JP2883256B2 - エポキシ化植物油組成物 - Google Patents
エポキシ化植物油組成物Info
- Publication number
- JP2883256B2 JP2883256B2 JP593293A JP593293A JP2883256B2 JP 2883256 B2 JP2883256 B2 JP 2883256B2 JP 593293 A JP593293 A JP 593293A JP 593293 A JP593293 A JP 593293A JP 2883256 B2 JP2883256 B2 JP 2883256B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- odor
- vegetable oil
- epoxidized vegetable
- weight
- epoxidized
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
物に関し、詳しくはエポキシ化植物油に特定のフェノー
ル化合物または特定のホスファイト化合物を添加するこ
とにより、臭気の改善されたエポキシ化植物油組成物に
関する。
シ化植物油は、天然に産する植物油を過酸化水素、過酢
酸等のエポキシ化剤(酸化剤)で酸化させることによっ
て製造されたものであり、特に、塩化ビニル系樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂の安
定剤兼可塑剤として従来から使用されており、またエポ
キシ化植物油が無毒性のために食品包装用材料への使用
が効果的であった。
にエポキシ化植物油を使用した配合では、加工時に刺激
臭を発したり、また製品となった後も臭気が残るという
欠点を有している。この臭気はエポキシ化植物油の製造
時に生成する過酸化物および/または過酸化物の分解に
よって生じる低沸点物に由来すると考えられていた。こ
のため、過酸化物および低沸点物を除去することによっ
て臭気を改善しようとする試みも行なわれており、ナト
リウムボロハイドライド等の還元剤で処理したり低沸点
物を除去することが行なわれていた。しかしながら、こ
のような方法で過酸化物および低沸点物を低減させた場
合にも、特に長期間保存したエポキシ化植物油を用いた
場合には同様の臭気の問題が著しく発生し、これらの処
理による効果は一時的なものでしかなかった。このた
め、保存時の安定性を改善するために、2,6−ジ第三
ブチル−p−クレゾール等の酸化防止剤を添加すること
が検討されているが、臭気を改善する効果が極めて小さ
いばかりでなく、合成樹脂に配合した場合に着色を与え
る欠点もあった。また、合成樹脂の加工の際には、通常
フェノール系、リン系等の酸化防止剤が添加されるが加
工時に添加する酸化防止剤はエポキシ化植物油の臭気の
改善には全く効果がみとめられなかった。
め、安定剤兼可塑剤として添加された場合、合成樹脂製
品の諸物性に悪影響を及ぼすことなく、エポキシ化植物
油に由来する臭気を抑制することが強く要望されてい
た。
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ化植物油に、
特定のフェノール化合物または特定のホスファイト化合
物を添加することによって、加工時および製品の臭気を
抑制することを見出し、本発明に到達した。
量部に、下記式(I)で表されるフェノール化合物およ
び/または下記式(II)で表わされるホスファイト化合
物の群から選ばれた少なくとも一種0.001〜5重量
部を添加してなるエポキシ化植物油組成物を提供するも
のである。
に、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエス
テル樹脂等の合成樹脂の安定剤兼可塑剤として用いられ
るものであり、エポキシ化植物油が無毒性のために食品
包装用材料に効果的に使用される。以下、上記要旨をも
ってなる本発明について詳述する。
ては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ
油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油など
があげられる。
るフェノール化合物としては、例えば、次に示す様な化
合物があげられる。
るホスファイト化合物としては、例えば、以下の化合物
があげられる。
スファイト化合物をエポキシ化植物油に添加するに際
し、その添加量がエポキシ化植物油100重量部に対
し、0.001重量部以下ではほとんど効果を示さず、
逆に添加量が5重量部より多く使用た場合にはその増量
効果はほとんどなく、それに加えてエポキシ化植物油の
保存性を低下させる可能性が大きい。
たはホスファイト化合物の添加量は、エポシ化植物油1
00重量部に対して、0.001〜5重量部で、好まし
くは0.005〜1重量部、より好ましくは0.01〜
1重量部である。
明するが、本発明は下記の実施例によって制限を受ける
ものではない。
対し、添加剤(表−1)0.1重量部を加え、60℃で
1時間攪拌混合し、エポキシ化大豆油組成物を得た。臭
気は、酸化分解により生じた低沸点物が原因となって生
じるものであると考えられるので、上記エポキシ化植物
油組成物を70℃のギヤーオーブン中に入れ、7日間お
よび14日間酸化分解を促進させた試料並びに上記オー
ブン中に入れる前の試料(オリジナル)について、それ
ぞれ過酸化物価を測定してそれらの酸化劣化状況を確認
した。また、200℃で1時間加熱後の試料についてガ
スクロマトグラフィー(GC)により低沸点分の飛散状
態を確認した。
下記の設定条件にて、低揮発成分で臭気に影響があると
考えられる試料投入から10分までのピーク面積を測定
し、添加剤未添加品に対する面積比で表した。
に行なった。150℃で2時間加熱後、無作為に抽出し
たパネラー20人に対して不快な臭気の有無の調査を行
ない、下記の評価基準のように判定した。
に、添加剤〔表2〕0.2重量部を加え、60℃で1時
間攪拌混合し、エポキシ化大豆油組成物を調製した。こ
れを90℃のギヤーオーブン中に入れ、7日間および1
4日間酸化分解を促進させた試料並びに上記オーブン中
に入れる前の試料(オリジナル)について、それぞれ過
酸化物価を測定した。また、ガスクロマトグラフィー
(GC)試験および官能試験については実施例1と同様
に行なった。
に、添加剤〔表3〕0.1重量部を加え、60℃で1時
間攪拌混合し、エポキシ化大豆油組成物を得た。これを
用いて下記試験を行なった。
分でロール混練し、1mmにシート上げし、その時の官
能による臭気判定を行なった。さらにシート上げしたシ
ートに関しても官能および臭気センサー(ポータブル型
ニオイセンサXP−329型、新コスモス電機(株)
製)を用いた臭気判定を行なった。
値の大きい程臭気が大きいことを表す。加工時は1人
で、シートは15人の平均を取った。また、臭気センサ
ーによる評価は、厚さ1mmで5cm×20cmのシー
トを100ccのサンプルびんに入れ、密栓して30℃
の恒温槽に1時間入れ、密栓を開けた直後に臭気センサ
ーで臭気判定した。この際清浄空気の部屋で予め200
の値をとっておき、これをブランクとし、表にはこの2
00を差し引いた値を示した。
するため、190℃のギヤーオーブンでの黒化時間を測
定し、ロール上げ直後と190℃、45分劣化後のシー
トの着色を目視により評価した。着色性の評価は10段
階で1が着色のない状態を表し、数値の増大に伴って着
色は大きくなる。
に、添加剤〔表1〕0.1重量部を加え、60℃で1時
間攪拌混合し、エポキシ化アマニ油組成物を得た。これ
を用いて以下の試験を行なった。
なった。
物油は、その初期の過酸化物価の大小に関わらず長時間
加熱することにより酸化物が増大し、かつ臭気の原因と
考えられる低分子揮発成分の発生も大きく、ヒトの臭覚
による官能試験でも確認されたように臭気の発生が著し
い。それを改善するために本発明以外のフェノール化合
物を用いた場合には、改善効果が小さいばかりでなく、
合成樹脂に配合した場合に着色を与えるという欠点もあ
る。また、本発明に使用されるフェノール化合物をエポ
キシ化植物油に添加せずに樹脂の配合剤として別に添加
しても全く臭気抑制効果はみられない。これに対し、特
定のフェノール化合物あるいはホスファイト化合物を添
加してなる本発明の組成物においては、著しい改善効果
がみられ、過酸化物価の増大および低分子揮発成分の生
成が低減され、臭気の発生が防止されるのみならず合成
樹脂に配合した場合にも熱安定性、着色性になんらの悪
影響も及ぼさない。
合物または特定のホスファイト化合物を添加してなる本
発明のエポキシ化植物油組成物は、臭気が良好で、特に
樹脂に添加した場合に、加工時および製品の臭気の著し
く抑制された樹脂組成物を提供する。
Claims (1)
- 【請求項1】エポキシ化植物油100重量部に、下記式
(I)で表されるフェノール化合物および/または下記
式(II)で表わされるホスファイト化合物の群から選ば
れた少なくとも一種0.001〜5重量部を添加してな
るエポキシ化植物油組成物。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593293A JP2883256B2 (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | エポキシ化植物油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593293A JP2883256B2 (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | エポキシ化植物油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06212185A JPH06212185A (ja) | 1994-08-02 |
JP2883256B2 true JP2883256B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=11624675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP593293A Expired - Fee Related JP2883256B2 (ja) | 1993-01-18 | 1993-01-18 | エポキシ化植物油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2883256B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602007000475D1 (de) | 2006-03-28 | 2009-03-05 | Sumitomo Rubber Ind | Verfahren zur Herstellung eines ölhaltigen Gummis für Autoreifen, ölhaltiges Gummi für Autoreifen sowie Gummizusammensetzung und Autoreifen damit |
CN104428291B (zh) * | 2012-07-13 | 2016-09-07 | 巴斯夫欧洲公司 | 作为有机材料稳定剂的二-[3-(7-叔丁基-2-氧代-3-苯基-3h-苯并呋喃-5-基)丙酰基]聚乙二醇衍生物 |
JP6433726B2 (ja) | 2014-08-27 | 2018-12-05 | 株式会社Adeka | 熱安定剤組成物およびこれを用いた合成樹脂組成物 |
EP3769322A4 (en) | 2018-03-21 | 2022-01-12 | Cargill, Incorporated | MINERAL OIL AND SYNTHETIC ESTER DIELECTRIC FLUIDS WITH INCREASED STABILITY |
-
1993
- 1993-01-18 JP JP593293A patent/JP2883256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06212185A (ja) | 1994-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE3038930C2 (ja) | ||
DE2300504B2 (de) | Hitzehaertbare organopolysiloxanformmassen | |
US4123400A (en) | Heat-stabilized PVC compositions | |
EP0642548B1 (en) | Electrical grade polyvinyl chloride resin composition stabilized with a non-lead stabilizer | |
US4269743A (en) | Low toxicity vinyl halide stabilizer compositions | |
DE69416861T3 (de) | Stabilisierte vinylchlorid zusammensetzung | |
JP2883256B2 (ja) | エポキシ化植物油組成物 | |
DE1817465A1 (de) | Antischleiermittel fuer Polyvinylchloridharze und Massen hierfuer | |
CN106631806B (zh) | 混合多元醇酯及其在卤代乙烯基聚合物加工中的应用 | |
US4269744A (en) | Vinyl halide stabilizer compositions | |
FR2459816A1 (fr) | Procede ameliore de stabilisation thermique de compositions a base de chlorure de polyvinyle | |
JPH11508305A (ja) | オーバーベースpvc安定剤 | |
JPH02269145A (ja) | 食品包装用塩化ビニル系樹脂組成物 | |
JP3556022B2 (ja) | 低臭化塩化ビニル系樹脂フィルム用組成物及びフィルム | |
DE2523909A1 (de) | Physiologisch unbedenkliche stabilisatorkombinationen fuer halogenierte polyolefine | |
DE2446116C2 (de) | Stabilisatorkombinationen fuer halogenhaltige polymere | |
TWI286560B (en) | Stability improvement of aluminum hydroxide in PVC compound | |
JPS6361340B2 (ja) | ||
JPH01170632A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP4248448B2 (ja) | 食品包装用塩化ビニル系樹脂ラップフィルム | |
JPH0819293B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
RU2456313C1 (ru) | Пластификатор и полимерная композиция на его основе | |
JPS6142541A (ja) | 架橋塩化ビニル系樹脂及びその製造方法 | |
JP2809548B2 (ja) | 安定化された塩素含有樹脂組成物 | |
JPH0315939B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080205 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100205 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110205 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 12 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110205 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120205 Year of fee payment: 13 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |