JP6234977B2 - 偏光性積層フィルムの製造方法、および偏光板の製造方法 - Google Patents
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40%以上でかつ視感度補正偏光度(Py)が99.9%以上である。上記偏光子層は、好ましくは5倍超の延伸倍率で一軸延伸されている。本発明の上記偏光性積層フィルムは、偏光板として好適に用いられる。
<偏光性積層フィルムの構成>
図1は、本発明に係る偏光性積層フィルムの基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。偏光性積層フィルム10は、基材フィルム11と、基材フィルム11の一方の面に形成されている偏光子層12とを備える。偏光子層12は、厚さ10μm以下であり、二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系樹脂から形成されている。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は99.0モル%以下である。
本発明で用いられる基材フィルム11の材料としては、たとえば、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート等のセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およびこれらの混合物などが挙げられる。基材フィルムの材料として、セルロースエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂および(メタ)アクリル系樹脂からなる群から選択される少なくともいずれか1つが含まれることが好ましい。
ル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体(たとえば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂として、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
偏光子層12は、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、すなわち結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。また、本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化度が99.0モル%以下であれば特に限定されるものではなく、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールでもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミドなどで数%ほど変性したものなどが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度も特に限定されるものではないが、100〜10000が好ましく、1500〜10000がより好ましい。
図2は、本発明に係る偏光板の基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。偏光板13は、保護フィルム14と、保護フィルム14の一方の面に形成されている偏光子層12とを備える。偏光子層12は、厚さ10μm以下であり、二色性色素を吸着配向させたポリビニルアルコール系樹脂から形成されている。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は99.0モル%以下である。
保護フィルム14としては、光学機能を有さない単なる保護フィルムであってもかまわないし、位相差フィルムや輝度向上フィルムといった光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもかまわない。保護フィルム14の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂フィルム、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロースのような樹脂からなる酢酸セルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのような樹脂からなるポリエステル系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルムなど、当分野において従来より広く用いられてきているフィルムを挙げることができる。
偏光子層12は、上述の偏光性積層フィルム10の偏光子層12と同様の構成とすることができる。
保護フィルム14と偏光子層12との貼合に用いられる粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物などの架橋剤を加えた組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
保護フィルム14と偏光子層12との貼合に用いられる接着剤は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などを用いた水系接着剤が挙げられる。保護フィルム14としてケン化処理などで親水化処理された酢酸セルロース系フィルムを用いる場合、偏光子層12との貼合用の水系接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが添加剤として添加されてもよい。このような水系の接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常1μm以下となり、通常の光学顕微鏡で断面を観察して
も、その接着剤層は事実上観察されない。
ギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
好ましくは0.01μm以上でかつ2μm以下、さらに好ましくは0.01μm以上でか
つ1μm以下である。
以上のようして製造される本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層を積層した偏光板として用いることができる。また、上記保護フィルム14がこれらの光学層の機能を有していてもよい。他の光学層の例としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム、視野角補償フィルムが挙げられる。
図3は、図1に示す偏光性積層フィルム10の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。これによると、偏光性積層フィルム10の製造方法は、基材フィルム11の一方の表面上にケン化度が99.0モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムとする樹脂層形成工程(S10)、上記積層フィルムを5倍超の延伸倍率で一軸延伸処理を施し延伸フィルムとする延伸工程(S20)、上記樹
脂層を二色性色素で染色して偏光子層12として偏光性積層フィルム10を得る染色工程(S30)をこの順番に実施するものである。
図4は、図2に示す偏光板13の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。これによると、偏光板13の製造方法は、基材フィルムの一方の表面上にケン化度が99.0モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムとする樹脂層形成工程(S10)、上記積層フィルムに5倍超の延伸倍率で一軸延伸処理を施し延伸フィルムとする延伸工程(S20)、二色性色素で染色して偏光子層12として偏光性積層フィルムを得る染色工程(S30)をこの順番に実施した後、上記偏光性積層フィルムの偏光子層12の基材フィルム11側の面とは反対側の面に保護フィルム14を貼合して多層フィルムを得る貼合工程(S40)、上記多層フィルムから基材フィルム11を剥離する剥離工程(S50)をこの順に備える。
ここでは、基材フィルムの一方の表面上にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成する。
以下であることが好ましく、さらには5〜20μmが好ましい。3μm以下であると延伸後に薄くなりすぎて染色性が著しく悪化してしまい、30μmを超えると、最終的に得られ
る偏光子層の厚みが10μmを超えてしまうことがあり好ましくない。
ーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法、などを公知の方法から適宜選択して採用できる。乾燥温度は、たとえば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。乾燥時間は、たとえば2〜20分である。
ここでは、基材フィルムおよび樹脂層からなる積層フィルムを、積層フィルムの元長に対して、5倍超の延伸倍率となるように一軸延伸し延伸フィルムを得る。好ましくは、5倍超かつ17倍以下の延伸倍率となるように一軸延伸する。さらに好ましくは5倍超かつ8倍以下の延伸倍率となるように一軸延伸する。延伸倍率が5倍以下だと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が十分に配向しないため、結果として、偏光子層の偏光度が十分に高くならない。一方、延伸倍率が17倍を超えると延伸時の積層フィルムの破断が生じ易くなると同時に、延伸フィルムの厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性・ハンドリング性が低下するおそれがある。延伸工程(S20)における延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。多段で行う場合は、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行う。
ここでは、延伸フィルムの樹脂層を、二色性色素で染色する。二色性色素としては、たとえば、ヨウ素や有機染料などが挙げられる。有機染料としては、たとえば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエ
ローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどが使用できる。これらの二色性物質は、一種類でも良いし、二種類以上を併用して用いても良い。
ここでは、偏光子層の基材フィルム側の面とは反対側の面に保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る。保護フィルムを貼合する方法としては、粘着剤で偏光子層12と保護フィルム14を貼合する方法、接着剤で偏光子層12面と保護フィルム14を貼合する方法が挙げられる。保護フィルムとして適した材料は、上述の偏光板の構成の説明で述べた通りである。また、使用に適した接着剤、粘着剤の材料、およびこれらを用いて偏光子層12と保護フィルム14を貼合する好ましい方法は、上述の偏光板の構成の説明で述べた通りである。
本実施形態の偏光板の製造方法では、図4に示すように、保護フィルムを偏光子層12に貼合する貼合工程(S40)の後、基材フィルムの剥離工程(S50)を行なう。基材フィルムの剥離工程(S50)では、基材フィルムを多層フィルムから剥離する。基材フィルムの剥離方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われる剥離フィルムの剥離工程と同様の方法で剥離できる。保護フィルムの貼合工程(S40)の後、そのまますぐ剥離してもよいし、一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて剥離してもよい。
図4に示す製造方法にしたがって、図2に示す偏光板を作製した。
基材フィルムとして、厚み110μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融
点:163℃)を用いた。
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%、商品名:Z−200)を95℃の熱水に溶解させ濃度3重量%の水溶液を調製した。得られた水溶液にポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の架橋剤(住友化学(株)製、商品名:スミレーズ(登録商標)レジン650)を混ぜた。得られた混合水溶液をコロナ処理を施した基材フィルム上にマイクログラビアコーターを用いて塗工し、80℃で10分間乾燥させ厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
ポリビニルアルコール粉末(クラレ(株)製、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%、商品名:PVA124)を95℃の熱水中に溶解させ濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液を上記プライマー層の上にリップコーターを用いて塗工し80℃で20分間乾燥させ、基材フィルム、プライマー層、樹脂層からなる三層の積層フィルムを作成した。
上記積層フィルムをテンター装置を用いて160℃で5.8倍の自由端一軸延伸を実施し延伸フィルムを得た。延伸後の樹脂層の厚みは6.1μmであった。
その後、延伸フィルムを60℃の温浴に60秒浸漬し、30℃のヨウ素とヨウ化カリウムの混合水溶液である染色溶液に150秒ほど浸漬して染色した後、10℃の純水で余分なヨウ素液を洗い流した。次いで76℃のホウ酸とヨウ化カリウムの混合水溶液である架橋溶液に600秒浸漬させた。その後10℃の純水で4秒間洗浄し、最後に50℃で300秒間乾燥させた。以上の工程により樹脂層から偏光子層を形成し、偏光性積層フィルムを得た。各溶液の配合比率は以下である。
水:100重量部
ヨウ素:0.6重量部
ヨウ化カリウム:10重量部
<架橋溶液>
水:100重量部
ホウ酸:9.5重量部
ヨウ化カリウム:5重量部
(保護フィルムの貼合)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製、平均重合度1800、商品名:KL−318)を95℃の熱水に溶解させ濃度3重量%の水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学(株)製、商品名:スミレーズ(登録商標)レジン650)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部を混ぜて接着剤溶液とした。上記偏光性積層フィルムの偏光子層の基材フィルム側の面とは反対側の面に上述のポリビニルアルコール系接着剤を塗布した後に保護フィルム(コニカミノルタオプト(株)製のTAC:KC4UY)を貼合し、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層、基材フィルムの五層からなる偏光板を得た。得られた偏光板から基材フィルムを剥離した。基材フィルムは容易に剥離され、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる偏光板を得た。偏光子層の厚みは6.1μmであった。
樹脂層に用いるポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製、平均重合度2200、ケン化度97.5〜98.5モル%、商品名:AH−22)を用いた点以外は実施例1と同じ方法で延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおけるの樹脂層の厚みは5.5μmであった。さらに、実施例1と同様の方法で染色工程、貼合工程、剥離工程などを実施して、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる実施例2の偏光板を得た。偏光子層の厚みは5.6μmであった。
樹脂層に用いるポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコール粉末(日本酢ビ・ポバール(株)製、平均重合度2600、ケン化度95.5〜97.5モル%、商品名:JM−26)を用いた点以外は実施例1と同じ方法で延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおけるの樹脂層の厚みは5.3μmであった。さらに、実施例1と同様の方法で染色工程、貼合工程、剥離工程などを実施して、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる実施例3の偏光板を得た。偏光子層の厚みは5.3μmであった。
樹脂層に用いるポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコール粉末(クラレ(株)製、平均重合度1700、ケン化度99.3モル%以上、商品名:PVA117H)を用いた点以外は実施例1と同じ方法で延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおけるの樹脂層の厚みは6.3μmであった。さらに、実施例1と同様の方法で染色工程、貼合工程、剥離工程などを実施して、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる比較例1の偏光板を得た。偏光子層の厚みは6.3μmであった。
樹脂層に用いるポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、平均重合度2400、ケン化度99.9モル%以上、商品名:クラレポバールVF−PS#7500)を細かく刻んだものを用いた点と、延伸工程における延伸倍率を4.0倍とした点以外は実施例1と同じ方法で延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおける樹脂層の厚みは6.7μmであった。さらに、実施例1と同様の方法で染色工程、貼合工程、剥離工程などを実施して、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる比較例2の偏光板を得た。偏光子層の厚みは6.7μmであった。
樹脂層に用いるポリビニルアルコールとして、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、平均重合度2400、ケン化度99.9モル%以上、商品名:クラレポバールVF−PS#7500)を細かく刻んだものを用いた点以外は実施例1と同じ方法で延伸フィルムを得た。延伸フィルムにおける樹脂層の厚みは6.3μmであった。さらに、実施例1と同様の方法で染色工程、貼合工程、剥離工程などを実施して、保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる比較例3の偏光板を得た。偏光子層の厚みは6.3μmであった。
基材フィルムを剥離して得られた保護フィルム、接着剤層、偏光子層、プライマー層の四層からなる偏光板の光学特性を、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製、V7100)にて測定した。波長380nm〜780nmの範囲においてMD透過率とTD透過率を求め、以下に表す式(1)、式(2)に基づいて各波長における単体透過率、偏光度を算出し、さらにJIS Z 8701の2度視野(C光源)により視感度補正を行い、視感度補正単体透過率(Ty)および視感度補正偏光度(Py)を求めた。なお、偏光板の測定は保護フィルム側をディテクター側とし、プライマー層側から光が入光するように機器にセットした。
偏光度(%)=√{(MD−TD)/(MD+TD)}×100 ・・・・式(2)
実施例1および比較例1〜3の偏光板について算出した視感度補正単体透過率(Ty)および視感度補正偏光度(Py)を表1に表す。
KDDI(株)から販売されている「au EXILIMケータイ W53CA」(製造元:CASIO計算機(株)を分解し、液晶セルの上下に貼ってあった偏光板を剥がして液晶セルを取り出した。
いて延伸倍率を5倍超としていることで、通常の生産に支障がでない程度の染色時間としても、所望のTy、Pyを得ることができた。そして、得られた偏光板を液晶表示装置に使用することにより、明瞭で良好な画像表示となった。
Claims (3)
- 基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に形成されている厚さ10μm以下の偏光子層とを備え、視感度補正単体透過率(Ty)が40%以上でかつ視感度補正偏光度(Py)が99.9%以上である偏光性積層フィルムの製造方法であって、
前記基材フィルムの一方の面に、ケン化度が99.0モル%以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを5倍超の延伸倍率で自由端縦一軸延伸する延伸工程と、
前記積層フィルムを二色性色素で染色する染色工程と、を含む偏光性積層フィルムの製造方法。 - 基材フィルムと、前記基材フィルムの一方の面に形成されている厚さ7μm以下の偏光子層とを備え、視感度補正単体透過率(Ty)が40.1%以上でかつ視感度補正偏光度(Py)が99.992%以上である偏光性積層フィルムの製造方法であって、
前記基材フィルムの一方の面に、ケン化度が99.0モル%以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを5倍超の延伸倍率で自由端縦一軸延伸する延伸工程と、
前記積層フィルムを二色性色素で染色する染色工程と、を含む偏光性積層フィルムの製造方法。 - 保護フィルムと、前記保護フィルムの一方の面に形成されている厚さ10μm以下の偏光子層とを備え、視感度補正単体透過率(Ty)が40%以上でかつ視感度補正偏光度(Py)が99.9%以上である偏光板の製造方法であって、
前記基材フィルムの一方の面に、ケン化度が99.0モル%以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを5倍超の延伸倍率で自由端縦一軸延伸する延伸工程と、
前記積層フィルムを二色性色素で染色する染色工程と、を含む偏光性積層フィルムの製造工程と、
前記偏光性積層フィルムにおける前記偏光子層の前記基材フィルム側の面とは反対側の面に保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る貼合工程と、
前記多層フィルムから前記基材フィルムを剥離する剥離工程と、を含む偏光板の製造方法。
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