JPH0819293B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JPH0819293B2
JPH0819293B2 JP12339387A JP12339387A JPH0819293B2 JP H0819293 B2 JPH0819293 B2 JP H0819293B2 JP 12339387 A JP12339387 A JP 12339387A JP 12339387 A JP12339387 A JP 12339387A JP H0819293 B2 JPH0819293 B2 JP H0819293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
evoh
resin composition
hindered phenol
oxidative deterioration
odor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12339387A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63286459A (ja
Inventor
潔 米津
明正 青山
健 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14859453&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0819293(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP12339387A priority Critical patent/JPH0819293B2/ja
Publication of JPS63286459A publication Critical patent/JPS63286459A/ja
Publication of JPH0819293B2 publication Critical patent/JPH0819293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体
(以下EVOHと記す)に、ヒンダードフェノール基を有す
るアミド類を含有させた熱安定性の極めて良好なEVOH樹
脂組成物に関する。
B.従来の技術 EVOHはガスバリヤー性と高透明性を有し、耐油性、保
香性にすぐれた有用な高分子材料であり、フイルム、シ
ート、容器などに広く用いられる。
EVOHは通常エチレン−酢酸ビニル系共重合体に苛性ア
ルカリを加えてケン化することにより得られるが、該ケ
ン化物をそのまま溶融成形する場合は、熱分解しやす
く、溶融粘度が著しく低下するとともに、激しく着色し
て使用できない。この改善にについて、従来多くの方策
が講じられている。例えば、EVOHを水で充分洗浄した
り、酸を添加あるいは酸溶液に浸漬するなどの操作によ
って、ある程度改善されることは、特公昭46-37664号、
特開昭48-25048号、特開昭51-88544号、特開昭51-88545
号、特公昭55-19242号などに記載されている。またある
種の金属塩の熱安定化効果が著しいとして金属塩を添加
し、溶融成形性を改善することも例えば特開昭52-954
号、特開昭52-955号、特開昭56-41204号などに開示され
ている。しかし、これらは酸素の存在しない系、あるい
は極めて少ない系で有効な技術であるが、酸素共存下で
は必ずしも効果が充分でなく、酸化劣化を受けやすい。
酸化劣化に対する防止技術についても、特公昭51-586
0号、特開昭48-84848号、特開昭48-101440号等が開示さ
れており、ヒンダードフェノール基を有するエステル
類、ビスフェノール化合物、イオウ系化合物、ある種の
アミン誘導体等をEVOHに添加することが提案されてい
る。しかし、これらの技術も酸化劣化に対する効果が必
ずしも充分でなく、またEVOHに対する相溶性の不良に起
因すると推定される、成形後のブルーミング、ブリード
等に問題があり、とうてい満足な技術とは言い難い。ま
た、特公昭46-16483号にはヒンダードフェノール基を有
するアミド類を、酸化劣化を受け易い有機物質の安定剤
として用いることが提案されているが、ヒンダードフェ
ノール基を有するアミド類をEVOHに配合すること、さら
にそうすることによりどのような優れた効果が発現され
るのかについては開示されていない。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明は、熱酸化劣化に対して極めて安定で、かつ臭
気もなく、透明性、色相の優れた成形物が得られるEVOH
組成物を得んとするものである。
D.問題点を解決するための手段 EVOHに、一般式 (式中、Rはt−ブチル基、nは1〜4の整数、mは4
〜10の整数)で表わされるヒンダードフェノール基を有
するアミド類を0.001〜5重量%含有させたEVOH組成物
である。
E.発明のより詳細な説明 本発明のEVOHとはエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物または第3成分として、酢酸ビニル成分に対して10
モル%以下のオレフイン性不飽和単量体を共重合した
後、ケン化して得られるエチレン−酢酸ビニル系共重合
体ケン化物で、エチレン含有量20〜60モル%、好ましく
は20〜55モル%で、かつ共重合体の酢酸ビニル成分のケ
ン化度が90%以上のものが好適である。エチレン含有量
が20モル%より小さいと、成形物の耐水性、耐熱水性等
の性能が低下するばかりでなく、EVOH自身がゲル化しや
すくなり、本発明による効果が発現し難くなる。またエ
チレン含有量が60モル%を越えるか、あるいはケン化度
が90%未満ではガスバリヤー性が低下し、EVOH本来の特
性を保持しえなくなる。
EVOHは通常エチレン−酢酸ビニル系共重合体のアルコ
ール溶液中に苛性アルカリまたはアルカリ金属アルコラ
ートを加えてケン化した後、ケン化時に副生する酢酸ソ
ーダ等を水で洗浄して除去することによって得られる。
しかしこのまま溶融成形すると、熱分解が激しく溶融粘
度が著しく低下するとともに激しく着色して使用できな
い。そこで酸を添加、あるいは酸溶液に浸漬、又はある
種の金属塩と酸を組合せて添加するなどの操作がとら
れ、このような方法により成形性が改良されることは一
般に知られている。特に特公昭55-19242号、特公昭51-9
1988号、特公昭52-954号、特開昭52-955号、特開昭56-4
1204号に開示されているように、前記のような酸、又は
ある種の金属塩と酸の組合せを添加する処理によって外
観良好な溶融成形物が得られることが明らかになってい
る。しかし、これらの技術は酸素の共存しない系、ある
いは極めて少ない系では有効であるが、酸素が共存する
系では必ずしも充分でなく、熱酸化劣化に起因するEVOH
の着色、ゲル化等を充分に防止することができない。
また熱酸化劣化を防止する観点からも各種の技術が知
られている。ポリオレフィンの酸化防止剤として最も広
く用いられるものとして、3,5-ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシトルエン(BHT)が代表例としてあげられる
が、BHTはEVOHの熱酸化劣化防止にはほとんど効果を示
さない。またEVOHに対して例えば、ヒンダードフェノー
ル基を有するエステル類(例えば、t−ブチル−3,5-ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテートな
ど)を添加する(特公昭51-5860号)、あるいはビスフ
ェノール系化合物及びイオウ系化合物(例えば2,2'−メ
チレンビス(4-メチル−6−t−ブチルフェノール)及
びジラウリルチオジプロピオネートなど)を添加する
(特開昭48-84848号)、あるいはフェニル基、ナフチル
基を有するアミン誘導体(例えばN-フェニル−α−ナフ
チルアミンなど)を添加する(特開昭48-101440号)等
が開示されている。しかし、これらの各種添加剤におい
ても、熱酸化劣化に起因するEVOHの着色、ゲル化の防
止、成形時の添加剤の揮発、EVOHと添加剤の相溶性不良
にもとづくと推定される成形物のブルーミング、成形物
からのブリードアウトあるいは成形物の臭気など総合的
に満足なものは見出されていない。
かかる観点から本発明者らは鋭意研究した結果、 一般式 (式中、Rはt−ブチル基、nは1〜4の整数、mは4
〜10の整数)で表わされるヒンダードフェノール基を有
するアミド類が、熱酸化劣化に起因するEVOHの着色、ゲ
ル化を防止し、成形時の揮散、成形後のブリードアウ
ト、成形物の臭気、透明性不良もほとんどないことを見
出し、本発明を完成するに至った。
本発明における前記ヒンダードフェノール基を有する
アミド類として代表的なものを例示すれば、 等があげられる。一般式中でnは1〜4、mは4〜10の
整数であり、この範囲をはずれた化合物は、EVOHとの相
溶性不良にもとづくと思われる悪影響を生じたり、また
成形時の揮散が増加する等好ましくない結果となる。
これらヒンダードフェノール基含有アミド類のEVOHへ
の添加量は、EVOHに対して0.001〜5重量%、好ましく
は0.01〜1重量%の範囲から選ばれる。0.001重量%以
下ではその効果は充分に発現せず、また5重量%を越え
るとEVOHと相溶する範囲を越えて成形物の外観を悪化さ
せるばかりでなく、経済性の点からも好ましくない。こ
れらヒンダードフェノール基を有するアミド類のEVOHへ
の添加方法は、ケン化後EVOH溶液に添加する方法、EVOH
水洗時、あるいは乾燥時、乾燥後添加する方法等、任意
の方法により添加することが可能である。
本発明によるヒンダードフェノール基含有アミド類の
添加による熱酸化劣化防止は、前記の従来技術による溶
融成形時の劣化防止法、即ち、特公昭55-19242号、特開
昭51-71988号、特開昭52-954号、特開昭52-955号、特開
昭56-41204号等に明示されている酸、あるいはある種の
金属塩と酸の組合わせを添加する方法と併用しても何ら
その効果が阻害されるものではない。
以下実施例をあげて更に本発明を説明する。実施例中
の%は、特にことわりない限り重量%を示す。
F.実施例 実施例1、対照例1 エチレン含有量38モル%、ケン化度99.4%、メルトイ
ンデックス3.8g/10分(190℃、荷重2160g条件下)の、
精製したEVOH粉末に、N,N'-テトラメチレンビス(3,5-
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−n−プロピ
ルアミド)粉末をEVOHに対し0.05%ドライブレンドした
樹脂組成物の熱酸化劣化性及びその他特性について調べ
た結果を、同時に行った無添加品の対照例を併せて表1
に示す。
表1各種特性の測定方法は次の通りである。
(1)ゲル化性 東洋精機製ラボプラストミルを用い、エアー雰囲気下
220℃、90rpmで試料を混練し、ゲル化の進行によるトル
クの上昇速度が1.5kg・cm/分以上になる迄の時間(分)
で示す。
(2)着色 試料を230℃、50kg/cm2Gで10分間プレスし、得られ
たシートの着色程度を調べ、以下のように示す。
〇ほとんど着色なし、△少し着色、×激しく着色 (3)臭気 (2)で得られたシートを常温迄冷却後臭気を調べ以
下のように示す。
〇臭気ほとんど感じない、△臭気少し感じる、×臭気激
しく感じる (4)透明性 (2)で得られたシートの透明性を調べ以下のように
示す。
〇透明性大、△透明性やや不良、×透明性不良 (5)揮散性 (2)で得られたシート中に残存する添加物量を紫外
分光光度計で測定して、初めに添加した量に対する残存
割合(%)で示す。
表1の結果より、本発明による樹脂組成物が熱酸化劣
化防止性に極めて優れていることが明らかである。
実施例2〜5、対照例2〜5 エチレン含有量29モル%、ケン化度92.2%、メルトイ
ンデックス3.3g/10分(210℃、荷重2160g条件下)の精
製したEVOH粉末に本発明によるヒンダードフェノール基
含有アミド類粉末をドライブレンド(一部ある種の酸、
金属塩を併用)した樹脂組成物を、実施例1で示した方
法により各種特性を調べ表2-1、2-2に示した。対照例と
して上記のEVOHに、本発明以外の熱酸化劣化防止剤を添
加した樹脂組成物の結果を併記した。
実施例6〜10 実施例2で示したEVOHを用いて、N,N'-オクタメチレ
ンビス(3,5-ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル
エチルアミド)の添加量を変えた樹脂組成物を作製し、
実施例1で示した方法により各種特性を評価した。結果
を表3に示す。
G.発明の効果 本発明によって、熱酸化劣化に対して極めて安定なEV
OH組成物が得られ、この組成物を用いて臭気がなく、色
相、透明性に優れた成形物を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−ビニルアルコール系共重合体
    に、 一般式 (式中、Rはt−ブチル基、nは1〜4の整数、mは4
    〜10の整数)で表わされるヒンダードフェノール基を有
    するアミド類を0.001〜5重量%含有させた樹脂組成
    物。
JP12339387A 1987-05-19 1987-05-19 樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH0819293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12339387A JPH0819293B2 (ja) 1987-05-19 1987-05-19 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12339387A JPH0819293B2 (ja) 1987-05-19 1987-05-19 樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63286459A JPS63286459A (ja) 1988-11-24
JPH0819293B2 true JPH0819293B2 (ja) 1996-02-28

Family

ID=14859453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12339387A Expired - Fee Related JPH0819293B2 (ja) 1987-05-19 1987-05-19 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0819293B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5032632A (en) * 1990-05-15 1991-07-16 E. I. Du Pont De Nemours And Company Oxidation-resistant ethylene vinyl alcohol polymer compositions
US6060445A (en) * 1997-03-31 2000-05-09 Eval Company Of America Polymer cleaning compositions and methods
PL2554592T3 (pl) 2010-03-31 2016-07-29 Kuraray Co Kompozycja żywicy, wyrób formowany, rura wielowarstwowa i metoda ich wytwarzania
CN110730806B (zh) 2017-06-27 2022-12-09 三菱化学株式会社 乙烯-乙烯基醇系共聚物组合物、粒料、多层结构体、及多层管
JP7251145B2 (ja) 2017-11-22 2023-04-04 三菱ケミカル株式会社 エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物、溶融成形用材料および多層構造体、ならびに多層パイプ

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63286459A (ja) 1988-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4268637A (en) Elimination of bloom in [vul-cup] peroxide crosslinked elastomer compounds
JPH0819293B2 (ja) 樹脂組成物
JPS6016976B2 (ja) 安定化された架橋エチレン系重合体組成物
JPS5946981B2 (ja) 改良されたビニルハライド安定剤組成物
TW200427750A (en) Thermal stabilizer compositions for halogen-containing vinyl polymers
EP0604944B1 (en) Ethylene polymer compositions
JPH02258852A (ja) ポリプロピレンフイルム
JP2505076B2 (ja) 熱安定性及び透明性を改善した食品包装フイルム用塩素含有樹脂組成物
JPH09272719A (ja) ポリビニルアルコール系熱溶融性樹脂組成物
US4304887A (en) Ethylene/carboxylic acid copolymers
JP2006232905A (ja) 樹脂用マスターバッチ
JPH023424B2 (ja)
JPS6136356A (ja) 重合体組成物
WO2006090485A1 (ja) 樹脂用マスターバッチ
JPS58194937A (ja) 重合体組成物
JPH04279643A (ja) ポリエチレン系樹脂フィルム用防曇剤組成物
JPS63130648A (ja) ポリオレフイン組成物
JP2007197605A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物及びストレッチフィルム
JPS59223743A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH10265634A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH10219059A (ja) 食品包装用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3374291B2 (ja) スチレン系樹脂フィルム用防曇剤
JP2012087310A (ja) 樹脂用マスターバッチ
JPS61252256A (ja) 難燃性プロピレン重合体組成物
JPS5914060B2 (ja) 粘着性ポリエチレンフイルム

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees