JP2887328B2 - 高タフネスポリアミド繊維 - Google Patents

高タフネスポリアミド繊維

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JP2887328B2 JP2313066A JP31306690A JP2887328B2 JP 2887328 B2 JP2887328 B2 JP 2887328B2 JP 2313066 A JP2313066 A JP 2313066A JP 31306690 A JP31306690 A JP 31306690A JP 2887328 B2 JP2887328 B2 JP 2887328B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はタイヤコードなどのゴム補強用分野への利用
に適した高タフネスポリアミド繊維に関する。更に詳し
くは、接着剤ディッピング処理やゴム中で加硫された後
も、更にはゴム製品の使用中も高い破断エネルギーが維
持出来る高タフネスポリアミド繊維に関する。
〔従来の技術〕
ポリアミド繊維は高タフネスが達成しやすいので、古
くからタイヤコードなどのゴム補強用に使用されて来
た。高タフネスとは、繊維を引張り試験した時の破断ま
での総エネルギー(以後破断エネルギーと呼ぶ)が、大
きいことを意味する。
ポリアミド繊維は高強力で且つ耐疲労性が一般に高い
ことから、トラックやバスなどの高重量用のバイヤスタ
イヤにタイヤコードとして多く使用されて来た。しか
し、近年の自動車業界からのタイヤへの高性能化や軽量
化の要求に、従来のポリアミド繊維では十分に応えられ
なくなった。
特開昭59−199812号公報(実施例1)に固相重合で得
られた蟻酸相対粘度90.0の原料から、紡糸法および延伸
法を特定することによって得られた蟻酸相対粘度83.0、
破断強度10.4g/d、破断伸度21.0%、タイ分子安定度係
数0.09および乾熱収縮率2.0%の高強力ポリヘキサメチ
レンアジパミド繊維が開示されている。この繊維の特徴
はタイヤ製造工程における加硫工程での強力低下が小さ
いことである。この特開昭59−199812号公報に提案され
ている繊維の特徴は本発明とは異なり、230℃の熱応力
値が低いことである。
上記先行技術に記載されている繊維は加硫工程での強
力低下は小さいが、接着剤ディッピング処理コードおよ
び加硫後コードの破断エネルギーおよびタイヤ使用中の
破断エネルギーの低下が大きく、近年の、破断エネルギ
ーが従来の20%増という市場の要求に応えられない。
ちなみに、ポリアミド繊維がタイヤコードなどのゴム
補強用として使用される時に次のような工程を経る繊維
はまず、下撚り、上撚りと呼ばれる二度の撚糸が施さ
れ、生コードと成る。次いで、生コードを経糸とする織
物すなわちスダレ織を形成する。スダレ織は接着剤ディ
ッピング処理を経て、処理反と呼ばれる反物になる。こ
の処理反は次いで、ゴム中に埋め込まれ、加硫工程を経
て、ゴムと一体化され、タイヤなどのゴム製品の骨格と
なる。
処理反中のコードを処理コード、加硫後のコードを加
硫コードと呼ぶ。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的はタイヤコードなどに対する近年の要求
を満すゴム補強用に適した高強力ポリアミド繊維を提供
することにある。すなわち、接着剤ディッピング処理後
および加硫後に得られるコードが高い破断エネルギーを
示し、更にはゴム製品使用中も高い破断エネルギーを示
すことの出来る、高タフネスポリアミド繊維を提供する
ことである。
本発明者らは上の目的を達成せんがために鋭意研究し
た結果、コードの破断エネルギーには、繊維製造工程で
の熱処理の程度および仕上げ剤の付着率が大きく影響す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、硫酸相対粘度ηrが2.8以上の
ポリアミドからなる延伸繊維であって、該繊維に対する
仕上げ剤の付着率が1.6〜2.5重量%であり、かつ、230
℃における熱応力値が0.55g/d以上であることを特徴と
するゴム補強用高タフネスポリアミド繊維、である。
本発明におけるポリアミドは、溶融紡糸可能なもので
あれば何でもよいが、経済的な面から、ポリヘキサメチ
レンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプラミド(ナイ
ロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4
6)、ナイロン610、ナイロン12あるいはこれらの共重合
体が好ましい。
本発明におけるポリアミドは硫酸相対粘度ηrが2.8
以上のポリアミドからなる繊維を対象とする。硫酸相対
粘度ηrが2.8未満であると、近年のタイヤコード原糸
に必須である、破断強度約10g/dが達成されないからで
ある。硫酸相対粘度ηrの好ましい範囲は3.0〜3.7、更
に好ましい範囲は3.0〜3.4である。
ηrの測定法は、実施例の項で後述する通りである。
本発明におけるポリアミドは公知の製造方法で得られ
るものでよく、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤などの添加
剤を含んでいてもよい。
本発明においては、繊維に対する仕上げ剤の付着率は
1.6〜2.5重量%でなければならない。通常の繊維に対す
る仕上げ剤付着率は1.0重量%前後である。仕上げ剤は
繊維がゴム補強用途に使われた時に、障害が生じないも
のであれば何でもよい。主として平滑剤と乳化剤から成
る水系エマルジョンタイプでも、平滑剤が主成分である
非水系のいずれでもよい。仕上げ剤中にはその他の成分
として、熱安定剤、抗酸化剤、制電剤、高分子活性剤な
どが含まれるのが好ましい。仕上げ剤の付着率が1.6重
量%未満であると、230℃における熱応力値が0.55g/d以
上であっても、処理コードおよび加硫コードの破断エネ
ルギーの向上はない。好ましい仕上げ剤の付着率は1.8
〜2.5重量%である。
仕上げ剤の繊維に対する付着率が1.6重量%未満であ
るポリアミド繊維は,接着剤ディッピング処理工程で、
接着剤のコード内部への浸透が顕著で、その結果処理コ
ードの伸度が抑えられるので、破断エネルギーが向上し
ない原因と考えられる。
本発明に用いら仕上げ剤中の平滑剤としてはオレイル
オレート、イソステアリルオレートなどの高級アルコー
ルと高級脂肪酸とのエステル、ジオレイルアジペートジ
イソステアリルセバケートなどの二塩基酸と高級アルコ
ールとのエステル、トリイソデシルトリメリラートなど
芳香族カルボン酸と高級アルコールとのエステル、およ
びネオペンチルグリコールジラウレート、グリセリント
リオレレート、ペンタエリスリトールテトラデカネート
などの多価アルコールと高級脂肪酸エステルなどであ
る。
また本発明に用いる仕上げ剤中の乳化剤すなわち非イ
オン界面活性剤としては、グリセリン、ソルビタンなど
の多価アルコールのエチレンオキサイド付加物、オレイ
ン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸エステル、ヒマシ油
などの天然油脂にエチレンオキサイドを付加させたも
の、高級アルコール、高級アミン、アルキルフェノール
などにエチレンオキサイドを付加したものなどが挙げら
れる。
本発明においては、繊維の230℃における熱応力値が
0.55g/d以上でなければならない。熱応力値の測定法は
実施例の項で後述する通りである。230℃における熱応
力値が0.55g/d未満では、他の条件をいかに選んでも、
コードの破断エネルギーの向上はない。230℃における
熱応力値の好ましい範囲は0.60〜0.90g/dである。
230℃における熱応力値は繊維を形成するポリアミド
の種類、硫酸相対粘度ηrおよび繊維製造工程での弛緩
熱処理の程度(温度、弛緩率)によって決まる。
熱応力値が高い繊維は、接着剤ディッピング処理工程
での荷重によるコードの伸長が小さいために、伸度減少
が小さく、高破断エネルギーを生む原因の一つとなった
ものと思われる。
次に本発明の高タフネスポリアミド繊維の製造方法を
以下に説明する。
まず、本発明で用いるポリマーは公知の重合法で得ら
れる硫酸相対粘度ηrが約2.8以上で酢酸銅や沃化カリ
ウムなどの安定剤を含むポリアミドである。
紡糸延伸機は第1図に例示するように直接紡糸延伸機
を用いるのがよい。
ポリマーの紡糸機への供給は、重合機から直接スピン
ヘッド(第1図の(1))へ送液する方法でも、ペレッ
ト化したポリマーを押出機で再溶融して後、スピンヘッ
ドへ送液するいずれでもよい。
延伸は第1図のよう装置で多段延伸を行なうのがよ
い。ゴデットロールは3段以上あった方が好ましい。
第1図に従って、本発明の繊維の製造方法を説明す
る。まず溶融したポリマーをスピンヘッド(1)に装着
した紡糸口金(2)から押出し、フィラメント(4)を
形成し、加熱筒(3)内で冷却を遅延し、その後冷却風
チャンバー(5)内で冷却風によって冷却固化する。次
いで仕上げ剤付与装置(オイリングロール(6))によ
って仕上げ剤を付与した後、各段のゴデットロール
(8),(9),(10)で加熱し、常法で従って2段延
伸し、次いでゴデットロール(10)と(11)との間で弛
緩熱処理した後、巻取機で巻取る。
繊維に対する仕上げ剤の付着率は、仕上げ剤の濃度を
考慮して、オイリングロールの回転数を調節することに
よって1.6重量%以上に調節する。仕上げ剤の付与は、
オイリングノズル法およびそれとオイリングロール法と
の併用でもよい。また仕上げ剤は、延伸、弛緩熱処理後
に行なうアフターオイリング法を併用してもよい。
ポリアミド繊維の230℃の熱応力値は、第3段ゴデッ
トロール(第1図(10))と第4段ゴデットロール
(4)(第1図(11))との速度比およびゴデットロー
ル(11)と巻取機との速度比、それにゴデットロール
(10),(11)の温度によって調節出来る。230℃にお
ける熱応力値を0.55g/d以上にするには、ゴデットロー
ル(10)の温度をおよそ200〜220℃とし、ゴデットロー
ル(11)の温度をおよそ150℃以下とした上で、ゴデッ
トロール(10)と(11)の速度比を出来るだけに1.0に
近づけ、ゴデットロール(11)と巻取機との速度比を、
巻取張力によって決まる巻取パッケージの形状などを考
慮して決めることによって行なう。
各ロールの温度および各ロール間の速度比はポリマー
種類、硫酸相対粘度ηr、紡糸延伸速度などで最適値が
変わるので、230℃における熱応力値を0.55g/d以上にす
るには、厳密には上記の方法を目安に試行錯誤によって
条件を決めねばならない。
本発明のポリアミド繊維を得るにあたって、紡糸と延
伸が分かれている方法を採ってもよい。
また延伸機のゴデットロール段数は、本発明の熱応力
値をもつポリアミド繊維が得られれば、4段未満のもの
を使用しても構わない。
〔実施例〕
以下実施例に基づき本発明の高タフネスポリアミド繊
維を説明する。実施例の説明に先立ち本発明において用
いられる各種の技術用語の定義とその測定方法を説明す
る。
(1)硫酸相対粘度ηr 95.5%硫酸にポリマー濃度1.0g/dlとなるように溶解
せしめた溶液の25℃における相対粘度である。
(2)原糸、生コード、処理コードの破断強力、破断強
度、破断伸度、中間伸度、及び生コード、処理コードの
破断エネルギー 測定室は温度24℃、湿度55RH%に保持する。
測定装置は島津製作所製、商品名オートグラフS−10
0を用いる。原糸については80回/mの撚りを加えた25cm
の試料を降下速度30cm/分、及び60cm/分で求める。
生コード、処理コードについてはJISL 1017に従う。
破断エネルギーはS−S−カーブの面積をインテグレー
ターを用いて求めた。
(3)230℃熱応力値 熱応力測定装置(例えばカネボウエンジニアリング社
製、商品名KE−2)を用いて測定する。マルチフィラメ
ント中から5本の長さ20cmの単糸を抜き出し、そしてこ
の5本の単糸の束の両端を結んで輪をつくり、測定機に
装填する。このようにして、単糸10本の熱応力値を測定
する。初荷重0.05g/d、昇温速度100℃/分の条件で測定
し、チャート(第2図参照)上から230℃における張力
(Tg)を求め、以下の算式に従って熱応力値を算出す
る。
(4)乾熱収縮率 原糸では1.0m、コードでは1.2mの試料を採取し、160
℃のエアオーブン中で30分間自由収縮させた後、次式に
従って算出する。
(5)加硫コードの破断強度、破断伸度、中間伸度、破
断エネルギー 処理コードをゴム中に埋めて155℃×40分間プレス機
にて定長加硫した後、加硫ゴムを分離し、加硫コードを
取り出し、前記測定方法(2)に示した方法と同様に強
度,伸度、中間伸度を測定する。
破断エネルギーも前記(2)の測定方法に示した方法
と同様である。
(6)グッドイヤー法チューブ疲労試験と疲労テスト後
破断エネルギー JISL−10173・2・2・1A法に準ずる。
チューブ形状 内径 12.5mm 外径 26mm 長さ 230mm 曲げ角度 150 内 圧 3.5kg/cm2G 回転数 850rpm 加硫条件 140℃×40分 時 間 1380分 上の条件で疲労試験を行なった後、コードを取出し破
断エネルギーを測定する。
実施例1および比較例1,2,3 固相重合法によって硫酸相対粘度ηr3.6のポリヘキサ
メチレンアジパミド(実質的に100%がヘキサメチレン
アジパミド)のペレットを得た。このポリマーペレット
は銅含有量で70ppmに相当する酢酸第2銅、沃素含有量
で1410ppmに相当する沃化カリウム、および15ppmの酸化
チタンを含む。
このポリマーぺレットを第1図に示す溶融紡糸機およ
び延伸機を用いて、直接紡糸延伸法で、1890d/312fのポ
リヘキサメチレンアジパミド繊維を製造した(実施例
1)。その時の製造条件および仕上げ剤の組成は以下の
如くである。
延伸条件 したがって上の条件から全延伸比は次の如く計算され
る。
全延伸比=1.01×2.78×2.0×1.0×0.944 =5.30 仕上げ剤組成 ナタネ油 35部 グリセリントリオレート 21部 POE(25)硬化ヒマシ油トリステアレート 18部 硬化ヒマシ油EO25 16部 2エチルヘキシル 8部 アルコールEOPO 酸化防止剤 2部 仕上げ剤は濃度30重量%の水系エマルジョンとして付
与した。
次に実施例1の製造条件の一部を下記のように変えて
比較例1,2,および3を行ない、実施例1と別にポリヘキ
サメチレンアジパミド繊維を製造した。
比較例1 比較例2 オイリングロール回転数 12rpm 比較例3 比較例2および3の変更点の両者を変更して行なっ
た。実施例1、比較例1および比較例2,3で得られた原
糸の物性を第1表に示す。
次に、これらの原糸をリング撚糸機によって、上撚数
32回/10cm(S撚)、下撚数32回/10cm(Z撚)の条件で
撚糸し生コードと成した。得られた生コードの物性を第
2表に示す。
次に生コードを3オーブンホットストレッチ装置(コ
ンピュートリータ)を用いて、接着剤すなわちレゾルシ
ン−ホルムアルデヒド−ラテックス液のディッピング処
理を施し、処理コードを得た。ディッピング処理の条件
を以下に示す。
温度(℃) 張力(kg/コード) 第1ゾーン 230 2.13 第2ゾーン 230 4.24 第3ゾーン 230 2.35 処理温度 3.0m/分 次いで、得られた処理コードをゴム中に埋め込み(グ
ッドイャー法チューブ疲労試験と同様のチューブを形成
する。)前記の加硫条件(加硫コードの物性測定法に記
載)で加硫した。
得られた処理コードおよび加硫コードの物性を第3表
に示す。
第3表からわかるように本発明の方法に従う実施例1
では処理コード、加硫コードおよび疲労テスト後コード
の破断エネルギーのいずれもが、従来法に従う比較例
1、2、3と比較して、大きく向上している。
実施例2 実施例1と全く同じポリマー、溶融紡糸機および延伸
機を用い、仕上げ剤の条件以外の条件は全く実施例1と
同様の条件でポリヘキサメチレンアジパミド繊維を製造
した。
その時の仕上げ剤の条件は以下の如くである。仕上げ
剤は非水系であり、ストレート給油を行なった。
仕上げ剤組成 ジオレイルアジペート 45部 トリメチルプロパントリラウレート 40部 硬化ヒマシ油/ステアリン酸/マレイン酸縮合物13部 酸化防止剤 2部 仕上げ剤付与条件 オイリングロール回転数 18rpm 第4表に実施例2で得られたポリヘキサメチレンアジ
パミド繊維の原糸物性を示す。
次にリング撚糸機で、この原糸を撚糸し、生コードと
成した。その時の撚糸条件は実施例1の場合と同様であ
る。
得られた生コードの物性を第5表に示す。次にこの生
コードに実施例1と全く同様の条件で、接着剤ディッピ
ング処理を施し、処理コードを得た。
次いで得られた処理コードを実施例1と全く同様の条
件で加硫を行なった。処理コードおよび加硫コードの物
性を第6表に示す。
第6表からわかるように、実施例2においても、処理
コードおよび加硫コード共に実施例1の場合と同様に、
高い破断エネルギーを示している。
実施例3および比較例4,5,6 固相重合法によって硫酸相対粘度ηrが3.0のポリヘ
キサメチレンアジパミド(実質的に100%がヘキサメチ
レンアジパミド)のペレットを得た。添加剤の種類含有
率は実施例1と同じであるこのポリマーペレットを第1
図に示す溶融紡糸機および延伸機を用いて、1260d/208f
のポリヘキサメチレンアジパミド繊維を製造した(実施
例3)その時の製造条件は以下の如くである。なお、仕
上げ剤は実施例1で用いた仕上げ剤と同一のものを、同
じ濃度の水系エマルジョンとして付与した。
紡糸条件 延伸条件 周 速 温 度 (m/分) (℃) 第1ゴデットロール 473.3 60 第2ゴデットロール 1313.5 215 第3ゴデットロール 2627.0 150 第4ゴデットロール 2627.0 150 巻取機 2430 − したがって上記の条件から全延伸比は次の如く計算さ
れる。
全延伸比=1.05×2.78×2.0×1.0×0.925 =5.40 次に実施例3の製造条件の一部を下記のように変えて
比較例4,5,6を行ない別にポリヘキサメチレンアジパミ
ド繊維を3種製造した。
比較例4 ポリマー吐出量 313g/分 第3ゴデットロール 温度 220℃ 第4ゴデットロール 周速 2430m/分 巻取機 速度 2338m/分 比較例5 オイリングロール回転数を13rpmに変更して行なっ
た。
比較例6 比較例4および5での変更点の両者を変更して行っ
た。この比較例6は特開昭59−199812号公報に従う。
実施例3および比較例4,5,6で得られたポリヘキサメ
チレンアジパミド繊維の原糸物性を第7表に示す。
次にリング撚糸機で、これらの原糸を撚糸し生コード
と成した。その時の撚糸条件は次の如くである。
上撚数(S撚) 39.0回/10cm 下撚数(Z撚) 39.0回/10cm 撚糸張力 0.08g/d 得られた生コードの物性は第8表の如くである。
次に生コードを3オーブンホットストレッチ装置を用
いて、接着剤すなわちレゾルシン−ホルムアルデヒド−
ラテックス液のディッピング処理を施し、処理コードを
得た。ディッピング処理の条件を以下に示す。
温度(℃) 張力(kg/コード) 第1ゾーン 160 1.20 第2ゾーン 227 2.40 第3ゾーン 227 1.560 処理温度 15m/分 次いで、得られた処理コードをゴム中に埋め込み加硫
した。
得られた処理コードおよび加硫コードの物性を第9表
に示す。
第9表からわかるように、実施例3の処理コードおよ
び加硫コードの破断エネルギーは、比較例4,5,6に対し
て大きく向上している。
〔発明の効果〕
本発明の高タフネスポリアミド繊維は、それをタイヤ
コードにした時に、従来のポリアミド繊維よりも高い破
断エネルギーおよび耐疲労性を(タイヤ使用中の破断エ
ネルギーの低下の小さい)を示す。このことによってト
ラック、バスなどの高重量車用バイアスタイヤにおいて
タイヤの高性能化(耐久特性などの向上)またはタイヤ
コード使用量の削減が可能となり、近年のタイヤの高性
能化や軽量化の要求に応えられるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に使用した試験用紡糸機および
延伸機を模式的に示した説明図である。 第2図は熱応力値を測定したチャート図の一例である。 1……スピンヘッド、2……紡糸口金、3……加熱筒、
4……フィラメント、5……冷却風チャンバー、6……
オイリングロール、7……プレテンションロール、8…
…第1ゴデットロール、9……第2ゴデットロール、10
……第3ゴデットロール、11……第4ゴデットロール、
12……巻取機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四釜 康博 大阪府高槻市八丁畷町11番7号 旭化成 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−207436(JP,A) 特開 昭48−11430(JP,A) 特公 昭57−21564(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸相対粘度ηrが2.8以上のポリアミド
    からなる延伸繊維であって、該繊維に対する仕上げ剤の
    付着率が1.6〜2.5重量%であり、かつ、230℃における
    熱応力値が0.55g/d以上であることを特徴とするゴム補
    強用高タフネスポリアミド繊維。
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