JP2882039B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents

軟磁性薄膜

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は薄膜磁気ヘッドなどに用いられる軟磁性薄膜
及びその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 磁気記録媒体の高密度化にともなって磁気ヘッドに用
いる薄膜磁性材料には、高飽和磁束密度、低保磁力の軟
磁気特性が必要となってきている。これまでに飽和磁束
密度が1テスラ度のNi−Fe系合金薄膜、Fe−Al−Si系合
金薄膜、Co−Nb−Zr系アモルファス合金薄膜等が実用化
されている。これらの合金磁性膜の飽和磁束密度では高
密度化に対し限界が見えており、今後2テスラ程度の飽
和磁束密度を持つ軟磁性薄膜が必要になってきている。
最近、遷移金属中で最も高い飽和磁束密度(2.1テス
ラ)を持つFe薄膜との軟磁性化の研究がさかんに行われ
ている。軟磁気特性の向上には、Feに数%程度の異種元
素の添加や中間層との多層化によりFe薄膜を微細結晶粒
組織にする事が有効であるといわれている。一方鉄の格
子とミスマッチの小さなガリウム砒素(GaAs)基板上の
鉄をエピタキシャル成長させることによって鉄薄膜の軟
磁気特性が向上するという報告がある(例えばジャーナ
ルオブクリスタルグロース第81巻524ページ1987年)。
(発明が解決しようとする課題) 鉄単結晶薄膜は、添加元素を必要としないために高い
飽和磁束密度が実現されること、そもそも単結晶である
ためにきわめて安定であること、等から微細結晶粒化に
よる鉄薄膜の軟磁性化よりも磁気ヘッド用薄膜磁性材料
として有望である。しかしながらGaAs基板上にエピタキ
シャル成長させたFe単結晶薄膜は、基板との合金化が起
こり飽和磁束密度が低下するという問題があった。
本発明の目的は、飽和磁束密度が高く、軟磁気特性に
優れた単結晶鉄軟磁性薄膜及び製造方法を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、酸化物単結晶基板上にエピタキシャル成長
させたことを特徴とする鉄単結晶軟磁性薄膜、あるいは
酸化物単結晶基板上にエピタキシャル成長させたバッフ
ァー層上にエピタキシャル成長させたことを特徴とする
鉄単結晶軟磁性薄膜であり、鉄単結晶膜の成長面が(10
0)であり、酸化物単結晶基板としては、酸化マグネシ
ウムの(100)面、バッファー層がクロムであることを
特徴とする軟磁性薄膜である。なお前記結晶面(100)
は(010)、(001)と等価である。
(作用) 酸化マグネシウム基板やチタン酸ストロンチウム基板
はガリウム砒素基板と異なり、650℃という高い基板温
度でさえこの上に成長させた鉄と反応はない。従ってこ
れらの酸化物単結晶基板上にエピタキシャル成長させた
鉄単結晶薄膜の飽和磁束密度はバルクの値から減少する
ことがない。また鉄とこれらの酸化物単結晶基板とのミ
スマッチの大きさは、酸化マグネシウムでは3.76%チタ
ン酸ストロンチウムでは3.80%と比較的大きいのに対し
て、鉄のクロムあるいは鉄と銀とのミスマッチはそれぞ
れ、0.45%、0.80%であるために特に膜厚が薄い鉄単結
晶薄膜の形成にあたっては、酸化マグネシウム基板に直
接鉄を成長させるよりはクロムの単結晶バッファー層上
に鉄エピタキシャル成長させた方が欠陥の少ない鉄単結
晶薄膜を得ることができ、そのために軟磁気特性を改善
できるものである。
一方上記のような鉄単結晶軟磁性薄膜の製造にあたっ
ては、エピタキシャル成長及び鉄薄膜中の磁壁の移動を
阻害する要因を排除することが重要である。そのために
鉄原料の純度は少なくとも99.995%以上であること、及
び10-8Torr又はこれより圧力が低い超高真空中で鉄を成
長させることが必要となる。
(実施例) 以下本発明について実施例により説明する。第1図及
び第2図は本発明の軟磁性薄膜の断面模式図である。第
1図では酸化マグネシウムの酸化物単結晶基板1上に鉄
2がエピタキシャル成長している。鉄と酸化物単結晶基
板とのエピタキシャル関係は、 (001)Fe(001)Substrate, [010]Fe[100]Substrate (110)Fe(110)Substrate, [110]Fe[110]Substrate (111)Fe(111)Substrate, [110]Fe[110]Substrate である。第2図では、酸化マグネシウムの酸化物単結晶
基板1上にクロムのバッファー層3がエピタキシャル成
長し、この上に鉄2がエピタキシャル成長している。ク
ロムと酸化物単結晶基板とのエピタキシャル関係は、 (001)Cr(001)Substrate, [010]Cr[100]Substrate (110)Cr(110)Substrate, [110]Cr[001]Substrate (111)Cr(111)Substrate, [110]Cr[110]Substrate でクロムと鉄はお互いに同一結晶面、同一方位が平行に
エピタキシャル成長する。
本発明に実施にあたっては第3図に示した超高真空二
元電子ビーム蒸着装置を用いて行った。第3図の蒸着装
置の真空チャンバー内には鉄とクロムを充填した2つの
電子ビーム蒸着源4、4′、酸化物単結晶基板5、基板
加熱用ヒータ6、2つの電子ビーム蒸着源の蒸着速度を
モニターするための水晶振動子膜厚計7、7′、2つの
蒸着源から出た分子線束の開閉を行うためのシャッター
8,8′、真空ゲージ9、酸化物基板上に成長した鉄ある
いはバッファー層の表面構造評価を行うために反射高速
電子線回折用の電子銃10、及び蛍光スクリーン10′を備
え、ゲートバルブ11をとうしてクライオポンプ12により
真空排気される。超高真空を得るためにチャンバーの外
周にはヒーターがとりつけられ、ベーキングができるよ
うになっている。10-8Torr又はこれより圧力の低い超高
真空のもとでの蒸着は、チャンバーを150℃で20時間ベ
ーキングした後行ったが、これより圧力の高い真空下で
の蒸着ではベーキングを行わなかった。軟磁気特性の評
価は室温で振動試料磁力計(VSM)により飽和磁束密度
と保持力を測定した。
酸化物単結晶基板として(001)面の磁化マグネシウ
ム(MgO)を用い、真空度、鉄原料の純度を変えて鉄の
エピタキシャル成長を行った。鉄の膜厚は2000Åとし
た。蒸着速度は、0.01Å/秒から5Å/秒まで、また基
板温度は100℃から650℃まで変えて蒸着したが結果に大
きな変化はみられなかった。なおMgO基板と鉄とのエピ
タキシャル関係は反射高速電子線回折及びX線回折によ
り確認したところ、 (001)Fe(001)Substrate, [010]Fe[100]Substrate (110)Fe(110)Substrate, [110]Fe[110]Substrate (111)Fe(111)Substrate, [110]Fe[110]Substrate であった。第1表に示すように99.995%以上の純度を有
する鉄原料を用い、10-8Torr又はこれより圧力の低い超
高真空下で蒸着した場合にエピタキシャル単結晶鉄薄膜
が得られ、このときの高飽和磁束密度を維持した軟磁性
膜となることがわかる。なお表中のエピタキシャル関係
の欄の○印は上述したエピタキシャル関係を持つ単結晶
膜であることを示し、×印はエピタキシャル関係の認め
られない多結晶膜あるいは配向膜であることを意味す
る。
酸化物単結晶基板として(001)、(110)、(111)
面のチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を用い第1表と
同様の実験を行った。鉄とチタン酸ストロンチウム基板
とのエピタキシャル関係は、酸化マグネシウム基板上の
鉄の場合と同じであった。酸化マグネシウム基板の場合
と同様99.995%以上の純度を有する鉄原料を用い、10-8
Torr又はこれより圧力の低い超高真空下で蒸着した場合
にエピタキシャル単結晶鉄薄膜が得られ、このときに高
飽和磁束密度を維持した軟磁性膜となる。
鉄とクロムはいずれも体心立方格子で両者のミスマッ
チの大きさは0.45%であるために単結晶クロム上に鉄は
比較的容易にエピタキシャル成長させることが可能であ
る。クロム単結晶薄膜は酸化マグネシウムあるいはチタ
ン酸ストロンチウムの(100)、(110)、(111)基板
上に (001)Cr(001)Substrate, [010]Cr[100]Substrate (110)Cr(110)Substrate, [110]Cr[001]Substrate (111)Cr(111)Substrate, [110]Cr[110]Substrate のエピタキシャル関係を持って成長させることができ
る。典型的な成長条件は次のとおりである。クロムは電
子ビーム加熱により蒸着する。クロムの膜厚は1000Åと
した。基板温度としては、350℃から700℃、蒸着速度
は、0.05Å/秒から1Å/秒で、超高真空下で蒸着し
た。クロム単結晶薄膜の作製はスパッタなどの他の成膜
手段でも可能であるが、この上に鉄をエピタキシャル成
長させるため同一チャンバー中で成膜で行うのが望まし
い。こうして作製した(100)、(110)、(111)単結
晶クロムバッファー層上に、真空度、鉄原料の純度を変
えて膜厚2000Åの鉄のエピタキシャル成長を行った。蒸
着速度は、0.01Å/秒から5Å/秒まで、また基板温度
は100℃から650℃まで変えて蒸着したが結果に大きな変
化はみられなかった。なおクロムバッファー層と鉄との
エピタキシャル関係は反射高速電子線回折及びX線回折
により確認したところ、クロムと鉄はお互いに同一結晶
面、同一方位が平行にエピタキシャル成長することがわ
かった。第2表に示すように、99.995%以上の純度を有
する鉄原料を用い、10-8Torr又はこれより圧力の低い超
高真空下で蒸着した場合にエピタキシャル単結晶鉄薄膜
が得られ、このときに高飽和磁束密度を維持した軟磁性
膜となることがわかる。
また銀は面心立方格子であるが、銀の[100]方向の
格子定数と鉄の[110]のそれとのミスマッチは0.8%と
小さいために銀の単結晶薄膜上には鉄がエピタキシャル
成長する。銀単結晶薄膜は酸化マグネシウムあるいはチ
タン酸ストロンチウムの(100)、(110)、(111)基
板上に (001)Ag(001)Substrate, [100]Ag[100]Substrate (110)Ag(110)Substrate, [001]Ag[001]Substrate (111)Ag(111)Substrate, [110]Ag[110]Substrate のエピタキシャル関係を持って成長させることができ
る。(100)、(110)、(111)単結晶銀バッファー層
上に、真空度、鉄原料の純度を変えて膜厚2000Åの鉄の
エピタキシャル成長を行なう。蒸着速度は、0.01Å/秒
から5Å/秒まで、また基板温度は100℃から650℃まで
変えて蒸着したが大きな変化はみられない。なお銀バッ
ファー層と鉄とのエピタキシャル関係は反射高速電子回
折及びX線により確認したところ、 (001)Fe(001)Ag,[010]Fe[100]Ag (110)Fe(110)Ag,[110]Fe[001]Ag (111)Fe(111)Ag,[110]Fe[110]Ag であった。99.995%以上の純度を有する鉄原料を用い、
10-8Torr又はこれより圧力の低い超高真空下で蒸着した
場合にエピタキシャル単結晶鉄薄膜が得られ、このとき
に高飽和磁束密度を維持し軟磁性膜となることがわか
る。
(発明の効果) 以上実施例にて説明したように本発明によれば、単結
晶基板材料との合金化がないために、鉄の持っている大
きな飽和磁束密度を保持した鉄単結晶軟磁性薄膜が得ら
れる。この軟磁性薄膜は、飽和磁束密度が2ステラ程度
の大きさを持っているので、磁気記録媒体の高密度変に
対応できる磁気ヘッド材料としてに用いることができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の軟磁性薄膜の構造を示す断
面模式図、第3図は本発明の実施例で用いた電子ビーム
蒸着装置の概略図である。 1……酸化物単結晶基板、2……鉄、3……クロムのバ
ッファー層、4、4′……電子ビーム蒸着源、5……基
板、6……基板加熱ヒータ、7、7′……膜厚計、8、
8′……シャッター、9……真空ゲージ、10……反射高
速電子線回折用電子銃、10′……蛍光スクリーン、11…
…ゲートバルブ、12……クライオポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/31 G11B 5/127 H01F 10/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物単結晶基板上又は該基板上にエピタ
    キシャル成長させたバッファー層上にエピタキシャル成
    長させた鉄単結晶膜であってその成長面が(100)であ
    ることを特徴とする軟磁性薄膜。
  2. 【請求項2】酸化物単結晶基板としては、酸化マグネシ
    ウムの(100)面であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】バッファー層がクロムであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項又は第2項記載の軟磁性薄
    膜。
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