JP2883638B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

4サイクルエンジン

Info

Publication number
JP2883638B2
JP2883638B2 JP17895989A JP17895989A JP2883638B2 JP 2883638 B2 JP2883638 B2 JP 2883638B2 JP 17895989 A JP17895989 A JP 17895989A JP 17895989 A JP17895989 A JP 17895989A JP 2883638 B2 JP2883638 B2 JP 2883638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
intake
valves
exhaust
camshaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17895989A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0347450A (ja
Inventor
哲史 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP17895989A priority Critical patent/JP2883638B2/ja
Priority to EP19900113490 priority patent/EP0408080B1/en
Priority to US07/553,532 priority patent/US5121718A/en
Priority to DE1990616709 priority patent/DE69016709T2/de
Publication of JPH0347450A publication Critical patent/JPH0347450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2883638B2 publication Critical patent/JP2883638B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば一気筒につき三本の吸気バルブと二
本の排気バルブとを備えた4サイクルエンジンに係り、
特にそのシリンダヘッドの構造に関する。
[従来の技術] 従来、例えば「特開昭58−113512号公報」には、一気
筒につき吸気バルブを三本設け、この吸気バルブの有効
面積を大きくして吸入効率を高めた4サイクルエンジン
が開示されている。
このエンジンでは、三本の吸気バルブを吸気用カム軸
の軸方向に並べて配置し、これら吸気バルブのバルブス
テムの上端を吸気用カム軸と略平行な同一直線上に位置
させるとともに、夫々のバルブステムの上端をロッカア
ームを介して吸気用カム軸に連動させている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、三本の吸気バルブは、夫々バルブスプリン
グによって閉方向に付勢されているので、吸気用カム軸
のロッカアームとの接触部分は、吸気用カム軸をシリン
ダヘッドから押し上げようとする方向の力を受けること
になる。この場合、上記のように一気筒当たりの吸気バ
ルブの数を増やしていくと、バルブスプリングの数が多
くなった分だけ吸気用カム軸が受ける力も倍加するの
で、この吸気用カム軸が気筒に対応した部分でシリンダ
ヘッドから浮き上がる恐れがあり得る。
このため、一気筒につき三本の吸気バルブを設けるに
当たっては、隣り合う吸気バルブの間で吸気用カム軸を
支持することが望ましいものとなる。
その具体的な手立てとしては、シリンダヘッドに、複
数の吸気バルブのバルブステムの間に位置して、吸気用
カム軸を受ける軸受部を設け、この軸受部にカムキャッ
プを被せて、これら軸受部とカムキャップとの間で吸気
用カム軸を回転自在に支持する構成が考えられる。
しかしながら、吸気バルブのバルブステムの周囲に
は、コイル状のバルブスプリングが装着されているの
で、上記のようにバルブステムの間に軸受部を設ける
と、この軸受部とバルブスプリングとが互いに干渉し合
う恐れがある。
このため、軸受部の厚みに相当する分だけ吸気バルブ
の配置間隔を広げなくてはならず、この吸気バルブの配
置に無理が生じるのは勿論のこと、バルブの配置間隔の
増大に伴ってシリンダヘッドのカム軸方向の長さが増大
するといった不具合がある。
特に複数の気筒を有する多気筒エンジンでは、吸気バ
ルブが隣り合う気筒側に張り出すので、その分、気筒間
隔を広げなくてはならず、エンジンがカム軸方向に長く
なるといった問題が生じてくる。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもの
で、隣り合うバルブの配置間隔を狭く抑えて、シリンダ
ヘッドのカム軸方向の寸法を短縮することができ、しか
も、三本並んだバルブのボア中心線に対する傾斜角度を
小さく抑えて、シリンダヘッドの燃焼室をコンパクトに
形成できるとともに、このシリンダヘッドのプラグ導入
孔回りの強度を充分に確保することができ、かつまた、
ボルトの数を増やすことなくプラグ導入孔回りのシール
性を高めることができる4サイクルエンジンの提供を目
的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明は、 吸気用および排気用の二本のカム軸を備えたシリンダ
ヘッドに、一気筒当り吸気バルブ又は排気バルブのいず
れか一方を三本、他方を二本夫々設け、 これら吸気バルブおよび排気バルブを上記吸・排気用
のカム軸の軸方向に並べて配置するとともに、上記三本
のバルブのうち、中央のバルブのボア中心線に対する傾
斜角度を、両側の二本のバルブのボア中心線に対する傾
斜角度よりも小さく設定し、 これら吸気バルブおよび排気バルブのバルブステムの
周囲に、夫々のバルブを閉方向に付勢するコイル状のバ
ルブスプリングを配置するとともに、上記各カム軸上の
カムと上記吸気バルブおよび排気バルブとを夫々ロッカ
アームを介して連動させ、 また、上記シリンダヘッドにおける上記吸気バルブお
よび排気バルブで囲まれる気筒のボア中心付近にプラグ
導入孔を形成した4サイクルエンジンを前提としてい
る。
そして、上記シリンダヘッドに、カムキャップと協働
して上記吸・排気用の二本のカム軸を回転自在に支持す
る軸受部を形成し、これら軸受部は、隣り合う吸気バル
ブおよび排気バルブの間において、上記カム軸と交差す
る方向に延びて上記プラグ導入孔の内周壁に連なるとと
もに、この軸受部のうち各バルブのバルブスプリングと
向かい合う側面部分に、このバルブスプリングを避ける
貫通孔を形成し、 上記三本のバルブ側の軸受部の貫通孔は、二本のバル
ブ側の軸受部の貫通孔と比較した場合に、上記カム軸と
交差する方向の開口幅が大きく定められているととも
に、上記プラグ導入孔は、気筒のボア中心線に対し二本
のバルブ側に偏って位置されており、 また、上記吸・排気用のカム軸を押える上記カムキャ
ップは、互いに一体化されて上記プラグ導入孔の開口端
を横切る連結部を有し、この連結部に上記プラグ導入孔
に連なる連通孔を形成するとともに、 このカムキャップのうち三本のバルブを開閉するカム
軸に対応する部分は、一気筒につき四本のボルトを介し
て上記軸受部に連結され、これらボルトは、上記カム軸
の軸方向に離間した二箇所において、夫々カム軸を挟ん
で向かい合う位置に配置され、このカム軸を挟んで向か
い合う二本一組のボルトのうちの一方のボルトは、上記
カム軸の近傍に配置されているとともに、他方のボルト
は、上記カム軸よりも上記カムキャップの連結部の方向
に偏移されて、上記プラグ導入孔の近傍に配置されてい
ることを特徴としている。
[作用] この構成によれば、隣り合うバルブのバルブスプリン
グは、軸受部の貫通孔に入り込むので、バルブスプリン
グと軸受部とが互いに干渉し合うことはなく、隣り合う
バルブの配置間隔を極力狭めることができる。このた
め、吸気バルブおよび排気バルブが気筒の径方向外側に
大きく張り出すことはなく、シリンダヘッドのカム軸方
向の寸法を短く抑えることができる。
しかも、ボア中心線に対する傾斜角度が異なる三本の
バルブ側の貫通孔は、二本のバルブ側の貫通孔よりも開
口幅が広いので、隣り合うバルブスプリングを貫通孔の
開口幅内に確実に位置させることができる。この際、吸
気および排気バルブで囲まれたプラグ導入孔は、ボア中
心線に対し二本のバルブ側に偏っているので、このプラ
グ導入孔の内周壁のうち、三本のバルブ側の軸受部に連
なる部分がボア中心線に近づく。
そのため、貫通孔の開口位置を極力ボア中心線の方向
に寄せることができ、三本のバルブのバルブスプリング
と軸受部との干渉を防止しつつ、これらバルブの傾斜角
度を小さくすることができる。よって、バルブの傾斜角
度が小さくなる分、シリンダヘッドの燃焼室をコンパク
トに形成することができ、燃焼効率の向上やシリンダヘ
ッドのコンパクト化に寄与する。
それとともに、プラグ導入孔が二本のバルブ側に偏っ
ているので、貫通孔を幅広く形成したにも拘わらず、プ
ラグ導入孔の内周壁の肉厚が薄くなるのを防止でき、シ
リンダヘッドのプラグ導入孔回りの剛性を充分に確保す
ることができる。
また、上記構成によると、カムキャップのうち、三本
のバルブを開閉する一方のカム軸に対応する部分は、四
本のボルトを介して軸受部に支持されているので、一気
筒につき三本のバルブスプリングを介して大きな押し上
げ力を受ける一方のカム軸を軸受部と協働してしっかり
と保持することができる。
加えて、四本のボルトのうちの一本は、カム軸よりも
プラグ導入孔の方向に偏った位置においてシリンダヘッ
ドの軸受部にねじ込まれているので、このボルトの締め
付け力がカムキャップの連結部に確実に伝わる。このた
め、ボルトの本数を増やすことなく連結部の連通孔の開
口縁部をプラグ導入孔の開口縁部に強固に押し付けるこ
とが可能となり、プラグ導入孔のシール性を高めること
ができる。
[実施例] 以下本発明の一実施例を、4サイクル多気筒エンジン
に適用した図面にもとづいて説明する。
第4図中符号1はシリンダブロック、2はシリンダヘ
ッドであり、このシリンダヘッド2の上面2aは、ヘッド
カバー3によって覆われている。シリンダヘッド2とヘ
ッドカバー3との間には、動弁室4が形成されている。
この動弁室4には、吸気用カム軸5と排気用カム軸6と
が互いに平行に収容されている。
吸気用カム軸5および排気用カム軸6の一端には、夫
々スプロケット7が固定されており、これらスプロケッ
ト7の間にはタイミングチェーン8が掛け渡されてい
る。また、排気用カム軸6の他端には、タイミングプー
リ9が固定されており、このタイミングプーリ9はタイ
ミングベルト10を介してクランク軸(図示せず)と連動
されている。したがって、本実施例の場合、吸気用カム
軸5は排気用カム軸6からの動力伝達によって回転駆動
される。
シリンダブロック1の内部には、複数の気筒11がクラ
ンク軸の軸方向に一列に並べて配置されている。このシ
リンダブロック1に重ね合わされるシリンダヘッド2の
合面には、ペントルーフ形の燃焼室12を構成する凹部13
が形成されている。凹部13は気筒11に対応して設けられ
ており、夫々の凹部13には、第6図に示すように、三個
の吸気口14a,14b,14cと、二個の排気口15a,15bとが開口
されている。これら吸気口14a,14b,14cと排気口15a,15b
とは、気筒11のボア中心X1を通り、かつカム軸5,6の軸
方向に延びる基準線A1を挟んだ位置に設けられている。
そして、これら吸気口14a,14b,14cと排気口15a,15bとで
囲まれた凹部13のボア中心X1上に、プラグ装着孔16が開
口されている。
なお、シリンダヘッド2には、吸気口14a,14b,14cに
連なる吸気通路17と、排気口15a,15bに連なる排気通路1
8とが形成されている。
シリンダヘッド2の吸気口14a,14b,14cは、三本の吸
気バルブ19a,19b,19cによって個別に開閉されるととも
に、排気口15a,15bは、二本の排気バルブ20a,20bによっ
て個別に開閉される。これら吸気バルブ19a,19b,19cの
バルブステム21および排気バルブ20a,20bのバルブステ
ム22は、バルブガイド23を介してシリンダヘッド2に支
持されている。バルブステム21,22の上端部は、第4図
に示すように、シリンダヘッド2を貫通して動弁室4に
導入されている。そして、吸気バルブ19a,19b,19cおよ
び排気バルブ20a,20bは、そのバルブステム21,22が吸気
用カム軸5および排気用カム軸6と直交する方向に沿っ
て互いに平行に導出されて、これらカム軸5,6の軸方向
に並べられている。
三本の吸気バルブ19a,19b,19cのうち、中央に位置す
る吸気バルブ19bは、両側の吸気バルブ19a,19cに対し気
筒11の径方向外側にオフセットされている。このため、
中央の吸気バルブ19bのボア中心線X2に対する傾斜角α1
は、第4図に示すように、両側の吸気バルブ19a,19cの
傾斜角α2よりも小さく設定されており、これら三本の
吸気バルブ19a,19b,19cのバルブステム21の上端部は、
上記基準線A1と平行をなす同一直線状に位置されてい
る。
また、バルブステム21,22が貫通するシリンダヘッド
2の上面2aには、凸状の受け座24が形成されている。こ
の受け座24上に設置したリング形のスプリングシート25
と、バルブスプリング21,22の上端のリテーナ26との間
には、コイル状のバルブスプリング27が介在されてい
る。バルブスプリング27は、吸気バルブ19a,19b,19cお
よび排気バルブ20a,20bを閉じ方向に付勢しており、本
実施例の場合は、各バルブ19a,19b,19cおよび20a,20bの
リフト量が比較的大きいことから、上記バルブスプリン
グ27としてはコイル素線径の太いものを使用している。
上記受け座24のスプリングシート25との当接面24a
は、カッタによって切削加工が施されるが、本実施例に
おいては、受け座24自体がスプリングシート25よりも小
径に形成され、第5図に示すように、隣り合う受け座24
との間に隙間28が設けられている。したがって、この隙
間28の存在により、受け座24の当接面24aに加工を施す
際に、隣り合う受け座24をカッタで誤って削ってしまう
こともない。
その上、吸気バルブ19a,19b,19c側の受け座24にあっ
ては、中央の吸気バルブ19bと両側の吸気バルブ19a,19c
とで傾斜角が異なるので、第1図および第3図中想像線
で示すように、受け座24の当接面24aの傾斜角度も異な
っている。このため、受け座24が凹状であると、その当
接面24aへの加工が実質的に困難となるが、上記のよう
に受け座24が凸状であれば、当接面24aがシリンダヘッ
ド2の上面2aから突出している分、この当接面24aへの
加工を容易に行なうことができ、作業性が向上すること
になる。
なお、シリンダヘッド2には、上記プラグ装着孔16に
連なるプラグ導入孔29が形成されており、このプラグ導
入孔29は各気筒11の吸気バルブ19a,19b,19cと排気バル
ブ20a,20bとの間に位置されている。
第5図に示すように、シリンダヘッド2はヘッドボル
ト43を介してシリンダブロック1に連結されている。ヘ
ッドボルト43は、吸気用カム軸5および排気用カム軸6
に対応した位置において、夫々一列に並べて配置されて
いるとともに、これら両カム軸5,6よりも内側に位置さ
れている。
ところで、上記吸気用カム軸5は、一気筒につき三個
の吸気カム30を備えているとともに、排気用カム軸6
は、一気筒につき二個の排気カム31を備えている。これ
ら吸気カム30および排気カム31は、夫々ロッカアーム32
を介して吸気バルブ19a,19b,19cのバルブステム21およ
び排気バルブ20a,20bのバルブステム22に接している。
ロッカアーム32は、その一端部が油圧式のラッシュアジ
ャスタ33に支持されており、このラッシュアジャスタ33
によってロッカアーム32とバルブステム21,22との間の
タペットクリアランスが自動的にゼロラッシュに調整さ
れている。
吸気用カム軸5および排気用カム軸6は、その両端部
ばかりでなく、吸気バルブ19a,19b,19cおよび排気バル
ブ20a,20bの間においてもシリンダヘッド2に支持され
ている。
この支持構造について説明を加えると、シリンダヘッ
ド2の上面2aには、各カム軸5,6の両端のジャーナル部5
a,6aを受ける両端軸受部35と、隣り合う吸気カム30の間
のジャーナル部5bならびに排気カム31の間のジャーナル
部6bを受ける中間軸受部36が突設されている。中間軸受
部36は、隣り合う吸気バルブ19a,19b,19cおよび排気バ
ルブ20a,20bの間において、吸・排気用カム軸5,6と直交
する方向に延びている。
そのため、中間軸受部36の一端はシリンダヘッド2の
外周壁34に連なっているとともに、他端は上記プラグ導
入孔29を規定する内周壁29aに連なっている。そして、
中間軸受部36および両端軸受部35の上面には、各ジャー
ナル部5a,5b,6a,6bが回転自在に嵌合する凹部37が形成
されている。
吸気用カム軸5は、カムキャップ38aを介してシリン
ダヘッド2の両端軸受部35および中間軸受部36に回転自
在に支持されている。同様に排気用カム軸6は、カムキ
ャップ38bを介してシリンダヘッド2の両端軸受部35お
よび中間軸受部36に回転自在に支持されている。カムキ
ャップ38a,38bは、両端軸受部35および中間軸受部36の
凹部37と向かい合う他の凹部39を有している。この凹部
39は、凹部37と協働してジャーナル部5a,5b,6a,6bを回
転自在に挟み込んでいる。
吸気用カム軸5を押えるカムキャップ38aと、排気用
カム軸6を押えるカムキャップ38bとは、上記ヘッドカ
バー3と一体化されている。そのため、第1図および第
3図に示すように、ヘッドカバー3は、カムキャップ38
a,38bの間に跨る連結部38cを有し、この連結部38cは、
上記プラグ導入孔29の開口端を横切っている。そして、
連結部38cには、プラグ導入孔29に連なる連結孔38dが形
成されており、この連通孔38dの開口縁部がプラグ導入
孔29の開口縁部に突き合わされている。
ヘッドカバー3は、カムキャップ38a,38bに対応した
位置において、夫々複数のボルト40を介して両端軸受部
35および中間軸受部36に締め付け固定されている。第1
図および第3図に示すように、吸気用カム軸5を押える
カムキャップ38aは、一気筒につき四本のボルト40を介
して中間軸受部36に固定されている。これら四本のボル
ト40は、吸気用カム軸5の軸方向に離間した二箇所にお
いて、夫々吸気カム30の間の一対のジャーナル部5bを挟
んで向かい合う位置に二本を一組として配置されてい
る。
そして、ジャーナル部5bを挟んで向かい合う一つの組
みのボルト40は、第3図に示すように、夫々吸気用カム
軸5のジャーナル部5bの近傍に配置されている。これに
対し、他の組みのボルト40は、第1図に示すように、そ
の一方がジャーナル部5bの近傍に配置されているととも
に、他方がジャーナル部5bよりもヘッドカバー3の連結
部38cの方向に偏移されて、上記連通孔38dやプラグ導入
孔29の近傍に位置されている。
第1図に示すように、中間軸受部36とプラグ導入孔29
の内周壁29aとの連続部分には、肉厚なボス部41が形成
されており、このボス部41に上記他方のボルト40がねじ
込まれている。ボス部41は、第5図からも明らかなよう
に、吸気カム30や吸気バルブ19a,19bの方向に張り出し
ている。このため、本発明に係るエンジンにおいては、
ボス部41と吸気バルブ19a,19bのバルブスプリング27と
の干渉を避けることを目的として、第3図に示すよう
に、上記プラグ装着孔16の中心線X3がボア中心線X2に対
してボス部41から遠ざかる方向に傾斜されており、これ
に伴いプラグ導入孔29や連通孔38dもボア中心線X2に対
し偏心して設けられている。
また、第1図や第3図に示すように、排気用カム軸6
を押えるカムキャップ38bは、一気筒につき二本のボル
ト40を介して中間軸受部36に固定されている。これら二
本のボルト40は、隣り合う排気カム31の間のジャーナル
部6bを挟んで向かい合っているとともに、このジャーナ
ル部6bの近傍に配置されている。
第1図ないし第3図に示すように、吸気バルブ19a,19
b,19cおよび排気バルブ20a,20bの間に位置する中間軸受
部36は、そのバルブスプリング27と向かい合う側面部分
に、このバルブスプリング27との干渉を避けるための貫
通孔45を有している。貫通孔45は、中間軸受部36をカム
軸5,6の軸方向に貫通しており、この貫通孔45内に隣り
合うバルブスプリング27の外周部が入り込んでいる。
この中間軸受部36のうち、ボス部41に連なる中間軸受
部36を除く他の中間軸受部36の貫通孔45は、ジャーナル
部5b,6bが嵌合する凹部37や中間軸受部36のカムキャッ
プ38a,38bとの合面に開口することなく、この中間軸受
部36の側面のみに開口されている。そのため、貫通孔45
の上面は、一定の肉厚を有した壁部46によって閉じられ
ており、この壁部46に上記カムキャップ38a,38bを固定
するボルト40がねじ込まれている。このボルト40の先端
は、貫通孔45の上端に臨んでいる。
そして、第1図および第3図に示すように、三本の吸
気バルブ19a,19b,19cに対応する中間軸受部36の貫通孔4
5および二本の排気バルブ20a,20bに対応する中間軸受部
36の貫通孔45は、夫々カム軸5,6と直交する方向に広が
る開口幅L1およびL2を有している。この吸気バルブ19a,
19b,19c側の貫通孔45の開口幅L1は、排気バルブ20a,20b
側の貫通孔45の開口幅L2よりも大きく定められている。
そのため、吸気バルブ19a,19b,19c側の貫通孔45の吸
気用カム軸5の軸方向から見た場合に、傾斜角度が異な
る中央の吸気バルブ19bのバルブスプリング27と、両側
の吸気バルブ19a,19cのバルブスプリング27とは、共に
貫通孔45の開口幅L1の範囲内に収められている。
なお、ヘッドカバー3の上面には、上記ボルト40を通
すための多数の挿通孔48が開口されている。
このような構成によれば、一気筒につき三本の吸気バ
ルブ19a,19b,19cと二本の排気バルブ20a,20bとを設ける
に当たり、これら吸気バルブ19a,19b,19cおよび排気バ
ルブ20a,20bの間に、カムキャップ38a,38bと協働して吸
気用カム軸5および排気用カム軸6を支持する中間軸受
部36を設けたので、これら両カム軸5,6をバルブスプリ
ング27からの押し上げ力が加わる位置で支持することが
できる。このため、シリンダヘッド2に対するカム軸5,
6の浮き上がりや曲げを防止することができる。
そして、上記構成において、隣り合うバルブスプリン
グ27の間に介在される中間軸受部36に、このバルブスプ
リング27の外周部が入り込む貫通孔45を形成したので、
これらバルブスプリング27と中間軸受部36とが互いに干
渉し合うことはなく、吸気バルブ19a,19b,19cおよび排
気バルブ20a,20bの間でカム軸5,6を支持したにも拘わら
ず、これら吸気バルブ19a,19b,19cおよび排気バルブ20
a,20bの配置間隔を狭めることができる。
したがって、吸気バルブ19a,19b,19cや排気バルブ20
a,20bが気筒11の径方向外側に大きく張り出すこともな
く、その分、シリンダヘッド2のカム軸5,6の方向の寸
法を短く抑えて、エンジンをコンパクト化することがで
きる。
また、中間軸受部36とバルブスプリング27との干渉が
避けられるので、このバルブスプリング27としてコイル
素線径の太いものを使用することができる。このため、
吸気バルブ19a,19b,19cや排気バルブ20a,20bの閉止を確
実に行なえるとともに、高速回転域でもバルブサージン
グを抑えることができ、上記カム軸5,6の浮き上がりを
防止できることと合わせて、吸気バルブ19a,19b,19cや
排気バルブ20a,20bの開閉作動を確実に行なうことがで
きる。
しかも、三本の吸気バルブ19a,19b,19c側の貫通孔45
の開口幅L1は、二本の排気バルブ20a,20b側の貫通孔45
の開口幅L2よりも幅広く形成されているので、隣り合う
吸気バルブ19a,19b,19cの傾斜角度が異なるにも拘わら
ず、これら吸気バルブ19a,19b,19cのバルブスプリング2
7の外周部が貫通孔45の開口範囲内に確実に位置され、
隣り合うバルブスプリング27と中間軸受部36との干渉を
防止することができる。
この際、吸気バルブ19a,19b,19cおよび排気バルブ20
a,20bで囲まれたプラグ導入孔29は、ボア中心線X2に対
し二本の排気バルブ20a,20b側に偏っているので、この
プラグ導入孔29の内周壁29aのうち、三本の吸気バルブ1
9a,19b,19c側の中間軸受部36に連なる部分がボア中心線
X2に近づく。
このため、吸気バルブ19a,19b,19c側の貫通孔45の開
口位置を極力ボア中心線X2の方向に寄せることができ、
三本の吸気バルブ19a,19b,19cのバルブスプリング27と
中間軸受部36との干渉を防止しつつ、吸気バルブ19a,19
b,19cの傾斜角度α1,α2を小さくすることができる。
したがって、吸気バルブ19a,19b,19cの傾斜角度α1,
α2が小さくなる分、シリンダヘッド2の燃焼室12をコ
ンパクトに形成することができ、燃焼効率の向上やシリ
ンダヘッド2のコンパクト化が可能となる。
また、上記構成によると、プラグ導入孔29がボア中心
線X2よりも排気バルブ20a,20b側に偏っているので、貫
通孔45との間に介在される内周壁29aの肉厚が薄くなる
のを防止できる。このため、中間軸受部36に貫通孔45を
開けたにも拘わらず、シリンダヘッド2のプラグ導入孔
29回りの剛性を充分に確保することができる。
加えて、中間軸受部36と協働して吸気用カム軸5を支
持するカムキャップ38aは、そのジャーナル部5bの周囲
において四本のボルト40を介して中間軸受部36に締め付
け固定されているので、一気筒につき三本のバルブスプ
リング27を介して大きな押し上げ力を受ける吸気用カム
軸5をしっかりと押え込むことができる。
しかも、四本のボルト40のうちの一本は、吸気カム軸
5のジャーナル部5bよりもプラグ導入孔29の方向に偏っ
た位置において中間軸受部36にねじ込まれているので、
このボルト40の締め付け力がヘッドカバー3の連結部38
cに確実に伝わる。この結果、ボルト40の本数を増やす
ことなく連結部38cの連通孔38dの開口縁部をプラグ導入
孔29の開口縁部に密着させることができ、プラグ導入孔
29の開口縁部回りのシール性を高めることができるとい
った利点がある。
なお、上記実施例では、カムキャップをヘッドカバー
と一体化したが、本発明はこれに限らず、ヘッドカバー
とは別体のカムキャップをシリンダヘッド上の軸受部に
ボルト締めしても良い。
[発明の効果] 以上詳述した本発明によれば、バルブスプリングと軸
受部との干渉を防止できるので、隣り合う吸・排気バル
ブの間でカム軸を支持したにも拘わらず、一気筒毎の吸
・排気バルブの配置間隔を狭めることができる。したが
って、吸・排気バルブが気筒の径方向外側に大きく張り
出すこともなく、その分、シリンダヘッドのカム軸方向
の寸法を小さく抑えることができる。
また、三本のバルブ側の貫通孔の開口幅は、二本のバ
ルブ側の貫通孔の開口幅よりも幅広く形成されているの
で、三本のバルブの傾斜角度が異なるにも拘わらず、こ
れらバルブのバルブスプリングの外周部を貫通孔の開口
範囲内に確実に位置させることができ、隣り合うバルブ
スプリングと軸受部との干渉を防止できる。しかも、ボ
ア中心付近のプラグ導入孔は、二本のバルブ側に偏って
いるため、このプラグ導入孔の内周壁のうち、三本のバ
ルブ側の軸受部に連なる部分をボア中心線に近づけるこ
とができ、これら三本のバルブ側の貫通孔の開口位置を
極力ボア中心線の方向に寄せることができる。そのた
め、三本のバルブのバルブスプリングと軸受部との干渉
を防止しつつ、これらバルブの傾斜角度を小さくしてシ
リンダヘッドの燃焼室をコンパクトに形成することがで
き、燃焼効率の向上やシリンダヘッドのコンパクト化が
可能となる。
また、プラグ導入孔がボア中心線よりも二本のバルブ
側に偏っているので、貫通孔を幅広く形成したにも拘わ
らず、プラグ導入孔の内周壁の肉厚が薄くなるのを防止
でき、シリンダヘッドにおけるプラグ導入孔回りの剛性
を充分に確保することができる。
加えて、カムキャップのうち、三本のバルブを開閉す
る一方のカム軸に対応する部分は、カム軸を挟んで配置
された四本のボルトにより軸受部に締め付け固定されて
いるので、一気筒につき三本のバルブスプリングを介し
て大きな押し上げ力を受ける一方のカム軸を軸受部と協
働してしっかりと押え込むことができる。
それとともに、このボルトの締め付け力がカムキャッ
プの連結部に確実に伝わるので、ボルトの本数を増やす
ことなく連結部の連通孔の開口縁部をプラグ導入孔の開
口縁部に密着させることができ、プラグ導入孔の開口縁
部のシール性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、 第1図は、第5図中I−I線の部分で断面したシリンダ
ヘッドの断面図、 第2図は、第1図中II−II線に沿う断面図、 第3図は、第5図中III−III線の部分で断面したシリン
ダヘッドの断面図、 第4図は、第5図中IV−IV線の部分で断面したシリンダ
ヘッドの断面図、 第5図は、シリンダヘッドの平面図、 第6図は、燃焼室の概略構成図、 第7図は、ヘッドカバーの平面図である。 2…シリンダヘッド、5,6…カム軸(吸気用カム軸、排
気用カム軸)、11…気筒、19a,19b,19c…吸気バルブ、2
0a,20b…排気バルブ、21,22…バルブステム、27…バル
ブスプリング、29…プラグ導入孔、29a…内周壁、32…
ロッカアーム、36…軸受部(中心軸受部)、38a,38b…
カムキャップ、38c…連結部、38d…連通孔、40…ボル
ト、45…逃げ孔、X2…ボア中心線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02F 1/24 F01L 1/04 F01L 1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気用および排気用の二本のカム軸を備え
    たシリンダヘッドに、一気筒当り吸気バルブ又は排気バ
    ルブのいずれか一方を三本、他方を二本夫々設け、 これら吸気バルブおよび排気バルブを上記吸・排気用の
    カム軸の軸方向に並べて配置するとともに、上記三本の
    バルブのうち、中央のバルブのボア中心線に対する傾斜
    角度を、両側の二本のバルブのボア中心線に対する傾斜
    角度よりも小さく設定し、 これら吸気バルブおよび排気バルブのバルブステムの周
    囲に、夫々のバルブを閉方向に付勢するコイル状のバル
    ブスプリングを配置するとともに、上記各カム軸上のカ
    ムと上記吸気バルブおよび排気バルブとを夫々ロッカア
    ームを介して連動させ、 また、上記シリンダヘッドにおける上記吸気バルブおよ
    び排気バルブで囲まれる気筒のボア中心付近にプラグ導
    入孔を形成した4サイクルエンジンにおいて、 上記シリンダヘッドに、カムキャップと協働して上記吸
    ・排気用の二本のカム軸を回転自在に支持する軸受部を
    形成し、これら軸受部は、隣り合う吸気バルブおよび排
    気バルブの間において、上記カム軸と交差する方向に延
    びて上記プラグ導入孔の内周壁に連なるとともに、この
    軸受部のうち各バルブのバルブスプリングと向かい合う
    側面部分に、このバルブスプリングを避ける貫通孔を形
    成し、 上記三本のバルブ側の軸受部の貫通孔は、二本のバルブ
    側の軸受部の貫通孔と比較した場合に、上記カム軸と交
    差する方向の開口幅が大きく定められているとともに、
    上記プラグ導入孔は、気筒のボア中心線に対し二本のバ
    ルブ側に偏って位置されており、 また、上記吸・排気用のカム軸を押える上記カムキャッ
    プは、互いに一体化されて上記プラグ導入孔の開口端を
    横切る連結部を有し、この連結部に上記プラグ導入孔に
    連なる連通孔を形成するとともに、 このカムキャップのうち三本のバルブを開閉するカム軸
    に対応する部分は、一気筒につき四本のボルトを介して
    上記軸受部に連結され、これらボルトは、上記カム軸の
    軸方向に離間した二箇所において、夫々カム軸を挟んで
    向かい合う位置に配置され、このカム軸を挟んで向かい
    合う二本一組のボルトのうちの一方のボルトは、上記カ
    ム軸の近傍に配置されているとともに、他方のボルト
    は、上記カム軸よりも上記カムキャップの連結部の方向
    に偏移されて、上記プラグ導入孔の近傍に配置されてい
    ることを特徴とする4サイクルエンジン。
JP17895989A 1989-07-13 1989-07-13 4サイクルエンジン Expired - Fee Related JP2883638B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17895989A JP2883638B2 (ja) 1989-07-13 1989-07-13 4サイクルエンジン
EP19900113490 EP0408080B1 (en) 1989-07-13 1990-07-13 Valve and spring arrangement for engine
US07/553,532 US5121718A (en) 1989-07-13 1990-07-13 Valve and spring arrangement for engine
DE1990616709 DE69016709T2 (de) 1989-07-13 1990-07-13 Ventil und Federanordnung für Brennkraftmaschine.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17895989A JP2883638B2 (ja) 1989-07-13 1989-07-13 4サイクルエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0347450A JPH0347450A (ja) 1991-02-28
JP2883638B2 true JP2883638B2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=16057654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17895989A Expired - Fee Related JP2883638B2 (ja) 1989-07-13 1989-07-13 4サイクルエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2883638B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0749007A (ja) * 1994-03-31 1995-02-21 Mitsubishi Motors Corp エンジンのシリンダヘッド構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0347450A (ja) 1991-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4793297A (en) Valve operating mechanism for internal combustion engine
JP2623856B2 (ja) 内燃機関のシリンダヘッド
EP1094213B1 (en) DOHC diesel engine cylinder head
JPH0522041B2 (ja)
JPS6318167A (ja) Sohc型内燃機関
EP0408080B1 (en) Valve and spring arrangement for engine
JPH0347406A (ja) 4サイクルエンジンの動弁装置
JP2883638B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP2750415B2 (ja) 多弁式エンジンの動弁装置
EP1403497B1 (en) Camshaft bearing structure for over-head camshaft type internal combustion engine
EP1344930B1 (en) Internal combustion engine with fuel injection valve
JP2837879B2 (ja) 4サイクルエンジン
JP3272245B2 (ja) 4サイクルエンジンのチェーンカバー構造
EP0994241B1 (en) Valve drive mechanism for DOHC engine
JP2584601B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JPS6136552A (ja) 内燃機関のカム軸駆動装置
JP2002276308A (ja) 4サイクルエンジンのカム軸支持構造
JP3415180B2 (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JPH0245444Y2 (ja)
JP3133983B2 (ja) 4サイクルエンジンの潤滑装置
JP2634799B2 (ja) 内燃機関の動弁機構
JPS6212812Y2 (ja)
JPS61160508A (ja) 4弁式エンジン
JPH0636282Y2 (ja) エンジンのシリンダヘッド構造
JPH073001Y2 (ja) 多気筒直列型エンジン

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees