JP2014206719A - 偏光性積層フィルム及び偏光板の製造方法 - Google Patents

偏光性積層フィルム及び偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型でかつ偏光性能の高い偏光性積層フィルム及び偏光板を製造する。
【解決手段】基材フィルムにポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程;そのポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程;その延伸フィルムを、二色性色素を含有する染色溶液に浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る染色工程;及び、その染色層付き積層フィルムを、ホウ酸を含有する架橋溶液に浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層を架橋し、偏光子層を形成する架橋工程を備え;架橋工程は、ともに水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部含有するが、ヨウ化物の含有量が1重量部未満である水溶液を用いる第一架橋工程と、ヨウ化物を2重量部以上含有する水溶液を用いる第二架橋工程に分けて行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光性積層フィルムの製造方法及び偏光板の製造方法に関するものである。
偏光板は、液晶表示装置などの表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として、広く用いられている。かかる偏光板として、従来から、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルム(偏光子層)にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを接着したものが使用されているが、近年、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータや携帯電話の如きモバイル機器への展開などに伴い、薄肉軽量化が求められている。
従来は、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを単独で延伸してから、あるいは延伸しながら、染色処理や架橋処理を施して偏光フィルムを作製し、これに保護フィルム等を積層することで偏光板を製造していたが、偏光フィルム単独での限界の厚さまでしか薄肉化することができなかった。このため、基材フィルムの表面に偏光子層となるポリビニルアルコール系樹脂層を設けた後、基材フィルムごとポリビニルアルコール系樹脂層を乾式延伸し、染色処理及び架橋処理を施してポリビニルアルコール系樹脂層を偏光子層とすることで、基材フィルムと偏光子層との合計の厚さを限界まで薄くし、偏光子層(偏光フィルム)としての厚さを従来よりも薄くする方法が提案されている。
例えば、特開 2009-98653 号公報(特許文献1)には、基材層と親水性高分子層が積層されている積層体が延伸処理されている延伸積層体であって、その親水性高分子層には少なくとも二色性物質が吸着されている延伸積層体を含有する偏光板に係る発明が開示されている。上記の親水性高分子層を二色性物質で染色した後の具体的な架橋方法として、ホウ酸を代表例とする架橋剤を1〜10重量%及びヨウ化物を 0.05〜15重量%含有する10〜60℃の水溶液に浸漬する方法が記載されている。
しかしながら、乾式延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層は結晶化度が高くなっていることから、ホウ酸架橋が起こりにくくなる傾向にあり、上記特許文献1に記載の架橋温度では十分に架橋反応が進行せず、十分な偏光性能が得られにくいという問題があった。
また、特許第 4691205号公報(特許文献2)には、連続ウェブの非晶性エステル系熱可塑性樹脂基材に、二色性物質を配向させたポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光膜が製膜された光学フィルム積層体の製造方法に係る発明が開示されている。上記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性物質で染色した後の具体的な架橋方法として、水100重量部に対してホウ酸を4重量部及びヨウ化カリウムを5重量部含有する65℃の水溶液に浸漬しながら延伸する方法や、水100重量部に対してホウ酸を3重量部及びヨウ化カリウムを3重量部含有する40℃の水溶液に浸漬した後、先の方法と同じ水100重量部に対してホウ酸を4重量部及びヨウ化カリウムを5重量部含有する75℃の水溶液に浸漬しながら延伸する方法が記載されている。
しかしながら、ヨウ化カリウムを含む架橋溶液中では、ホウ酸架橋が起こりにくくなる傾向にあり、特許文献2に開示された架橋方法でも、十分に架橋反応が進行せず、十分な偏光性能が得られにくいという問題があった。
特開2009−98653号公報(段落[0059]、[0060]) 特許第4691205号公報(段落[0099]、[0100]、[0106]〜[0109])
上記の課題に鑑みて、本発明は、薄型でかつ偏光性能の高い偏光性積層フィルム及び偏光板を製造することを目的とする。
本発明によれば、基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程;得られる積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程;得られる延伸フィルムを、二色性色素を含有する染色溶液に浸漬して上記のポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る染色工程;及び、得られる染色層付き積層フィルムを、ホウ酸を含有する架橋溶液に浸漬して前記染色されたポリビニルアルコール系樹脂層を架橋し、偏光子層を形成する架橋工程を備え;上記の架橋工程は、上記の染色工程で得られる染色層付き積層フィルムを、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部含有し、ヨウ化物の含有量が1重量部未満である水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第一架橋工程、並びに、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部及びヨウ化物を2重量部以上含有する水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第二架橋工程をこの順に備える偏光性積層フィルムの製造方法が提供される。
この方法において、上記の延伸工程は、5倍を超える延伸倍率で上記の積層フィルムを一軸延伸することにより行われることが好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかの方法によって製造される偏光性積層フィルムを用意する工程、得られる偏光性積層フィルムの基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する保護フィルム貼合工程、及び、保護フィルム貼合後に上記の基材フィルムを偏光性積層フィルムから剥離する基材フィルム剥離工程を備える偏光板の製造方法も提供される。
本発明は、染色工程で得られる染色層付き積層フィルムに対し、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部含有し、ヨウ化物の含有量が1重量部未満である水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第一架橋工程を施した後、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部及びヨウ化物を2重量部以上含有する水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第二架橋工程を施すことに大きな特徴がある。これにより、偏光性能が高く、かつ薄型の偏光性積層フィルム及び偏光板を効率よく製造することができる。
本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る偏光板の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
[偏光性積層フィルムの製造方法]
図1は、偏光性積層フィルムの製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。図1に示すように、この製造方法は、基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程(S10)、得られる積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程(S20)、得られる延伸フィルムを、二色性色素を含有する染色溶液に浸漬して上記のポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る染色工程(S30)、及び、得られる染色層付き積層フィルムを、ホウ酸を含有する架橋溶液に浸漬して上記の染色されたポリビニルアルコール系樹脂層を架橋し、偏光子層を形成する架橋工程(S40)を含む。
かかる製造方法により、基材フィルム上に、十分な偏光性能を有する厚さ10μm以下の偏光子層を備えた偏光性積層フィルムを得ることができる。この偏光性積層フィルムは後述するように、偏光子層を保護フィルムへ転写するための中間体製品として用いることもでき、また、基材フィルムが保護フィルムの機能を有する場合は、この偏光性積層フィルムをそのまま偏光板として用いることもできる。
[偏光板の製造方法]
図2は、偏光板の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。図2に示すように、この製造方法は、基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程(S10)、得られる積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程(S20)、得られる延伸フィルムを、二色性色素を含有する染色溶液に浸漬して上記のポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る染色工程(S30)、及び得られる染色層付き積層フィルムを、ホウ酸を含有する架橋溶液に浸漬して上記の染色されたポリビニルアルコール系樹脂層を架橋し、偏光子層を形成する架橋工程(S40)を行った後、さらに、得られる偏光性積層フィルムの上記基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する保護フィルム貼合工程(S50)、及び保護フィルム貼合後に上記の基材フィルムを偏光性積層フィルムから剥離する基材フィルム剥離工程(S60)を行うものである。
かかる製造方法により、保護フィルム上に十分な偏光性能を有する厚さ10μm以下の偏光子層を備えた偏光板を得ることができる。この偏光板は、例えば、感圧式接着剤を介して他の光学フィルムや液晶セルに貼り合わせるなどして用いることができる。
以下、図1及び図2におけるS10〜S60の各工程について、詳しく説明する。なお図1及び図2において、S10〜S40の各工程は、二つの図で共通している。
[樹脂層形成工程(S10)]
樹脂層形成工程では、基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る。
(基材フィルム)
基材フィルムに用いる樹脂としては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が挙げられ、ガラス転移温度Tg又は融点Tmに応じて適切な樹脂を選択すればよい。熱可塑性樹脂の具体例を挙げると、鎖状ポリオレフィン系樹脂や環状ポリオレフィン系樹脂の如きポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びこれらの混合物、共重合物などがある。基材フィルムは、上述した樹脂から構成される単層又は多層であることができる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、安定的に高倍率で延伸しうる点から、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ましい。また、プロピレンにエチレンを共重合して得られるプロピレン−エチレン共重合体なども好適に用いることができる。共重合は他の種類のモノマーでも可能であり、プロピレンに共重合可能なエチレン以外のモノマーとしては、例えば、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンは、炭素数4以上のものであり、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましい。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例を挙げると、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、及び1−デセンの如き直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、及び4−メチル−1−ペンテンの如き分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどがある。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有率は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行うことにより求めることができる。
これらのなかでも、プロピレン系樹脂フィルムを構成するプロピレン系樹脂として、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、及び、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましい。
また、プロピレン系樹脂フィルムを構成するプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックの立体規則性を有するプロピレン系樹脂からなるフィルムは、その取扱い性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくはノルボルネン系樹脂が用いられる。環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば特開平 1-240517 号公報、特開平 3-14882号公報、特開平 3-122137 号公報などに記載されている樹脂が挙げられる。具体例を挙げると、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン又はプロピレンの如きα−オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、それらの水素化物などがある。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては種々の製品が市販されている。具体的な市販品の例を挙げると、TOPAS〔Topas Advanced Polymers社製、日本ではポリプラスチックス(株)から入手できる〕、アートン〔JSR(株)製〕、ゼオノア(ZEONOR)〔日本ゼオン(株)製〕、ゼオネックス(ZEONEX)〔日本ゼオン(株)製〕、アペル〔三井化学(株)製〕などがある。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する重合体であり、具体的には多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合体で構成されることが多い。ポリエステル系樹脂に用いられる多価カルボン酸は、主に2価のジカルボン酸又はそのエステルであり、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。また多価アルコールも、主に2価のジオールであり、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは結晶性の樹脂であるが、結晶化処理する前の状態のもののほうが、延伸などの処理を施しやすい。
必要なら、延伸時又は延伸後の熱処理などによって結晶化処理することができる。また、ポリエチレンテレタレートの骨格にさらに他種のモノマーを共重合することで、結晶性を下げた(又は非晶性とした)共重合ポリエステルも好適に用いられる。このような樹脂の例として、例えば、シクロヘキサンジメタノールやイソフタル酸を共重合させたものなどが挙げられる。これらの樹脂も、延伸性に優れるので、好適に用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体以外の具体的なポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートなどが挙げられる。これらのブレンド樹脂や共重合体も、用いることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする重合体である。具体例としては、ポリメタクリル酸メチルの如きポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂と呼ばれるものなど)、メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルの如き、(メタ)アクリル酸の C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂のより好ましい例として、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂を挙げることができる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースの脂肪酸エステルである。このようセルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の基で修飾されたものなども挙げられる。これらのなかでも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートフィルムは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートフィルムの市販品の例を挙げると、フジタックTD80、フジタックTD80UF、フジタックTD80UZ、フジタックTD40UZ〔以上、富士フイルム(株)製〕、KC8UX2M、KC4UY〔以上、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製〕などがある。
ポリカーボネート系樹脂は、主鎖にカーボネート結合(−O−CO−O−)を有する重合体である。エンジニアリングプラスチックの一種であって、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性を有する樹脂である。また、高い透明性を有することから、光学用途でも好適に用いられる。光学用途では、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネートなども市販されており、好適に用いることができる。このようなポリカーボネート樹脂は広く市販されており、例えば、パンライト〔帝人化成(株)製〕、ユーピロン〔三菱エンジニアリングプラスチック(株)製〕、SDポリカ〔住友ダウ(株)製〕、カリバー〔ダウケミカル社製〕などがある。
基材フィルムを構成する上記の熱可塑性樹脂には、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。
基材フィルム中で上に例示した熱可塑性樹脂の占める割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。基材フィルム中の熱可塑性樹脂の割合が50重量%未満になると、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがあるからである。
基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱い性など、作業性の観点から、1〜500μmであるのが好ましく、さらには1〜300μm、とりわけ5〜200μmであるのがより好ましい。さらに、5〜150μmの範囲の厚さを有する基材フィルムが一層好ましい。
基材フィルムは、樹脂層との密着性を向上させるために、少なくとも樹脂層が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などが施されていてもよい。また密着性を向上させるために、基材フィルムの樹脂層が形成される側の表面に、プライマー層や接着剤層の如き薄層を形成してもよい。なお、接着剤層やコロナ処理層などが設けられている場合、基材フィルムは、それらを含まない状態のものを意味する。
(ポリビニルアルコール系樹脂層)
ポリビニルアルコール系樹脂層は典型的には、ポリビニルアルコール系樹脂の粉末を、例えば水の如き溶解度の高い溶媒に溶解してポリビニルアルコール系樹脂溶液を調製し、得られる樹脂溶液を基材フィルムの少なくとも一方の表面に塗工し、溶剤を蒸発させて乾燥することにより、形成される。このような方法で樹脂層を形成することにより、薄膜化が可能となる。ポリビニルアルコール系樹脂溶液の基材フィルムへの塗工は、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティングやグラビアコーティングの如きロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などの各種公知の方法のなかから適宜選択して行えばよい。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。乾燥時間は、例えば2〜20分である。
形成する樹脂層の厚さは、3μmを超え、30μm以下となるようにすることが好ましく、さらには5〜20μmの範囲となるようにすることがより好ましい。塗工によって得られる樹脂層の厚さが3μm以下であると、延伸後に薄くなりすぎて十分な染色性が保ちにくくなり、一方でその厚さが30μmを超えると、最終的に得られる偏光子層の厚さが10μmを超えてしまうことがある。
基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層の密着性を向上させるために、基材フィルムの上記樹脂層を形成する面にプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂に架橋剤などを含有する組成物で形成することが、密着性の観点から好ましい。
上記樹脂層を形成し、またプライマー層を設ける場合はそのプライマー層ともなるポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂がケン化されたものであることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
樹脂層の形成に用いるポリビニルアルコール系樹脂は、そのケン化度が、80モル%以上、さらには90モル%以上、とりわけ94モル%以上であることが好ましい。ケン化度が低すぎると、偏光板にした後の耐水性や耐湿熱性が十分でなくなる可能性がある。また完全ケン化品(ケン化度が100モル%のもの)であってもよいが、ケン化度が高すぎると、染色速度が遅くなって、十分な偏光性能を与えるためには製造時間が長くなったり、場合によっては十分な偏光性能を有する偏光子が得られなかったりすることがある。そこで、そのケン化度は99.5モル%以下、さらに99モル%以下又は99.0モル%以下であるのが好ましい。
ここでいうケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3) がケン化処理により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、次式で定義される;
ケン化度(モル%)=〔(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)〕×100。
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が多いことを意味し、したがって結晶化を阻害する酢酸基の割合が少ないことを意味する。ケン化度は、JIS K6726-1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。
また、本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールでもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を、エチレンやプロピレンの如きオレフィン類で変性したもの、アクリル酸やメタクリル酸、クロトン酸の如き不飽和カルボン酸類で変性したもの、不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの、アクリルアミドで変性したものなどが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましい。30モル%以上の変性を行った場合には、二色性色素を吸着しにくくなり、偏光性能が低くなってしまう不具合を生じやすい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常 100〜10,000程度の範囲にあるが、好ましくは1,500〜8,000、さらに好ましくは2,000〜5,000の範囲である。ここでいう平均重合度も、JIS K6726-1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。
このような特性を有するポリビニルアルコール系樹脂として、例えば(株)クラレ製のPVA124(ケン化度98.0〜99.0モル%)、PVA117(ケン化度98.0〜99.0モル%)、PVA624(ケン化度95.0〜96.0モル%)及びPVA617(ケン化度94.5〜95.5モル%);例えば日本合成化学工業(株)製のAH−26(ケン化度97.0〜98.8モル%)、AH−22(ケン化度97.5〜98.5モル%)、NH−18(ケン化度98.0〜99.0モル%)、及びN−300(ケン化度98.0〜99.0モル%);例えば日本酢ビ・ポバール(株)製のJC−33(ケン化度99.0モル%以上)、JM−33(ケン化度93.5〜95.5モル%)、JM−26(ケン化度95.5〜97.5モル%)、JP−45(ケン化度86.5〜89.5モル%)、JF−17(ケン化度98.0〜99.0モル%)、JF−17L(ケン化度98.0〜99.0モル%)及びJF−20(ケン化度98.0〜99.0モル%)などが挙げられ、本発明においてはこれらを好適に用いることができる。
[延伸工程(S20)]
延伸工程では、前記積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを作製する。一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは、5倍を超え、17倍以下であり、さらに好ましくは5倍を超え、8倍以下である。
延伸倍率が5倍以下だと、ポリビニルアルコール系樹脂層の配向が十分でないため、結果として偏光子層の偏光度が十分に高くならないという不具合を生じることがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時に積層フィルムの破断を生じやすくなるとともに、延伸フィルムが必要以上に薄くなり、後工程での加工性やハンドリング性が低下するおそれがある。延伸工程(S20)における延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。この場合、二段階目以降の延伸工程も延伸工程(S20)の中で行ってもよいが、染色工程(S30)における染色処理や架橋処理と同時に行ってもよい。このように多段で延伸を行う場合は、延伸処理の全段を合わせた積算延伸倍率が5倍超となるように延伸処理することが好ましい。
本実施形態における延伸工程(S20)は、積層フィルムの長手方向に対して行う縦延伸処理や、幅方向に対して延伸する横延伸処理などにより行うことができる。縦延伸方式としては、ロール間延伸方法、圧縮延伸方法などが挙げられ、横延伸方式としてはテンター法などが挙げられる。
また、延伸処理は、湿潤式延伸方法と乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いるほうが、積層フィルムを延伸する際の温度を広い範囲から選択することができる点で好ましい。
延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層及び基材フィルム全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは、基材フィルムの相転移温度の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは、基材フィルムの相転移温度の−25℃から+30℃の範囲である。延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、5倍超の高倍率延伸が達成されにくい。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルムの流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。5倍超の高延伸倍率をより達成しやすいことから、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。延伸処理の温度調整は通常、加熱炉の温度調整による。
[染色工程(S30)]
染色工程では、二色性色素を含有する染色溶液に、上の延伸工程で得られる延伸フィルムを浸漬し、延伸フィルム中のポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る。二色性色素としては、例えば、ヨウ素や二色性の有機染料を用いることができる。二色性の有機染料として、例えば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが使用できる。これらの二色性有機染料は、市場から入手できる。二色性色素は、1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
染色工程は、例えば、上記二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に、延伸フィルム全体を浸漬することにより行われる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液が使用できる。染色溶液の溶媒として、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。二色性色素の濃度は、 0.01〜10重量%であることが好ましく、さらには0.02〜7重量%、とりわけ0.025〜5重量%であることがより好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化物を添加することが好ましい。このヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ、ヨウ化チタンなどが挙げられる。これらヨウ化物の添加割合は、染色溶液において 0.01〜20重量%であることが好ましい。ヨウ化物のなかでも、ヨウ化カリウムを用いることが好ましい。ヨウ化カリウムを用いる場合、ヨウ素とヨウ化カリウムの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、さらには1:6〜1:80の範囲、とりわけ1:7〜1:70の範囲にあることがより好ましい。
染色溶液への延伸フィルムの浸漬時間は通常、15秒〜15分の範囲にあることが好ましく、さらには30秒〜3分の範囲にあることがより好ましい。また染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、さらには20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色処理を延伸工程の前、又は延伸工程と同時に行うことも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂に吸着させた二色性色素を良好に配向させるうえでは、未延伸フィルムに延伸処理を施した後に染色処理することが好ましい。この際、予め目標の倍率で延伸されたものを単に染色するのみでもよいし、予め低倍率で延伸されたものを染色中に再度延伸して、トータルで目的の倍率に達するようにしてもよい。また、さらにその後の架橋処理中に延伸をする場合には、ここでも低倍率の延伸にとどめておくこともできる。
この場合は、架橋処理後に目的の倍率に達するよう、適宜調整すればよい。
[架橋工程(S40)]
染色工程に次いで架橋工程が行われる。架橋工程では、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に、上の染色工程で得られる染色層付き積層フィルムを浸漬することにより、架橋処理が行われる。架橋剤としては一般に、ホウ酸やホウ砂の如きホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが知られているが、本発明ではホウ酸を用いる。もちろん、ホウ酸とともに他の架橋剤を存在させることは許容される。
架橋溶液には、ホウ酸に加え、一般にヨウ化物が配合される。ヨウ化物を存在させることにより、樹脂層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ、ヨウ化チタンなどが用いられる。
架橋工程において、溶質の種類や濃度が異なる複数の架橋溶液を用いることで、よりよい偏光性能を得ることができる。本発明においては、架橋工程を2段に分けて行い、1段明(第一架橋工程)では、ヨウ化物濃度の小さい、又は実質的にヨウ化物を含有しない架橋溶液を用い、2段目(第二架橋工程)では、第一架橋工程よりもヨウ化物濃度の大きい架橋溶液を用いる。もちろん、架橋工程を3段以上に分けて行うこともできるが、その場合でも、第一架橋工程を先に行い、その後で第二架橋工程を行うようにする。つまり、第一架橋工程と第二架橋工程がこの順番に行われるようにする。
第一架橋工程では、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部含有し、ヨウ化物の含有量が1重量部未満である水溶液を架橋溶液として用い、そこに、先の染色工程で得られる染色層付き積層フィルムを60℃以上の温度で浸漬する。この第一架橋工程では、水100重量部あたりヨウ化物の含有量を1重量部未満としているので、架橋反応を効率よく進行させることができる。このように、第一架橋工程でまず架橋反応を効率よく進行させるために、そこで用いる架橋溶液中のヨウ化物の含有量は、水100重量部あたり1重量部未満とするが、好ましくは0.6重量部以下であり、さらに好ましくは0.05重量部以下である。
次に、第二架橋工程では、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部及びヨウ化物を2重量部以上含有する水溶液を架橋溶液として用い、そこに、先の第一架橋工程を経た後の染色層付き積層フィルムを60℃以上の温度で浸漬する。この第二架橋工程では、水100重量部あたりヨウ化物の含有量を2重量部以上としているので、先の染色工程及び第一架橋工程でポリビニルアルコール系樹脂層(染色層)に残りやすい配向の悪い二色性色素が除去されやすくなる。その結果、偏光性能を確保したまま透過率が上がるので、よりよい偏光性能が得られる。また、第二架橋工程におけるヨウ化物含有量を調節することにより、偏光性積層フィルムの色相を調節することができる。第二架橋工程におけるヨウ化物の含有量は、水100重量部あたり15重量部程度まで許容されるが、好ましくは5重量部以上であり、また好ましくは8重量部以下である。
架橋溶液として、架橋剤(ホウ酸)を溶媒に溶解した溶液が使用できる。溶媒として、本発明では水を使用するが、この架橋溶液(水溶液)は、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでいてもよい。架橋溶液におけるホウ酸の濃度は、第一架橋工程及び第二架橋工程ともに、水100重量部あたり1〜20重量部とするが、好ましくは6重量部以上、また好ましくは15重量部以下である。
架橋溶液への染色層付き積層フィルムの浸漬時間は、第一架橋工程及び第二架橋工程を含む架橋工程全体の和として、通常、15秒〜20分間であることが好ましく、さらには30秒以上、また15分以下となるようにすることがより好ましい。架橋溶液の温度は、60℃以上とするが、その上限は82℃以下とすることが好ましい。その温度が60℃未満であると、浸漬時間をいくら延ばしても十分な偏光性能が得られにくくなり、一方でその温度が82℃を超えると、ポリビニルアルコール系樹脂が部分的に溶け出して、染色後のムラを生じやすい。
なお、架橋処理は、染色溶液中に架橋剤を配合しておくことにより、染色処理と同時に行うこともできる。本発明においては、染色溶液中に架橋剤を配合しておき、染色工程で部分的に架橋反応を進行させることもできるが、その場合でも、染色工程の後に、上述した第一架橋工程及び第二架橋工程を含む架橋工程を行うことにより、優れた偏光性能を示す偏光性積層フィルム又は偏光板が得られるようにする。また、予め目標の倍率で延伸されたものを単に架橋させるのみでもよいし、架橋処理と延伸を同時に行ってもよい。この場合は、予め延伸工程において低倍率で延伸された延伸フィルムを、架橋処理中に再度延伸することで、トータルで目的の倍率に達するようにすればよい。
[架橋工程の後、任意に行われる工程]
架橋工程を経た後は、洗浄処理及び乾燥処理を行うことが好ましい。洗浄処理は通常、架橋工程を経たフィルムを、水で洗浄することにより行われる。洗浄処理には通常、イオン交換水や蒸留水の如き純水が用いられる。そこに、架橋工程を経た後のフィルムを浸漬することにより、洗浄処理を行うことができる。洗浄に用いる水の温度は、通常3〜50℃であり、好ましくは4〜20℃の範囲である。浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
洗浄処理には、ヨウ化物水溶液による洗浄と、水による洗浄を組み合わせてもよい。また適宜に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、及びブタノールの如き液体アルコールが配合された水溶液を用いることもできる。
洗浄処理の後は、さらに乾燥処理を施すことが好ましい。乾燥処理として、任意の適切な方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)を採用しうる。例えば、加熱乾燥の場合の乾燥温度は、通常20〜95℃であり、乾燥時間は、通常1〜15分間程度である。
以上の染色工程(S30)、架橋工程(S40)により、樹脂層が偏光子としての機能を有することになる。本明細書においては、偏光子としての機能を有する樹脂層を偏光子層といい、基材フィルム上に偏光子層を備えた積層体を偏光性積層フィルムという。
[保護フィルム貼合工程(S50)]
ここでは、上で説明した各工程を経て得られる偏光性積層フィルムの、基材フィルム側とは反対側の偏光子層面に、保護フィルムを貼合する。偏光子層と保護フィルムとの貼合は、例えば、粘着剤層や接着剤層を介して両者を貼合する方法により行うことができる。
(保護フィルム)
保護フィルムは、光学機能を有さない単なる保護フィルムであってもよいし、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せ持つフィルムであってもよい。
保護フィルムの材料は、偏光板の分野で一般に用いられているものが、特に制限なく使用できる。例えば、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのような樹脂からなるセルロースエステル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルムなどを挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンの如き環状オレフィンを主要な構成モノマーとするもので、適宜の市販品、例えば、TOPAS〔Topas Advanced Polymers社製、日本ではポリプラスチックス(株)から入手できる〕、アートン〔JSR(株)製〕、ゼオノア(ZEONOR)〔日本ゼオン(株)製〕、ゼオネックス(ZEONEX)〔日本ゼオン(株)製〕、アペル〔三井化学(株)製〕などを好適に用いることができる。このような環状ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとする際には、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の方法が適宜用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。延伸することで、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムに任意の位相差値を付与することができる。延伸は通常、フィルムロールを巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉で、ロールの進行方向、その進行方向と面内で直交する方向、その両方、又は進行方向と平行でも直交でもない斜め方向へ延伸される。加熱炉の温度は通常、環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃までの範囲である。延伸倍率は、一つの方向につき通常 1.1〜6倍、好ましくは1.1〜3.5倍である。エスシーナ位相差フィルム〔積水化学工業(株)製〕及びゼオノアフィルム〔日本ゼオン(株)製〕のような、予め製膜され、場合によってはさらに位相差が付与された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの市販品を用いてもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一般に表面活性が劣るため、偏光子層と接着させる表面には、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を行うのが好ましい。なかでも、比較的容易に実施可能なプラズマ処理やコロナ処理が好適である。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースの脂肪酸エステルであり、典型的なものにセルローストリアセテートがある。セルロースエステル系樹脂フィルムとして、適宜の市販品、例えば、フジタックTD80、フジタックTD80UF、フジタックTD80UZ、フジタックTD40UZ〔以上、富士フイルム(株)製〕、KC8UX2M、KC4UY〔以上、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製〕などを好適に用いることができる。
セルロースエステル系樹脂フィルムの表面には、視野角特性を改良するために液晶層などを形成してもよい。また、延伸して位相差が付与されたものでもよい。セルロースエステル系樹脂フィルムは、偏光フィルムとの接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法によって行うことができる。
保護フィルムの表面には、ハードコート層、防眩層、及び反射防止層のごとき光学層を形成することもできる。保護フィルム表面にこれらの光学層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
保護フィルムの厚さは、薄型化の要求から、できるだけ薄いものが好ましく、90μm以下であることが好ましく、さらには50μm以下であることがより好ましい。ただし、薄すぎると強度が低下して加工性に難点が出てくるため、通常は5μm以上であることが好ましい。
(他の光学層)
偏光板は、実用に際して、他の光学層が積層された複合偏光板として用いることもできる。上記の保護フィルムが、このような他の光学層の機能を有していてもよい。
他の光学層の例としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム、視野角補償フィルムなどが挙げられる。
ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品として、例えば、DBEF〔3M社製、日本では住友スリーエム(株)から入手できる)、及びAPF〔3M社製、日本ではやはり住友スリーエム(株)から入手できる)が挙げられる。視野角補償フィルムとしては、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムなどが挙げられる。基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品の例として、WVフィルム〔富士フイルム(株)製〕、NHフィルム〔JX日鉱日石エネルギー(株)製〕、NVフィルム〔JX日鉱日石エネルギー(株)製〕などがある。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品の例として、アートンフィルム〔JSR(株)製〕、エスシーナ位相差フィルム〔積水化学工業(株)製〕、ゼオノアフィルム〔日本ゼオン(株)製〕などが挙げられる。
(粘着剤層)
偏光子層と保護フィルムとを、粘着剤層を介して貼合する場合、その粘着剤層を構成する粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。さらに、粘着剤中に微粒子を配合して、光散乱性を示す粘着剤層を形成することもできる。
粘着剤層の厚さは1〜40μmであることが好ましいが、加工性と耐久性を含む特性を損なわない範囲で薄くするのが好ましく、より好ましくは3〜25μmである。3〜25μmという厚さは、良好な加工性を有し、かつ偏光子層の寸法変化を押さえるうえでも好適である。粘着剤層の厚さが1μmを下回ると粘着性が低下し、一方で40μmを超えると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
保護フィルムや偏光子層への粘着剤層の形成は、保護フィルム又は偏光子層に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む粘着剤溶液を塗布し、乾燥することにより行ってもよいし、セパレーター上に形成された粘着剤層を、保護フィルム面又は偏光子層面に移設する方法により行ってもよい。前者の保護フィルム又は偏光子層に直接粘着剤層を形成した場合は、その粘着剤層にセパレーターを貼り合わせ、もう一方のフィルムに貼り合わせるまで、その表面を仮着保護するのが通例であるが、セパレーターの貼合を省略し、その粘着剤層に直接もう一方のフィルムを貼り合わせてもよい。また、後者のセパレーター上に形成された粘着剤層を移設する場合は、もう一方のフィルムに貼り合わせるときに、そのセパレーターを剥がすことになる。保護フィルム又は偏光子層に直接粘着剤溶液を塗布して粘着剤層を形成する場合は、その保護フィルム又は偏光子層の粘着剤層形成面に、またセパレーター上に形成された粘着剤層を保護フィルム又は偏光子層に移設する場合は、保護フィルム若しくは偏光子層の粘着剤層形成面、及び/又は粘着剤層の貼合面に、必要に応じて密着処理、例えば、コロナ処理などを施してもよい。一方のフィルムに形成された粘着剤層をもう一方のフィルムに貼り合わせるときも同様に、当該もう一方のフィルムの貼合面及び/又は粘着剤層の貼合面に、必要に応じて密着処理を施すことができる。
(接着剤層)
偏光子層と保護フィルムとを、接着剤層を介して貼合する場合、その接着剤層を構成する接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などであることができる。なかでも、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。このような水系の接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常1μmよりもはるかに薄く、通常の光学顕微鏡で断面を観察しても、その接着剤層は事実上観察されない。
水系接着剤を用いたフィルムの貼合は、その接着剤を介して両フィルムを貼り合わせ、ロールなどにより押圧して乾燥する方法などにより行うことができる。例えば、一方のフィルムの表面に接着剤を均一に塗布した後、そこにもう一方のフィルムを重ねる方法や、両フィルムの間に接着剤を流し込む方法が採用される。接着剤は通常、その調製後15〜40℃の温度下で塗布され、貼合温度は通常15〜30℃の範囲である。
水系接着剤を使用する場合は、フィルムを貼合した後、接着剤中に含まれる水を除去するため、乾燥する。乾燥炉の温度は、30〜90℃が好ましい。乾燥温度が30℃を下回ると、接着面が剥離しやすくなる傾向がある。一方、その温度が90℃を超えると、熱によって偏光子層などの光学性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は、 10〜1,000秒とすることができる。
乾燥後はさらに、室温又はそれよりやや高い温度、例えば、20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生してもよい。養生のときの温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
また、非水系の接着剤として、光硬化性接着剤を用いることもできる。光硬化性接着剤としては、例えば、光硬化性エポキシ化合物と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
光硬化性接着剤とは、紫外線等の活性エネルギー線を照射することで硬化する接着剤であり、例えば、重合性化合物及び光重合開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むものなどを挙げることができる。前記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマーなどの光重合性モノマーや、それらモノマーに由来するオリゴマーなどを挙げることができる。また光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線の照射を受けて、中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。重合性化合物及び光重合開始剤を含む光硬化性接着剤として、光硬化性エポキシ系モノマー及び光カチオン重合開始剤を含むものが好ましい。
光硬化性接着剤を用いたフィルムの貼合は、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、フィルムの接着面に接着剤を塗布し、2枚のフィルムを重ね合わせる方法により行うことができる。流延法とは、被塗布物である2枚のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。
フィルムの表面に接着剤を塗布した後、ニップロールなどで挟んでフィルム貼り合わせることにより接着される。また、この積層体をロール等で加圧して均一に押し広げる方法も好適に使用することができる。この場合、ロールの材質は、金属やゴムなどであることができる。さらに、この積層体をロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法も好ましく採用される。この場合、二つのロールは同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。ニップロールなどを用いて貼り合わされた後の接着剤層の乾燥又は硬化前の厚さは、5μm以下かつ 0.01μm以上であることが好ましい。
フィルムの接着表面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。
ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法によって行うことができる。
接着剤として光硬化性樹脂を用いた場合は、フィルムを積層後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線が好ましく、具体的には低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
光硬化性接着剤への光照射強度は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6,000mW/cm2 となるようにすることが好ましい。照射強度をこの範囲に収めれば、反応時間が長くなりすぎず、また光源から輻射される熱及び光硬化性接着剤の硬化時の発熱による硬化性化合物の黄変や偏光子層の劣化を生じるおそれが少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる接着剤に応じて適用されるものであって、やはり特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量をこの範囲に収めれば、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、また照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚さは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上でかつ2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以上でかつ1μm以下である。
活性エネルギー線の照射によって偏光子層や保護フィルムを含むフィルムの光硬化性接着剤を硬化させる場合、偏光子層の偏光度、透過率及び色相、並びに保護フィルムの透明性など、偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行うことが好ましい。
[基材フィルム剥離工程(S60)]
本実施形態の偏光板の製造方法では、図2に示すように、保護フィルムを偏光子層に貼合する保護フィルム貼合工程(S50)の後、基材フィルム剥離工程(S60)を行う。
樹脂層形成工程で用いた基材フィルムは、ここで偏光性積層フィルムから剥離される。基材フィルムの剥離方法は特に限定されず、通常の粘着剤付き偏光板において行われるセパレーターの剥離工程と同様の方法が採用できる。保護フィルム貼合工程(S50)の後、そのまますぐに基材フィルムを剥離してもよいし、一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて基材フィルムを剥離してもよい。
基材フィルムを剥離した後は、偏光子層又はその表面に薄く設けられたプライマー層が露出することになるが、そのまま偏光板として用いることができる。この場合は、その偏光子層又はプライマー層の表面に、液晶セルなどの表示素子、又は他の光学フィルムに貼り合わせるための粘着剤層を設けるのが通例である。また、基材フィルムの剥離により露出した偏光子層又はプライマー層の表面に、接着剤を用いて別の保護フィルムを貼り合わせ、偏光子層が2枚の保護フィルムでサンドイッチされた構造の偏光板とすることもできる。この場合は、一方の保護フィルム面に、液晶セルなどの表示素子、又は他の光学フィルムに貼り合わせるための粘着剤層を設けるのが通例である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
[実施例1]
(基材フィルム)
基材フィルムとして、110μmの厚さを有する未延伸ポリプロピレンフィルム(融点163℃)を用いた。
(プライマー層形成工程)
平均重合度1,100でケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール粉末〔日本合成化学工業(株)製の“Z−200”〕を95℃の熱水に溶解し、濃度3%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に、水溶性エポキシ樹脂の30%水溶液である架橋剤〔田岡化学工業(株)製の“スミレーズレジン650”〕を、ポリビニルアルコールの固形分6部に対して5部の割合で混合した。得られた混合水溶液を、コロナ処理が施された上記基材フィルム上にマイクログラビアコーターを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥して、厚さ0.2μmのプライマー層を形成した。
(ポリビニルアルコール系樹脂層形成工程)
平均重合度 2,400でケン化度98.0〜99.0モル%のポリビニルアルコール粉末〔(株)クラレ製の“PVA124”〕を95℃の熱水に溶解し、濃度8%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を上記プライマー層の上にリップコーターを用いて塗工し、80℃で20分間乾燥して、基材フィルム、プライマー層及びポリビニルアルコール系樹脂層の3層からなる積層フィルムを作製した。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さは10μmであった。
(延伸工程)
上で得られた積層フィルムに対し、160℃で 5.8倍の自由端一軸延伸を施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚さは5.0μmであった。
(染色工程)
上で得られた延伸フィルムを、以下に示す組成で26〜30℃に保たれた染色溶液に60〜180秒の間で設定された所定時間浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。染色溶液への浸漬時間及びヨウ素濃度は、最終的に得られる偏光板の後述する方法によって求められる視感度補正単体透過率(Ty)が 42.0%付近になるように微調整した。
〈染色溶液〉
水 100部
ヨウ素 0.25〜0.6部
ヨウ化カリウム 10部
(架橋工程)
次いで、以下に示す組成を有し、76℃に保たれた第一架橋溶液に240秒浸漬し(第一架橋工程)、その後、以下に示す組成を有し、やはり76℃に保たれた第二架橋溶液に60秒浸漬した(第二架橋工程)。引き続き10℃の純水で10秒間洗浄し、最後に80℃で200秒間の乾燥を行った。以上の操作により、樹脂層から偏光子層を形成し、偏光性積層フィルムを得た。
〈第一架橋溶液〉
水 100部
ホウ酸 9.5部
〈第二架橋溶液〉
水 100部
ホウ酸 9.5部
ヨウ化カリウム 10部
(保護フィルム貼合工程)
平均重合度 1,800のポリビニルアルコール粉末〔(株)クラレ製の“KL−318”〕を95℃の熱水に溶解し、濃度3%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に、先のプライマー層形成工程で用いたのと同じ架橋剤“スミレーズレジン650”を、ポリビニルアルコールの固形分2部に対して1部の割合で混合し、接着剤溶液とした。このポリビニルアルコール系接着剤を偏光性積層フィルムの偏光子層に塗布した後、そこにトリアセチルセルロースからなる保護フィルム〔コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製の“KC4UY”)を貼合し、保護フィルム/接着剤層/偏光子層/プライマー層/基材フィルムからなる多層フィルムを得た。
(基材フィルム剥離工程)
上で得られた多層フィルムから基材フィルムを剥離し、保護フィルム/接着剤層/偏光子層/プライマー層からなる偏光板を作製した。基材フィルムは、上の多層フィルムから容易に剥離できた。
得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」〕にて測定したところ、Py=99.997%、単体a=−0.83、単体b=4.44、平行a=−1.32、平行b=7.78、直交a=0.60、直交b=−0.05となった。
[実施例2]
架橋工程における第一架橋溶液の組成を、水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム0.5部とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.997%、単体a=−0.81、単体b=4.36、平行a=−1.28、平行b=7.62、直交a=0.23、直交b=0.01となった。
[実施例3]
架橋工程における第一架橋溶液の組成を、水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム0.9部とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−0.82、単体b=4.44、平行a=−1.29、平行b=7.73、直交a=0.33、直交b=−0.11となった。
[実施例4]
架橋工程における第二架橋溶液のヨウ化カリウム量を、水100部に対して7部に変更した以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−0.92、単体b=3.78、平行a=−1.52、平行b=6.65、直交a=0.00、直交b=0.09となった。
[実施例5]
架橋工程における第二架橋溶液のヨウ化カリウム量を、水100部に対して5部に変更した以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−1.09、単体b=3.74、平行a=−1.84、平行b=6.56、直交a=0.24、直交b=−0.38となった。
[実施例6]
架橋工程における第一架橋溶液の温度を78℃、そこへの浸漬時間を120秒とし、第二架橋溶液の温度を78℃とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−0.57、単体b=3.90、平行a=−0.92、平行b=6.87、直交a=1.05、直交b=0.18となった。
[実施例7]
架橋工程における第一架橋溶液の温度を78℃、そこへの浸漬時間を120秒とし、第二架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム6.8部とし、温度を70℃とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−0.82、単体b=3.25、平行a=−1.41、平行b=5.78、直交a=0.79、直交b=−0.40となった。
[実施例8]
架橋工程における第一架橋溶液の温度を78℃、そこへの浸漬時間を120秒とし、第二架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム4.9部とし、温度を70℃とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.995%、単体a=−0.89、単体b=2.99、平行a=−1.55、平行b=5.33、直交a=0.66、直交b=−0.91となった。
[比較例1]
架橋工程において、第二架橋工程を行わず、架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム10部とし、そこへの浸漬時間を300秒とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.993%、単体a=−0.74、単体b=3.86、平行a=−1.20、平行b=6.77、直交a=0.19、直交b=−0.10となった。
[比較例2]
架橋工程において、第二架橋工程を行わず、架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム5部とし、そこへの浸漬時間を300秒とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.994%、単体a=−0.87、単体b=3.06、平行a=−1.49、平行b=5.44、直交a=0.14、直交b=−0.25となった。
[比較例3]
架橋工程において、第二架橋工程を行わず、架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム5部とし、温度を78℃、そこへの浸漬時間を300秒とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.991%、単体a=−0.79、単体b=2.31、平行a=−1.41、平行b=4.20、直交a=1.12、直交b=−2.54となった。
[比較例4]
架橋工程において、第二架橋工程を行わず、架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム5部とし、温度を78℃、そこへの浸漬時間を300秒とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.979%、単体a=−0.62、単体b=1.77、平行a=−1.15、平行b=3.30、直交a=2.15、直交b=−5.26となった。
[比較例5]
架橋工程において、第二架橋工程を行わず、架橋溶液の組成を水100部に対してホウ酸 9.5部及びヨウ化カリウム0部とし、そこへの浸漬時間を300秒とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.800%、単体a=0.00、単体b=−0.69、平行a=−0.91、平行b=0.54、直交a=20.63、直交b=−41.13となった。
[比較例6]
架橋工程における第二架橋溶液の温度を50℃とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.991%、単体a=−1.00、単体b=3.55、平行a=−1.71、平行b=6.30、直交a=0.25、直交b=−0.54となった。
[比較例7]
架橋工程における第一架橋溶液の温度を50℃、そして第二架橋溶液の温度を50℃とした以外は、実施例1と同じ方法で偏光板を作製した。得られた偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計にて測定したところ、Py=99.930%、単体a=−1.19、単体b=5.03、平行a=−1.78、平行b=8.38、直交a=0.22、直交b=−0.41となった。
[偏光性能の測定]
偏光板の光学特性は、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」〕にて測定した。測定に際し、偏光板はその保護フィルム側をディテクター側とし、プライマー層側から光が入射するよう、分光光度計にセットした。具体的な測定方法について説明すると、380〜780nmの波長範囲においてMD透過率とTD透過率を求め、以下に示す式(1)及び式(2)に基づいて各波長における単体透過率及び偏光度を算出し、さらに JIS Z 8701:1999「色の表示方法−XYZ表色系及びX101010表色系」の2度視野(C光源)により視感度補正を行い、視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)を求めた。先述したとおり、こうして求められる視感度補正単体透過率(Ty)が 42.0%付近になるように、染色工程における染色溶液への浸漬時間を調整している。また、得られた視感度補正偏光度(Py)を、架橋工程における主な条件とともに表1に示した。
ここで、「MD透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光板サンプルの透過軸を平行にしたときの透過率であり、また「TD透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光板サンプルの透過軸を直交させたときの透過率であり、以下の式(1)及び(2)においてはそれぞれ、「MD」及び「TD」と記す。
単体透過率(%)=(MD+TD)/2 ……式(1)
偏光度(%)=〔(MD−TD)/(MD+TD)〕×100 ……式(2)
[色相の測定]
偏光板の単体色相(単体a、単体b)、平行色相(平行a、平行b)、及び直交色相(直交a、直交b)も、積分球付き分光光度計〔日本分光(株)製の「V7100」〕にて測定した。ここで、直交色相とは、透過軸の直交する2枚の偏光板に光を入射したときの透過光の色相を、平行色相とは、透過軸の平行な2枚の偏光板に光を入射したときの透過率の色相を意味する。また、単体色相とは、1枚の偏光板に光を入射したときの透過光の色相を意味する。a値及びb値は、ハンターLab表色系で表現される色の値であり、JIS−Z8729Jに準拠して計算される。色相a値の高いものは赤色を、低いものは緑色を表す。一方、色相b値の高いものは黄色を、低いものは青色を表す。また、0に近い程、共に無彩色に近いことを表す。
Figure 2014206719
表1に示すとおり、本発明に従って架橋工程を2段で行い、それぞれのヨウ化物濃度及び温度を所定条件とすることにより、得られる偏光板の視感度補正偏光度Pyを一層高めることができる。
偏光板の用途から見るならば、例えば、LCD用途の偏光板は、黒表示が偏光板の直交色相に依存することから、明瞭に本来の色が表示できるよう、直交色相がニュートラルグレーであることが望まれる場合がある(直交a、直交bがゼロ付近)。一方、OLED反射防止用途の偏光板は、発光強度を上げることによる発光素子の短寿命化を防ぐために、特に寿命の短い青色光波長領域での単体透過率が高いものが好まれる場合がある(単体bが小さい)。本発明の方法により、視感度補正偏光度に優れ、前記のような用途にも応じた色相の偏光板を製造することができる。

Claims (3)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程、
    得られる積層フィルムを、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚さが10μm以下になるように一軸延伸して延伸フィルムを得る延伸工程、
    得られる延伸フィルムを、二色性色素を含有する染色溶液に浸漬して前記ポリビニルアルコール系樹脂層を染色し、染色層付き積層フィルムを得る染色工程、及び
    得られる染色層付き積層フィルムを、ホウ酸を含有する架橋溶液に浸漬して前記染色されたポリビニルアルコール系樹脂層を架橋し、偏光子層を形成する架橋工程を備え、
    前記架橋工程は、前記染色工程で得られる染色層付き積層フィルムを、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部含有し、ヨウ化物の含有量が1重量部未満である水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第一架橋工程、並びに、水100重量部あたりホウ酸を1〜20重量部及びヨウ化物を2重量部以上含有する水溶液に60℃以上の温度で浸漬する第二架橋工程をこの順に備えることを特徴とする偏光性積層フィルムの製造方法。
  2. 前記延伸工程は、5倍を超える延伸倍率で前記積層フィルムを一軸延伸することにより行われる請求項1に記載の偏光性積層フィルムの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって製造される偏光性積層フィルムを用意する工程、 得られる偏光性積層フィルムの前記基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する保護フィルム貼合工程、及び
    保護フィルム貼合後に前記基材フィルムを前記偏光性積層フィルムから剥離する基材フィルム剥離工程を備えることを特徴とする偏光板の製造方法。
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