JP2012032834A - 延伸フィルム、偏光性延伸フィルムおよびそれらの製造方法 - Google Patents

延伸フィルム、偏光性延伸フィルムおよびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光板または偏光性延伸フィルムを製造する際の染色工程において、延伸方向への裂けを良好に抑制しうる延伸フィルムを提供する。
【解決手段】互いに異なる樹脂から構成される2つの樹脂層を含む、樹脂層の多層構造からなる基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層されるポリビニルアルコール系樹脂層とを備える積層フィルムを一軸延伸してなる延伸フィルム、当該延伸フィルムに偏光性能を付与した偏光性延伸フィルムおよび当該偏光性延伸フィルムを用いた偏光板の製造方法である。上記2つの樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる相転移温度を示すことが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板の製造に好適に用いられる、一軸延伸されたポリビニルアルコール樹脂層を備える延伸フィルムおよび偏光性延伸フィルム、ならびにこれらの製造方法に関する。また本発明は、当該延伸フィルムや偏光性延伸フィルムを用いた偏光板の製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置における偏光の供給素子として、また偏光の検出素子として、広く用いられている。かかる偏光板として、従来より、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面または両面にトリアセチルセルロースなどからなる保護フィルムを接着したものが使用されているが、近年、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などモバイル機器への展開、さらには大型テレビへの展開などに伴い、偏光板の薄型軽量化が求められている。
たとえば特許文献1〜4には、薄型の偏光板を製造する方法として、単一の樹脂層から構成される基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した後、延伸して得られる延伸フィルムを偏光板の製造に使用する方法が開示されている。
特開2000−338329号公報 特開2009−93074号公報 特開2009−98653号公報 特開2003−43257号公報
しかしながら、上記したような従来の延伸フィルムを使用して偏光板を製造する際、特に、用いる延伸フィルムの延伸倍率が高い場合には、ポリビニルアルコール系樹脂層の染色時において、フィルムをニップロールなどのロールで巻き取る際にフィルムが延伸方向に裂けてしまうという問題があった。
そこで本発明の目的は、基材フィルムの一方の面に一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層が形成されている延伸フィルムであって、偏光板または偏光性延伸フィルムを製造する際の染色工程において、延伸方向への裂けを良好に抑制しうる延伸フィルムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、当該延伸フィルムに偏光性能を付与した偏光性延伸フィルムおよび当該偏光性延伸フィルムを用いた偏光板を提供することにある。
本発明は、互いに異なる樹脂から構成される2つの樹脂層を含む、樹脂層の多層構造からなる基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層されるポリビニルアルコール系樹脂層とを備える積層フィルムを一軸延伸してなる延伸フィルムを提供する。
上記2つの樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる相転移温度を示すことが好ましい。ここで、相転移温度とは、樹脂層を構成する樹脂が非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度Tgを意味し、結晶性樹脂である場合には融点Tmを意味する。
基材フィルムが有する樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度と、最も低い相転移温度との差は、10℃以上であることが好ましい。
好ましい実施形態において、基材フィルムは、3つの樹脂層からなることができる。この場合、基材フィルムを構成する樹脂層のうち、中間層を構成する樹脂の相転移温度は、他の樹脂層を構成する樹脂の相転移温度よりも低いことが好ましい。
上記2つの樹脂層は、互いに融点の異なる鎖状ポリオレフィン系樹脂からなることができる。
基材フィルムは、上記積層フィルムになされる一軸延伸の延伸方向とはフィルム面内において垂直な方向に延伸されたものであってよい。
本発明の延伸フィルムにおいて、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは、好ましくは10μm以下である。また、上記積層フィルムの延伸倍率は、5倍超とすることができる。
また本発明は、上記延伸フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層が、ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素が吸着配向された偏光子層である偏光性延伸フィルムを提供する。
また本発明は、上記延伸フィルムおよび偏光性延伸フィルムの製造方法を提供する。本発明の延伸フィルムの製造方法は、上述の基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程と、該積層フィルムを一軸延伸する工程とを含む。また、本発明の偏光性延伸フィルムの製造方法は、上述の基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程と、該積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程と、該延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して、染色フィルムを得る工程と、該染色フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を、架橋剤を含む溶液に浸漬して偏光子層を形成し、架橋フィルムを得る工程と、該架橋フィルムを乾燥する工程とを含む。いずれの製造方法においても、積層フィルムは、5倍超の延伸倍率で一軸延伸することができる。
また本発明は、上記偏光性延伸フィルムを用いた偏光板の製造方法を提供する。本発明の偏光板の製造方法は、上記偏光性延伸フィルムの偏光子層における基材フィルム側とは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程と、基材フィルムを剥離除去する工程とを含む。
さらに本発明は、上記偏光性延伸フィルムまたは偏光板を備える液晶表示装置を提供する。本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの少なくとも一方の面に積層される上記偏光性延伸フィルム(本発明の方法に製造された偏光性延伸フィルムであってもよい)または上記本発明の方法により製造された偏光板とを備えるものである。
さらにまた本発明によれば、互いに異なる樹脂から構成される2つの樹脂層を含む、樹脂層の多層構造からなる基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層される厚み3〜30μmのポリビニルアルコール系樹脂層とを備える未延伸の積層フィルムが提供される。
上記2つの樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる相転移温度を示すことが好ましい。ここでいう相転移温度は、上記と同じ意味である。
基材フィルムが有する樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度と、最も低い相転移温度との差が10℃以上であることが好ましい。
好ましい実施形態において、基材フィルムは、3つの樹脂層からなることができる。この場合、基材フィルムを構成する樹脂層のうち、中間層を構成する樹脂の相転移温度は、他の樹脂層を構成する樹脂の相転移温度よりも低いことが好ましい。
上記2つの樹脂層は、互いに融点の異なる鎖状ポリオレフィン系樹脂からなることができる。
本発明によれば、薄型であるとともに、偏光板や偏光性延伸フィルムを製造する際の染色工程における延伸方向への裂けを良好に抑制しうる延伸フィルムが提供される。本発明の延伸フィルムは、偏光板や偏光性延伸フィルムを製造するための中間物(中間製品)として極めて有効であり、本発明の延伸フィルムを用いることにより、歩留まり良く、かつ安定して偏光板や偏光性延伸フィルムを製造することができる。
また、本発明に係る偏光性延伸フィルムおよび偏光板は、薄型化されたものであるので、モバイル端末などに使用される液晶表示装置に好適に適用することができる。
本発明の延伸フィルムの好ましい一例を示す概略断面図である。 本発明の積層フィルムの好ましい一例を示す概略断面図である。 本発明の延伸フィルムの他の好ましい一例を示す概略断面図である。 本発明の偏光性延伸フィルムの好ましい一例を示す概略断面図である。 本発明の方法により得られる偏光板の好ましい一例を示す概略断面図である。
<延伸フィルム>
図1は、本発明の延伸フィルムの好ましい一例を示す概略断面図である。図1に示される延伸フィルム10は、一軸延伸された基材フィルム20と、この基材フィルム20の一方の面に積層される一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層30とを備える。すなわち、延伸フィルム10は、図2に示されるような基材フィルム20’と基材フィルム20’の一方の面に積層されるポリビニルアルコール系樹脂層30’とを備える積層フィルム10’を一軸延伸してなるものである。積層フィルム10’において基材フィルム20’は、樹脂層の多層構造からなり、この例において、第1の樹脂層21’と第2の樹脂層22’の2つの樹脂層からなる。同様に、一軸延伸された基材フィルム20は、樹脂層の多層構造からなり、この例において、第1の樹脂層21と第2の樹脂層22の2つの樹脂層からなる。第1の樹脂層21と第2の樹脂層22(第1の樹脂層21’と第2の樹脂層22’)とは、互いに異なる樹脂から構成され、好ましくは互いに異なる相転移温度を示す樹脂から構成される。ここでいう「相転移温度」とは、樹脂層を構成する樹脂が非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度Tgを意味し、結晶性樹脂である場合には融点(結晶融点)Tmを意味し、ともにJIS K 7121に準拠して測定される。
このように、本発明の延伸フィルムは、互いに異なる樹脂から構成される、好ましくは互いに異なる相転移温度を示す2つの樹脂層を含む基材フィルムを備えることを特徴とする。これにより、ポリビニルアルコール系樹脂層を有する延伸フィルムを用いて偏光板や偏光性延伸フィルムを製造する際の染色工程における延伸方向への裂けに対する耐性が効果的に改善される。すなわち、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂層が形成された積層フィルムの一軸延伸は、従来のように、その基材フィルムが単一の樹脂層からなる場合、延伸温度が低すぎると流動性が低くて基材フィルムの破断が生じやすく、高すぎると基材フィルムが溶融状態となり延伸不可能となることから、基材フィルム(樹脂層)を構成する樹脂の相転移温度(非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度Tg、結晶性樹脂である場合には融点Tm)近傍の温度で行なわれるのが通常である。しかし、相転移温度近傍で一軸延伸処理を行なうと、ポリビニルアルコール系樹脂層とともに、基材フィルムもまた延伸方向に一軸配向を生じるため、延伸方向に基材フィルム、ひいては延伸フィルムが裂けやすくなる。これに対し、上述のような複数の樹脂層の多層構造からなる基材フィルムを用いた本発明の延伸フィルムにおいては、積層フィルムの一軸延伸温度を、複数の樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度近傍に設定すれば、最も高い相転移温度を有する樹脂層以外の層は、延伸時溶融状態となるため、一軸配向を生じておらず(もしくはほとんど生じておらず)、強度(延伸方向への裂けに対する耐性)に優れる。また、最も高い相転移温度を示す樹脂からなる樹脂層が支持体の役割を果たすため、延伸時、他の樹脂層が溶融状態になっても、その形状を保持することができ、溶け出すことはない。このように、本発明の延伸フィルムは、一軸延伸による配向を生じていない樹脂層により、延伸方向への裂けに対する耐性が付与されている。本発明の延伸フィルムは、偏光板や偏光性延伸フィルムを製造するための中間物(中間製品)として極めて有効である。
本発明の延伸フィルムにおいて基材フィルムは、3以上の樹脂層を含むことができる。図3は、本発明の延伸フィルムの他の好ましい一例を示す概略断面図である。図3に示される延伸フィルム100は、第1の樹脂層210と第2の樹脂層220と第3の樹脂層230の3層構造からなる一軸延伸された基材フィルム200と、この基材フィルム200の一方の表面に積層される一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層300とを備えるものである。
このような3層構造の基材フィルム200を用いる場合においては、第1の樹脂層210を構成する樹脂と第3の樹脂層230を構成する樹脂を同種の樹脂とし、第2の樹脂層220にはこれとは異種の樹脂を用いることが好ましい。このような対称構造にすることにより、基材フィルムを2層構造とする場合に発生し得る基材フィルムのカールを抑制することができ、ハンドリング性を向上させることができる。
以下、本発明の延伸フィルムについてさらに詳細に説明する。
(基材フィルム)
本発明の延伸フィルムを構成する基材フィルムは、上述のように一軸延伸されたものであり、互いに異なる樹脂から構成される、好ましくは互いに異なる相転移温度を示す2つの樹脂層を含み、3以上の樹脂層を含むこともできる。基材フィルムを構成する複数の樹脂層は、それぞれ非晶性樹脂からなっていてもよく、結晶性樹脂からなっていてもよい。すなわち、非晶性樹脂からなる樹脂層のみを組み合わせてもよいし、結晶性樹脂からなる樹脂層のみを組み合わせてもよいし、あるいは非晶性樹脂からなる樹脂層と結晶性樹脂からなる樹脂層とを組み合わせてもよい。
基材フィルムは、互いに異なる相転移温度を示す2つの樹脂層を含むことが好ましい。これにより、上述のように、複数の樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度近傍で積層フィルムの一軸延伸を行なうことによって、一軸配向を生じていない樹脂層を有することとなるため、最も高い相転移温度を示す樹脂層が配向を生じるにもかかわらず、延伸フィルムの延伸方向への裂けに対する耐性を向上させることができる。
基材フィルムが有する複数の樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度と、最も低い相転移温度との差が大きいほど、最も高い相転移温度近傍で積層フィルムの一軸延伸を行なう際、最も低い相転移温度を示す樹脂からなる樹脂層が溶融状態となりやすいため、当該樹脂層への配向発現がより抑制され、延伸フィルムの延伸方向への裂けに対する耐性をより向上させることができる。このような観点から、上記の最も高い相転移温度と最も低い相転移温度との差は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることが好ましい。一方、当該差が極端に大きいと、積層フィルムのハンドリング性や一軸延伸時における耐熱性の低下が懸念されることから、当該差は100℃以下であることが好ましい。
基材フィルムの各樹脂層を構成する各樹脂の相転移温度(非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度Tg、結晶性樹脂である場合には融点Tm)は、基材フィルムのハンドリング性の観点から、25℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上である。また、一軸延伸時における積層フィルムの耐熱性の観点から、各樹脂の相転移温度は、60℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。一方、各樹脂の相転移温度は、250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。積層フィルムの一軸延伸を行なうためには、最も高い相転移温度近傍まで温度を上げる必要があるところ、相転移温度が250℃を超える樹脂層があると、当該温度近傍まで温度を上げたときにポリビニルアルコール系樹脂層に熱劣化が生じる懸念があるためである。各樹脂層を構成する樹脂の種類(相転移温度)は、最も高い相転移温度と最も低い相転移温度との差が上記範囲となるように選択されることが好ましい。
図3に示されるように、基材フィルムを3層の樹脂層から構成する場合には、中間の樹脂層を構成する樹脂として相転移温度がより低い樹脂を用い、外側の2層に相転移温度がより高い樹脂を用いることが好ましい。積層フィルムの一軸延伸時において溶融状態となる樹脂層を中間に配置することにより、溶融状態の樹脂層を外側の2層で良好に保持することができ、一軸延伸時における積層フィルムの耐熱性を向上させることができる。また、同様の観点から、図1に示されるように、基材フィルムを2層の樹脂層から構成する場合には、相転移温度がより低い樹脂からなる樹脂層をポリビニルアルコール系樹脂層側に配置することが好ましい。
基材フィルムの複数の樹脂層を構成する樹脂は、上述した相転移温度の関係を満たすように選択されることが好ましい。また、これらの樹脂は、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂の具体例を挙げれば、たとえば、セルローストリアセテート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂など)等のポリオレフィン系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;およびこれらの混合物などが挙げられる。特にポリビニルアルコール系樹脂を塗布するための平滑性に優れ、かつ、ポリビニルアルコール系樹脂層を積層した積層フィルムの延伸性に優れるなどの理由から、基材フィルムは、セルロースエステル系樹脂、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される少なくともいずれか1つからなる樹脂層を含むことが好ましい。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートの市販品の例としては、いずれも商品名で、「フジタックTD80」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UF」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UZ」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD40UZ」(富士フイルム(株)製)、「KC8UX2M」(コニカミノルタオプト(株)製)、「KC4UY」(コニカミノルタオプト(株)製)などが挙げられる。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、たとえば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、たとえば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレン等の鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、およびこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、ならびにそれらの水素化物などである。なかでも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては種々の製品が市販されている。環状ポリオレフィン系樹脂の市販品の例としては、いずれも商品名で、「Topas」(TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH社製、ポリプラスチックス(株)から入手できる)、「アートン」(JSR(株)製)、「ゼオノア(ZEONOR)」(日本ゼオン(株)製)、「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン(株)製)、「アペル」(三井化学(株)製)などが挙げられる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、任意の適切な(メタ)アクリル系樹脂を採用し得る。たとえば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(たとえば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどの、アルキル部位の炭素数が1〜6のポリ(メタ)アクリル酸アルキルなどが用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
上記した熱可塑性樹脂の中でも、延伸性に優れ、かつ、相転移温度の調整が容易であることから、基材フィルムの複数の樹脂層は、いずれも鎖状ポリオレフィン系樹脂からなることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体等)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体等)などからなることがより好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂は結晶性である場合が多く、プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂は、融点Tmが概ね150〜180℃の範囲にある。エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂の場合、その密度などにより融点Tmが変動し得るが、概ねその融点Tmは100〜140℃の範囲である。また、たとえば、プロピレンにエチレン等の他種のモノマーを共重合させたポリプロピレン系樹脂によれば、プロピレンの単独重合体の融点よりも低い融点を得ることができる。このように、主モノマーの種類や共重合成分の有無または共重合成分の種類や含有量などの調整により、樹脂の相転移温度を制御することができる。
プロピレンに共重合可能な他種のモノマーとしては、たとえば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく用いられ、より好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例を挙げれば、たとえば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどである。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。なお、共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有率は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行なうことにより求めることができる。
上記のなかでも、プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、および、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
プロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックの立体規則性を有するプロピレン系樹脂からなる樹脂層を含む基材フィルムは、そのハンドリング性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
基材フィルムには、上記の熱可塑性樹脂の他に、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、たとえば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、および着色剤などが挙げられる。基材フィルム中の上記にて例示した熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。基材フィルム中の熱可塑性樹脂の含有量が50重量%未満の場合、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがある。
また、積層フィルムにおける基材フィルムは、積層フィルムの一軸延伸方向とはフィルム面内において垂直な方向にあらかじめ延伸されたものであってもよい。一軸延伸方向とはフィルム面内において垂直な方向に延伸するとは、たとえば、積層フィルムの一軸延伸をフィルム搬送方向(積層フィルムの長手方向)、すなわち、縦方向に行なう縦延伸である場合における、横延伸(フィルム幅方向への延伸)を意味する。
積層フィルムにおける基材フィルムの厚さ(延伸前)は特に制限されないが、強度やハンドリング性等の作業性の点から1〜500μmが好ましく、1〜300μmがより好ましく、5〜200μmがさらに好ましく、5〜150μmが最も好ましい。延伸フィルムにおける一軸延伸された基材フィルムの厚さは、積層フィルムの厚さが上記範囲である場合、通常、1〜300μmとなり、好ましくは1〜100μmである。積層フィルムおよび延伸フィルムを構成する各樹脂層の厚さについても特に制限はないが、延伸フィルムに対して、十分な延伸方向への裂けに対する耐性を付与するために、延伸フィルムにおける配向を生じていない樹脂層(すなわち、相転移温度が最も低い樹脂層などの延伸時に溶融状態になる樹脂層)の厚さは、2μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、図3に示すように、基材フィルムが3層構造である場合には、当該層構造が対称となるよう、外側の2層は同等の厚みを有していることが好ましい。
複数の樹脂層を含む本発明に係る基材フィルムは、たとえば、多層押出成形機を用いた共押出成形法になどにより容易に作製することができる。
基材フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等を行なってもよい。
(ポリビニルアルコール系樹脂層)
本発明の延伸フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂層は、上述のように一軸延伸されたものであり、基材フィルムの一方の面に形成される。ポリビニルアルコール系樹脂層を形成するポリビニルアルコール系樹脂としては、たとえば、ポリビニルアルコール樹脂およびその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどの他、ポリビニルアルコール樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで変性したものが挙げられる。上述のポリビニルアルコール系樹脂材料の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を用いるのが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、100〜10000が好ましく、1000〜10000がより好ましい。平均重合度が100未満では好ましい偏光特性を得るのが困難である。10000超では水への溶解性が悪化しポリビニルアルコール系樹脂層の形成が困難になってしまう。ポリビニルアルコール系樹脂の平均ケン化度は、80〜100モル%が好ましく、98モル%以上がより好ましい。平均ケン化度が80モル%未満では、好ましい偏光特性を得るのが困難である。
上述のポリビニルアルコール系樹脂中には、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤等の添加剤が添加されていてもよい。可塑剤としては、ポリオールおよびその縮合物などを用いることができ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが例示される。添加剤の配合量は特に制限されないが、ポリビニルアルコール系樹脂中20重量%以下とするのが好適である。
積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは、3μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。3μm以下であると延伸後に薄くなりすぎて染色性が著しく悪化してしまい、30μmを超えると、偏光板の厚みが厚くなるので好ましくない。同様の理由から、延伸フィルムにおける一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層の厚さは、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上8μm以下であることがより好ましい。
後述するように、積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の形成は、基材フィルムの片面に直接、ポリビニルアルコール系樹脂溶液を塗工、乾燥することにより行なうことができるが、この場合、ポリビニルアルコール系樹脂層と基材フィルムとの密着性を向上させるために、基材フィルム表面にプライマー層等の薄層を形成してもよい。また、ポリビニルアルコール系樹脂層は、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを貼着することにより形成することもできるが、この場合、フィルム間の貼着には接着剤を用いることができる。
延伸フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層は、延伸方向に一軸配向されたものである。ポリビニルアルコール系樹脂層の配向状態は、たとえば、基材フィルムから剥離して市販の自動複屈折測定装置(王子計測機器(株)製:KOBAR−WPR)などで測定することができる。また、基材フィルムを剥離できない場合には、基材フィルムのみを溶かす有機溶媒を使用して基材フィルムを除去してポリビニルアルコール系樹脂層を単離することで、同様にして測定することが可能である。
<延伸フィルムの製造方法>
本発明の延伸フィルムは、基材フィルムと該基材フィルムの一方の表面に積層されるポリビニルアルコール系樹脂層とを備える積層フィルムを一軸延伸することにより作製することができる。すなわち、本発明の延伸フィルムの製造方法は、下記の工程を含む。
(a)基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程、
(b)該積層フィルムを一軸延伸する工程。
上記工程(a)において、ポリビニルアルコール系樹脂層は、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒に溶解させて得たポリビニルアルコール系樹脂溶液を基材フィルムの一方の面に塗工し、乾燥により溶剤を蒸発させることによって形成される。このような方法によれば、ポリビニルアルコール系樹脂層を薄く形成することが可能となる。ポリビニルアルコール系樹脂溶液を基材フィルムに塗工する方法としては、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法などの公知の方法から適宜選択できる。乾燥温度は、たとえば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。乾燥時間は、たとえば5〜30分である。
ポリビニルアルコール系樹脂層を形成する前に、基材フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の表面に、密着性を向上させることを目的としてプライマー層をあらかじめ形成しておいてもよい。プライマー層は、たとえばポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含む溶液を、上記と同様の方法で塗工し、乾燥させることにより形成できる。
なお、上述のとおり、ポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを基材フィルムの一方の表面上に貼着することにより形成することも可能である。
上記工程(b)は、基材フィルムおよびポリビニルアルコール系樹脂層を備える積層フィルムを一軸延伸する工程である。積層フィルムの延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルムの元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層が十分に配向しないため、結果として、偏光フィルムの偏光度が十分に高くならない。一方、延伸倍率が17倍を超えると延伸時の積層フィルムの破断が生じ易くなると同時に、積層フィルムの厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性・ハンドリング性が低下するおそれがある。本発明においては、上記のような複数の樹脂層からなる基材フィルムを用いるため、延伸倍率を5倍超にした場合であっても、得られる延伸フィルムは、延伸方向への裂けに対する高い耐性を有する。したがって、本発明によれば、高い偏光特性を示すとともに、高い耐久性を備える偏光板および偏光性延伸フィルムを提供することができる。
一軸延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行なうこともできる。この場合、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行なうことが好ましい。
本発明における一軸延伸は、積層フィルムの長手方向(フィルム搬送方向)に延伸を行なう縦延伸であることが好ましい。縦延伸方式としては、ロール間延伸方法、圧縮延伸方法、テンターを用いた延伸方法などが挙げられる。なお、一軸延伸は、縦延伸処理に限定されることはなく、斜め延伸等であってもよい。
延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が、積層フィルムを延伸する際の温度を広い範囲から選択することができる点で好ましい。
延伸温度は、基材フィルムが有する複数の樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度近傍に設定され、具体的には、(最も高い相転移温度−30℃)〜(最も高い相転移温度+5℃)の範囲が好ましく、(最も高い相転移温度−25℃)〜(最も高い相転移温度)の範囲がより好ましい。延伸温度を(最も高い相転移温度−30℃)より低くすると、5倍超の高倍率延伸が困難になる。延伸温度が(最も高い相転移温度+5℃)を超えると、基材フィルムの流動性が大きすぎて延伸が困難となる傾向にある。なお、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。延伸温度が120℃以上の場合、5倍超の高延伸倍率であっても延伸処理に困難性を伴わないからである。延伸処理の温度調整は、通常、加熱炉の温度調整による。
<偏光性延伸フィルムおよびその製造方法>
図4は、本発明の偏光性延伸フィルムの好ましい一例を示す概略断面図である。図4に示される偏光性延伸フィルム15は、一軸延伸された基材フィルム20と、この基材フィルム20の一方の面に積層される一軸延伸され、二色性色素が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂層からなる偏光子層35とを備える。すなわち、図4に示される偏光性延伸フィルム15は、図1に示される延伸フィルム10におけるポリビニルアルコール系樹脂層30に二色性色素を吸着配向させたものである。本発明の偏光性延伸フィルムは、二色性色素を吸着配向させたものであることから偏光特性を示し、したがって、これを偏光板として用いることができ、あるいは保護フィルムを備える偏光板の中間物としても利用することができる。なお、図4では、基材フィルムが2層構造である例を示しているが、これに限定されるものではなく、上述の延伸フィルムと同様、3層以上の樹脂層からなることもできる。本発明の偏光性延伸フィルムは、薄型であるとともに、偏光性能および耐久性に優れる。また、本発明の偏光性延伸フィルムを偏光板として用いた液晶表示装置は、高いコントラスト比を示す。
本発明の偏光性延伸フィルムは、上述の延伸フィルムを用いて効率的に作製することが可能であり、具体的には、下記工程を含む方法によって作製することができる。
(a’)基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程、
(b’)該積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程、
(c’)該延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して、染色フィルムを得る工程、
(d’)該染色フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を、架橋剤を含む溶液に浸漬して偏光子層を形成し、架橋フィルムを得る工程、
(e’)該架橋フィルムを乾燥する工程。
上記工程(a’)および(b’)は、上記工程(a)および(b)と同様であるので説明は割愛する。上記工程(c’)は、延伸フィルムのポリビニルアルコール樹脂層を、二色性色素で染色して、これを吸着配向させる工程である。二色性色素としては、たとえば、ヨウ素や有機染料などが挙げられる。有機染料としては、たとえば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが使用できる。これらの二色性物質は、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
染色工程は、たとえば、上記二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に、延伸フィルム全体を浸漬することにより行なうことができる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることが特に好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化物を、ヨウ素を含有する染色溶液に添加することが好ましい。このヨウ化物としては、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。染色溶液におけるヨウ化物の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましい。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることが特に好ましい。
染色溶液への延伸フィルムの浸漬時間は、特に限定されないが、15秒〜15分間の範囲であることが好ましく、1分〜3分間であることがより好ましい。また、染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色工程を一軸延伸工程の前または同時に行なうことも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂層に吸着させた二色性色素を良好に配向させることができるよう、積層フィルムに一軸延伸工程を施した後に行なうことが好ましい。
上記工程(d’)は、二色性色素で染色させて得られた染色フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層に対して、架橋処理を行ない、ポリビニルアルコール系樹脂層を偏光子層とする架橋フィルムを得る工程である。架橋工程は、たとえば、架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に染色フィルムを浸漬することにより行なうことができる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができる。たとえば、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物や、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。これらは一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
架橋溶液としては、架橋剤を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、たとえば水が使用できるが、さらに、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、1〜10重量%の範囲にあることが好ましく、2〜6重量%であることがより好ましい。
架橋溶液には、ヨウ化物を添加してもよい。ヨウ化物の添加により、偏光子層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンが挙げられる。ヨウ化物の濃度は、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。
架橋溶液への染色フィルムの浸漬時間は、15秒〜20分間であることが好ましく、30秒〜15分間であることがより好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜80℃の範囲にあることが好ましい。
なお、架橋工程は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色工程と同時に行なうこともできる。また、架橋工程と一軸延伸工程とを同時に行ってもよい。
得られた架橋フィルムは、通常、洗浄を行なった後、乾燥される(上記工程(e’))。洗浄は、イオン交換水、蒸留水などの純水に架橋フィルムを浸漬することにより行なうことができる。水洗浄温度は、通常3〜50℃、好ましくは4〜20℃の範囲である。浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは5〜240秒間である。洗浄は、ヨウ化物溶液による洗浄処理と水洗浄処理とを組み合わせてもよく、適宜にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等の液体アルコールを配合した溶液を用いることもできる。
乾燥方法としては、任意の適切な方法(たとえば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)を採用しうる。たとえば、加熱乾燥の場合の乾燥温度は、通常、20〜95℃であり、乾燥時間は、通常、1〜15分間程度である。
<偏光板の製造方法>
上記本発明の偏光性延伸フィルムは、保護フィルムを貼着した偏光板を製造するための中間物として有用であり、これを用いることにより、所望の偏光板を効率的に歩留まり良く製造することができる。図5に示されるように、本発明の製造方法により得られる偏光板25は、偏光子層35の一方の面に保護フィルムが積層された構成を有し、基材フィルムを有しない。本発明の製造方法により得られる偏光板は、薄型であるとともに、偏光性能および耐久性に優れる。また、本発明に係る偏光板を用いた液晶表示装置は、高いコントラスト比を示す。
偏光板は、上記本発明の偏光性延伸フィルムを用いて、下記工程を含む方法によって作製することができる。
(A)偏光性延伸フィルムの偏光子層における基材フィルム側とは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程、
(B)基材フィルムを剥離除去する工程。
上記工程(A)で使用する保護フィルムとしては、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂フィルムなど)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂など)等のポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのような樹脂からなるセルロースエステル系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルムなどを挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、適宜の市販品、たとえば、いずれも商品名で、「Topas」(TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH社製、ポリプラスチックス(株)から入手できる)、「アートン」(JSR(株)製)、「ゼオノア(ZEONOR)」(日本ゼオン(株)製)、「ゼオネックス(ZEONEX)」(日本ゼオン(株)製)、「アペル」(三井化学(株)製)などを好適に用いることができる。このような環状ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとする際には、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の方法が適宜用いられる。また、いずれも商品名で、「エスシーナ」(積水化学工業(株)製)、「SCA40」(積水化学工業(株)製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン(株)製)などの製膜された環状ポリオレフィン系樹脂製のフィルムの市販品を用いてもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一軸延伸または二軸延伸されたものであってもよい。延伸することで、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムに任意の位相差値を付与することができる。延伸は、通常、フィルムロールを巻き出しながら連続的に行なわれ、加熱炉にて、ロールの進行方向、その進行方向と垂直の方向、またはその両方へ延伸される。加熱炉の温度は、通常、環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃までの範囲である。延伸倍率は、一つの方向につき通常1.1〜6倍、好ましくは1.1〜3.5倍である。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一般に表面活性が劣るため、偏光子層に貼着される表面には、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を行なうのが好ましい。中でも、比較的容易に実施可能なプラズマ処理、コロナ処理が好適である。
セルロースエステル系樹脂フィルムとしては、適宜の市販品、たとえば、いずれも商品名で、「フジタックTD80」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UF」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD80UZ」(富士フイルム(株)製)、「フジタックTD40UZ」(富士フイルム(株)製)、「KC8UX2M」(コニカミノルタオプト(株)製)、「KC4UY」(コニカミノルタオプト(株)製)などを好適に用いることができる。
セルロースエステル系樹脂フィルムの表面には、視野角特性を改良するために液晶層などを形成してもよい。また、位相差を付与するため、延伸されたセルロースエステル系樹脂フィルムを保護フィルムとして用いてもよい。セルロースエステル系樹脂フィルムは、偏光子層との密着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が採用できる。
保護フィルムは薄いものが好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣る。一方、厚すぎると、透明性が低下したり、積層後に必要な養生時間が長くなったりするなどの問題が生じる。したがって、保護フィルムの厚みは、80μm以下が好ましく、より好ましくは5〜60μmである。また、偏光板の薄型化の観点からは、偏光子層と保護フィルムの合計の厚み(すなわち、偏光板の厚み)は、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは90μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。
保護フィルムの偏光子層とは反対側の表面に、ハードコート層、防眩層、反射防止層などの光学層を形成することもできる。保護フィルム表面にこれらの光学層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
偏光性延伸フィルムの偏光子層と保護フィルムとの貼合は、接着剤または粘着剤を用いて行なうことができる。接着剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などの水系接着剤が挙げられる。保護フィルムとしてケン化処理などで親水化処理されたセルロースエステル系樹脂を用いる場合、接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。水系接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常1μm以下である。
水系接着剤を用いて偏光子層と保護フィルムとを貼合する方法は特に限定されるものではなく、たとえば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、偏光子層および/または保護フィルムの表面に接着剤を均一に塗布し、塗布面にもう一方のフィルムを重ねてロールなどを用いて貼合し、乾燥する方法などが挙げられる。流延法とは、被塗布物である偏光子層または保護フィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。通常、水系接着剤は、その調製後、15〜40℃の温度下で塗布され、貼合温度は、通常15〜30℃の範囲である。
接着剤を塗布した後、偏光子層および保護フィルムを重ね合わせ、ニップロールなどにより挟んでフィルムの貼合を行なう。ニップロールを用いた貼合は、たとえば、接着剤を塗布した後、ロールなどで加圧して均一に押し広げる方法、接着剤を塗布した後、ロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法などを採用することができる。前者の場合において、ロールの材質としては金属やゴムなどを用いることが可能である。また、後者の場合、複数のロールは同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
水系接着剤を使用する場合は、偏光子層と保護フィルムとを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するため、積層されたフィルムを乾燥させる。乾燥温度は、好ましくは30〜90℃である。30℃未満であると、偏光子層と保護フィルムが剥離しやすくなる傾向がある。また、90℃以上であると、熱によって偏光性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は10〜1000秒とすることができ、特に生産性の観点からは、好ましくは60〜750秒、より好ましくは150〜600秒である。
乾燥後はさらに、室温またはそれよりやや高い温度、たとえば、20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生してもよい。養生温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
また、偏光子層と保護フィルムとを貼合する際の接着剤として、光硬化性接着剤を用いることもできる。光硬化性接着剤としては、たとえば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
光硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子層と保護フィルムとを上記と同様にして貼合した後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
光硬化性接着剤への光照射強度は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cm2であることが好ましい。照射強度が0.1mW/cm2以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm2以下である場合、光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱によるエポキシ樹脂の黄変や偏光子層の劣化を生じるおそれが少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤に応じて適用されるものであって特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/cm2以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。なお、硬化後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
活性エネルギー線の照射によって光硬化性接着剤を硬化させる場合、偏光子層の偏光度、透過率および色相、ならびに保護フィルムの透明性など、偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行なうことが好ましい。
なお、偏光子層と保護フィルムとの貼合にあたっては、偏光子層および/または保護フィルムの接着面に、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
一方、保護フィルムと偏光子層との貼合に用いられる粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、これに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
粘着剤層の厚みは1〜40μmであることが好ましいが、加工性、耐久性等を損なわない範囲で薄く形成することが好ましく、より好ましくは3〜25μmである。3〜25μmであると、良好な加工性を有し、かつ偏光子層の寸法変化を押さえる上でも好適である。粘着剤層の厚みが1μm未満であると粘着性が低下し、40μmを超えると粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じ易くなる。
粘着剤により保護フィルムと偏光子層とを貼合する方法は特に限定されるものではなく、保護フィルム面または偏光子層面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む溶液(粘着剤組成物)を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、保護フィルムと偏光子層とを貼り合わせてもよいし、セパレータ(剥離フィルム)上に粘着剤層を形成した後、保護フィルム面または偏光子層面に転写して、保護フィルムと偏光子層とを貼り合わせてもよい。
なお、偏光子層と保護フィルムとを粘着剤層を介して貼合するにあたっては、密着性を向上させるために、偏光子層および/または保護フィルムの貼合面、あるいは粘着剤層の片面もしくは両面に、コロナ処理などの表面処理を必要に応じて施してもよい。
上記工程(B)は、工程(A)で得られる基材フィルム/偏光子層/保護フィルムを備える積層体から、基材フィルムを剥離除去する工程である。基材フィルムを剥離する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行なわれるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程と同様の方法で剥離できる。保護フィルムの貼合後、そのまますぐ基材フィルムを剥離してもよいし、保護フィルムを貼合後、一度ロール状に巻き取った後、後工程で巻き出しながら基材フィルムを剥離してもよい。
以上のようして製造される偏光板には、実用に際して他の光学層を積層してもよい。また、上記保護フィルムがこれらの光学層の機能を有していてもよい。他の光学層としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム;表面反射防止機能付きフィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルムが挙げられる。
ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品としては、たとえば、「DBEF」(3M社製、住友スリーエム(株)から入手可能)、「APF」(3M社製、住友スリーエム(株)から入手可能)が挙げられる。また、視野角補償フィルムとしては、基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムが挙げられる。基材表面に液晶性化合物が塗布され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、「WVフィルム」(富士フイルム(株)製)、「NHフィルム」(新日本石油(株)製)、「NRフィルム」(新日本石油(株)製)などが挙げられる。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品としては、「アートンフィルム」(JSR(株)製)、「エスシーナ」(積水化学工業(株)製)、「ゼオノアフィルム」(日本ゼオン(株)製)などが挙げられる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、上述の偏光性延伸フィルムまたは偏光板を備えることを特徴とする。具体的には、本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの片面(視認側、背面側のいずれであってもよい)または両面に積層された上述の偏光性延伸フィルムまたは偏光板とを備える液晶パネルを含む。液晶セルとしては、従来公知の各種駆動方式のものを用いることができる。また、本発明の液晶表示装置は、上述の偏光性延伸フィルムまたは偏光板を備えること以外は、従来公知の構成であってよい。本発明の液晶表示装置は、薄型化が図られているとともに、偏光性延伸フィルムまたは偏光板の優れた偏光性能に起因して、高いコントラスト比を示す。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
〔延伸フィルムの作製〕
<実施例1>
(1)基材フィルムの作製
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製「住友ノーブレン W151」、融点Tm=138℃)からなる樹脂層の両側にプロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン(住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の基材フィルムを、多層押出成形機を用いた共押出成形により作製した。得られた基材フィルムの合計厚みは90μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/W151/FLX80E4)は3/4/3であった。
(2)プライマー層の形成
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製「Z−200」、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学(株)製「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部混合した。得られた混合水溶液を、コロナ処理を施した上記基材フィルムのコロナ処理面上にマイクログラビアコーターを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂層の形成
ポリビニルアルコール粉末(クラレ(株)製「PVA124」、平均重合度2400、平均ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を、上記プライマー層上にリップコーターを用いて塗工し、80℃で2分間、70℃で2分間、ついで60℃で4分間の条件下で乾燥させることにより、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる3層構造の積層フィルムを作製した。ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは9.8μmであった。
(4)延伸フィルムの作製
上記積層フィルムを160℃の延伸温度で5.8倍に自由端縦一軸延伸し、延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの厚みは28.5μmであり、ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは4.2μmであった。
<実施例2>
エチレンの単独重合体であるリニア低密度ポリエチレン(住友化学(株)製「FV401」、融点Tm=119℃)からなる樹脂層の両側に、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン(住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した3層構造の基材フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。得られた基材フィルムの合計厚みは90μmであり、各層の厚み比(FLX80E4/FV401/FLX80E4)は3/4/3であった。
<実施例3>
エチレンの単独重合体であるリニア低密度ポリエチレン(住友化学(株)製「FV441−0」、融点Tm=111℃)からなる樹脂層の片側に、プロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン(住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる樹脂層を配置した2層構造の基材フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして延伸フィルムを作製した。得られた基材フィルムの合計厚みは90μmであり、各層の厚み比(FV441−0/FLX80E4)は4/6であった。ポリビニルアルコール系樹脂層は、ポリエチレンからなる樹脂層上に形成した。
<比較例1>
ホモポリプロピレン(住友化学(株)製「住友ノーブレンFLX80E4」、融点Tm=163℃)からなる単層の基材フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み95μmの積層フィルムを作製した。ついで、実施例1と同様の条件で自由端縦一軸延伸処理を行ない、厚み30.1μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは4.5μmであった。
<比較例2>
エチレンユニットを約5重量%含むプロピレン/エチレンのランダム共重合体(住友化学(株)製「住友ノーブレン W151」、融点Tm=138℃)からなる単層の基材フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚み95μmの積層フィルムを作製した。ついで、実施例1と同様の条件で自由端縦一軸延伸処理を行ない、厚み30.1μmの延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは4.5μmであった。
(延伸フィルムの引き裂き強度の測定)
上記実施例および比較例で得られた延伸フィルムの引き裂き強度を次の方法で測定した。まず、延伸フィルムの短辺端部の中央(フィルム幅方向の中央)から、カッターを用いて延伸方向と平行に切り目を入れた。次に、万能引っ張り試験機((株)島津製作所製「オートグラフAG−I」)を用いて、この切り目の基点から延伸フィルムを引き裂き、そのときの引き裂き強度を同装置を用いて測定した。フィルム引き裂き時の速度は300mm/minとした。本測定により、各引き裂き距離(切り目の基点からの引き裂かれたフィルムの距離)における引き裂き強度が得られるが、引っ張り試験機を用いた引き裂き強度測定においては、ある程度の引き裂き距離に達してフィルムの引き裂き角度が安定するまでは、引き裂き強度が高く出ることが多い。したがって、本測定では、この部分を除外し、引き裂き強度が安定している領域における引き裂き強度の平均値を求め、これを引き裂き強度とした。結果を表1に示す。
Figure 2012032834
表1に示されるとおり、実施例1〜3の延伸フィルムは、比較例1および2と比較して、延伸方向への裂けに対して高い耐性を有することが確認された。
〔偏光性延伸フィルムの作製〕
<実施例4>
実施例1〜3で得られた延伸フィルムを用いて、次の手順で偏光性延伸フィルムを作製した。まず、延伸フィルムを60℃の温浴に60秒間浸漬した後、30℃のヨウ素とヨウ化カリウムとを含む水溶液である30℃の染色溶液に150秒間程度浸漬して、ポリビニルアルコール系樹脂層の染色を行ない、ついで10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次に、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む水溶液である76℃の架橋溶液に600秒間浸漬させた。その後、10℃の純水で4秒間洗浄し、最後に50℃で300秒間乾燥させることにより、偏光性延伸フィルムを得た。
実施例1〜3のいずれの延伸フィルムを用いた場合であっても、偏光性延伸フィルムを作製するまでの各工程において、延伸フィルムの裂け等の不具合は生じず、安定して偏光性延伸フィルムを作製することができた。
〔偏光板の作製〕
<実施例5>
実施例4で得られた各偏光性延伸フィルムを用いて、次の手順で偏光板を作製した。まず、ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製「KL−318」、平均重合度1800)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学(株)製「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部混合し、接着剤溶液とした。
次に、実施例4で得られた偏光性延伸フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層上に、上記接着剤溶液を塗布した後、トリアセチルセルロース(TAC)からなる保護フィルム(コニカミノルタオプト(株)製「KC4UY」)を貼合し、保護フィルム/接着剤層/偏光子層/プライマー層/基材フィルムの5層からなる偏光板を得た。得られた偏光板から基材フィルムを剥離し、保護フィルム/接着剤層/偏光子層/プライマー層の4層からなる偏光板を作製した。基材フィルムは容易に剥離することができた。
10,100 延伸フィルム、10’ 積層フィルム、15 偏光性延伸フィルム、20,200 一軸延伸された基材フィルム、20’ 基材フィルム、21,21’,210 第1の樹脂層、22,22’,220 第2の樹脂層、25 偏光板、30,300 一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層、30’ ポリビニルアルコール系樹脂層、35 偏光子層、40 保護フィルム、230 第3の樹脂層。

Claims (23)

  1. 互いに異なる樹脂から構成される2つの樹脂層を含む、樹脂層の多層構造からなる基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に積層されるポリビニルアルコール系樹脂層とを備える積層フィルムを一軸延伸してなる延伸フィルム。
  2. 前記2つの樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる相転移温度(ここで、相転移温度とは、樹脂層を構成する樹脂が非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度を意味し、結晶性樹脂である場合には融点を意味する)を示す請求項1に記載の延伸フィルム。
  3. 前記基材フィルムが有する樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度と、最も低い相転移温度との差が10℃以上である請求項2に記載の延伸フィルム。
  4. 前記基材フィルムは、3つの樹脂層からなる請求項1〜3のいずれかに記載の延伸フィルム。
  5. 前記基材フィルムを構成する樹脂層のうち、中間層を構成する樹脂の相転移温度が他の樹脂層を構成する樹脂の相転移温度よりも低い請求項4に記載の延伸フィルム。
  6. 前記2つの樹脂層は、互いに融点の異なる鎖状ポリオレフィン系樹脂からなる請求項1〜5のいずれかに記載の延伸フィルム。
  7. 前記基材フィルムは、前記一軸延伸の延伸方向とはフィルム面内において垂直な方向に延伸されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の延伸フィルム。
  8. 延伸フィルムにおける前記ポリビニルアルコール系樹脂層の厚みが、10μm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の延伸フィルム。
  9. 前記積層フィルムの延伸倍率が、5倍超である請求項1〜8のいずれかに記載の延伸フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の延伸フィルムにおける前記ポリビニルアルコール系樹脂層が、ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素が吸着配向された偏光子層である偏光性延伸フィルム。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の延伸フィルムを製造するための方法であって、
    前記基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程と、
    前記積層フィルムを一軸延伸する工程と、
    を含む延伸フィルムの製造方法。
  12. 前記積層フィルムは、5倍超の延伸倍率で一軸延伸される請求項11に記載の延伸フィルムの製造方法。
  13. 請求項10に記載の偏光性延伸フィルムを製造するための方法であって、
    前記基材フィルムの一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る工程と、
    前記積層フィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得る工程と、
    前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層を二色性色素で染色して、染色フィルムを得る工程と、
    前記染色フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層を、架橋剤を含む溶液に浸漬して偏光子層を形成し、架橋フィルムを得る工程と、
    前記架橋フィルムを乾燥する工程と、
    を含む偏光性延伸フィルムの製造方法。
  14. 前記積層フィルムは、5倍超の延伸倍率で一軸延伸される請求項13に記載の偏光性延伸フィルムの製造方法。
  15. 請求項10に記載の偏光性延伸フィルムの前記偏光子層における前記基材フィルム側とは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程と、
    前記基材フィルムを剥離除去する工程と、
    を含む偏光板の製造方法。
  16. 液晶セルと、前記液晶セルの少なくとも一方の面に積層される請求項10に記載の偏光性延伸フィルムまたは請求項13に記載の方法により製造された偏光性延伸フィルムとを備える液晶表示装置。
  17. 液晶セルと、前記液晶セルの少なくとも一方の面に積層される請求項15に記載の方法により製造された偏光板とを備える液晶表示装置。
  18. 互いに異なる樹脂から構成される2つの樹脂層を含む、樹脂層の多層構造からなる基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に積層される厚み3〜30μmのポリビニルアルコール系樹脂層とを備える未延伸の積層フィルム。
  19. 前記2つの樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる相転移温度(ここで、相転移温度とは、樹脂層を構成する樹脂が非晶性樹脂である場合にはガラス転移温度を意味し、結晶性樹脂である場合には融点を意味する)を示す請求項18に記載の積層フィルム。
  20. 前記基材フィルムが有する樹脂層を構成する樹脂が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度と、最も低い相転移温度との差が10℃以上である請求項19に記載の積層フィルム。
  21. 前記基材フィルムは、3つの樹脂層からなる請求項18〜20のいずれかに記載の積層フィルム。
  22. 前記基材フィルムを構成する樹脂層のうち、中間層を構成する樹脂の相転移温度が他の樹脂層を構成する樹脂の相転移温度よりも低い請求項21に記載の積層フィルム。
  23. 前記2つの樹脂層は、互いに融点の異なる鎖状ポリオレフィン系樹脂からなる請求項18〜22のいずれかに記載の積層フィルム。
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