JP2882716B2 - 偏光板 - Google Patents

偏光板

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JP2882716B2
JP2882716B2 JP4177380A JP17738092A JP2882716B2 JP 2882716 B2 JP2882716 B2 JP 2882716B2 JP 4177380 A JP4177380 A JP 4177380A JP 17738092 A JP17738092 A JP 17738092A JP 2882716 B2 JP2882716 B2 JP 2882716B2
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和彦 間
光郎 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐久性に優れた偏光板に
関する。
【0002】
【従来の技術】LCD(液晶デスプレイ)に使用される
偏光板は、偏光フィルム単独では耐久性等実用に耐えな
いため、片面あるいは両面に透明な合成樹脂のフィルム
またはシートが保護用に貼着された構造になっている。
偏光板支持板と呼称されているこの保護用のフィルムま
たはシートとして、従来、セルローストリアセテート樹
脂(以下TACと略記する)の透明フィルムまたはシー
トが使用されてきた。
【0003】しかしながら、TACを支持板とした偏光
板においては、TACのフィルムまたはシートの透湿性
が高いため、透過した水分による偏光フィルムの劣化の
防御がいまひとつ満足できるものでなく、高温高湿条件
で偏光板が脱色するなどの問題があり、LCDの車載化
などLCDの使用環境の拡大に伴い、耐久性の向上した
偏光板が望まれていた。
【0004】偏光板支持板として、透明性に優れたアク
リル樹脂の延伸フィルムまたはシート、またエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物を流延製膜して得られるフ
ィルムを使用した偏光板も提案されているが、アクリル
樹脂の延伸フィルムまたはシートはそれ自体が耐熱性に
劣る欠点があり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物のフィルムは透明性に劣り、また製法が流延法に限ら
れ、溶剤回収など環境上問題があるなどの欠点があり、
いずれも満足できるものではない(特開第昭55−15
5307号、特公平3−23881号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記従
来の問題点の解決にあり、すなわち偏光板特性に優れ、
かつ耐久性の改良された偏光板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題の
解決に関し鋭意検討した結果、ある種の脂環式ポリカー
ボネート系樹脂のフィルムまたはシートが、驚くべきこ
とに、透湿性が低く、透明性、吸湿寸法安定性および耐
熱性に優れており、偏光板支持板として優れていること
を見出し本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の目的は、偏光フィルム
の片面または両面に、下記一般式[1]〜[3]で表さ
れる繰返し単位から構成され、一般式[1]で表される
繰返し単位(以下、「一般式[m]で表される繰返し単
位」を単位[m]と略記する場合がある)のモル分率
(x)は単位[2]のモル分率(y)と単位[3]のモ
ル分率(z)の合計モル分率(y+z)に実質的に等し
く、単位[2]のモル分率(y)は20モル%以上50
モル%以下の範囲である脂環式ポリカーボネート系樹脂
のフィルムまたはシートが積層されていることを特徴と
する偏光板によって達成される。
【0008】
【化2】 ただし、一般式[1]において、nは0、1または2で
あり、一般式[3]において、Aは炭素数が20以下の
2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基ま
たは芳香族炭化水素基である。
【0009】偏光フィルムとしては、公知の偏光性能を
有するフィルム、例えばポリビニルアルコール系フィル
ム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィル
ム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィル
ムのごとき親水性高分子フィルムに、ヨウ素または二色
性染料を吸着させた偏光フィルム、ポリアルコールの脱
水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物のごときポリ
エン配向フィルムからなる偏光フィルムなどが使用でき
る。親水性高分子フィルムに、ヨウ素または二色性染料
を吸着させた偏光フィルム、特にポリビニルアルコール
系フィルムにヨウ素を吸着させた偏光フィルムは偏光特
性に優れ好ましい。偏光フィルムの厚みは、本質的に限
定されるものでないが、通常5〜100μのものが使用
される。
【0010】偏光板支持板として使用される脂環式ポリ
カーボネート系樹脂(以下は脂環式ポリカーボネート樹
脂と略記する)のフィルムまたはシートは、10〜50
0μ、特に20〜300μの厚みのものが一般に使用さ
れる。厚みが薄すぎると保護効果が不十分となり、また
厚すぎた場合には偏光板の厚みが厚くなり取扱性が損わ
れ一般に好ましくない。
【0011】脂環式ポリカーボネート樹脂の、一般式
[1]の構造単位の含有量(x)は実質的に50モル%
である。一般式[2]の構造単位の含有量(y)は20
〜50モル%であり、好ましくは30〜50モル%であ
る。含有量が20モル%未満では透湿率が高くなる傾向
があり好ましくない。一般式[3]の構造単位の含有量
(z)は基本的に50−yモル%である。
【0012】一般式[1]の構造単位は具体的には以下
のものであり、特にnが1または2である繰返し単位で
ある場合、フィルムまたはシートの耐熱性が高く好まし
い。
【0013】n=0の場合
【0014】
【化3】 n=1の場合
【0015】
【化4】 n=2の場合
【0016】
【化5】 また一般式[3]の構造単位は具体的には例えば以下の
ものが挙げられる。
【0017】Aが飽和脂肪族炭化水素の場合
【0018】
【化6】 Aが飽和脂環式炭化水素の場合
【0019】
【化7】 Aが芳香族炭化水素の場合
【0020】
【化8】 偏光板支持板としては、一般に低複屈折性であることが
要求され、この場合成形する際多少の配向が生じても複
屈折性の少ないフィルムまたはシートが得られる、配向
複屈折性の少ない飽和脂肪族炭化水素または飽和脂環式
炭化水素構造が好ましく選択される。特に、Aが飽和脂
環式炭化水素の場合耐熱性が高く、また吸湿寸法安定性
に優れ好ましい。
【0021】偏光板が、位相差フィルムと組合されて使
用される用途においては、Aとして一部芳香族炭化水素
構造を選択し、フィルムまたはシートを延伸して、偏光
板支持板に位相差フィルムの機能を兼備させることがで
きる。
【0022】一般式[1]および一般式[3]で表され
る構造単位はそれぞれ1種類だけであっても2種類以上
が混合されていてもよい。また本発明の効果を損わない
範囲で他の構造単位を含んでいてもよい。その置換量は
通常10モル%以下である。
【0023】脂環式ポリカーボネート樹脂の分子量は数
平均分子量で10000〜200000(ポリスチレン
換算)であることがよく、更に好ましくは20000〜
150000がよい。分子量が低いと支持板の機械的強
度が不十分となり、大きすぎると支持板の成形が困難と
なる。
【0024】また、脂環式ポリカーボネート樹脂中のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マ
ンガン、アンチモン、ゲルマニウムまたはこれら金属の
化合物の含有量が金属元素濃度で5ppm以下である場
合、押出成形による製膜工程等で着色が少なく、特に低
着色の要求される用途に好ましい。従来、樹脂の製造に
おいてこれらの金属または金属の化合物が重合触媒とし
て使用され樹脂中に混入したまま使用されていたが、本
発明者等は、これらの金属または金属化合物がフィルム
またはシートにわずかに存在する着色の原因になり
これらの混入を実質的になくすることで着色が抑制でき
ることを見出した。このようなものは、例えば樹脂の製
造においてテトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチル
アンモニウム等のホウ素酸エステルを重合触媒として使
用する新規な方法で達成できる。
【0025】脂環式ポリカーボネート樹脂は、対応する
酸やそのエステル、酸塩化物(一般式[2]であらわさ
れる構造単位にはホスゲン)、酸無水物、ジオールやそ
のエステルもしくはアルコキシド等の原料より、公知の
方法により製造することができる(特開平2−6951
9号)。触媒としては、テトラアルキルオルソチタネー
ト、酢酸亜鉛、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、カ
リウム−t−ブトキシドやナトリウムメトキシド等の種
々のアルコキシド、リチウムやナトリウム等のアルカリ
金属、水素化リチウムや水素化ナトリウム等のアルカリ
金属の水素化物などの公知の触媒が使用できる。またテ
トラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
等のホウ素酸エステルを触媒とする新規な方法で製造で
きる。
【0026】脂環式ポリカーボネート樹脂には、本発明
の効果を損わない範囲で、可塑剤、染顔料、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、および滑剤などの樹脂改質剤を添加、
あるいは他の樹脂をブレンドすることができる。
【0027】フィルムまたはシート形状に成形する方法
としては公知の方法が採用できるが、押出成形法が好ま
しい方法として挙げられる。押出成形における溶融温度
としては、通常180〜350℃の範囲の温度が使用さ
れ、特に200〜300℃が好ましく使用される。
【0028】脂環式ポリカーボネートのフィルムまたは
シートは延伸されていてもよく、低複屈折性が要求され
る場合には、大きな配向複屈折を生じさせる芳香族環を
含まない組成の樹脂の延伸フィルムまたはシートが使用
でき、偏光板支持板に位相差フィルムの機能を兼備させ
る場合には、芳香族環を含む組成の樹脂の延伸フィルム
またはシートが使用される。
【0029】延伸により耐折強度など機械的強度が改善
され、取扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオ
リエンテーションリリースストレス(ASTM D15
04、以下ORSと略記する)が3〜30Kg/cm 2
であるものが機械的強度が改善され好ましい。ORSは
延伸フィルムまたはシートに凍結されている、延伸によ
り生じた内部応力である。
【0030】延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹
脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、
50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テン
ター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、イ
ンフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1
〜3.5倍が好ましく用いられる。
【0031】本発明の偏光板は、一般に偏光フィルムの
両面に脂環式ポリカーボネートのフィルムまたはシート
を支持板として積層した形状であるが、他方の面が水分
の透過が実質的にない用途においては、片面のみ脂環式
ポリカーボネートのフィルムまたはシートを積層した形
状であることもできる。積層は公知の方法を適用するこ
とができ、例えば透明接着剤で貼着する方法があげられ
る。接着剤としては、透明なものが用途に応じ選択で
き、例えば、ポリウレタン系、エポキシ系、アクリル系
またはPVA系のものなどが使用できる。
【0032】
【作用】本発明の偏光板は、偏光板支持板に使用される
脂環式ポリカーボネートのフィルムまたはシートの低い
透湿性により、耐久性の優れたものとなっている。
【0033】本発明に偏光板支持板として使用されてい
る脂環式ポリカーボネート系樹脂のフィルムまたはシー
トの水蒸気透過率は低く、例えば一般式[1]のnが1
で、一般式[2]のモル分率が50%であるものは、5
g/m2 /24hr/0.1mmと、従来使用されてい
るTACの約1/100である。汎用のビスフェノール
A系のポリカーボネート樹脂のフィルムまたはシート
が、35g/m2 /24hr/0.1mmであることか
ら、ポリカーボネート系樹脂でこのような透湿性の低い
フィルムまたはシートが可能であることは、全く予想で
きないことであった。
【0034】偏光フィルムの性能劣化は水分と熱による
相乗作用によって起こるものであり、透湿率が低い脂環
式ポリカーボネート系樹脂のフィルムまたはシートを支
持板とすることで、通過してくる水分による偏光フィル
ムの偏光性能の劣化が抑制でき、TACを偏光板支持板
とした従来の偏光板に比べ、画期的に耐久性の改善され
た偏光板が可能となった。
【0035】本発明の偏光板は、脂環式ポリカーボネー
ト系樹脂のフィルムまたはシートの透明性が、100μ
の厚みで、全光線透過率が93%、ヘイズが0.3%
と、合成樹脂のフィルムまたはシートの中で最も透明性
が良好であるアクリル樹脂の透明性と同等であり、偏光
フィルムに積層されても偏光フィルムの偏光性能の保持
が良好で、偏光特性の良好な偏光板となる。
【0036】また、脂環式ポリカーボネート系樹脂のフ
ィルムまたはシートは、吸湿寸法安定性に優れ、湿度変
化による偏光板の変形も改良される。
【0037】尚、本発明においては254μ未満の厚み
のものをフィルム、254μ以上のものをシートと区別
した。
【0038】以下に特性値の測定方法を示す。 ・透明性:全光線透過率、ヘイズ(ASTM D100
3)により評価した。 ・測色:JIS K7105に従い測定した(C光源、
10゜視野、透過法)。 ・金属分析:原子吸光法により分析した。 ・複屈折性:東芝硝子(株)製歪検査器SVP−10型
により観察した。 ・吸湿寸法安定性:オーブンで80℃、48時間乾燥
後、23℃、95%の湿度の環境に7日間放置後の寸法
変化で評価した。 ・透湿度、水蒸気透過率:JIS Z0208に従い測
定した。 ・数平均分子量:GPC測定により、ポリスチレンの分
子量標準品と比較し求めた(ポリスチレン換算)。 ・ガラス転移温度(Tg):示差熱分析法(窒素中、昇
温温度10℃/分)により測定した。 ・ORS:ASTM D1504に従い測定した。 ・耐折強度:被測定物を15mm巾の短冊にして、MI
T型耐折疲労試験機{(株)東洋精機製作所製、折曲げ
速度30回/分}により破断せずに折曲げられた回数を
求めた。 ・偏光板の偏光性能:偏光板を2枚、光吸収軸を平行に
なるように重ねた時の平行透過率Tp、および平行透過
率Tpと偏光板を2枚、光吸収軸が直交するように重ね
た時の直交透過率Thとから次式により計算される偏光
度pによって評価した。(測定波長;550nm) p=((Tp−Th)/(Tp+Th))1/2
【0039】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0040】 実施例1 トランス−2、3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒド
ロ−1、4:5、8−ジメタノナフタレン13.4Kg
とジフェニルカーボネート12.9Kgおよび触媒とし
てテトラフェニルホウ素酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム0.7gを用い、溶融縮合反応により、一般
[4]で表される繰返し構造単位からなる脂環式ポリカ
ーボネート樹脂を得た。得られた樹脂の数平均分子量は
38000であり、Tgは125℃であった。
【0041】これを250℃の押出温度で押出成形し、
100μのフィルムを作製した。
【0042】
【化9】 このフィルムを原子吸光法で金属分析したが、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガ
ン、アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量はいずれも
1ppm以下であった。
【0043】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.39、a* が−0.01、b* が
0.19と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。透湿度は5g/m2 /24h
rであった。また、120℃に加熱しても形状変化は見
られず、乾燥フィルムを23℃で4日間水に浸漬しても
寸法変化は、約0.01%であった。
【0044】作製したフィルムを、厚さ30μのヨウ素
を偏光素子としたポリビニルアルコール偏光フィルムの
両面にウレタン系接着剤で接着して偏光板を作製した。
偏光板は2枚平行透過率が40%、偏光度が99.9%
以上と偏光性能が優れていた。80℃、90%の条件で
耐久テストを行ったが350時間経過後も2枚平行透過
率が42%、偏光度が99.2%と変化は軽微であっ
た。
【0045】比較例1 偏光板の支持板として使用されている80μのトリアセ
テートフィルム(富士写真フィルム(株)製、FT−8
0)の透湿度は480g/m2 /24hrであった。こ
れを実施例1に使用の偏光フィルムの両面に貼着して偏
光板を作製し、80℃、90%の条件で耐久テストを行
った。初期偏光性能は2枚平行透過率が41%、偏光度
が99.9%以上であったが、100時間経過後、2枚
平行透過率が51%、偏光度が75.3%となり偏光板
としての使用に耐えないものとなった。
【0046】 実施例2 実施例1において、トランス−2、3−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメタノナフ
タレン13.4Kgの代りにトランス−2、3−ジ(ヒ
ドロキシメチル)−ペルヒドロ−1、4:5、10:
6、9−トリメタノアントラセン17.4Kgを使用し
た以外同様の方法により数平均分子量が62000の
式[5]で表される繰返し構造からなる脂環式ポリカ
ーボネート樹脂を製造し、押出成形により80μのフィ
ルムを作製した。
【0047】
【化10】 このフィルムを原子吸光法で金属分析したが、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガ
ン、アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量はいずれも
1ppm以下であった。
【0048】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.31、a* が−0.02、b* が
0.28と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。透湿度は6g/m2 /24h
rと低いものであった。
【0049】実施例1と同様にして実施例1に使用した
偏光フィルムの両面に貼着して偏光板を作製した。偏光
板は2枚平行透過率が41%、偏光度が99.9%以上
と偏光性能が優れていた。80℃、90%の条件で耐久
テストを行ったが350時間経過後も2枚平行透過率が
42%、偏光度が99.6%と変化は軽微であった。
【0050】 実施例3 実施例1において、トランス−2、3−ジ(ヒドロキシ
メチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメタノナフ
タレン13.4Kgの代りにトランス−2、3−ジ(ヒ
ドロキシメチル)−ペルヒドロ−1、4:5、8−ジメ
タノナフタレン6.7Kgおよびトランス−2、3−ジ
(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
4.7Kgを使用した以外同様の方法により一般
[6]で表される構造単位からなる数平均分子量が48
000の脂環式ポリカーボネート樹脂を製造し、押出成
形により300μのシートを作製した。
【0051】
【化11】 透明性に優れたシートであり、実施例1と同様にして実
施例1に使用した偏光フィルムの両面に貼着して偏光板
を作製した。偏光板は2枚平行透過率が40%、偏光度
が99.9%以上と偏光性能が優れていた。80℃、9
0%の条件で耐久テストを行ったが350時間経過後も
2枚平行透過率が42%、偏光度が99.0%と変化は
軽微であった。
【0052】 実施例4 トランス−2、3−ジ(ヒドロキシメチル)−ペルヒド
ロ−1、4:5、8−ジメタノナフタレン13.4K
g、ジフェニルカーボネート9.0Kg、ジフェニルテ
レフタレート3.5Kgおよび水素化リチウム0.5g
を原料として、実施例1と同様の方法により一般
[7]で表される構造単位からなる数平均分子量が35
000の脂環式ーボネート樹脂を製造した。
【0053】
【化12】 押出成形により80μのフィルムを作製した。透明性に
優れたフィルムであり、実施例1と同様にして実施例1
に使用した偏光フィルムの両面に貼着して偏光板を作製
した。偏光板は2枚平行透過率が41%、偏光度が9
9.9%以上と偏光性能が優れていた。80℃、90%
の条件で耐久テストを行ったが350時間経過後も2枚
平行透過率が43%、偏光度が99.1%と変化は軽微
であった。
【0054】実施例5 実施例1に使用の脂環式ポリカーボネート樹脂から押出
成形により約400μのシートを作製した。これを東洋
精機製作所(株)製のパンタグラフ式延伸試験機を用い
て、160℃、縦横各2倍の延伸倍率で同時二軸延伸を
行い、100μの厚みの延伸フィルムを作製した。
【0055】このフィルムを原子吸光法で金属分析した
が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、
鉛、マンガン、アンチモン、ゲルマニウム元素の含有量
はいずれも1ppm以下であった。
【0056】全光線透過率が93%であり、また、測色
値は、L* が96.37、a* が−0.01、b* が
0.18と着色のほとんど認められない透明性に優れた
無色のフィルムであった。また、耐折強度は50回と強
く、取扱い強度に優れていた。透湿度は4g/m2 /2
4hrであった。
【0057】複屈折性は認められず、実施例1と同様に
して実施例1に使用した偏光フィルムの両面に貼着して
偏光板を作製した。偏光板は2枚平行透過率が40%、
偏光度が99.9%以上と偏光性能が優れ、延伸による
影響はなかった。80℃、90%の条件で耐久テストを
行ったが350時間経過後も2枚平行透過率が41%、
偏光度が99.4%と変化は軽微であった。
【0058】
【発明の効果】透湿性が低く、透明性、吸湿寸法安定性
および耐熱性に優れた脂環式構造単位を有するポリカー
ボネート樹脂のフィルムまたはシートを偏光板支持板と
した偏光板により、耐久性に優れた偏光板が得られた。
この偏光板は、車載化など使用環境の拡大している、L
CDの偏光板として有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−69519(JP,A) 特開 平2−175723(JP,A) 特開 平1−129204(JP,A) 特開 平5−78461(JP,A) 特開 平5−339395(JP,A) 実開 昭54−126645(JP,U) 特許2859038(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/30 C08G 63/64 C08L 67/00 C08L 69/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルムの片面または両面に、下記
    一般式[1]〜[3]で表される繰返し単位から構成さ
    れ、一般式[1]で表される繰返し単位のモル分率
    (x)は一般式[2]で表される繰返し単位のモル分率
    (y)と一般式[3]で表される繰返し単位のモル分率
    (z)の合計モル分率(y+z)に実質的に等しく、
    般式[2]で表される繰返し単位のモル分率(y)は2
    0モル%以上50モル%以下の範囲である脂環式ポリカ
    ーボネート系樹脂からなるフィルムまたはシートが積層
    されていることを特徴とする偏光板。 【化1】 ただし、一般式[1]において、nは0、1または2で
    あり、一般式[3]において、Aは炭素数が20以下の
    2価の飽和脂肪族炭化水素基、飽和脂環式炭化水素基ま
    たは芳香族炭化水素基である。
  2. 【請求項2】 脂環式ポリカーボネート系樹脂の数平均
    分子量が10000以上200000以下である請求項
    1に記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 脂環式ポリカーボネート樹脂中のアルカ
    リ金属、アルカリ土類金属、チタン、亜鉛、鉛、マンガ
    ン、アンチモン、ゲルマニウムまたはこれら金属の化合
    物の含有量が金属元素濃度で5ppm以下である請求項
    1〜2に記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 脂環式ポリカーボネート系樹脂のフィル
    ムまたはシートが延伸されたものである請求項1〜3に
    記載の偏光板。
JP4177380A 1992-06-11 1992-06-11 偏光板 Expired - Fee Related JP2882716B2 (ja)

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