JP3144927B2 - 高強力ポリアミド繊維及びその製造方法 - Google Patents
高強力ポリアミド繊維及びその製造方法Info
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Description
製造方法に関するものである。更に詳しくは、ゴム類の
補強用としてタイヤコード、ベルト等に用いた時に優れ
た耐熱性、耐疲労性を示す高強力ポリアミド繊維の製造
方法に関するものである。
耐熱性、耐疲労性に優れた特性を有するため古くからタ
イヤコードなどのゴム補強用繊維向けの開発がなされて
きた。しかし、近年の自動車の高速化や高重量化の傾向
に伴って、一層の高強力化、耐熱性向上、及び耐疲労性
向上が求められてきた。
て強力を高くする方法では、強度的には11.0g/d
以上を達成しうるが、耐疲労性が著しく低下するため、
その要求に答えられないことが明確になっている。特開
昭63−159541号公報に強度11g/d以上、破
断伸度14%以上のポリヘキサメチレンアジパミド繊維
が開示されているが、疲労破壊時間が833分と短く、
タイヤコード等のゴム補強用繊維としては、耐久性に欠
けるものである。
壊時間が1500分を越える高耐疲労性高強力ポリヘキ
サメチレンアジパミド繊維が開示されている。この繊維
は耐疲労性は大きく改善されているものの、強度が11
g/d以下で、力学的性質がゴム補強用としては不満な
水準である。
ドなどのゴム補強用に適した高強力ポリアミド繊維に対
する近年の要求を満たす、すなわち従来のポリアミド繊
維と比較し高強度で、耐熱性、耐疲労性の優れた繊維を
提供することを目的とする。
達成せんがために鋭意検討した結果、ポリアミドと相溶
性の高い特定の化合物を繊維形成後付与することによっ
て、タイヤ製造工程での繊維構造変化を制御することが
可能となり、その結果高強度で、且つ耐熱性、耐疲労性
が大きく向上することを見いだし本発明を完成した。
70以上であり、下記一般式(1)、(2)または
(3)で示されるアミド化合物、または下記一般式
(4)で示される三級アミンを含むリン化合物を0.0
05〜2.0重量%含有することを特徴とする高強力ポ
リアミド繊維および90%蟻酸相対粘度70以上のポリ
アミド繊維を紡糸口金から吐出した後、下記一般式
(1)、(2)または(3)で示されるアミド化合物、
または下記一般式(4)で示される三級アミンを含むリ
ン化合物を、0.005〜2.0重量%付与することを
特徴とする高強力ポリアミド繊維の製造方法である。
ド結合を有する繊維形成性重合体、例えばポリカプラミ
ド、ポリヘキサメチレンアジパミドからなる繊維であ
る。本発明では繊維の90%蟻酸相対粘度は、70以上
でなければならない。70未満では耐熱性、及び耐疲労
性に優れ、且つ繊維の強度が11g/dを有するポリア
ミド繊維が得られない。紡糸性を考えると、90%蟻酸
相対粘度70〜150が好ましい。
で表されるアミド化合物、及び(4)で示される三級ア
ミンを含むリン化合物は、ポリアミドを紡糸口金から吐
出した後付与する。付与方法は、 1)紡糸口金吐出後、延伸前の仕上げ剤付与工程で付与
する、 2)接着剤処理時、レゾルシン−ホルムアルデヒド−ラ
テックス液(RFL液)の付与工程で付与する、 等いずれの方法でもよい。
は(3)で表されるアミド化合物、または(4)で示さ
れる三級アミンを含むリン化合物を0.005〜2.0
重量%付与することにより、RFL処理工程、加硫工程
等の熱処理工程での新たな結晶生成が抑制され、加硫後
の強力低下が抑制されるのと同時に、疲労試験における
繊維構造破壊時間が大きく遅延されうる。
は、11g/d以上、破断伸度は14%以上となる。強
度及び/または破断伸度がこの値以下では、タイヤコー
ドにした時タフネスが不十分となり、目的とするタイヤ
コードが得られない。好ましくは、強度は11.3g/
d以上、破断伸度は14.5%以上である。
方法の一例を説明する。まず酢酸銅/ヨウ化銅やヨウ化
カリウムなどの安定剤を含む90%蟻酸相対粘度80の
ポリヘキサメチレンアジパミドを公知の溶融重合法で製
造する。ここでいう90%蟻酸相対粘度とは、90%蟻
酸にポリマー濃度8.4重量%となるように溶解せしめ
た溶液の25℃における相対粘度である。
装着した紡糸口金からポリマー温度280℃から310
℃で押し出し、その後、冷却風チャンバー内で冷却風に
よって冷却固化する。次いで仕上げ剤付与装置によっ
て、前記のアミド化合物、または三級アミンを含むリン
化合物を溶解した仕上げ剤を付与する。この時の仕上げ
剤はエマルジョンであっても非水系仕上げ剤であっても
よい。仕上げ剤付与後、延伸装置に導き常法に従い延伸
ロールで2段以上の多段延伸を行う。なお、紡糸して得
た未延伸を一旦巻き取った後延伸してもよい。
れる各種の技術用語の定義とその測定方法を説明する。 (1)強度、破断伸度 島津製作所製オートグラフS−100Cを用い、80回
/mの撚りを加えた25cmの原糸の試料に対して、降
下速度30cm/分、チャートスピード60cm/分で
測定した値である。 (2)グッドイヤー法チューブ疲労試験 JISL−10173.2.2.1A法に準ずる方法。
撚りを施し、次いで下撚り糸2本ずつに撚数39回/1
0cmの上撚りを施し、生コードを作った。この生コー
ドを3オーブンホットストレッチ装置を用いて下記の条
件でレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(R
FL液)の処理を施した。 この処理コードを以下の条件で加硫し、疲労試験を実施
した。
硫ゴムを分離し、加硫コードを取り出す。その加硫コー
ドを島津製作所製オートグラフS−100Cを用い、糸
長15cm、降下速度18cm/分で測定した値
当する酢酸第2銅、ヨウ素含有量で1300ppmに相
当するヨウ化カリウム、及び30ppmの酸化チタンを
含む90%蟻酸相対粘度80のポリヘキサメチレンアジ
パミドを紡糸口金から吐出し、直接紡糸延伸法にて12
60d/210fの高強力ポリヘキサメチレンアジパミ
ド繊維を得た。その時2種は仕上げ剤に下記(5)の化
合物
繊維に付与した。その時のアミド化合物の繊維付着率は
それぞれ、0.14重量%、0.42重量%であった
(実施例1〜2)。他の2種は仕上げ剤のみを繊維に付
与した(比較例1〜2)。表1に得られた延伸糸物性、
RFL処理コード物性、加硫コード物性、及びグッドイ
ヤー法チューブ疲労試験法によって測定される疲労破壊
時間を示す。
〜2と比較し、高強力で、且つ高伸度が達成できてお
り、接着剤処理コード物性、加硫コード物性共に高い水
準にある。又疲労破壊時間も1500分以上の高い水準
を示す。
度が11.0g/d以上と高く、また耐熱性、耐疲労性
にも優れているので、タイヤコード、ベルトなどのゴム
補強用コード等に用いた時、耐久性に優れた製品とな
る。この特徴を生かすことで、これまでにない高耐久性
タイヤが得られ、トラックやバスなどの高重量車用バイ
アスタイヤの寿命が伸びたばかりか、高速走行に適した
タイヤが得られるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 90%蟻酸相対粘度が70以上であり、
下記一般式(1)、(2)または(3)で示されるアミ
ド化合物、または下記一般式(4)で示される三級アミ
ンを含むリン化合物を0.005〜2.0重量%含有す
ることを特徴とする高強力ポリアミド繊維。 【化1】 - 【請求項2】 90%蟻酸相対粘度70以上のポリアミ
ドを紡糸口金から吐出した後、下記一般式(1)、
(2)または(3)で示されるアミド化合物、または下
記一般式(4)で示される三級アミンを含むリン化合物
を、0.005〜2.0重量%付与することを特徴とす
る高強力ポリアミド繊維の製造方法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32301192A JP3144927B2 (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 高強力ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32301192A JP3144927B2 (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 高強力ポリアミド繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06173116A JPH06173116A (ja) | 1994-06-21 |
JP3144927B2 true JP3144927B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=18150139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32301192A Expired - Fee Related JP3144927B2 (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 高強力ポリアミド繊維及びその製造方法 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20020019471A1 (en) * | 2000-05-17 | 2002-02-14 | Masahiro Nozaki | Injection moldable polyamide resin compositions and articles made therefrom |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP32301192A patent/JP3144927B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06173116A (ja) | 1994-06-21 |
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