JP2880328B2 - 自動現像機用水洗水の再生浄化装置および該装置を用いたハロゲン化銀感光材料の処理方法 - Google Patents

自動現像機用水洗水の再生浄化装置および該装置を用いたハロゲン化銀感光材料の処理方法

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JP2880328B2
JP2880328B2 JP20122391A JP20122391A JP2880328B2 JP 2880328 B2 JP2880328 B2 JP 2880328B2 JP 20122391 A JP20122391 A JP 20122391A JP 20122391 A JP20122391 A JP 20122391A JP 2880328 B2 JP2880328 B2 JP 2880328B2
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washing water
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動現像機用水洗水の
再生浄化装置及び該装置を用いたハロゲン化銀感光材料
の処理方法に関し、さらに詳しくは節水効率が高く、優
れた仕上り性能を与えるコンパクトで安価な自動現像機
用水洗水の再生浄化装置及び該装置を用いたハロゲン化
銀感光材料の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ハロゲン化銀感光材料の現像処理
は自動現像機を用いて行われるのが一般的であるが、こ
のような自動現像機は通常、現像、定着、水洗、乾燥の
各工程からなっており、現像及び定着処理を終えた感光
材料は水洗工程において材料中に含まれる前工程の処理
液成分、特に定着液成分を水洗除去される。この水洗が
不十分である場合、特に黒白ハロゲン化銀感光材料にお
いては材料中の残留定着液成分に起因する画像の経時劣
化等の性能上の問題が生じてくる。従って、感光材料中
の残留定着液成分を十分に除去するため十分な水洗が行
われる必要があるが、自動現像機中の水洗槽に収容され
る水洗水量では上記の如き充分な水洗は不可能であっ
た。このため、水洗処理時には水道水を常時供給し、オ
ーバーフローする水洗水はそのまま下水道へ排水する方
法がとられるのが現状であった。
【0003】上記の如き状況の中で近年、省資源及び生
産コスト低減の観点から自動現像機の水洗時における節
水要求が強まってきており、これに伴う技術改善要求も
高まっている。即ち、都市部における地盤沈下等の問
題、欧米諸国に比較しての下水処理設備の立ち遅れに対
する設備投資等による上下水道料金の上昇、また、特定
地域における夏場の特異的気象状況に起因する断水等に
対応するための水洗水節約に関する要求は、近年の製版
所での処理量の増大及び排水総量規制の問題と相まって
ますます強まってきている。
【0004】上記の如き節水要求に対して、従来提案さ
れている水洗処理のかわりに薬品処理を行なう無水洗・
無配管システム又は向流水洗法等は、現在の黒白ハロゲ
ン化銀写真感光材料用、特に印刷製版用自動現像装置に
は処理槽の増大等装置の複雑化・大型化を招き、この結
果、処理ラインが長くなり、感光材料の処理時間が長く
なってしまい、近年の大量処理に伴う処理の迅速化の視
点からは全く逆行する方向にあり、適用できないもので
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、1つの方法
として、水洗処理を行う水洗槽とは別に水洗水を溜めて
おく貯水槽を水洗槽の近傍に設け該貯水槽と水洗槽の間
で水洗水を循環させる方法が考えられるが、この方法に
よれば処理される感光材料により水洗水中に持ちこまれ
る前工程の現象液、定着液成分及び染料、色素、界面活
性剤、ゼラチン等の感光材料からの溶出成分等の濃度が
処理量の増大に応じて上昇し、特に近年の大量処理にお
いては法的に定められた水質基準としてのヨウ素消費量
の値をも短時間で上回ってしまう結果となり排水上の問
題点が残る。
【0006】本発明者等は上記問題点に関して、先に特
願平1−65440号、特願平1−65442号等にお
いて、使用済水洗水を再生するための再生手段として酸
化剤供給手段を設けることを提案している。
【0007】しかしながら、上記の如き水洗水を循環さ
せる方法においては、水洗水の系中での停滞時間が長い
事により水垢やカビ等の発生が増大し、またこれが循環
配管内に堆積する。このような問題を解決するために殺
菌剤や防バイ剤などの薬品を添加する技術については従
来から知られているが、効果が十分ではなく、前記の如
き節水効率と排水処理の問題と共に水垢等の発生という
従来の問題点を同時に解決できる方法は未だ実現してい
なかった。
【0008】従って、本発明の第1の目的は水洗水の再
生利用を可能にし、その結果節水効率の改善された自動
現像機用水洗水の再生浄化装置及び該装置を用いたハロ
ゲン化銀感光材料の処理方法を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、従来の水洗水の循
環使用によって発生する水垢、カビ等の除去可能な自動
現像機用水洗水の再生浄化装置及び処理方法を提供する
ことにある。
【0010】本発明の第3の目的は、節水効果のすぐれ
たハロゲン化銀感光材料処理方法を提供するにあたり、
よりコンパクトでよりコスト性にすぐれたものを提供す
ることにあり、とりわけ本発明では従来の自動現像機の
簡単に取り付けが可能であるという簡便性も提供され
る。
【0011】更に本発明の第4の目的は、汚染された水
洗水と排水可能な迄に浄化しうる自動現像機用水洗水の
再生浄化装置及び処理方法を提供することにある。
【0012】また本発明の第5の目的は、従来の溜水節
水方式でおこりがちな循環配管への汚れ付着等のトラブ
ルを構造的に循環配管をなくすことで解消した自動現像
機用水洗水の再生浄化装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の自動現像機用水洗水の再生浄化装置は、少
なくとも、現像部、定着部及び水洗部からなるハロゲン
化銀感光材料用自動現像機にて処理を行う場合において
水洗水を再生しながら処理するための再生手段と、該水
洗水の汚染濃度が所定値を越える場合前記水洗部に酸化
剤及び保恒剤を含有する浄化剤を供給する浄化剤供給手
段と、浄化剤供給後に前記水洗部内の水洗水の少なくと
も一部を排水できるように水洗水の汚染濃度を測定する
手段を具備する排水手段と、自動現像機停止後に前記水
洗部に一定濃度の前記浄化剤を投与して一定の接触時間
をもち洗浄を行なう水洗部洗浄手段とを有することを特
徴とする。
【0014】また、本発明の再生浄化装置は、前記再生
手段が前記浄化剤供給手段を兼ねることを特徴とする。
【0015】また、本発明の再生浄化装置は、前記酸化
剤として過酸化水素水を用いることを特徴とする。
【0016】また、本発明のハロゲン化銀感光材料の処
理方法は、本発明の再生浄化装置を用いて行なうことを
特徴とする。
【0017】浄化剤により水洗水中定着液を分解し、水
を再生しながらハロゲン化銀感材を処理する節水処理が
実現されたが、節水することで汚れ等がたまりやすくな
るため、本発明者等は、先に、節水処理後、酵素等で洗
浄すること(特願平2-416392号)、またポリアルキレン
オキサイド化合物と防バイ剤を併用すること(特願平3-
63901号)で、より自動現像機水洗槽の汚れを防止する
工夫をしてきた。
【0018】本発明者等は、更なる節水処理における自
動現像機水洗槽の汚れ付着防止技術を追求するべく鋭意
検討の結果、酵素、防バイ剤等を使うことで解決しよう
としてきた課題を、水洗水の再生のための浄化剤と同一
のものを所定濃度の範囲で洗浄剤としても使用すること
により解決でき、しかも従来より高い汚れ付着防止効果
が得られることを見い出し、本発明を為すに到った。ま
た、水洗水再生のためと同時に汚れ付着防止のための洗
浄剤として同一の浄化剤を使うことで、処理の簡便さ、
使い勝手の向上を達成できた。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の自動現像機用水洗水の再
生浄化装置の一例を模式的に示す概略図である。図1に
よれば本発明の自動現像機用水洗水の再生浄化装置は、
感光材料を処理する自動現像機の水洗槽1に再生もしく
は浄化手段として感材処理面積情報に基づいて自動的に
酸化剤を供給する又は自動現像機停止後に洗浄手段とし
て酸化剤を供給するための酸化剤供給手段2と、水洗槽
1にもち込まれるハイポを分解するために酸化剤を入れ
ているが、感材からの溶出成分等の蓄積から考えてある
汚染濃度になった場合、水の入れ変えを行わねばならな
いので、そのため少くとも水洗水の一部を排水できるよ
うに水洗水の汚染濃度を測定する手段を具備する排水手
段3と、水洗槽1内の水洗水中にポリアルキレンオキサ
イド鎖を有する化合物を存在せしめる添加手段4とから
なりたっている。
【0021】また、図2は、本発明の再生浄化装置のそ
の他の例を模式的に示す概略図である。これは、浄化剤
が自動現像機の現像液の補充信号をもらうことで供給槽
2aより随時希釈混合槽2bに送り込まれ水で希釈され
水洗槽1へある汚染濃度すなわちある処理面積になった
ら送り込まれる仕様になっている。このとき混合希釈水
は自動現像機水洗部底部より撹拌効率を上げる目的でノ
ズル噴射型の供給口より送り込まれる。
【0022】本発明は、従来の溜水循環方式の節水シス
テムを更にコンパクト化し、コスト性を高め、また、循
環配管での汚れ防止のために循環配管を取りはらった。
その結果節水のみならずメンテナンス性にも非常にすぐ
れた自動現像機用水洗水の再生浄化装置を提供すること
ができる。
【0023】本発明において再生手段として用いられる
酸化剤としては、金属または非金属の酸化物、酸素酸ま
たはその塩、過酸化物、有機の酸系を含む化合物等が挙
げられるが、貯水槽内の使用済水洗水中に持ち込まれた
定着液成分を分解することを主に目的としている点から
上記酸素酸としては硫酸、亜硝酸、硝酸、次亜塩素酸等
が好ましく、過酸化物としては過酸化水素水、フェント
ン酸薬等がとくに好ましい。またオゾンも好ましく用い
られる。
【0024】これらの酸化剤は、水等で希釈して、水洗
槽1に供給されるが、通常は供給槽から必要に応じ、一
定量ずつ自動的に添加され、好ましくは一定時間内に1
度位の割合で供給用弁を開き自動落下させる形で水洗槽
1に添加される。添加量は、感光材料の種類、処理量、
処理液の種類等により任意に選択することができるが、
もち込まれる定着液成分に相関すると考えられることか
ら、前述したようなタイマー設定によって数時間単位で
必要量を自動的に添加するような方式においては、もち
込まれる定着液中のチオ硫酸イオンに対して1/2モル
〜数倍当量モル範囲で、特に1/2〜3倍モル当量の範
囲で添加されることが好ましい。また実際にはもち込ま
れる定着液成分そのものは処理感材量に比例するため、
処理感材量によって添加量を決定することも可能であ
る。水洗槽1は再生を効率よく行なうため、公知の撹拌
手段を有することができる。
【0025】撹拌手段としては、水洗槽内に循環ポンプ
を用いたり、小さなプロペラ状のものを取りつけた撹拌
ユニットを自現機水洗槽内に投入してその機能を利用す
ることが好ましい。
【0026】更に処理量が増大し、汚染の程度が進行す
ると水洗槽1の水洗水全部又は少なくとも1部を排水し
て新しい水洗水と交換する必要が生じてくる。しかしな
がら、特に汚染の程度が前記排水基準をこえてしまった
場合は下水道への排水が不可能となるため、常に水洗水
の汚染濃度を検出してその濃度を許容範囲内に保つ必要
がある。このため、水洗水の汚染濃度をいずれかの方
法、好ましくは水洗槽内の水洗水を汚染濃度測定手段を
用いて測定して、該測定値に基いて別途設けられた浄化
剤供給槽から自動的に浄化剤を供給し水洗槽1内の水洗
水を許容値にまで浄化する。この後に浄化された水洗水
の少なくとも一部を排水手段3にて排水する。水洗槽1
内の水洗水は全部排水してもよいが、1部だけ排水し新
しい水洗水と置換し混合使用してもよい。
【0027】本発明において水洗水の汚染濃度とは、下
水道放流を行なうことからヨウ素消費量規制を満足する
ことが必要であると考えられるため、該ヨウ素消費量に
最も影響を及ぼすと考えられる定着液成分であるチオ硫
酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウム等のチオ硫酸イオ
ン濃度と考えることができる。
【0028】本発明に用いられる浄化剤としては上記再
生手段として用いられたものと同様の酸化剤及び保恒剤
を含有し、さらに場合によって浄化剤供給手段とは別の
添加手段4により水洗槽中にポリアルキレンオキサイド
鎖を有する化合物を添加し存在せしめることができる。
さらに、図1、図2では添加手段4は浄化剤供給手段2
とは別に設けられているが、これを兼用して用いて、浄
化剤に酸化剤、保恒剤、及びポリアルキレンオキサイド
鎖を有する化合物を含有させたものを使用することが同
様に本発明の効果が得られてコンパクト化の点では好ま
しい。この場合も、ポリアルキレンオキサイド鎖を有す
る化合物は浄化剤として水洗槽中に添加され存在せしめ
ることができる。
【0029】本発明に使用する保恒剤は過酸化水素等の
酸化剤の安定剤として用いるもので例えば、燐酸、バル
ビツール酸、尿素、アセトアニリド、オキシキノリン、
ピロリン酸四ナトリウム、フェナセチン、サリチル酸、
ジピコリン酸、キノリン酸、ピリジンカルボン酸、ED
TA、エチレンジアミン四(メチレンフォスフォン酸)
等が挙げられる。保恒剤の使用量は物によって異なる
が、例えば過酸化水素重量の10-7倍〜1倍、より好まし
くは10-5倍〜0.5倍で、酸の場合はpHが5.7以下になら
ない範囲で加えるべきである。
【0030】また、本発明に使用するポリアルキレンオ
キサイド鎖を有する化合物としては、特に限定はされな
いが、プロピレングリコールを疎水基としてエチレンオ
キシドを付加した化合物で、一般式HO(C24O)a
−(C36O)b−(C24O) cH(a,b,cは正の
整数)で表わされる化合物が特に好ましく使用される。
【0031】本発明では、平均分子量が2000〜8500、ポ
リプロピレングリコール(PPG)分子量が1400〜240
0、総分子中のエチレンオキシド重量%が40〜85%程度
のものが好ましく、特に一般式において、a+cが15
0、bが30程度のものが好ましい。
【0032】本発明に使用する該ポリアルキレンオキサ
イド鎖を有する化合物は、市販品として、例えば、旭電
化(株)製の「プルロニックシリーズ」の非イオン界面
活性剤がある。
【0033】本発明では、以下に挙げるものが具体的に
好ましい。
【0034】ポリアルキレンオキサイド鎖を有する化合
物の添加量は、水洗水に対し1ppm〜1000ppm、より好ま
しくは10ppm〜100ppmであり、また浄化剤として含有す
る場合には浄化剤に対し、0.01%〜10%、より好ましく
は0.1%〜5%である。
【0035】なお、図1,図2のように浄化剤供給手段
は、再生手段として前記酸化剤供給槽を設ける場合はこ
れと兼用して用いることがコンパクト化の点で好まし
い。
【0036】これらの浄化剤は、例えば水洗槽1中にお
ける水洗水のチオ硫酸イオン濃度がヨウ素消費量の基準
値に対応する値をこえる場合、その濃度に応じて添加す
ることができ、水等で希釈して、水洗槽1に隣接させて
配置された浄化剤供給槽から水洗槽1に添加されるが、
通常は該供給槽から必要に応じ一定量ずつ自動的に添加
され、好ましくは一定時間に1度位の割合で供給用弁を
開き自動落下させる形で水洗槽1に添加される。添加量
は水洗水中のチオ硫酸イオン濃度に応じて実験等により
決定することができる。
【0037】本発明におけるチオ硫酸イオン濃度に応じ
て一定量ずつ浄化剤を供給し自動的に浄化させる手段と
しては、ORP(酸化還元電位)電極によってORP値
を測定し、それをもとに浄化剤を自動添加する方法が可
能である。具体的には所定濃度のチオ硫酸ナトリウム溶
液をpH4又はpH7に調整し次亜塩素酸ナトリウムを
添加しヨウ素消費量、(MnO4 消費量及びORP値を
測定して浄化剤の添加量を決定することができる。すな
わち、例えば0.03N−Na223 溶液で、pH
1及びpH7のものの各々に次亜塩素酸ナトリウムを添
加していくとある添加量でpH7の溶液において第1液
のORP値の急激な立ち上りがみられ、この点がヨウ素
消費量の最低値と一致した。これはS23 2- の全量が
酸化された事を示す。次亜塩素酸ナトリウムを更に添加
すると、pH7溶液の第2液の立ち上り及びpH4溶液
の急激な立ち上りがみられるこのように中性あるいは酸
性域ORP値の立ち上りを利用して+500〜800m
Vになる迄次亜塩素酸ナトリウムを添加することで自動
的に浄化を行なうことができる。このような方法によ
り、種々の場合におけるORP値を測定することによっ
て浄化剤の添加量を決定することができる。
【0038】上記ORP電極は水洗槽内に設置して連続
的、又は必要に応じて適宜測定してもよいし、また随時
水洗槽に挿入することにより測定してもよい。この測定
値を自動的又は人為的に浄化剤供給手段にフィードバッ
クして、例えば電磁開閉弁等を作動させることにより、
必要量の浄化剤を水洗槽の水洗水に供給することができ
る。水洗槽内には、前述した如く浄化を促進させるため
通常の公知の撹拌手段を有することもできる。
【0039】また、別の汚染濃度測定方法としては、処
理感材の面積を測定して代用させる方法がある。すなわ
ち、主たる汚染物質であるチオ硫酸イオンは処理感材に
より持ちこまれる成分であるためその量は処理される感
材の量すなわち総面積にほぼ対応していると考えられ
る。従って、実験により所定量の感材を処理した場合の
汚染濃度及びこれを所定の値まで浄化するにどれだけ量
の浄化剤が必要となるかを予め決定しておき、この結果
を用いて処理感材の総面積を測定・計算して、これに対
応した量の浄化剤を供給すればよい。
【0040】このような方法としては具体的には、自動
現像機の感材挿入口付近に設けられたセンサーにて感材
を検知し、このセンサーの情報に基いてセンサーに接続
されたカウンターにて処理感材総面積をカウントする。
カウントされた総面積が所定の汚染濃度に相当する値を
越えた場合、前記実験値に基いて所定量の浄化剤を水洗
槽に供給する。この際、予め前記実験値をインプットし
ておき、総面積値に対応した量の浄化剤を演算し自動的
に供給せしめるシステムを装置内に有していてもよい
し、また、総面積カウンターが所定値以上になるとアラ
ームが鳴り、これに応じて実験に基き人為的に供給して
もよい。
【0041】このときの供給の方法としては、水洗槽上
部より必要浄化剤を滴下するよりもその撹拌効果をより
高めるため水洗槽中の水にそのまま供給するのがこのま
しい。とくに水洗槽の水面よりも、液中に溶けこませる
効果として4〜5cm以下の位置に入る方がこのまし
い。
【0042】上記の如く浄化剤を添加することにより、
所定の値、少なくとも排水基準を設定する値まで浄化さ
れた水洗水は排水手段3により少なくともその1部が排
水される。排水手段は例えば電磁弁を有し自動的に開閉
することができるが、浄化剤供給後自動的に弁が開くよ
うにしてもよいし、浄化剤供給又は浄化が確認された後
に自動的又は人為的に開き排水してもよい。
【0043】とくにこのとき前述したように浄化剤を規
定量一定濃度添加する場合、高濃度のものを少量滴下す
るよりも水等で希釈して一定量の容量のものを一気に送
り込んだ方が早く撹拌されこのましい。とりわけ希釈さ
れた状態では、水量が多くなる分自動的に汚染、浄化さ
れた水洗水の一部がそのままオーバーフロー排水となっ
て下水道に排水される。このときに浄化剤の添加は、一
箇所より水洗槽に送りこまれてもよいが、撹拌効果をよ
り高め内部の水の循環効果による汚染物質付着を防止す
るため数個のノズル噴射口によって噴射注入されること
が好ましい。とくにノズルの穴は2箇所以上で噴射効果
を高めるためポンプ圧にて送り込まれる方がとりわけ好
ましい。水洗槽底部に噴射器を置き穴より上方に向かっ
て注入する型のようなものはとくに効果的である。
【0044】なお本発明のごとく従来の溜水水洗型の節
水型自動現像機でおこりがちな汚れの付着は、循環配管
のない事とこの拡散効果をとり入れることで特に解消さ
れる。
【0045】これにより、自動現像機内の水質は常に一
定に保たれ処理中は水の入れ変えのために水洗槽が空に
なることはなく作業効率上からとくに好ましいといえ
る。
【0046】本発明では、自動現像機の水洗部の洗浄手
段として、前記浄化剤を以下のようにして使用すること
で本発明の効果を発揮せしめることができる。すなわ
ち、自動現像機停止後に使用中の水洗水が全部排水され
てそのあと再度水が水洗槽に供給される。その水洗槽中
に浄化剤供給手段によって一定濃度の浄化剤が投与さ
れ、一定の接触時間を保った後再度排水される。
【0047】本発明において、浄化剤の一定濃度とは、
水洗水中600ppm〜2000ppmの範囲であり、特に800ppm〜2
000ppmの範囲であることが好ましい。600ppm未満である
とその効果が発揮されず、また2000ppmを超えると濃度
が高過ぎて作業上望ましくない。
【0048】一方、一定の接触時間とは、少なくとも1
時間以上であり、特に好ましくは2時間以上である。接
触時間が少なすぎると洗浄効果が十分に発揮されない。
【0049】本発明が適用される自動現像機の水洗手段
としては、従来公知の種々の水洗槽及び水洗方法を用い
ることが出来る。とくに本発明においては、従来の自動
現像機へ簡単に取付け設置することですぐに実施するこ
とができる。この場合、浄化剤供給手段、浄化剤そのも
のの設置スペースから考えて自動現像機内に設置するこ
とがとくにこのましい。具体的には図1,図2の機構は
そのまま自動現像機内に吸収されることがこのましい。
【0050】以上に述べた如く、本発明におけるように
浄化剤供給手段を設けて水洗水を再生利用することによ
り節水効率を増大させ、更に処理量の増大により生じる
汚染水洗水を浄化することにより排水処理を行なうとい
う考え方は本発明者等が鋭意研究の結果初めて見出した
ものであり従来技術には全く見られないものである。
【0051】本発明に適用するハロゲン化銀感光材料は
好ましくは黒白感光材料であり、特に好ましくは黒白ネ
ガフィルム、黒白反転フィルム、Xレイフィルム、複写
用フィルム、印刷用フィルム、グラビアフィルム、黒白
ペーパー、電算写植用ペーパー等が挙げられる。
【0052】また、本発明を適用する自動現像機の現像
部、定着部、乾燥部については従来公知の種々の方式全
てもちいることができる。
【0053】使用される黒白現像液には現像主薬として
ジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン類の組合せが好ましく用いられる。勿論この他にp
−アミノフェノール系現像主薬を含んでもよい。
【0054】用いられるジヒドロキシベンゼン現像主薬
としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロ
ムハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチ
ルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、
2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジプロムハ
イドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノンなどが
あるが特にハイドロキノンが好ましい。
【0055】1−フェニル−3−ピラゾリドン又はその
誘導体の現像主薬としては1−フェニル−4,4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニ
ル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンな
どがある。
【0056】P−アミノフェノール系現像主薬としては
N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェ
ノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリジン、2
−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジルアミノ
フェノール等があるが、N−メチル−p−アミノフェノ
ールが好ましい。
【0057】現像主薬は通常0.01モル/リットル〜
1.2モル/リットルの量で用いられるのが好ましい。
【0058】用いられる現像液のpHは9から13の範
囲のものが好ましい。更に好ましくはpH10から12
の範囲である。
【0059】pHの設定のために用いるアルカリ剤には
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリ
ウムの如きpH調節剤を含む。
【0060】特開昭61−28708号(ホウ酸塩)、
特開昭60−93439号(例えば、サッカロース、ア
セトオキシム、6−スルホサルチル酸)、リン酸塩、炭
酸塩などの緩衝剤を用いてもよい。
【0061】上記成分以外に用いられる添加剤としては
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、
亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫
酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなど
の亜硫酸塩;臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリ
ウムの如き現像抑制剤:エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホル
ムアミド、メチルセロソルブ、ヘキシレングリコール、
エタノール、メタノールの如き有機溶剤:1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンツ
イミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩等のメルカ
プト系化合物、5−ニトロインダゾール等のインダゾー
ル系化合物、5−メチルベンツトリアゾール等のベンツ
トリアゾール系化合物などのカブリ防止剤を含んでもよ
く、更に必要に応じて色調剤、界面活性剤、消抱剤、硬
水軟化剤、特開昭56−106244号記載のアミノ化
合物などを含んでもよい。
【0062】現像液に銀汚れ防止剤、例えば特開昭56
−24347号に記載の化合物を用いることもできる。
【0063】用いられる現像液には、特開昭56−10
6244号に記載のアルカノールアミンなどのアミノ化
合物を用いることができる。
【0064】この他L.F.A.メソン著「フォトグラ
フィック・プロセシン・ケミストリー」、フォーカル・
プレス刊(1966年)の226〜229頁、米国特許
第2,193,015号、同2,592,364号、特
開昭48−64933号などに記載のものを用いてもよ
い。
【0065】用いられる定着液はチオ硫酸塩を含む水溶
液であり、pH3.8以上、好ましくは4.2〜5.5
を有する。
【0066】定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムがあるが、チオ硫酸イオンとアンモニ
ウムイオンとを必須成分とするものであり、定着速度の
点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の
使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜6
モル/リットルである。
【0067】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでも良く、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アンモニウム、カリ明ばんなどがあ
る。
【0068】定着液には、酒石酸、クエン酸あるいはそ
れらの導体を単独で、あるいは2種以上、併用すること
ができる。これらの化合物に定着液1リットルにつき
0.005モル以上含むものが有効で、特に0.01モ
ル/リットル〜0.03モル/リットルが特に有効であ
る。
【0069】具体的には、酒石酸、酒石酸カリウム、酒
石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸
リチウム、クエン酸アンモニウムなどがある。
【0070】定着液には所望により保恒剤(例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硝
酸)、pH調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能のあるキ
レート剤や特願昭60−213562号記載の化合物を
含むことができる。
【0071】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。
【0072】図2に示すように設置した自動現像機(コ
ニカ(株)製オートマチックプロセッサーGR−27)
にてフィルムを処理する。フィルム大全サイズ508×610
mm2にあたる処理面積ごとに表1に示すような種類、量
の浄化剤と0.7リットルの水を自動現像機の現像液の補
充作動信号からの情報で随時水洗槽中に送り込まれる。
その際、水洗槽中の水洗水が補充分だけオーバーフロー
する。この方法にて大全サイズフィルムを連続135枚ず
つ毎日処理し続けた。このときの水質基準としてI2
費量、pHを測定した。I2消費量、pHは処理をしてい
る作業中の水洗水タンクより採取してヨウ素滴定によっ
て算出した。また、水洗槽ラック内の汚れについても評
価を行なった。なお、上記フィルムは、明室返し用フィ
ルムCRH(コニカ(株)製)を製版用プリンターP−
607(光源:超高圧水銀灯URT−CHM−100
0)大日本スクリーン(株)製にて露光、黒化率約20
%のものを使用した。
【0073】本実施例では、浄化剤(再生剤)として過
酸化水素水を用い、また自現機停止後の洗浄剤としては
浄化剤と同一の過酸化水素を用いた以下の処方で構成さ
れた浄化剤を用いた。
【0074】再生剤として用いる過酸化水素水濃度は表
1に示し、洗浄剤としての浄化剤濃度は本実施例では同
一の過酸化水素水を用いているため、過酸化水素水濃度
のことである。その濃度と接触時間を表に示した。
【0075】結果を表2に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】以上の結果から、本発明によれば長期連続
使用しても水質を一定に保ち、かつ水洗槽の清掃なしで
長期運転可能で、メンテナンスフリー性に非常にすぐれ
たものとなることが明らかである。
【0079】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、自動現像機用水洗水の再生利用を可能にし、その
結果節水効率が改善される。また、汚染された水洗水を
排水可能な迄に浄化し、従来循環配管で起きるトラブル
を構造的に解消できる。さらに、本発明の装置はコンパ
クトで安価であり、従来の自動現像機へ簡単に取り付け
設置できて、簡便である。本発明によれば、水洗槽の汚
れ付着防止効果に大変優れ、水洗槽清掃なしのメンテナ
ンスフリーの節水処理自動現像機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を模式的に示す概略図
である。
【図2】本発明の他の実施例の構成を模式的に示す概略
図である。
【符号の説明】 1 水洗槽(手段) 2 浄化剤供給手段 3 排水手段 4 添加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 11/00 G03D 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、現像部、定着部及び水洗部
    からなるハロゲン化銀感光材料用自動現像機にて処理を
    行う場合において水洗水を再生しながら処理するための
    再生手段と、該水洗水の汚染濃度が所定値を越える場合
    前記水洗部に酸化剤及び保恒剤を含有する浄化剤を供給
    する浄化剤供給手段と、浄化剤供給後に前記水洗部内の
    水洗水の少なくとも一部を排水できるように水洗水の汚
    染濃度を測定する手段を具備する排水手段と、自動現像
    機停止後に前記水洗部に一定濃度の前記浄化剤を投与し
    て一定の接触時間をもち洗浄を行なう水洗部洗浄手段と
    を有することを特徴とする自動現像機用水洗水の再生浄
    化装置。
  2. 【請求項2】 前記再生手段が前記浄化剤供給手段を兼
    ねる請求項1記載の自動現像機用水洗水の再生浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記酸化剤として過酸化水素水を用いる
    請求項1記載の自動現像機用水洗水の再生浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の自動現像機用
    水洗水の再生浄化装置を用いて行なうことを特徴とする
    ハロゲン化銀感光材料の処理方法。
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