴下したのち、この樹脂基板を1000
rpmの速度で10秒間回転した。その後該基板を40℃の雰
囲気で10分間乾燥し、色素層を形成した。更にこの上
に、メチル−トリメトキシシラン70重量%とテトラメト
キシシラン30重量%とを40℃で2時間予備縮合した、平
均分子量500の樹脂の9部と酢酸ビニル樹脂1部からな
る樹脂の1重量%メチルセロソルブ溶液を用い、色素層
を形成した時と同じ方法でスピンコートして有機ポリシ
ロキサン樹脂層を積層し記録層を形成した。その後該基
板を80℃で1時間加熱し、有機ポリシロキサン樹脂を縮
合させた。形成された記録層の厚みは、顕微鏡による断
面測定によれば、有機色素層が約90nm、有機ポリシロキ
サン樹脂層が約70nmであった。また樹脂基板を通しての
830nmの波長の光に対する記録層の反射率は25%であっ
た。
このようにして記録層を形成した樹脂基板を、記録層
面を内側にして500μmのエアーギャップを設け二枚張
合せて光記録媒体を作製した。
この記録媒体をターンテーブルに乗せ、1800rpmの速
度で回転させながら、830nmの発振波長を有する半導体
レーザーを搭載した光学ヘッドを有するドライブを用い
て、レーザービームを樹脂基板を通して案内溝上の記録
層に集束するように制御し、記録面上でのレーザーの出
力を変えながら3.7MHzのパルス信号(パルス幅90ns)の
記録を媒体の最外周部に行なった。次に同じ装置を用い
て半導体レーザーの出力を記録面で1mWにして記録した
信号の再生を行なった。この際のCN値を第1図に示し
た。この記録層の再生光安定性を調べるために、この記
録信号を1.5mWの再生光で100万回同じトラックを繰り返
し連続して再生を行なったが、記録信号の大きさおよび
CN値には全く変化が見られなかった。また、この媒体を
用いて8mWでデューティファクタ50%で記録周波数を変
えることにより種々の長さのピットの記録を行なった。
この時の記録信号の再生時のCN値を第2図に示す。
比較例1 実施例1における有機ポリシロキサン樹脂層の代りに
フェニル−トリエトキシシランとメチルトリエトキシシ
ランとが混合モル比4:1の有機ポリシロキサン層を積層
した以外は実施例1に準じて媒体を作製し評価した。結
果を第1図および第2図に示した。
実施例2 実施例1で使用した有機色素および有機ポリシロキサ
ン樹脂の代りに、表1に示す有機色素および有機ポリシ
ロキサン樹脂を積層し、実施例1同様に媒体の作製、評
価を行なった。得られた媒体は実施例1の媒体同様に高
いCN値が得られ、レーザーの出力を大きくしてもCN値の
低下はみられなかった。また再生パワーに対する安定性
も良好であった。
実施例3、比較例2、3 実施例2の実験番号1で用いた有機色素および有機ポ
リシロキサン樹脂を使用し、有機ポリシロキサン樹脂層
の膜厚をそれぞれ0nm、20nm、50nm、170nm、250nmとし
実施例1に準じて媒体を作製した。3μmのピットを記
録した際の記録感度および再生光安定性を測定した。
有機ポリシロキサン樹脂層の膜厚が0nmおよび20nmの
媒体は42dB以下のCN値しか得られず、かつ再生光安定性
も500〜1000回の連続読み出しで信号の劣化が見られ
た。有機ポリシロキサン層の膜厚が50nm、170nmおよび2
50nmの媒体の記録結果は第3図に示した。膜厚が250nm
媒体は記録感度の低下が見られるが、50nmおよび170nm
の媒体は高感度であり、かつ50dB以上のCN値が得られ
た。また再生光安定性においても異常は無かった。
〔発明の効果〕
本発明の光記録媒体は、記録層として特定の有機色素
層と縮合した有機ポリシロキサン樹脂層とを積層するこ
とによって、半導体レーザー光に対し記録層自身が充分
な反射率を有し、従来のように反射層を別に設ける必要
が無く、種々の長さのピットで記録を行なっても高いCN
値を与え、かつレーザー出力を高くしてもCN値の低下は
みられず、しきい値特性に優れるために従来よりも高感
度であるにもかかわらず、再生光安定性に優れた媒体で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および比較例1の媒体のレーザー出力
に対するCN値の変化を、第2図は同様にピット長さに対
するCN値の変化を、第3図は各膜厚におけるレーザー出
力に対するCN値の変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 恵司 神奈川県横浜市戸塚区平戸3―42―7 (56)参考文献 特開 昭63−201929(JP,A) 特開 昭61−177288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/24 C09D 183/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反射層を有することなしに基本的に信号の
    記録・再生が行いうる光記録媒体であって、透明な基板
    および該基板上に設けられた記録層から実質的に構成さ
    れ、該透明な基板側からレーザー光を照射してバブル形
    成による信号の記録、および記録した信号の再生を行な
    う光記録媒体であり、該記録層が、基板上に順次積層さ
    れた有機色素を含有する層と、 R1Si(OR2)3-n(X)nで表わされる3官能シランとSi(OR3)
    4-m(X)mで表わされる4官能シラン(R1,R2,R3はアルキ
    ル基またはアリール基を、Xは水酸基またはハロゲン
    を、nは0、1、2または3を、mは0、1、2、3ま
    たは4を表わす)を縮合してなる有機ポリシロキサン樹
    脂層と、からなることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】有機ポリシロキサン樹脂層が熱可塑性樹脂
    を含むことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】有機ポリシロキサン樹脂が3官能シランの
    40〜80重量%、4官能シランの10〜50重量%、熱可塑性
    樹脂の0〜20重量%からなる請求項1または2記載の光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】有機色素が大環状アザアヌレン系色素であ
    る請求項1または2記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】大環状アザアヌレン系色素が下記一般式
    (1)で表わされる化合物であることを特徴とする請求
    項4記載の光記録媒体。 [式(1)中、Z1,Z2,Z3,Z4,Z5,Z6,Z7,Z8はアルキル
    基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、
    アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、アルキル
    アミド基、ハロゲンを表わし、Mは2個の水素、2価の
    金属、3価金属化合物、4価金属化合物を表わし、ま
    た、n1,n2,n3,n4,m1,m2,m3,m4は0〜4の整数を表わ
    す。]
  6. 【請求項6】有機ポリシロキサン樹脂層の膜厚が200〜3
    00nmであれる請求項1または2記載の光記録媒体。
JP1329438A 1988-12-28 1989-12-21 光記録媒体 Expired - Lifetime JP2846381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1329438A JP2846381B2 (ja) 1988-12-28 1989-12-21 光記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32917288 1988-12-28
JP63-329172 1988-12-28
JP1329438A JP2846381B2 (ja) 1988-12-28 1989-12-21 光記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03215089A JPH03215089A (ja) 1991-09-20
JP2846381B2 true JP2846381B2 (ja) 1999-01-13

Family

ID=26573111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1329438A Expired - Lifetime JP2846381B2 (ja) 1988-12-28 1989-12-21 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2846381B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0717092B2 (ja) * 1985-02-04 1995-03-01 ヘキスト・セラニ−ズ・コ−ポレ−ション 有機大環状発色団を含有する光情報記憶媒体
JP2523303B2 (ja) * 1987-02-17 1996-08-07 ティーディーケイ株式会社 光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03215089A (ja) 1991-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0376231B1 (en) Optical recording media
JP2000057627A (ja) 光反射膜及びそれを用いた光記録媒体
KR960016142B1 (ko) 광기록매체
JP2846381B2 (ja) 光記録媒体
JP2938467B2 (ja) 光記録媒体
US5196231A (en) Optical recording media
JP2706493B2 (ja) 光記録媒体
JP3293293B2 (ja) 光記録材料
JP2633846B2 (ja) 光記録媒体の製造法
JP3032588B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2897773B2 (ja) 光記録再生方法
JPH06150371A (ja) 光記録媒体の製造方法
JP2571256B2 (ja) 光記録媒体
JPH074981B2 (ja) 光情報記録媒体
US20030161987A1 (en) Optical recording medium
JPH04265541A (ja) 光記録媒体
JPH0567352A (ja) 光記録媒体
JP2002237100A (ja) 光記録媒体
JPH05238150A (ja) コンパクトディスク対応またはコンパクトディスク−rom対応の追記型光ディスク
JP3525270B2 (ja) 光記録媒体
JP2585459B2 (ja) 光学的情報記録媒体
JP2585056B2 (ja) 光情報記録媒体
JPH04344345A (ja) 光記録媒体
JPH0696471A (ja) 光学記録媒体
JPH06143821A (ja) 光記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081030

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091030

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101030

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101030

Year of fee payment: 12