JP5337467B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、プラズマディスプレイ(PD)及び電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等の画像表示装置に使用する偏光板の製造方法に関する。また、本発明は、前記偏光板の製造方法により得られた偏光板、当該偏光板を備える光学フィルムに関する。更に、本発明は、前記偏光板又は光学フィルムを備える画像表示装置に関する。
液晶表示装置等に使用される偏光板としては、偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼り合わされたものが一般的に使用される。偏光フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や二色性染料等の二色性材料を吸着させ、更に延伸配向させたものが挙げられる。また、保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。更に、偏光フィルムと保護フィルムの貼り合わせには、ポリビニルアルコール系接着剤等が使用される。
液晶表示装置はその広範な利用に伴い高温条件下等で長期間使用される場合も多くなり、その利用される用途に応じた色相の変化の少ない液晶表示装置が求められている。例えば、液晶表示装置は車載用や携帯情報端末用として用いられることが多くなり、それに伴い偏光板にも、高温条件下に放置したときや高温高湿条件下に放置したときの光学特性が劣化しないような信頼性(耐久性)が求められている。
しかし、保護フィルムに使用されるトリアセチルセルロースフィルムは、透湿性を有する(透湿度が高い)ため、水分の吸収により偏光フィルムの色相が変化し、偏光度が低下するという問題がある。この問題を解決するため、保護フィルムとして、ノルボルネン系樹脂フィルム等の透湿度の低い樹脂フィルムを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この様な保護フィルムを用いた偏光板は、耐湿性が向上する一方で、耐熱性の悪化等により光学特性の不具合が発生することが確認されている。また、偏光フィルムと保護フィルムとの積層には、接着剤層を介して行われるが、PVA系フィルムも酢酸セルロース系フィルムも親水性であるため、接着剤層を構成する接着剤としては、前記したポリビニルアルコール系接着剤等の親水性接着剤が用いられる。しかし、親水性接着剤は吸水率が大きいため、偏光板を高湿度条件下に長時間おくと次第に吸湿する。その結果、接着力が低下し、偏光フィルムと保護フィルムの端面が剥離し易いという問題がある。
特開平8−5836号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、高湿度下においても色相変化の抑制が可能であり、加湿耐久性に優れた偏光板の製造を可能にする偏光板の製造方法、及びその方法により得られる偏光板を提供することを目的とする。また、前記偏光板を備えた光学フィルム、及び前記偏光板又は光学フィルムを備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、偏光フィルムの紫外領域(296〜480nm)における吸光度が高い場合に、当該偏光フィルムを用いた偏光板の加湿耐久性が低下するという相関関係を見出し、更に、紫外領域における吸光度は、偏光フィルムと保護フィルムとの貼り合わせ後の乾燥方法により制御できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る偏光板の製造方法は、前記の課題を解決する為に、偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、前記偏光フィルム又は前記保護フィルムの少なくとも何れか一方に、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を介して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記保護フィルムを貼り合わせる工程と、前記保護フィルムが貼り合わされた偏光フィルムを40〜70℃の温度範囲で加熱することにより、前記接着剤層を乾燥させる工程とを有し、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に貼り合わせる前記保護フィルムの透湿度が0.5〜250g/m・24hであり、前記接着剤層により保護フィルムに貼り合わされた偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度の比が1.7以下であることを特徴とする。
前記の方法によれば、接着剤層を介して、透湿度が0.5〜250g/m・24hの保護フィルムと偏光フィルムを貼り合わせ、その後、70℃以下で塗布層の乾燥を行うことにより、偏光フィルムの296nmにおける吸光度を低減させることが可能になる。その結果、偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度の比を1.7以下に抑制させることができ、加湿耐久性に優れた偏光板を作製することができる。尚、乾燥温度が40℃未満であると、塗布層中の水分や溶剤が十分に蒸発せず、これにより偏光フィルムの色相変化及び偏光特性の低下を招来する。
前記の方法に於いて、前記乾燥は、乾燥直後の偏光板の水分率が、温度20℃、相対湿度65%Rhの環境下における偏光板の平衡水分率よりも小さくなるまで行うことが好ましい。これにより、塗布層中に含まれる溶剤の乾燥を十分に行うことができ、加湿耐久性に一層優れた偏光板の製造が可能になる。尚、前記「平衡水分率」とは 、温度20℃、相対湿度65%Rhの雰囲気下において水分率の変化が実質的に見られなくなるまで放置したときの水分の重量分率を意味する。
また、前記方法においては、前記偏光フィルムの他方の面に、前記接着剤層を介して、透湿度が400〜5000g/m・24hの他の保護フィルムを貼り合わせる工程を含むことが好ましい。偏光フィルムの他方の面に、前記保護フィルムよりも透湿度の大きい保護フィルムを貼り合わせることにより、前記接着剤層の乾燥工程における水分蒸発を促進させることができ、偏光フィルムの過乾燥による劣化を防止することができる。
前記方法において、前記接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有するものであることが好ましい。
更に、前記方法において、前記偏光フィルムはポリマーフィルムにヨウ素を吸着配向させたものであることが好ましい。
本発明に係る偏光板は、前記偏光板の製造方法により得られることを特徴とする。
また、本発明に係る光学フィルムは、前記に記載の偏光板が少なくとも1枚積層されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る画像表示装置は、前記に記載の偏光板、又は光学フィルムを備えたものであることを特徴とする。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明に係る偏光板の製造方法によれば、接着剤層を介して、透湿度が0.5〜250g/m・24hの保護フィルムと偏光フィルムを貼り合わせ、その後40〜70℃の範囲内で乾燥を行うことにより、貼り合わせ後の偏光フィルムにおける296nmの吸光度を低減させることが可能になる。その結果、高湿度の環境下に於いても、偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度の比を1.7以下にして色相変化を抑制することが可能な、加湿耐久性に優れた偏光板を作製することができる。
本実施の形態に係る偏光板の製造方法は、偏光フィルム又は保護フィルムの少なくとも何れかに、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を介して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記保護フィルムを貼り合わせる工程と、前記保護フィルムが貼り合わされた偏光フィルムを40〜70℃の温度範囲で乾燥する工程とを少なくとも行う。
前記接着剤層の形成は、偏光フィルム又は保護フィルムの何れか一方の貼り合わせ面に行ってもよく、あるいは双方の貼り合わせ面に行ってもよい。また、偏光フィルム又は保護フィルムの両面又は片面の何れに行ってもよい。前記接着剤層の形成方法としては特に限定されず、例えば、接着剤組成物の塗布や滴下などにより行うのが好ましい。前記塗布による場合、その方法は、接着剤組成物の粘度や目的とする接着剤層の厚みによって適宜に選択される。具体的には、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等が挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式等を適宜に使用することができる。
また、接着剤層の形成は、これを乾燥した後の接着剤の厚さが0.01〜20μm、好ましくは0.02〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmとなる様に行うのが好ましい。接着剤層が0.01μm未満であると接着力不足が原因で剥がれが生じやすくなり、20μmを超えるとその透明性が損なわれる場合がある。尚、接着剤の接着力を一層向上させるため、保護フィルムに対し、コロナ処理、プラズマ処理、フレイム処理等の表面処理を施したり、プライマー加工による易接着層を設けるような処理を施してもよい。
前記接着剤組成物としては、光に対し透明性を有し、かつ、光学的に等方性を有するものが好ましい。また、水性、溶剤型、又は無溶剤型のものを限定されることなく用いることができる。水性の接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。本発明においては、ポリビニルアルコール系接着剤が好ましい。
前記偏光フィルムと保護フィルムの貼り合わせの工程は、前記接着剤層を介して行う。このとき、保護フィルムの貼り合わせは、偏光フィルムの一方の面にのみ行ってもよく、あるいは両方の面に行ってもよい。但し、少なくとも一方の面には、透湿度が0.5〜250g/m・24hの保護フィルムを貼り合わせることが必要である。
ここで、偏光フィルムの両面に保護フィルムを貼り合わせる場合、偏光フィルムの他方の面にも透湿度が0.5〜250g/m・24hの範囲内にある保護フィルムを貼り合わせてもよいが、当該透湿度よりも値の大きい他の保護フィルムを貼り合わせる方が好ましい。より詳細には、透湿度が400〜5000g/m・24hの範囲内にある他の保護フィルムを貼り合わせることが好ましい。当該構成にすることにより、後述の接着剤層の乾燥を行う際に、水分蒸発を促進させることができ、偏光フィルムの過乾燥による劣化を防止することができる。
貼り合わせ方法としては特に限定されず、例えば、ロールラミネーターによるドライラミネート法等が例示できる。ドライラミネート法は、接着強度が良好である点で好ましく、また、得られた偏光板内に溶剤分が残留したり、乾燥の際に残溶剤が保護フィルムに阻まれたりして、溶剤が偏光板内から抜けられず、偏光フィルムへ悪影響を及ぼして色相変化及び偏光特性の低下の原因となることを抑えることができる。また、接着剤組成物は、ドライラミネート法に適するように、無溶剤又は低溶剤(溶剤含有率5重量%以下)の状態にて用いることが好ましい。ドライラミネート法に際して、偏光フィルムと保護フィルムとの貼り合わせの際における、接着剤組成物の溶剤含有率は5重量%以下、さらには2重量%以下であるのが好ましい。
偏光フィルムと保護フィルムの貼り合わせ温度は、15〜30℃の範囲内であることが好ましく、20〜25℃の範囲内であることがより好ましい。
偏光フィルムと保護フィルムの貼り合わせ直後の水分率としては、1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%、より好ましくは、2.5〜3重量%である。水分率が1重量%未満であると加湿での耐久性が低下する場合があり、5重量%を超えると加熱での耐久性が低下する場合がある。
前記保護フィルムが貼り合わされた偏光フィルムの乾燥は、接着剤組成物が水性、又は溶剤型の場合は、塗布層中に含まれる水分又は溶剤を蒸発させると共に、接着剤組成物を硬化させて接着剤層を形成する為に行う。また、接着剤組成物が無溶剤型の場合は、接着剤組成物を硬化させて接着剤層を形成する為に行う。
また、乾燥温度は40〜70℃の範囲内であり、好ましくは60〜67℃の範囲内である。乾燥温度を70℃以下にすることにより、偏光フィルムの296nmにおける吸光度を低減させることが可能になる。その結果、偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度の比を1.7以下に抑制させることができ、加湿耐久性に優れた偏光板の作製を可能にする。尚、乾燥温度が40℃未満であると、塗布層中の水分又は溶剤が十分に蒸発せず、これにより偏光フィルムの色相変化及び偏光特性の低下を招来する。
乾燥方法は、乾燥温度が前記数値範囲内であれば特に限定されず、例えば、熱風を吹き付けて行ってもよい。また、所定時間毎に、乾燥温度を段階的に変化させながら乾燥を行ってもよい。また、乾燥の為の熱処理手段としては特に制限されず、例えば、ホットプレート、オーブン、ベルト炉などの方法が適宜に採用される。
また、前記乾燥は、乾燥直後の偏光板の水分率が、温度20℃、相対湿度65%Rhの環境下における偏光板の平衡水分率よりも小さくなるまで行うことが好ましく、より具体的には、2〜40分が好ましく、5〜25分がより好ましい。乾燥時間が2分未満であると、塗布層中の水分又は溶剤が十分に蒸発せず、これにより偏光フィルムの色相変化及び偏光特性の低下を招来する場合がある。その一方、乾燥時間が40分を超えると、過乾燥により偏光フィルムが劣化する場合がある。
また、乾燥直後の偏光板の水分率としては、1〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。水分率が1重量%未満であると加湿での耐久性が低下する場合があり、5重量%を超えると加熱での耐久性が低下する場合がある。
以上の工程を行うことにより、本実施の形態に係る偏光板を作製することができる。当該偏光板において、偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度を測定すると、その比が1.7以下、好ましくは1.65以下、より好ましくは1.6以下となる。本実施の形態に係る偏光板の製造方法であると、紫外領域における吸光度を低減させ、可視光領域における吸光度との変化量を極力抑制した偏光フィルムを備える偏光板の作製が可能になる。尚、吸光度の測定方法については、実施例において詳述する。
次に、本実施の形態に係る偏光板の製造方法により得られた偏光板について説明する。本実施の形態に係る偏光板は、偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを貼り合わされた構造を有する。
前記偏光フィルムとしては、ポリマーフィルムにヨウ素が吸着配向されたものを用いることが好ましい。前記ポリマーフィルムとしては、例えば、特に限定されず各種のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムや、これらの部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルムに、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、偏光フィルムとしてのヨウ素による染色性に優れたポリビニルアルコール系フィルムを用いることが好ましい。
前記ポリビニルアルコール系フィルムの材料には、ポリビニルアルコールまたはその誘導体が用いられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸そのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものがあげられる。
前記ポリマーフィルムの材料であるポリマーの重合度は、一般に500〜10,000であり、1000〜6000の範囲であることが好ましく、1400〜4000の範囲にあることがより好ましい。更に、ケン化フィルムの場合、そのケン化度は、例えば、水への溶解性の点から、75モル%以上が好ましく、より好ましくは98モル%以上であり、98.3〜99.8モル%の範囲にあることがより好ましい。
前記ポリマーフィルムとしてポリビニルアルコール系フィルムを用いる場合、ポリビニルアルコール系フィルムの製法としては、水又は有機溶媒に溶解した原液を流延成膜する流延法、キャスト法、押出法等任意の方法で成膜されたものを適宜使用することができる。このときの位相差値は、5nm〜100nmのものが好ましく用いられる。また、面内均一な偏光フィルムを得るために、ポリビニルアルコール系フィルム面内の位相差バラツキはできるだけ小さい方が好ましく、原反フィルムとしてのPVA系フィルムの面内位相差バラツキは、測定波長1000nmに於いて10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。
前記偏光フィルムの単体透過率は、波長領域380nm〜780nmにおいて、43%以下であることが好ましく、42〜43%であることがより好ましい。単体透過率が43%を超える場合、直交透過率が大きくなり、黒表示の際に光漏れが生じるため好ましくない。本実施の形態に係る偏光板を液晶表示装置に適用した場合、表示画面の表示コントラストを一層向上させることができる。尚、偏光度の測定は、分光光度計((株)村上色彩技術研究所製、商品名「DOT−3」)を用いて行った。また、単体透過率は、JIS Z 8701−1982に規定の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
前記ポリマーフィルム(未延伸フィルム)は、常法に従って、一軸延伸処理、ヨウ素染色処理が少なくとも施される。さらには、ホウ酸処理、洗浄処理、を施すことができる。また前記処理の施されたポリマーフィルム(延伸フィルム)は、常法に従って乾燥されて偏光フィルムとなる。
一軸延伸処理における延伸方法は特に制限されず、湿潤延伸法と乾式延伸法のいずれも採用できる。乾式延伸法の延伸手段としては、たとえば、ロール間延伸方法、加熱ロール延伸方法、圧縮延伸方法等があげられる。延伸は多段で行うこともできる。前記延伸手段において、未延伸フィルムは、通常、加熱状態とされる。延伸フィルムの延伸倍率は目的に応じて適宜に設定できるが、延伸倍率(総延伸倍率)は2〜8倍程度、好ましくは3〜6.5倍、さらに好ましくは3.5〜6倍とするのが望ましい。
ヨウ素染色処理は、例えば、ポリマーフィルムをヨウ素およびヨウ化カリウムを含有するヨウ素溶液に浸漬することにより行われる。ヨウ素溶液は、通常、ヨウ素水溶液であり、ヨウ素および溶解助剤としてヨウ化カリウムを含有する。ヨウ素濃度は0.01〜1重量%程度、好ましくは0.02〜0.5重量%であり、ヨウ化カリウム濃度は0.01〜10重量%程度、さらには0.02〜8重量%で用いるのが好ましい。
ヨウ素染色処理にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。ヨウ素染色処理にあたっては、ヨウ素溶液の濃度、ポリマーフィルムのヨウ素溶液への浸漬温度、浸漬時間等の条件を調整することによりポリマーフィルムにおけるヨウ素含有量およびカリウム含有量が前記範囲になるように調整する。ヨウ素染色処理は、一軸延伸処理の前、一軸延伸処理中、一軸延伸処理の後の何れの段階で行ってもよい。
前記偏光フィルムのヨウ素含有量は、光学特性を考慮すると、例えば、2〜5重量%の範囲であり、好ましくは、2〜4重量%の範囲である。
前記偏光フィルムは、カリウムを含有するのが好ましい。カリウム含有量は、好ましくは0.2〜0.9重量%の範囲であり、より好ましくは0.5〜0.8重量%の範囲である。偏光フィルムが、カリウムを含有することによって、好ましい複合弾性率 (Er)を有し、偏光度の高い偏光フィルムを得ることができる。カリウムの含有は、例えば、偏光フィルムの形成材料であるポリマーフィルムを、カリウムを含む溶液に浸漬することにより可能である。前記溶液は、ヨウ素を含む溶液を兼ねていてもよい。
偏光フィルムの厚さとしては特に限定されず、通常は5〜300μm、好ましくは10〜200μm、より好ましくは、20〜100μmである。
前記保護フィルムは光に対し透明性を有し、その構成材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。この様な熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。尚、偏光フィルムの片側には、保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂又は紫外線硬化型樹脂を用いることができる。保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。保護フィルム中の前記熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、更に好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。保護フィルム中の前記熱可塑性樹脂の含有量が50重量%以下の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
また、保護フィルムとしては、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、例えば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/又は非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が挙げられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムが挙げられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品等からなるフィルムを用いることができる。これらのフィルムは位相差が小さく、光弾性係数が小さいため偏光板の歪みによるムラ等の不具合を解消することができ、また透湿度が小さいため、加湿耐久性に優れる。
保護フィルムの厚さは適宜に設定し得るが、一般には強度や取扱い等の作業性、薄層性等の点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
偏光フィルムの少なくとも一方の面に設ける保護フィルムの透湿度は、0.5〜250g/m・24hの範囲が好ましい。透湿度を0.5〜250g/m・24hの範囲内にすることにより、水分により偏光板の色相が変化するのを抑制し、偏光度の低下を防止することができる。透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験 (カップ法)に準じて、40℃、90%の相対湿度差で、面積1mの試料を24時間に通過する水蒸気のg数である。
尚、偏光フィルムの両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
本発明の透湿度0.5〜250g/m・24hの保護フィルムとしては、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれるいずれか少なくとも1つを用いるのが好ましい。また、本発明の透湿度が400〜5000g/m・24hの保護フィルムとしては、セルロース樹脂等を用いるのが好ましい。
セルロース樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としでは、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリプロピルセルロース、ジプロピルセルロース等が挙げられる。これらのなかでも、トリアセチルセルロースが特に好ましい。トリアセチルセルロースは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。トリアセチルセルロースの市販品の例としては、富士写真フィルム社製の商品名「UV−50」、「UV−80」、「SH−80」、「TD−80U」、「TD−TAC」、「UZ−TAC」や、コニカ社製の「KCシリーズ」等が挙げられる。一般的にこれらトリアセチルセルロースは、面内位相差(Re)はほぼゼロであるが、厚み方向位相差(Rth)は、〜60nm程度を有している。
尚、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムは、例えば、前記セルロース樹脂を処理することにより得られる。例えばシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤を塗工したポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ステンレス等の基材フィルムを、一般的なセルロース系フィルムに貼り合わせ、加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、基材フィルムを剥離する方法;ノルボルネン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等をシクロペンタノン、メチルエチルケトン等の溶剤に溶解した溶液を一般的なセルロース樹脂フィルムに塗工し加熱乾燥(例えば80〜150℃で3〜10分間程度)した後、塗工フィルムを剥離する方法等が挙げられる。
また、厚み方向位相差が小さいセルロース樹脂フィルムとしては、脂肪置換度を制御した脂肪酸セルロース系樹脂フィルムを用いることができる。一般的に用いられるトリアセチルセルロースでは酢酸置換度が2.8程度であるが、好ましくは酢酸置換度を1.8〜2.7、より好ましくはプロピオン置換度を0.1〜1に制御することによってRthを小さくすることができる。前記脂肪酸置換セルロース系樹脂に、ジブチルフタレート、p−トルエンスルホンアニリド、クエン酸アセチルトリエチル等の可塑剤を添加することにより、Rthを小さく制御することができる。可塑剤の添加量は、脂肪酸セルロース系樹脂100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは1〜15重量部である。
環状ポリオレフィン樹脂の具体的としては、好ましくはノルボルネン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。具体例としては、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等のα−オレフィンとその共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及び、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびに、それらの水素化物等が挙げられる。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
環状ポリオレフィン樹脂としては、種々の製品が市販されている。具体例としては、日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼオネックス」、「ゼオノア」、JSR株式会社製の商品名「アートン」、TICONA社製の商品名「トーパス」、三井化学株式会社製の商品律「APEL」が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲内で、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。例えば、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等)、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。より好ましくはメタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂の具体例として、例えば、三菱レイヨン株式会社製のアクリペットVHやアクリペットVRL20A、特開2004−70296号公報に記載の分子内に環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル樹脂系が挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることもできる。高い耐熱性、高い透明性、二軸延伸することにより高い機械的強度を有するからである。
ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としてば、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報等に記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
前記保護フィルムは、正面位相差が40nm未満、かつ、厚み方向位相差が80nm未満であるものが、通常、用いられる。正面位相差Reは、Re=(nx−ny)×d、で表わされる。厚み方向位相差Rthは、Rth=(nx−nz)×d、で表される。また、Nz係数は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)、で表される。[ただし、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとし、d(nm)はフィルムの厚みとする。遅相軸方向は、フィルム面内の屈折率の最大となる方向とする。]。尚、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、更に好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
一方、前記保護フィルムとして、正面位相差が40nm以上及び/又は、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差板としては、高分子素材を一軸又は二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したもの等が挙げられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
高分子素材としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルビニルエーテル、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリアリルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、セルロース樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、又はこれらの二元系、三元系各種共重合体、グラフト共重合体、ブレンド物等が挙げられる。これらの高分子素材は延伸等により配向物(延伸フィルム)となる。
位相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたもの等の使用目的に応じた適宜な位相差を有するものであって良く、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したもの等であってもよい。
前記保護フィルムは、接着剤を塗工する前に表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理等が挙げられる。また、前記保護フィルムの偏光フィルムを接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系等のポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性等に優れるものが好ましく用いうる。
本実施の形態に係る偏光板は、液晶表示装置や有機エレクトロルミネセンス装置等の各種画像表示装置に好ましく用いることができる。液晶表示装置に適用する場合、本実施の形態に係る偏光板は、液晶セルの表面及び裏面にそれぞれ光透過軸が直交する様に配置される。これにより、可視光の波長域における光漏れが低減され、表示画面に変色が生じるのを防止した液晶表示装置が得られる。前記液晶セルとしては特に限定されず、例えばTN型やSTN型、π型、VA型、IPS型、等の任意なタイプのものを適用することができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
(実施例1)
<偏光フィルム>
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させた。次に、ヨウ素/ヨウ化カリウム(重量比=0.5/8)の濃度0.3重量%の水溶液に浸漬し、3.5倍にまで延伸させながら染色した。更に、65℃のホウ酸エステル水溶液中に浸漬させ、当該水溶液中で、総延伸倍率が6倍となる様に延伸を行った。延伸後、40℃のオーブンにて3分間の乾燥を行い、偏光フィルム(厚27μm、水分率25重量%、カリウム含有量0.78重量%、単体透過率42.7%)を作製した。
<保護フィルム>
厚さ80μm、透湿度750g/m・24hのトリアセチルセルロースフィルムと、厚さ75μm、透湿度5g/m・24hの環状オレフィン系フィルムを用いた。
<接着剤の調製>
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度1200、ケン化度98.5%、アセトアセチル化度5モル%)100重量部、メチロールメラミン50重量部を純水(水温30℃)に溶解させ、固形分濃度3.7重量%に調製した水溶液を作製した。この水溶液100重量部に対し、アルミナコロイド水溶液(平均粒径15nm、固形分濃度10重量%、正電荷)18重量部を加えて、接着剤組成物水溶液を調製した。この接着剤組成物水溶液について、レオメータ:RS−1(Heake社製)を用いて粘度を測定したところ、9.6mPa・sであった。また、pHは4〜4.5であった。
<偏光板の作製>
前記トリアセチルセルロースフィルムの表面処理層側に前記接着剤組成物水溶液を、乾燥後の厚さが80nmとなる様に塗布して接着剤層を形成した。塗布は、接着剤組成物水溶液の調製から30分間後に、23℃の環境下で行った。また、環状オレフィン系フィルムについても同様にして接着剤組成物水溶液の塗布を行い、接着剤層を形成した。
次に、ロール機を用いて、前記偏光フィルムの表面側にトリアセチルセルロースフィルムを、裏面側に環状オレフィン系フィルムを、接着剤層を介して貼り合わせた。貼り合わせ温度は、23℃とした。
続いて、トリアセチルセルロースフィルム及び環状オレフィン系フィルムを貼り合わせ後の偏光フィルムに対し、乾燥を行った。乾燥条件は乾燥温度65℃、乾燥時間16分間とした。これにより、本実施例に係る偏光板を作製した。
(実施例2)
本実施例においては、偏光フィルムにトリアセチルセルロースフィルム及び環状オレフィン系フィルムを貼り合わせた後の乾燥条件を、乾燥温度65℃、乾燥時間21分間に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして本実施例に係る偏光板を作製した。
(比較例1)
本比較例においては、偏光フィルムにトリアセチルセルロースフィルム及び環状オレフィン系フィルムを貼り合わせた後の乾燥条件を乾燥温度80℃、乾燥時間11分間に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして本比較例に係る偏光板を作製した。
(比較例2)
本比較例においては、偏光フィルムにトリアセチルセルロースフィルム及び環状オレフィン系フィルムを貼り合わせた後の乾燥条件を乾燥温度90℃、乾燥時間9分間に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして本比較例に係る偏光板を作製した。
(比較例3)
本比較例においては、偏光フィルムの両面にトリアセチルセルロースフィルムを貼り合わせ、その後の乾燥条件を乾燥温度100℃、乾燥時間7分間に変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして本比較例に係る偏光板を作製した。
(加湿耐久性)
各実施例及び比較例に係る偏光板から、それぞれサンプル(横50mm×縦25mm)を切断して取り出し、ガラス板に貼り付けた。サンプルの切り出しは、その端辺が延伸方向に対し45°の角度になるようにして行った。更に、分光光度計(村上色彩技術研究所製:DOT−3)を用いて、JIS Z8701に基づき、初期の色相a値及び色相b値をそれぞれ測定した。
次に、各サンプルを加湿装置内に投入し、20℃、98%Rhの環境下で48時間放置した。その後、前記分光光度計を用いて、再び色相a値及び色相b値を測定した。
加湿装置への投入前後の測定値から、直交色相の変化Δabの値を下記式に基づき算出した。尚、色相a値、色相b値はハンター表色系におけるa値、b値である。結果を下記表1に示す。
Δab=√{(a−a+(b−b}から求められる値である。
(吸光度の測定、吸光度比の算出)
各実施例及び比較例で作製した偏光板を塩化メチレン溶液に浸漬させ、保護フィルムを溶解させた後、それぞれの偏光フィルムを取り出した。更に、分光光度計(日立製作所製、製品名:U−4100型分光光度計)を用いて測定した。
(偏光フィルムの単体透過率)
各偏光板から取り出した前記偏光フィルムについて、分光光度計((株)村上色彩技術研究所製,CMS−500)を用いて、単体透過率の測定も行った。尚、偏光フィルムの透過率はJIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値である。
(保護フィルムの透湿度)
保護フィルムの透湿度の測定は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じて測定した。直径60mmに切断したサンプルを約15gの塩化カルシウムを入れた透湿カップにセットし、80℃、90%の恒温機に入れ、24時間放置した前後の塩化カルシウムの重量増加を測定することで透湿(g/m・24h)を求めた。
(偏光板の水分率)
乾燥直後の各偏光板の水分率、及び20℃、65%Rhの環境下における各偏光板の平衡水分率をそれぞれ測定した
(カリウム含有量の測定)
実施例および比較例で得られた偏光フィルムについて、蛍光X線分析を行い、ヨウ素含有量(%)とカリウム含有量(%)をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
(結果)
下記表1から分かるとおり、実施例1及び2に係る偏光板であると、Δab値が、比較例1〜3に係る偏光板と比較して小さくなっている。これにより、実施例1の偏光板は、湿度の高い環境下に放置された後においても色相の変化が小さく、加湿耐久性に優れていることが確認された。
Figure 0005337467

Claims (7)

  1. 偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを備える偏光板の製造方法であって、
    前記偏光フィルム又は前記保護フィルムの少なくとも何れか一方に、ポリビニルアルコール系接着剤により接着剤層を形成する工程と、
    前記接着剤層を介して、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に前記保護フィルムを貼り合わせる工程と、
    前記保護フィルムが貼り合わされた偏光フィルムを40〜70℃の温度範囲で加熱することにより、前記接着剤層を乾燥させる工程とを有し、
    前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に貼り合わせる前記保護フィルムの透湿度が0.5〜250g/m・24hであり、
    前記接着剤層により保護フィルムに貼り合わされた偏光フィルムの296nmにおける吸光度と、480nmにおける吸光度の比が1.65以下であり、
    前記乾燥は、乾燥直後の偏光板の水分率が、温度20℃、相対湿度65%Rhの環境下における偏光板の平衡水分率よりも小さくなるまで行う偏光板の製造方法。
  2. 前記偏光フィルムの他方の面に、前記接着剤層を介して、透湿度が400〜5000g/m・24hの他の保護フィルムを貼り合わせる工程を含む請求項に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記偏光フィルムはポリマーフィルムにヨウ素を吸着配向させたものである請求項1又は2に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記乾燥工程における、乾燥時間が、16〜40分である請求項1〜の何れか1項に記載の偏光板の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法により得られた偏光板。
  6. 請求項記載の偏光板が、少なくとも1枚積層された光学フィルム。
  7. 請求項に記載の偏光板、又は請求項に記載の光学フィルムを備えた画像表示装置。
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