JP2700342B2 - 磁性体薄膜 - Google Patents
磁性体薄膜Info
- Publication number
- JP2700342B2 JP2700342B2 JP34104389A JP34104389A JP2700342B2 JP 2700342 B2 JP2700342 B2 JP 2700342B2 JP 34104389 A JP34104389 A JP 34104389A JP 34104389 A JP34104389 A JP 34104389A JP 2700342 B2 JP2700342 B2 JP 2700342B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- thin film
- magnetic thin
- magnetic
- plane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Magnetic Heads (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオテープレコーダ(VTR)の磁気ヘッ
ドに好適な磁性体薄膜に関する。
ドに好適な磁性体薄膜に関する。
〔従来の技術〕 VTR等の磁気ヘッドは、記録の高密度化に伴って、高
飽和磁化、高透磁率を有する軟磁性体膜を必要としてい
る。近年は、センダストやCo系アモルファス等の飽和磁
化の大きい合金をスパッタリング成膜し、磁気ヘッドに
利用することが行われている。
飽和磁化、高透磁率を有する軟磁性体膜を必要としてい
る。近年は、センダストやCo系アモルファス等の飽和磁
化の大きい合金をスパッタリング成膜し、磁気ヘッドに
利用することが行われている。
しかしながら、さらに大きな飽和磁化を得るために、
鉄に富む、Fe−M−C(M:Zr,Ta,Hf,Nbなど)系膜にお
いて、適当な熱処理を施すことにより、スパッタ成膜時
にはアモルファスであって膜を微結晶析出させた材料が
開発されている。この膜は、鉄に富むことから、最大16
KG程度の飽和磁化を持ち、微結晶であることから良好な
軟磁気特性を示す。さらにMの炭化物が結晶粒界に折出
することにより、加熱による結晶粒成長が鈍く、軟磁気
特性は600℃程度まで安定である(信学技報MR89−12(1
989))。
鉄に富む、Fe−M−C(M:Zr,Ta,Hf,Nbなど)系膜にお
いて、適当な熱処理を施すことにより、スパッタ成膜時
にはアモルファスであって膜を微結晶析出させた材料が
開発されている。この膜は、鉄に富むことから、最大16
KG程度の飽和磁化を持ち、微結晶であることから良好な
軟磁気特性を示す。さらにMの炭化物が結晶粒界に折出
することにより、加熱による結晶粒成長が鈍く、軟磁気
特性は600℃程度まで安定である(信学技報MR89−12(1
989))。
上記の膜は、鉄を成分とした微結晶粒の粒界にMの炭
化物が析出した構造となっているが、鉄微結晶粒は体心
立方格子の(110)面が膜面に平行となる、いわゆる、
(110)配向膜となっている。ところで、鉄膜は、(11
0)配向膜と(100)配向膜とが形成可能なことが知られ
ている。(例えば信学技報MR86−22,(1986))この(1
10)配向膜と(100)配向膜の膜面内に磁界を印加した
ときの結晶磁気異方性エネルギーは、(100)配向膜の
方が小さい(J.of the Magnetics Society of Japan Vo
l.13,Supplement,No.SI(1989))。すなわち、上記Fe
−M−C膜は、(110)配向膜であることから、今だ軟
磁気特性改善の余地を残している。
化物が析出した構造となっているが、鉄微結晶粒は体心
立方格子の(110)面が膜面に平行となる、いわゆる、
(110)配向膜となっている。ところで、鉄膜は、(11
0)配向膜と(100)配向膜とが形成可能なことが知られ
ている。(例えば信学技報MR86−22,(1986))この(1
10)配向膜と(100)配向膜の膜面内に磁界を印加した
ときの結晶磁気異方性エネルギーは、(100)配向膜の
方が小さい(J.of the Magnetics Society of Japan Vo
l.13,Supplement,No.SI(1989))。すなわち、上記Fe
−M−C膜は、(110)配向膜であることから、今だ軟
磁気特性改善の余地を残している。
本発明は、軟磁気特性の向上を図ることができる磁性
体薄膜を提供することを目的としている。
体薄膜を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に係る磁性体薄
膜は、鉄を母材とする体心立方格子構造の多数の合金微
結晶粒からなる磁性体薄膜において、前記各微結晶粒の
(100)面が膜面に平行に配向し、前記膜面に平行した
<010>軸の方向がランダムであり、かつ前記微結晶粒
界に合金成分の炭化物または窒化物が析出していること
を特徴としている。
膜は、鉄を母材とする体心立方格子構造の多数の合金微
結晶粒からなる磁性体薄膜において、前記各微結晶粒の
(100)面が膜面に平行に配向し、前記膜面に平行した
<010>軸の方向がランダムであり、かつ前記微結晶粒
界に合金成分の炭化物または窒化物が析出していること
を特徴としている。
微結晶粒は、平均直径が100Å以下であることが望ま
しい。
しい。
一般に、磁気ヘッド用磁性体薄膜は、磁化の方向が膜
の面内にある。また、鉄は、結晶構造が体心立方格子を
とり、結晶磁気異方性の磁化容易軸が<100>軸方向に
ある。従って、上記の如く構成した本発明は、微結晶粒
の体心立方格子の(100)面が膜面と平行となっている
ため、この膜面と平行な(100)面に平行した<010>軸
方向が膜と平行となり、しかもその方向がランダムであ
るため、膜面内での結晶の磁気異方性エネルギーが小さ
くなって高透磁率が得られ、保磁力も小さくなる。そし
て、結晶粒界に炭化物または窒化物を析出させたことに
より、この炭化物または窒化物が、磁性体薄膜を磁気ヘ
ッドに加工する際の熱工程における磁性体薄膜の微結晶
粒の成長を妨げ、透磁率の低下、保磁力の増大を防止す
る。
の面内にある。また、鉄は、結晶構造が体心立方格子を
とり、結晶磁気異方性の磁化容易軸が<100>軸方向に
ある。従って、上記の如く構成した本発明は、微結晶粒
の体心立方格子の(100)面が膜面と平行となっている
ため、この膜面と平行な(100)面に平行した<010>軸
方向が膜と平行となり、しかもその方向がランダムであ
るため、膜面内での結晶の磁気異方性エネルギーが小さ
くなって高透磁率が得られ、保磁力も小さくなる。そし
て、結晶粒界に炭化物または窒化物を析出させたことに
より、この炭化物または窒化物が、磁性体薄膜を磁気ヘ
ッドに加工する際の熱工程における磁性体薄膜の微結晶
粒の成長を妨げ、透磁率の低下、保磁力の増大を防止す
る。
X線回折パタンを用いScherrerの式から算出した結晶
粒の平均直径を100Å以下にすると、保磁力が大きくな
るのを防止できる。
粒の平均直径を100Å以下にすると、保磁力が大きくな
るのを防止できる。
鉄を主成分とする磁性体薄膜は、鉄ターゲットの上に
金属M〔Mはジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、
タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)、ニオブ(Nb)〕の
チップと炭素チップとを配置し、スパッタリングによっ
て基板上にアモルファス膜を形成して得ることができ
る。そして、このアモルファス膜を熱処理して微結晶化
するとともに、結晶粒界に合金成分であるMの炭化物を
析出させる。
金属M〔Mはジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、
タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)、ニオブ(Nb)〕の
チップと炭素チップとを配置し、スパッタリングによっ
て基板上にアモルファス膜を形成して得ることができ
る。そして、このアモルファス膜を熱処理して微結晶化
するとともに、結晶粒界に合金成分であるMの炭化物を
析出させる。
この熱処理を膜面と平行な磁界中、特に回転磁界中に
おいて行うと、結晶粒の(100)面を膜面と平行にする
ことができ、また膜面に平行な<010>軸の方向をラン
ダムにできる。そして、析出した炭化物が、磁性体薄膜
を磁気ヘッドに加工する際の熱工程における結晶粒の成
長を妨げ、X線回折パタンを用いScherrerの式から求め
た結晶粒の平均粒径を100Å以下に保つ。
おいて行うと、結晶粒の(100)面を膜面と平行にする
ことができ、また膜面に平行な<010>軸の方向をラン
ダムにできる。そして、析出した炭化物が、磁性体薄膜
を磁気ヘッドに加工する際の熱工程における結晶粒の成
長を妨げ、X線回折パタンを用いScherrerの式から求め
た結晶粒の平均粒径を100Å以下に保つ。
スパッタリングの条件は、通常のスパッタリング条件
でよい。また、膜面に平行に印加する磁界は、600Oe以
上であれば充分である。そして、熱処理の条件は、500
〜600℃の雰囲気中に30分〜2時間程度保持すればよ
い。600℃より高湿で熱処理を行うと、結晶粒が100Å以
上になるおそれがある。また、500℃以下では、炭化物
の析出が充分でなかったり、充分結晶化できないおそれ
がある。
でよい。また、膜面に平行に印加する磁界は、600Oe以
上であれば充分である。そして、熱処理の条件は、500
〜600℃の雰囲気中に30分〜2時間程度保持すればよ
い。600℃より高湿で熱処理を行うと、結晶粒が100Å以
上になるおそれがある。また、500℃以下では、炭化物
の析出が充分でなかったり、充分結晶化できないおそれ
がある。
一方、基板上にMgOの下地膜を形成し、この下地膜上
に鉄を主成分とするFe−S−Nの磁性体薄膜を形成する
と、結晶粒の(100)面が膜面と平行に配向し、膜面と
平行した<010>軸がランダムな結晶粒からなる磁性体
薄膜が得られる。ただし、ここにSは、アルミニウム
(Al)、ガリウム(Ga)、ケイ素(si)、ゲルマニウム
(Ge)である。
に鉄を主成分とするFe−S−Nの磁性体薄膜を形成する
と、結晶粒の(100)面が膜面と平行に配向し、膜面と
平行した<010>軸がランダムな結晶粒からなる磁性体
薄膜が得られる。ただし、ここにSは、アルミニウム
(Al)、ガリウム(Ga)、ケイ素(si)、ゲルマニウム
(Ge)である。
この場合、磁性体薄膜を形成するときに、鉄ターゲッ
ト上に添加物Sのチップを配置し、アルゴンガス+窒素
ガスの雰囲気中においてスパッタリングを行う。Fe−S
−Nの磁性体薄膜を形成した後、500〜600℃において30
分から2時間熱処理を行うと、結晶粒界にSの窒化物を
析出させることができる。そして、析出した窒化物が、
磁気ヘッドに加工する際の熱工程における結晶粒の成長
を妨げ、Scherrerの式から、求めた結晶粒の平均粒径を
100Å以下に保つ。
ト上に添加物Sのチップを配置し、アルゴンガス+窒素
ガスの雰囲気中においてスパッタリングを行う。Fe−S
−Nの磁性体薄膜を形成した後、500〜600℃において30
分から2時間熱処理を行うと、結晶粒界にSの窒化物を
析出させることができる。そして、析出した窒化物が、
磁気ヘッドに加工する際の熱工程における結晶粒の成長
を妨げ、Scherrerの式から、求めた結晶粒の平均粒径を
100Å以下に保つ。
<第1実施例> 本発明の磁気ヘッド用磁性体薄膜の好ましい実施例
を、添付図面に従って詳説する。
を、添付図面に従って詳説する。
20.32cm(8インチ)の鉄ターゲット上にZrと炭素と
のチップを配置し、真空チャンバ内を1×10-6Torrの真
空度にした後、アルゴンガスを供給して2×10-3Torrの
アルゴンガス雰囲気にし、1kWの電力を供給してマグネ
トロンスパッタにより、第1図(A)に示したように基
板10上にFeZrCの組成を有するアモルファス磁性体薄膜
を2.5μm形成した。次に、このアモルファス膜を膜面
に沿った710Oeの磁界中において、600℃の温度で30分間
保持して熱処理をし、アモルファス膜を結晶化させて磁
性微結晶粒からなる磁性体薄膜12にした。
のチップを配置し、真空チャンバ内を1×10-6Torrの真
空度にした後、アルゴンガスを供給して2×10-3Torrの
アルゴンガス雰囲気にし、1kWの電力を供給してマグネ
トロンスパッタにより、第1図(A)に示したように基
板10上にFeZrCの組成を有するアモルファス磁性体薄膜
を2.5μm形成した。次に、このアモルファス膜を膜面
に沿った710Oeの磁界中において、600℃の温度で30分間
保持して熱処理をし、アモルファス膜を結晶化させて磁
性微結晶粒からなる磁性体薄膜12にした。
このようにして形成した磁性体薄膜12を、Cuのkα線
を用いてX線回折を行った結果、第2図(A)に示した
ように(200)面に強度のピークが現れ、結晶粒の(10
0)面が膜面に平行に配向していることが確認できた。
また、磁性体薄膜12を電子顕微鏡により観察をした結
果、第1図(B)に模式図を示したように、各結晶粒16
の粒界にZrの炭化物18が観察された。
を用いてX線回折を行った結果、第2図(A)に示した
ように(200)面に強度のピークが現れ、結晶粒の(10
0)面が膜面に平行に配向していることが確認できた。
また、磁性体薄膜12を電子顕微鏡により観察をした結
果、第1図(B)に模式図を示したように、各結晶粒16
の粒界にZrの炭化物18が観察された。
そして、磁性体薄膜12の磁性結晶粒16のScherrerの式
から求めた平均直径は、100Å以下てあった。なお、第
1図(B)に示した矢印20は、磁性体薄膜12の膜面に垂
直な<100>軸方向を示す。
から求めた平均直径は、100Å以下てあった。なお、第
1図(B)に示した矢印20は、磁性体薄膜12の膜面に垂
直な<100>軸方向を示す。
第3図、第4図は、上記のように形成した磁性体薄膜
12の飽和磁化(4πMs)と保磁力(Hc)との特性を示し
たものである。
12の飽和磁化(4πMs)と保磁力(Hc)との特性を示し
たものである。
第3図は、磁性体薄膜12の炭素Cの含有量を10.1〜1
2.4at%に保持したときの、飽和磁化(4πMs)と保磁
力HcとのZr依存性を示したものである。また、第4図
は、磁性体薄膜12のZrの含有量を6.2〜7.3at%にし保持
したときの、飽和磁化(4πMs)と保磁力HcとのC依存
性を示したものである。
2.4at%に保持したときの、飽和磁化(4πMs)と保磁
力HcとのZr依存性を示したものである。また、第4図
は、磁性体薄膜12のZrの含有量を6.2〜7.3at%にし保持
したときの、飽和磁化(4πMs)と保磁力HcとのC依存
性を示したものである。
磁気ヘッド用磁性体薄膜は、飽和磁化が大きく、保磁
力が1以下であることが望ましい。従って、第3図、第
4図の結果から、磁性体薄膜12のZrの含有量は5〜10at
%が望ましく、またCの含有量は7〜20at%が望ましい
ことがわかる。
力が1以下であることが望ましい。従って、第3図、第
4図の結果から、磁性体薄膜12のZrの含有量は5〜10at
%が望ましく、またCの含有量は7〜20at%が望ましい
ことがわかる。
このようにして得たFeZrCからなる磁性体薄膜12は、
ヘッドに加工する際の熱工程においても磁気特性に殆ど
変化がなく、高性能の磁気ヘッドが得られた。
ヘッドに加工する際の熱工程においても磁気特性に殆ど
変化がなく、高性能の磁気ヘッドが得られた。
上記実施例においては、FeZrCからなる磁性体薄膜12
について説明したが、Zrに代えてHf,Ta,Ti,Nbを用いて
も同様の効果を得ることができ、またZr,Hf,Ta,Ti,Nbの
複数を合金の組成に含めてもよい。
について説明したが、Zrに代えてHf,Ta,Ti,Nbを用いて
も同様の効果を得ることができ、またZr,Hf,Ta,Ti,Nbの
複数を合金の組成に含めてもよい。
<第2実施例> 鉄ターゲット上にアルミニウム(Al)のチップを配置
し、真空チャンバ内にアルゴンガスと窒素ガスを供給
し、窒素のガス圧を0.1×10-3Torr、全ガス圧を2×10
-3Torrであるアルゴンガス+窒素ガス雰囲気にし、表面
にMgOからなる約250Åの下地膜を作成したガラス基板10
上に、第1実施例と同様にしてFeAlNからなる磁性体薄
膜12を2.5μm成膜した。このように形成したFeAlNの膜
は、(100)面が膜面と平行に配向することが知られて
いる(例えば、第13回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1989)、細野彰彦、島田寛による「Fe−Si膜の配向性
と軟磁気特性」)。
し、真空チャンバ内にアルゴンガスと窒素ガスを供給
し、窒素のガス圧を0.1×10-3Torr、全ガス圧を2×10
-3Torrであるアルゴンガス+窒素ガス雰囲気にし、表面
にMgOからなる約250Åの下地膜を作成したガラス基板10
上に、第1実施例と同様にしてFeAlNからなる磁性体薄
膜12を2.5μm成膜した。このように形成したFeAlNの膜
は、(100)面が膜面と平行に配向することが知られて
いる(例えば、第13回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1989)、細野彰彦、島田寛による「Fe−Si膜の配向性
と軟磁気特性」)。
その後、FeAlN膜を、500℃の温度で1時間保持してア
ニール処理を行った。
ニール処理を行った。
その結果、第2図(B)に示したように(200)面方
向に回析ピークが現れ、結晶粒の(100)面が膜面と平
行に配向していることが確認された。また、電子顕微鏡
による観察によって、結晶粒界にAl窒化物が析出してい
ることを観察できた。
向に回析ピークが現れ、結晶粒の(100)面が膜面と平
行に配向していることが確認された。また、電子顕微鏡
による観察によって、結晶粒界にAl窒化物が析出してい
ることを観察できた。
第5図は、上記のようにして形成したFeAlNの窒素N
の含有量を5〜20at%に維持し、Alの含有量を変化させ
たときの保磁力の変化を示したものである。また、第6
図は、FeAlN膜のAlの含有量を2〜10at%にし、Nの含
有量を変化させたときの保磁力の変化を示したものであ
る。
の含有量を5〜20at%に維持し、Alの含有量を変化させ
たときの保磁力の変化を示したものである。また、第6
図は、FeAlN膜のAlの含有量を2〜10at%にし、Nの含
有量を変化させたときの保磁力の変化を示したものであ
る。
これらの図から、Alは5〜20at%、Nは5〜20at%の
FeAlN膜が磁気ヘッドの材料として適していることがわ
かる。なお、Alに代えてGa,si,Geを用いても同様の効果
を得ることができ、またこれらの複数を合金の組成とし
て含んでいてもよい。
FeAlN膜が磁気ヘッドの材料として適していることがわ
かる。なお、Alに代えてGa,si,Geを用いても同様の効果
を得ることができ、またこれらの複数を合金の組成とし
て含んでいてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、鉄を主成分
とする微結晶粒からなる磁性体薄膜の結晶粒の(100)
面を膜面と平行に配向し、膜面と平行な<010>軸をラ
ンダムにするとともに、結晶粒界に合金成分の炭化物ま
たは窒化物を析出させたことにより(110)配向膜以上
に良好な軟磁気特性を有し、かつ、磁気ヘッドの熱工程
においても結晶粒が成長することがなく、透磁率の低下
を防ぐことができる。
とする微結晶粒からなる磁性体薄膜の結晶粒の(100)
面を膜面と平行に配向し、膜面と平行な<010>軸をラ
ンダムにするとともに、結晶粒界に合金成分の炭化物ま
たは窒化物を析出させたことにより(110)配向膜以上
に良好な軟磁気特性を有し、かつ、磁気ヘッドの熱工程
においても結晶粒が成長することがなく、透磁率の低下
を防ぐことができる。
第1図は、本発明の実施例に係る磁気ヘッド用磁性体薄
膜の説明図、第2図は、実施例のX線回析の結果を示す
図、第3図は、実施例に係るFeZrC膜の飽和磁化と保磁
力とのZr依存性を示す図、第4図は、実施例に係るFeZr
C膜の飽和磁化と保磁力とのC依存性を示す図、第5図
は、実施例に係るFeAlN膜の保磁力のAl依存性を示す
図、第6図は、実施例に係るFeAlN膜の保磁力のN依存
性を示す図である。 10……基板 12……磁性体薄膜 16……結晶粒 18……炭化物
膜の説明図、第2図は、実施例のX線回析の結果を示す
図、第3図は、実施例に係るFeZrC膜の飽和磁化と保磁
力とのZr依存性を示す図、第4図は、実施例に係るFeZr
C膜の飽和磁化と保磁力とのC依存性を示す図、第5図
は、実施例に係るFeAlN膜の保磁力のAl依存性を示す
図、第6図は、実施例に係るFeAlN膜の保磁力のN依存
性を示す図である。 10……基板 12……磁性体薄膜 16……結晶粒 18……炭化物
Claims (2)
- 【請求項1】鉄を母材とする体心立方格子構造の多数の
合金微結晶粒からなる磁性体薄膜において、前記各微結
晶粒の(100)面が膜面に平行に配向し、前記膜面に平
行した<010>軸の方向がランダムであり、かつ前記微
結晶粒界に合金成分の炭化物または窒化物が折出してい
ることを特徴とする磁気ヘッド用磁性体薄膜。 - 【請求項2】前記微結晶粒は、平均直径が100Å以下で
あることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド用磁
性体薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34104389A JP2700342B2 (ja) | 1989-12-29 | 1989-12-29 | 磁性体薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34104389A JP2700342B2 (ja) | 1989-12-29 | 1989-12-29 | 磁性体薄膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03203307A JPH03203307A (ja) | 1991-09-05 |
JP2700342B2 true JP2700342B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=18342707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34104389A Expired - Fee Related JP2700342B2 (ja) | 1989-12-29 | 1989-12-29 | 磁性体薄膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2700342B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-29 JP JP34104389A patent/JP2700342B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03203307A (ja) | 1991-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6410170B1 (en) | High resistivity FeXN sputtered films for magnetic storage devices and method of fabrication | |
Hasegawa et al. | Soft magnetic properties of microcrystalline Fe-MC (M= V, Nb, Ta) films with high thermal stability | |
US20060280973A1 (en) | Tunable magnetic recording medium and its fabricating method | |
Allegranza et al. | Effect of substrate and antiferromagnetic film’s thickness on exchange‐bias field | |
WO2004086427A1 (ja) | 垂直磁気異方性を有するFePt磁性薄膜とその製造方法 | |
US4842917A (en) | Magnetic recording medium and process for producing the same | |
US5176806A (en) | Soft magnetic alloy film | |
KR980009480A (ko) | Fe기 연자성합금의 제조방법 | |
Qiu et al. | Magnetic properties and crystal structure of high moment FeTaN materials for thin‐film recording heads | |
JP2700342B2 (ja) | 磁性体薄膜 | |
US5069983A (en) | Magnetic recording member | |
JPH0744108B2 (ja) | 軟磁性薄膜 | |
JPH0785452B2 (ja) | 磁性体膜とその製造方法 | |
JPH03263306A (ja) | 磁性体膜および磁気ヘッド | |
JP2006236486A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
JP2921103B2 (ja) | 軟磁性薄膜およびその製造方法 | |
JP2774611B2 (ja) | 軟磁性合金膜の製造方法および熱処理方法 | |
Chen et al. | Effect of NiAl intermediate layer on structural and magnetic properties of L1 FePt films with perpendicular anisotropy | |
JPH03203308A (ja) | 磁性薄膜積層体 | |
JP2882039B2 (ja) | 軟磁性薄膜 | |
Kim et al. | Anomalously soft magnetic properties of boron‐rich CoB thin films | |
JP2657710B2 (ja) | 軟磁性薄膜の製造方法 | |
JP2698864B2 (ja) | 軟磁性薄膜の製造方法 | |
JP2893706B2 (ja) | 鉄系軟磁性膜 | |
JP2584687B2 (ja) | 軟磁性薄膜の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071003 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |