JP2886974B2 - 感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

感熱記録材料の製造方法

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JP2886974B2 JP2308117A JP30811790A JP2886974B2 JP 2886974 B2 JP2886974 B2 JP 2886974B2 JP 2308117 A JP2308117 A JP 2308117A JP 30811790 A JP30811790 A JP 30811790A JP 2886974 B2 JP2886974 B2 JP 2886974B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、感熱発色層を具備する感熱記録材料の製造
方法に関する。
[従来の技術] 支持体に対して、例えば、クリスタルバイオレットラ
クトンのような無色〜淡色の発色性ラクトン化合物(ロ
イコ化合物)とフェノール化合物のような酸性化合物
(顕色性物質)とを含有する感熱発色層を形成すること
によって得られる感熱記録材料は、ファクシミリ,コン
ピュータ端末機,電卓用プリンター,医療計測機,POSな
どのバーコードラベル等に広く利用されている。
前記感熱発色層の形成に利用される塗工剤には、該塗
工剤中に含有されるロイコ化合物と顕色性物質とが溶解
することのないように、例えば、ポリビニルアルコー
ル,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,
ポリアクリル酸,スチレン・マレイン酸共重合体,澱粉
等の水溶性高分子をバインダーとする水溶液による塗工
剤、あるいは、ポリウレタン,塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体等をバインダーとする水系のエマルジョンが利
用されている。
このため、感熱発色層は、湿気や有機溶剤に対して極
めて不安定であり、記録後の感熱発色層が水や塩化ビニ
ル樹脂系成形体に利用されている可塑剤等と接触する
と、発色画像が褪色したり、あるいは、消失する等の欠
点を有している。
この欠点を改良するための技術として、例えば、バイ
ンダー成分たる水溶性高分子に対して、ホルマリン,グ
リオキザール、ジアルデヒド澱粉,グルタルアルデヒ
ド,アルデヒド化ポリアクリルアミド,四ホウ酸アルカ
リ金属塩等の耐水化剤が併用されている塗工剤によって
感熱発色層を形成したり(特公昭58−33117号公報,特
公昭58−33119号公報,特公昭58−33839号公報,特公昭
59−30555号公報)、あるいは、架橋化処理されている
耐水性のポリビニルアルコールがバインダーとして利用
されている塗工剤によって感熱発色層を形成する(特開
昭58−191194号公報,特開昭58−193189号公報)等の方
法が提案されており、前述の感熱発色層における画像の
褪色や消失に対する改良がなされている。
[発明が解決しようとする課題] しかるに、前述の水溶性高分子からなるバインダー成
分に対して、ホルマリン,グリオキザール,ジアルデヒ
ド澱粉,グルタルアルデヒド,アルデヒド化ポリアクリ
ルアミド,四ホウ酸アルカリ金属塩等の耐水化剤を併用
するもの、あるいは、架橋化処理されている耐水性のポ
リビニルアルコールをバインダーとして利用するもの
は、いずれも、耐水性及び耐溶剤性において未だ十分に
満足し得るものではない。
これに対して本発明方法は、地肌かぶりの問題がな
く、しかも、耐水性及び耐溶剤性において優れた性質を
有する感熱記録材料を、容易に、しかも、確実に得る方
法を提供する。
[課題を解決するための手段] 本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体に対し
て、ロイコ化合物と顕色性物質とバインダーとを含有す
るpH9.0〜11.0の塗工剤を塗布,乾燥することによっ
て、感熱発色層を形成する前段工程と、該感熱発色層に
対して、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアル
コールの中の少なくとも1種と、キトサンと、アルデヒ
ド系化合物とを含有するpH3.5〜5.0の塗工剤を塗布,乾
燥することにより、保護層を形成する後段工程とからな
る。
前記構成からなる本発明の感熱記録材料の製造方法の
前段工程において、感熱発色層を形成する際に利用され
るロイコ化合物は、単独でもあるいは2種以上の混合物
であっても良く、例えば、トリフェニルメタン系,フル
オラン系,フェノチアジン系,オーラミン系,スピロピ
ラン系,インドリノフタリド系等の化合物、具体的に
は、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
エチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリ
ド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、 3−N−メチル−N−イソブチル−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−エチル−N−イソアミル−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオ
ラン、 3−(N−エチル−N−p−トリル)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ、6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−3′−トリフルオルメチルフェニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−ク
ロルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリク
ロロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フ
ルオラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フ
ルオラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2′,4′−
ジメチルアニリノ)フルオラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−
(N,N−ジベンジルアミノ)フルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−
ピリロスピラン、 6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリノ−
ピリロスピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェ
ニル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニ
ル)フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メチルフェニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジ
ル−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メ
チルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロ
ル−7−(α−フェニルエチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フ
ェニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニル
フェニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニ
ルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−
(p−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、 3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,
3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−
5,6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモ
フルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−アニリノフル
オラン、 3−N−エチル−N−(2−エトキシプロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 3−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′,5′−ベンゾフルオラン、 等が利用される。
また、同じく感熱発色層に利用される顕色剤は、前述
のロイコ化合物と接触し、これを発色させる電子受容性
の化合物、例えば、フェノール性化合物、チオフェノー
ル性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等
であり、具体的には、 4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、 4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノー
ル)、 4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、 4,4′−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブ
チルフェノール)、 4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、 4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノー
ル)、 2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ
ーブチルフェノール)、 2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリ
ーブチルフェノール)、 4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−
2−メチルフェノール)、 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
ターシャリーブチルフェニル)ブタン、 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
シクロヘキシルフェニル)ブタン、 4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メ
チルフェノール)、 4,4′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ
−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、 4−ベンジロキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、 4,4′−ジフェノールスルホキシド、 p−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、 p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、 プロトカテキユ酸ベンジル、 没食子酸ステアリル、 没食子酸ラウリル、 没食子酸オクチル、 1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジ
オキサヘプタン、 1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オ
キサペンタン、 1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパ
ン、 1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒ
ドロキシプロパン、 N,N′−ジフェニルチオ尿素、 N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、 サリチルアニリド、 5−クロロ−サリチルアニリド、 2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、 2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、 1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、 ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛,アルミニウム,カルシ
ウム等の金属塩、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステ
ル、 ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステ
ル、 1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、 1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、 2,4−ジフェノールスルホン、 3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、 α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチ
ルトルエン、 チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、 テトラブロモビスフェノールA、 テトラブロモビスフェノールS、 等が利用される。
さらに、同じく感熱発色層を形成する際の塗工剤にお
いて、バインダーとして利用される高分子には、澱粉及
びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエイチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘
導体、 ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
ビニルピロリドン、アクリルアミド・アクリル酸エステ
ル共重合体、アクリルアミド・アクリル酸エステル・メ
タクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合
体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体
アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、
ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、 ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル、・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等によ
る水系エマルジョン、スチレン・ブタジエン共重合体、
スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等によるラ
テックス、 等が利用される。
なお、感熱発色層を形成するための塗工剤中には、前
述のロイコ化合物,顕色剤,及びバインダーの外に、こ
の種の感熱記録材料における感熱記録層の形成の際に利
用される通常の補助添加成分、例えば、フィラー,界面
活性剤,熱可融性物質(滑剤)等が、必要に応じて併用
され得ることは勿論であり、 例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、クレー、タルク、表面処理されたカルシウムやシリ
カ等の無機質系微粉末、尿素−ホルマリン樹脂、スチレ
ン・メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機
質系微粉末等によるフィラー、 ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸
アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等の脂
肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニ
ル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸
ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフト
エ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ
酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
メチルエステル、ジフェニルカーボネート、テレフタル
酸ジベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステ
ル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフ
タレン、1,4−ジベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノ
キシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エ
タン、1,4−ビス(フェノキシ)ブタン、1,4−ビス(フ
ェノキシ)−2−ブテン、ジベンゾイルメタン、1,4−
ビス(フェニルチオ)ブタン、1,4−ビス(フェニルチ
オ)−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエト
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキ
シ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフ
ェニル、p−アリールオキシビスフェニル、p−プロパ
ギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、1,
3−ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフ
ィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプ
ロパノール、p−(ベンジルオキシ)ベンジルアルコー
ル、1,3−ジフェノキシ−2−プロパノール、N−オク
タデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼ
ン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン等による熱
可融性物質等が利用される。
感熱発色層の形成に利用される塗工剤のpH、すなわ
ち、ロイコ化合物と顕色性物質とバインダーとを含有す
る塗工剤のpHが9.0未満の場合には、後段工程で形成さ
れる保護層の影響を受けて、感熱発色層中のロイコ化合
物の1部が反応し易くなるため、地肌かぶりが発生し易
くなり、また、塗工剤のpHが11.0を超えると、感熱発色
層中の顕色剤が溶け出したり、あるいは、支持体に利用
されている基紙に黄変が発生する等の弊害が生ずる。
このため、本発明方法においては、ロイコ化合物と顕
色性物質とバインダーとを含有する塗工剤を、例えば、
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,
炭酸アンモニウム,リン酸ナトリウム等の塩や、炭酸カ
ルシウム,珪酸カルシウム,炭酸マグネシウム,珪酸マ
グネシウム等のアルカリ性顔料によって、pH9.0〜11.0
に調整しておくことが必要である。
本発明の感熱記録材料の製造方法の後段工程で形成さ
れる保護層は、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニ
ルアルコールの中の少なくとも1種と、キトサンと、ア
ルデヒド系化合物とを含有するpH3.5〜5.0の塗工剤によ
って形成され、一般的には、0.5〜6.0g(固形分)/m2
程度の塗工層として形成される。
保護層形成用の塗工剤に利用される変性ポリビニルア
ルコールについては、特に限定されるものではなく、例
えば、 A オレフィン,カルボン酸ビニル,アルキルビニルエ
ーテル,(メタ)アクリレート,アクリルアミド類,不
飽和カルボン酸(エステル)または無水物,スルホン酸
モノマー,カチオン性モノマー,さらには、ビニレンカ
ーボネート,アリルアルコール,アリルアセテート等に
よるビニルモノマーと、酢酸ビニルとの共重合体を得た
後、該共重合体を鹸化したもの、 B ポリビニルアルコールに対して、該ポリビニルアル
コールの水酸基と反応性を有する化合物を反応させたも
の、 C ポリビニルアルコールの幹に対して他のポリマーに
よる枝をグラフトさせたもの、あるいは、他のポリマー
からなる幹に対してポリ酢酸ビニルの枝をグラフトした
後、これを鹸化したもの、 等が利用される。
保護層の形成に利用される塗工剤中に含有されるキト
サンは、塗工剤の乾燥工程において自己縮合・架橋し、
さらに、塗工剤中に含有されているアルデヒド系化合物
によって、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビ
ニルアルコールとの間の橋かけ反応に繋るものである。
保護層形成用の塗工剤に利用されるキトサンは、アミ
ノ基を40%以上、好ましくは、90%以上含有するもの、
あるいは、これらのアミノ基の1部または全部が酸によ
ってアンモニウム基に変換されているものが好適であ
る。
なお、キトサンの1%水溶液の20℃における粘度(BL
型粘度計による。以下同じ)が70センチポイズを超える
ような高分子量のキトサンを利用すると、塗工剤の粘度
が高くなりすぎ、また、ポリビニルアルコール及び/又
は変性ポリビニルアルコールとの間の相溶性が悪化する
ため、キトサンによる耐水性及び耐溶剤性の改良効果が
十分ではなくなるので、キトサンの1%水溶液の20℃に
おける粘度が1〜70センチポイズ、好ましくは、1〜30
センチポイズを示す分子量のものが好適であり、水、あ
るいは、酢酸,蟻酸,クエン酸,スルファミン酸,塩
酸,硫酸,リン酸,フマール酸,マレイン酸等を利用し
た酸性溶液として利用される。
なお、キトサンによる着色を防止するために、例え
ば、特開昭63−72702号公報に説明されているような安
定化キトサンを利用し得ることは勿論である。
保護層に利用されるアルデヒド系化合物は、水溶性
で、しかも、水溶液中にてアルデヒドを、発生するも
の、例えば、ホルマリン,アセトアルデヒド,プロピオ
ンアルデヒド,ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド、
グリオキザール,グルタルアルデヒド,ジアルデヒドデ
ンプン等の多価アルデヒド,ヘキサメチレンテトラミン
等のホルマリンとアンモニアとの縮合物、ジメチロール
尿素、N−メチロールアクリルアミド等のメチロールア
ミド、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹
脂等が利用され、特に、無臭性,粘度安定性等による塗
工剤の使用し易さ、及び、耐水,耐溶剤化効果の点か
ら、グリオキザールまたはヘキサメチレンテトラミンが
好適である。
保護層形成用の塗工剤におけるポリビニルアルコール
及び/又は変性ポリビニルアルコールとキトサンとアル
デヒド系化合物との配合比率は、キトサンとアルデヒド
系化合物の添加の効果、及び、得られる塗工剤の粘度の
安定性等の点から、ポリビニルアルコール及び/又は変
性ポリビニルアルコール100重量部に対して、キトサン
1〜50重量部、好ましくは、5〜30重量部、アルデヒド
系化合物1〜20重量部が好適である。
ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアル
コールとキトサンとアルデヒド系化合物とを含有する保
護層形成用の塗工剤は、該塗工剤のpHが7.0を超える
と、キトサンが不溶化して析出してくるため、均質な保
護相が得られなく、また、耐水,耐溶剤性に対して良好
な性質を有する保護層が得られなくなり、また、pHが6.
0〜7.0の場合には、塗工剤の粘度が著しく増加し、形成
される塗工層に筋が発生し、外観不良に繋るだけでな
く、塗工斑によって塗工量の少ない部分での耐水,耐溶
剤性が不十分になる。
さらに、pHが6.0未満であっても、5.0を超えると、塗
工剤のポットライフが短くなるため、全体に亙って均質
な保護層を形成することが困難になる。
このため、保護層形成用の塗工剤は、pH5.0以下に調
整されているものが利用されなければならない。
しかるに、他方において、保護層形成用の塗工剤のpH
が3.5未満になると、前段工程においてpH9.0〜11.0の塗
工剤による感熱塗工層を形成しても、保護層の影響に伴
う感熱塗工層のpHの低下の影響を大きく受けるため、地
肌かぶりの問題が発生してくる。
したがって、本発明の後段工程において利用する保護
層形成用の塗工剤は、ポリビニルアルコール及び/又は
変性ポリビニルアルコールとキトサンとアルデヒド系化
合物とを含有し、かつ、例えば、酢酸,蟻酸,クエン
酸,スルファミン酸,塩酸,硫酸,リン酸,フマール
酸,マレイン酸等により、pH3.5〜5.0に調整されている
ことが必要である。
[作用] 本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体に対し
て、ロイコ化合物と顕色性物質とバインダーとを含有す
るpH9.0〜11.0の塗工剤を塗布,乾燥することによっ
て、感熱発色層を形成する前段工程と、該前段工程によ
って得られた感熱発色層に対して、ポリビニルアルコー
ル及び変性ポリビニルアルコールの中の少なくとも1種
と、キトサンと、アルデヒド系化合物とを含有するpH3.
5〜5.0の塗工剤を塗布,乾燥することによって、保護層
を形成する後段工程とからなる。
前記本発明方法においては、ポリビニルアルコール及
び変性ポリビニルアルコールの中の少なくとも1種と、
キトサンと、アルデヒド系化合物とを含有する保護層形
成用の塗工剤は、該塗工剤のpHが5.0以下にならない
と、均一で薄肉の保護層を形成し得ないという問題と、
支持体に対して形成されている感熱発色層が酸性領域に
なると自然発色による地肌かぶりが発生するという問題
とを同時に解決するものであって、ポリビニルアルコー
ル及び変性ポリビニルアルコールの中の少なくとも1種
と、キトサンと、アルデヒド系化合物とを含有する塗工
剤によって得られる保護層により、十分な耐水,耐溶剤
性を具備させ、また、保護層形成用の塗工剤の適用を受
けても、酸性領域に変化することに起因する地肌かぶり
の問題のない感熱発色層を予め形成しておくものであ
る。
[実施例] 以下、本発明の感熱記録材料の製造方法の具体的な構
成を実施例に基づいて説明し、併せ、得られた感熱記録
材料の性質について言及する。
実施例1 下記の[組成A]をサンドグラインダーで2〜5時間
かけて粉砕,分散させた[I液]と、下記の[組成B]
をサンドグラインダーで2〜5時間かけて粉砕,分散さ
せた[II液]とを調整し、さらに、[I液]と[II液]
とを1:3(重量比)に混合,撹拌し、pH10.1の感熱発色
層形成用の塗工剤を得た後、該塗工剤を市販の上質紙
(50g/m2)からなる支持体に対して、塗布量6.5g(固形
分)/m2に塗工,乾燥し、感熱発色層を形成した。
[組成A] 3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン ……10重量部 ポリビニルアルコールの10重量%水溶液 ……10重量部 水 ……80重量部 [組成B] 4−ヒドロキシ−4−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン ……10重量部 蓚酸ビス(パラメチルベンジル) ……10重量部 合成珪酸マグネシウム ……10重量部 ポリビニルアルコールの10重量%水溶液 ……20重量部 水 ……70重量部 次いで、下記の[組成C]による[III液]を酢酸でp
H4.8に調整した保護層形成用の塗工剤を、前述の感熱発
色層の上に、塗布量3.0g(固形分)/m2に塗工,乾燥す
ることによって保護層を形成し、本発明の目的とする感
熱記録材料を得た。
[組成C] ポリビニルアルコールの10重量%水溶液 ……80重量部 キトサン(平均分子量:約10000) ……2重量部 グリオキザール40wt.%液 ……0.5重量部 シリカ(水沢化学:P527) ……3重量部 Zn−ステアリン酸分散体(中京油脂:D523)30wt.%液 ……3重量部 水 ……7重量部 比較例1 実施例1で利用した[組成B]における合成珪酸マグ
ネシウムに代えてカオリン[ユンゲルハード社:UW90]
を利用することによって[II液]を得る以外は、全て実
施例1の対応する部分と同一の処方によって、比較のた
めの感熱記録材料を得た。
なお、本比較例における感熱発色層形成用の塗工剤の
pHは6.8である。
実施例2〜5,比較例2〜7 比較例1で利用した感熱発色層形成用の塗工剤を水酸
化ナトリウムによって、pH8.0〜11.8に調整した感熱発
色層形成用の塗工剤と、実施例1で利用した[組成C]
による[III液]を酢酸によってpH3.0〜7.5に調整した
保護層形成用の塗工剤とを利用し、本発明の目的とする
感熱記録材料、及び、比較のための感熱記録材料を得
た。
利用した感熱記録層形成用の塗工剤のpH及び保護層形
成用の塗工剤の性状を第1表に示す。
また、得られた感熱記録材料の性状を第2表に示す。
なお、第2表中において、地肌濃度は、実施例及び比
較例で得られた各感熱記録材料の保存前のものと、55
℃,80%RHの雰囲気中に24時間保存した後ものとのそれ
ぞれの地肌濃度である。
保護層の外観は、保存前の感熱記録材料における保護
層の状態を観察した結果である。
バリヤ性は保護層における有機溶剤に対する耐性であ
り、アセトンを含浸した脱脂綿で保護層の表面を擦った
ときの感熱発色層中へのアセトンの侵入の状態によっ
て、すなわち、アセトンが感熱発色層に侵入したときに
発生する感熱発色層での発色の状態によって判定し、 ○……有機溶剤に対するバリヤ性が良好 ×……有機溶剤に対するバリヤ性が不良 で表示した。
また、残存率は、保護層における可塑剤に対する耐性
であって、感熱記録材料の保護層上に130℃に加熱され
ているブロックを200g/cm2の圧力で5秒間押し当てて発
色部を形成した後、該発色部に市販の消しゴム(商品
名:トンボモノPE)を200g/cm2の圧力で押し当てたま
ま、40℃,90%RHの雰囲気中に24時間保存したときの保
存後の発色部の濃度の変化、すなわち、消しゴムに含ま
れている可塑剤が保護層を浸透して発色部の濃度を褪色
させる程度を確認したもので、 で表示した。
[発明の効果] 実施例及び比較例で得られた各感熱記録材料の性質を
表示した第2表の結果から明らかなように、本発明方法
によって得られる感熱記録材料は、地肌かぶりがなく、
しかも、有機溶媒や水に対する耐性を具備しており、保
存安定性において優れた作用を奏するもので、品質の高
い感熱記録材料として利用価値の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に対して、ロイコ化合物と顕色性物
    質とバインダーとを含有するpH9.0〜11.0の塗工剤を塗
    布,乾燥することによって、感熱発色層を形成する工程
    と、該感熱発色層に対して、ポリビニルアルコール及び
    変性ポリビニルアルコールの中の少なくとも1種と、キ
    トサンと、アルデヒド系化合物とを含有するpH3.5〜5.0
    の塗工剤を塗布,乾燥することによって、保護層を形成
    する工程とからなることを特徴とする感熱記録材料の製
    造方法。
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